JP2005114700A - Pixe分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法、及び、その分析前処理器具 - Google Patents

Pixe分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法、及び、その分析前処理器具 Download PDF

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秀明 大越
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Abstract


【課題】 PIXE分析などによる大気エアロゾル粒子などの微少量分析を、低コストで高精度に行う。
【解決方法】 エアロゾル粒子捕集用装置においてPTFE製の捕集用フィルター9に大気エアロゾル粒子を付着させ、上記捕集用フィルター9の裁断片を溶解小型容器6内でマイクロ波照射を行って酸分解及び酸溶解を図り、生成された溶解液をPIXE分析用のポリプロピレン製などの検査用フィルム12に滴下・乾燥して分析用試料を作製し、上記分析用試料をPIXE分析などに付す。
【選択図】 図1

Description

この発明は、大気エアロゾル粒子などの微少量分析を行うに際し、低コストに分析精度の向上を図ることが可能なPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法、及び、その分析前処理器具に関するものである。
従来、元素分析法には放射化分析法,原子吸光分析法,質量分析法,炎光分析法,発光分光分析法,吸光光度分析法など多数の方法があるが、微少量の試料中の多元素同時分析を比較的容易に行うのに好適な元素分析法として、荷電粒子誘導X線放射化分析法であるPIXE(Particle Induced X−ray Emission)分析法が知られている。
このPIXE分析法は、試料に中性子を照射して行われる放射化分析法と異なり、励起放射線として陽子や重水素,アルファ粒子などを用いるもので、より実用化されておりX線発生装置や放射性原子から放出されるX線あるいは低エネルギーのγ線の照射によって行われている蛍光X線分析法(X−ray Fluorescence Analysis)であるXRF分析法と共に、原子炉を用いなくてすむという利点を有している。
しかしながら、XRF分析法は原子炉を必要としないという利点があるものの、放射化分析法に比べると分析感度が劣っており、試料の量が少ない場合には分析感度が充分ではなく、他の分析方法と組み合わせなければ確実な分析結果が得られないという問題がある。この点、PIXE分析法は特に試料が微少量であっても極めて高感度に分析を行うことができ、大気エアロゾル粒子中の元素分析などとして最適な分析法とされている。
このPIXE分析法により、大気汚染の分析を行う従来の方法について、図7に基づき説明する。まず、図示は省略をするが、エアロゾル粒子捕集用装置において空気吸引ノズルが大気を吸引し、空気ろ過用フィルターである捕集用フィルターに大気エアロゾル粒子を付着させる(ステップ200,ステップ201)。
この場合の捕集用フィルターは、厚さの薄い不純物の含有量の少ないものを選択する必要があるが、カーボンを対象としない大気エアロゾル粒子のPIXE分析法に適したものとしては、ポリカーボネート製フィルターのものが好適とされ、商品名:Nuclepore(野村マイクロ・サイエンス(株)製)などが選択されている。なお、厚さは10μm程度で、孔径は大気エアロゾル粒子捕集用としては孔径1μm程度のものが好適とされる。
そして、大気エアロゾル粒子を捕集したポリカーボネート製の捕集用フィルターを裁断し台紙に貼り付け分析用試料を作製し(ステップ202,ステップ203,ステップ204)、PIXE分析に付すことになる(ステップ205)。
ところで、PIXE分析法は、試料の励起放射線として陽子や重水素,アルファ粒子などを用いるもので、カーボンを対象としない大気エアロゾル粒子の分析においてポリカーボネート製の捕集用フィルターは好適なフィルターとされてきていたが、近年は環境問題への意識の高まりから、大気汚染などの分析についてもより少量の分析試料で厳密な分析を行うことが求められてきている。また、放射化分析のように原子炉を用いず、安全で経済性に優れる分析が求められてきている。
しかしながら、ポリカーボネート製の捕集用フィルターは、その孔径の状態が円筒状の直孔とされており、大気エアロゾル粒子との関係において詰まりやすい状態にあるため、微少量で高精度の分析が要求されるような場合には、真空引きの際の圧損が大きく良好な試料採取、すなわち大気エアロゾル粒子の捕集を高性能に行うことができないという問題を有している。
本願発明者らは、上記のような課題に着目し、原子炉を用いなくてすむと共に、蛍光X線分析法よりも微少量分析に優れるPIXE分析法において、真空引きの際の圧損を少なくし分析対象が微少量であっても高精度な分析を低コストに行うことが可能な捕集用フィルターを知見し、また、それに基づく有効な分析前処理技術を開発したものである。
