JP2005113865A - Refrigerant compressor - Google Patents
Refrigerant compressor Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005113865A JP2005113865A JP2003352030A JP2003352030A JP2005113865A JP 2005113865 A JP2005113865 A JP 2005113865A JP 2003352030 A JP2003352030 A JP 2003352030A JP 2003352030 A JP2003352030 A JP 2003352030A JP 2005113865 A JP2005113865 A JP 2005113865A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- sliding
- refrigerant compressor
- refrigerant
- piston
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Compressor (AREA)
Abstract
Description
本発明は、冷蔵庫、エアーコンディショナー等に使用される冷媒圧縮機に関するものである。 The present invention relates to a refrigerant compressor used for a refrigerator, an air conditioner and the like.
従来、この種の冷媒圧縮機としては、地球環境保護の観点から化石燃料の使用を少なくする高効率の冷媒圧縮機の開発が進められており、摺動部を構成する摺動部材の一方を窒化処理した鉄系材料にリン酸マンガン処理した摺動材料にて形成し、他方の摺動部材を陽極酸化処理したアルミニウムダイキャストにて形成している(例えば特許文献1参照)。 Conventionally, as this kind of refrigerant compressor, development of a high-efficiency refrigerant compressor that reduces the use of fossil fuels from the viewpoint of protecting the global environment has been underway, and one of the sliding members that constitute the sliding portion is being developed. A nitriding-treated iron-based material is formed of a sliding material that is treated with manganese phosphate, and the other sliding member is formed of an anodized aluminum die cast (see, for example, Patent Document 1).
図9は特許文献1に記載された従来技術の密閉型電動冷媒圧縮機の断面図を示すものである。図9に示すように密閉容器1は底部にオイル2を貯留するとともに、固定子3、および回転子4からなる電動要素5とこれによって駆動される往復式の圧縮機構6を収容している。
FIG. 9 shows a cross-sectional view of a prior art hermetic electric refrigerant compressor described in
次に圧縮機構6の詳細を以下に説明する。
Next, details of the
クランクシャフト7は回転子4を圧入固定した主軸部8および主軸部8に対し偏心して形成された偏心部9からなり、給油ポンプ10を設けている。シリンダーブロック11は略円筒形のボアー12からなる圧縮室13を形成するとともに主軸部8を軸支する軸受け部14を設けている。
The
ボアー12に遊嵌されたピストン15は、ピストンピン16を介して偏心部9との間を連結手段であるコンロッド17によって連結されている。ボアー12の端面はバルブプレート18で封止されている。
The
ヘッド19は高圧室を形成し、バルブプレート18の反ボアー12側に固定される。サクションチューブ20は密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス(図示せず)を密閉容器1内に導く。サクションマフラー21は、バルブプレート18とヘッド19に挟持される。
The
クランクシャフト7の主軸部8と軸受け部14、ピストン15とボアー12、ピストンピン16とコンロッド17、クランクシャフト7の偏心部9とコンロッド17は相互に摺動部を形成する。そして、摺動部を構成する摺動部材は一方が窒化処理した鉄系材料にリン酸マンガン処理した摺動材料にて形成され、他方の摺動部材は陽極酸化処理したアルミニウムダイキャストにて形成されている。
The main shaft portion 8 and the bearing portion 14 of the
以上のような構成において次に動作を説明する。商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素5に供給され、電動要素5の回転子4を回転させる。回転子4はクランクシャフト7を回転させ、偏心部9の偏心運動が連結手段のコンロッド17からピストンピン16を介してピストン15を駆動することでピストン15はボアー12内を往復運動し、サクションチューブ20を通して密閉容器1内に導かれた前記冷媒ガスはサクションマフラー21から吸入され、圧縮室13内で連続して圧縮される。
Next, the operation of the above configuration will be described. Electric power supplied from a commercial power source (not shown) is supplied to the electric element 5 to rotate the rotor 4 of the electric element 5. The rotor 4 rotates the
オイル2はクランクシャフト7の回転に伴い、給油ポンプ10から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するとともに、ピストン15とボアー12の間においてはシールを司る。
しかしながら、上記従来の摺動材料の仕様では、粘性抵抗を下げるため、オイル2の粘度を低くすると、摺動部同士の固体接触が増え、摺動部に硬度が低いリン酸マンガン処理を用いていることから、異常摩耗が発生する可能性があるという課題を有していた。
However, in the specification of the above conventional sliding material, if the viscosity of the
