JP2005128862A - コントロールレシピ作成システム及びレシピ作成用プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スケジュール情報と、クラス及びトポロジーを含むプラント構造データと、マスターレシピとを用いてコントロールレシピを作成するコントロールレシピの作成システムであって、前記マスターレシピは、領域知識又は前記プラント構造データの情報とリンクされた複数のキーワードを用いてプラントの操作手順を記述する形式言語で作成されていることを特徴とする構成とする。
【選択図】図1
Description
この方法の特徴は、プラントの各工程を階層的に表現し、一連の操作手順を階層的な表現方法で記述することを前提として、プラントの制御単位を予め一定の領域で仕切られる区画領域(これを本明細書では「制御グループユニットCGU」及び「要素制御グループユニットECGU」という。)という単位でグループ分けし、各工程がこの制御ユニットを単位として階層制御されるようにした点にある。
本発明に係るコントロールレシピ生成プログラムをコンピュータに実行させると、ユーザーが形式言語でマスターレシピを作成すればそこから自動的にコントロールレシピが生成される。また、プログラムには形式言語の文法チェックアルゴリズムが内蔵されているため、意図しないコントロールレシピを作成するミスが未然に防止される。
プラントで製造される製品は、「マスターレシピ」とよばれる基本レシピと、製品の製造要求量を含むスケジュール情報と、プラント構造に関する情報とから作成される「コントロールレシピ」に基づいて作成される。
マスターレシピが同じでもそれを適用するプラントやスケジュール情報が異なれば作成されるコントロールレシピは異なるものとなる。
この定義によると、制御レイヤーは、(i)プロシージャ、(ii)ユニットプロシージャ、(iii)オペレーション、(iv)フェーズ、の各階層(hierarchy)によって表現される。最も上位のレイヤーはプロシージャであり、最も下位のレイヤーはフェーズである。最終的なプラント構成要素の具体的操作はフェーズレベルで表現されるものとなる。
ユニットプロシージャには、主操作(分離[例えば、抽出、蒸留、乾燥、吸着など]、反応[例えば、塩化ビニル重合反応など]など、及び機械的操作([例えば、成形、分級など])等が含まれ、例えば、仕込みAを行う等の動作もユニットプロシージャのレイヤーで制御される。
オペレーションの詳細はフェーズであり、特定された操作端(例えばバルブVを開く、ポンプPをスタートさせる)とそれへの制御が規定される。
プラント構造図とは、例えば図2に示すような、プラント構成要素(タンク、バルブ、ポンプ、ヒーター等)と配管との結合を示すグラフィカルな図面(このような図面を『P&ID(Piping & Instrument Diagram)図』という。)である。
プラント構造図は近年テキストベースで表現できる形式に標準化されつつある。その一つとして、例えば、ISO10303 AP221(審議中)及びAP227に準拠したプラント構造図の表現方法がある。この方法によれば、プラント構成要素のクラス(ポート及び装置クラス)やプラントトポロジ(プラント構成要素間の結合関係及び配置情報等)などがテキストベース(XML形式)で表現される。
図1(b)は、本発明に係るコントロールレシピ作成システムのベースとなるレシピ作成支援システムを示す機能分解図である。
本発明に係るコントロールレシピ作成システムは、形式言語(formal language)によってマスターレシピを作成(synthesize)すると、その言語を構成するセンテンス(文)の構成要素(キーワード)からコンピュータが所定のルックアップリストやプラント構造データ(プラントトポロジーなど)等を参照し、コントロールレシピ生成プログラムが自動的にコントロールレシピを生成(generate)するというものである。コントロールレシピの生成に先立ち、まず、マスターレシピを作成しなければならないが、本発明ではコンピュータのユーザーインターフェース環境を利用してマスターレシピを作成する。
上述の通り、本発明に係るコントロールレシピの作成システムは、まず始めに、RFDLという言語を用いて人間が理解しやすい形式的な表現で操作手順を作成する。例えば、『MOVE material1 FROM t1 TO t2』という形式的な表現は、「材料1をタンクt1からタンクt2に移動させよ」ということを意味するものと予め定義しておく。この表現は、決められた方式に従っていてかつ人間にとって直感的に分かりやすい反面、材料1とは何を指すのか、タンクt1及びタンクt2とはどの部位のどのような種類のプラント構成要素であるのか、移動させとは具体的にどのような動作によって行うのか、一切不明である。
例えば、MTは材料(material)を意味し、MT1とは”emulsifier”という物質を指すと定義する。同様に、NT1は”窒素(N2)”を指すと定義する。
なお、領域知識はオントロジエディタとよばれるエディターを用いて作られる。このオントロジエディタは、クラス(classes)、属性(attributes)、段階(instances)、制限(constraint or rules)などの情報がRFDLセンテンスを構成するトークンとリンクされ、必要時に参照されるようになっている。「オントロジ」とは、意味情報を定義するための方法であり、共通の属性など、意味上のつながりを利用してRFDLの文法チェックなどが可能となる。例えば、『MOVE』の次には必ず『材料(material)』の属性を持つトークンがおかれなければならない。オントロジ記述によると他のタイプのトークンが来たとき、エラーを発する又は選択肢から除外するようなアルゴリズムを採用することが容易である。
