JP2005114726A - キャピラリチャンネルを形成する網目状構造物(network)を含んでなる分析用テストエレメント - Google Patents

キャピラリチャンネルを形成する網目状構造物(network)を含んでなる分析用テストエレメント Download PDF

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Abstract

【課題】支持体、少なくとも1つの検出エレメント、および毛細管液体移動を行うことができるチャンネルを含んでなる、液体中の少なくとも1つのアナライトを定量する分析用テストエレメントに関し、迅速に実質的に同時に検出エレメントに到達することを可能にする。
【解決手段】このチャンネルは、少なくとも一部が、親水性の網目状構造物によって形成されるが、その網目状構造物の一面はチャンネルの内部空間に接し、反対側の面は検出エレメントに接しており、チャンネルから検出エレメントへの液体の移動を可能にする。また、液体中のアナライトを定量するための、この分析用テストエレメントの使用、ならびにこの分析用テストエレメントを用いた、液体中のアナライトを定量する方法。
【選択図】図1

Description

本出願は、液体中の少なくとも1つのアナライトを定量するための分析用テストエレメント、液体中のアナライトを定量するための本発明の分析用テストエレメントの使用、および本発明の分析用テストエレメントを用いて液体中のアナライトを定量する方法に関する。
いわゆるキャリア結合テストは、液体、とりわけ血液のような体液の、成分の定性および定量分析測定にしばしば使用される。こうしたテストにおいて、試薬、特に特異的な検出試薬および補助的試薬は、固相支持体の適当な層に包埋され、もしくは固定化される。これらの層は、検出エレメントと称される。対応するアナライトを定量するために、液体サンプルをこのようなエレメントと接触させる。目的のアナライトが存在するならば、液体サンプルおよび試薬の反応の結果、通常、光学的に、もしくは電気化学的に検出可能なシグナルが生じるが、詳細には、通例、反射光度測定によって視覚的に、もしくは機器の助けを借りて評価することができる色の変化に至る。他の検出方法は、たとえば、電気化学的方法に基づくものであり、電荷、電位、電流の変化を検出する。
テストエレメントもしくはテストキャリアは、基本的に、プラスチック素材の細長い支持層、および検査の場としてその上に取り付けられた検出エレメントからなる、テストストリップの形をとることが多い。しかしながら、テストキャリアは、小さな正方形もしくは長方形のプレートとして形作られることも知られている。
臨床診断用のテストエレメントは、サンプルアプリケーション領域および検出領域が縦方向に互いに重なるように構成されることが多い。このタイプの構造は、いくつかの問題と関連づけられる。サンプルをロードしたテストストリップを、測定のために反射光度計のような機器に挿入しなくてはならない場合、感染性が見込まれるサンプル材料が機器の一部に接触することとなり、その部分が汚染される可能性がある。したがって、サンプルアプリケーション領域および検出エレメントの空間的な分離が望ましい。
容積測定は、多くの場合、上記のテストエレメントで行うのは非常に困難であるが、テストストリップが、訓練されていない人によって、たとえば、血糖もしくは血液凝固の自己測定のために使用される場合にはとりわけ困難である。このために必要な、サンプルアプリケーション領域から検出エレメントへの液体サンプルの移動は、多くの場合、分析されるべき液体の定量、およびそれによる測定の再現性に関してきわめて重大なプロセスである。このようなテストエレメントは、チャンネル、膜、紙もしくはフリースといった、液体サンプルを移動させて分配するための追加の装置を必要とする。こうした設計では、多くの場合、信頼できる測定を可能にするためには比較的多量のサンプルが必要となる。たとえば、サンプルの液体として血液を使用する場合、サンプル液として採取すべき血液が多いほど、血液採取は患者にとって苦痛の多いものとなる。したがって、全体的な目標は、可能な限り最小量のサンプル材料で済むテストストリップを提供することである。さらに、液体の移動は、測定時間を可能な限り最短とするために、できる限り速くなくてはならない。
液体を移動させるためにフリース、紙もしくは膜を使用する場合、移動の速度は、それぞれの材料の特性によって決定的な影響を受けるが、それゆえに、一様に速い移動速度を保証することは不可能である。その上、前述の材料の大きな欠点は、これらがわずかとはいえない固有の体積を有し、その微視的構造のために、それ自体が毛細管作用を示すことである。
このように、特にフリースおよび紙は、その繊維構造のために、毛細管作用のある容積が大きく、その繊維構造は、その材質の内部で液体の分配、およびサンプルアプリケーション領域から検出エレメントへの移動を毛細管力の結果として可能にするが、また、この繊維構造のために検査すべき液体の相当な部分を保持する結果ともなる。したがって、はじめに付けたサンプル液の相当部分が、このようなテストエレメントの中で、アナライトの実際の検出に利用できず、やはり上記の患者に不利益のある多量のサンプルを使用しなければならない。その上、いくつかの検出エレメントが共通のテストエレメント上で互いに前後に配置されている場合、検出エレメントにおいて検出反応が均一に、しかも同時にスタートしないという問題が生じる。毛細管作用のあるフリース、紙、もしくは膜を通して比較的ゆっくりと液体が移動するため、サンプルアプリケーション領域に面した検出エレメントでは、流れの方向としてその後になる検出領域よりも相当早く検出反応が始まる。また、このことは、それぞれの検出エレメントそれ自体にも同様に当てはまる。この場合、液体による湿潤、およびそれによる検出反応の開始は、はじめにサンプルアプリケーション領域に面した側で起こり、その結果、検出反応開始の遅延が、ある検出エレメントの内部においても起こりうる。したがって、不均一で再現性のない反応の経時変化、および誤ったアナライトの定量が起こりうる。
一方を他の後ろに配置した、いくつかの検出エレメントの場合、ある検出エレメントから、流れの方向としてその後になる隣接する検出エレメントへの試薬の持ち越し(キャリーオーバー)がさらに起こる可能性があり、したがって、測定結果を歪める可能性がある。
液体サンプルをサンプルアプリケーション領域から検出エレメントへ移動させるためにチャンネル構造が用いられる場合、幅、高さおよび長さに関する最小および最大寸法、ならびにチャンネルの表面特性は、液体の毛細管移動を可能にするために遵守されなくてはならない。このことは、やはり、移動されるべき液体量、および移動速度を制約する。
液体移動のための他のメカニズムおよび装置は、多くの場合、ポンプのような、能動的な外力の使用を要求し、そのため別の費用のかかる装置を必要とする。
テストエレメント内で従来使用されたチャンネルは、多くの場合、そのチャンネルがわずかとは言い難い内部容積を有しており、検査されるべき液体容積の一部を毛細管作用により保持するという欠点がある。したがって、このようなテストエレメントにおいても、はじめに付けたサンプル液の一部は、実際のアナライト検出に利用できない。結論として、やはり上記のように患者に不利益のある比較的多量のサンプルを使用しなければならない。
テストエレメントにおいて従来使用されたチャンネルは、通常、液体の浸透しない不活性材料から作られる。検出エレメント領域内で、このようなチャンネルにおいて迅速な毛細管液体移動が起こりうるが、キャピラリから検出エレメント内へ液体を移動するためには、さらなる構造物および装置が必要である。
1つの方法は、検出エレメント自体がキャピラリチャンネルの構成要素となるように、検出エレメントもしくはその一部をキャピラリチャンネルの内部空間に直接接触した状態で一体化することである。しかしながら、これには、キャピラリチャンネルの壁から検出エレメントへの移行の現場で2つの材料の表面特性に急激な変化が起こりうるという欠点があり、この欠点は液体の移動を妨害し、あるいは完全に中断させる可能性がある。したがって、検査されるべき液体の検出エレメントへ向かう均一で同時進行の流れを保証することはできない。それどころか、湿潤、およびそれに伴う検出反応は、キャピラリ空間もしくはサンプルアプリケーション領域に面した検出エレメント領域では、もっと離れた部位よりも早く起こり、そのために、アナライトの、制御された均一の検出反応プロセス、および再現性のある測定を達成することは不可能である。
フリースもしくは類似の材料、および、特に、いわゆる「拡散性(spreading)」フリースもしくは織物といった毛細管作用のある材料がキャピラリチャンネルと検出エレメントとの間を連結しているテストエレメントは、同様の問題にさらされており、さらに液体移動用のフリース様材料については前記のような欠点がある。
EP-A-0 287 883は、容積測定のために検出層と不活性支持体の間のキャピラリ空間を利用するテストエレメントを記載する。このキャピラリ空間を満たすために、テストエレメントを検査するべきサンプルに浸すが、これは多量のサンプルを必要とし、そのために、このようなタイプの容積測定は、過剰に存在する尿のようなサンプルを検査するのに、より適している。この場合、キャピラリ空間は、容積測定のためにのみ使用される。サンプルアプリケーション領域と検出部位の空間的分離、ならびにキャピラリギャップによって引き起こされる検出部位へ向けた液体移動は、記載された装置では与えられない。その上、記載の装置では、検出エレメントそれ自体が、キャピラリ空間の一部となっている。
