JP2005117971A - 蚕用飼料およびその飼料を給餌して生産した絹ならびにそれを使用した絹製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定量の無機物や有機物の微粒子(ゼオライト、蓄光石(蛍石)、コレステロールなど)(以下、これらの微粒子を機能性微粒子ともいう)の一つ、または所定濃度の無機物や有機物の微粒子の水溶液、または竹酢液等の乾留液のうち、少なくとも一つを添加した蚕用飼料を提供する。
【解決手段】蚕用飼料に少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールなどの機能性微粒子の少なくとも一つを混入した蚕用飼料である。
【選択図】 図1
【解決手段】蚕用飼料に少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールなどの機能性微粒子の少なくとも一つを混入した蚕用飼料である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所定量の無機物や有機物の微粒子(ゼオライト、蓄光石(蛍石)、コレステロールなど)(以下、これらの微粒子を機能性微粒子ともいう)の一つ、または所定濃度の無機物や有機物の微粒子の水溶液、または竹酢液等の乾留液のうち、少なくとも一つを蚕用の人工飼料または生桑葉に混入、添加あるいは噴霧、塗布したものからなる蚕用飼料およびその蚕用飼料を蚕に給餌して生産した絹、その絹を使用した絹製品に関するものである。
従来より、機能性微粒子を糸や生地に塗布することで、糸や布に機能性を持たせ、こうした素材を利用した新機能を有する衣料等の製品が開発されている。
しかし、機能性微粒子を糸または生地に塗布する加工処理は、絹本来の持つ天然の風合い、肌触りを損なってしまうことになる。また、洗濯等により粒子がはげ落ちる場合があり、現在絹本来の持つ天然の風合い肌触りに極めて近い製品は実用化されていない。こうしたなか、本発明者らは、セラミックスを混入又は添加した人工飼料を蚕に給餌することで、セラミックスの機能を有する絹そのものの開発に成功した(特許文献1)。
特開2000−69916
その後、本発明者らは、さらにセラミックス以外に蚕の餌としては不適当であると考えられていた無機物や有機物を蚕に給餌しても、これら物質が絹に移行することを確認した。本発明は、こうした知見に基づいてなされたものであり、蚕用飼料に少なくとも、所定量のゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール、あるいはそれらの水溶液、さらには竹酢液などの乾留液の少なくともいずれか一つを混入した蚕用飼料である。また他の発明は前記記載の蚕用飼料を使用し、蚕から生産した絹である。また、さらに、他の発明は上記絹を使用して編むか、織って構成したことを特徴とする絹製品である。さらに、他の発明は、上記絹と他の繊維(例えば、ウール、麻、綿、合成繊維等)を利用して編むか織るかして製造したことを特徴とする絹製品である。
なお、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの蚕用飼料への混入方法は、微粒子の状態でそのまま飼料中に混合する方法、これら微粒子の水溶液を飼料中に混入する方法があり、さらに、竹酢液などの乾留液を単独で、あるいは前記微粒子と混合して飼料中に混入、混合させることも可能である。
上記発明により、種々の機能をもった絹糸、絹製品を容易に製造することが可能となった。
本発明によれば、古来から人類が親しんできた絹の魅力を損なうことなく、セラミックス以外の各種無機物・有機物(ゼオライト、蓄光石(蛍石)、コレステロール)を飼料中に混入させ、蚕を通して自然の形で繭糸に無機物を取り入れることが可能となったため、天然の風合、肌触りに極めて近い機能性を有する絹を容易に生産することができる。さらに、上記絹と他の繊維を利用して編むか織るかして新しい機能性を有する衣料製品(織物、編物等からなるインナーウエア、アウターウエア、ネクタイやスカーフ等の装飾品、靴下など、現在絹を使用して製作されている全ての製品)を生産することもできる。他の繊維を使用する場合には、製品の一部に部分的に機能性をもった絹を使用して製作することにより、部分的な(例えば、シャツ等では肩の部分に遠赤外線を発生する絹を使用して肩部に保温効果を発揮するなど)機能を高めることができる。また、衣料に限定することなく、様々な製品(釣糸等)への応用の可能性もある。
本発明によれば、古来から人類が親しんできた絹の魅力を損なうことなく、セラミックス以外の各種無機物・有機物(ゼオライト、蓄光石(蛍石)、コレステロール)を飼料中に混入させ、蚕を通して自然の形で繭糸に無機物を取り入れることが可能となったため、天然の風合、肌触りに極めて近い機能性を有する絹を容易に生産することができる。さらに、上記絹と他の繊維を利用して編むか織るかして新しい機能性を有する衣料製品(織物、編物等からなるインナーウエア、アウターウエア、ネクタイやスカーフ等の装飾品、靴下など、現在絹を使用して製作されている全ての製品)を生産することもできる。他の繊維を使用する場合には、製品の一部に部分的に機能性をもった絹を使用して製作することにより、部分的な(例えば、シャツ等では肩の部分に遠赤外線を発生する絹を使用して肩部に保温効果を発揮するなど)機能を高めることができる。また、衣料に限定することなく、様々な製品(釣糸等)への応用の可能性もある。
