JP2005122023A - 高臨場感音響信号出力装置、高臨場感音響信号出力プログラムおよび高臨場感音響信号出力方法 - Google Patents

高臨場感音響信号出力装置、高臨場感音響信号出力プログラムおよび高臨場感音響信号出力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 音声や楽音の響きを自在に変更でき、高い臨場感を観客に与えることができる高臨場感音響信号出力装置、プログラム、方法を提供する。
【解決手段】 空間を囲む壁面に響き、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する高臨場感音響信号出力装置1であって、収音手段3と、音源位置情報取得手段5と、仮想音源データ蓄積手段7と、仮想音源位置情報入力手段9と、反射音情報蓄積手段11と、音声出力装置情報蓄積手段13と、音場合成手段15と、音響信号出力手段17と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、劇場、コンサートホール等の多人数を収容できる空間において、高臨場感を得られる音響信号を出力する高臨場感音響信号出力装置、高臨場感音響信号出力プログラムおよび高臨場感音響信号出力方法に関する。
従来、劇場において、舞台上で演技をする演技者が発声する音声と、楽器等による演奏の音(楽音)とは、図6(a)に示すような拡声システム101または図6(b)に示すような音場支援付き拡声システム109によって、当該劇場内に多数設けられた客席に座っている観客に伝えられている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
図6(a)に示す拡声システム101は、舞台上に複数配置される収音マイク103と、この収音マイク103で収音された音声データを2chにミックスする混合器105と、この混合器105でミックスした混合音声データを出力する拡声スピーカ107とを備えている。
図6(b)に示す音場支援付き拡声システム109は、音声および楽音に基づいて、当該音声および当該楽音の残響と反射音とを生成する残響・反射音生成器111と、この残響・反射音付加器111で生成された残響・反射音データを出力する、客席の側壁等に多数設けられたサイドスピーカ113とを、図6(a)の拡声システム101に追加したものである。なお、この音場支援付き拡声システム109は、サイドスピーカ113により、演技者が発声した音声や楽器等による楽音に反射音のみを付加して(畳み込んで)再生することによって、当該劇場の残響効果を補強し、劇場内の音場を制御するものである。
特開平6−149276号公報(段落0011〜0014、図1) 特開平6−266377号公報(段落0013〜0015、図1) 特開2000−224700号公報(段落0032〜0043、図1、図2)
しかしながら、従来の拡声システム101では、拡声スピーカ107で拡声のみを行う場合には、演技者の発声した台詞の音を客席に座っている観客に明瞭に伝達するという点では効果があるが、この台詞の響きについては、当該台詞の響きが劇場内の形状に依存するものであるので、当該演技者が演技しているシーンによって、この台詞の響きを変更しようとしても限界があるという問題がある。
また、従来の音場支援付き拡声システム109では、固定した反射音(残響・反射音データ)のみが客席のサイドに配置されたサイドスピーカ113から出力されるだけなので、演技者の動きに応じて台詞の音をパン(水平移動)させる等(以下、パン制御とする)の効果が得られず、表現に限界があり、観客に対して各シーンにマッチした臨場感を与えることが困難であるという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、演技者の発声した音声や楽器等による楽音の響きを自在に変更できる共に、パン制御等を行うことによって、各シーンにマッチした高い臨場感を観客に与えることができる高臨場感音響信号出力装置、高臨場感音響信号出力プログラムおよび高臨場感音響信号出力方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の高臨場感音響信号出力装置は、空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する高臨場感音響信号出力装置であって、収音手段と、音源位置情報取得手段と、反射音情報蓄積手段と、音声出力装置情報蓄積手段と、音場合成手段と、音響信号出力手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、高臨場感音響信号出力装置は、収音手段によって、音源から発せられる音を音源データとして収音する。