JP2005122612A - 色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色変換装置、色変換方法および色変換プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色相および彩度を表す色座標a,b並びに明度(明るさ)Lを色成分量とするLab色空間(所定の色空間)を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正する際、色座標a,bで表されるab平面(色平面)において略楕円形状とされた所定の色補正領域R1内となる画像を表現する色座標を、当該色補正領域R1内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点P0に向かう位置の色座標に補正することにより、画像の色補正を行う構成とした。
【選択図】図4
Description
なお、ab平面上における花色領域について、目標値とされた彩度値に近づくように均等色座標を彩度方向に寄せている。ここで、目標値の色座標は円弧状に存在しており、ab平面の原点を中心とした円周上とされている。花色領域も、扇状とされている。
ここで、上記色空間の色成分量とされる明るさは、明度とされていると好適であるが、輝度等でもよい。
また、上記所定の色空間は、デバイスに依存しない色空間(または、均等色空間)であってもよい。デバイスに依存しない色空間でも、色平面上の色座標から比較的正確な色相と彩度とを得ることができ、画像の色補正を行うのに好適である。従って、より正確に好ましい色に向かう色補正を行うことができ、より好ましい色を十分に表現することが可能となる。
ここで、均等色空間やデバイスに依存しない色空間の具体例としては、CIE(1976)で規定されたCIE L*a*b*色空間(以下、単にLab色空間とも記載)やCIE L*u*v*色空間、等が挙げられる。
むろん、色空間が均等色空間やデバイスに依存しない色空間とされていても、色相および彩度を表す色座標を補正して画像の色補正を行うことは可能である。
上記圧縮中心点が単一の点とされると、色座標を補正する処理を簡素化させ、高速化させることができる。むろん、画像の画質を向上させることができるように、色補正領域内の複数の点を圧縮中心点としてもよいし、色補正領域の境界を含まない色補正領域内の所定領域を圧縮中心点としてもよい。
また、補正前後の色座標の変化量を色補正領域の境界と非圧縮領域の境界とで最小としても、境界部分でトーンジャンプが生じにくくなり、さらに好ましい色を十分に表現することが可能となる。
また、請求項7記載の発明のように構成すると、色座標を補正する演算処理をさらに軽減させ、さらに高速化させることが可能となる。
この場合において、上記所定の色空間をLab色空間とし、上記色平面において単一の圧縮中心点を通る彩度方向の直線と同圧縮中心点を通る色相方向の直線とで上記色補正領域を4領域に分割したとき、各領域を、同圧縮中心点を中心とする楕円と同圧縮中心点を通る二直線とで囲まれた形状としてもよい。実験を行ったところ、肌色について好ましい色をさらに十分に表現することが可能となることがわかった。
むろん、請求項2〜請求項12、請求項15に記載された構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
(1)印刷システムの構成:
(2)色補正方法の概略:
(3)色補正方法の詳細と色補正装置が行う処理:
(4)各種変形例:
図1は、本発明にいう色補正装置、色変換装置および色変換テーブル作成装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20、等から構成された印刷システムを示している。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。PC10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してPC全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
また、測色器を使用する以外にも様々な機器を使用することができ、例えば、RGB値を取り込み可能なカラースキャナを使用してもよい。なお、本システムを色補正装置および色変換装置として利用する場合には、測色器30を接続する必要はなく、代わりにデジタルカメラ等を接続してもよい。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該画像データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばパラレルI/Fケーブル(シリアルI/Fケーブルも可)を介してプリンタ20が接続されている。
本プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
なお、本発明の色補正プログラム、色変換プログラムおよび色変換テーブル作成プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムや色変換テーブルのデータを記録した媒体は、HD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
まず、多数(所定数)の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データを入力し、広域RGB色空間内の256階調のRGBデータ(第一画像データ)に変換する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データは、デジタルカメラからのデータ等がある。同画像データは、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ、等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調(0〜255の整数値)のRGBデータに変換する。