加えて、従来の摺動材料の仕様では、オイル2の粘度を低くすると摺動部でのオイル2の保持性が悪くなり、冷媒圧縮機の停止時にオイル2が摺動部から流出してしまい、再起動時、摺動部に油膜が発生しない状態で運転を開始してしまい、異常摩耗のきっかけになりやすいという課題を有していた。
In addition, in the conventional specification of the sliding material, if the viscosity of the
さらに、ピストン15とボアー12間ではオイル2の粘度を低くすると圧縮した高圧の冷媒ガスがオイル2を吹き飛ばし、オイルシールが切れて冷媒ガスの漏れが増加し、ピストン15とボアー12の隙間からの冷媒ガスの漏れ量が大幅に増加することにより、体積効率が低下するという課題を有していた。
Further, when the viscosity of the
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、低粘度オイルを用いながら信頼性が高く、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することを目的とする。 The present invention solves the above-described conventional problems, and an object thereof is to provide a refrigerant compressor having high reliability and high efficiency while using low-viscosity oil.
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷媒圧縮機は、密閉容器内にオイルを貯留するとともに冷媒ガスを圧縮する圧縮機構を収容し、前記圧縮機構を構成する金属材料からなる摺動部品の摺動面に微細くぼみをほぼ均一に形成するとともに、前記オイルはVG10未満VG5以上の粘度としたものであり、これによって、摺動部表面のくぼみにオイルが溜まり、摺動面にオイルを保持できるとともに摺動時に摺動部間の隙間が微小に変化することにより摺動部間に動圧が発生して油膜が保持されやすく、固体接触の頻度が少なくなるとともに、シール部においてはシール性が向上する。 In order to solve the above-described conventional problems, a refrigerant compressor according to the present invention includes a compression mechanism that stores oil in a sealed container and compresses refrigerant gas, and is made of a metal material that constitutes the compression mechanism. A fine recess is formed almost uniformly on the sliding surface of the component, and the oil has a viscosity of less than VG10 and not less than VG5. As a result, oil accumulates in the recess on the surface of the sliding portion, and oil on the sliding surface. In addition, the gap between the sliding parts changes minutely during sliding, so that dynamic pressure is generated between the sliding parts and the oil film is easily held, and the frequency of solid contact is reduced. Sealability is improved.
本発明の冷媒圧縮機は、低粘度オイルを用いながら信頼性が高く、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することができる。 The refrigerant compressor of the present invention can provide a refrigerant compressor with high reliability and high efficiency while using low-viscosity oil.
請求項1に記載の発明は、密閉容器内にオイルを貯留するとともに冷媒ガスを圧縮する圧縮機構を収容し、前記圧縮機構を構成する金属材料からなる摺動部品の摺動面に微細くぼみをほぼ均一に形成するとともに、前記オイルはVG10未満VG5以上の粘度とすることにより、摺動部表面のくぼみにオイルが溜まり、摺動面にオイルを保持できるとともに摺動時に摺動部間の隙間が微小に変化することにより摺動部間に動圧が発生して油膜が保持されやすく、固体接触の頻度が少なくなるとともに、シール部においてはシール性を向上させることとなり、信頼性ならびに効率を高くすることができる。 According to the first aspect of the present invention, a compression mechanism that stores oil in a sealed container and compresses a refrigerant gas is housed, and a fine depression is formed on a sliding surface of a sliding component made of a metal material that constitutes the compression mechanism. The oil is formed almost uniformly and the viscosity of the oil is less than VG10 and VG5 or more, so that the oil accumulates in the recess of the surface of the sliding part, and the oil can be held on the sliding surface and the gap between the sliding parts during sliding As a result of a slight change in pressure, dynamic pressure is generated between the sliding parts and the oil film is easily held, the frequency of solid contact is reduced, and the sealing part is improved in sealing performance. Can be high.
