JP2005116758A - 微細構造乾燥処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、搬送中の乾燥を防止し、更に、表面に微細なパターンを形成した大口径基板に対してパターン倒れがなく、短時間で均一に乾燥させることができる微細構造乾燥処理方法及びその装置を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する被乾燥物を高圧容器内に搬送する搬送工程と、前記被乾燥物上より前記リンス液の大部分を排出させるリンス液排出工程と、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で設定圧力まで導入する工程と、前記流体の設定圧力を保ったまま前記流体の温度を臨界温度以上に昇温させる工程と、前記臨界温度状態を保ったまま前記流体を排出する工程とを順次有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法にある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体集積回路(LSI)のレジストパターンやMEMS(Micro Electromechanical System)素子等の微細構造物を液化ガスによって乾燥する新規な微細構造物乾燥処理方法及びその装置に関する。
従来、大規模で高密度、高性能デバイスを製造するには、シリコンウエハ上に成膜したレジストに対して露光、現像、リンス洗浄及び乾燥を経てパターンを形成した後、コーティング・エッチング、リンス洗浄、乾燥等のプロセスを経て製造される。特に、レジストは、光、X線、電子線などに感光する高分子材料であり、各工程において、現像、リンス洗浄工程では現像液、リンス液等の薬液を使用しているため、リンス洗浄工程後は乾燥工程が必須である。
この乾燥工程において、基板上に形成したレジストパターン間のスペース幅が100nm程度以下になるとパターン間に残存する薬液の表面張力の作用により、パターン間にラプラス力(毛細管力)が作用してパターン倒れが発生する問題が生ずる。
一方では、例えば加速センサーやアクチュエータ等の可動部を持つ三次元微細構造部品のMEMS部品の製造は、フッ酸等のエッチング液で可動部位を含む微細構造を形成する工程と、純水リンスでエッチング液を洗浄除去工程と乾燥工程を含んでいる。この乾燥工程においてもレジストパターンと同様に微細構造間に残る薬液による表面張力が作用して、可動部が基板に張り付く現象が発生している。
この微細構造間に残存する薬液の表面張力の作用によるパターン倒れや張付きを防止するために、微細構造物間に作用する表面張力を軽減する乾燥プロセスとして、特許文献1〜3に示す所定の圧力容器を用いると共に、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた方法がある。
この従来の二酸化炭素等の超臨界流体を用いた乾燥法は、以下の基本工程を有する。
(1)液体又は超臨界状態の流体に可溶でない試料中の例えば水等の残存液体は、予め流体に可溶な例えばエタノールや2−プロパノール等の有機溶剤やその混合液等のリンス液と置換しておく工程。
(2)リンス液に浸漬、又は濡れた状態、具体的には基板上にリンス液が載った状態で乾燥室となる高圧容器に水平に搬送して設置する工程。
(3)高圧容器を密閉する工程。
(4)液体状態又は超臨界状態の流体を高圧容器に導入し、所定の圧力まで昇圧する工程。
(5)高圧容器内に導入した液体又は超臨界状態の流体とリンス液を置換させる工程。
(6)高圧容器に液体の流体を導入した場合は、液体の流体とリンス液の置換後に高圧容器を臨界点以上に昇圧及び昇温させる工程。
(7)高圧容器から超臨界状態の流体を徐々に排出させる工程。
(8)高圧容器から基板を取り出す工程。
特開2003−109933号公報 特開平9−139374号公報 特開平5−315241号公報
レジストのパターン形成は、前述のように、露光、現像、リンス及び乾燥の工程を経る。高アスペクト比(微細構造物)のパターン乾燥では、リンス液の表面張力によりパターン倒れが生じる。これを改善する超臨界乾燥法は、液化ガスを超臨界状態にして表面張力をゼロにすることにより、微細構造物の倒壊を防ぐことができる。しかし、リンス処理後、圧力容器への搬送は大気中を通るため、その表面の乾燥によってパターンの倒壊が発生する。しかも、従来の超臨界流体を用いた乾燥法は、数十分程度から1時間以上の乾燥時間を要し、特に、直径100mm以上の大口径基板上に一様に形成した微細構造に対してパターン倒れが無く、均一に乾燥することができなかった。