なお、RGBデータやCMYKデータは、1024階調等、様々な階調数とすることができる。
このようにして、RGBデータを入力し、画像の色補正を行いながら別の複数の要素色に対応したCMYKデータに色変換し、当該CMYKデータに対応する色補正後の画像をプリンタに印刷させる制御を行うことができる。なお、ハーフトーン処理を実行可能なプリンタであれば多階調のCMYKデータをそのままプリンタに対して出力すればよい。
本実施形態では、CIE(1976)で定義されたLab色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量(色成分値)を補正することにより、同画像の色補正を行うものとする。ここで、Lab色空間は、Lab表色系における明度L(0≦L≦100)および色座標(色度とも呼ばれる)a,bを色成分量とする均等色空間、かつ、デバイスに依存しない色空間であり、L軸(明度軸)と同L軸に直交するab平面(色平面)で表現される。色座標a,bは色相H(Hue)および彩度C(Chroma)を表しており、色相の相関量である色相角θはtan-1(a/b)、彩度の相関量Cは(a2+b2)1/2によって計算することができる。
色補正を行う基準とする色空間を均等色空間やデバイスに依存しない色空間とすることにより、より正確に好ましい色に向かう色補正を行うことができ、より好ましい色が十分に表現される。
以下、人間(被験者)の間隔で好ましい肌色を目標色とし、画像の肌色領域を補正する肌色補正を行うものとして、色補正方法を説明する。
まず、ab平面において色座標の補正を行う最大の範囲を示す所定形状の色補正領域R1を設ける。また、色補正領域R1内に、目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点(目標点)P0を設ける。そして、色補正領域R1内となる画像を表現する色座標を、圧縮中心点P0に向かう位置(P0方向の位置)の色座標に補正することにより、画像の色補正を行う。ここで、圧縮中心点は人間(被験者)の好みの領域内にあり、色補正領域内の画像が人間の好みの領域に向けて圧縮されることになる。
圧縮中心点P0は、色補正領域R1内で位置を移動させる目標の位置であり、本実施形態では単一の点とされている。単一の圧縮中心点を設けることにより、色座標を補正する処理が簡単になり、同処理の処理速度が向上する。圧縮中心点P0の色座標(a0,b0とする)は、肌色を表現する所定の肌色領域内の色座標である。肌色領域は、例えばJIS Z8102(2001)で規定されたうすい黄赤の領域としてもよいし、ab平面において5≦a≦27かつ6≦b≦36等としてもよい。圧縮中心点P0の色座標は、好ましい肌色を表す色座標であればよく、6≦a0≦23かつ10≦b0≦30を満たす色座標等とすることができる。このようにすると、色として重要な肌色について好ましい色が十分に表現される。
また、実験結果に基づいて、ab平面において圧縮中心点P0を通る彩度方向DCの直線と圧縮中心点P0を通る色相方向DHの直線とで色補正領域R1を4領域R11〜R14に分割したとき、各領域R11〜R14を、圧縮中心点P0を中心とする楕円と圧縮中心点Pを通る彩度方向DCと色相方向DHとの二直線とで囲まれた形状としている。本明細書において、このような色補正領域の形状を略楕円形状と呼ぶことにする。そして、圧縮中心点は、略楕円形状の色補正領域の重心とも言える。色補正領域を略楕円形状とすることにより、肌色について好ましい色がさらに十分に表現される。
そして、穴あき領域R3内にab平面において色補正領域R1の境界と非圧縮領域R2の境界とから離れた位置で非圧縮領域R2を囲む線状の最大補正位置L1を設け、穴あき領域R3の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を最大補正位置L1で最大とすることにしている。最大補正位置L1は、非圧縮領域R2を囲む略楕円形状とされている。また、色補正領域の形状に近い方がより好ましい色が十分に表現されることから、最大補正位置を形成する閉曲線は、圧縮中心点P0を通る彩度方向DCが圧縮中心点P0を通る色相方向DHよりも長くされている。
唇色領域は、唇の色を表現する領域内であればよく、例えばJIS Z8102(2001)で規定された赤領域内の領域としてもよいし、29≦a≦32かつ13≦b≦22を満たす領域内の領域等としてもよい。本実施形態では、唇色領域R4を円形としているが、単一閉曲線で囲まれた略楕円形状等としてもよい。唇色領域を設けることにより、人の目につく重要な色である唇の色が変化しなくなり、人間の顔についてさらに好ましい色が十分に表現される。
図5は色補正装置が色補正対応関係を表す色補正対応テーブル(色補正対応データ)を作成する色補正対応関係作成処理を示すフローチャートであり、図6は色補正対応テーブルT1の構造を模式的に示す図である。色補正対応テーブルT1は、補正前の色成分値(L,a,b)と補正後の色成分値(L,a,b)と、の対応関係を複数の格子点(参照点)について規定している。本実施形態では、補正後の色成分値(L,a,b)を色補正対応データD11としてテーブルT1に格納しているものとして説明するが、補正前の色成分値(L,a,b)もテーブルT1に格納してもよい。
次に、目標の色の位置である圧縮中心点P0の色座標a0,b0を取得する(S210)。例えば、色座標a0,b0の値(例えば、いずれも−127〜127の値)の入力(操作入力等)を受け付け、入力された値を所定の変数a0,b0に代入すればよい。
さらに、色補正しない非圧縮領域R2の範囲を表すパラメータp11〜p14の入力(操作入力等)を受け付ける等して、パラメータp11〜p14を取得する(S220)。ここで、0<p11<p1、0<p12<p2、0<p13<p3、0<p14<p4の条件が成立する場合のみ入力を受け付けることにより、当該条件が成立したp11〜p14を取得する。各パラメータp11〜p14も、圧縮中心点P0からの距離とされ、それぞれ、DC1,DH1,DC2,DH2の方向の距離とされている。
