JP2005122612A - 色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色変換装置、色変換方法および色変換プログラム - Google Patents

色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色変換装置、色変換方法および色変換プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】好ましい色を十分に表現させ、良好な画質の画像を得ることを課題とする。
【解決手段】色相および彩度を表す色座標a,b並びに明度(明るさ)Lを色成分量とするLab色空間(所定の色空間)を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正する際、色座標a,bで表されるab平面(色平面)において略楕円形状とされた所定の色補正領域R1内となる画像を表現する色座標を、当該色補正領域R1内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点P0に向かう位置の色座標に補正することにより、画像の色補正を行う構成とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、カラー画像の色補正を行う色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、および、カラー画像の色補正を行いながら画像データを色変換する色変換装置、色変換方法および色変換プログラムに関する。
従来、この種の色補正装置として、特許文献1に開示された色画像処理装置が知られている。同装置は、Lab色空間のab平面上における肌色領域について、目標値とされた色相角に近づくように均等色座標を色相角方向に寄せている。ここで、目標値の色座標は直線状に存在しており、ab平面の原点を通る直線上とされている。ここで、肌色領域は、扇状とされている。
なお、ab平面上における花色領域について、目標値とされた彩度値に近づくように均等色座標を彩度方向に寄せている。ここで、目標値の色座標は円弧状に存在しており、ab平面の原点を中心とした円周上とされている。花色領域も、扇状とされている。
特許第3393679号公報
上述した手法を用いても、好ましい肌色を十分に表現することができていなかった。また、肌色領域の境界が折れ曲がった角部では、部分的に階調が潰れて肌色が十分に階調表現されていなかったり、トーンジャンプ(階調飛び)が生じて肌色が十分に表現されていなかったりした傾向があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、好ましい色を十分に表現することが可能であり、良好な画質の画像を得ることが可能な色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色変換装置、色変換方法および色変換プログラムの提供を目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う色補正装置であって、上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行う補正手段を備えることを特徴とする。
色相と彩度の両方から好ましい色に向かう色補正が行われるので、好ましい色を十分に表現することが可能となる。また、色補正領域の境界に折れ曲がった角部が存在しても、階調が潰れにくくされて色を十分に階調表現することができるし、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色を十分に表現することができる。その結果、色補正を行うことにより、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
ここで、上記色空間の色成分量とされる明るさは、明度とされていると好適であるが、輝度等でもよい。
上記所定の色空間を、国際照明委員会(CIE)で規定された均等色空間(CIE 1976)としてもよい。均等色空間は全空間において人間が認識する色の違いが均等とされた色空間であるので、色平面上の色座標から容易に正確な色相と彩度とを得ることができ、画像の色補正を行うのに好適である。従って、より正確に好ましい色に向かう色補正を行うことができ、より好ましい色を十分に表現することが可能となる。
また、上記所定の色空間は、デバイスに依存しない色空間(または、均等色空間)であってもよい。デバイスに依存しない色空間でも、色平面上の色座標から比較的正確な色相と彩度とを得ることができ、画像の色補正を行うのに好適である。従って、より正確に好ましい色に向かう色補正を行うことができ、より好ましい色を十分に表現することが可能となる。
ここで、均等色空間やデバイスに依存しない色空間の具体例としては、CIE(1976)で規定されたCIE L***色空間(以下、単にLab色空間とも記載)やCIE L***色空間、等が挙げられる。
むろん、色空間が均等色空間やデバイスに依存しない色空間とされていても、色相および彩度を表す色座標を補正して画像の色補正を行うことは可能である。
上記色平面において色座標の原点からの放射方向を彩度方向、同原点を中心とする円の接線方向を色相方向とするとき、同原点は上記色補正領域の外部とされるとともに、同色補正領域は上記圧縮中心点を通る彩度方向が同圧縮中心点を通る色相方向よりも長くされている構成としてもよい。色相方向よりも彩度方向のほうが色の好ましさの許容度が大きいため、より好ましい色を十分に表現することが可能となる。
上記色補正領域は、上記色平面において閉曲線で囲まれた形状とされている領域としてもよい。すなわち、色補正領域は色平面において閉曲線で囲まれた形状とされているので、折れ曲がった角部がない。これにより、より確実に階調が潰れにくくされて色を十分に階調表現することができるし、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色を十分に表現することができる。その結果、より良好な画質の画像を得ることが可能となる。
上記圧縮中心点が単一の点とされると、色座標を補正する処理を簡素化させ、高速化させることができる。むろん、画像の画質を向上させることができるように、色補正領域内の複数の点を圧縮中心点としてもよいし、色補正領域の境界を含まない色補正領域内の所定領域を圧縮中心点としてもよい。
上記色補正領域内には、上記色平面において上記圧縮中心点を含む所定の非圧縮領域が設けられ、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記非圧縮領域を除いた穴あき領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正する構成としてもよい。すると、色の重要な部分の階調がより潰れにくくなり、より好ましい色を十分に階調表現することが可能となる。
上記穴あき領域内には、上記色平面において上記色補正領域の境界と上記非圧縮領域の境界とから離れた位置で当該非圧縮領域を囲む線状の最大補正位置が設けられ、上記補正手段は、上記色平面において上記穴あき領域の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を、上記最大補正位置で最大とする構成としてもよい。すると、境界部分でトーンジャンプが生じにくくなり、さらに好ましい色を十分に表現することが可能となる。
また、補正前後の色座標の変化量を色補正領域の境界と非圧縮領域の境界とで最小としても、境界部分でトーンジャンプが生じにくくなり、さらに好ましい色を十分に表現することが可能となる。
上記圧縮中心点は、単一の点とされ、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域内となる上記画像を表現する色座標から上記圧縮中心点を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標から同原点に向かう位置の色座標を求め、当該色座標から同原点を上記圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標を補正後の色座標とすると、色座標を補正する演算処理を軽減させ、高速化させることが可能となる。
また、請求項7記載の発明のように構成すると、色座標を補正する演算処理をさらに軽減させ、さらに高速化させることが可能となる。