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
蚕用飼料に少なくとも、所定量の機能性微粒子、所定濃度の機能性微粒子の水溶液、竹酢液等の乾留液の一つを混入又は添加してなることを特徴とする蚕用飼料であって、前記機能性微粒子はゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つであることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記蚕用飼料は蚕用人工飼料であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料。また、前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合して調整したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蚕用飼料である。
また、前記蚕用人工飼料に対して重量比で少なくとも1〜30パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールにいずれか一つを混合してなることを特徴とする請求項2に記載の蚕用飼料である。
また、前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする請求項4に記載の蚕用飼料である。 また、前記蚕用飼料は生桑葉であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料である。また、前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合してなることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記いずれかに記載の蚕用飼料を使用し、蚕から生産した絹である。
また、前記に記載の絹のみを使用して製作した絹製品である。
また、前記に記載の絹とそれ以外の繊維を混用して製作した絹製品である。
蚕用飼料に少なくとも、所定量の機能性微粒子、所定濃度の機能性微粒子の水溶液、竹酢液等の乾留液の一つを混入又は添加してなることを特徴とする蚕用飼料であって、前記機能性微粒子はゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つであることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記蚕用飼料は蚕用人工飼料であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料。また、前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合して調整したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蚕用飼料である。
また、前記蚕用人工飼料に対して重量比で少なくとも1〜30パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールにいずれか一つを混合してなることを特徴とする請求項2に記載の蚕用飼料である。
また、前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする請求項4に記載の蚕用飼料である。 また、前記蚕用飼料は生桑葉であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料である。また、前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合してなることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする蚕用飼料である。
また、前記いずれかに記載の蚕用飼料を使用し、蚕から生産した絹である。
また、前記に記載の絹のみを使用して製作した絹製品である。
また、前記に記載の絹とそれ以外の繊維を混用して製作した絹製品である。
以上のような本発明によれば、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つ、またはそれら水溶液、または竹酢液などの乾留液の少なくとも一つを人工飼料や桑葉と共に蚕に食べさせる方法で、機能性微粒子入り繭糸を容易に生産することができる。特に、これまで飼料中に混合可能か否かの判断がなされていなかったゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールについても食すことが確認でき、従来期待できなかった新たな機能を発揮することができる絹を生産することが可能となる。また人体に好結果をもたらす機能性微粒子を、蚕を通して自然の形で繭糸に取り入れることができる。また、竹酢液等の乾留液を、飼料中に混合した場合には、フィブロイン部分に含有または付着することが確認できた。さらにこの繭糸を使用して衣料を作った場合、取り込まれた機能性微粒子が人体に対して効果的に作用する。種々の機能性微粒子入り衣料を容易に製作することができる。また、自然の絹本来の魅力に近い機能性微粒子入りの絹を容易に得ることができる、また、衣料に限定することなく、様々な製品への応用の可能性もある、また、本発明によって生産した機能性を有する絹と他の繊維(例えばウール、麻、綿、合成繊維など絹とともに使用する各種繊維)と混用して衣料製品等を作ることもできる、等々の極めて優れた作用効果を奏する。