音源は、音声や楽音を発する源となる演技者、楽器、舞台上のセット(机、椅子等が何かと衝突した場合)等を指すものである。続いて、この高臨場感音響信号出力装置は、音源位置情報取得手段によって、音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、音源を特定すると共に、音源の位置を特定した音源位置情報を取得する。なお、発信機には、例えば、音源が演技者である場合には、演技の妨げにならないような磁気式のリアルタイムモーションキャプチャーシステムであるモーションスター(既存の市販品)や、赤外線方式のリアルタイムモーションキャプチャーシステムであるリアクター(既存の市販品)のものを用いることができる。
また、この高臨場感音響信号出力装置は、反射音情報蓄積手段によって、音源から発せられる音が壁面に反射する反射音を特定する、到来方向、音量レベル、遅延時間を少なくとも含む情報である反射音情報として蓄積しており、音声出力装置情報蓄積手段によって、音声出力装置に関する情報であり、音声出力装置の配置数を少なくとも含む音声出力装置情報を予め蓄積している。なお、音声出力装置は、音、声、合成音等を出力するスピーカを指すものである。
そして、この高臨場感音響信号出力装置は、音場合成手段によって、収音手段で収音された音源データと、音源位置情報取得手段で取得された音源位置情報と、反射音情報蓄積手段に蓄積される反射音情報と、音声出力装置に関する情報であり、音声出力装置の配置数を少なくとも含む音声出力装置情報とに基づいて、音響信号を生成する。この音響信号は、各音声出力装置毎に、出力レベル、出力タイミングが制御(調整)されたものである。そして、この高臨場感音響信号出力装置は、音響信号出力手段によって、音場合成手段によって生成された音響信号を、音声出力装置情報に基づいて、音声出力装置に割り振って出力する。これによって、各音声出力装置毎に、出力レベル、出力タイミングが制御(調整)された音響信号を聴取する聴取者(観客等)は、高臨場感を得ることができる。
請求項2に記載の高臨場感音響信号出力装置は、請求項1に記載の高臨場感音響信号出力装置において、予め設定した仮想の音源である仮想音源からの音を、仮想音源データとして蓄積する仮想音源データ蓄積手段と、前記仮想音源の位置を前記空間上に設定する仮想音源位置情報として入力する仮想音源位置情報入力手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、高臨場感音響信号出力装置は、仮想音源データ蓄積手段によって、予め設定した音源である仮想音源から発せられた仮想音源データを蓄積しており、仮想音源位置情報入力手段によって、仮想空間上における仮想音源の位置を設定する。例えば、仮想音源データは、電話からの呼び出し音等である。また、この仮想音源データは、音場合成手段によって、音響信号に合成されて出力される。
請求項3に記載の高臨場感音響信号出力装置は、請求項1または請求項2に記載の高臨場感音響信号出力装置において、前記音場合成手段は、前記音源位置情報に基づいて、前記音響信号を、隣接している前記音声出力装置に連続して出力させるパン制御を行うことを特徴とする。
かかる構成によれば、高臨場感音響信号出力装置は、音場合成手段によって、パン制御を行うことによって、隣接する音声出力装置から連続して音響信号が出力され、当該音響信号を聴取する聴取者は、音源の移動に伴った音響信号の変化(聞こえ方の違い)を実感することができ、高臨場感を得ることができる。
請求項4に記載の高臨場感音響信号出力プログラムは、空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する装置を、収音手段、音源位置情報取得手段、音場合成手段、音響信号出力手段、として機能させる構成とした。
かかる構成によれば、高臨場感音響信号出力プログラムは、収音手段によって、音源から発せられる音を音源データとして収音し、音源位置情報取得手段によって、音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、音源を特定すると共に、音源の位置を特定した音源位置情報を取得する。