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の微細くぼみの表面形状を球面とすることにより、摺動部への投影面積が同じ多角すいの形状に比べて断面積が大きくなり、くぼみに溜まるオイルの量が多くなるとともに、表面が円形の形状であることから、摺動に伴い生じる摺動部間の隙間の変化量が均一となることから、摺動時に発生する動圧が均一となり、効率を高くすることができる。 In the second aspect of the invention, the surface area of the fine recess of the first aspect of the invention is a spherical surface, so that the cross-sectional area becomes larger than the shape of the polygonal cone having the same projected area on the sliding portion. Since the amount of oil that accumulates in the recess increases and the surface has a circular shape, the amount of change in the gap between the sliding parts that occurs during sliding is uniform, so the dynamic pressure generated during sliding Becomes uniform and efficiency can be increased.
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載または請求項2に記載の発明に加えて、微細くぼみの大きさを直径2μm〜50μm、深さを0.5μm〜10μmとすることにより、圧縮機の実使用条件においても低粘度オイルを用いながら信頼性ならびに効率を高くすることができる
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の微細くぼみの表面を加工硬化等により硬度を高くしたもので、摺動部間に金属接触が生じても硬度が高いことで異常摩耗を防止することとなり、低粘度オイルを用いながら信頼性を高くすることができる
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の冷媒をR600a、R290のいずれかひとつ、またはこれらの混合物でオイルをアルキルベンゼン、鉱油、エステル、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれかひとつ、またはこれらの混合物としたもので、オイルに溶け込みやすく、オイルの粘度を低下させやすい冷媒との組合せにおいても、摺動部にオイルを保持し、耐摩耗性を向上させることにより摺動部の異常摩耗の発生を防止することとなり、低粘度オイルを用いながら信頼性ならびに効率を高くすることができる。
In addition to the invention described in
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の圧縮機構が往復式の圧縮機構であり、摺動部品がクランクシャフト、軸受け、ピストン、ボアー、ピストンピンの少なくともいずれかひとつとしたもので、往復式の圧縮機構において各摺動部で請求項1から請求項5の作用を得られることとなり、低粘度オイルを用いながら信頼性ならびに効率を高くすることができる。
According to a sixth aspect of the present invention, the compression mechanism according to any one of the first to fifth aspects is a reciprocating compression mechanism, and the sliding parts are a crankshaft, a bearing, a piston, a bore, and a piston pin. In the reciprocating compression mechanism, at least one of the sliding portions can obtain the effects of
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の圧縮機構が回転式の圧縮機構であり、前記摺動部品がシャフト、主軸受、副軸受、ローリングピストンの少なくともいずれかひとつとしたもので、回転式の圧縮機構において各摺動部で請求項1から請求項5の作用を得られることとなり、低粘度オイルを用いながら信頼性ならびに効率を高くすることができる。
According to a seventh aspect of the present invention, the compression mechanism according to any one of the first to fifth aspects is a rotary compression mechanism, and the sliding parts are a shaft, a main bearing, a sub-bearing, and a rolling piston. Therefore, it is possible to obtain the effects of
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態よってこの発明が限定されるものではない。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The present invention is not limited to the embodiments.