DE 197 53 847は、液体中のアナライトを定量するためのテストエレメントであって、毛細管液体移動の可能なチャンネル、および検出エレメントを不活性支持体上に有するテストエレメントを記載する。この発明によれば、毛細管液体移動を行うことができるチャンネルの特徴は、それが少なくとも部分的には、支持体および検出エレメントから成り、さらに、毛細管移動の方向に、サンプルアプリケーション開口部から、少なくとも、通気孔に最も近い検出エレメントの末端まで延びていることである。この実施形態に特有の欠点は、検出エレメントが、液体の毛細管移動を可能にするチャンネルの直接構成要素である点である。結果として、チャンネルの個々の成分の異なる表面特性が、毛細管移動の障害もしくは中断、または検出エレメントの不規則な湿潤といった上記の問題を引き起こし得る。その上、チャンネル内で検査されるべき液体それ自体が、検出エレメントの試薬と直接接触し、そのためにこの実施形態において、移動の場と検出領域の間に空間的な分離が存在しない。
DE-A 31 51 291より、生体液を分析するための装置が知られているが、これはセルフフィリングの計量用チャンネルを持つ支持体、ならびに濾過層および試薬材料層を有する積層構造を含んでなる。このテストキャリアにおいて、サンプル液は毛細管力によってテストチャンネル内へ移動し、このチャンネルからその上に配置された積層構造に入るが、ここで、分析装置の加熱後に標的アナライトの検出反応が生じる。この装置において、孔径1μm未満の微小孔を有する膜が、濾過層としてキャピラリチャンネルの上を覆うカバーとなっている。前記発明によれば、この濾過膜は試薬材料層を細胞構造のような妨害成分から分離する役割を果たしている。この濾過膜の主な目的は、試薬材料層で分析される前に液体サンプルを処理してその組成を変えることであって、それはそのようにしてすでにアナライトの検出に関与する。これに関する欠点は、1μmに満たない微小孔開口部によってのみ、液体の試薬材料層へのきわめてゆっくりした浸透が可能となるため、結果的に測定時間が長くかかることである。詳細には、粒子もしくは細胞を高い濃度で含有する、血液のような溶液を使用するときは、膜の孔径が小さいために濾過膜は目詰まりを起こしやすいと考えられるので、検査すべき液体の検出領域への移動は損なわれ、途絶える可能性がある。したがって、すべての場合に、アナライトの検出が実施できて再現性があることを保証できるというわけではない。もう一つの欠点は、アナライトを定量するためにサンプルを入れた分析装置を加熱しなくてはならないことである。したがって、この分析装置の使用はどうしても実験室に限定される。
DE 196 29 657は、診断用テストキャリアを記載するが、これは支持層上に1以上の検出層を含有し、さらに検出層を覆う網目状構造物を含有するものであって、この網目状構造物は検出層より大きく、支持層に取り付けられている。アナライトを定量するために、網目に直接、検査すべき液体を付け、液体は網目を通って検出層に流れ込む。この場合、サンプルアプリケーション領域および検出領域は、垂直軸方向に上に重ねて配置され、その結果、このような積み重ね状の配置に関連した前記の問題を生じる。アナライトの定量の前に、水平方向に、サンプルアプリケーション領域から、離れた検出層へ、たとえばキャピラリチャンネルによって、検査すべき液体が明確に移動することはない。ここで、この網目状構造物の目的は、網目状構造物を通して、過剰な液体を検出層から除去し、検出層を超えて広がる網目状構造物の部分へと移動させることである。このために、網目状構造物の厚さは、先端のカバーおよび下の支持層が互いにかなり離れているために、飽和した検出層を超えていっぱいに満たされた網目状構造物の網目の中の残りの液体が毛細管力によってカバーの下の領域に吸収され、サンプルアプリケーション領域から除去されるほどの厚さとすべきである。これらの領域では、網目状構造物自体の内部の毛細管力に起因して、もしくは網目状構造物とカバーもしくは支持層との間の毛細管力のために、液体の移動は横向きであるが、これは網目状構造物がより大きなキャピラリギャップの壁を形成するような毛細管力によるのではない。記載された装置の網目状構造物は他の要件を満たさなければならないため、この網目状構造物は、やはり、本発明の網目状構造物と比較して異なる幾何学的パラメーターおよび材料特性を有する。
本発明の目的は、先行技術の欠点を取り除くことである。詳細には、本発明は、操作の簡単な自己容積測定テストエレメントの提供を目的とするが、ここでこのテストエレメントは、最小量のサンプルを用いて検出領域とサンプルアプリケーション領域の空間的な分離を可能にするものである。加えて、サンプルアプリケーション領域からの、および検出領域への、液体の移動は、サンプルを分析するために必要とされる時間に制限を課すことのないように、可能な限り迅速でしかも完全であるべきである。詳細には、いくつかの検出エレメントを有するテストエレメントの場合、液体サンプルが個々の検出エレメントにできる限り同時に、キャリーオーバーの問題もなく到達することが保証されるべきであって、このようにして個々の検出反応は可能な限り同時に開始することができる。その上、テストエレメントの単純な構造は、経済的で、技術的に容易な製造を可能にするはずである。
この目的は、特許請求の範囲および明細書において特徴づけられる本発明の主題によって達成される。
本発明は、液体中の少なくとも1つのアナライトを定量するための分析用テストエレメントに関するものであるが、これは支持体、検出エレメント、および毛細管液体移動を可能にするチャンネルを含んでなり、その特徴は毛細管液体移動の可能なチャンネルが、少なくとも一部は、親水性の網目状構造物(network)によって形成されることである。ここでこの網目状構造物は、片側で少なくとも部分的にチャンネルの内部に接し、反対側では少なくとも部分的に検出エレメントと接しており、チャンネルから網目状構造物を超えて検出エレメントへ液体を移動させることができる。もう一つの本発明の主題は、液体中のアナライトを定量するために、このような分析用テストエレメントを使用すること、ならびに、このような分析用テストエレメントを用いて液体中のアナライトを定量する方法である。
毛細管液体移動可能なチャンネルは、少なくとも部分的に親水性網目状構造物に隣接する。本発明によると、1つまたは複数の検出エレメントは、網目状構造物のキャピラリギャップから離れた側と接している。したがって網目状構造物の少なくともある程度の部分領域は、キャピラリギャップと検出エレメントの間に位置する。網目状構造物はキャピラリギャップの境界面に相当し、液体サンプルがサンプルアプリケーション領域からキャピラリギャップを通過して、検出領域の下にあるが網目状構造物によって分離されるキャピラリギャップ領域へ移動することを可能にする。網目状構造物およびキャピラリチャンネルの表面特性および幾何学的寸法は、テストエレメントが本発明にしたがって機能する、機能の仕方にとって決定的に重要である。このようにして、たとえば、好ましい実施形態において、液体サンプルは、液体がはじめに網目状構造物を超えてキャピラリギャップを離れることなく、サンプルアプリケーション領域からキャピラリギャップ領域を通って反対側の通気孔まで、2,3秒のうちに移動される。この実施形態において、微量の血液30μlが、たとえば、幅約2mm、高さ約200μmで長さ約25mmのキャピラリギャップ領域全体を、およそ3−5秒以内に満たすことができる。これは、液体サンプルの流れが非常に迅速に、実質的に同時に検出エレメントに到達することを可能にする。
常圧のような通常の条件下で、液体は、本発明によってのみ網目状構造物を通過して、1以上の検出エレメントが網目状構造物の反対側に存在するその場所でそれぞれの検出エレメントに流れ込むことができる。このことは、検出エレメントと、網目状構造物のキャピラリギャップから離れた方に向いた側との直接的な接触を必要とする。
驚くべきことには、網目状構造物、キャピラリギャップおよび検出エレメントが適当な表面特性および幾何学的寸法を有し、個々のエレメントが相互に適当な関係で配置されるとき、キャピラリギャップが速やかに満たされ、続いて検出エレメントがほぼ均一に、しかも同時に湿潤することが判明した。このことは、アナライト定量の精度および再現性を高める。
液体の毛細管移動を行うことができるチャンネルもしくはキャピラリギャップの幾何学的寸法および容積は、測定されるべきサンプル容積に合わせることができる。チャンネルが基本的に長方形の断面を有する好ましい場合について、ある寸法、たとえばチャンネルの高さは、毛細管作用の物理的限界から決定される。次に、長さおよび幅といった他の2つの寸法を適当に選択することによって、キャピラリチャンネルの容積を調整することができる。水性の液体の場合、キャピラリの高さは、10から500μm程度の大きさであるが、20から300μmまでが好ましく、50から200μmまでが特に好ましい。希望の容積に応じて、次に幅を数mmとすることができるが、好ましくは1から5mmであり、最も好ましいのは1から3mmまでである。さらに、長さは数cm以下とすることができるが、好ましくは0.5から5cmまでであり、1から3cmまでがもっとも好ましい。しかしながら、チャンネルの毛細管特性は、幾何学的寸法に左右されるだけでなく、他のパラメーター、たとえば、チャンネル壁の表面特性および疎水性、またはサンプル液のレオロジー特性にも依存する。前記の寸法は、限定として見なされるべきではなくて、むしろ例として考えられるべきである。チャンネルの特性をそれぞれの要件に適合させることができるように、当業者はキャピラリギャップの最適な寸法および表面特性を決定することができる。
