JP2005120016A - オザグレルナトリウム含有注射剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
殺菌時又は長期保存においても不溶性異物を発生しないオザグレルナトリウム含有注射剤の開発。
【解決手段】
オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器、特にポリシクロオレフィン容器に密封したことを特徴とするオザグレルナトリウム含有注射剤に関する。
殺菌時又は長期保存においても不溶性異物を発生しないオザグレルナトリウム含有注射剤の開発。
【解決手段】
オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器、特にポリシクロオレフィン容器に密封したことを特徴とするオザグレルナトリウム含有注射剤に関する。
Description
本発明は、オザグレルナトリウム含有注射剤に関する。さらに詳しくは、オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器に密封したことを特徴とするオザグレルナトリウム注射剤に関する。
オザグレルナトリウム((E)−3−[p−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェニル]−2−プロペン酸・ナトリウム塩)は下記の構造式
で示され、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害する作用を有し、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状を改善し、並びに脳血栓症(急性期)に伴う運動障害を改善する薬物として広く使用されている(特許文献1)。例えば、オザグレルナトリウムは、クモ膜下出血後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善には、通常成人における1日量である80mgを適当量の電解質または糖液に溶解後、24時間かけて静脈内に持続投与される。脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善には、通常成人における1回量である80mgを適当量の電解質液または糖液に溶解後、2時間かけて1日2回、持続静注される。 オザグレルナトリウム製剤は、例えば凍結乾燥品がキサンボン(商品名)(20mgバイアル;キッセイ薬品工業株式会社)およびカタクロット(商品名)(20mgバイアル;小野薬品工業株式会社)として市販されている。しかし、凍結乾燥品は医療の現場において非常に手間がかかるという問題が指摘されていた。また、凍結乾燥品には液剤に比べ異物検査において異物を発見し難いという問題がある。
で示され、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害する作用を有し、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状を改善し、並びに脳血栓症(急性期)に伴う運動障害を改善する薬物として広く使用されている(特許文献1)。例えば、オザグレルナトリウムは、クモ膜下出血後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善には、通常成人における1日量である80mgを適当量の電解質または糖液に溶解後、24時間かけて静脈内に持続投与される。脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善には、通常成人における1回量である80mgを適当量の電解質液または糖液に溶解後、2時間かけて1日2回、持続静注される。 オザグレルナトリウム製剤は、例えば凍結乾燥品がキサンボン(商品名)(20mgバイアル;キッセイ薬品工業株式会社)およびカタクロット(商品名)(20mgバイアル;小野薬品工業株式会社)として市販されている。しかし、凍結乾燥品は医療の現場において非常に手間がかかるという問題が指摘されていた。また、凍結乾燥品には液剤に比べ異物検査において異物を発見し難いという問題がある。
一方、オザグレルナトリウム水溶液は保存安定性に欠けるということが問題となっていた。特にオザグレルナトリウム水溶液をガラス製容器に充填して保存すると不溶性異物が生じることが知られている。そのためオザグレルナトリウム水溶液の保存安定化に対しては、従来から検討がされている。例えば特許文献2では、オザグレルナトリウム注射液に多価アルコールを添加・配合することにより、また、特許文献3では、有機酸、アミノ酸、ポリアミノカルボン酸添加・配合することにより、不溶性異物の発生を抑ている。しかしながら、これらの方法は、注射溶液の量が多くなったり、添加物によっては配合変化を起こしたり、結晶が析出する可能性があるなどの問題があり、必ずしも満足すべき方法ではない。また、特許文献4には、オザグレルナトリウムを生理食塩水あるいは注射用蒸留水に溶解したオザグレルナトリウム溶液を350nm以下の紫外光を実質的に透過しない褐色アンプルに充填することによりオザグレルナトリウム注射液の安定化を達成している。この方法では、オザグレルナトリウムの光分解物を抑制することはできるが、ガラス製容器に充填して保存すると不溶性異物が生じることに対しては対応できていない。結果として、保存安定性は充分とはいえない。
特公昭62−2585号公報
特開2001−316265号公報
特開2003−63963号公報
特開2000−281578号公報
本発明は、従来のオザグレルナトリウム凍結乾燥製剤およびオザグレルナトリウム溶液が上記のような問題を有していたことに鑑みなされたものである。すなわち、本発明の目的は、凍結乾燥製剤のような手間がかからず、異物検査において異物を発見し易いオザグレルナトリウム含有水溶液剤において、配合変化等のおそれのないより安定なオザグレルナトリウム含有水溶液剤を開発することである。