この発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大気エアロゾル粒子などの微少量分析を低コストで高精度に行うことが可能なPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法、及び、その分析前処理器具を提供することにある。
この発明は、上記のような目的を達成するために、大気エアロゾル粒子の分析前処理方法として、請求項1記載のように、粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行うに際し、エアロゾル粒子捕集用装置においてPTFE製の捕集用フィルターに大気エアロゾル粒子を付着させ、上記捕集用フィルターの裁断片を溶解容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入し、上記状態の溶解容器を密封すると共に、マイクロオーブンによりマイクロ波照射を行って酸分解及び酸溶解を図り、上記捕集用フィルターの裁断片に付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解容器内で生成し、上記溶解液をポリプロピレン製などの検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製した後に、上記分析用試料をPIXE分析などに付すことを特徴とする。また、請求項2記載のように粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行うに際し、エアロゾル粒子捕集用装置においてPTFE製の捕集用フィルターに大気エアロゾル粒子を付着させ、上記捕集用フィルターの裁断片を溶解小型容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入し、上記状態の溶解小型容器を密封すると共に、既存の溶解容器内に挿嵌し、上記状態の溶解容器を密封すると共に、マイクロオーブンによりマイクロ波照射を行って上記溶解小型容器における酸分解及び酸溶解を図り、上記捕集用フィルターの裁断片に付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解小型容器内で生成し、上記溶解液をポリプロピレン製などの検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製した後に、上記分析用試料をPIXE分析などに付すことを特徴とする。また、請求項3記載のように、溶解容器は容積15mL前後であることを特徴とする。また、請求項4記載のように、既存の溶解容器は容積80〜100mLであって、溶解小型容器は容積15mL前後であることを特徴とする。また、請求項5記載のように、投入される硝酸は1mL前後であることを特徴とする。
また、大気エアロゾル粒子の分析前処理器具として、請求項6記載のように、粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行う前処理器具であって、エアロゾル粒子捕集用装置において大気エアロゾル粒子を付着させるPTFE製の捕集用フィルターと、上記捕集用フィルターの裁断片が投入されると共に、PTFE製の重石と硝酸とが投入された上で密封され、マイクロオーブンによりマイクロ波照射が行われて酸分解及び酸溶解が図られ、上記捕集用フィルターに付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を生成する溶解容器と、上記溶解液を滴下・乾燥してPIXE分析などに付される分析用試料を作製するポリプロピレン製などの検査用フィルムとを具備することを特徴とする。また、請求項7記載のように、粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行う前処理器具であって、エアロゾル粒子捕集用装置において大気エアロゾル粒子を付着させるPTFE製の捕集用フィルターと、上記捕集用フィルターの裁断片が投入されると共に、PTFE製の重石と硝酸とが投入された上で密封される溶解小型容器と、上記溶解小型容器が挿嵌されると共に、密封されてマイクロオーブンによりマイクロ波照射が行なわれ上記溶解小型容器に対する酸分解及び酸溶解が図られ、上記捕集用フィルターに付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解小型容器内で生成する既存の溶解容器と、上記溶解液を滴下・乾燥してPIXE分析などに付される分析用試料を作製するポリプロピレン製などの検査用フィルムとを具備することを特徴とする。また、請求項8記載のように、溶解容器は容積15mL前後であることを特徴とする。また、請求項9記載のように、既存の溶解容器は容積80〜100mLであって、溶解小型容器は容積15mL前後であることを特徴とする。また、請求項10記載のように、投入される硝酸は1mL前後であることを特徴とする。