キャピラリギャップは、主として支持体からなり、その支持体は、特に、網目状構造物で覆われた場所でキャピラリチャンネルを形成することができるようにデザインされる。好ましい実施形態において、このような目的のために、支持体中に、対応する凹所を、たとえばエンボス加工、エッチング加工もしくは圧延加工して作製する。別の実施形態において、キャピラリチャンネルの幾何学構造は、本来、支持体の形によって決定されるものではなく、主として、付け加えられた中間層によって決定される。この場合、将来キャピラリチャンネルとなる領域に接する側が互いに、将来のキャピラリギャップの幅に相当する距離をおくように、1または複数のスペーサーを支持体に付けることが好ましい。この場合、将来のキャピラリギャップの高さは、スペーサーの高さによって決定される。将来のキャピラリギャップの長さは、スペーサーの長さによって決定することができる。
特に好都合なことに、両面接着テープで中間層を作ることができるが、キャピラリチャンネルの幾何学構造を決定することに加えて、このテープを用いて、毛細管作用ゾーンの形成に関わる他の構成要素、すなわち支持体および網目状構造物を結合することもできる。
好ましい実施形態において、将来のキャピラリチャンネルの形態は、中間層のためのデザイン、もしくはスペーサーのデザインによって与えられる。このように、スペーサー材料に穴をあけ、切削することによって、たとえば、ある特定の領域を、専用のサンプルアプリケーション領域もしくは通気孔として機能するように設計することができる。
また別の実施形態において、2つの両面テープが、中間層およびスペーサーとして、互いに距離をおいて支持体に取り付けられるが、ここでこの距離は、キャピラリチャンネルの幅に相当する。次に、その両面接着テープの上に網目状構造物を取り付けることによってキャピラリチャンネルを形作ることができる。
キャピラリギャップの壁面、特に支持体材料および最終的な中間層には、検査すべき液体を吸収しない不活性材料を使用することが好ましい。この不活性材料は、詳細には、不浸透性材料であって、そのプラスチック箔は、たとえばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネートもしくはポリアミドを材料とすることが特に好ましい。金属箔、セラミックスもしくはガラスは、さらなる支持体材料として適している。しかしながら、木、紙もしくは厚紙といった浸透性材料に撥水剤を含浸させることも可能である。
キャピラリギャップの末端はサンプルアプリケーション開口部および通気口に隣接する。サンプル液がキャピラリチャンネルに入ることを保証するように、サンプルアプリケーション開口部を設計することが好ましい。たとえば、これは、特に、サンプル液滴をキャピラリの対応する末端に接触させることによって、サンプル液滴を、キャピラリの内部表面の1つを形成する、表面の1つと直接接触させることができるという事実によって、達成することができる。しかしながら、サンプルアプリケーション開口部はまた、キャピラリギャップを形成する壁面の少なくとも1つに切り込みを入れることによって形成することができる。切り抜き部分の幾何学形態および大きさを適切に選択することによって、液滴が、アプリケーションの厳密な位置とは無関係に高い確率で毛細管作用ゾーンに接触して、容易にキャピラリの内部に吸収されることが保証される。たとえば、露出表面の大きさは、それに載せた液滴の少なくとも一端が毛細管作用ゾーンに接触するように選択される。たとえば、切り抜き部分の1つの寸法、すなわち幅は、液滴の直径がこの切り抜き部分の選択された寸法よりわずかに大きくなるように選択される。3μlの液滴の場合、切り抜きの幅は1mmが適当であると判明しており、これに対応して、より大量の液体には、より大きな切り抜きが適している。サンプル液滴は、特に好ましくは、切り抜きによって露出された表面が親水性化されることによってキャピラリチャンネルに吸収され、直接、毛細管作用ゾーン内に、少なくとも毛細管移動チャンネルに向かって、流れ込む。このように特別にデザインされたサンプルアプリケーション開口部もしくは通気口を作製する好ましい方法は、特別に穴をあけた、もしくは適当な大きさに切った中間層、たとえば、両面接着テープを、前記のように使用することである。このような実施形態は、たとえばWO 03/095092に記載される。他の好ましいサンプルアプリケーション開口部は、その開口部が1滴のサンプル液と直接接触することができるように、さらにその後この液滴を毛細管力によって検出エレメントに移動させることができるように、設計される。このような実施形態は、たとえば、DE 197 53 850 A1に記載される。
液体を吸収するキャピラリの性能は、チャンネル表面を液体で湿らせる能力によって決まる。水性サンプルの場合、このことは、キャピラリが水の表面張力である72mN/mに近い、もしくはそれを超える表面張力を有する材料で作られなければならないことを意味する。これに関連して、親水性表面は水を引きつける表面である。こうした表面上では水性サンプルは、血液も含めて、よく広がる。このような表面は、なかでもとりわけ、境界面で水滴がその表面上に鋭角の縁もしくは接触角を形成することを特徴とする。これに対して、疎水性の、すなわち水をはじく表面上の水滴と表面の間の境界面では鈍角の縁が形成される。
水性サンプルを速やかに吸収するキャピラリを構築するために十分親水性の材料は、たとえばガラス、金属もしくはセラミックである。しかしながら、テストキャリアに適用する場合には、これらの材料の適合性には限界があり、それはこれらの材料が、ガラスもしくはセラミックの場合には破損の危険、あるいは多くの金属の場合には時間経過とともに表面の性質が変化するといった、いくつかの欠点を有することによる。したがって、プラスチック箔もしくは成形部品が、テストエレメントを製造するために通常使用される。使用されるプラスチックは、通常、45 mN/mの表面張力を上回ることはほとんどない。ポリメタクリル酸メチルもしくはポリアミドのような従来のプラスチックのうちでもっとも親水性の高いものを用いても、たとえできたとしても、非常にゆっくり吸収するキャピラリを構築することができるのみである。したがって、毛細管作用のあるチャンネルをもつテストエレメント用の構成材料として使用するために、プラスチックを親水性にする、すなわち親水性化する必要がある。
本発明の分析用テストエレメントの好ましい実施形態において、少なくとも1つ、より好ましくは2つ、なかでも好ましくは2つの向かい合った、毛細管液体移動が起こりうるチャンネルの内部表面の側面を、親水性化する。詳細には、親水性網目状構造物が、こうしたキャピラリギャップの親水性内部表面を形成する。2つ以上の表面が親水性化される場合、その複数の表面は同じ方法でも異なる方法によっても親水性とすることができる。
たとえば非極性プラスチックで作られているために、毛細管作用のあるチャンネルを形作る材料、特に支持体、それ自体が疎水性である場合、もしくはごくわずかに親水性を示すのみであるときには、特に親水性化が必要である。たとえば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリ塩化ビニルといった非極性プラスチックは、検査されるべき液体を吸収せず、したがってそのサンプル量をアナライト定量のために有効に利用することができるため、支持体材料として好都合である。キャピラリチャンネルの表面の親水性化は、水性サンプル液が容易にキャピラリチャンネル内に入り、そこから検出エレメントへ迅速に移動するという効果がある。
理想的には、製造のために、それ自体はサンプル液を吸収できない、または有意に吸収することができない親水性材料を使用することによって、キャピラリチャンネルの表面を親水性化する。これが不可能ならば、サンプル材料に対して不活性な親水性の層による安定なコーティングによって、すなわちたとえば、プラスチック表面上に光反応性、親水性ポリマーを共有結合させることによって、または湿潤剤を含有する層を付けることによって、またはゾル-ゲル技術により表面をナノ合成物でコーティングすることによって、疎水性もしくはごくわずかに親水性の表面を親水性にすることができる。疎水性キャリアを、たとえば箔の形で完全に親水性の表面を付けることによって親水性にすることもできる。さらに、表面の熱処理、物理的処理もしくは化学的処理によって、すなわちたとえば、表面をスルホコハク酸ジオクチルナトリウムまたはサルコシン酸オレオイルのような湿潤剤で処理することによって、親水性を高めることができる。
液体サンプルをできる限り完全に検出エレメント用に利用できるように、本発明の診断用テストキャリアの網目状構造物は、それ自体は毛細管活性を有してはならず吸収性であってはならない。垂直に水中に入れたときに、水を2 mm未満の高さまでしか上昇させられない網目状構造物が、特に適していることが判明した。網目状構造物としてモノフィラメントの親水性織物を使用することが好ましい。織物材料それ自体が親水性であることも、たとえば湿潤剤による処理によって親水性とすることも可能である。
網目状構造物の網目の幅は、本発明のテストエレメントが最適に機能するために決定的な役割を果たす。