本発明者らは上記目的を達成すべく検討を行った結果、オザグレルナトリウム溶液をプラスチック容器中に保存することにより、オザグレルナトリウム溶液の長期保存安定性を改善できることを見出した。すなわち、本発明は、
(1)オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器に密封したオザグレルナトリウム含有注射剤、
(2)プラスチック容器の材質がポリオレフィン系樹脂である上記(1)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(3)ポリオレフィン系樹脂がポリシクロオレフィンである上記(1)
又は(2)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(4)オザグレルナトリウム水溶液のpHが8〜12である上記(1)〜(3)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(5)注射剤がバイアルである上記(1)〜(4)に記載のオザクレルナトリウム含有注射剤、
に関するものである。
(1)オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器に密封したオザグレルナトリウム含有注射剤、
(2)プラスチック容器の材質がポリオレフィン系樹脂である上記(1)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(3)ポリオレフィン系樹脂がポリシクロオレフィンである上記(1)
又は(2)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(4)オザグレルナトリウム水溶液のpHが8〜12である上記(1)〜(3)に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤、
(5)注射剤がバイアルである上記(1)〜(4)に記載のオザクレルナトリウム含有注射剤、
に関するものである。
本発明はオザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器、特にポリオレフィン系プラスチック容器に密封することにより、安定剤を添加する場合のような配合変化等のおそれもなく、かつ、滅菌後においても、またその後の長期保存においても、不溶性異物の発生がなく、著しく安定なオザグレルナトリウム注射剤を得ることができるものである。
本発明のオザグレルナトリウム含有注射剤は、オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器に密封することにより得ることができる。本発明で使用するオザグレルナトリウム水溶液は注射用に使用できるオザグレルナトリウム水溶液であれば特に制限はなく、通常、オザグレルナトリウムを注射用水、例えば注射用蒸留水または生理用食塩水に溶解することにより得ることができる。オザグレルナトリウム水溶液中におけるオザグレルナトリウムの濃度は、注射液の使用目的等により変化するが、通常は0.001〜60w/vの範囲であり、好ましくは0.01〜20w/v%である。
オザグレルナトリウムは、pH7以下では溶解度が低下してオザグレルが析出し、更に溶解しているオザグレルナトリウムの分解が生じる。このため、本発明の注射剤はpH7以上、例えばpH7〜13の範囲であり、好ましくはpH8〜12の範囲である。従って、本発明で使用するオザグレルナトリウム水溶液のpHは上記の範囲にあるのが好ましく、該水溶液には種々のpH調整剤が添加されていていても良い。また、該水溶液には、医薬上許容されうる種々の添加剤、例えば防腐剤、緩衝剤、安定剤等が添加されていてもよい。pH調整剤等の添加剤としては有機酸、アミノ酸およびポリアミノカルボン酸並びにこれらの医薬上許容しうる塩等が挙げられる。該水溶液に添加しうる有機酸としては、医薬上許容しうるもので、オザグレルナトリウムの不溶性異物の発生を抑制しうるものであれば特に限定されないが、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、アスコルビン酸、サリチル酸およびグルコン酸並びにこれらの医薬上許容しうる塩を挙げることができる。
ポリアミノカルボン酸の例には、エチレンジアミン四酢酸およびジエチレントリアミン五酢酸並びにこれらの医薬上許容しうる塩が包含される。 また、本発明で使用するオザグレルナトリウム水溶液に添加しうるアミノ酸は、特に限定されないが、例えばL−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−アラニン、L−フェニルアラニン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−チロジン、L−システイン、L−シスチン、L−プロリン、L−セリンおよびアミノ酢酸並びにこれらの医薬上許容しうる塩等を挙げることができる。 これら有機酸、アミノ酸、ポリアミノカルボン酸および/またはこれらの医薬上許容しうる塩の含量は、主剤であるオザグレルナトリウム1重量部に対して0.001〜400重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜40重量部である。
本発明で使用するオザグレルナトリウム水溶液は、さらに安定化剤を含んでいてもよい。安定化剤としては多価アルコールを挙げることができる。該水溶液に適する多価アルコールとしては、プロピレングリコール又はグリセリン(好ましくは濃グリセリン)等の炭素数2〜4のポリアルコール、デキストラン40、D−マンニトール、D−ソルビトール、イノシトール、キシリトール、果糖又はブドウ糖などの糖類、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール400)等のポリ(C2〜C4)アルキレングリコールを挙げることができる。これらから選択される多価アルコールを単独でも2種以上組み合わせて使用してもよい。