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の断面図である。図2は、同実施の形態のA部拡大図である。図3は、同実施の形態における摺動時のオイルの流れを示した図である。図4は、微細くぼみをほぼ均一に形成した摺動面とリン酸マンガン層との摩擦係数の特性図である。図5は、摺動面に微細くぼみをほぼ均一に形成した場合とリン酸マンガン層をほどこした場合でのコンプレッサーにおける冷凍能力の特性図である。図6は、摺動面に微細くぼみをほぼ均一に形成した場合とリン酸マンガン層をほどこした場合でのコンプレッサーにおける効率の特性図である。
(Embodiment 1)
1 is a cross-sectional view of a refrigerant compressor according to
図1、図2、図3において、密閉容器101内にはR600aからなる冷媒ガス102を充填するとともに、底部には鉱油からなりVG10未満VG5以上の粘度のオイル103を貯留し、固定子104、および回転子105からなる電動要素106とこれによって駆動される往復式の圧縮機構107を収容している。
1, 2, and 3, the sealed
次に圧縮機構107の詳細を以下に説明する。
Next, details of the
クランクシャフト108は回転子105を圧入固定した主軸部109および主軸部109に対し偏心して形成された偏心部110からなり、下端にはオイル103に連通する給油ポンプ111を設けている。鋳鉄からなるシリンダーブロック112は略円筒形のボアー113と主軸部109を軸支する軸受け部114を形成している。
The
ボアー113に遊嵌されたピストン115は鉄系の材料からなり、ボアー113と共に圧縮室116を形成し、ピストンピン117を介して連結手段であるコンロッド118によって偏心部110と連結されている。ボアー113の端面はバルブプレート119で封止されている。
The
ヘッド120は高圧室を形成し、バルブプレート119の反ボアー113側に固定される。サクションチューブ121は密閉容器101に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス102を密閉容器101内に導く。サクションマフラー122は、バルブプレート119とヘッド120に挟持される。
The
主軸部109と軸受け部114、ピストン115とボアー113、ピストンピン117とコンロッド118、偏心部110とコンロッド118は相互に摺動部を形成する。
The
そして上記摺動部表面は、母材である鉄系材料の表面に直径2μm〜50μm、深さを0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に形成している。
On the surface of the sliding portion, a
このような微細くぼみ123を形成する方法としては、表面のエッチング、プレス成型等がある。本実施の形態においては、鋼球もしくはセラミック球等の硬度の硬い球をある速度以上で衝突させる方法で微細くぼみ123を形成している。
Examples of a method for forming such a
以上のように構成された冷媒圧縮機について、以下その動作を説明する。 The operation of the refrigerant compressor configured as described above will be described below.
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素106に供給され、電動要素106の回転子105を回転させる。回転子105はクランクシャフト108を回転させ、偏心部110の偏心運動が連結手段のコンロッド118からピストンピン117を介してピストン115を駆動することでピストン115はボアー113内を往復運動し、サクションチューブ121を通して密閉容器101内に導かれた冷媒ガス102はサクションマフラー122から吸入され、圧縮室116内で連続して圧縮される。
Electric power supplied from a commercial power source (not shown) is supplied to the
オイル103はクランクシャフト108の回転に伴い、給油ポンプ111から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するとともに、ピストン115とボアー113の間においてはシールを司る。
As the
ここで主軸部109と軸受け部114、ピストン115とボアー113、ピストンピン117とコンロッド118、偏心部110とコンロッド118の各摺動部材間に形成された各摺動部における動作について説明する。
Here, the operation of each sliding portion formed between the sliding members of the
上記各摺動部間においてはオイル103の粘度がVG10未満VG5以上と低いため、摺動部品同士が固体接触を起こしやすく、さらには冷媒がR600aであることから鉱油からなるオイル103に溶け込みやすく、オイル103の粘度は低下することで、さらに固体接触を起こしやすくなる。
Since the viscosity of the
しかしながら、図3に示すように、摺動部が摺動する際に生じる油膜を発生させるオイルの流れ103aが球面状の微細くぼみ123の中でうず流を形成し易くなり、その結果油圧が発生することで固体接触を防止し、耐摩耗性が向上する。
However, as shown in FIG. 3, the oil flow 103a that generates an oil film generated when the sliding portion slides easily forms a vortex flow in the spherical
加えて、本実施の形態においては、鋼球もしくはセラミック球等の硬度の硬い球をある速度以上で衝突させる方法で微細くぼみ123を形成していることから、加工硬化等により表面の硬度が上昇し、固体接触が生じる場合においても、異常摩耗を防ぎ、耐摩耗性が向上する。特に摺動部がピストン115とボアー113、ピストンピン117とコンロッド118である場合、1圧縮工程当たり2回、相互摺動速度が0m/sとなるため、油圧がゼロとなり、固体接触が生じやすいので、本技術が極めて有効である。
In addition, in the present embodiment, since the
ここで、図4を用いて本実施の形態による摺動面に微細くぼみ123をほぼ均一に形成した場合とリン酸マンガン層をほどこした場合とにおけるオイル粘度を変えた際の摩擦係数について説明する。
Here, with reference to FIG. 4, the friction coefficient when the oil viscosity is changed between the case where the
図4は、HFC134a冷媒の雰囲気圧力0.4MPaのもと、VG4からVG22のエステルオイル、VG1相当のエタノールを使用し、円盤に直径が2μm〜15μmで深さが0.5μm〜1μmの大きさの微細くぼみ123、および直径が40μm〜50μmで深さが7μm〜10μmの大きさの微細くぼみ123、および直径が60μm〜70μmで深さが15μm〜20μmの大きさの微細くぼみ123を形成したものを摺動速度を1.0m/sで回転させ、リング状で形成された相手材を面圧を0.5MPaで押し付けるという条件で行った磨耗試験の結果である。
FIG. 4 shows a disk having a diameter of 2 μm to 15 μm and a depth of 0.5 μm to 1 μm using ester oil of VG4 to VG22 and ethanol equivalent to VG1 under an atmospheric pressure of 0.4 MPa of HFC134a refrigerant. And a
なお、(表1)は図4の数値データである。 (Table 1) is the numerical data of FIG.