網目状構造物の網目の幅は、好ましくは、ある一定の限度内であるべきである。一方では、網目状構造物の個々の構成成分間の距離は、液体が網目状構造物から漏れ出ることなく、また毛細管輸送の途絶を生じることもなく、キャピラリギャップ内で側面に沿って液体を移動させることができるよう、大きすぎないようにすべきである。他方では、網目状構造物の個々の構成成分間の距離は、網目状構造物と、網目状構造物に直接接触していない検出エレメントの毛細管活性相互作用の結果生じる毛細管力、または検出エレメントそれ自体の毛細管活性によって、液体を検出エレメントに迅速に運ぶことができるよう、小さすぎないようにすべきである。毛細管作用のあるエレメント、特に毛細管作用のある検出エレメントがキャピラリギャップから離れた網目状構造物の向こう側に直接接触する場合、液体は網目状構造物それ自体を通過して運ばれるのみである。このような毛細管作用のある検出エレメントと、それ自体は毛細管作用を持たない網目状構造物の間の接触の結果として、毛細管作用のある空間が、別途、これら2つのエレメントの接触ゾーンに形成され、そこで液体をキャピラリギャップから網目状構造物を超えて検出エレメントに移動させることが可能となる。
網目状構造物の厚さもまた重要である。キャピラリチャンネル、網目状構造物および検出エレメントの間の接触ゾーンに途切れない毛細管作用空間が生じるように、網目状構造物の厚さは、好ましくは、上にある検出エレメントがキャピラリギャップの内部空間から一定の距離をとるような範囲にあるべきである。とりわけ、こうした毛細管作用空間は、網目状構造物と検出エレメントの裏面の間の空間に存在すべきである。結果として、液体サンプルは液体で湿潤した網目状構造物の網目を越えて検出エレメント内に、毛細管力によって吸収されることになる。
驚くべきことに、網目幅が10から500μmの間、好ましくは20から300μmの間、特に好ましくは50から150μmの間であって、繊維もしくは金属線の直径が10から300μmの間、好ましくは30から150μmの間、特に好ましくは50から100μmの間であり、厚さが10から500μmの間、好ましくは20から300μmの間、特に好ましくは50から150μmの間の網目状構造物が上記に特に適していることが明らかになった。この網目状構造物は親水性繊維からなることが望ましい。驚くべきことに、結局、繊維の表面が親水性化されていれば、非親水性で安価な、言い換えると手軽に加工できる繊維を使用することもできることが明らかになった。ポリエチレンテレフタレートが、特に好ましいネット材料として使用され、この材料から作られた網目状構造物はその後処理されて、ジオクチルナトリウムもしくはサルコシン酸オレオイルといった湿潤剤で親水性化される。
しかしながら、本発明の意味において網目状構造物という用語は、モノフィラメント繊維に限定されない。原則として、本発明の意味において、網目状構造物としてあらゆる材料を使用することが可能であり、それが、巨視的もしくは微視的構造の結果として、一方では液体がキャピラリギャップ内を移動する間に材料から漏れ出さないように、キャピラリギャップの成分として機能することを可能とし、さらに他方では、それを通過して液体サンプルをキャピラリギャップからその材料を通って検出エレメント内へと通過することができる検出エレメントとの直接接触によって連続するキャピラリ空間の形成を可能にする。直径が10から500μmの間、好ましくは20から300μmの間、特に好ましくは50から150μmの間の空隙を有する材料が特に適当である。こうした材料は、詳細には、モノフィラメント薄織物に加えて、ポリフィラメント繊維、編み地、または篩もしくは孔構造とすることができる。
網目状構造物は、テストエレメントが本発明にしたがって機能することを可能にするために、必ずしもキャピラリギャップの完全な側面を形成しなければならないわけではない。好ましい実施形態において、網目状構造物は、キャピラリギャップの壁面の一部を形成するだけでもよい。しかしながら、こうした場合、キャピラリギャップの内部空間から検出エレメント内へ液体を移動させることができるように、網目状構造物は少なくとも一部は、キャピラリギャップの内部空間に直接接触し、しかも少なくとも一部は検出エレメントに直接接触しなければならない。このような実施形態は、網目状構造物自体が高価である場合、特に好ましい。この場合、網目状構造物が検出エレメント領域内のキャピラリギャップの構築にのみ関与する、このような実施形態によって、製造コストをかなり引き下げることができる。
本発明にしたがって、境界として網目状構造物を有する、毛細管作用のあるチャンネルを使用することは、驚くべきことに、下記の利点を有する。
- 毛細管液体移動を行うことができるチャンネルはごく短時間に、検査されるべき液体で満たされ、この液体が基本的に均一に、しかも同時に、網目状構造物を通過して隣接する検出エレメント内へ移動するため、これによって、検出エレメントの液体サンプルによる不均一な湿潤、およびそれによる測定の錯誤を回避することが保証される。
- ほぼ均一に、かつ同時に検出反応を行うことができる。
- その上、キャピラリチャンネル内の液体容積を、正確に、しかも再現可能となるように、キャピラリチャンネルの幾何学的寸法によって、定量することができる。このように本発明のキャピラリギャップは、サンプル液の容積測定機能も果たす。したがって測定の精度および再現性は高まる。
検出エレメントにおける検出反応の経時変化もしくは結果が、空間的に正確に定められた領域、たとえば光学的検出の場合には専用の機器において検出され、したがって、たとえば機器の清潔に関する理由から、サンプルアプリケーション領域および検出ゾーンを分離することが望ましいテストエレメントの場合、毛細管作用のあるチャンネルを使用することは、液体サンプルがテストエレメントのサンプルアプリケーション開口部から検出エレメントの検出部位へきわめて迅速に移動するというさらにもう一つの利点を有する。したがって、いかなるときも、このことがサンプルの分析に制限を課すことはない。その上、このような配置を、ユーザーはより快適に使用することができる。
すでに述べた利点に加えて、本発明のテストエレメントはさらに利点を有する。サンプルアプリケーション領域、およびサンプルの容積測定を伴うシグナル検出の空間的分離は、サンプル材料を衛生的に取り扱うことを可能にする。特に、たとえば反射光度計を用いた光学的検出の場合、サンプルをたとえば、機器から突出したテストエレメントに付けることができるため、機器の内部にあるテストエレメントの検出ゾーンに対してこれ以上の対策をすることなしに、上記は機器の汚染をおおむね排除し、アナライトを定量するために必要な量のサンプルはキャピラリチャンネルに吸収されて、自然に定量的に移動する。
その上、本発明のテストエレメントは、特に好ましい実施形態において従来のテストエレメントよりきわめて小量のサンプル材料しか必要としない。これは、厳密に検出部位でのサンプルの流れを最適化することによって、および非吸収性で、それ自体は毛細管作用のない網目状構造物の特性によって達成されるが、ここでこの特性は、添加された検査すべき液体の全量が実際の検出反応に利用できるという効力を示す。特に、サンプルが血液である場合、これは、検査を受ける人のためにサンプル採取を簡単にすることができ、なによりも、痛みの軽減に結びつく。
検出エレメントは、サンプル中の標的アナライトの検出反応に必要な試薬、および場合によっては、補助的な物質を含有する。検出エレメントはまた、試薬または補助的物質の一部のみを含有することもある。こうした試薬および補助的物質は、分析用テストエレメントもしくは診断用テストキャリアの技術に精通する当業者によく知られている。たとえば、酵素、酵素基質、阻害物質、緩衝塩、不活性充填剤などを、酵素的に検出されるアナライト用の検出エレメント内に含有することができる。検出アナライトは1以上の層から構成され、さらに、サンプルと接触しない検出エレメント側にカバーを有することが好ましい。検出反応が観察可能な色の変化をもたらす特に好ましい場合について、これに関連してこの変化は、色の生成であれ、色の消失であれ、いずれも色の変化として理解されるべきであるが、適当な測定器具による検出反応の視覚的もしくは光学的観察を支持体が可能にすることが保証されなければならない。この目的のために、支持体材料および網目状構造物、もしくは、あるとすれば検出エレメントのカバーは、それ自体透明である、または、支持体材料および網目状構造物、もしくはあるとすれば検出エレメントのカバーは、検出側に透けて見える切り抜き部分を有する。検出エレメントがカバーで囲まれていないならば、検出エレメントの色の変化を、好ましくは反射光度計測定によって直接、定量することもできる。
結果として色の変化を生じる検出反応に加えて、記載のテストエレメントを用いて実施することができる他の検出方法、たとえば、電気化学センサー、または化学的、生化学的、分子生物学的、免疫学的、物理学的、蛍光定量的もしくは分光学的検出法も当業者に知られている。
検出エレメントには、アナライトが含まれている検査すべき液体を、吸収することができる材料を使用する必要がある。これは、詳細には、フリース、織物、編地、紙もしくは多孔質プラスチック材料である。適当な材料は、定量されるべきアナライトの定量を可能にする試薬を保持することができなくてはならない。検出エレメントのために好ましい材料は紙、もしくは膜のような多孔質プラスチック材料である。特に好ましい多孔質膜材料はポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホンおよびポリスルホン膜である。検出すべきアナライトを測定するための試薬を、そうした試薬を上記材料に浸透させることによって、取り込むことができることが好ましい。