圧縮中心点P0(色座標a0,b0)の彩度C0、色相角H0は、以下の通りとなる。
本実施形態では、ab平面上に設定した格子点全ての色座標について上記色平面変換処理を行うものとして説明する。具体的には、図6の色補正対応テーブルT1に規定された補正前の色座標ai,biを取得し、それぞれに対応するan,bnに変換する。なお、色補正領域内の格子点のみの色座標について色平面変換処理を行ってもよい。
色平面変換処理後の色座標で表されるab平面は、a軸の+側方向が彩度増加方向、b軸の+側方向が色相増加方向、a軸の−側方向が彩度減少方向、b軸の−側方向が色相減少方向となる。
なお、圧縮中心点を、原点Oを中心として回転させる場合には、−側のa軸まで回転させてもよいし、+側または−側のb軸まで回転させてもよい。
その後、上記色平面変換処理後の色座標an,bnから、原点Oに向かう位置(原点O方向の位置)の色座標を求める(S235)。
点CのS座標Scは、階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点から、B〜Aの間でBからAB間の距離の20%以上(または30%以上)80%以下(または70%以下)等の座標とすることができる。従って、S225でパラメータp21〜p24を取得する際、このような条件を満たすp21〜p24のみ入力を受け付けて取得すると好適である。
点CのM座標Mcは、最大補正量であり、0<Mc<Sa−Sbの範囲で設定可能である。階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点からは、座標McはAB間の距離の20%以上(特に好ましくは30%以上)かつ50%以下(特に好ましくは40%以下)の座標が好ましい。従って、0.3×(Sa−Sb)<Mc<0.4×(Sa−Sb)とすると、非常に良好な色を十分に表現することが可能となる。従って、S225でパラメータp31〜p34を取得する際、このような条件を満たすp31〜p34のみ入力を受け付けて取得すると好適である。
0°≦θn<90°のとき、h=θn/90として、
Mc={h×p31+(1−h)×p32}(Sa−Sb)
90°≦θn<180°のとき、h=(θn−90)/90として、
Mc={h×p32+(1−h)×p33}(Sa−Sb)
180°≦θn<270°のとき、h=(θn−180)/90として、
Mc={h×p33+(1−h)×p34}(Sa−Sb)
270°≦θn<360°のとき、h=(θn−270)/90として、
Mc={h×p34+(1−h)×p31}(Sa−Sb)
f(Sb)=0,f’(Sb)=0,f(Sc)=Mc,f’(Sc)=0
としている。f(S)=k1S3+k2S2+k3S+k4とすると、以下の4元1次連立方程式を解くことにより、k1〜k4を算出することができる。
k1Sb3+k2Sb2+k3Sb+k4=0
3k1Sb2+2k2Sb+k3=0
k1Sc3+k2Sc2+k3Sc+k4=Mc
3k1Sc2+2k2Sc+k3=0
ここで、上記4式を、
g(Sc)=Mc,g’(Sc)=0,g(Sa)=0,f’(Sa)=0
としている。3次関数g(S)も、f(S)と同様にして決定することができる。
なお、各点A〜Cについては、距離Sの大きいほうの領域に含めてもよいし、距離Sの小さいほうの領域に含めてもよい。
anが0のとき、 a=0
anが0でないとき、
b=ea (ただし、e=bn/an) …(15)
上記式(11)〜(15)より、色補正領域R1の境界と点Pnを通る上記直線との交点(Ax,Ay)は、以下の通りとなる。
さらに、最大補正位置L1とa軸との交点のa座標をCa,−Cc(Ca>0,Cc>0)、b軸との交点のb座標をCb,−Cd(Cb>0,Cd>0)とすると、同様の考えにより、最大補正位置L1と点Pnを通る上記直線との交点(Cx,Cy)を求めることができる。交点(Cx,Cy)を求める式は、式(16)〜(23)の変数Aa,Ab,Ac,Ad,Ax,Ayを、それぞれCa,Cb,Cc,Cd,Cx,Cyに置き換えた式となる。なお、S225で取得したパラメータp21〜p24に所定の換算式(色補正領域の境界と非圧縮領域の境界との間の距離Sa−Sbを乗じる)によりCa,Cb,Cc,Cdを算出することにしているが、最大補正位置を表すパラメータをそのままCa,Cb,Cc,Cdとする構成とすることも可能である。
点Pnから原点Oに向かった補正後の点Ppの色座標ap,bpは、以下の式により算出することができる。
条件成立時、非圧縮境界点Bと原点Oとの間の距離Sbを算出し、S<Sb(またはS≦Sb)であるか否かを判断することにより、格子点Pnが非圧縮領域R2内であるか否かを判断する(S320)。条件成立時、S335に進む。これにより、格子点が非圧縮領域内であるときに色座標は補正されない。
条件不成立時、色平面変換処理前の格子点の色座標ai,biが唇色領域R4内の色座標であるか否かを判断する(S325)。条件成立時、S335に進む。これにより、格子点が唇色領域内であるときに色座標は補正されない。
条件成立時、3次関数f(S)またはg(S)を決定して補正量Mを算出し、上記式(24)〜(31)により補正後の色座標ap,bpを算出して(S330)、S335に進む。
階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点から、下限値dlは0.3〜0.7(または0.4〜0.6)、上限値dhは1.6〜2.4(または1.8〜2.2)等とすることができる。
なお、do−diに基づいて隣り合う格子点どうしが所定範囲内であるか、例えば、−1より大きく0より小さい所定の下限値dl以上、0より大きい所定の上限値dh以下であるか否かを判断してもよい。