この結果からはリン酸マンガン層ならびに直径が60μm〜70μmで深さが15μm〜20μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に形成した場合は、オイル粘度をVG10未満にすると摩擦係数が上昇するが、直径が40μm〜50μmで深さが7μm〜10μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に形成した場合ならびに直径が2μm〜15μmで深さが0.5μm〜1μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に形成した場合、VG8までオイル粘度を低下させても摩擦係数の上昇は認められず、VG4までオイル粘度を低下させた場合においても、僅かに摩擦係数の上昇が認められるのみである。さらに、リン酸マンガン処理に比べ摩擦係数が低下していることもわかる。
From this result, in the case where the manganese phosphate layer and the
これは、摺動部に直径40μm〜50μm、深さを7μm〜10μmの大きさもしくは直径2μm〜15μm、深さを0.5μm〜1μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に設けることにより、摺動部間の動圧が均一化されることで隙間が一定となるとともに、微細くぼみ部での体積変動が小さくなり、冷媒を含んだオイルが微細くぼみに供給される際に発生する隙間部での圧力低下が少なく、オイル中での発泡現象が抑えられ油膜の破断を防止することとなり、形成される油膜の油圧が増加することで、固体接触部にかかる荷重が低減され摩擦係数が低下したことによると考えられる。
This is because the
さらに、オイル粘度をパラメータに、往復式冷媒圧縮機の冷凍能力並びに冷媒圧縮機の成績係数(COP)の変化を測定した。 Furthermore, changes in the refrigerating capacity of the reciprocating refrigerant compressor and the coefficient of performance (COP) of the refrigerant compressor were measured using the oil viscosity as a parameter.
図5および図6はピストン115の摺動部に直径が2μm〜50μmで深さが0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ123を均一に設け、R600a冷媒とVG5とVG10の鉱油を用い、凝縮温度/蒸発温度:54.4℃/−23.3℃、吸入ガス、膨張弁前温度:32.2℃の条件にて冷媒圧縮機の冷凍能力および成績係数(COP)を測定し、その結果をリン酸マンガン処理と比較したものである。
5 and FIG. 6, a
また、(表2)は図5の数値データであり、(表3)は図6の数値データである。 (Table 2) is the numerical data of FIG. 5, and (Table 3) is the numerical data of FIG.