いわゆるオープンフィルムがEP-B-0 016 387に記載のように、検出エレメントに特に適している。この場合、水分散型のフィルム形成有機プラスチック固体が、微細で不溶性の有機もしくは無機粒子として加えられ、検出反応に必要な試薬がさらに添加される。適当なフィルム形成剤は、望ましくは、ポリビニルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリスチレン、混合ポリマーであって、たとえばブタジエンおよびスチレンの混合ポリマー、またはマレイン酸エステルおよび酢酸ビニルもしくは他のフィルム形成性の、天然および合成有機ポリマーの混合ポリマー、および水分散型の形をとるそれらの混合物といった有機プラスチックである。検出反応に必要な試薬は、通常、オープンフィルムを調製するために用いられる分散系に添加されるが、作製されたフィルムに、その作成後に試薬を浸透させることも好都合であるかもしれない。充填剤に試薬をあらかじめ浸透させることも可能である。特定のアナライトを定量するために使用することができる、可能性のある試薬は当業者に知られている。
検出エレメントに、妨害サンプル成分を検出反応から排除することを可能にし、したがってたとえば血球のような粒子状のサンプル成分に関してフィルターとして機能する成分を与えることも可能である。たとえば、赤血球に含まれる赤い血色素ヘモグロビンは、視覚的もしくは光学的検出法の場合には、血液サンプルの分析を妨害する。これらの妨害成分を、たとえば全血のようなサンプルの実際の検出反応の前に除去することは好都合である。これは、たとえば全血を遠心後血清もしくは血漿を分離することによって、サンプルをテストエレメントに付ける前にサンプル調製によって達成される。適当な構造によってテストエレメント自体がこのような分離を行うならば、ユーザーにとってより便利で、簡単でもある。当業者は、テストストリップ技術から、赤血球および他の妨害血液成分の確実な排除を保証する手段を承知している。たとえば赤血球を分離するためにEP-B-0 045 476から知られているように、半透膜またはガラス繊維フリースを用いることができる。
当業者に知られている方法で、検出エレメントを網目状構造物と接触させることができる。はじめに検出エレメントを網目状構造物上に置き、次に検出エレメントの少なくとも2つの側面の、好ましくは向かい合う縁の部分を網目状構造物に接着剤で付けることが特に好ましいと判明した。それは少なくとも、キャピラリギャップの進路に直角な側面に付けることが特に好ましい。このように、接触表面自体を接着剤で汚染することなく、検出エレメントを固定して直接、網目状構造物に接触させることができる。特に好ましい実施形態において、この接着は、ホットメルト接着剤によって行われる。溶接のような他の接触および接着方法は、当業者に知られている。
検出エレメントの寸法は、必ずしもキャピラリチャンネルもしくは網目状構造物に合わせる必要はない。詳細には、検出エレメントは、網目状構造物とつながれているが、キャピラリギャップとは流体の連絡のない領域を含有することができる。こうした領域は、たとえば、キャピラリギャップの側面境界面の向こう側にある検出エレメントの領域である。このような場合、検出エレメント自体が、液体が検出エレメントの全容積にわたってさらに分配されることを保証するような、そういった検出エレメントを使用することが好都合であると判明した。このような検出エレメントは、たとえば、液体サンプルを検出エレメント内部にさらに分散させるフリース構造を有することができる。このような場合、網目状構造物を通過する液体の移動は、なによりも、キャピラリギャップの内部空間と検出エレメントとの間の液体の接触を行わせ、それによって検出エレメント内への液体の流れを確実にするのに役立つが、これに対して、検出エレメント内部の液体の分散は、検出エレメント自体の特殊な構造による。このような配置は、テストエレメントが工業規模で製造されるとき、同じ幅の網目状構造物および検出エレメントの使用が製造プロセスを相当に簡素化するため、特に好都合であると考えられる。
驚くべきことに、本発明のテストエレメントは単一のテストエレメント上で数個のパラメーターを決定するために特に適しているという結果となった。この目的のために、テストエレメントは、1つの検出エレメントだけでなく、むしろ、好ましくは異なるアナライトを検出することができる、数個の検出エレメントを含有する。しかしながら、アナライト定量の感度もしくは特異性を増加させるために、または検出可能な濃度範囲を拡大するために、テストエレメント上に、同一のアナライトを検出する、数個の検出エレメントを置くこともできる。この場合、同一の、もしくは異なる検出反応を用いることができる。
テストエレメントが、マルチパラメーターテストストリップとしてデザインされるならば、検出エレメントは液体の流れの方向に次々と後方に配置されることが好ましい。
すでに述べたように、サンプル液を移動させ、または分配するためにフリースもしくは類似の材料を使用するテストエレメントの場合、こうした材料中の液体の移動は、比較的ゆっくりしているため、個々のテストエレメントへのサンプル液の流れは相当に遅れ、したがって、個々の検出エレメントにおける検出反応の開始に遅れが出ることになる。これは、言い換えると、検出の再現性をかなり低下させる。数個の検出エレメントを通過して液体がゆっくりと移動するため、やはり、キャリーオーバー、もしくは枯渇という人為的結果を生じ、したがって不正確なアナライト定量となる可能性がある。その上、こうしたテストエレメントでは、液体サンプルの大部分がフリースそれ自体に閉じこめられたままであるため、サンプル供給の問題がしばしば生じる。添加されるサンプル液体があまりにも少なすぎると、後ろの検出エレメントはもはや正確なアナライト定量のために十分なサンプル液を受け取ることができない。これに対して、あまりにも多くのサンプル液を付けると、特に最初のテストエレメントにおいて、サンプルの過剰供与が生じる可能性がある。それに加えて、上記のような、サンプル量が多いことに関する患者にとっての不都合が生じる。
驚くべきことに、キャピラリギャップと境を接する本発明の網目状構造物の使用によって、前のマルチパラメーターテストエレメントに関する上記の問題を排除することができる。
本発明のキャピラリギャップの結果として、ごく短時間のうちにキャピラリギャップの全長にわたって液体容積が移動して分配されるため、それぞれ個々の検出エレメントへの液体サンプルの流れは、ほぼ同時である。したがって、検出反応は、基本的に同時に、しかも正確に規定された方法で始まり、したがって再現性および測定の精度を高める。さらに、キャリーオーバーの問題は回避される。その上、網目状構造物自体は毛細管作用を持たないため、検出エレメントの領域において、液体をキャピラリギャップから移動させることができるだけである。このこと、および網目状構造物自体が固有の毛細管活性容積を持たないという事実は、必要なサンプル量を相当減少させ、それは患者へのマイナス効果を低減する。
特に好ましい実施形態において、数個の検出エレメントを網目状構造物上に次々と後方に配置し、それぞれは、個々の検出エレメントを接着するために、および/または分離するために用いられる領域によって分離される。これらの接着および分離領域は、液体をはじく特性、特に疎水性特性を示し、それぞれの検出領域に直接隣接する。結果として、それらは液体の移動を制限するため、液体は、キャピラリギャップから網目状構造物を通って検出エレメント内へ、液体が個々の検出エレメントの間の空間に到達できることなく、移動するのみである。これは、あらためて、キャリーオーバーの問題、および必要なサンプル量をかなり低減する。
驚くべきことに、個々の検出エレメントを付けるためのホットメルト接着剤の使用は、個々の検出エレメントを互いに分離するためにも使用することができるという結果となった。このために、個々の検出エレメントを最初に網目状構造物上に取り付ける。次のステップで、個々の検出エレメントをホットメルト接着剤で接着するが、キャピラリギャップに対して直角の検出エレメント側面が好ましく、ホットメルト接着剤を液体状にしてそれぞれの検出エレメントの端に付け、下部の網目状構造物に流し入れて冷却するという、当業者に知られた方法で接着する。その結果、検出エレメント自体が、網目状構造物と直接接触するように固定され、他方では、それらの間の空間において疎水性ホットメルト接着剤によって相互に分離される。粘度、融解温度、および冷却速度といったホットメルト接着剤の特性および処理条件は、ホットメルト接着剤が網目状構造物に流入し、検出エレメントを網目状構造物に接着し、検出エレメントを互いに他から分離するが、網目状構造物を通過してキャピラリギャップ、それ自体には流入しないように、当業者が選択することができる。ここで、上記はキャピラリギャップ内部での液体の移動に重大な影響を及ぼし、あるいは移動を妨げることさえある。
このようなマルチパラメーターテストエレメントは、特に好ましいことに、診断に関わるアナライトの検出に使用できる。したがって、たとえば、数個の異なるアナライトの濃度、またはその有無が、ある特定の臨床像が存在する場合に特徴的にそれぞれ変化することが知られている、そういった複数のアナライトを、1つの共通テストエレメントで判定することができる。数個のこうした関連パラメーターを同時に測定することによって、迅速診断を可能にする単一操作で、複数の異なるアナライトを同時に定量することが可能になる。その上、個々の分析結果の具体的な組み合わせを考慮することによって、1つのパラメーターを観察しただけでは不可能な診断を下せることが多い。とりわけ、診断法の特定性および/または感度をこのようにして高めることができる。このようなマルチパラメーターテストエレメントを、たとえば、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールおよび/またはトリグリセリドのための検出エレメントを有する脂質パネルとして設計することができる。他の可能性のあるマルチパラメーターテストエレメントとしては、たとえば、前述の脂質パラメーターおよびグルコースのような他のパラメーターを含めることができる。グルコースおよびグリコシル化ヘモグロビンおよび/または総ヘモグロビンを同時に定量するためのテストエレメントも可能である。