トークンは、そのタイプ(種類)に応じて次の4つに分類される。
(1)入力トークン(input): ユーザーインターフェースから入力されるキーワードである。
(2)変数トークン(variable): RFDL構文以外を用いたさらに進んだ定義式を表すキーワードである。
(3)参照トークン(lookup): ルックアップリスト又はルックアップテーブルからトークン(トークンバリュー)を得るために参照されるキーワードである。
(4)定数トークン(constant): 定数トークンとはRFDLで用いられる最も簡単なキーワードである。
入力トークン(i_token):参照トークンの頭に”i_”を付加して表記される
変数トークン(Token):最初の一字のみ大文字で表記される
参照トークン(token):全て小文字で表記される
定数トークン(TOKEN):全て大文字で表記される
RFDL Statment IS Identifier_token IS token_1 token_2 ..... token_n [S1]
Recipe_Condition IS External_Command / (procedure_id procedure_status) / Process_condition [S2]
Action IS structure_action [ALL / UPSTREAM / DOWNSTREAM ] actionable_equip_class OF Topology_Area [S3]
Topology_Area IS unit_id / ecgu_id / structure_function structure_class / material_class structrure_class [S4]
図3は、マスターレシピ作成支援プログラム(マスターレシピエディター)のフローチャートを示している。
ステップSA1は、マスターレシピのRFDLのキーワードを定義するステップである。プラント構造データにより特定されたプラントに関する領域知識を用いながらトークンとしてキーワードを定義することにより、キーワードを領域知識とリンクさせる。
ステップSA2は、プラント設計モデルを定義するステップである。ここではトポロジーエディターというプラント構造データを作成・修正するためのツールを用いてプラント設計モデルを定義する。
ステップSA3は、レシピを定式化(Formula)するステップである。レシピの定式化(Recipe Formula)とは、プロセス材の入力及び出力、プロセスパラメータ等のレシピ情報を数式で表したものである。例えば、記号”x001”を、”材料1の総量(AMOUNT)”と定義するステップであり、例えばユニットプロシージャの終了条件(終了トリガー)を規定する場合に式を用いて表現を簡素化することができる。また、数式の定義は、種々のものが可能である。
ステップSA4は、マスターレシピの元となるジェネラルレシピ(上述)のヘッダー情報を定義するステップである。例えば、識別記号IDとタイトル(description)を定義する。
ステップSA5は、マスターレシピのヘッダー情報を定義するステップであり、例えば、識別記号ID、日付、所有者、製品名、プラント名、バッチサイズなどを定義する。
表は上下にレイヤーが示され、左側はヘッダー情報、右側が詳細情報を示している。ヘッダー情報は詳細情報とリンクされている。
「初期トリガー:P001−UP002 STARTED」
「アクション :INITIATE(初期化)P001−UP001」
「終了トリガー:n/a(なし)」
と入力する。
「初期トリガー:P001−UP001 STARTED」
「アクション :INITIATE(初期化)P001−UP001−OP001」
「終了トリガー:AMOUNT EQ x001 OF emulsifier MOVED」
を入力する。
「初期トリガー:n/a(なし)」
「アクション :MOVE Emulsifier FROM measurement TANK TO U001」
「終了トリガー:n/a(なし)」
を入力する。
なお、実際には例えば図6に示すようなユーザーインターフェース環境を利用してユーザーが適宜RFDL文(又はトークン)を入力していけばよく、図4のような表を毎回作成する必要はない。また、コンピュータに入力情報を保存できるため、修正・変更等が容易に行える。このようなユーザーインターフェース環境は、プログラム言語(Visual Basic(登録商標)など)を用いて作成することができる。
RFDLトークンと、領域知識・プラント構造及び操作手順とのリンクは、ルックアップリストを用いて構築される。ルックアップリストはRFDL文に含まれる全てのルックアップトークンのために作成される。ルックアップトークンの例は、ストラクチャーid(プラント構成要素のリストとリンクされる)、プロシージャid(あらゆるレイヤーで定義された全てのプロシージャidとリンクされる)などがある。
図5は、マスターレシピからコントロールレシピを自動生成するためのプログラムの一例を示している。
ステップSB1は、プラントトポロジーのためのECGUの境界領域を定義するステップである。具体的には、コントロールバルブによって囲まれた全ての微小トポロジージーエリアを定義する。
ステップSB2は、コントロールレシピのRFDLのキーワードを定義するステップである。プラント構造データにより特定されたプラントに関する領域知識を用いながらトークンとしてキーワードを定義することにより、キーワードを領域知識とリンクさせる。