これらの結果から図5においては、リン酸マンガン処理がオイル103の粘度をVG10からVG5に低下させた際、11W程度まで大きく冷凍能力が低下しているのに比べ、微細くぼみ123を設けたものでは冷凍能力の低下が1W程度であり、極めて少ないことが分かる。
From these results, in FIG. 5, when the manganese phosphate treatment lowered the viscosity of the
このことは、ピストン115がボアー113内を往復運動して冷媒ガス102を圧縮する際、オイル103の粘度が非常に低いため、シール性が低下し、圧縮室116で圧縮された冷媒ガス102がピストン115とボアー113の隙間から密閉容器101内に漏出し冷凍能力が低下し易いにもかかわらず、ピストン115に設けた微細くぼみ123により、くさび形油膜が形成され、ピストン115とボアー113の隙間から漏出する冷媒ガスの量が低減されたことによると推定できる。
This is because when the
すなわち、ピストン115とボアー113の隙間の前記漏出した冷媒ガス102が微細くぼみ123に達すると、微細くぼみ123においてピストン115とボアー113の隙間の体積が増加することからラビリンスシールと同様の作用が生じ、漏出した冷媒ガス102の流速は急速に低下することで冷媒ガス102の漏れ量が減少し、その結果冷媒圧縮機の冷凍能力の低下を極めて少さく抑えることができたものと考える。
That is, when the leaked
同様に図6においては、リン酸マンガン処理に較べて微細くぼみを設けたものの方が圧縮機の効率を示す成績係数(COP)が上昇しているが、これは図5に示したとおり、冷媒圧縮機の冷凍能力の低下を極めて少さく抑えることができたことによる体積効率の維持に加えて、図4に示したように摺動部における摩擦係数の上昇がリン酸マンガン処理に較べて極めて少ないことから入力の低減、またVG10からVG5へのオイル粘度の低下に伴う粘性抵抗の低減が冷媒圧縮機の入力の低減に大きく寄与した結果であると考えられる。 Similarly, in FIG. 6, the coefficient of performance (COP) indicating the efficiency of the compressor is higher in the case where the fine depression is provided than in the case of the manganese phosphate treatment. As shown in FIG. In addition to maintaining the volumetric efficiency due to the fact that the reduction in the refrigeration capacity of the compressor can be suppressed to a very low level, as shown in FIG. 4, the increase in the coefficient of friction at the sliding portion is extremely higher than that of the manganese phosphate treatment. It is considered that the reduction of the input due to the small amount and the reduction of the viscous resistance accompanying the decrease of the oil viscosity from VG10 to VG5 greatly contributed to the reduction of the input of the refrigerant compressor.
以上、本実施の形態においては一定速度の圧縮機についてのべたが、インバーター化に伴い冷媒圧縮機の低速化が進む中、特に20Hzを切るような超低速運転に於いてはさらにオイル103の低粘度化における課題が大きくなり、本発明の効果が顕著になることはいうまでもない。
As described above, in the present embodiment, the constant speed compressor has been described. However, as the speed of the refrigerant compressor is reduced along with the inverter, the
また、今回R600aと鉱油の組合せを例に挙げて説明をしたが、使用する冷媒を同じハイドロカーボン系冷媒であるR290した場合においても、また、使用するオイル103をアルキルベンゼン、エステル、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール等のオイル103にした場合においてもオイル103中に冷媒が溶け込み更に粘度を低下させることから同様の効果が得られる。
Also, this time, the combination of R600a and mineral oil has been described as an example, but when the refrigerant used is R290, which is the same hydrocarbon refrigerant, the
なお本実施の形態においては摺動部の双方に直径が2μm〜50μmで深さが0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ123をほぼ均一に設けたが、摺動部のいずれか一方に施してもよく、同様の作用効果が得られる。さらに、摺動部材料をアルミ等の他の材料としても油膜の形成原理から考え、同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
In the present embodiment, the
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における冷媒圧縮機の断面図である。図8は、同実施の形態のB部拡大図である。
(Embodiment 2)
FIG. 7 is a cross-sectional view of the refrigerant compressor in the second embodiment of the present invention. FIG. 8 is an enlarged view of part B of the same embodiment.
図7、図8において、密閉容器201には固定子202と回転子203からなる電動要素204と、電動要素204によって駆動されるローリングピストン型の圧縮機構205が収納されており,VG10未満VG5以上の粘度のオイル206とR600aからなる冷媒ガス(図示せず)が封入されている。
7 and 8, the
圧縮機構205は偏心部207、主軸部208、副軸部209を有するシャフト210と、圧縮室211を形成するシリンダー212と、シリンダー212の両端面を封止するとともに各々主軸部208と副軸部209を軸支する主軸受213と副軸受214と、偏心部207に遊嵌され圧縮室211内を転動するローリングピストン215と、ローリングピストン215に挿圧され、圧縮室211を高圧側と低圧側に仕切る板状のベーン216とを備えており、主軸部208には回転子203が固定されている。偏心部207とローリングピストン215、主軸部208と主軸受213、副軸部209と副軸受214は相互に摺動部を形成する。
The
副軸受214に固定されたオイルポンプ217は一端がオイル206に、他端が各摺動部に連通している。
The
そして上記各摺動部の表面は、母材である鉄系材料の表面に直径が2μm〜50μmで深さが0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ218をほぼ均一に形成している。
And the surface of each said sliding part has formed the
以上のように構成された冷媒圧縮機について、以下その動作を説明する。 The operation of the refrigerant compressor configured as described above will be described below.