医薬上許容されうる種々の添加剤を含むオザグレルナトリウム水溶液は、例えば、オザグレルナトリウムを注射用水、例えば注射用蒸留水に溶解し、これに前記添加剤から選択される1種または2種以上を必要に応じて、添加し、さらに液量調整のために注射用水を必要に応じて、添加し、攪拌混合することにより調製することができる。
医薬上許容されうる種々の添加剤を含むオザグレルナトリウム水溶液は、例えば、オザグレルナトリウムを注射用水、例えば注射用蒸留水に溶解し、これに前記添加剤から選択される1種または2種以上を必要に応じて、添加し、さらに液量調整のために注射用水を必要に応じて、添加し、攪拌混合することにより調製することができる。
本発明でプラスチック容器といった場合、プラスチック製の入れ物全てを含む意味で使用し、硬質のプラスチック製のバイアル等の容器であっても、柔軟なプラスチック製の輸液バッグ等のような容器であってもよい。
従って、本発明で使用しうるプラスチック容器としては注射用水溶液を密封して収納しうるプラスチック容器であれば瓶状または袋状いずれの形態であっても使用しうる。例えばアンプル、バイアル、ボトル、バッグ等を挙げることができる。さらに本発明の注射剤は、当該注射剤を含むキットになっていてもよい。なお、本明細書におけるキットとは、薬審二第98号審査第一課長・審査第二課長・生物製剤課長通知(昭和61年3月12日)に示されている医薬品のキットを意味する。
本発明で使用するプラスチック容器におけるプラスチックとしては注射液用容器に使用されるものであればいずれも使用しうる。具体的には、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体等が挙げられる。これらの中で好ましいものとしてポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン等が挙げられ、ポリシクロオレフィンがより好ましい。その他の好ましい樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル及びエチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
プラスチック容器は上記挙げた樹脂から選択される1種のプラスチック素材でできていてもよいが、これらの2種以上の素材からできている複合材からできていてもよい。このプラスチック容器は、一般に市販されているものを使用することができ、容易に入手可能である。例えば、好ましいものとしてはポリオレフィン製バイアル((株)大協ゴム精工製商品名:CZバイアル)を挙げることができる。
従って、本発明で使用しうるプラスチック容器としては注射用水溶液を密封して収納しうるプラスチック容器であれば瓶状または袋状いずれの形態であっても使用しうる。例えばアンプル、バイアル、ボトル、バッグ等を挙げることができる。さらに本発明の注射剤は、当該注射剤を含むキットになっていてもよい。なお、本明細書におけるキットとは、薬審二第98号審査第一課長・審査第二課長・生物製剤課長通知(昭和61年3月12日)に示されている医薬品のキットを意味する。
本発明で使用するプラスチック容器におけるプラスチックとしては注射液用容器に使用されるものであればいずれも使用しうる。具体的には、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体等が挙げられる。これらの中で好ましいものとしてポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン等が挙げられ、ポリシクロオレフィンがより好ましい。その他の好ましい樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル及びエチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
プラスチック容器は上記挙げた樹脂から選択される1種のプラスチック素材でできていてもよいが、これらの2種以上の素材からできている複合材からできていてもよい。このプラスチック容器は、一般に市販されているものを使用することができ、容易に入手可能である。例えば、好ましいものとしてはポリオレフィン製バイアル((株)大協ゴム精工製商品名:CZバイアル)を挙げることができる。
該プラスチック容器を形成するプラスチックは柔軟性を持つプラスチックであってもまた硬質のプラスチックであってもよい。また、該プラスチックは医薬容器への使用が許容された紫外線吸収剤や紫外線遮光剤(紫外線を遮光する化合物若しくは物質)を含有していてもよい。
オザグレルナトリウム水溶液のプラスチック容器への密封はどのような方法であっても該水溶液が該プラスチック容器に密封される方法であれば特に制限はない。例えば、バイアル容器などの成形されたプラスチック容器に該水溶液を充填し、容器をゴム栓を装着する等して密封してもよいし、また、いわゆるブロー・フィル・シール法と呼ばれる方法で、該水溶液をプラスチック容器に密封してもよい。また、容器の密封にゴム栓を使用する場合には、ゴム栓がフッ素樹脂フィルムでラミネートされているものが好ましい。
オザグレルナトリウム304.5部(質量部:以下特に断らない限り同じ)に注射用蒸留水を約14,000部を加えて溶解し、無水クエン酸3.05部を添加し溶解する。更に注射用蒸留水を添加して全量を15,302部とした。調製した注射液を孔径0.2μmのカートリッジフィルターでろ過し、オザグレルナトリウム含有注射用水溶液を得た。これを、5mlのポリオレフィン系プラスチックバイアル(CZハ゛イアル)に充填した。さらにゴム栓を打栓し、アルミキャップで巻締めて密封し、本発明の注射剤とした。該注射剤を121℃,20分間高圧蒸気滅菌した。滅菌された本発明の注射剤は滅菌後における不溶性異物の検査を行い、不溶性異物の見いだされたものについては取り除き、安定性試験を実施した。安定性試験終了後再度不溶性異物の検査を行った。それらの結果を表1に示す。