そこで、搬送中の乾燥を改善する方法として、微細構造物をリンス液に浸した状態で搬送する方法があるが、リンス液と液化ガスの置換時間が長くなってしまう。また超臨界乾燥処理装置は、高圧である超臨界二酸化炭素を用いるため、排出に時間を要し、スループットが問題となっている。
本発明の目的は、搬送中の乾燥を防止し、更に、表面に微細なパターンを形成した大口径基板に対してパターン倒れがなく、短時間で均一に乾燥させることができる微細構造乾燥処理方法及びその装置を提供することにある。
本発明は、リンス処理後、高圧容器に搬送するとき、搬送時から微細構造物である被乾燥物の微細構造表面をリンス液によって覆い、更に、その被乾燥物を高圧容器内に設置されると同時に、試料ホルダ内のリンス液を排出させ、次いで臨界温度状態で微細構造物を乾燥することを特徴とする。
即ち、本発明は、微細構造表面がリンス液によって覆われた被乾燥物を高圧容器内に搬送する搬送工程と、前記被乾燥物上より前記リンス液の大部分を排出させるリンス液排出工程と、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で設定圧力まで導入する工程と、前記流体の設定圧力を保ったまま前記流体の温度を臨界温度以上に昇温させる工程と、前記臨界温度状態を保ったまま前記流体を排出する工程とを順次有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法にある。
本発明は、表面張力によって残存するより多い量のリンス液によって覆われリング状の試料ホルダに設置された前記被乾燥物を圧力容器内に搬送する前記搬送工程を有することにより搬送中の被乾燥物の乾燥を防止することができる。
搬送された前記試料ホルダをそのリングの内側に設置された部材に載置することにより試料ホルダ内より前記リンス液を排出させる前記リンス液排出工程を有するものである。
前記リンス液の前記高圧容器外への排出を前記高圧容器の上部及び下部に設けられた少なくとも一方の排出口によって行うこと、前記高圧容器内に前記流体を導入し、所定の圧力に達した後、前記流体の導入を停止し、前記高圧容器内の前記流体の流れを止めること、更に前記高圧容器内への前記流体導入時に、前記高圧容器内の昇圧速度を制御し、前記流体とリンス液の混濁を抑えることが好ましい。
又、本発明は、微細構造表面がリンス液によって覆われた被乾燥物を高圧容器内に設置した後、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で導入し、次いで前記流体を液体状態でも排出する。超臨界状態で排出させることにより前記基板より前記リンス液を排出させると共に乾燥させる微細構造乾燥処理方法において、前記高圧容器内に液体状態の前記流体を導入する前に前記リンス液の大部分を前記被乾燥物より排出させる工程を有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法にある。
更に、本発明は、露光後の現像及びリンスの工程を経て微細構造が形成された被乾燥物を保持する底部がリング状である試料ホルダと、前記微細構造表面がリンス液によって覆われた前記被乾燥物を乾燥させる高圧容器と、前記微細構造表面がリンス液によって覆われた状態で前記試料ホルダに保持された前記被乾燥物を前記高圧容器内に設けられた部材に搬送する搬送手段と、常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で貯蔵する流体貯蔵容器と、前記リンス液を排出させる前記高圧容器の上側又は下側に設けられた排出口とを有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置にある。
又、本発明装置において、前記部材が前記試料ホルダのリング内径より小さい外径を有するヒーターと、前記高圧容器内の前記流体の温度及び圧力の少なくとも一方を変化させる温度又は圧力を調整する手段と、流体を前記高圧容器に圧送する高圧ポンプとを有することが好ましい。
更に、前記被乾燥物の上側及び下側の少なくとも一方に前記被乾燥物を加熱する温度調整器と、前記高圧容器内に導入される記流体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記高圧容器への前記流体導入時に、前記高圧容器内の昇圧速度を制御する昇圧速度制御手段と、前記流体を振動又は攪拌させる手段とを有することが好ましい。特に、前記温度調整器により、前記基板の上下での温度差を無くし、前記基板近傍の前記流体の対流を防止することが好ましい。
前記高圧容器内の前記流体の流れを抑えるプロセスと前記高圧ポンプで流体を導入する工程とを順次繰り返すことはMEMSサンプルのような立体構造を乾燥する場合は特に有効である。