また、この高臨場感音響信号出力プログラムは、音場合成手段によって、音源データと、音源位置情報と、反射音情報と、音声出力装置情報とに基づいて、音響信号を生成して、音響信号出力手段によって、音場合成手段によって生成された音響信号を、音声出力装置に割り振って出力する。
請求項5に記載の高臨場感音響信号出力方法は、空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する高臨場感音響信号出力方法であって、収音ステップと、音源位置情報取得ステップと、音場合成ステップと、音響信号出力ステップと、を含む手順とした。
かかる手順によれば、高臨場感音響信号出力方法は、収音ステップにおいて、音源から発せられる音を音源データとして収音し、音源位置情報取得ステップにおいて、音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、音源を特定すると共に、音源の位置を特定した音源位置情報を取得する。
また、この高臨場感音響信号出力方法は、音場合成ステップにおいて、音源データと、音源位置情報と、仮想音源データと、仮想音源位置情報と、反射音情報と、音声出力装置情報とに基づいて、音響信号を生成して、音響信号出力ステップにおいて、音場合成ステップにて生成された音響信号を、音声出力装置に割り振って出力する。
請求項1、4、5に記載の発明によれば、各音声出力装置毎に、出力レベル、出力タイミングが制御(調整)された音響信号を聴取することによって、空間を囲む中にいる聴取者(観客等)は、高臨場感を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、仮想空間上における仮想音源から発せられた仮想音源データを出力させることによって、空間を囲む中にいる聴取者(観客等)は、様々な音響信号を聴取することができる。
請求項3に記載の発明によれば、パン制御を行うことによって、隣接する音声出力装置から連続して音響信号が出力され、当該音響信号を聴取する聴取者は、音源の移動に伴った音響信号の変化(聞こえ方の違い)を実感することができ、高臨場感を得ることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(高臨場感音響信号出力装置の構成)
図1は、高臨場感音響信号出力装置のブロック図である。この図1に示すように、高臨場感音響信号出力装置1は、劇場やコンサートホール等に設置されて、高い臨場感を体感させる音響信号を出力するもので、収音手段3と、音源位置情報取得手段5と、仮想音源データ蓄積手段7と、仮想音源位置情報入力手段9と、反射音情報蓄積手段11と、音声出力装置情報蓄積手段13と、音場合成手段15と、音響信号出力手段17とを備えている。
なお、この実施の形態では、高臨場感音響信号出力装置1は、劇場に設置されており、音源はこの劇場の舞台で演技する演技者およびBGMを演奏する楽器(楽器群)ということになる。
また、この高臨場感音響信号出力装置1には、当該装置1にデータ(情報)を入力する側であり、音源の発する音源データを収音(集音)する収音マイク2、音源に予め取り付けられている発信機4および様々な情報(仮想音源位置情報等)を入力するためキーボードやマウス等の入力装置6と、音響信号を出力する複数の音声出力装置8とが接続されている。音声出力装置8は、客席の正面に位置する「R」、「L」の2個のメインスピーカ8aと、客席の両脇に位置する複数のサイドスピーカ8bとを備えている。
収音手段3は、音源である演技者と楽器とに取り付けられた収音マイク2から出力された音源データを取得するものであり、この取得した音源データに、各音源を識別する音源識別子(音源ID)を付して、音場合成手段15に出力するものである。例えば、演技者a1が発声した音声には、音源ID“a1”が付されることになる。また、この収音手段3で取得される音源データは、無音響環境で収録したドライソース音源信号に近似したものであると言える。
音源位置情報取得手段5は、音源である演技者と楽器とに予め取り付けられている発信機から発せられた発信データに基づいて、演技者を特定すると共にし、発信データの強度に基づいて、音源の位置を特定した音源位置情報を取得するものである。また、この音源位置情報取得手段5は、この特定した演技者が立っている位置(舞台上の座標、顔の向き等)を音源位置情報として、一定時間間隔毎(例えば、数秒毎)に取得するものである。なお、この音源位置情報取得手段5には演技者を特定するための特定データ(演技者や楽器毎に付された識別コード)を蓄積した音源特定データ蓄積手段5aが備えられている。さらに、この音源位置情報取得手段5aには、発信データを受信する発信データ受信手段(図示せず)が備えられており、この発信データ受信手段(図示せず)は舞台の複数の箇所に設置されている。
