JP2005127853A - 光波干渉計 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、干渉ノイズの影響を容易に低減することのできる光波干渉計を提供することにある。
【解決手段】光学系構成部材として光出射手段16と、ビームスプリッタ18と、参照鏡20と、撮像手段26と、を備えた光波干渉計10において、該ビームスプリッタ18と該撮像手段26との間で該撮像手段26の直前に設けられ、入射光の光量を所定の割合で減少して通過させる光量減少フィルタ29を備え、被測定物30の凹凸情報をもたない干渉ノイズは該撮像手段26での反射光と該光学系構成部材20からの光との合成、干渉により発生し、該干渉ノイズを発生するであろう撮像手段26での反射光は該光量減少フィルタ29、該光学系構成部材20、該光量減少フィルタ29を順に介して該撮像手段26に入射し、主干渉縞を形成する光36,34よりも多くの回数、該光量減少フィルタ29を通過した後に該撮像手段26に入射することを特徴とする光波干渉計10。
【選択図】 図1

Description

本発明は光波干渉計、特に干渉ノイズの低減機構の改良に関する。
従来より、被測定物の寸法や形状などを測定するため、種々の測定装置が用いられており、最近は寸法や形状などの測定が高分解、非接触に行える光波干渉計が特に注目されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
光波干渉計では、例えば被測定物を干渉計の一方の光路中に挿入し、他方の光路の光を参照光として、被測定物の測定面からの反射光及びベースプレート面からの反射光とそれぞれ干渉させ、これらの干渉縞の位相差、被測定物の寸法の予備値に基づいて、被測定物の相対向する端面間の寸法を測定している。
光波干渉では、特に干渉縞の位相を簡単に求める必要があり、干渉縞をカメラなどの撮像手段で観測している。この際も、干渉縞の位相を高精度に求める必要があり、特に高精度な干渉縞画像を得ることが重要である。高精度な干渉縞画像を得るためには、干渉ノイズをできるだけ小さくすることが重要である。
このために従来は、干渉計の光学系構成部材に減反射コートを施す方法が考えられる。
また従来は、撮像カメラの撮像素子面の直前に減反射コートを施すことも考えられる。
また従来は、光波干渉計の技術ではなく、レーザのビーム形状を評価するレーザビーム観測装置などの一般的な技術であるが、撮像カメラの保護ガラスに代えて、ファイバーオプティクスプレートを配置することも考えられる(例えば特許文献3)。
また従来は、測定に使用するレーザ光の入射部分で拡散板を回転させる方法を行うことも考えられ、これは光の可干渉性を悪くさせることにより、干渉ノイズの低減を試みるものである。
また従来は、干渉縞像を回転させた拡散板に投影し、それを撮像カメラで撮影することも考えられる。
特開平6−3418009号公報 特開2000−146517号公報 特開平7−239220号公報
しかしながら、前記何れの方法も充分なノイズ低減効果を簡単かつ安価に得られるものではなかった。
すなわち、前記干渉計の光学系構成部材に減反射コートを施す方法では、高価な割にはノイズの効果的な低減が難しい。
また前記撮像カメラの撮像素子面の直前に減反射コートを施す方法では、ノイズの効果的な低減が難しく、また多重反射の影響も無視できない。
前記ファイバーオプティクスプレートを用いたのでは、非常に高価である。
前記レーザ光の入射部分で拡散板を回転させる方法を用いたのでは、光強度、分解能が低下する。
前記干渉縞像を回転させた拡散板に投影する方法では、装置が大きくなる、高価になる、また回転拡散板の振動が精度に悪影響を与えてしまう。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は容易に干渉ノイズの影響を低減することのできる光波干渉計を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明にかかる光波干渉計は、その光学系構成部材として光出射手段と、ビームスプリッタと、参照鏡と、撮像手段と、を備え、光出射手段からの可干渉光を、ビームスプリッタにより参照鏡を照射する光、及び被測定物を照射する光に分割し、参照鏡からの反射光、及び被測定物からの反射光をビームスプリッタで合成し、その干渉縞を撮像手段で撮像し、撮像手段で得られた干渉縞画像に基づいて被測定物の凹凸情報を得る光波干渉計において、光量減少フィルタを備える。