上記所定の色空間が均等色空間である場合、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域の色座標を補正するとき、当該色平面において所定の間隔で格子状に配置された複数の格子点のうち隣り合う格子点どうしの補正前の距離に対する補正後の距離の比を、0より大きく1より小さい所定の下限値以上とするとともに、1より大きい所定の上限値以下とする構成としてもよい。距離の比の下限値を設けることにより階調が潰れにくくなるので、さらに好ましい色を十分に階調表現することが可能となる。また、距離の比の上限値を設けることによりトーンジャンプが生じにくくなるので、さらに好ましい色を十分に表現することが可能となる。
上記圧縮中心点の色座標は、肌色を表現する所定の肌色領域内の色座標である構成としてもよい。特に肌色は人間の顔などに多用され、見た目の好ましさに大きな影響を与える色であるため、色として重要な肌色について好ましい色を十分に表現することが可能となり、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
この場合において、上記所定の色空間をLab色空間とし、上記色平面において単一の圧縮中心点を通る彩度方向の直線と同圧縮中心点を通る色相方向の直線とで上記色補正領域を4領域に分割したとき、各領域を、同圧縮中心点を中心とする楕円と同圧縮中心点を通る二直線とで囲まれた形状としてもよい。実験を行ったところ、肌色について好ましい色をさらに十分に表現することが可能となることがわかった。
さらにこの場合において、上記色補正領域内には、上記色平面において唇の色を表現する所定の唇色領域が設けられ、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記唇色領域を除いた領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正する構成としてもよい。実験を行ったところ、人間の顔についてさらに好ましい色を十分に表現することが可能となることがわかった。
ところで、複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される色変換装置にも、本発明を適用可能である。むろん、請求項2〜請求項12に記載した構成を色変換装置に適用することも可能である。
なお、上述した色補正装置や色変換装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上記構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項13、請求項16にかかる発明も、基本的には同様の作用、効果を有する。さらに、色補正後の画像を印刷する印刷手段を備える印刷システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果となる。
本発明を実施しようとする際に、上記装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項14、請求項17に記載したプログラムでも、基本的には同様の作用、効果を有する。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項2〜請求項12、請求項15に記載された構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)色補正方法の概略:
(3)色補正方法の詳細と色補正装置が行う処理:
(4)各種変形例:
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明にいう色補正装置、色変換装置および色変換テーブル作成装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20、等から構成された印刷システムを示している。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。PC10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してPC全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。同HD14には、プリンタドライバ14aや、色変換テーブル(色変換LUT)14bが記憶されている。I/F17a(例えばUSB I/F)には様々な周辺機器を接続可能であり、本システムを色変換テーブル作成装置として利用する場合にはカラー測色器30が接続される。カラー測色器30は、測色する対象に色検出部30aを向けることにより、CIE(1976)規格におけるL***表色系に基づく測色値、すなわち、明度(明るさ)を表すL*値と、色相および彩度を表すa*値およびb*値を計測可能である。なお、以下の明細書では「*」を省略して記載する。測色器30にて計測されたLab値は、I/F17aを介して読み込むことが可能である。
また、測色器を使用する以外にも様々な機器を使用することができ、例えば、RGB値を取り込み可能なカラースキャナを使用してもよい。なお、本システムを色補正装置および色変換装置として利用する場合には、測色器30を接続する必要はなく、代わりにデジタルカメラ等を接続してもよい。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該画像データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばパラレルI/Fケーブル(シリアルI/Fケーブルも可)を介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は、カートリッジ25aに装着されたCMYKのインクを使用して、印刷用紙(印刷媒体)に対して画像データに対応する画像を印刷する。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、無着色インク、等、CMYK以外のインクを使用するプリンタを採用してもよいし、CMYKのいずれかのインクを使用しないプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
本プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
通信I/O24はPC10のプリンタI/F17eと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッドに4色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
PC10では、OSにプリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、OSの一部となって各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、GDI(Graphics Device Interface)等が組み込まれたOSを介してAPLから画像データを受け取ってプリンタ20に対して出力するラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
なお、本発明の色補正プログラム、色変換プログラムおよび色変換テーブル作成プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムや色変換テーブルのデータを記録した媒体は、HD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
HD14には、変換前のRGB3要素色(第一要素色)を用いたカラー画像を階調表現する第一画像データ(以下、RGBデータと記載)を構成する階調データと、変換後のCMYK4要素色(第二要素色)を用いたカラー画像を階調表現する第二画像データ(以下、CMYKデータと記載)を構成する階調データと、の対応関係を複数の参照点について規定したルックアップテーブルとも呼ばれる色変換LUT14bが記憶されている。同LUTは、後述する色変換テーブル作成方法により作成される。プリンタドライバは、LUTを参照して画像データを色変換し、プリンタ20に対して印刷制御を行う。
図2は上記印刷制御の処理を示すフローチャートであり、図3は画像を印刷する際の動作を示す概念図である。ディスプレイ18aには、ディスプレイドライバの処理によってRGBデータに対応する表示画像I1が表示される。図3ではレタッチ等を実行可能なAPLの実行画面が表示されており、マウス18cにてファイルメニュー内の印刷タブが選択されると印刷制御処理を開始する。