なお、この音源位置情報取得手段5は、一般的な磁気式のリアルタイムモーションキャプチャーシステムの「モーションスター」や、赤外線式のリアルタイムモーションキャプチャーシステムの「リアクター」や、超音波によって演技者の位置を特定するシステムであってもよい。これらは、予め、音源である演技者や楽器に、磁気、赤外線或いは超音波を発信する発信機4から発せられる信号(発信データ)を検出し、当該発信データに重畳されている特定データと、音源特定データ蓄積手段5aに蓄積されている特定データとを比較することによって、当該演技者と当該楽器とを特定し、複数の発信データ受信手段(図示せず)で受信される発信データの強度に基づいて、当該演技者と当該楽器との位置を算出する。ちなみに、この実施の形態では、モーションスターが採用されている。
この音源位置情報は、劇場内の観客が観ている演劇の進行に合わせて、演技者が舞台上を移動していく動作に従って、一定時間毎に変更されていくもので、舞台上の座標(x,y)と、演技者の顔の向き(上下方向の角度と水平方向の角度)とを含んでいる。
仮想音源データ蓄積手段7は、ハードディスク等の記録装置によって構成されており、仮想音源データを蓄積しているものである。仮想音源データは、仮想の音源である仮想音源から発せられた音、例えば、電話の音、雨の降る音、滝の流れる音、海のさざ波の音、車両の通過する音等、演劇の様々シーンに対応するものである。
仮想音源位置情報入力手段9は、入力装置6によって入力された仮想音源位置情報を音場合成手段15に出力するインターフェースの役割を果たすものである。仮想音源位置情報は、仮想音源の空間上の位置、つまり、空間座標(xb1,yb1,zb1)を特定するためのものである。つまり、この仮想音源位置情報は、当該装置1のユーザによって任意の場所(ポイント)に設定できるもので、例えば、仮想音源データが電話の音である場合、仮想音源である“電話”を舞台上の座標ではなく、客席の位置(空間座標)に設定することができる。これによって、観客は、自身のすぐ近くで電話が鳴っている感覚を味わうことができる。
反射音情報蓄積手段11は、ハードディスク等の記録装置によって構成されており、反射音情報を蓄積しているものである。反射音情報は、演劇の各シーン(家屋、洞窟内、野外等)に応じて、反射音を変更させるものである。例えば、演劇のシーンが家屋の中であれば、音源(演技者)から家屋の一部である壁面、天井、床までの距離は短く、且つ、家屋の壁面の反射音係数は高いので、音声出力装置8のメインスピーカ8aから音響信号が出力された後に、サイドスピーカ8bから出力される音響信号の遅延量は小さくなり(遅延時間は短くなり)、且つ、反射音の音量レベルは高くなる。
また、この反射音情報には、音声出力装置8に対し、音源(演技者)の動きに伴って、隣接する音声出力装置8のサイドスピーカ8bから連続して出力させるパン制御を行わせるパン制御信号が含まれている。
音声出力装置情報蓄積手段13は、ハードディスク等の記録装置によって構成されており、音声出力装置8に関する情報である音声出力装置情報を蓄積しているものである。音声出力装置情報は、音声出力装置8の配置数と、配置箇所とを示すものである。
音場合成手段15は、収音手段3で収音された音源データと、音源位置情報取得手段5で取得された音源位置情報と、仮想音源データ蓄積手段7に蓄積されている仮想音源データと、仮想音源位置情報入力手段9によって入力された仮想音源位置情報と、反射音情報蓄積手段11に蓄積されている反射音情報と、音声出力装置情報蓄積手段13に蓄積されている音声出力装置情報とから音響信号を生成するものである。
この音響信号は、各音声出力装置8(メインスピーカ8a、サイドスピーカ8b)毎に、出力レベル、出力タイミングが制御(調整)されたものである。ここで、この音場合成手段15の詳細を、図2に示す。
図2に示すように、音場合成手段15は、パン毎レベル振り分け手段15aと、反射音振り分け手段15bと、畳み込み演算手段15cと、混合手段15dと、各部出力手段15eとを備えている。