前記被測定物の凹凸情報をもつ主干渉縞は、前記参照鏡からの反射光と該被測定物からの反射光の合成、干渉により得られる。該参照鏡からの反射光、該被測定物からの反射光はそれぞれ前記ビームスプリッタ、前記光量減少フィルタを介して前記撮像手段に入射する。前記被測定物の凹凸情報をもたない干渉ノイズは、前記光学系構成部材からの光と前記撮像手段での反射光との合成、干渉によって発生する。該干渉ノイズを発生するであろう撮像手段での反射光は、前記光量減少フィルタ、前記光学系構成部材、該光量減少フィルタを順に介して前記撮像手段に入射し、前記主干渉縞を形成する光よりも多くの回数、前記光量減少フィルタを通過した後に、前記撮像手段に入射することを特徴とする。
ここで、前記光量減少フィルタは、前記ビームスプリッタと前記撮像手段との間で該撮像手段の直前に設けられ、入射光の光量を所定の割合で減少して通過させる。
ここにいう被測定物の凹凸情報とは、寸法の場合、形状の場合を含めていう。
またここにいう被測定物の凹凸情報を得るとは、光路長(光路差)を波長で割った時の商の端数(位相)εを求める際の位相測定が一例として挙げられる。
ここにいう主干渉縞を形成する光よりも多くの回数、前記光量減少フィルタに入射するとは、撮像手段での反射光が1回、光量減少フィルタに入射した時に完全に吸収される理想的な場合や、撮像手段での反射光が光量減少フィルタを通過し、光学系構成部材で反射され、再度光量減少フィルタを通過した後に、干渉ノイズの影響が無視できる程度に光量が減少されている場合を含めていう。
ここにいう前記光学系構成部材からの光とは、光波干渉計の光学系構成部材からの光の場合や、被測定物からの光の場合も含めていう。
なお、本発明において、前記光量減少フィルタは、光の波長にかかわらず一定の割合で光の強さを減らして、入射光を通過させるNDフィルタであることが好適である。
また本発明において、前記光出射手段は、波長可変レーザ光源を含む。また制御手段と、画像処理手段と、を備えることが好適である。
ここで、前記波長可変レーザ光源は、使用波長の範囲内において前記可干渉光の波長を変える。
また前記制御手段は、前記波長可変レーザ光源の波長制御を前記使用波長の範囲内において行い、位相の異なる干渉縞画像を前記撮像手段に取得させる。
前記画像処理手段は、前記撮像手段で得られた位相の異なる干渉縞画像に基づいて、前記被測定物の凹凸情報を得る。
また本発明において、前記光量減少フィルタの光透過率は、該光量減少フィルタへの入射光の強度1に対して0.01〜0.70が好ましく、特に0.01〜0.10が好ましい。
すなわち、光量減少フィルタの光透過率が0.01よりも小さいと、主干渉縞が暗くなり被測定物の測定に支障をきたすことがある。これに対し、光量減少フィルタの光透過率が0.70よりも大きいと、後段の撮像手段で反射光が発生しやすくなり、干渉ノイズの影響が強くなってしまうからである。
また本発明において、前記光量減少フィルタは、該光量減少フィルタでの反射光の発生を低減できる点で優れた、光の吸収により光の強さを減らす吸収型NDフィルタであることが好適である。
また本発明において、前記光量減少フィルタは、その光入出射部を前記ビームスプリッタと前記撮像手段との間の光軸と直交する方向に対して傾けて設けることが好適である。
以上説明したように本発明にかかる光波干渉計によれば、撮像手段の直前に光量減少フィルタを設け、主干渉縞を形成する光よりも、干渉ノイズを発生するであろう光を、多くの回数、光量減少フィルタに入射させることとしたので、簡単かつ安価に干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
また本発明においては、光量減少フィルタとしてNDフィルタを用いることにより、波長可変による位相シフト法を採用しても、簡単かつ安価に干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
本発明において、光量減少フィルタの光透過率は入射光の強度1に対して0.01〜0.70、特に0.01〜0.10であることにより、主干渉縞を高精度に得ることができると共に、干渉ノイズを大幅に低減することもできる。
本発明においては、光量減少フィルタとして吸収型NDフィルタを用いることにより、反射型NDフィルタに比較し干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
本発明において、光量減少フィルタは、その光入出射面を光軸と直交する方向に対して傾けて設けることにより、垂直入射に比較し干渉ノイズを大幅に低減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の好適な一実施例について説明する。