まず、多数(所定数)の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データを入力し、広域RGB色空間内の256階調のRGBデータ(第一画像データ)に変換する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データは、デジタルカメラからのデータ等がある。同画像データは、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ、等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調(0〜255の整数値)のRGBデータに変換する。
次に、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、上記色変換LUT14bを参照して、RGBデータをCMYKインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータ(第二画像データ)に色変換する(S110)。詳しくは後述するが、この色変換の際に、Lab色空間(所定の色空間)を基準としたカラー画像を表現する色成分量が補正されるようになっている。
図3に示すように、LUTはCMYK別に階調データが格納されてHD14に記憶されており、例えばRGB各17(17の3乗個)の格子点に対応したデータを備えている。図ではわかりやすく説明するためLUT中にRGBデータを示しているが、実際にはRGBデータを構成する各階調データに対応するアドレスからCMYKの階調値を参照することにより、RGBデータをCMYKデータに色変換する。なお、入力したRGBデータに一致するCMYKデータがLUTに格納されていない場合には、入力したRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYKデータを取得し、体積補間等の補間演算により入力するRGBデータに対応するCMYKデータに変換する。同CMYKデータは、RGBデータと同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素毎の階調データで表現したデータであり、プリンタ20が印刷ヘッドから吐出するCMYKの各インクの使用量を表すCMYK各256階調(0〜255の整数値)のデータであるとする。
なお、RGBデータやCMYKデータは、1024階調等、様々な階調数とすることができる。
その後、CMYKデータに対して誤差拡散法やディザ法といった所定のハーフトーン処理を行って二値化し、CMYKデータの画素数と同じ画素数であるCMYK別の2階調のハーフトーンデータ(ドットの形成状況を表すデータ)を生成する(S115)。ハーフトーンデータは、ドットの形成有無を表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させたデータとすることができる。むろん、ドットの形成状況を表すデータとしては、例えば階調値「3」を大ドット形成有り、階調値「2」を中ドット形成有り、階調値「1」を小ドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させた4階調のデータ等であってもよい。
また、生成したハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYK別のラスタデータを生成する(S120)。そして、ラスタデータをプリンタ20に対して出力し(S125)、本フローを終了する。すると、プリンタ20は、画像を表現するラスタデータを入手し、これらのデータに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、画像データに対応する印刷画像(出力画像)I2を印刷する。同印刷画像I2は、上記色変換時に色補正が行われた画像である。
このようにして、RGBデータを入力し、画像の色補正を行いながら別の複数の要素色に対応したCMYKデータに色変換し、当該CMYKデータに対応する色補正後の画像をプリンタに印刷させる制御を行うことができる。なお、ハーフトーン処理を実行可能なプリンタであれば多階調のCMYKデータをそのままプリンタに対して出力すればよい。
(2)色補正方法の概略:
本実施形態では、CIE(1976)で定義されたLab色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量(色成分値)を補正することにより、同画像の色補正を行うものとする。ここで、Lab色空間は、Lab表色系における明度L(0≦L≦100)および色座標(色度とも呼ばれる)a,bを色成分量とする均等色空間、かつ、デバイスに依存しない色空間であり、L軸(明度軸)と同L軸に直交するab平面(色平面)で表現される。色座標a,bは色相H(Hue)および彩度C(Chroma)を表しており、色相の相関量である色相角θはtan-1(a/b)、彩度の相関量Cは(a2+b21/2によって計算することができる。
色補正を行う基準とする色空間を均等色空間やデバイスに依存しない色空間とすることにより、より正確に好ましい色に向かう色補正を行うことができ、より好ましい色が十分に表現される。
以下、人間(被験者)の間隔で好ましい肌色を目標色とし、画像の肌色領域を補正する肌色補正を行うものとして、色補正方法を説明する。
図4は、本発明の色補正方法を模式的に説明する図である。同図は、色座標a,bで表されるab平面(色平面)を示してあり、横軸が色成分量a、縦軸が色成分量bである。ab平面は、色成分量a,bのそれぞれに対応する二軸が原点Oにおいて互いに直交した色平面である。
まず、ab平面において色座標の補正を行う最大の範囲を示す所定形状の色補正領域R1を設ける。また、色補正領域R1内に、目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点(目標点)P0を設ける。そして、色補正領域R1内となる画像を表現する色座標を、圧縮中心点P0に向かう位置(P0方向の位置)の色座標に補正することにより、画像の色補正を行う。ここで、圧縮中心点は人間(被験者)の好みの領域内にあり、色補正領域内の画像が人間の好みの領域に向けて圧縮されることになる。
圧縮中心点P0は、色補正領域R1内で位置を移動させる目標の位置であり、本実施形態では単一の点とされている。単一の圧縮中心点を設けることにより、色座標を補正する処理が簡単になり、同処理の処理速度が向上する。圧縮中心点P0の色座標(a0,b0とする)は、肌色を表現する所定の肌色領域内の色座標である。肌色領域は、例えばJIS Z8102(2001)で規定されたうすい黄赤の領域としてもよいし、ab平面において5≦a≦27かつ6≦b≦36等としてもよい。圧縮中心点P0の色座標は、好ましい肌色を表す色座標であればよく、6≦a0≦23かつ10≦b0≦30を満たす色座標等とすることができる。このようにすると、色として重要な肌色について好ましい色が十分に表現される。
色補正領域R1は、ab平面において端点を持たない閉曲線、より具体的にはそれ自身とは交わらない単一閉曲線で囲まれた形状とされている。このような形状とすることにより、色補正領域から折れ曲がった角部がなくなり、また、それ自身と交わる部分もないので、より確実に階調が潰れにくくされて色が十分に階調表現され、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色が十分に表現される。
ここで、ab平面において色座標の原点Oからの放射方向を彩度方向DC、原点Oを中心とする円の接線方向(彩度方向DCと直交する方向)を色相方向DHとする。本実施形態では、原点Oを色補正領域R1の外部とし、色補正領域R1を、圧縮中心点P0を通る彩度方向DCが圧縮中心点P0を通る色相方向DHよりも長くなるようにしている。色相方向よりも彩度方向のほうが色の好ましさの許容度が大きいため、より好ましい色が十分に表現されることになる。
また、実験結果に基づいて、ab平面において圧縮中心点P0を通る彩度方向DCの直線と圧縮中心点P0を通る色相方向DHの直線とで色補正領域R1を4領域R11〜R14に分割したとき、各領域R11〜R14を、圧縮中心点P0を中心とする楕円と圧縮中心点Pを通る彩度方向DCと色相方向DHとの二直線とで囲まれた形状としている。本明細書において、このような色補正領域の形状を略楕円形状と呼ぶことにする。そして、圧縮中心点は、略楕円形状の色補正領域の重心とも言える。色補正領域を略楕円形状とすることにより、肌色について好ましい色がさらに十分に表現される。