パン毎レベル振り分け手段15aは、音源データおよび仮想音源データに含まれている出演者の台詞や楽音(楽器等による音)等に対して、パンの制御信号に基づいて、パンとレベルの制御を行って、パン毎の周波数レベルに音源データおよび仮想音源データを振り分けるものである。パン制御は、演技者の台詞や楽音(楽器等による音)等の直接音の定位を、これらの座標の変化に伴って制御するものである。このパン制御によって、演技者の移動に伴って、音声出力装置8に出力される音響信号が変化(舞台の奥から響いたり、舞台の前方から響いたり)するので、聴取者(観客)は高臨場感を得ることができる。
反射音振り分け手段15bは、反射音情報に含まれている反射音を、音源位置情報と、仮想音源位置情報と、反射音情報と、音声出力位置情報とに基づいて、音声出力装置8の配置数に、配置箇所に合わせて振り分けるものである。
畳み込み演算手段15cは、入力された音源データおよび仮想音源データに、反射音振り分け手段15bで振り分けられた反射音を畳み込む(合成させる)畳み込み演算を施すものである。
混合手段15dは、パン毎レベル振り分け手段15aでパン毎の周波数レベルに振り分けられた音源データおよび仮想音源データと、畳み込み演算手段15cによって、反射音が畳み込まれた音源データおよび仮想音源データとを合成し、音声出力装置8の出力に対応させた音声データを生成するものである。
各部出力手段15eは、混合手段15dでパン毎の周波数レベルに振り分けられた音源データおよび仮想音源データと反射音が畳み込まれた音源データおよび仮想音源データとが合成され、生成された音響信号を複数の音声出力装置8に出力するものである。音声出力装置8は、メインスピーカ8aのL用(左側出力用)のものと、メインスピーカ8aのR用(右側出力用)のものと、複数のサイドスピーカ8bの両サイド用(左サイド、右サイド)のものとがある。
ここで、さらに、反射音振り分け手段15bにおける反射音の振り分け(反射音の分配方法)について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、音声出力装置8(スピーカ)の数量に基づいて、反射音の振り分けを模式的に説明した図である。図4は、ある反射音の水平面における到来方向の角度がφ度であり、この角度を挟む2つのスピーカ(音声出力装置8)で再生する場合の分配手法を説明した図である。
図3(a)に示したように、聴取者(観客)の正面に位置する1つのスピーカ(音声出力装置8)の場合、反射音の分配は行えず、1つのスピーカで0度から360度の反射音が網羅されることになる。図3(b)に示したように、聴取者(観客)の正面に位置する2つのスピーカ(音声出力装置8)の場合、反射音が左右のスピーカに均等に分配され、左側のスピーカ(音声出力装置8)で180度から360度の反射音が、右側のスピーカ(音声出力装置8)で0度から180度の反射音が網羅される。図3(c)に示したように、聴取者(観客)の正面に3つのスピーカ(音声出力装置8)と聴取者の背後に2つのスピーカ(音声出力装置8)の計5つのスピーカ(音声出力装置8)の場合、反射音が5つのスピーカ(音声出力装置8)に適切に分配される。
図3(d)に示したように、聴取者(観客)の正面に位置する2つのスピーカ(音声出力装置8のメインスピーカ8a)と、聴取者(観客)の両側面(両サイド)に位置する複数のスピーカ(音声出力装置8のサイドスピーカ8b)とに分配される。
また、図4に示したように、聴取者を中心とし、この聴取者への到来方向の角度がφ度の反射音“soundφ”は、φ2=φsp1 2+φsp2 2を満たしており、2つのスピーカ(音声出力装置8)である“sp1”、“sp2”に分配される反射音は、“sp1”では、φsp1=φcos{(α/(α+β))×(π/2)}となり、“sp2”では、φsp2=φsin{(α/(α+β))×(π/2)}となる。
図1に戻って説明を続ける。
音響信号出力手段17は、音場合成手段15から出力された音響信号を音声出力装置8に出力するインターフェースの役割を果たすものである。
この高臨場感音響信号出力装置1によれば、収音手段3によって、音源(演技者)から発せられる音が音源データとして収音され、音源位置情報取得手段5によって、音源(演技者)に予め取り付けられている発信機4から発信された発信データと予め音源特定データ蓄積手段5aに蓄積しておいた特定データとを比較した結果に基づいて、音源が特定され、この特定された音源の位置を示す音源位置情報が取得される。そして、音場合成手段15によって、収音手段3によって収音された音源データと、音源位置情報取得手段5によって取得された音源位置情報と、仮想音源データ蓄積手段7によって蓄積される仮想音源データと、仮想音源位置情報入力手段9によって入力される仮想音源位置情報と、反射音情報蓄積手段11によって蓄積される反射音情報と、音声出力装置情報蓄積手段13によって蓄積される音声出力装置情報とに基づいて、音響信号が生成され、音響信号出力手段17によって音声出力装置8に出力される。これによって、各音声出力装置8毎に、出力レベル、出力タイミングが制御(調整)された音響信号を聴取する聴取者(観客等)は、高臨場感を得ることができる。