特に、本発明のマルチパラメーターテストエレメントは、心臓血管疾患のリスクの増加もしくはその存在に関連するパラメーターを測定するために使用することができる。このようなパラメーターは、詳細には、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールおよびトリグリセリドである。この場合、それぞれの検出エレメントは、前記のように網目状構造物上に次々と後方に固定される。1つのテストエレメント上に、コレステロール、HDLコレステロールおよびトリグリセリド用の検出エレメントを組み合わせるのが特に好ましい。このための検出エレメントは、当業者に公知の方法で製造できる。詳細には、この場合、検出エレメントは、反射率測定によるアナライト定量に使用される検出法を基本とすることができる。このような検出法は、たとえば、Reflotron(登録商標) HDL Cholesterol, Reflotron(登録商標) CholesterolおよびReflotron(登録商標) Triglycerides(いずれもRoche Diagnostics社製、Mannheim, Germany)のデータシートに記載される。
本発明の前記態様は、単独でも、いずれの組み合わせでも、使用することができる。
本発明のもう一つの主題は、本発明の分析用テストエレメントを、液体中のアナライトを定量するために使用することである。
さらに、本発明はまた、液体サンプル、特に、血液、血漿、血清、尿、唾液、汗などのような体液中のアナライトを、本発明の分析用テストエレメントを用いて定量する方法にも関わる。詳細には、本発明は液体中のアナライトを、本発明の分析用テストエレメントを用いて定量する方法に関するが、ここで、前記液体は、好ましくは特別に形作られたサンプルアプリケーション領域においてテストエレメントと接触し、その液体は、少なくとも検出エレメントの領域まで、液体移動可能なチャンネル内を毛細管力によって移動し、検出エレメント領域においては網目状構造物を通って検出エレメントまで移動し、そこで、検出エレメントに含有される試薬とともに、アナライト特異的検出反応を行うが、詳細には、検出反応は、視覚的に、または光学機器によって、好ましくは反射光度計によって、観察可能な検出反応である。こうした検出反応によって、測定されるべきアナライトの存在、および場合によってはその量を導き出すことができる。
この方法において、液体サンプルは最初にテストエレメントと接触させるが、特別に形作られたサンプルアプリケーション開口部で接触させることが好ましい。サンプル液は毛細管液体移動を行うことができるチャンネル内を毛細管力によって移動する。これは少なくとも、検出エレメントと反対側のキャピラリギャップ領域まで移動する。これらの領域において、液体サンプルは網目状構造物を超えて検出エレメント内に浸透することができ、さらに、検出エレメントに含有される試薬とともに、アナライト特異的な検出反応を行うことができる。詳細には検出反応は視覚的に、または光学機器によって、好ましくは反射光度計によって、観察可能な検出反応である。これを用いて、測定されるべきアナライトの存在もしくは非存在、および場合によってはその量を推定することができる。
添付の図面および実施例によって、本発明をさらに説明する。ここにおいて、図1から4は本発明のテストエレメントの好ましい実施形態を示す。
図1は、本発明のテストエレメントの特に好ましい実施形態のさまざまな略図(views)を示す(図1Aから1D)。図面を組み合わせることによって、本発明のテストエレメントの3次元イメージが与えられるであろう。図1Aは、テストエレメントの平面図を示すが、このテストエレメントで、支持体(1)は、この実施形態においては網目状構造物(3)および検出エレメント(4)によって完全に覆われているため、目に見えない。テストエレメントは支持体(1)からなるが、この支持体は、網目状構造物(3)によって覆われる領域において、その支持体が網目状構造物とともにキャピラリチャンネル(5)を形成するようにデザインされる。凹部を
支持体に、たとえばエンボス加工、エッチング加工もしくは圧延加工して作製することができる。示された実施形態において、支持体(1)は、図1DにおいてC-C’線にそった断面図に示すようにU字型をとる。
図1Bから1Cは、線A-A’, B-B’およびC-C’に沿ってテストエレメントを貫く縦断面図を示す。図1Bは、キャピラリチャンネルの側面の壁領域の縦断面図を示し、図1Cはキャピラリチャンネル領域の縦断面図を示す。
網目状構造物(3)は、支持体(1)に接着によって貼り付けることが好ましいが、溶接のような当業者に知られた他の方法によって付けることもできる。示された実施形態において、網目状構造物(3)は、支持体とともにキャピラリチャンネルを形成するように、支持体の基底面全体を覆って取り付けられ、それによって、液滴がサンプルアプリケーションのためにキャピラリチャンネル(5)に直接接触することが可能となる。チャンネルの開放構造のために、通気孔はキャピラリチャンネルのサンプルアプリケーション側と反対側にあり、それによって、チャンネルが毛細管力により液体で満たされたとき、空気を逃がすことができる。さらに、それによって、キャピラリチャンネルを完全に、均一に満たすことができる。その上、網目状構造物を通じて排出が生じるため、特別な排出孔の必要のない、テストエレメントの実施形態が実行可能である。この場合、網目状構造物は、最適な充填を保証するために、検出エレメントの後ろでの、またはマルチパラメーターテストエレメントの場合には最後の検出エレメントの後ろでの排出を確保するように、テストエレメントの他の構成成分と連結されることが好ましい。キャピラリチャンネル(5)は、サンプルアプリケーション部位から、検出エレメント(4)の下にある領域をこえて、反対側の通気孔まで伸びており、したがって、特に検出エレメント(4)の下にある領域において、サンプルの均一な分布を保証する。
検出エレメント(4)は、網目状構造物(3)とじかに接触している状態にある。当業者に知られた方法によって検出エレメントを網目状構造物(3)に取り付けることができる。しかしながら、液体サンプルが網目状構造物から検出エレメント内へ移動できるように気を配るべきである。この例において、検出エレメントは、キャピラリギャップの幅に相当する幅、およびキャピラリギャップの長さより短い長さを有する。他の実施形態では、検出エレメントの寸法は、それから逸脱する寸法も可能である。たとえば、特に、広い面積の検出エレメントを作製することが、経済的な、もしくは構造上の理由から意味をなさない場合には、検出エレメントの長さおよび/または幅は、キャピラリギャップの対応する寸法より小さくすることができる。他方では、特に、広い面積を持つ検出エレメントを作製することが実利的であって、ならびにテストエレメントのための対応する製造プロセスが、網目状構造物もしくは支持体と同じ幅を有する検出エレメントに向けて最適化されている場合には、検出エレメントの長さおよび/または幅を、キャピラリギャップの対応する寸法より大きくすることができる。これは、特に、個々の構成要素の組み立てが終わるまでは、たとえば、平らな中間製品を切断もしくは穴抜きすることによって、その最終的な形態に再分割されることのないテストストリップの場合である。このような場合には、検出エレメント(4)は特別の性質もしくは構造、たとえば、検出エレメント内での液体サンプルの均一な分布を可能にするフリース構造を有することが好ましい。
サンプルアプリケーション部位をサンプル液、たとえば指先の血液滴に接触させることによって、テストエレメントが使用される。その際に、サンプル液はキャピラリチャンネル(5)と接触するが、このチャンネルは、少なくとも検出エレメントの領域までいっぱいになるまで、毛細管力によってサンプル液で満たされる。このことは、本発明のテストエレメントのデザインのおかげで、きわめて短時間のうちに、好ましくは2,3秒のうちに起こる。その後、テストエレメントと残りのサンプル液との接触を、妨害することができるが、それはたとえば、テストエレメントを患者の指から取り除くことによる。なぜなら、本発明の操作態様は、アナライトを定量するために必要とされるサンプル量がテストエレメント内にごく短時間存在することを保証するからである。キャピラリチャンネル(5)がいっぱいになった後、液体サンプルは、本発明の網目状構造物の特性、ならびに、網目状構造物および検出エレメントの空間的配置によって通常生成されるキャピラリ空間の結果として、網目状構造物(3)を通って検出エレメント内へ移動する。そこで、検出反応が起こり、それによって、判定されるべきアナライトの存在もしくは非存在、またはその濃度を確認することができる。ある特定のアナライトを検出するために使用できる検出反応および検出法は、当業者に知られており、当業者は本発明の装置および方法において、これを使用することができる。