さらに、色補正領域R1内にab平面において圧縮中心点P0を含む所定形状の非圧縮領域R2を設け、色補正領域R1のうち非圧縮領域R2を除いた穴あき領域R3内となる画像を表現する色座標を、圧縮中心点P0の色座標に向かう位置の色座標に補正することにしている。非圧縮領域R2は、単一閉曲線で圧縮中心点P0を囲む略楕円形状とされ、色補正領域の形状に近い方がより好ましい色が十分に表現されることから、圧縮中心点P0を通る彩度方向DCが圧縮中心点P0を通る色相方向DHよりも長くされている。非圧縮領域を設けることにより、色の重要な部分の階調がより潰れにくくなり、画像中における人間の好みの領域が圧縮されないようになる。従って、より好ましい色が十分に階調表現される。
そして、穴あき領域R3内にab平面において色補正領域R1の境界と非圧縮領域R2の境界とから離れた位置で非圧縮領域R2を囲む線状の最大補正位置L1を設け、穴あき領域R3の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を最大補正位置L1で最大とすることにしている。最大補正位置L1は、非圧縮領域R2を囲む略楕円形状とされている。また、色補正領域の形状に近い方がより好ましい色が十分に表現されることから、最大補正位置を形成する閉曲線は、圧縮中心点P0を通る彩度方向DCが圧縮中心点P0を通る色相方向DHよりも長くされている。
ここで、実験結果に基づいて、穴あき領域R3内にab平面において唇の色を表現する所定形状の唇色領域R4を設け、穴あき領域R3のうち唇色領域R4を除いた圧縮領域R5内となる画像を表現する色座標を、圧縮中心点P0の色座標に向かう位置の色座標に補正することにしている。圧縮領域R5内に最大補正位置L1が設けられているため、圧縮領域R5の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量が最大補正位置L1で最大となる。
唇色領域は、唇の色を表現する領域内であればよく、例えばJIS Z8102(2001)で規定された赤領域内の領域としてもよいし、29≦a≦32かつ13≦b≦22を満たす領域内の領域等としてもよい。本実施形態では、唇色領域R4を円形としているが、単一閉曲線で囲まれた略楕円形状等としてもよい。唇色領域を設けることにより、人の目につく重要な色である唇の色が変化しなくなり、人間の顔についてさらに好ましい色が十分に表現される。
(3)色補正方法の詳細と色補正装置が行う処理:
図5は色補正装置が色補正対応関係を表す色補正対応テーブル(色補正対応データ)を作成する色補正対応関係作成処理を示すフローチャートであり、図6は色補正対応テーブルT1の構造を模式的に示す図である。色補正対応テーブルT1は、補正前の色成分値(L,a,b)と補正後の色成分値(L,a,b)と、の対応関係を複数の格子点(参照点)について規定している。本実施形態では、補正後の色成分値(L,a,b)を色補正対応データD11としてテーブルT1に格納しているものとして説明するが、補正前の色成分値(L,a,b)もテーブルT1に格納してもよい。
処理を開始すると、図7に示すように、ab平面上において所定の間隔LIで格子状に配置する複数の格子点P11の位置を設定する(S205)。例えば、間隔LIの値(例えば0より大きく20以下の値)の入力(操作入力等)を受け付け、入力された値を所定の変数LIに代入することにより、格子点P11の位置を設定することができる。そして、NIの値に応じてab平面上の格子点の数Nを決定する処理を行い、色補正対応テーブルT1を記憶させる領域を記憶領域内に確保する。
次に、目標の色の位置である圧縮中心点P0の色座標a0,b0を取得する(S210)。例えば、色座標a0,b0の値(例えば、いずれも−127〜127の値)の入力(操作入力等)を受け付け、入力された値を所定の変数a0,b0に代入すればよい。
さらに、色補正する最大範囲である色補正領域R1の範囲を表すパラメータp1〜p4(例えば0より大きく63以下)の入力(操作入力等)を受け付ける等して、パラメータp1〜p4を取得する(S215)。各パラメータp1〜p4は、圧縮中心点P0からの距離とされ、それぞれ、原点Oから離れる方向の彩度方向DC1の距離、左回り方向の色相方向DH1の距離、原点Oに近づく方向の彩度方向DC2の距離、右回り方向の色相方向DH2の距離とされている。ここで、p1+p3>p2+p4の条件が成立する場合のみ入力を受け付けることにより、当該条件が成立したp1〜p4を取得する。
さらに、色補正しない非圧縮領域R2の範囲を表すパラメータp11〜p14の入力(操作入力等)を受け付ける等して、パラメータp11〜p14を取得する(S220)。ここで、0<p11<p1、0<p12<p2、0<p13<p3、0<p14<p4の条件が成立する場合のみ入力を受け付けることにより、当該条件が成立したp11〜p14を取得する。各パラメータp11〜p14も、圧縮中心点P0からの距離とされ、それぞれ、DC1,DH1,DC2,DH2の方向の距離とされている。
さらに、最大補正位置L1を表すパラメータp21〜p24(0より大きく1より小)と最大補正量を表すパラメータp31〜p34(0より大きく1より小)の入力(操作入力等)を受け付ける等して、パラメータp21〜p24,p31〜p34を取得する(S225)。最大補正位置を表す各パラメータp21〜p24は、圧縮中心点P0からの距離を基準として色補正領域の境界と非圧縮領域の境界との間の距離に対する比とされ、それぞれ、DC1,DH1,DC2,DH2の方向における距離の比とされている。また、最大補正量を表す各パラメータp31〜p34も、圧縮中心点P0からの距離を基準として色補正領域の境界と非圧縮領域の境界との間の距離に対する比とされ、それぞれ、DC1,DH1,DC2,DH2の方向における距離の比とされている。
その後、図8に示すように、圧縮領域内で画像を表現する色座標を圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正する際、演算処理を軽減させるため、回転処理と平行移動処理を組み合わせて圧縮中心点P0を原点Oに移動させる色平面変換処理を行っている。
圧縮中心点P0(色座標a0,b0)の彩度C0、色相角H0は、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
また、ab平面上の色座標をain,binとすると、当該色座標の入力点Pinの彩度Cin、色相角Hinは、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
圧縮中心点P0の色相を基準とするために原点Oを中心として入力点Pinを−θ0回転させ、圧縮中心点P0の彩度を基準とするために彩度を−C0平行移動させた点Pnの色座標an,bnは、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
そこで、上記演算式(5),(6)を用いることにより、点Pinを回転量−θ0で回転させた後に移動量−C0で移動させた位置Pnの色座標an,bnを、元の点Pinの色座標ain,binから求める(S230)。むろん、点Pinを回転量−θ0で回転させた位置Pmidの色座標Cin×cos(θin−θ0),Cin×sin(θin−θ0)を色座標ain,binから求め、その後、点Pmidを移動量−C0で移動させた位置Pnの色座標an,bnを、移動前の点Pmidの色座標から求めてもよい。また、平行移動処理後に回転処理を行う構成とすることも可能である。
本実施形態では、ab平面上に設定した格子点全ての色座標について上記色平面変換処理を行うものとして説明する。具体的には、図6の色補正対応テーブルT1に規定された補正前の色座標ai,biを取得し、それぞれに対応するan,bnに変換する。なお、色補正領域内の格子点のみの色座標について色平面変換処理を行ってもよい。
色平面変換処理後の色座標で表されるab平面は、a軸の+側方向が彩度増加方向、b軸の+側方向が色相増加方向、a軸の−側方向が彩度減少方向、b軸の−側方向が色相減少方向となる。
なお、圧縮中心点を、原点Oを中心として回転させる場合には、−側のa軸まで回転させてもよいし、+側または−側のb軸まで回転させてもよい。
その後、上記色平面変換処理後の色座標an,bnから、原点Oに向かう位置(原点O方向の位置)の色座標を求める(S235)。