また、この高臨場感音響信号出力装置1によれば、音場合成手段15によって、パン制御を行うことによって、隣接する音声出力装置8から連続して音響信号が出力され、当該音響信号を聴取する聴取者は、音源(演技者)の移動に伴った音響信号の変化(聞こえ方の違い)を実感することができ、高臨場感を得ることができる。
(高臨場感音響信号出力装置の動作)
次に、図5に示すフローチャートを参照して、高臨場感音響信号出力装置1の動作について説明する(適宜、図1参照)。
まず、高臨場感音響信号出力装置1は、収音手段3によって、音源(演技者)が発声した音声を、収音マイク2を使用し、音源データとして収音する(ステップS1)。続いて、この高臨場感音響信号出力装置1は、音源位置情報取得手段5によって、音源(演技者)を特定すると共に、音源の位置を示す音源位置情報を取得する(ステップS2)。
そして、この高臨場感音響信号出力装置1は、当該装置1のユーザの操作に従って、仮想音源データ蓄積手段7から、必要な仮想音源データを読み出す(ステップS3)。また、当該装置1のユーザが入力装置6を操作して、仮想音源位置情報入力手段9から仮想音源位置情報を入力する(ステップS4)。
さらに、この高臨場感音響信号出力装置1は、当該装置1のユーザの操作に従って、反射音情報蓄積手段11から、必要な反射音情報を読み出す(ステップS5)。さらにまた、この高臨場感音響信号出力装置1は、当該装置1のユーザの操作に従って、音声出力装置情報蓄積手段13から、必要な音声出力装置情報を読み出す(ステップS6)。
そして、この高臨場感音響信号出力装置1は、音場合成手段15によって、収音手段3によって収音された音源データと、音源位置情報取得手段5によって取得された音源位置情報と、仮想音源データ蓄積手段7によって蓄積される仮想音源データと、仮想音源位置情報入力手段9によって入力される仮想音源位置情報と、反射音情報蓄積手段11によって蓄積される反射音情報と、音声出力装置情報蓄積手段13によって蓄積される音声出力装置情報とに基づいて、音響信号を生成する(ステップS7)。その後、この高臨場感音響信号出力装置1は、音響信号出力手段17によって、音響信号を音声出力装置8に割り振って出力する(ステップS8)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、高臨場感音響信号出力装置1を劇場に用いるものとして説明したが、これに限定されず、コンサートホール等でも利用可能である。また、高臨場感音響信号出力装置1の各構成の処理を汎用的なコンピュータ言語で記述した高臨場感音響信号出力プログラムとみなすことや高臨場感音響信号出力装置1の各構成の処理を一つずつの過程ととらえた高臨場感音響信号出力方法とみなすことも可能である。これらの場合、高臨場感音響信号出力装置1と同様の効果を得ることができる。
実施形態に係る高臨場感音響信号出力装置のブロック図である。 図1に示した高臨場感音響信号出力装置の音場合成手段のブロック図である。 音声出力装置の数に関して、反射音の分配方法を説明した図である。 到来方向に関して、反射音の分配方法を説明した図である。 図1に示した高臨場感音響信号出力装置の動作を説明したフローチャートである。 従来の拡声システム、音場支援付き拡声システムを説明した図である。
符号の説明
1 高臨場感音響信号出力装置
3 収音手段
5 音源位置情報取得手段
7 仮想音源データ蓄積手段
9 仮想音源位置情報入力手段
11 反射音情報蓄積手段
13 音声出力装置情報蓄積手段
15 音場合成手段
17 音響信号出力手段

Claims (5)

  1. 空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する高臨場感音響信号出力装置であって、
    音源から発せられる音を、音源データとして収音する収音手段と、
    前記音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、当該音源を特定すると共に、当該音源の位置を特定した音源位置情報を取得する音源位置情報取得手段と、