図1には本発明の実施例1にかかる光波干渉計の概略構成が示されている。
同図に示すマイケルソン干渉計(光波干渉計)10は、例えば位相シフト干渉計よりなり、レーザ光源12及びビームエキスパンダ14等の光出射手段16と、ビームスプリッタ18と、参照鏡20と、結像レンズ22及びCCDカメラ24等の撮像手段26と、画像処理手段28を備える。
本実施例において特徴的なことは、位相シフト干渉計のビームスプリッタ18と撮像手段26との間で撮像手段26の直前、例えば結像レンズ22の直前に、NDフィルタ(光量減少フィルタ)29を設けたことである。
そして、レーザ光源12からのレーザ光(可干渉光)32は、ビームエキスパンダ14でビーム径が被測定物30の測定面の大きさに基づいて拡大された後、ビームスプリッタ18により参照鏡20を照射する光36、及び被測定物30を照射する光34に分割される。参照鏡20からの反射光36、及び被測定物30からの反射光34を、ビームスプリッタ18で合成、干渉させる。その干渉光38を干渉縞として撮像手段26で撮像している。
ここで、本実施例においては、干渉縞の位相をシフトした干渉縞画像を複数枚、撮像手段26で取得している。
干渉縞の位相のシフトを行うため、レーザ光源12として、使用波長の範囲内において光出射手段16よりのレーザ光32の波長を変える波長可変レーザを用い、またドライバ42、コンピュータ40等の駆動制御手段44により、レーザ光源12の波長制御を行って、位相の異なる干渉縞画像を撮像手段26に取得させている。
画像処理手段28は、例えばコンピュータ40等よりなり、撮像手段26で得られた、これらの位相の異なる干渉縞画像から、最小二乗法等で位相(被測定物の凹凸情報)を算出する。画像処理手段28は、得られた位相を滑らかに接続し、被測定物30の形状を得ている。
なお、前記干渉縞画像から形状や寸法を求める方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば特開2001−108417号公報(例えば段落番号0009)等に記載のものを用いることができる。
本実施例にかかる干渉計10は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本発明者は、前記干渉計でのノイズ対策について鋭意検討を重ねた結果、その主な原因として、以下に示されるような撮像手段26での反射光による干渉ノイズに着目した。
すなわち、干渉計では、干渉縞画像を簡単に取得するため、CCDカメラ等の撮像手段を用いることが多いが、CCDカメラの前部に取付けられる結像レンズ表面や、CCDカメラの撮像素子面での反射光がしばしば発生する。撮像手段26での反射光は、例えばビームスプリッタ18を透過ないし反射し、参照鏡20ないし被測定物30で反射され、再びビームスプリッタ18に戻り、これが他の光と干渉し、主干渉縞に対して干渉ノイズとなって現れることがわかった。
干渉ノイズは干渉縞の解析後の形状に系統誤差として含まれるので、被測定物の正確な形状や寸法の測定を行うためには、撮像手段26での反射光による干渉ノイズの影響を小さくする必要があることが判明した。
このために従来は、干渉計の光学系構成部材や、撮像手段に振動を与える方法も考えられるが、振動が測定精度に影響を及ぼすこと、振動が装置を故障させることがあるため、本発明では採用するには至らなかった。
これに対し、本発明者は、干渉ノイズを発生するであろう撮像手段での反射光を、主干渉縞を形成する光よりも多くの回数、光量減少フィルタに入射させた後に撮像手段に入射させるという、簡単かつ安価な方法を採用しても、充分な干渉ノイズ低減効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
このために本実施例においては、ノイズの発生要素であろう結像レンズ22やCCDカメラ本体24等の結像手段26の直前、例えば結像レンズ26の直前に、レーザ光源12の波長制御を行って位相の異なる干渉縞画像を得る位相シフト法において最適なNDフィルタ29を挿入している。このNDフィルタ29は、少なくとも位相シフトでの使用波長の範囲内において光の波長にかかわらず一定の割合で光の強さを減らして、入射光を通過させている。