図9は、色補正領域R1内の点を原点O方向に移動させる際の補正量を示す図である。図の横軸は原点Oからの距離S、縦軸は補正量Mである。また、S−M平面における色補正境界点A(Sa,0)は色補正領域R1の境界に相当する位置であり、非圧縮境界点B(Sb,0)は非圧縮領域R2の境界に相当する位置であり、最大補正点C(Sc,Mc)は最大補正位置L1に相当する位置である。なお、0<Sb<Sc<Sa、Mc>0であり、S=(an 2+bn 21/2である。
点CのS座標Scは、階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点から、B〜Aの間でBからAB間の距離の20%以上(または30%以上)80%以下(または70%以下)等の座標とすることができる。従って、S225でパラメータp21〜p24を取得する際、このような条件を満たすp21〜p24のみ入力を受け付けて取得すると好適である。
点CのM座標Mcは、最大補正量であり、0<Mc<Sa−Sbの範囲で設定可能である。階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点からは、座標McはAB間の距離の20%以上(特に好ましくは30%以上)かつ50%以下(特に好ましくは40%以下)の座標が好ましい。従って、0.3×(Sa−Sb)<Mc<0.4×(Sa−Sb)とすると、非常に良好な色を十分に表現することが可能となる。従って、S225でパラメータp31〜p34を取得する際、このような条件を満たすp31〜p34のみ入力を受け付けて取得すると好適である。
本実施形態では、原点からの方向に応じた最大補正量となるようにしてある。ここで、S225で取得したパラメータp31〜p34から所定の換算式(色補正領域の境界と非圧縮領域の境界との間の距離Sa−Sbを乗じる)により、+側のa軸方向の最大補正量Mca、+側のb軸方向の最大補正量Mcb、−側のa軸方向の最大補正量Mcc、−側のb軸方向の最大補正量Mcdを算出している。軸方向以外を考慮して、回転角θnの方向について、例えば以下のようにして最大補正量Mcを算出する。
0°≦θn<90°のとき、h=θn/90として、
Mc={h×p31+(1−h)×p32}(Sa−Sb)
90°≦θn<180°のとき、h=(θn−90)/90として、
Mc={h×p32+(1−h)×p33}(Sa−Sb)
180°≦θn<270°のとき、h=(θn−180)/90として、
Mc={h×p33+(1−h)×p34}(Sa−Sb)
270°≦θn<360°のとき、h=(θn−270)/90として、
Mc={h×p34+(1−h)×p31}(Sa−Sb)
ここで、原点から入力点までの距離Sが原点O〜点B(S<Sb)である場合、入力点は非圧縮領域R2内にあるため、補正量Mを0としている。また、原点から入力点までの距離xが点A以遠(S≧Sa)である場合、入力点は色補正領域R1外にあるため、補正量Mを0としている。
原点から入力点までの距離Sが点B〜点C(Sb≦x<Sc)である場合、補正量Mを、点B,Cを通る3次曲線としている。この3次曲線をM=f(S)で表すと、
f(Sb)=0,f’(Sb)=0,f(Sc)=Mc,f’(Sc)=0
としている。f(S)=k13+k22+k3S+k4とすると、以下の4元1次連立方程式を解くことにより、k1〜k4を算出することができる。
1Sb3+k2Sb2+k3Sb+k4=0
3k1Sb2+2k2Sb+k3=0
1Sc3+k2Sc2+k3Sc+k4=Mc
3k1Sc2+2k2Sc+k3=0
ここで、上記4式を、
Figure 2005122612
と置き換えると、以下の演算式によりk1〜k4を算出することができ、3次関数f(S)を決定することができる。
Figure 2005122612
また、原点から入力点までの距離Sが点C〜点A(Sc≦x<Sa)である場合、補正量Mを、点C,Aを通る3次曲線としている。この3次曲線をM=g(S)で表すと、
g(Sc)=Mc,g’(Sc)=0,g(Sa)=0,f’(Sa)=0
としている。3次関数g(S)も、f(S)と同様にして決定することができる。
なお、各点A〜Cについては、距離Sの大きいほうの領域に含めてもよいし、距離Sの小さいほうの領域に含めてもよい。
本実施形態では、色補正領域R1と非圧縮領域R2を略楕円形状としている。色補正領域R1の境界とa軸との交点のa座標をAa,−Ac(Aa>0,Ac>0)、b軸との交点のb座標をAb,−Ad(Ab>0,Ad>0)とすると、色補正領域R1の境界は、
Figure 2005122612
と表すことができる。なお、S215で取得したパラメータp1〜p4をそれぞれAa,Ab,Ac,Adとすることにしているが、色補正領域の範囲を表すパラメータから所定の換算式によりAa,Ab,Ac,Adを算出する構成とすることも可能である。
ここで、色平面変換処理後の入力点Pn(an,bn)と原点Oとを結ぶ直線は、以下のように表される。
nが0のとき、 a=0
nが0でないとき、
b=ea (ただし、e=bn/an) …(15)
上記式(11)〜(15)より、色補正領域R1の境界と点Pnを通る上記直線との交点(Ax,Ay)は、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
また、非圧縮領域R2の境界とa軸との交点のa座標をBa,−Bc(Ba>0,Bc>0)、b軸との交点のb座標をBb,−Bd(Bb>0,Bd>0)とすると、同様の考えにより、非圧縮領域R2の境界と点Pnを通る上記直線との交点(Bx,By)を求めることができる。交点(Bx,By)を求める式は、式(16)〜(23)の変数Aa,Ab,Ac,Ad,Ax,Ayを、それぞれBa,Bb,Bc,Bd,Bx,Byに置き換えた式となる。なお、S220で取得したパラメータp11〜p14をそれぞれBa,Bb,Bc,Bdとすることにしているが、非圧縮領域の範囲を表すパラメータから所定の換算式によりBa,Bb,Bc,Bdを算出する構成とすることも可能である。
さらに、最大補正位置L1とa軸との交点のa座標をCa,−Cc(Ca>0,Cc>0)、b軸との交点のb座標をCb,−Cd(Cb>0,Cd>0)とすると、同様の考えにより、最大補正位置L1と点Pnを通る上記直線との交点(Cx,Cy)を求めることができる。交点(Cx,Cy)を求める式は、式(16)〜(23)の変数Aa,Ab,Ac,Ad,Ax,Ayを、それぞれCa,Cb,Cc,Cd,Cx,Cyに置き換えた式となる。なお、S225で取得したパラメータp21〜p24に所定の換算式(色補正領域の境界と非圧縮領域の境界との間の距離Sa−Sbを乗じる)によりCa,Cb,Cc,Cdを算出することにしているが、最大補正位置を表すパラメータをそのままCa,Cb,Cc,Cdとする構成とすることも可能である。
以上より、点AのS座標はSa=(Ax2+Ay21/2、点BのS座標はSb=(Bx2+By21/2、点CのS座標はSc=(Cx2+Cy21/2となり、上記演算式(10)により、3次関数f(S),g(S)を決定することができ、色平面変換処理後の各入力点Pn(an,bn)の補正量Mを算出することができる。
点Pnから原点Oに向かった補正後の点Ppの色座標ap,bpは、以下の式により算出することができる。
Figure 2005122612
上記最大補正位置は色補正領域の境界と非圧縮領域の境界とから離れているので、穴あき領域の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を最大補正位置で最大とすることにより、境界部分でトーンジャンプが生じにくくなり、さらに好ましい色が十分に表現される。また、補正前後の色座標の変化量を色補正領域の境界と非圧縮領域の境界とで最小としている点でも、境界部分でトーンジャンプが生じにくくなり、さらに好ましい色が十分に表現される。
図10は、上記S235の詳細な処理を示すフローチャートである。まず、上記S205で設定した格子点の中から、処理対象とする格子点を設定する(S305)。例えば、色補正対応テーブルT1に規定された各色座標ai,biを表すポインタiの値を更新することにより、格子点を設定することができる。次に、色平面変換処理後のab平面を基準として、色平面変換処理後の格子点Pn(色座標an,bn)と原点Oとの間の距離Sを算出する(S310)。