    前記音源から発せられる音が前記壁面に反射する反射音を特定する、到来方向、音量レベル、遅延時間を少なくとも含む情報である反射音情報として予め蓄積している反射音情報蓄積手段と、
    前記音声出力装置の予め設置された配置数を少なくとも含む音声出力装置情報を予め蓄積している音声出力装置情報蓄積手段と、
    前記収音手段で収音された音源データと、前記音源位置情報取得手段で取得された音源位置情報と、前記反射音情報蓄積手段に蓄積される反射音情報と、前記音声出力装置情報蓄積手段に蓄積される音声出力装置情報とに基づいて、前記音声出力装置に出力する音響信号を生成して、この音響信号による音場を合成する音場合成手段と、
    この音場合成手段によって生成された音響信号を、前記音声出力装置情報に基づいて前記音声出力装置に割り振って出力する音響信号出力手段と、
    を備えることを特徴とする高臨場感音響信号出力装置。
  2. 予め設定した仮想の音源である仮想音源からの音を、仮想音源データとして蓄積する仮想音源データ蓄積手段と、
    前記仮想音源の位置を前記空間上に設定する仮想音源位置情報として入力する仮想音源位置情報入力手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の高臨場感音響信号出力装置。
  3. 前記音場合成手段は、前記音源位置情報に基づいて、前記音響信号を、隣接している前記音声出力装置に連続して出力させるパン制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高臨場感音響信号出力装置。
  4. 空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する装置を、
    音源から発せられる音を、音源データとして収音する収音手段、
    前記音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、当該音源を特定すると共に、当該音源の位置を特定した音源位置情報を取得する音源位置情報取得手段、
    前記収音手段で収音された音源データと、前記音源位置情報取得手段で取得された音源位置情報と、前記音源から発せられる音が前記壁面に反射する反射音を特定する、到来方向、音量レベル、遅延時間を少なくとも含む情報である反射音情報と、前記音声出力装置の予め設置された配置数を少なくとも含む音声出力装置情報とに基づいて、前記音声出力装置に出力する音響信号を生成して、この音響信号による音場を合成する音場合成手段、
    この音場合成手段によって生成された音響信号を、前記音声出力装置情報に基づいて前記音声出力装置に割り振って出力する音響信号出力手段、
    として機能させることを特徴とする高臨場感音響信号出力プログラム。
  5. 空間を囲む壁面に反射する反射音により、臨場感を生じさせる音響信号を音声出力装置に出力する高臨場感音響信号出力方法であって、
    音源から発せられる音を、音源データとして収音する収音ステップと、
    前記音源に予め取り付けられた発信機から発せられた、磁気、赤外線、超音波の少なくとも一つを含む発信データに基づいて、当該音源を特定すると共に、当該音源の位置を特定した音源位置情報を取得する音源位置情報取得ステップと、
    前記収音ステップにて収音された音源データと、前記音源位置情報取得ステップにて取得された音源位置情報と、前記音源から発せられる音が前記壁面に反射する反射音を特定する、到来方向、音量レベル、遅延時間を少なくとも含む情報である反射音情報と、前記音声出力装置の予め設置された配置数を少なくとも含む音声出力装置情報とに基づいて、前記音声出力装置に出力する音響信号を生成して、この音響信号による音場を合成する音場合成ステップと、
    この音場合成ステップにおいて生成された音響信号を、前記音声出力装置情報に基づいて前記音声出力装置に割り振って出力する音響信号出力ステップと、
    を含むことを特徴とする高臨場感音響信号出力方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018092286A1 (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 ヤマハ株式会社 音処理装置、音処理方法、及びプログラム

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