なお、不溶性異物の検査及び安定性試験は下記のようにして行った。
(1)不溶性異物検査
白色光線(照度;8,000〜10,000lx)を照射し、バイアル内の液が泡立たないように緩やかに振り混ぜ、白背景及び黒背景で液表面及び液中に浮遊している異物、更にバイアル瓶の底に沈んでいる異物について目視で観察した。
不溶性異物の発生率は下記の式により算出した。
不溶性異物の発生率=(異物の発生が確認された本数/検査本数)×100(%)
(2)安定性試験
60℃の恒温室内に1か月保管し、不溶性異物の発生の有無を検査した。
(1)不溶性異物検査
白色光線(照度;8,000〜10,000lx)を照射し、バイアル内の液が泡立たないように緩やかに振り混ぜ、白背景及び黒背景で液表面及び液中に浮遊している異物、更にバイアル瓶の底に沈んでいる異物について目視で観察した。
不溶性異物の発生率は下記の式により算出した。
不溶性異物の発生率=(異物の発生が確認された本数/検査本数)×100(%)
(2)安定性試験
60℃の恒温室内に1か月保管し、不溶性異物の発生の有無を検査した。
実施例1と全く同様にして、オザグレルナトリウム含有注射用水溶液を得た。これを5mlのガラスバイアル(酸化珪素コート)に充填し、以下実施例1と全く同様に密封して対照用の注射剤とした。これを実施例1と全く同様に、高圧蒸気滅菌、不溶性異物検査、安定性試験、その後の再度の不溶性異物検査を行った。それらの結果を表1に示す。
対照例1と同様にして対照用の注射剤を製造し、高圧蒸気滅菌及び高圧蒸気滅菌後の不溶性異物検査をしなかった以外は、実施例1と同様に安定性試験、その後の不溶性異物検査を行った。それらの結果を表1に示す。
表 1
滅菌有無 不溶性異物発生率(%)
滅菌直後 60℃1か月保存後
実施例1 有 0 0
対照例1 有 0.7 0.2
対照例2 無 − 1.2
滅菌有無 不溶性異物発生率(%)
滅菌直後 60℃1か月保存後
実施例1 有 0 0
対照例1 有 0.7 0.2
対照例2 無 − 1.2
表1から明らかなように、化学的に比較的不安定な薬剤に使用される酸化珪素コートしたガラスバイアルを用いた対照例1及び2においても、滅菌直後にかなりの頻度で不溶性異物が発生し、更に、60℃1か月の保存においても不溶性異物が発生していることがわかる。それに対して、本発明のプラスチック容器(CZバイアル)に密封された製剤では、滅菌直後においても、また60℃1か月の保存においても不溶性異物が発生せず、極めて安定なオザグレルナトリウム含有注射剤で有ることが判る。
なお、上記各製剤につき、40℃1か月保存後、日本薬局方一般試験法液体クロマトグラフ法試試験に従い、バイアル内の溶液をHPLCにより検査し、オザグレルナトリウムの含有率を調べた結果、いずれの製剤も当初の含有率が保持されていた。
本発明のオザグレルナトリウム溶液をプラスチック容器に密封することによって、従来の薬剤の有していた問題、すなわち、凍結乾燥品は医療の現場において手間がかかるという問題や液剤に比べ異物検査において異物を発見し難いという問題、さらに、オザグレルナトリウム溶液をガラス製容器に充填して保存すると不溶性異物が生じるという保存安定性に欠けるなどの問題がないオザグレルナトリウム溶液を提供することができる。
Claims (5)
- オザグレルナトリウム水溶液をプラスチック容器に密封したオザグレルナトリウム含有注射剤。
- プラスチック容器の材質がポリオレフィン系樹脂である請求項第1項に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤。
- ポリオレフィン系樹脂がポリシクロオレフィンである請求項第2項に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤。
- オザグレルナトリウム水溶液のpHが8〜12である請求項第1項〜第3項に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤。
- 注射剤がバイアルである請求項第1項〜第4項に記載のオザグレルナトリウム含有注射剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356512A JP2005120016A (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | オザグレルナトリウム含有注射剤 |
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005120016A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102429903A (zh) * | 2011-11-09 | 2012-05-02 | 天津市汉康医药生物技术有限公司 | 供注射用奥扎格雷钠药物组合物 |
CN104352451A (zh) * | 2014-10-09 | 2015-02-18 | 海南通用康力制药有限公司 | 一种注射用奥扎格雷钠冻干粉及其制备方法 |
CN114323874A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-04-12 | 武汉九州钰民医药科技有限公司 | 一种奥扎格雷钠中杂质元素的检测方法 |
-
2003
- 2003-10-16 JP JP2003356512A patent/JP2005120016A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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