このため被測定物30の凹凸情報をもつ主干渉光は、参照鏡20からの反射光36と被測定物30からの反射光34の合成、干渉により得られる。参照鏡20からの反射光36、被測定物30からの反射光34は、それぞれビームスプリッタ18、NDフィルタ29、結像レンズ22を介してCCDカメラ本体24に入射する。
一方、干渉ノイズは、結像レンズ22での反射光と、干渉計10の光学系構成部材からの光、例えば参照鏡20からの光36との合成、干渉によって発生する。この干渉ノイズを発生するであろう撮像手段26での反射光は、図中上方に進み、NDフィルタ29、ビームスプリッタ18を介して参照鏡20で反射され、今度は図中下方にビームスプリッタ18、NDフィルタ29を順に介して結像レンズ22、CCDカメラ本体24に入射することとなる。
この結果、本実施例においては、干渉ノイズを発生するであろう撮像手段26での反射光は、被測定物30の形状情報を得るための主干渉縞を形成する光よりも多くの回数、NDフィルタ29を通過した後に、撮像手段26に入射することとなる。NDフィルタ29の通過回数は、例えば主干渉縞を形成する光が1回なのに対して、干渉ノイズを発生するであろう撮像手段26での反射光は、2回となる。したがって、本実施例においては、主干渉縞を形成する光に比較し、干渉ノイズを発生するであろう光の量を極端に減少することができるので、主干渉縞に対する干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
ここで、レーザ光源12を用いた干渉計10では、レーザのパワーが充分大きいので、レーザ光源12の直後に光量減少フィルタを配置することも考えられるが、レーザ光源12の直後で光量を減少しても、主干渉縞と干渉ノイズの光の強さは基本的には同様に弱まるだけであり、主干渉縞に比較し干渉ノイズの強さを極端に弱めることが困難である。
そこで、本実施例においては、NDフィルタ29の最適な配置位置を、主干渉縞に比較し干渉ノイズの強さを極端に弱めることのできるビームスプリッタ18と撮像手段26の間で、ノイズの発生要素であろう撮像手段26の直前としている。
この結果、本実施例においては、NDフィルタ29を光波干渉計の他の光路中に配置したものに比較し、主干渉縞に比較し干渉ノイズの強さを極端に弱めることができる。
干渉ノイズの低減機構
以下に、干渉ノイズの影響の低減機構について、より具体的に説明する。
(1)主干渉縞の減衰率
まず形状測定の際の干渉縞(観察するための主干渉縞)について考える。図1で示したように、参照鏡20からCCDカメラ本体24に到達する光強度をI、被測定物30からCCDカメラ本体24に到達する強度をIとすると、NDフィルタ29を設けていない場合、CCDカメラ本体24で得られる干渉縞の強度Iは、
=I+I+√(I・I)cosφ
となる。
これに対し、透過率tのNDフィルタ29を挿入した場合、参照鏡20からの光36、及び被測定物30からの光34はそれぞれ1回、NDフィルタ29を通過する。このため、参照鏡20からCCDカメラ本体24に到達する光強度はt・I、被測定物30からCCDに到達する強度はt・Iとなる。このときの干渉縞の強度I´は
´=t・I+t・I+t√(I・I)cosφ
となる。
ここで、t√(I・I)cosφの項が位相シフト法による測定の際に形状測定のパラメータとなるので、NDフィルタ29を挿入した場合の主干渉縞の減衰率は
(t√(I・I)cosφ)/(√(I・I)cosφ)=t
となる。
(2)干渉ノイズの減衰率
図2には、ノイズ源となる光(例えば光路L)がCCDカメラ本体24の撮像素子面、撮像素子の保護ガラス(図示省略)、ないし結像レンズ22等で反射し(光路L)、さらに参照鏡20で反射して戻ると(光路L)、通常の参照鏡20からの光と合成され、干渉ノイズとなる場合の概念図が示されている。
なお、通常の参照鏡20からの光強度をIとし、ノイズ発生要素である部分の反射率をrとする。また参照鏡20の反射率をrとし、CCDカメラ本体24に到達したノイズ発生要素からの光強度をIとする。
NDフィルタ29を挿入しない場合、ノイズ発生要素からの光強度Iは、前記二回の反射でI=r・r・Iとなるから、NDフィルタ29を挿入した場合の干渉ノイズの強度I
=I+I+√(I・I)cosφ=t・I+t・r・r・I+t・I√(r・r)cosφ
となる。
ここで、t・I√(r・r)cosφの項が位相シフト法を用いた測定の際に形状測定に影響を与える成分となるので、NDフィルタ29を挿入した場合の干渉ノイズの減衰率は
(t・I√(r・r)cosφ)/(I√(r・r)cosφ)=t
となる。