更に、リンス液の排出口を高圧容器の上部及び下部に少なくとも1つを装備することにより、置換流体より比重の大きいリンス液と、置換流体より比重の小さいリンス液を2種類以上同時に使用する場合にも、流体に溶けずに高圧容器内に残るリンスを選択的に高圧容器から排出することができる。
以上のように、本発明は、露光、現像、リンス後のレジスト基板等の微細構造を有する被乾燥物を設置した乾燥処理室となる高圧容器に、リンス液の置換溶媒として二酸化炭素等の常温、常圧では気体、高圧下では液体となる流体を液体の状態で導入し、導入する液体状態の流体の溶解性によるリンス液の置換効果を利用するレジストの乾燥処理において、試料ホルダ内のリンス液を選択的に排出させることにより、被乾燥物表面に残存するリンス液の量を最小にでき、短時間での乾燥処理ができるものである。
本発明によれば、搬送中の乾燥を防止し、且つ乾燥時間の短縮が可能で、更に、高スループット化に向けた急速な排出に対応できる。そして、本発明によれば、LSI等を大規模に製作するための露光、現像、リンス後のレジスト等のパターン幅が100nm以下、更にパターン幅70nm以下、特にパターン幅30nm以下の表面微細構造を持ち、直径100mm以上の大口径基板の乾燥処理をパターン倒れ無く、更に短時間で均一に乾燥できるものである。そのためデバイス製造ラインへの適用が可能な処理速度を有するものである。
本発明は、微細構造を有するその表面がリンス液によって覆われた被乾燥物を高圧容器内に搬送する搬送工程と、前記被乾燥物より前記リンス液の大部分を排出させるリンス液排出工程と、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で設定圧力まで導入する工程と、前記流体の設定圧力を保ったまま前記流体の温度を臨界温度以上に昇温させる工程と、前記臨界温度状態を保ったまま前記流体を排出する工程とを順次有し、更に前記被乾燥物がリンス液によって覆われて試料ホルダに載置されて前記圧力容器内に搬送する前記搬送工程と、前記搬送された前記試料ホルダを前記高圧容器内に前記試料ホルダのリング状内側に対応して設けられた部材に載置し、前記被乾燥物より前記リンス液を排出させる前記リンス液排出工程とを有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法にある。
更に、本発明は、微細構造を有する被乾燥物を保持する底部がリング状である試料ホルダと、前記被乾燥物を乾燥させる高圧容器と、前記微細構造の表面がリンス液によって覆われた状態で前記試料ホルダを前記高圧容器内に設けられた部材に搬送する搬送手段と、常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で貯蔵する流体貯蔵容器と、前記リンス液を排出させる前記高圧容器の上側又は下側に設けられた排出口と、前記高圧容器内の前記流体の温度及び圧力の少なくとも一方を変化させる温度又は圧力を調整する手段と、前記流体を前記高圧容器に圧送する高圧ポンプと、前記被乾燥物の上側及び下側に設けられ前記被乾燥物を加熱する温度調整器と、前記高圧容器内に導入される前記流体の圧力を制御する圧力制御装置と、前記高圧容器への前記流体導入時に前記高圧容器内の昇圧速度を制御する昇圧速度制御手段と、前記流体を振動又は攪拌させる手段とを有し、前記部材が前記リング状の内側に対応して設置された3本以上のピンであることを特徴とする微細構造乾燥処理装置にある。
図1は本発明の微細構造乾燥処理装置の一例を示す断面図である。乾燥処理室である高圧容器103は上部のフタ部及び下部の容器部から構成され、フタ部を開放して基板101を設置する。基板101は露光後の現像及びリンスの工程を経て表面に微細構造が形成されており、その表面にはリンス液102が全面に載った状態であり、円筒の底部に形成されたリング状の平板を有する試料ホルダ104に設置される。試料ホルダ104は高圧容器103内に搬送手段100によって搬送される。
高圧容器103には、バルブ113を介して高圧ポンプ114及び液体二酸化炭素容器115が配管によって接続され、バルブ117を介して圧力制御バルブ118が配管によって接続される。高圧容器103は、その上部にバルブ110及び下部にバルブ107を介して背圧制御バルブ108、109がそれぞれ接続され、設定圧力を超えると排出口119又は排出口120より高圧容器内の流体又はリンス液が排出される。
高圧容器103はその容器内に形成された熱媒体の循環による温度調整機能を持ち、0〜60℃の範囲で流体の温度を制御でき、また、基板101の近傍、特に微細構造を有する面側の温度差による対流を最小限抑えるため、高圧容器103の内部にも基板101の上部及び下部にそれぞれ温度調整器106、111を備える。下部の温度調整器106の外周辺には基板101を支えるピン121が等間隔で下部の高圧容器103に設置されており、本実施例では4本とした。ピン121の高さは下部の温度調整器106の高さよりも若干高くなっている。