少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つ、またはそれら水溶液、または竹酢液などの乾留液の少なくとも一つを人工飼料や桑葉とともに混合した蚕用飼料である。またその飼料を蚕に食べさせることで、生産した機能性微粒子入り繭糸(絹)である。さらに上記のようにして得られた絹を使用して編むか、織って絹製品である。
はじめにゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つの機能性微粒子を混入した本発明に係わる蚕用飼料を説明する。蚕にゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール等の微粒子を混入させる方法には次の2つの方法がある。第1の方法は、所定量のゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの微粒子の少なくとも一つをそのまま蚕用人工飼料または生桑葉に混入または添加する方法、第2の方法は、それら微粒子を混入した水溶液を蚕用人工飼料または生桑葉に噴霧または塗布する方法である。なお、前記水溶液の代わりに、竹酢液等の乾留液を単独で、あるいは前記機能性微粒子と混合して飼料中に混入することも可能である。
以下、前記第1の方法(所定量のゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール微粒子を蚕用人工飼料または生桑葉に混入または添加する方法)について説明する。なお、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール微粒子は単独で飼料中に混合することも可能であるし、またそれらを適宜組み合わせて飼料中に混合することも可能である。
以下では、蚕用飼料として、現在、全国に普及している蚕用人工飼料「くわのはな」(後述する表1の飼料組成)の粉末を用いて前記微粒子を混合する方法を中心に説明する。「くわのはな」の粉末に、粉末と同程度あるいはそれより小さい粒子からなるゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つを所定量混合し、これに水分を加え、これを蒸して前記微粒子入り湿体飼料を調製する。この飼料を蚕に給餌して飼育し、機能性微粒子入り繭を作らせ、この繭を用いてゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つが混入した絹を生産する。
また、第2の方法は、水道水等の清水に少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの一つを溶かした水溶液を人工飼料または生桑葉に噴霧する。この飼料を蚕に給餌して飼育し、機能性をもった繭を作らせ、この繭を用いて機能性に富んだ絹を生産する。なお、前記水溶液の代わりに、竹を乾留する際に発生する乾留液(竹酢液)などを単独で、あるいは前記水溶液、蒸留水、さらには前記機能性微粒子と混合、混入して使用することもできる。
前記第1の方法に使用するゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの微粒子入り人工飼料について説明しておく。
表1に示す組成からなる人工飼料「くわのはな」(登録商標)に、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つを人工飼料の乾物重量に対して1〜25パーセント添加し(望ましくは蚕が食すのに抵抗のない機能性微粒子の量として1〜10%)、これにその重量の略2.5倍の水分を加え加熱減菌し、ビニ−ル袋に詰めて形を整えて冷蔵庫に保存して使用する。
表1に示す組成からなる人工飼料「くわのはな」(登録商標)に、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つを人工飼料の乾物重量に対して1〜25パーセント添加し(望ましくは蚕が食すのに抵抗のない機能性微粒子の量として1〜10%)、これにその重量の略2.5倍の水分を加え加熱減菌し、ビニ−ル袋に詰めて形を整えて冷蔵庫に保存して使用する。
ここで、上記各物質の機能の代表例を説明しておく。
ゼオライト 遠赤外線、制菌、消臭性を発揮する。
蛍石(蓄光石) 光を蓄積する(夜光性がある)。
コレステロール 肌の活性化機能を発揮する。
上記のような微粒子を蚕の飼料中に混合することにより、蚕から得られた絹は上記の機能をもった絹とすることができる。