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素204に供給され回転子203を回転させることでシャフト210は回転し、偏心部207に遊嵌されたローリングピストン215が圧縮室211内を転動し、ベーン216が圧縮室211を高圧側と低圧側に仕切ることで、冷媒ガスは圧縮室211内で連続して圧縮される。
Electric power supplied from a commercial power source (not shown) is supplied to the
また、シャフト210の回転に伴ってオイルポンプ217はオイル206を連続的に、上記各摺動部へ給油する。そして微細くぼみ218をほぼ均一に形成することにより各摺動部の隙間にオイル206が引き込まれ、くさび形油膜が形成される。
Further, as the
ここで、ローリングピストン型の冷媒圧縮機はローリングピストン215が偏心部207に回転自在に遊嵌されていることから、ローリングピストン215と偏心部207間の相対速度は主軸部208と主軸受213、副軸部209と副軸受214間の相対速度に比較して小さくなる。このことは軸受半径Rと半径すきまCと速度Nとオイル粘度μと面圧Pから求められるジャーナル軸受の特性を示すゾンマーフェルト数S(数1)が小さくなることであり、摺動潤滑上固体接触が発生しやすい不利な条件である。
S=μ×N/P×(R/C)2 ・・・(数1)
しかしながら、偏心部207の摺動部表面に鋼球もしくはセラミック球等の硬度の硬い球をある速度以上で衝突させる方法で直径2μm〜50μm、深さを0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ218をほぼ均一に設けることにより固体接触が生じても摺動部表面が加工硬化等により表面硬度が上昇することで耐摩耗性が向上し、異常摩耗を防止する。
Here, in the rolling piston type refrigerant compressor, since the
S = μ × N / P × (R / C) 2 (Equation 1)
However, a fine indentation having a diameter of 2 μm to 50 μm and a depth of 0.5 μm to 10 μm by a method in which a hard ball such as a steel ball or a ceramic ball collides with the sliding part surface of the
さらにローリングピストン型の冷媒圧縮機は一般に密閉容器201内が凝縮圧力となるため、内圧が高く、オイル206の冷媒が溶け込みやすい。このことはオイル206の粘度を低下させることであり、上述したジャーナル軸受の特性を示すゾンマーフェルト数S(数1)が小さくなることであり、摺動潤滑上不利な条件である。
Further, in the rolling piston type refrigerant compressor, since the inside of the sealed
しかしながら、微細くぼみ218が微細であることから冷媒が溶け込んだオイル206が微細くぼみ218内に供給されてもくぼみでの体積変化が小さく雰囲気圧力の低下が少なくなり、圧縮された冷媒ガスの圧力が高圧のまま保たれることから、オイル206中に溶け込み可能な冷媒量の低下が抑えられ、オイル206中の冷媒の発泡現象が少なくなり、発泡により摺動部に形成された油膜の破断により生じる固体接触の発生が減少し、摩擦係数の上昇が防止できる。
However, since the
さらに、インバーター等により摺動速度を変化させた場合、特に20Hzを切るような低速運転に於いて大きな効果が得られることは容易に推定できる。 Furthermore, when the sliding speed is changed by an inverter or the like, it can be easily estimated that a great effect can be obtained particularly in a low-speed operation of less than 20 Hz.
また、今回R600aと鉱油の組合せを例に挙げて説明をしたが、使用する冷媒を同じハイドロカーボン系冷媒であるR290した場合においても、また、使用するオイル206をアルキルベンゼン、エステル、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール等のオイル206にした場合においてもオイル206中に冷媒が溶け込み更に粘度を低下させることから同様の効果が得られる。
Moreover, this time, the combination of R600a and mineral oil has been described as an example, but when the refrigerant used is R290, which is the same hydrocarbon refrigerant, the
なお本実施の形態においては鉄系の摺動部の双方に直径2μm〜50μm、深さを0.5μm〜10μmの大きさの微細くぼみ218をほぼ均一に設けたが、摺動部材料をアルミ等の他の材料としても油膜の形成原理から考え、同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
In this embodiment,
以上のように、本発明にかかる冷媒圧縮機は、信頼性が高く、高い効率を備えた圧縮機を提供することが可能となるので、冷凍サイクルを用いた機器に幅広く適用できる。 As described above, the refrigerant compressor according to the present invention can provide a compressor having high reliability and high efficiency, and thus can be widely applied to devices using a refrigeration cycle.