その後、色補正境界点Aと原点Oとの間の距離Saを算出し、S<Sa(またはS≦Sa)であるか否かを判断することにより、格子点Pnが色補正領域R1内であるか否かを判断する(S315)。この段階で格子点が色補正領域内であるか否かを表す領域情報を色補正対応テーブルT1に格納しておき、再びS315が行われる際や色平面を元に戻す際に領域情報を参照することによって処理を高速化させてもよい。条件不成立時、S335に進む。これにより、格子点が色補正領域外であるときに色座標は補正されない。
条件成立時、非圧縮境界点Bと原点Oとの間の距離Sbを算出し、S<Sb(またはS≦Sb)であるか否かを判断することにより、格子点Pnが非圧縮領域R2内であるか否かを判断する(S320)。条件成立時、S335に進む。これにより、格子点が非圧縮領域内であるときに色座標は補正されない。
条件不成立時、色平面変換処理前の格子点の色座標ai,biが唇色領域R4内の色座標であるか否かを判断する(S325)。条件成立時、S335に進む。これにより、格子点が唇色領域内であるときに色座標は補正されない。
条件成立時、3次関数f(S)またはg(S)を決定して補正量Mを算出し、上記式(24)〜(31)により補正後の色座標ap,bpを算出して(S330)、S335に進む。
S335では、全格子点について上述した処理を行ったか否かを判断する。未処理の格子点がある場合にはS305に戻り、ポインタiの値を更新する等して順次新たな格子点を設定し、S310〜S335の処理を行う。未処理の格子点がなくなった場合には、複数の格子点のうち隣り合う格子点どうしの間隔が所定範囲内であるか否かを判断する(S340)。
図7に示すように、本実施形態における隣り合う格子点は、色平面変換処理前のab平面における色座標ai,biの基準格子点Pi,iからみて、色成分量aiが同じで色成分量bの差が最も小さくなる格子点をPi,i-1、Pi,i+1、色成分量biが同じで色成分量aの差が最も小さくなる格子点をPi-1,i、Pi+1,iとすると、格子点Pi,i-1とPi,i、格子点Pi,i+1とPi,i、格子点Pi-1,iとPi,i、格子点Pi+1,iとPi,i、としている。そして、色平面変換処理後のab平面を基準として、全格子点の中から順次基準格子点を設定し、色平面変換処理後の格子点の色座標を用いて基準格子点を含む隣り合う格子点どうしの間隔を算出し、算出した間隔に基づいて判断処理を行う。
本実施形態では、隣り合う格子点どうしの補正前の距離diに対する補正後の距離doの比do/diを、0より大きく1より小さい所定の下限値dl以上とするとともに、1より大きい所定の上限値dh以下となるようにしている。すなわち、S340では、全ての隣り合う格子点どうしの間隔について、全てdl≦do/di≦dhが成立するか否かを判断している。そして、条件成立時にフローを終了し、dl≦do/di≦dhが成立しない隣り合う格子点どうしが一つでも存在するときには条件不成立としてS345に進む。
階調を潰れにくくさせたりトーンジャンプを生じさせなくさせたりする観点から、下限値dlは0.3〜0.7(または0.4〜0.6)、上限値dhは1.6〜2.4(または1.8〜2.2)等とすることができる。
なお、do−diに基づいて隣り合う格子点どうしが所定範囲内であるか、例えば、−1より大きく0より小さい所定の下限値dl以上、0より大きい所定の上限値dh以下であるか否かを判断してもよい。
上記下限値dlを設けることにより階調が潰れにくくなるので、さらに好ましい色が十分に階調表現される。また、上記上限値dhを設けることによりトーンジャンプが生じにくくなるので、さらに好ましい色が十分に表現される。
S345では、補正後の格子点の色座標に影響を与えるパラメータを修正し、ポインタiを初期値に戻す等して全格子点を未処理とするようにしたうえで、S305に戻る。同パラメータとしては、色補正領域の範囲を表すパラメータp1〜p4、非圧縮領域の範囲を表すパラメータp11〜p14、最大補正位置を表すパラメータp21〜p24、最大補正量を表すパラメータp31〜p34等がある。例えば、パラメータp31〜p34を0より大きい範囲で小さくすると、最大補正量Mcが0より大きい範囲で小さくなり、補正後の格子点どうしの間隔doは補正前の格子点どうしの間隔diに近づく。そこで、パラメータp31〜p34に0より大きく1より小さい所定係数k(例えば0.9)を乗じてp31〜p34を修正する等すればよい。
むろん、上記各種パラメータの入力を再度受け付け、入力されたパラメータを取得するようにしてもよい。
色座標補正処理が終了すると、図11に示すように、平行移動処理と回転処理を組み合わせて原点Oを元の圧縮中心点P0に戻す逆の色平面変換処理(逆変換処理)を行っている。
点Pnから原点O方向に補正された点Ppから彩度をC0平行移動させた点Pmの色座標am,bm、点Pmの彩度Cm、色相角Hmは、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
また、点Pmから色相をθ0回転させた点Poutの色座標aout,boutは、以下の通りとなる。
Figure 2005122612
そこで、上記演算式(32)〜(37)を用いることにより、点Ppを移動量C0で移動させた後に回転量θ0で回転させた位置Poutの色座標aout,boutを、補正後の点Ppの色座標ap,bpから求め(S240)、色補正対応テーブルT1に色補正対応データD11として格納して、フローを終了する。ここで、C0は原点Oを平行移動前の圧縮中心点P1の位置に戻す移動量であり、θ0は当該圧縮中心点P1を回転前の圧縮中心点P0の位置に戻す回転量である。むろん、点Ppを移動量C0で移動させた位置Pmの色座標を色座標ap,bpから求め、その後、点Pmを回転量θ0で回転させた位置Poutの色座標を点Pmの色座標から求めてもよい。また、回転処理後に平行移動処理を行う構成とすることも可能である。
色平面変換処理を行って色座標を補正することにより、色座標を補正する演算処理が軽減され、高速化される。
以上の処理により、色補正対応テーブルT1が作成される。図6に示すように、色補正対応データD11の色座標D12のうち、色補正領域内となる色座標D13が上記色補正対応関係作成処理で求められた補正後の色座標であり、圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正されている。そして、色補正対応テーブルT1を参照することによって、ab平面において色補正領域内となるカラー画像を表現する色座標を、当該色補正領域内の目標の圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、カラー画像の色補正を行うことができる。
上記補正を行うことにより、色相と彩度の両方から好ましい色に向かう色補正が行われるので、好ましい色を十分に表現することが可能となる。また、色補正領域の境界に折れ曲がった角部が存在しないので、より確実に階調が潰れにくくされて色を十分に階調表現することができるし、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色を十分に表現することができる。その結果、色補正を行うことにより、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
図12は色作成装置が上記色補正対応テーブルを用いて色変換LUTを作成する色変換テーブル作成処理を示すフローチャートであり、図13は色変換LUT14bを作成する様子を説明する図である。
まず、図14に示すように、RGB色空間で各軸に沿って略等間隔に離れたm(mは正の整数)の3乗個の格子点からなる立方格子を規定するデータを作成する(S405)。図ではRGB各5段階しか格子点を示していないが、17段階等とすると、17の3乗個等の格子点からなる色変換LUTを作成するのに好適である。次に、格子点のRGBデータをsRGBの定義に従ってLab色空間の各色成分量(Lab値)に変換する(S410)。そして、RGBデータと変換後のLab値とをRAM13等の所定領域に格納することにより、RGBデータとLab色空間の各色成分量(Labinと記載)との入力側対応関係を規定する入力側対応データT2を作成する(S415)。
その後、入力側対応データT2と色補正対応テーブルT1とを用いて、入力側対応関係と色補正対応関係を対応付ける入力側色補正対応データT3を作成する(S420)。各格子点のRGBデータに対応するLabinをデータT2から取得し、色補正対応テーブルT1を参照することにより同Labinに対応するLaboutを取得して、各格子点のRGBデータと同Laboutとを対応付けると、入力側色補正対応データT3を作成することができる。