上記微粒子は、基本的には飼料に対して1種類を混合するが、2種類以上を混合することも可能である。
ゼオライト 遠赤外線、制菌、消臭性を発揮する。
蛍石(蓄光石) 光を蓄積する(夜光性がある)。
コレステロール 肌の活性化機能を発揮する。
上記のような微粒子を蚕の飼料中に混合することにより、蚕から得られた絹は上記の機能をもった絹とすることができる。
上記微粒子は、基本的には飼料に対して1種類を混合するが、2種類以上を混合することも可能である。
なお、この時のゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール等の微粒子の粒子は少なくとも10μm以下の篩にかけた小さい粒径(蚕が食すのに抵抗のない粒子径)であることが必要である。粒径が大きすぎると蚕がそれらの微粒子を食さなくなる。なお、蚕が食すのに抵抗がない量、抵抗がない粒子径については、人工飼料に混入する微粒子の量、粒子径を零から徐々に増やしてゆく実験を行うことで容易に設定でき、上記数値はこの方法によりを求めてある。上記のようにして得た飼料を蚕に与え、得られた絹を用いて製品化する。製品化する際には、通常は、1種類の機能性微粒子を飼料中に混合して得た絹を用い、絹製品にする場合には、異なる機能性微粒子を含む絹を組み合わせて編んで製品化することで、一つの製品中に複数の機能を持たせることができる。絹製品としては、現在市販されている全ての絹製品に適用することができる。
この飼料製造方法の流れを以下に示す。
人工飼料「くわのはな」組成+ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール微粒子混合→水分添加→練り合わせ→蒸煮→袋詰め→成型→冷蔵庫へ保存→給餌。
ここで蒸煮とは水を加えた飼料を蒸気で蒸すか煮ることであり、その後成形した人工飼料は袋詰めされ、腐敗防止のために冷蔵庫に保管され、適宜給餌される。この人工飼料を給餌した結果、特開2000−69916の場合と同様に、稚蚕期の2齢から給餌、中蚕期の4齢から給餌、最終齢期別の蚕に給餌したものにおいて、いずれの場合でも、機能性微粒子の絹への移行が確認された。
図1にゼオライトを混合した飼料を使用して、蚕が作った繭糸の走査型電子顕微鏡写真を示す。
人工飼料「くわのはな」組成+ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール微粒子混合→水分添加→練り合わせ→蒸煮→袋詰め→成型→冷蔵庫へ保存→給餌。
ここで蒸煮とは水を加えた飼料を蒸気で蒸すか煮ることであり、その後成形した人工飼料は袋詰めされ、腐敗防止のために冷蔵庫に保管され、適宜給餌される。この人工飼料を給餌した結果、特開2000−69916の場合と同様に、稚蚕期の2齢から給餌、中蚕期の4齢から給餌、最終齢期別の蚕に給餌したものにおいて、いずれの場合でも、機能性微粒子の絹への移行が確認された。
図1にゼオライトを混合した飼料を使用して、蚕が作った繭糸の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図から明らかなように、繭糸にゼオライトの微粒子が繭糸中に取り込まれたいる様子が良く判る。
また、図2は、ゼオライトを繭糸中に取り込んだ絹とウールとを編んで作った製品(シーツ)による遠赤外線放射率の推移をしめしたものである。この図から明らかなように、繭糸にゼオライトの微粒子が取り込まれた絹を使用して、製品を作ると遠赤外線を発生する製品とすることができる。
次に、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの微粒子入り飼料の第2の製造方法を説明する。
第2の方法は、少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの一つを混入した水溶液を上述した人工飼料あるいは生桑葉にふりかけて蚕に食べさせる方法である。この時、水溶液の量は蚕が食するのに抵抗の無い量(実際に桑葉にふりかけながら、その量を決定するのが好ましい)をふりかける。また、竹酢液のような乾留液を単独であるいは前記水溶液等と適当量混入したものを混入することも可能である。竹酢液などの乾留液の混入量は実際に桑葉にふりかけながら、蚕の給食状態をみながら決定するのが好ましい。
なお、第1の方法および第2の方法を適宜混合しながら、蚕用飼料をつくることも可能である。
第2の方法は、少なくともゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの一つを混入した水溶液を上述した人工飼料あるいは生桑葉にふりかけて蚕に食べさせる方法である。この時、水溶液の量は蚕が食するのに抵抗の無い量(実際に桑葉にふりかけながら、その量を決定するのが好ましい)をふりかける。また、竹酢液のような乾留液を単独であるいは前記水溶液等と適当量混入したものを混入することも可能である。竹酢液などの乾留液の混入量は実際に桑葉にふりかけながら、蚕の給食状態をみながら決定するのが好ましい。
なお、第1の方法および第2の方法を適宜混合しながら、蚕用飼料をつくることも可能である。