101,201 密閉容器
102 冷媒ガス
103,206 オイル
107,205 圧縮機構
108 クランクシャフト
113 ボアー
114 軸受け
115 ピストン
116 ピストンピン
123,218 微細くぼみ
210 シャフト
213 主軸受
214 副軸受
215 ローリングピストン
101, 201
Claims (7)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003352030A JP2005113865A (en) | 2003-10-10 | 2003-10-10 | Refrigerant compressor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003352030A JP2005113865A (en) | 2003-10-10 | 2003-10-10 | Refrigerant compressor |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005113865A true JP2005113865A (en) | 2005-04-28 |
Family
ID=34543095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003352030A Pending JP2005113865A (en) | 2003-10-10 | 2003-10-10 | Refrigerant compressor |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005113865A (en) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007009862A (en) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Refrigerant compressor |
JP2007016671A (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Refrigerant compressor |
JP2007192071A (en) * | 2006-01-18 | 2007-08-02 | Hitachi Ltd | Hermetic scroll compressor for helium |
JP2008082260A (en) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Hermetic compressor |
JP2020527671A (en) * | 2017-03-30 | 2020-09-10 | クエスト エンジンズ,エルエルシー | Piston seal system |
-
2003
- 2003-10-10 JP JP2003352030A patent/JP2005113865A/en active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007009862A (en) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Refrigerant compressor |
JP2007016671A (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Refrigerant compressor |
JP2007192071A (en) * | 2006-01-18 | 2007-08-02 | Hitachi Ltd | Hermetic scroll compressor for helium |
JP4674812B2 (en) * | 2006-01-18 | 2011-04-20 | 日立アプライアンス株式会社 | Helium hermetic scroll compressor |
JP2008082260A (en) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Hermetic compressor |
JP2020527671A (en) * | 2017-03-30 | 2020-09-10 | クエスト エンジンズ,エルエルシー | Piston seal system |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5012847B2 (en) | Refrigerant compressor and refrigerator using it | |
KR100701527B1 (en) | Hermetic compressor | |
JP5477455B2 (en) | Hermetic compressor | |
KR100724843B1 (en) | Hermetic compressor | |
US20120183419A1 (en) | Hermetic compressor | |
JP2009508029A (en) | Refrigerant compressor, cooling device and refrigerator | |
JP2006169998A (en) | Hermetic compressor | |
JP2005113865A (en) | Refrigerant compressor | |
JP2005133634A (en) | Refrigerant compressor | |
JP2010025075A (en) | Sliding member and hermetic compressor | |
JP2010185286A (en) | Sliding member and compressor | |
JP6041177B1 (en) | Refrigerant compressor and refrigeration apparatus using the same | |
JP2007120342A (en) | Sliding member, compressor and refrigerating cycle device | |
WO2017043036A1 (en) | Coolant compressor and refrigeration device using same | |
US20200270541A1 (en) | Oxide film formed on surface of base material that is iron-based sintered body, sliding member on which oxide film is formed, and apparatus including sliding member | |
JP2014163299A (en) | Hermetic type compressor and refrigerator using the same | |
JP2010077863A (en) | Refrigerant compressor and refrigerating cycle device | |
JPWO2012001989A1 (en) | Rotary compressor | |
JP4905464B2 (en) | Refrigerant compressor | |
JP2001355587A (en) | Rotary compressor | |
JP2010249391A (en) | Sliding member, sealed compressor, and refrigerating cycle device | |
JP2010185344A (en) | Sliding member and compressor | |
JP2010185288A (en) | Sliding member and compressor | |
JP2013024066A (en) | Sliding member and compressor | |
JP2009138585A (en) | Slide member and compressor |