以下、本実施例の乾燥工程を説明する。
(1)直径200mmのLSIシリコン基板上にEBレジスト(ZEP−7000:日本ゼオン製)を220nmの膜厚で製膜、乾燥した後、電子線でパターンを描画してから酢酸ノルマルヘキシルで90秒現像、2−プロパノールで100秒リンスし、表面に微細構造が形成された基板101を、高圧容器103の試料ホルダ104に設置する。このとき、基板101の上には液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素に可溶なリンス液である2−プロパノール102が基板101の全面を試料ホルダ104に保持されて覆った状態である。
(2)図2は、超臨界乾燥処理装置の高圧容器103内に試料ホルダ104を設置する概略を示す断面図である。図2のように試料ホルダ104内には微細構造物からなる基板101の上にリンス液の2−プロパノール102がリング状の試料ホルダ104に支えられて覆っており、高圧容器103の上部の蓋を開け、試料ホルダ104が搬送手段100によって高圧容器103内に搬送される。搬送手段100はアーム122及び試料ホルダ104を着脱自在に保持する保持部を有し、予め設定された所定の動作に従って図3に示すように操作される。
試料ホルダ104は筒状で、底部が平板によるリング状になっている。レジストパターン等の微細構造物を有する円盤状の半導体基板であるウエハからなる基板101は、試料ホルダ104のリング状底部に密着して接しており、そのため基板101の上にはリンス液102が基板101の表面張力によって保たれるより多くのリンス液102が保たれている。試料ホルダ104の底部は平板によるリング状であるが、基板101の平面形状に合わせてリンス液102が漏れない平面形状を有する。基板101としてシリコンウエハの平面形状は円盤で、その円周部の一部に直線部のオリフラ又はVノッチが形成されているのでそれらの形状に合わせてリンス液が漏れない平面形状を有するものである。
(3)図3は高圧容器103内での本発明に係るリング状の試料ホルダ104によるリンス液の除去方法を示すフロー図である。図3(a)に示すように、基板101の上にリンス液102を有する試料ホルダ104は搬送手段100によって高圧容器103内に設けられたピン121の上に搬送し、次いで試料ホルダ104を下降し、図3(b)に示すように、試料ホルダを更に下降させることにより、基板101は試料ホルダ104の底部から離れるため、基板101と試料ホルダ104との間に空隙が形成され、基板101の上の表面張力によって残留する以外のリンス液102が試料ホルダ104内から排出される。更に、時間の経過によって図3(c)に示すように、基板101の上のリンス液102は試料ホルダ104内から排出され、表面張力によって残留する極めて少ない量のリンス液が残存するだけとなる。試料ホルダ104内から排出されたリンス液は高圧容器103の排出口120より廃液バルブ125とエア抜きバルブ124を開き、廃液タンク126に排出される。従って、その後に残存するリンス液102を液化炭酸ガスによって置換し、除去することができる。リンス液102を除去するのに置換時間を著しく短縮することができる。
また、基板101はヒーター106に接近するため、ヒーター106の温度変化に対して、基板101の温度が瞬時に追従することができる。上記により急激な液化炭酸ガスの排出による高圧容器103内の温度降下に伴う、基板101の結露及び再液化を防ぐことができる。最後に、高圧容器103を気密した後、バルブ107、110、117を閉じる。
(4)バルブ113を開放すると液体二酸化炭素116が高圧容器103に導入される。このとき圧力制御装置123により基板101上に形成された微細構造が破損しないように、且つリンス液102と液体二酸化炭素の混濁を最小限に抑えるため3MPa/分程度で10MPaまで昇圧するように制御する。高圧容器103に導入される液体二酸化炭素はフィルタ112を通過し不純物が除去される。
(5)基板101に残存した2−プロパノール102の大半が基板101表面から離れ高圧容器103内に充填した液体状態の二酸化炭素116と殆ど溶けずに混ざり合い混濁状態となる。
(6)高圧容器103の温度を熱媒体の循環によって下げ、5℃程度に制御すると、液体二酸化炭素の比重は0.95g/mlになり、リンス液である2−プロパノールの比重0.80g/mlとの比重差が約0.15g/ml程度になるため、2−プロパノールは傾斜した高圧容器103内の上部に集まる。10MPaまでの昇圧及び5℃までの降温は同時に移行させても良い。