この発明の効果としては、捕集された大気エアロゾル粒子のPIXE分析などを行うに際し、大気エアロゾル粒子の捕集用フィルターとして繊維状の多孔質材であるPTFE製のフィルターを用いるので、真空引きの際にも孔詰まりによる圧損が少なく、大気エアロゾル粒子を長時間捕集することができ、微少量の大気エアロゾル粒子を高精度に付着させることができる。また、大気エアロゾル粒子を捕集した捕集用フィルターは、裁断片とされてPTFE製の重石により押圧した状態で強力な酸性のフッ酸などを使用せず硝酸と共にマイクロオーブンによりマイクロ波照射が行われるので、捕集用フィルター中から分析に影響を与える物質を溶出することがない。さらに、生成された大気エアロゾル粒子の溶解液をポリカーボネート製の検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製しPIXE分析などに付すため、効率よく精度を落とさずPIXE分析を行うことができるなどの効果を有する。よって、大気エアロゾル粒子などの微少量分析を低コストで高精度に行うことができる。
また、捕集用フィルターの裁断片を溶解小型容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入し、この溶解小型容器を既存の溶解容器内に挿嵌しマイクロオーブンによりマイクロ波照射を行う場合には、溶解小型容器を準備するだけで既存の器具をそのまま使うことができるので、少ない電力でよりいっそう低コストに手際よく大気エアロゾル粒子などの微少量分析を行うことができる。
以下、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、この発明に係るPIXE分析による大気エアロゾル粒子の分析前処理器具の組み合わせ状態の概略構成を示す説明用断面図である。
図1における分析前処理器具の組み合わせを説明する前に、図6により既存のマイクロ波照射用の器具について説明する。図6において、1はポリカーボネート製容器でありポリカーボネート製の蓋2により密封され、マイクロオーブン(図示略)内に内蔵される。3は容器1内に挿入止着される3フッ化エチレン樹脂(PCTEF)製の溶解容器、4はPCTEF製の安全フィルター、5はPCTEF製の圧力調整栓、10は容器1の底面に開口された開口部1bを塞ぐガス抜き用の底敷き10である。容器1は密封されて載置台に組み込まれてマイクロオーブン内に内蔵される。
上記のような容器1に対して、溶解容器3内に挿入止着される4フッ化エチレン樹脂(PTFE)製の小型溶解容器6が、図1に示すように組み付けられる。なお、7はPTFE製の重石,8は硝酸、9はPTFE製の捕集用フィルターの裁断片である。すなわち、図2に示すように、容器1に溶解容器3が挿嵌され、この溶解容器3に溶解小型容器6が挿嵌される。次いで、溶解小型容器6の開口部6bを安全フィルター4でカバーし、この安全フィルター4上に圧力調整栓5を載置する。次に、この状態の容器1に蓋2を取り付けると、蓋2のネジ部2aは容器1のネジ部1cと螺合すると共に、開口部2bから圧力調整栓5が突出する。この突出した圧力調整栓5の気圧逃がし孔5cにガス抜き調整器具(図示略)を接続する。
次に、この分析前処理器具と共に、分析前処理動作について説明をする。まず、エアゾール捕集用装置(図示略)を動作させ、この装置に設置されたPTFE製の捕集用フィルター9に大気エアロゾル粒子9aを捕集する。このPTFE製の捕集用フィルター9は、繊維状の多孔質であるので、真空引きの際には圧損が少なく分析対象が微少量であっても良好な付着を図ることができる。なお、エアゾール捕集用装置には種々のものがあり、適宜好適な装置を選択することができこの発明の要旨と直接関係しないので、その詳細な説明は省略をする。
また、PTFE製の捕集用フィルター9は、上記したように真空引きの際には圧損が少なく分析対象が微少量であっても良好な付着を図ることができるという利点を有するが、ポリカーボネートのようにそのままPIXE分析に用いることができない。すなわち、ポリカーボネートは元来不純物が少ないためバックグランドが低く微量でも計測が可能なフィルターであるが、PTFE製のフィルターは含有されている不純物が測定されてしまいバックグランドが高いため、如何に不純物と測定対象とを分けるかが問題となる。このため、以下のように分析用試料を作製する。
まず、捕集用フィルター9よりマイクロオーブンで捕集された大気エアロゾル粒子9aの溶解作業が行われる。このため、捕集用フィルター9は裁断されて必要部分が容積15mL程度の溶解小型容器6に入れられ、比重が軽いのでPTFE製の重石7を載せた状態で硝酸8に浸される(図3(b)参照)。その後、この溶解小型容器6は既存の溶解容器3内に挿入されて止着される。溶解容器3は、マイクロオーブンで酸分解及び酸溶解を行うためのもので容積80〜100mLの既存の溶解容器が用いられる。ただし、この溶解容器3では容量が大きすぎるため、溶解容器3の開口部3aの内周に段部3bを形成し、この段部3bに溶解小型容器6の開口部6bの外周に張出されたフランジ6aを係り止めるように構成されている。