ステップSB3は、マスターレシピのヘッダー情報及び詳細情報を定義するステップである。
ステップSB4は、与えられたマスターレシピの識別記号IDに対するコントロールレシピのヘッダー(プロシージャ、ユニットプロシージャ及びオペレーションのレイヤー)を生成するステップである。
ステップSB5は、コントロールレシピの詳細情報を生成するステップである。この時点では、マスターレシピの各レイヤーにおける詳細情報(図4の右欄)をコピーする。
ステップSB6は、マスターレシピにおいて定式化されたレシピを実際の値に置換するステップ、ステップSB7は、全てのタスクにおけるトポロジーエリアを実際のトポロジーエリアで置換するステップである。この置換ステップは領域知識を用いて行われる。このステップでは同時に、クラス(マテリアルストラクチャークラス)を実際のストラクチャーIDで置換する。
コントロールレシピの自動生成アルゴリズムは、RFDL文で作成されたマスターレシピと領域知識とリンクされているそれぞれのルックアップリスト等から所定の解を代入することにより行われる。
R= A|B (※論理演算記号”|”は論理和orを指す) ・・・(1)
は、
R=A and R=B ・・・・・・(1’)
に展開できる。また、
R=A[B]C (※[ ]で囲まれたトークンは任意) ・・・・(2)
は、
R=ABDE and R=ADE ・・・・・・(2’)
と展開できる。また、
R=A(B)C (※( )で囲まれた部分は積演算が優先される)・・・(3)
は、C=DEを代入すれば、
R=ABDE ・・・・・・(3’)
というように展開される。これらはあくまで一例にすぎないが、すなわち、予め決めておいた論理演算に従って、括弧を含む複雑な変数トークンは単純な論理演算式に置き換えられる。
ステップSB9は、プラントトポロジーのためのCGUの境界領域を定義するステップである。具体的には、ソースと目的地とを含むCGU境界を認識する。
ステップSB10は、フェーズレベルオペレーションの生成を行うステップである。フェーズレベルのタスクは材料の移動、トポロジーエリアの切り離しアイソレーション(切り離し)、クリーニング(洗浄)、加熱、等の操作をサポートしている。これらのタスクは制御可能なデバイス(コントロールバルブやポンプ等)を通して実行される。
ステップSB11は、メタオペレーションのフェーズレベルオペレーションの生成を行うステップである。
マスターレシピの中で繰り返し用いられる典型的な動作、例えば、特定のプラント区画のアイソレーション(切り離し)、プラント区画の結合(コネクション)、クリーニング、ベント(タンクの空気抜き)、チャージ(充填)、リカバリー(回復)等は、いずれも複数のタスクから成り立っている。
OPEN BV4111
及び
OPEN BV4118
という表現に置換(展開)される。なお、この置換についても上述したサーチリストプログラムで実現できる。
このように、メタオペレーション或いはメタユニットプロシージャを定義しておくと、マスターレシピの作成がより一層簡単になる。メタオペレーションやメタユニットプロシージャはいずれも一般的な(つまり上位概念的な)定義であるため、プラント構造データを変えてもそのまま使用することができる。このため、種々のメタオペレーション或いはメタユニットプロシージャ等を集めたライブラリを作成しておくと、マスターレシピ作成の際の利用価値が高い。
RFDLはバッチプラントにおけるマスターレシピやコントロールレシピに限られず、連続オペレーションの操作手順、具体的には、スタートアップオペレーション、シャットダウンオペレーション、リカバリーオペレーションの操作手順及び定常操作状態などを記述することに用いることもできる。
Claims (4)
- スケジュール情報と、クラス及びトポロジーを含むプラント構造データと、マスターレシピとを用いてコントロールレシピを作成するコントロールレシピの作成システムであって、前記マスターレシピは、領域知識又は前記プラント構造データの情報とリンクされた複数のキーワードを用いてプラントの操作手順を記述する形式言語で作成されていることを特徴とするコントロールレシピの作成システム。
- マスターレシピに含まれる前記形式言語のキーワードが、予め決められた論理演算に従って、前記キーワードとリンクされている領域知識又はプラント構造データの情報に順次置換されることにより、前記プラントにおける特定のコントロールレシピが作成されることを特徴とする請求項1記載のコントロールレシピの作成システム。
- 前記マスターレシピは、マスターレシピの中で繰り返し用いられる複数のタスクの組とリンクされた形式動作表現(メタオペレーション又はメタユニットプロシージャ)を含むことを特徴とする請求項1記載のコントロールレシピの作成システム。
- 形式言語で記述されると共にプラント構成要素の結合状態を含むプラント構成情報と制御レイヤーとが関連づらけて記述されたマスターレシピから、各制御レイヤー毎のコントロールレシピを自動生成するためのプログラムであって、マスターレシピで記述された形式言語のキーワードを予め登録した領域知識又はプラント構造データから取得したデータに順次置換することによりコントロールレシピを作成するステップを実行させるコントロールレシピ生成プログラム。
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JP2007257563A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-04 | Hitachi Ltd | バッチプラントの運転支援装置 |
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