(7)圧力が10MPaに達したら、液体二酸化炭素と2−プロパノールの混濁状態を収束させるため、約60秒間、高圧ポンプで液体二酸化炭素を圧送することを停止して高圧容器内に液体二酸化炭素の流れを生じないようにする。同時に、高圧容器内の上部と下部の温度差により液体二酸化炭素の対流を最小に抑えるため温度調整器106、111を5℃に制御する。
(8)2−プロパノールと液体二酸化炭素の混濁が収束したら、再度、高圧ポンプ114で液体二酸化炭素の圧送を開始する。バルブ110を開放すると、高圧容器103内の上部に集った2−プロパノール102は排出口119を経て背圧制御バルブ109より選択的に排出することができ、高圧容器103内はほぼ液体二酸化炭素のみで満たされる。
(9)振動子151で高圧容器103内の液体二酸化炭素に振動を加え、基板101上の微細構造間に残存するリンス液を置換する。また、液体二酸化炭素を攪拌することや、基盤101を回転や振動させることも置換時間短縮に有用である。
(10)高圧ポンプ114での液体二酸化炭素の圧送を停止させ、高圧容器103の温度を35℃に昇温させる。高圧容器103内の圧力は昇圧するが、設定圧力10MPaを超えると背圧制御バルブ109から排出され、高圧容器103内は10MPaに保たれる。この温度変化で、高圧容器103内の液体二酸化炭素は超臨界状態へと状態が変化する。この状態の変化では、液体二酸化炭素の表面張力を微細構造に作用させることが無い。
(11)バルブ110、113を閉じ、バルブ117を開放し、温度を35℃に保ったまま圧力制御バルブ118より超臨界二酸化炭素を排出する。高圧容器103内の圧力が7.38MPa以下になると高圧容器103内を満たしている二酸化炭素は気体へと状態が変化する。更に圧力制御バルブ118で排出を続け高圧容器103内の圧力が大気圧になった時点で乾燥が終了する。
本実施例は、微細構造乾燥のために利用する流体として比較的低い温度、低い圧力で超臨界状態となる二酸化炭素を用いた場合を例として示したが、二酸化炭素の臨界圧力は7.38MPa、臨界温度は31℃である。そして、温度を0から30℃、圧力を3MPaから10MPaに可変させることで液体二酸化炭素の密度を0.65から0.95g/mlに変化させることができる。
以上のように、本実施例に示す2−プロパノールをリンス液として用いた場合の、表面に微細なパターンを形成した大口径基板に対してパターン倒れがなく、短時間で均一に乾燥させることができるものである。
本実施例は、MEMSサンプルのようなフッ酸エッチングで微細構造を有するパターンが形成され、純水でリンス処理した後の乾燥工程を行うものである。本実施例のフッ酸エッチングによるパターン形成においても、レジストパターンと同様に表面張力の作用によりシリコン三次元構造体の可動部が基板(ベース部)と貼りつく現象が生じ、デバイス不良の要因となる。この現象を防止するために実施例1と同様にリンス液を除去することができる。
リンス液として純水は液体又は超臨界状態の二酸化炭素に殆ど溶けないため、予め二酸化炭素に可溶なリンス液に浸漬させて置換しておく。本実施例のMEMSサンプルのリンス液としては、HCFCとエタノールを5:1に混合したものである。HCFCは比重1.55g/mlであるので、基板上に載ったHCFCを実施例1と同様に試料ホルダ104の操作によって高圧容器103の下部に集めて選択的に高圧容器103外に排出させ、その後は、実施例1と同じプロセスを経て大気圧まで降圧させて乾燥を行うことができる。本実施例のHCFCとエタノールの混合液をリンス液としたのは、エタノールは水を置換するためであり、HCFCは二酸化炭素と置換するために使用する。
以上のように、本発明によってMEMS部品のようなデバイスに対しても100mm以上の大口径基板に形成した微細構造の可動部が張り付くことなく、搬送時の乾燥を防止し、短時間で且つ均一に乾燥させることができる。
本発明の一例を示す微細構造乾燥処理装置の断面図である。 本発明の微細構造乾燥処理装置において試料ホルダの設置を示す断面図である。 本発明において基板上のリンス液を排出させるプロセスを示す断面図である。
符号の説明
100…搬送手段、101…基板、102…リンス液、103…高圧容器、104…試料ホルダ、106、111…温度調整器、107、110、113、117…バルブ、108、109…背圧制御バルブ、112…フィルタ、114…高圧ポンプ、115…液体二酸化炭素容器、116…液体二酸化炭素、118…圧力制御バルブ、119、120…排出口、121…ピン、122…アーム、123…圧力制御装置、124…エア抜きバルブ、125…廃液バルブ、126…廃液タンク、151…振動子。

Claims (15)