溶解容器3の開口部内に挿嵌されて止着された溶解小型容器6は、その開口部6bの上面を安全フィルター4でカバーされた後、安全フィルター4を介した状態で圧力調整栓5が載置される。この圧力調整栓5は、その元部が溶解小型容器6の開口部に挿嵌載置される円筒台座部5aを有すると共に、その上部には円筒起立部5bが形成され、円筒台座部5aの底面と円筒起立部5bの中心線を通じて円筒起立部5bの外周面に開設される気圧逃がし孔5cが形成されている。このため、容器1の開口部に蓋2aを閉めて溶解容器3,溶解小型容器6を密封した場合でも、圧力調整栓5はその円筒起立部5bが蓋2の開口部2bから気圧逃がし孔5cを伴って蓋2aよりも突出するため、密封された溶解容器3,溶解小型容器6の内圧が高まった場合でもその調整を図ることができる。
次に、溶解小型容器6を内蔵し密封された溶解容器3と容器1は、容器1を既存の載置台(図示略)の組込み孔に組み込まれてマイクロオーブン内に設置され、マイクロ波の照射が15分前後行われる。これにより、溶解小型容器6内では、硝酸8で捕集用フィルター9より分析対象とされる大気エアロゾル粒子が酸分解及び酸溶解され、大気エアロゾル粒子を含む溶解液が生成される。既存の溶解容器3の場合には、マイクロオーブンによるマイクロ波の照射時間は1時間前後を要している。
溶解小型容器6内で生成された溶解液は、重石7が溶解小型容器6の内周よりもやや小さく両者間に隙間ができるように重石7は形成されているので(図3(b)参照)、その隙間より溶解液を取り出し、台紙11の検査用フィルム12の部分に滴下・乾燥させて分析用試料を作製し、PIXE分析に付す。なお、PIXE分析装置は従来周知の装置を適宜選択することができこの発明の要旨と直接関係しないので、その構造及び分析法の詳細な説明は省略をする。
いずれにせよ、PIXE分析などの前処理としては、大気エアロゾル粒子の捕集工程(ステップ100)としてPTFE製の捕集フィルター9で大気エアロゾル粒子の捕集(ステップ101)を行い、その後にPIXE分析試料の作製工程(ステップ102)とを行う。
PIXE分析試料の作製工程(ステップ102)は、PTFE製の捕集フィルターの裁断を行いこの裁断片を溶解小型容器6に投入するステップ103と、裁断片の投入された溶解小型容器6内に重石7と硝酸8を投入するステップ104と、溶解小型容器6を溶解容器3に挿嵌すると共に、この溶解容器3を容器1に挿嵌し容器1を密封し、マイクロ波照射を行って大気エアロゾル粒子を含む溶解液を生成するステップ105と、生成された溶解液を溶解小型容器6より取り出し検査用フィルム上に滴下・乾燥するステップ106と、これを乾燥処理して分析用試料を作製するステップ107とより構成される。その後のステップ108で、作製された分析用試料に基づいてPIXE分析などが行われる(ステップ108)ものである。
このように、この実施例によれば、捕集された大気エアロゾル粒子のPIXE分析を行うに際し、大気エアロゾル粒子の捕集用フィルターとしてはPTFE製のフィルターを用いるので、従来のようにポリカーボネート製のフィルターに比べ、真空引きの際にも孔詰まりによる圧損が少なく、微少量の大気エアロゾル粒子を良好に付着させることができる。
また、大気エアロゾル粒子を捕集した捕集用フィルターは、裁断片とされて溶解小型容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入され、その後に既存の溶解容器内に挿嵌されて密封されマイクロオーブンによりマイクロ波照射が行われるので、この前処理のために新たな器具を準備することなく、既存の器具をそのまま使いながらそれらの器具を有効に活用し、少ない電力で大気エアロゾル粒子の溶解液を生成することができる。その際には、従来のように反応性の高いフッ酸などを使用せず硝酸を使用するので、捕集用フィルター中から分析に影響を与える物質を溶出することがない。
さらに、生成された大気エアロゾル粒子の溶解液は、PIXE分析用のポリプロピレン製の検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製しPIXE分析に付すので、効率よく精度を落とさずPIXE分析を行うことができる。
この発明に係るPIXE分析による大気エアロゾル粒子の分析前処理器具の組み合わせ状態の概略構成を示す説明用断面図である。 図1の分解状態を示す説明用断面である。 溶解小型容器の外観斜視図とその平面図である。 検査用試料の1例を示す斜視図である。 この発明に係る大気エアアロゾル粒子の捕集試料の作製を示す工程図である。 従来のマイクロ波照射に用いる容器の組み合わせ状態の概略構成を示す説明用断面図である。 従来の大気エアロゾル粒子の捕集試料の作製を示す工程図である。
符号の説明
1 マイクロ波照射用容器
2 蓋
3 溶解容器
4 安全フィルター
5 圧力調整栓
6 溶解小型容器
7 重石
8 硝酸
9 捕集用フィルター

Claims (10)