また、CMYK色空間で各軸に沿って略等間隔に離れたn(nは正の整数)の4乗個の格子点を規定するデータを作成する(S425)。例えば、CMYKそれぞれについて階調値0と255とを含めて代表的な階調値を5段階ずつ選択する等する。次に、各格子点のCMYKデータに対応した複数のパッチを印刷媒体に印刷させる(S430)。すなわち、各格子点のCMYKデータに対してハーフトーン処理とラスタライズ処理を行い、生成したラスタデータをプリンタ20に送信する。すると、プリンタ20はラスタデータを受信し、印刷ヘッドを駆動してインクを吐出させてCMYKデータに対応するドットを形成し、印刷用紙上に各格子点に対応した複数のパッチを印刷する。
ここで、PCの操作者は、複数のパッチに対してD50光源(CIEで規定)等、所定の光源のもとで測色器30により測色を行う。すなわち、パッチの一つ一つに測色器の色検出部30aを押し当てて、順次測色を行っていく。PCでは、複数のパッチ全てについてのLab色空間の各Lab値から構成される測色結果T4を取得し、RAM13等の所定領域に記憶させる(S435)。ここで、I/F17aを介して測色器からLab値を読み込んでもよいし、Lab値を一旦FD16aに記憶させてFDドライブ16を介して読み込んでもよいし、キーボード18bによる操作入力を受け付けてLab値を取得してもよい。
その後、入力側色補正対応データT3と測色結果T4とを用いて、入力側色補正対応関係と測色結果を対応付ける入出力対応データT5を作成する(S440)。各格子点のRGBデータに対応するLaboutをデータT3から取得し、測色結果T4を参照することにより同Laboutに対応するCMYKデータを取得して、各格子点のRGBデータとCMYKデータとを対応付けると、入出力対応データT5を作成することができる。
最後に、データT5に基づいて、所定フォーマットの色変換LUT14bを作成し(S445)、HD14等の所定領域に記憶して(S450)、フローを終了する。すると、複数の第一要素色RGB別の階調データからなる第一画像データと、同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色CMYK別である階調データからなる第二画像データと、の対応関係を複数の格子点(参照点)について規定した色変換LUTが作成される。
以上のようにして作成された色変換LUTは、汎用的なコンピュータにて汎用的に行われている印刷処理にて使用可能である。上述したように、PC10を色変換装置として使用し、図2で示した印刷制御処理に従って、作成されたLUTを参照することにより、第一要素色RGBを用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを、第二要素色CMYKを用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換し、第二画像データを用いて印刷制御を行うことにより、第二画像データに対応する印刷画像をプリンタ20に印刷させることができる。ここで、色変換の際に、色座標a,bで表されるab平面上で所定の色補正領域内となる画像を表現する色座標が、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される。これにより、好ましい色を十分に表現することが可能となり、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
すなわち、図5の色補正対応関係作成処理、図12の色変換テーブル作成処理、図2のS110の処理を行うPCは、本発明の補正手段を備える色補正装置、および、色変換手段を備える色変換装置を構成することになる。むろん、S110の処理のみを行うPCでも、色補正装置および色変換装置が構成される。なお、図5と図12の処理から色変換テーブル作成装置が構成される。
(4)各種変形例:
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピュータと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピュータと一体化されたものでもよい。大中小のドットを形成可能である等、形成するドットの大きさを可変とした印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。画像を出力する装置は、印刷装置以外でもよく、液晶表示画面上で輝点形成の有無により画像を表現する液晶表示装置でもよい。
また、本発明は、肌色領域の色補正以外にも、花色領域の色補正、青空等の画像に対するような青色領域の色補正、夕日等の画像に対するような赤領域の色補正、森等の画像に対するような緑領域の色補正、等にも適用可能である。
色補正領域の境界を含まない色補正領域内の所定領域を圧縮中心点とし、色補正領域内の位置に応じた移動方向に補正するようにしてもよい。例えば、上記非圧縮領域を圧縮中心点とすることができる。
色平面上の色補正領域における圧縮中心点を通る長軸が原点を通らない場合、平行移動処理(または原点を中心とする回転処理と平行移動処理)を行って圧縮中心点を原点に移動させた後に、色補正領域の長軸をa軸またはb軸に合わせる回転処理を行う色平面変換処理を行ってもよい。すると、色補正領域の長軸が原点を通らない場合に、さらに好ましい色に向かう色補正が行われ、画像の画質がさらに向上する。
むろん、色平面変換処理を軽減させるために、ab平面において圧縮中心点P0(a0,b0)を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置Pnの色座標を移動前の点Pinの色座標から求め、点Pnから原点Oに向かう位置Ppの色座標を点Pinの色座標から求め、原点Oを圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させた位置Poutの色座標を点Ppの色座標から求め、当該色座標を補正後の色座標としてもよい。色補正領域の境界は、例えば0°≦θ0<45°の場合、上記式(11)〜(14)で近似し、45°≦θ0<135°の場合、上記式(11)〜(14)のAa,Ab,Ac,AdをAb,Ac,Ad,Aaに置き換えて近似する等して表すことができる。従って、上述した実施形態と同様にして、ab平面において色補正領域内の色座標を圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することができる。その結果、色座標を補正する演算処理を軽減させて高速化させながら、好ましい色を十分に表現することが可能となる。
また、色座標を補正する処理を簡素化させる観点から、色平面変換処理を行わずに色補正領域内の色座標を圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正してもよい。
色補正領域に唇色領域や非圧縮領域を設けなくても、色の表現力は大きくは低下しないため、好ましい色を十分に表現可能である。また、色補正領域に角部があっても、階調が潰れにくくされて色を十分に階調表現することができるし、より確実にトーンジャンプが生じにくくされて色を十分に表現することができるため、色補正を行うことにより、良好な画質の画像を得ることが可能となる。さらに、原点を色補正領域内とすることも可能である。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、好ましい色を十分に表現することが可能であり、良好な画質の画像を得ることが可能となる。
印刷システムの構成を示すブロック図。 印刷制御の処理を示すフローチャート。 画像を印刷する際の動作を示す概念図。 色補正方法を模式的に説明する図。 色補正対応関係作成処理を示すフローチャート。 色補正対応テーブルT1の構造を模式的に示す図。 ab平面上に設定された複数の格子点を示す図。 色平面の変換処理を模式的に示す図。 色補正領域内の点を原点方向に移動させる際の補正量を示す図。 色座標補正処理を示すフローチャート。 逆の色平面変換処理を模式的に示す図。 色変換テーブル作成処理を示すフローチャート。 色変換LUTを作成する様子を説明する図。 RGB色空間内に設定した格子点を模式的に示す図。
符号の説明