このように本実施例においては、結像レンズ22の直前にNDフィルタ29を設けることにより、主干渉縞の形状測定の成分はtしか減衰しないが、干渉ノイズの形状測定に影響を与える成分はtとなり、主干渉縞に比較し干渉ノイズの強さを極端に弱めることができる。
この結果、本実施例においては、主干渉縞に比較し干渉ノイズの強さを極端に弱めることができる。
NDフィルタ
ところで、一般的なCCDカメラでも一般的なフィルタを採用することがあり、特定の波長や周波数を減衰し、その他の領域についてはあまり変化しないで通過させている。例えば海や山、特に雪山等の日差しの強い光の条件下ではCCDカメラの感度が飽和しないように、光量を調整しているが、実際には可視領域の特定の領域で一定の割合の光強度を透過しているが、他の領域ではあまり変化しないで通過させている。
一方、本実施例のように使用波長がより広い可能性があり、波長可変で干渉縞の位相シフトを行う際に、一般的なフィルタを用いたのでは、波長によって透過光の強度が異なり、撮像手段で得られた測定結果の正確な比較が困難となってしまうことがある。
そこで、本実施例においては、数ある光量減少フィルタの中から、少なくとも位相シフト法での使用波長の範囲内において、光の波長にかかわらず一定の割合で光の強さを減らして入射光を通過させるNDフィルタ29を用いている。
この結果、本実施例においては、位相シフト法での使用波長の考慮されていない一般的なフィルタに比較し、簡単かつ容易に、主干渉縞に対する干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
また本実施例においては、干渉ノイズ低減を図るため、比較的安価で容易に入手しやすいNDフィルタ29を用いることにより、簡単に測定の高精度化を、効果的かつ安価に実現することができる。
フィルタの透過率
また本発明においては、フィルタ29の光透過率を小さくすると、干渉ノイズの影響をより低減することができるが、主干渉縞もぼやけてしまうことがある。一方、主干渉縞をきれいに得るため、フィルタ29の光透過率を大きくすると、干渉ノイズの影響が増大してしまうことがある。このため、本実施例においてフィルタ29の光透過率の選択は非常に重要である。
そこで、本発明において、NDフィルタの光透過率は、該フィルタへの入射光の強度1に対して0.01〜0.70であることが好ましく、特に0.01〜0.10であることが好ましい。本実施例においては、10%(0.10)の光透過率をもつNDフィルタを用いている。
この結果、本実施例においては、主干渉縞の良好な取得と干渉ノイズの充分な低減効果を同時に図ることができる。また本実施例において、光透過率が70%〜1%(0.70〜0.01)の吸収型NDフィルタは特に安価かつ容易に入手することができるので、干渉ノイズを仕様に応じて70%〜1%の範囲で容易に低減させることができる。
次に図3には従来例、つまりNDフィルタを用いない場合の干渉縞解析図、図4には本実施例にかかる透過率10%(0.10)のNDフィルタ29を用いた場合の干渉縞解析図が示されている。なお、干渉縞解析図は、位相シフト法によって縞の位相を計算したものである。
この結果、従来例を示す図3に比較し、本実施例を示す図4は、測定に全く支障がないレベルまで、主干渉縞に対する干渉ノイズが減少していることがわかる。
フィルタの枚数
高精度な主干渉縞の取得と干渉ノイズの低減とを同時に図るためには、NDフィルタでの光透過率の制御も非常に重要である。
前記構成では、一枚のNDフィルタを使用した例について説明したが、そのほか、複数枚のNDフィルタを組み合わせて使用することにより、必要な光強度を、きめ細かい単位で簡単に調整することができる。また複数枚のNDフィルタを用いると、より広い波長領域に渡って、干渉ノイズの影響の低減を図ることもできる。
また複数枚のNDフィルタを組み合わせて使用することにより、一枚で所望の光強度まで弱める場合に比較しNDフィルタの破損を防止することができる。
すなわち、本発明ではNDフィルタでの反射光の発生を防ぐことのできる吸収型NDフィルタを用いることが特に好ましいが、吸収型NDフィルタを用いると、特に強いレーザ光を弱める際は、吸収した熱によりフィルタが破損してしまうことがある。
そこで、本実施例においては、光強度を所望の強度に落としたいときは、一枚のNDフィルタを用いて光強度を一度に所望の強度に落とすのではなく、光透過率の異なる複数枚のNDフィルタを用いて光強度を序々に落としていき、全体で所望の強度に落とすことも好ましい。これにより吸収型NDフィルタを用いても、その破損を確実に防ぐことができる。
フィルタでの反射防止
