JP2005126858A - ポリプロピレン系繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 成分(A)と成分(B)の合計量100重量%として、成分(A)の含有量が10〜90重量%であり、成分(B)の含有量が90〜10重量%である樹脂組成物からなる層を有する繊維。
(A)結晶性プロピレン系樹脂
(B)エチレン、プロピレン及び炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた二種以上のオレフィンから誘導された単量体単位を有し、下記要件(b1)及び(b2)を充足する非晶性α−オレフィン系重合体
(b1):下記式(1)を充足すること
0 ≦[x/(x+y)] < 0.7 (1)
xは該重合体中のエチレンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を、yは該重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表す。
(b2):極限粘度[η]が0.5〜10dl/gであること
【選択図】 なし
Description
かかる状況のもと本発明が解決しようとする課題は、延伸性および紡糸性に優れたポリプロピレン系繊維を提供することにある。
(A)結晶性プロピレン系樹脂
(B)エチレン、プロピレン及び炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた二種以上のオレフィンから誘導された単量体単位を有し、下記要件(b1)及び(b2)を充足する非晶性α−オレフィン系重合体
(b1):下記式(1)を充足すること。
0 ≦[x/(x+y)] < 0.7 (1)
xは非晶性α−オレフィン系重合体中のエチレンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系重合体中に含まれる単量体単位の総量を100モル%とする。
(b2):極限粘度[η]が0.5〜10dl/gであること。
0 ≦[x/(x+y)] < 0.7 (1)
0 ≦[x/(x+y)] < 0.6 (2)
ここで、xは非晶性α−オレフィン系重合体中のエチレンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系重合体中に含まれる単量体単位の総量を100モル%とする。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおり行った。
(1)結晶性プロピレン系樹脂中の各単量体単位の含有量
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の619ページに記載されているIRスペクトル測定法に従って行った。
(2)非晶性α−オレフィン系重合体中の各単量体単位の含有量
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき求めた。具体的には、13C−NMRスペクトルのプロピレン単量体単位由来のメチル炭素スペクトル強度と1−ブテン単量体単位由来のメチル炭素スペクトル強度の比からプロピレン単量体単位と1−ブテン単量体単位の含有量を算出した。
(3)融解ピークおよび結晶化ピーク
JIS K7121に従い、示差走査熱量計(DSC)により測定を行った。具体的には、状態調整として、室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−100℃まで降温し、結晶化ピークの測定を行った。次に、−100℃で5分間保持した後、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温し、融解ピークの測定を行った。
(4)極限粘度[η]
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性α−オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(5)分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した。測定装置はWaters社製150C/GPC、使用カラムは昭和電工社製Sodex Packed ColumnA−80M(2本)、分子量標準物質はポリスチレン(東ソー社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/minの条件で、重合体約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを400μlインジェクションし、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、この比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(6)MFR(メルトフロ−レート)
JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定した。
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3を用いて、温度230℃および剪断速度60sec−1の条件で、オリフィス(ノズル直径2mm、ノズル長さ8mm)から樹脂組成物を押し出し、ローラーで引き取ることにより、直径300μmの繊維を成形した。次に、該繊維を、温度23℃、試験繊維全長115mm、つかみ間距離20mm、引張速度200mm/分の条件で引張試験し、該繊維の破壊伸びを測定した。この値が大きいほど、延伸性に優れる。
(8)紡糸性
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3を用いて、温度230℃および剪断速度60sec−1の条件で、オリフィス(ノズル直径2mm、ノズル長さ8mm)から樹脂組成物を押し出し、温度23℃下、直径50mmのローラーで、引取速度を120rpm/分の引き取り上昇速度で引き取った際に、繊維が破断するときの引き取り速度を求めた。この値がおおきいほど、紡糸性に優れる。
(9)耐熱性
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3を用いて、温度230℃および剪断速度60sec−1の条件で、オリフィス(ノズル直径2mm、ノズル長さ8mm)から樹脂組成物を押し出し、ローラーで引き取ることにより、直径300μmの繊維を成形した。成形した50mm長の繊維に50gの錘を付け、120℃のオーブン内に吊るし、24時間後の糸切れについて観察し、2段階の評価を行った。
○:糸切れ無し
×:糸切れ有り
[非晶性α−オレフィン系重合体の製造]
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明の成分(B)に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、重合体Bと称する。)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体Bの生成速度は7.10Kg/時間であった。重合体B中のプロピレン単量体単位含有量は94.5重量%、1−ブテン単量体単位含有量は5.5重量%であった。また、重合体Bの[η]値は2.3dl/gであり、Mw/Mn値は2.2であり、融解ピークは観測されなかった。
結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101(MFR=12g/分))を57gと、重合体Bを3gと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 Irganox1010)を0.12gと、芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 Irgafos168)を0.12gとを配合した後、2軸のバッチ式混練機ブラベンダープラスチコーダー(ブラベンダー社製)を用いて、温度220℃、スクリュー回転数100rpm、混練時間7分の条件で溶融混練を行い、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。次に、東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3を用いて、温度230℃および剪断速度60sec−1の条件で、オリフィス(ノズル直径2mm、ノズル長さ8mm)から該樹脂組成物を押し出し、ローラーで引き取ることにより、直径300μmの繊維を成形した。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表1に示した。
ポリプロピレン系繊維の製造において、結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101)を57gに代えて42gとし、重合体Bを3gに代えて18gとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表1に示した。
ポリプロピレン系繊維の製造において、結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101)を57gに代えて30gとし、重合体Bを3gに代えて30gとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表1に示した。
ポリプロピレン系繊維の製造において、結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101)を57gに代えて18gとし、重合体Bを3gに代えて42gとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表1に示した。
ポリプロピレン系繊維の製造において、結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101)を57gに代えて0gとし、重合体Bを3gに代えて60gとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表2に示した。
ポリプロピレン系繊維の製造において、結晶性プロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 ノーブレンY101)を57gに代えて60gとし、重合体Bを用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表2に示した。
結晶性プロピレン系樹脂として、住友化学工業(株)製 ノーブレンY101に代えて、住友化学工業(株)製 ノーブレンU501E1(MFR=120g/分)を用いた以外は、比較例2と同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、ポリプロピレン系繊維の成形を行った。得られた繊維の延伸性、樹脂組成物の紡糸性の評価結果を表2に示した。
Claims (1)
- 下記成分(A)および成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)の合計量100重量%として、成分(A)の含有量が10〜95重量%であり、成分(B)の含有量が90〜5重量%である重合体組成物からなる層を有する繊維。
(A)結晶性プロピレン系重合体
(B)エチレン、プロピレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた二種以上のオレフィンから誘導された単量体単位を有し、下記要件(b1)及び(b2)を充足する非晶性α−オレフィン系重合体
(b1):下記式(1)を充足すること。
0 ≦[x/(x+y)] < 0.7 (1)
xは、非晶性α−オレフィン系重合体中のエチレンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは、非晶性α−オレフィン系重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系重合体中に含まれる単量体単位の総量を100モル%とする。
(b2):極限粘度[η]が0.5〜10dl/gであること。
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WO2009075373A1 (en) * | 2007-12-10 | 2009-06-18 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Resin composition, fiber and textile |
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