  1. 粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行うに際し、エアロゾル粒子捕集用装置においてPTFE製の捕集用フィルターに大気エアロゾル粒子を付着させ、上記捕集用フィルターの裁断片を溶解容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入し、上記状態の溶解容器を密封すると共に、マイクロオーブンによりマイクロ波照射を行って酸分解及び酸溶解を図り、上記捕集用フィルターの裁断片に付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解容器内で生成し、上記溶解液をポリプロピレン製などの検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製した後に、上記分析用試料をPIXE分析などに付すことを特徴とするPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法。
  2. 粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行うに際し、エアロゾル粒子捕集用装置においてPTFE製の捕集用フィルターに大気エアロゾル粒子を付着させ、上記捕集用フィルターの裁断片を溶解小型容器内にPTFE製の重石により押圧した状態で硝酸と共に投入し、上記状態の溶解小型容器を密封すると共に、既存の溶解容器内に挿嵌し、上記状態の溶解容器を密封すると共に、マイクロオーブンによりマイクロ波照射を行って上記溶解小型容器における酸分解及び酸溶解を図り、上記捕集用フィルターの裁断片に付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解小型容器内で生成し、上記溶解液をポリプロピレン製などの検査用フィルムに滴下・乾燥して分析用試料を作製した後に、上記分析用試料をPIXE分析などに付すことを特徴とするPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法。
  3. 溶解容器は容積15mL前後であることを特徴とする請求項1記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法。
  4. 既存の溶解容器は容積80〜100mLであって、溶解小型容器は容積15mL前後であることを特徴とする請求項2記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法。
  5. 投入される硝酸は1mL前後であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理方法。
  6. 粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行う前処理器具であって、エアロゾル粒子捕集用装置において大気エアロゾル粒子を付着させるPTFE製の捕集用フィルターと、上記捕集用フィルターの裁断片が投入されると共に、PTFE製の重石と硝酸とが投入された上で密封され、マイクロオーブンによりマイクロ波照射が行われて酸分解及び酸溶解が図られ、上記捕集用フィルターに付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を生成する溶解容器と、上記溶解液を滴下・乾燥してPIXE分析などに付される分析用試料を作製するポリプロピレン製などの検査用フィルムと、を具備することを特徴とするPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理器具。
  7. 粉塵など捕集された大気エアロゾル粒子の分析を行う前処理器具であって、エアロゾル粒子捕集用装置において大気エアロゾル粒子を付着させるPTFE製の捕集用フィルターと、上記捕集用フィルターの裁断片が投入されると共に、PTFE製の重石と硝酸とが投入された上で密封される溶解小型容器と、上記溶解小型容器が挿嵌されると共に、密封されてマイクロオーブンによりマイクロ波照射が行なわれ上記溶解小型容器に対する酸分解及び酸溶解が図られ、上記捕集用フィルターに付着している大気エアロゾル粒子の溶解液を上記溶解小型容器内で生成する既存の溶解容器と、上記溶解液を滴下・乾燥してPIXE分析などに付される分析用試料を作製するポリプロピレン製などの検査用フィルムと、を具備することを特徴とするPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理器具。
  8. 溶解容器は容積15mL前後であることを特徴とする請求項6記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理器具。
  9. 既存の溶解容器は容積80〜100mLであって、溶解小型容器は容積15mL前後であることを特徴とする請求項7記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理器具。
  10. 投入される硝酸は1mL前後であることを特徴とする請求項6,7,8又は9記載のPIXE分析などに用いる大気エアロゾル粒子の分析前処理器具。
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