本実施例では、干渉ノイズの影響の低減を図るため、光量減少フィルタを挿入しているが、光量減少フィルタでの反射光が新たに生じることが考えられるので、光量減少フィルタでの反射光の発生自体を低減させることも非常に重要である。このために本実施例においては、以下に示すようなフィルタの種類や、配置を採用することが好ましい。
(1)フィルタの種類
NDフィルタ等の光量減少フィルタには、光の反射により光の強さを減らす反射型のものがあるが、反射型のものを本実施例の光波干渉計で用いたのでは、該フィルタでの反射光が干渉ノイズの発生原因となり得る。
そこで、本発明において特徴的なことは、光量減少フィルタでの反射を防ぐため、NDフィルタとして、光の吸収により光の強さを減らす吸収型NDフィルタを採用したことである。このために本実施例においては、使用波長の範囲に応じて適切な吸収帯をもつ色素や顔料を組み合わせて、光の吸収が使用波長の範囲において波長に依存しないような吸収型NDフィルタ29を用いている。
この結果、本実施例においては、一般的な反射型のものに比較し、フィルタ29での反射光の発生自体を大幅に低減することができるので、主干渉縞に対する干渉ノイズの影響を大幅に低減することができる。
(2)フィルタの配置
光量減少フィルタは通常、光が垂直入射となる角度に光入出射面が配置されるが、光を垂直入射させると、光量減少フィルタでの反射光が発生しやすく、これが光波干渉計の所定の光路、例えばビームスプリッタに戻ると、干渉ノイズとなりやすい。
そこで、本発明において特徴的なことは、光量減少フィルタでの反射光を発生させないようにするため、光量減少フィルタは、その光入出射部を、光軸と直交する方向に対して傾けて配置したことである。このために本実施例においては、NDフィルタ29の光入出射面(光入出射部)を、ビームスプリッタ18と撮像手段26との間の光軸(例えば干渉光38)と直交する方向に対して若干、例えば5°〜10°の範囲内で傾けて配置している(図1及び図2参照)。
この結果、本実施例においては、NDフィルタ29での反射光が発生するのを大幅に低減することができると共に、NDフィルタ29での反射光が発生しても、干渉計10の所定の光路上、例えばビームスプリッタ18に戻るのを大幅に低減することができるので、主干渉縞に対する干渉ノイズの発生を大幅に低減することができる。
変形例
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内であれば、種々の変形が可能である。
(1)干渉ノイズ
例えば図2では干渉ノイズを発生するであろう光として、撮像手段の結像レンズ系、もしくはCCDカメラ本体で反射され、さらに参照鏡から戻った光について説明したが、本発明は、他の光学系構成部材からの光にも適応することができる。
(2)光波干渉計
本発明は、前記図1に示した光波干渉計に限定されるものではなく、一般的な光波干渉計を用いた形状測定装置もしくは寸法測定装置は勿論、特開平6−341809、特開2000−146517、特開2003−194523、特願2002−226400等に記載の光波干渉計においては好適に用いることができる。
(3)NDフィルタ
NDフィルタは、波長可変で干渉縞の位相シフトを行う位相測定に限定されるものではなく、以下に示されるような場合においても好適に用いることができる。
例えば複数の波長を用いて各波長毎に予備測定を行い、特定の波長に依存しないで一致する干渉次数Nを求める合致法を用いる際においても好適に用いられる(例えば特許文献2、段落番号0002〜0003参照)。
また前記位相測定での位相シフト法に限られるものではなく、使用波長が単一の波長であり、オプティカルウェッジ48、参照鏡20、あるいは被測定物30を微小移動させることにより位相の異なる干渉縞画像を得る場合であっても、仕様などに応じて、複数の波長の中から、最適な使用波長を選択して位相測定を行う際にも好適に用いることができる。
このために前記図1に示した干渉計10では、オプティカルウェッジ48と、オプティカルウェッジ48の図中左右方向への微動あるいは参照鏡20の図中上下方向への微動を行うためのドライバ50と、例えばコンピュータ40等よりなる駆動制御手段44を備えることも好適である。また被測定物30の図中左右方向への微動を行うドライバ52、駆動制御手段44を備えることも好適である。
このようにしてオプティカルウェッジ48の微動、参照鏡20の微動、あるいは被測定物30の微動により、撮像手段26で得られる干渉縞画像の位相をシフトさせることもできる。