もう1つの特に好ましい実施形態を、図1に示すテストエレメントに代わる手段として、図2に示す。図2Aから2Dまでの部分図は、順に、本発明のテストエレメントの空間的な印象をあたえるはずである。示されたテストエレメントは、本発明にしたがって、毛細管液体移動を行うことができるチャンネル(5)を含有するが、このチャンネルは不活性支持体(1)、2つの中間層(2)および網目状構造物(3)によって形作られる。この場合、2つの中間層(2)が側面の境界を形成し、支持体(1)は底面をなし、網目状構造物(3)はキャピラリチャンネル(5)のカバーを形成する。この実施形態において、支持体が平面の形状をとることができ、それに凹部を導入するための追加の製造ステップもしくは作業ステップの必要がないことはとりわけ好都合である。この結果、本発明のこのようなテストエレメントに関して、さらに非常に簡単で安価な製造方法をもたらすことができる。この場合、キャピラリチャンネルの幾何学的構造は、中間層の寸法によって決定されると考えられる。したがって、キャピラリチャンネルの高さは実質的にそのキャピラリの性質を決定するが、その高さを中間層の厚さによって調整することができる。キャピラリチャンネルの幅は実質的にその断面、したがってその容積を決定するが、その幅は2つの中間層の間の距離によって調整される。このように、これはキャピラリギャップ内の液体サンプルの容積を決定し、したがって、この幾何学的パラメーターは容積測定に使用され、可能な限りの正確さでアナライトの定量を実施することを可能にする。キャピラリチャンネルの長さは、中間層の長さによって決定されると考えられるが、ここでその中間層の長さは実質的に、サンプルアプリケーション領域から検出エレメントまでの液体サンプルの移動経路の長さを決定し、したがってアプリケーション部位から検出部位までの距離を決定する。さらにこの距離は、やはり、もっとも簡単でもっとも衛生的な取り扱いのために決定的な役割を果たす。この場合、幾何学的パラメーターである長さ、幅、および高さは、必ずしも本文に記載の機能をかなえる必要はないが、むしろ、いくつかの個々のパラメーターが他のパラメーターの機能をすることも可能であり、または同時にいくつかの機能を果たすこともできる。このように、中間層の高さを適切に選択することは、その毛細管活性に影響を及ぼすために用いられるだけでなく、液体サンプルの容積、したがって添加量を調整するためにも用いられると考えられる。
特に好ましい実施形態において、中間層は両面接着テープから作られる。他方では、その幾何学的寸法によって、キャピラリチャンネルの正確な幾何学的定義が可能となり、同時に、テープはキャピラリギャップの個々の構成成分を立体的に連結することを可能にする。この目的のために、2つの両面接着テープを、まず支持体(1)の上に、相互に正確に定められた距離をおいて中間層(2)として接着する。次に、テープから保護ホイルを取り除いた後、網目状構造物(3)を、当てて押さえることによって両面接着テープに接着し、キャピラリチャンネルが形成されるようにする。この特に好ましい実施形態によって、本発明のこのようなテストエレメントの非常に安価で簡単な製造が可能となる。
図3は、本発明のテストエレメントの、別の特に好ましい実施形態に関するいくつかの図(図3Aから3D)からなる概要図を示す。この実施形態は、この実施形態において特別な両面接着テープから構成される中間層(2)を有する。この特別なデザインは、特にサンプルアプリケーション領域(7)および通気孔(8)を形成するために、適当な部位で取り付けられた網目状構造物(3)と組み合わせて使用されるが、ここで通気孔は、キャピラリギャップのサンプル液による、問題のない、完全な充填を保証する。中間層(2)は、詳細には、穴抜き、もしくは切断によって形作ることができる。サンプルアプリケーション領域(7)および通気孔(8)の特別のデザインのために、網目状構造物(3)は必ずしも支持体(1)の、または中間層(2)の完全な基底面積をカバーしないが、むしろそのことによって、支持体およびその上に取り付けられた中間層の一部を、特にサンプルアプリケーション領域において覆いのない状態とすることができる。中間層の網目状構造物で覆われていない領域にカバーを付けることができる。これは、中間層として両面接着テープを使用する場合には、網目状構造物の外側の粘着部を覆うので、特に好都合である。サンプルアプリケーションのために、1滴以上のサンプル液がサンプルアプリケーション領域に添加されるが、そのサンプル液は、サンプルアプリケーション領域の特別なデザインにより、速やかにキャピラリギャップ(5)と接触し、その結果、サンプル液は直ちにキャピラリギャップ内を毛細管力によって移動し、したがって速やかに検出エレメントまで運ばれる。通気孔も特別にデザインすることができる。このように材料の消費を減らすために、網目状構造物を、および、したがってキャピラリチャンネルを、この実施形態で示すように検出エレメントの比較的すぐ後で終わらせることは、妥当であると考えられる。その上、この好ましい実施形態において、検出エレメント(4)は、もはやキャピラリチャンネル(5)の真上ではない領域で網目状構造物(3)を覆う。このような場合、検出エレメント(4)は、検出エレメントの全体にわたってキャピラリチャンネルから流れ出る液体を分布させることができる特性もしくは構造を有するようにデザインされることが好ましい。したがって、検出エレメントは、特に、フリース様構造もしくは紙を含有することができる。さらに、この好ましい実施形態において、検出エレメント(4)は、2つの付着エレメント(6)によって網目状構造物(3)上に固定される。この付着エレメントは、少なくとも検出エレメントの2辺に付着し、網目状構造物上の特定の位置に検出エレメントを位置づける。この付着エレメントのもう一つの機能は、液体サンプルがキャピラリチャンネル(5)から網目状構造物(3)を超えて検出エレメント(4)内へ毛細管力によって移動するのを可能にするように、検出エレメントの裏面が網目状構造物の上側と接触できるようにすることである。これは、詳細には、検出エレメントを網目状構造物上に押しつけることによって達成される。この場合、付着エレメントは、たとえば、それが検出エレメントの端の領域を覆い、それによって検出エレメントを網目状構造物に付けるように、デザインすることができる。特に好ましい実施形態において、検出エレメントは、液体のホットメルト接着剤を検出エレメントの両端領域および網目状構造物の近接領域に付けることによって、網目状構造物上に固定される。冷却後、ホットメルト接着剤は、検出エレメントの位置を網目状構造物上に固定し、その一方で、液体の移動に欠かせない検出エレメントおよび網目状構造物間の接触を、網目状構造物への接触圧力によって生じさせる。
図4は、数個の検出エレメントを互いに前後になるように有し、さらに特別にデザインされたサンプルアプリケーション領域および通気孔を有する、本発明のマルチパラメーターテスト支持体の特に好ましい実施形態を示す。図4Aは、テストエレメントの平面図である。図4Bから4DまではそれぞれA-A’, B-B’およびC-C’軸に沿った断面図を示す。
ここに示すテストエレメントは、一例として、付着エレメント(6)によって相互に隔てられた3個の検出エレメント(4)を有する。しかしながら、2個もしくは4個以上の検出エレメントを有するテストエレメントも含まれる。この場合、複数の検出エレメントは同一のアナライトを検出することができるが、好ましくは、複数の検出エレメントが、異なるアナライトを検出するマルチパラメーターテストエレメントの形をとって併用される。付着エレメントは、好ましくは、液体をはじく性質、特に疎水性を有し、直接、検出エレメントの境界をなす。その結果、付着エレメントは、液体がキャピラリギャップから網目状構造物を超えてそれぞれの検出エレメント内へ、それぞれの液体部分の横からの混合なしに、したがってキャリーオーバーの問題が生じることなしに、移動することだけができるように、液体の移動を制限する。このようなマルチパラメーターテストエレメントを使用して、アナライトを、診断に際してパネルテストの形で検出できることは特に好ましい。詳細には、本発明のマルチパラメーターテストエレメントを用いて、心臓血管疾患の存在もしくはリスクの増加に関連するパラメーターを決定することができる。このようなパラメーターは、詳細には、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールもしくはトリグリセリドである。コレステロール、HDLコレステロール、およびトリグリセリド用の検出エレメントを組み合わせることが特に好ましく、これらの検出エレメントはテストエレメント上で次々と後側に、パネルテストの形をとって配置される。
本発明の分析用テストエレメントの作製(図4参照)