上記下限値dlを設けることにより階調が潰れにくくなるので、さらに好ましい色が十分に階調表現される。また、上記上限値dhを設けることによりトーンジャンプが生じにくくなるので、さらに好ましい色が十分に表現される。
むろん、上記各種パラメータの入力を再度受け付け、入力されたパラメータを取得するようにしてもよい。
点Pnから原点O方向に補正された点Ppから彩度をC0平行移動させた点Pmの色座標am,bm、点Pmの彩度Cm、色相角Hmは、以下の通りとなる。
色平面変換処理を行って色座標を補正することにより、色座標を補正する演算処理が軽減され、高速化される。
上記補正を行うことにより、色相と彩度の両方から好ましい色に向かう色補正が行われるので、好ましい色を十分に表現することが可能となる。また、色補正領域の境界に折れ曲がった角部が存在しないので、より確実に階調が潰れにくくされて色を十分に階調表現することができるし、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色を十分に表現することができる。その結果、色補正を行うことにより、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
まず、図14に示すように、RGB色空間で各軸に沿って略等間隔に離れたm(mは正の整数)の3乗個の格子点からなる立方格子を規定するデータを作成する(S405)。図ではRGB各5段階しか格子点を示していないが、17段階等とすると、17の3乗個等の格子点からなる色変換LUTを作成するのに好適である。次に、格子点のRGBデータをsRGBの定義に従ってLab色空間の各色成分量(Lab値)に変換する(S410)。そして、RGBデータと変換後のLab値とをRAM13等の所定領域に格納することにより、RGBデータとLab色空間の各色成分量(Labinと記載)との入力側対応関係を規定する入力側対応データT2を作成する(S415)。
その後、入力側色補正対応データT3と測色結果T4とを用いて、入力側色補正対応関係と測色結果を対応付ける入出力対応データT5を作成する(S440)。各格子点のRGBデータに対応するLaboutをデータT3から取得し、測色結果T4を参照することにより同Laboutに対応するCMYKデータを取得して、各格子点のRGBデータとCMYKデータとを対応付けると、入出力対応データT5を作成することができる。
すなわち、図5の色補正対応関係作成処理、図12の色変換テーブル作成処理、図2のS110の処理を行うPCは、本発明の補正手段を備える色補正装置、および、色変換手段を備える色変換装置を構成することになる。むろん、S110の処理のみを行うPCでも、色補正装置および色変換装置が構成される。なお、図5と図12の処理から色変換テーブル作成装置が構成される。
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピュータと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピュータと一体化されたものでもよい。大中小のドットを形成可能である等、形成するドットの大きさを可変とした印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。画像を出力する装置は、印刷装置以外でもよく、液晶表示画面上で輝点形成の有無により画像を表現する液晶表示装置でもよい。
また、本発明は、肌色領域の色補正以外にも、花色領域の色補正、青空等の画像に対するような青色領域の色補正、夕日等の画像に対するような赤領域の色補正、森等の画像に対するような緑領域の色補正、等にも適用可能である。
色平面上の色補正領域における圧縮中心点を通る長軸が原点を通らない場合、平行移動処理(または原点を中心とする回転処理と平行移動処理)を行って圧縮中心点を原点に移動させた後に、色補正領域の長軸をa軸またはb軸に合わせる回転処理を行う色平面変換処理を行ってもよい。すると、色補正領域の長軸が原点を通らない場合に、さらに好ましい色に向かう色補正が行われ、画像の画質がさらに向上する。
また、色座標を補正する処理を簡素化させる観点から、色平面変換処理を行わずに色補正領域内の色座標を圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正してもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、好ましい色を十分に表現することが可能であり、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
Claims (17)
- 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う色補正装置であって、
上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行う補正手段を備えることを特徴とする色補正装置。 - 上記色平面において色座標の原点からの放射方向を彩度方向、同原点を中心とする円の接線方向を色相方向とするとき、同原点は上記色補正領域の外部とされるとともに、同色補正領域は上記圧縮中心点を通る彩度方向が同圧縮中心点を通る色相方向よりも長くされていることを特徴とする請求項1に記載の色補正装置。
- 上記色補正領域は、上記色平面において閉曲線で囲まれた形状とされていることを特徴とする請求項2に記載の色補正装置。
- 上記色補正領域内には、上記色平面において上記圧縮中心点を含む所定の非圧縮領域が設けられ、
上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記非圧縮領域を除いた穴あき領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色補正装置。 - 上記穴あき領域内には、上記色平面において上記色補正領域の境界と上記非圧縮領域の境界とから離れた位置で当該非圧縮領域を囲む線状の最大補正位置が設けられ、