また本発明の光量減少フィルタとしては、狭い領域、例えば特定の使用波長のみに一定の光透過率を示すものを用いることもできるが、少なくとも使用波長の範囲内の広い領域において一定の光透過率を示すNDフィルタを用いることが、より好ましい。
本発明の一実施例にかかる光波干渉計の概略構成の説明図である。 本発明の一実施例にかかる光波干渉計の干渉ノイズ低減機構の説明図である。 NDフィルタを設けない従来例の干渉縞解析図である。 NDフィルタを設けた本実施例の干渉縞解析図である。
符号の説明
10 光波干渉計
16 光出射手段
18 ビームスプリッタ
20 参照鏡
22 結像レンズ(撮像手段)
24 CCDカメラ本体(撮像手段)
28 画像処理手段
29 吸収型NDフィルタ(光量減少フィルタ)

Claims (7)

  1. 光学系構成部材として光出射手段と、ビームスプリッタと、参照鏡と、撮像手段と、を備え、光出射手段からの可干渉光を、ビームスプリッタにより参照鏡を照射する光、及び被測定物を照射する光に分割し、該参照鏡からの反射光、及び被測定物からの反射光をビームスプリッタで合成し、その干渉縞を撮像手段で撮像し、撮像手段で得られた干渉縞画像に基づいて被測定物の凹凸情報を得る光波干渉計において、
    前記ビームスプリッタと前記撮像手段との間で該撮像手段の直前に設けられ、入射光の光量を所定の割合で減少して通過させる光量減少フィルタを備え、
    前記被測定物の凹凸情報をもつ主干渉縞は、前記参照鏡からの反射光と該被測定物からの反射光の合成、干渉により得られ、該参照鏡からの反射光、及び該被測定物からの反射光は、それぞれ前記ビームスプリッタ、前記光量減少フィルタを介して前記撮像手段に入射し、
    前記被測定物の凹凸情報をもたない干渉ノイズは、前記撮像手段での反射光と前記光学系構成部材からの光との合成、干渉によって発生し、該干渉ノイズを発生するであろう撮像手段での反射光は、前記光量減少フィルタ、前記光学系構成部材、該光量減少フィルタを順に介して前記撮像手段に入射し、前記主干渉縞を形成する光よりも多くの回数、前記光量減少フィルタを通過した後に、前記撮像手段に入射することを特徴とする光波干渉計。
  2. 請求項1記載の光波干渉計において、前記光量減少フィルタは、光の波長にかかわらず一定の割合で光の強さを減らして入射光を通過させるNDフィルタであることを特徴とする光波干渉計。
  3. 請求項2記載の光波干渉計において、前記光出射手段は、使用波長の範囲内において前記可干渉光の波長を変える波長可変レーザ光源を含み、
    また前記波長可変レーザ光源の波長制御を前記使用波長の範囲内において行い、位相の異なる干渉縞画像を前記撮像手段に取得させる制御手段と、
    前記撮像手段で得られた位相の異なる干渉縞画像に基づいて、前記被測定物の凹凸情報を得る画像処理手段と、
    を備えたことを特徴とする光波干渉計。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光波干渉計において、前記光量減少フィルタの光透過率は、該光量減少フィルタへの入射光の強度1に対して0.01〜0.70であることを特徴とする光波干渉計。
  5. 請求項4記載の光波干渉計において、前記光量減少フィルタの光透過率は、該フィルタへの入射光の強度1に対して0.01〜0.10であることを特徴とする光波干渉計。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光波干渉計において、前記光量減少フィルタは、光の吸収により光の強さを減らす吸収型NDフィルタであることを特徴とする光波干渉計。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の光波干渉計において、前記光量減少フィルタは、その光入出射部を前記ビームスプリッタと前記撮像手段との間の光軸と直交する方向に対して傾けて設けたことを特徴とする光波干渉計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012002631A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Mitsutoyo Corp 光干渉測定装置および形状測定装置
CN114323313A (zh) * 2021-12-24 2022-04-12 北京深测科技有限公司 一种基于iccd相机的成像方法和系统

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