10…パーソナルコンピュータ(PC)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…プリンタドライバ、14b…色変換テーブル(色変換LUT)、20…インクジェットプリンタ、D11…色補正対応データ、D12…色座標、D13…補正された色座標、DC…彩度方向、DH…色相方向、L1…最大補正位置、P0…圧縮中心点、P1…回転後の圧縮中心点、P11…格子点、R1…色補正領域、R2…非圧縮領域、R3…穴あき領域、R4…唇色領域、R5…圧縮領域、T1…色補正対応テーブル、T2…入力側対応データ、T3…入力側色補正対応データ、T4…測色結果、T5…入出力対応データ

Claims (17)

  1. 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う色補正装置であって、
    上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行う補正手段を備えることを特徴とする色補正装置。
  2. 上記色平面において色座標の原点からの放射方向を彩度方向、同原点を中心とする円の接線方向を色相方向とするとき、同原点は上記色補正領域の外部とされるとともに、同色補正領域は上記圧縮中心点を通る彩度方向が同圧縮中心点を通る色相方向よりも長くされていることを特徴とする請求項1に記載の色補正装置。
  3. 上記色補正領域は、上記色平面において閉曲線で囲まれた形状とされていることを特徴とする請求項2に記載の色補正装置。
  4. 上記色補正領域内には、上記色平面において上記圧縮中心点を含む所定の非圧縮領域が設けられ、
    上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記非圧縮領域を除いた穴あき領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色補正装置。
  5. 上記穴あき領域内には、上記色平面において上記色補正領域の境界と上記非圧縮領域の境界とから離れた位置で当該非圧縮領域を囲む線状の最大補正位置が設けられ、
    上記補正手段は、上記色平面において上記穴あき領域の色座標を補正するときの補正前後の色座標における変化量を、上記最大補正位置で最大とすることを特徴とする請求項4に記載の色補正装置。
  6. 上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
    上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域内となる上記画像を表現する色座標から上記圧縮中心点を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標から同原点に向かう位置の色座標を求め、当該色座標から同原点を上記圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標を補正後の色座標とすることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の色補正装置。
  7. 上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
    上記色座標を二種類の色成分量からなる色座標とし、上記色平面を当該色座標の各色成分量のそれぞれに対応する二軸が原点において互いに直交した色平面とするとき、上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域内となる上記画像を表現する色座標から上記圧縮中心点を上記二軸のいずれかまで原点を中心として回転させる回転量で回転させて回転後の圧縮中心点の位置を原点の位置にさせる移動量で移動させた位置の色座標を求め、当該色座標から同原点に向かう位置の色座標を求め、当該色座標から同原点を上記回転後の圧縮中心点の位置に戻す移動量で移動させて移動後の圧縮中心点の位置を元の上記圧縮中心点の位置まで原点を中心として回転させる回転量で回転させた位置の色座標を求め、当該色座標を補正後の色座標とすることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の色補正装置。
  8. 上記所定の色空間は、均等色空間であることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の色補正装置。
  9. 上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域の色座標を補正するとき、当該色平面において所定の間隔で格子状に配置された複数の格子点のうち隣り合う格子点どうしの補正前の距離に対する補正後の距離の比を、0より大きく1より小さい所定の下限値以上とするとともに、1より大きい所定の上限値以下とすることを特徴とする請求項8に記載の色補正装置。
  10. 上記圧縮中心点の色座標は、肌色を表現する所定の肌色領域内の色座標であることを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれかに記載の色補正装置。
  11. 上記所定の色空間は、CIE L***色空間であり、
    上記圧縮中心点は、単一の点とされ、
    上記色平面において上記圧縮中心点を通る彩度方向の直線と同圧縮中心点を通る色相方向の直線とで上記色補正領域を4領域に分割したとき、各領域は同圧縮中心点を中心とする楕円と同圧縮中心点を通る二直線とで囲まれた形状とされていることを特徴とする請求項10に記載の色補正装置。
  12. 上記色補正領域内には、上記色平面において唇の色を表現する所定の唇色領域が設けられ、
    上記補正手段は、上記色平面において上記色補正領域のうち上記唇色領域を除いた領域内となる上記画像を表現する色座標を、上記圧縮中心点の色座標に向かう位置の色座標に補正することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の色補正装置。
  13. 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う色補正方法であって、
    上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行うことを特徴とする色補正方法。
  14. 色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準としたカラーの画像を表現する色成分量を補正することにより、同画像の色補正を行う機能をコンピュータに実現させる色補正プログラムであって、
    上記色座標で表される色平面において所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標を、当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正することにより、上記画像の色補正を行う機能を実現させることを特徴とする色補正プログラム。
  15. 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される色変換装置であって、
    上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行う色変換手段を備えることを特徴とする色変換装置。
  16. 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される色変換方法であって、
    上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行うことを特徴とする色変換方法。
  17. 複数の第一要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第一画像データを同複数の第一要素色とは別の複数の第二要素色を用いたカラーの画像を階調表現する第二画像データに色変換するとともに、同色変換の際に色相および彩度を表す色座標並びに明るさを色成分量とする所定の色空間を基準とした同画像を表現する色成分量が補正される機能をコンピュータに実現させる色変換プログラムであって、
    上記色変換を行う際、上記色座標で表される色平面上で所定の色補正領域内となる上記画像を表現する色座標が当該色補正領域内で目標の色相および彩度を表す色座標とされた圧縮中心点に向かう位置の色座標に補正される色変換を行う機能を実現させることを特徴とする色変換プログラム。
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