前記第1の方法および第2の方法で作った夫々の目的量のゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの微粒子入りの飼料を蚕に与えたが、蚕は此の飼料に対して忌避性は認められず、従来の人工飼料と遜色なく蚕は順調に成長した。また、機能性微粒子の添加量料を1%〜25%まで変えた飼料を蚕に給餌したが、いずれの場合でも、絹への移行が確認された。これらの結果から、特開2000−69916に示されているものと同様に蚕の絹糸腺が急激に発育する5齢初期4日移行からの給餌がもっとも良い結果が得られた。
顕微鏡での観察では機能性微粒子の移行は絹中のセリシン部分に多いことが分かっている。セリシンを落とさない絹糸は「しゃり」(こしの強い)という特徴をもっている。一方、ニット製品の原料として近年絹が珍重されているが、これは従来の和装用生糸のように精練する必要がなく、かえって外着用素材としてセリシンを含んだ「しゃり」のあるものが要望されている。このことから両者をドッキングさせ、セリシン入り絹糸の使用による、ニット製品(衣類、介護用品等)の開発という新分野への開発が期待できる。このセリシン入り絹糸は、従来和装用として精練してフィブロインのみを使用する方法に比べ、精練の時に落とされる約25%程度のセリシンをそのまま絹糸として使用することができ、経済的な使用方法であり、画期的なものである。また、竹酢液等の乾留液を使用した場合には、フィブロインに機能性微粒子が含有又は付着することが確認された。
上記例では、ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの微粒子あるいはその水 溶液を混合する人工飼料として、「くわのはな」(登録商標)を使用したが、現在は種々の人工飼料が市販されており、これらの飼料に前記微粒子を混入することで同様の絹を生産することもできる。また、乾留液としては、竹酢液以外に木酢液など現在知られている乾留液を使用することができる。また、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができ、また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
本発明は、繭糸を使用して衣料を作った場合、取り込まれたゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロール微粒子が人体に対して効果的に作用する衣料とすることができる。種々の機能性微粒子入り衣料を容易に製作することができる。また、自然の絹本来に極めて近い魅力を持つ機能性微粒子入りの絹を容易に得ることができる、また、衣料に限定することなく、様々な製品への応用の可能性もある。また絹と他の繊維を混用して編物、織物等を製作することにより新しい機能をもった製品を作ることができる。なお、上記絹製品としては現在市販されている全ての商品が該当する。
Claims (11)
- 蚕用飼料に少なくとも、所定量の機能性微粒子、所定濃度の機能性微粒子の水溶液、竹酢液等の乾留液の一つを混入又は添加してなることを特徴とする蚕用飼料であって、前記機能性微粒子はゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの少なくとも一つであることを特徴とする蚕用飼料。
- 前記蚕用飼料は蚕用人工飼料であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料。
- 前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合して調整したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蚕用飼料。
- 前記蚕用人工飼料に対して重量比で少なくとも1〜30パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールにいずれか一つを混合してなることを特徴とする請求項2に記載の蚕用飼料。
- 前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする請求項4に記載の蚕用飼料。
- 前記蚕用飼料は生桑葉であることを特徴とする請求項1に記載の蚕用飼料。
- 前記機能性微粒子の水溶液は、水に対して重量比ですくなくとも0.5〜50パーセントのゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールの何れか一つを混合してなることを特徴とする請求項6に記載の蚕用飼料。
- 前記ゼオライト、蛍石(蓄光石)、コレステロールは、粒径が10μm以下の粉末からなることを特徴とする請求項6に記載の蚕用飼料。
- 前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の蚕用飼料を使用し、蚕から生産した絹。
- 前記請求項9に記載の絹のみを使用して製作した絹製品。
- 前記請求項10に記載の絹とそれ以外の繊維を混用して製作した絹製品。
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