200μmの厚さの両面接着テープを、ポリエチレンテレフタレート製の厚さ350μmの支持体ホイル(Melinex(登録商標), ICI, Frankfurt am Main, Germany)上に、端から2、3ミリメートルのところに接着するが、この支持体は、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(2%エタノール溶液、Merck KgaA, Darmstadt, Germany)を用いた処理によって、あらかじめ親水性化した。支持体ホイルの長さは75 mm、幅は5 mmである。粘着テープの長さは35 mmで、幅はやはり5 mmである。さらに、後の通気孔に対応する粘着テープの片端には、幅2 mm、長さ15 mmから25 mmのパンチ穴が中央にあり、これがキャピラリチャンネルの寸法を規定する。特別な形のサンプルアプリケーション領域が、通気孔と反対側のパンチ穴の側に隣接することが好ましい。これは、長さ6 mm、幅3 mmの楕円形のパンチ穴によって形作られる。パンチ穴の長さは、キャピラリチャンネルがサンプル液で満たされる間に、キャピラリチャンネルの通気を保証するために、そのカバーによって決定される、毛細管作用のあるチャンネルの望ましい長さよりわずかに長くなるように選択することができる。キャピラリギャップの長さを覆って、すなわちサンプルアプリケーション領域から通気孔まで、5 mm幅の網目状構造物を粘着テープ上に接着する。網目状構造物は、モノフィラメントPET繊維からなる(Sefar Petex 07-98/34、Sefar AG(Rueschlikon, Switzerland)製)。液体のための本発明の移動特性を向上させるために、網目状構造物を、0.1%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(Merck, KgaA, Darmstadt, Germany)による浸漬によって、さらに親水性化する。サンプルアプリケーション部位の領域にある、網目状構造物で覆われない、粘着テープの穴抜きされた領域は、不活性カバーホイルによって覆われる。3個の検出エレメントがホットメルト接着剤によって網目状構造物上に固定されるが、この網目状構造物は粘着テープによって支持ホイルに連結され、その結果、液体はキャピラリチャンネルから網目状構造物を超えて検出エレメントまで移動することができる。この目的のために、ホットメ
ルト接着剤を、液体の状態で、キャピラリチャンネルに対して直交する検出エレメントの両側に付け、接着剤の少なくとも一部は網目状構造物に流入する。ホットメルト接着剤が固まった後、検出エレメントは、検出エレメントの側面への動きが起こらないように、網目状構造物に取り付けられる。その上、ホットメルト接着剤による接着は、検出エレメントを網目状構造物に対して押しつけるため、液体サンプルはキャピラリチャンネルから網目状構造物を超えて検出エレメント内へ流れることができる。これに関連して、ホットメルト接着剤が網目状構造物を通過してキャピラリギャップ内に流れ込まないよう気を付けなければならない。なぜなら、こうしたことはキャピラリギャップ内のサンプル液の移動に影響を与え、完全に止めてしまうことさえあるかもしれない。検出エレメントは、それぞれのアナライトの検出反応に必要な試薬、および、場合によっては、補助的物質を含有する。このようなテストエレメントは、マルチパラメーターテストエレメントとして、心臓血管疾患のリスクの増加、もしくはその存在に関わるパラメーターを決定するために特に適している。この目的のために、HDLコレステロール、コレステロールおよびトリグリセリド用の検出エレメントが網目状構造物上で次々に後ろに固定される。こうした検出エレメントは、たとえば、Reflotron(登録商標)HDLコレステロール、Reflotron(登録商標)コレステロール、およびReflotron(登録商標)トリグリセリド(いずれもRoche Diagnostics(Mannheim, Germany)社製)のデータシートに記載される。これに関連して、ホットメルト接着剤は検出エレメントを取り付けるために使用されるだけでなく、液体がある検出エレメントから隣の検出エレメントに到達できないためキャリーオーバーの問題を最小限に抑えるという効果も有する。検出エレメントは、たとえば、幅5 mmで長さは約4 mmとすることができる。個々の検出エレメントを取り付け、しかも隔てるためのホットメルト接着剤の横断部分は幅5 mmで長さ1から2 mmが好ましい。
実施例1で得られたテストエレメントを用いた脂質パラメーターの測定
実施例1から得られたテストエレメントのサンプルアプリケーション領域を1滴の血液と接触させる。テストエレメントのキャピラリが自然に、均一に、3-5秒以内にサンプル液で満たされる。検出エレメント領域では、サンプル液が網目状構造物を超えて、基本的には同時に複数の検出エレメントに流入し、それぞれの検出反応を開始する。検出エレメントにおいて2,3秒のうちに呈色を見ることができるが、これを利用して、反応時間終了後にアナライトを定量することができる。この測定時間は、たとえば、Reflotron(登録商標)HDLコレステロール法によるHDLコレステロール定量のためには約135秒、Reflotron(登録商標)コレステロール法によるコレステロール定量のためには約135秒、Reflotron(登録商標)トリグリセリド法によるトリグリセリド定量のためには約180秒である。検出エレメントの呈色強度を、反射光度計によって測定することができる。この呈色強度を、サンプル中のアナライト濃度と相互に関連づける。
図1は本発明のテストエレメントの好ましい実施形態を示す。図1Aは、本発明のテストエレメントの略平面図を示し、図1Bから1Dは、それぞれ線A-A’, B-B’およびC-C’に沿った断面図を示す。 図2は本発明のテストエレメントの特に好ましい実施形態を示す。図2Aは、本発明のテストエレメントの略平面図を示し、図2Bから2Dは、それぞれ線A-A’, B-B’およびC-C’に沿った断面図を示す。 図3は、特別に形作られたサンプルアプリケーション領域および排出孔を有する、本発明のテストエレメントの特に好ましい実施形態を示す。図3Aは、本発明のテストエレメントの略平面図を示す。図3Bから3Dは、それぞれ線A-A’, B-B’およびC-C’に沿った断面図を示す。 図4は、数個の検出エレメントを互いに前後になるように有し、さらに特別に形作られたサンプルアプリケーション領域および排出孔を有する、本発明のマルチパラメーターテストキャリアの特に好ましい実施形態を示す。図4Aは、テストエレメントの平面図を示す。図4Bから4Dは、それぞれ線A-A’, B-B’およびC-C’に沿った断面図を示す。
符号の説明
1: 支持体
2: 中間層
3: 網目状構造物
4: 検出エレメント
5: キャピラリチャンネル
6: 付着エレメント
7: サンプルアプリケーション領域
8: 通気孔

Claims (11)

  1. 液体中の少なくとも1つのアナライトを定量する分析用テストエレメントであって、支持体、少なくとも1つの検出エレメント、および毛細管液体移動の可能なチャンネルを含み、毛細管液体移動の可能な該チャンネルが、少なくとも一部が、親水性の網目構造物(network)によって形成され、その網目構造物の一面は少なくとも一部がチャンネルの内部空間に接触し、反対側の面は少なくとも一部が検出エレメントと接触しており、その結果、液体がチャンネルから網目構造物を越えて検出エレメントへ移動することができることを特徴とする、上記分析用テストエレメント。
  2. 毛細管液体移動の可能なチャンネルが、チャンネルの一端にサンプルアプリケーション領域を有し、および/または、チャンネルの反対側の末端に通気孔を有することを特徴とする、請求項1に記載の分析用テストエレメント。
  3. 網目状構造物の他に、毛細管液体移動の可能なチャンネルの内部空間に面した少なくともさらに1つの表面が親水性であることを特徴とする、請求項1または2に記載の分析用テストエレメント。
  4. 網目状構造物がモノフィラメント織物(fabric)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  5. 網目状構造物が、好ましくは、湿潤剤、特にスルホコハク酸ジオクチルナトリウムもしくはサルコシン酸オレオイルによる処理によって親水性化されたポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  6. 網目状構造物の網目の幅が10から500μm、好ましくは20から300μm、特に好ましくは50から150μmであること、および/または、網目状構造物の繊維の直径が10から300μm、好ましくは30から150μm、特に好ましくは50から100μmであること、および/または、網目状構造物の厚さが10から500μm、好ましくは20から300μm、特に好ましくは50から150μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  7. 検出エレメントが、液体中のアナライトの検出反応に必要な試薬、および、場合によっては、追加の補助的物質もしくは補助的構造、特に粒子状のサンプル成分のための濾過材構造を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  8. 数個の検出エレメントが、好ましくは液体の浸透しない境界によって互いに空間的に隔てられて、網目状構造物のチャンネル側から離れた面の上に配置されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  9. 1個または複数個の検出エレメントが、好ましくは全血、またはそれから得られた血液製品、特に血清もしくは血漿中の、コレステロール、HDLコレステロールもしくはトリグリセリド、またはこれらの物質の組み合わせの、存在、および場合によっては、濃度を検出することができることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析用テストエレメント。
  10. 液体中のアナライトを定量するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析用テストエレメントの使用。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析用テストエレメントを用いて液体中のアナライトを定量する方法。
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