上記補正手段は、上記色平面において上記穴あき領域の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を、上記最大補正位置で最大とすることを特徴とする請求項4に記載の色補正装置。 - 上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域内となる上記画像を表現する色座標から上記圧縮中心点を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標から同原点に向かう位置の色座標を求め、当該色座標から同原点を上記圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標を補正後の色座標とすることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の色補正装置。 - 上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
上記色座標を二種類の色成分量からなる色座標とし、上記色平面を当該色座標の各色成分量のそれぞれに対応する二軸が原点において互いに直交した色平面とするとき、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域内となる上記画像を表現する色座標から上記圧縮中心点を上記二軸のいずれかまで原点を中心として回転させる回転量で回転させて回転後の圧縮中心点の位置を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標から同原点に向かう位置の色座標を求め、当該色座標から同原点を上記回転後の圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させて移動後の圧縮中心点の位置を元の上記圧縮中心点の位置まで原点を中心として回転させる回転量で回転させた位置の色座標を求め、当該色座標を補正後の色座標とすることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の色補正装置。 - 上記所定の色空間は、均等色空間であることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の色補正装置。
- 上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域の色座標を補正するとき、当該色平面において所定の間隔で格子状に配置された複数の格子点のうち隣り合う格子点どうしの補正前の距離に対する補正後の距離の比を、0より大きく1より小さい所定の下限値以上とするとともに、1より大きい所定の上限値以下とすることを特徴とする請求項8に記載の色補正装置。
- 上記圧縮中心点の色座標は、肌色を表現する所定の肌色領域内の色座標であることを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれかに記載の色補正装置。
- 上記所定の色空間は、CIE L*a*b*色空間であり、
上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
上記色平面において上記圧縮中心点を通る彩度方向の直線と同圧縮中心点を通る色相方向の直線とで上記色補正領域を4領域に分割したとき、各領域は同圧縮中心点を中心とする楕円と同圧縮中心点を通る二直線とで囲まれた形状とされていることを特徴とする請求項10に記載の色補正装置。 - 上記色補正領域内には、上記色平面において唇の色を表現する所定の唇色領域が設けられ、
上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記唇色領域を除いた領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の色補正装置。 - 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う色補正方法であって、
上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行うことを特徴とする色補正方法。 - 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う機能をコンピュータに実現させる色補正プログラムであって、
上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行う機能を実現させることを特徴とする色補正プログラム。 - 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される色変換装置であって、
上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行う色変換手段を備えることを特徴とする色変換装置。 - 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される色変換方法であって、
上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行うことを特徴とする色変換方法。 - 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される機能をコンピュータに実現させる色変換プログラムであって、
上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行う機能を実現させることを特徴とする色変換プログラム。
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