  1. 微細構造を有するその表面がリンス液によって覆われた被乾燥物を高圧容器内に搬送する搬送工程と、前記被乾燥物より前記リンス液の大部分を排出させるリンス液排出工程と、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で設定圧力まで導入する工程と、前記流体の設定圧力を保ったまま前記流体の温度を臨界温度以上に昇温させる工程と、前記臨界温度状態を保ったまま前記流体を排出する工程とを順次有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  2. 請求項1において、前記被乾燥物は、リンス液によって覆われて試料ホルダに載置されて前記圧力容器内に搬送する前記搬送工程を有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  3. 請求項1において、前記搬送された前記試料ホルダを前記高圧容器内に前記試料ホルダのリング状内側に対して設けられた部材に載置し、前記被乾燥物より前記リンス液を排出させる前記リンス液排出工程を有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  4. 請求項3において、前記リンス液の前記高圧容器外への排出を前記高圧容器の上部及び下部に設けられた少なくとも一方の排出口によって行うことを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  5. 請求項1において、前記高圧容器内に前記流体を導入し、所定の圧力に達した後、前記流体の導入を停止し、前記高圧容器内への前記流体の流れを止めることを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  6. 請求項1において、前記高圧容器内への前記流体導入時に、前記高圧容器内の昇圧速度を制御し、前記流体とリンス液の混濁を抑えることを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  7. 微細構造を有するその表面がリンス液によって覆われた被乾燥物を高圧容器内に設置した後、前記高圧容器内に常温及び常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で導入し、次いで液体又は超臨界状態の前記流体で前記被乾燥物より前記リンス液を排出後、超臨界状態とし臨界温度を保ったまま液化せずに乾燥させる微細構造乾燥処理方法において、前記高圧容器内に液体状態の前記流体を導入する前に前記リンス液の大部分を前記被乾燥物より排出させる工程を有することを特徴とする微細構造乾燥処理方法。
  8. 微細構造を有する被乾燥物を支持する底部がリング状である試料ホルダと、前記被乾燥物を乾燥させる高圧容器と、前記被乾燥物の微細構造を有する表面がリンス液によって覆われた状態で前記試料ホルダに載置されて前記高圧容器内に設けられた部材に搬送する搬送手段と、常圧では気体で高圧下では液体となる流体を液体又は超臨界状態で貯蔵する流体貯蔵容器と、前記リンス液を排出させる前記高圧容器の上側又は下側に設けられた排出口とを有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  9. 請求項9において、前記部材が前記試料ホルダのリング内側に対応した位置に設置された3本以上のピンであることを特徴とする超臨界乾燥処理装置。
  10. 請求項9において、前記高圧容器内の前記流体の温度及び圧力の少なくとも一方を変化させる温度又は圧力調整手段を有し、前記リンス液を前記高圧容器の前記排出口より排出させることを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  11. 請求項9において、前記流体を前記高圧容器に圧送する高圧ポンプを有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  12. 請求項9において、前記被乾燥物の上側及び下側に前記被乾燥物を加熱する温度調整器を有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  13. 請求項9において、前記高圧容器内に導入される前記流体の圧力を制御する圧力制御装置を有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  14. 請求項9において、前記高圧容器内への前記流体導入時に、前記高圧容器内の昇圧速度を制御する昇圧速度制御手段を有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
  15. 請求項9において、前記流体を振動又は攪拌させる手段を有することを特徴とする微細構造乾燥処理装置。
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