JP2005112829A - アルドース還元酵素阻害薬 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アルドース還元酵素阻害剤及び糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬に関する。
糖尿病性合併症としては神経症、網膜症、腎症などがあり、糖尿病患者の10%が十数年後に各種合併症に悩まされ、羅病期間が30年になると、これらの合併症が30〜50%の患者に発生すると言われている(非特許文献1)。糖尿病合併症の促進要因としてポリオール経路の代謝亢進がある。ポリオール経路はアルドース還元酵素とソルビトールデヒドロゲナーゼが触媒している(非特許文献2)。正常の血中グルコース濃度ではグルコースからソルビトールへ変換される量はわずかにすぎないが、高血糖になるとアルドース還元酵素が活性化され、ポリオール経路に流入するグルコース量が増加し、ソルビトール、フルクトースの生産量が増加する。グルコースの細胞内流入はインスリン非依存性の組織で起こりやすく、細胞内に産生されたソルビトールやフルクトースは細胞膜透過性が低く排泄されにくい為に細胞内に蓄積されやすい。神経症、網膜症及び腎症は、それぞれ神経組織細胞、毛細血管壁細胞及びメサンギウム細胞が主に関与するが、ソルビトールの蓄積とミオイノシトール代謝異常により発症すると考えられる。ミオイノシトールはホスホイノシチドの構成成分であり、これらの細胞内に高濃度に存在する。ミオイノシトールとグルコースは細胞内への取り込みの際に競合する結果、高血糖はミオイノシトール減少の一因であると考えられる。ミオイノシトールの低下はNa/K ATPase活性の低下をもたらし糖尿病性合併症をもたらす(非特許文献3)。
乾姜及び生姜は、健胃、発汗、感冒、喘息、解熱、咳止め等、多くの効能を有する生薬として知られている。しかしながら、アルドース還元酵素阻害作用を有すること並びに糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬として有効であることについては知られていない。
今月の治療11 vol 10 noll 2002 総合医学社 Ward,J.D.et al.Effect of Blood Sugar Control on the Accumulation of Sorbitol and Fructose in Nervous Tissues.Diabetes.21:1173−1178,1972 後藤 由夫ら,90年代の糖尿病の治療 45−47
今月の治療11 vol 10 noll 2002 総合医学社 Ward,J.D.et al.Effect of Blood Sugar Control on the Accumulation of Sorbitol and Fructose in Nervous Tissues.Diabetes.21:1173−1178,1972 後藤 由夫ら,90年代の糖尿病の治療 45−47
本発明は、各種生薬からアルドース還元酵素阻害薬並びに糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬を見出すことを主目的としている。
そこで本発明者らは、酵素源として新たにヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体を用いるとともに、生薬の精製の初期の段階で不活性なアミノ酸の除去を試み、アルドース還元酵素阻害物質を生薬の水溶性アルカロイド画分から分画、精製、構造解析を行い、本発明を完成した。
かくして完成した本発明は、乾姜、生姜及びそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とするアルドース還元酵素阻害薬である。
また、本発明の他の態様は、乾姜、生姜及びそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬である。
また、本発明の他の態様は、式
また、本発明の他の態様は、乾姜、生姜及びそれらの抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬である。
また、本発明の他の態様は、式
(式中、RはOH、COCH3又はCOCH2CH2OHである。)で表される化合物を有効成分とするアルドース還元酵素阻害薬である。
また、本発明の他の態様は、上記化合物を有効成分とする糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬である。
また、本発明の他の態様は、上記化合物を有効成分とする糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬である。
生薬は以下の方法により分画することができる。
まず、各生薬を水中で加熱抽出する。等量のメタノールを加え、冷却後遠心し、上清をデカンテーションにより採取し、濾過する。その後、濾液を陽イオン交換カラムに付し、樹脂の数倍量のアンモニア液で溶出させ、減圧下濃縮する。この画分を用いアルドース還元酵素の阻害活性の測定を行う。
まず、各生薬を水中で加熱抽出する。等量のメタノールを加え、冷却後遠心し、上清をデカンテーションにより採取し、濾過する。その後、濾液を陽イオン交換カラムに付し、樹脂の数倍量のアンモニア液で溶出させ、減圧下濃縮する。この画分を用いアルドース還元酵素の阻害活性の測定を行う。
アルドース還元酵素の阻害活性の測定は、リン酸緩衝液、NADPH、BSA、検体及び基質としてDL−glyceraldehydeを含む反応溶液を調製した後、アルドース還元酵素を加え反応を開始し、反応によって減少するNADPH量を、分光光度計を用いて、吸収波長にて測定する。
従来のスクリーニングに用いていた精製したアルドース還元酵素(ウシレンズ由来)は、牛海綿状脳症の問題から入手が困難となり、また酵素の安定性が悪いという問題があるため、改善が必要であった。本発明者らは酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体に注目した。酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体を用いることにより、これまでの阻害スペクトルに違いが出るか否かについて、乾姜、桔梗及び半夏の水溶性画分を用いて検討を行った。結果として、乾姜のアルドース還元酵素阻害率は、ウシレンズを用いていた結果とほぼ同程度の値を得た。
従来のスクリーニングに用いていた精製したアルドース還元酵素(ウシレンズ由来)は、牛海綿状脳症の問題から入手が困難となり、また酵素の安定性が悪いという問題があるため、改善が必要であった。本発明者らは酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体に注目した。酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体を用いることにより、これまでの阻害スペクトルに違いが出るか否かについて、乾姜、桔梗及び半夏の水溶性画分を用いて検討を行った。結果として、乾姜のアルドース還元酵素阻害率は、ウシレンズを用いていた結果とほぼ同程度の値を得た。
活性画分の単離精製には、この阻害となっていた画分に混在する多数のアミノ酸の除去が必要であったが、合成吸着カラムを用いて極性の違いによる分画を行うによりアミノ酸を除去することができた。
本実験により、乾姜から三種のアルドース還元酵素阻害物質と強い阻害活性を有する画分A’を見出した。これらアルドース還元酵素阻害物質は、乾姜の主成分であるzingerolやshogaolではなかった。また、阻害物質の一つは、乾姜の辛み成分であるzigeroneであるが、これまでにzigeroneがアルドース還元酵素を阻害するとの報告はない。残りの二つの阻害物質は、側鎖の炭素数が違う、zigeroneと類似な構造をもつ化合物であった。
また、薄層クロマトグラフィー(TLC)からアルドース還元酵素阻害活性が認められた生姜にもこれらの活性成分が含まれていることが解った。
また、薄層クロマトグラフィー(TLC)からアルドース還元酵素阻害活性が認められた生姜にもこれらの活性成分が含まれていることが解った。
本発明により、乾姜、生姜及びそれらの抽出物がアルドース還元酵素阻害薬並びに糖尿病及び糖尿病性合併症の予防又は治療薬として有用あることが見出された。
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(生薬の抽出及びアルカロイド画分の調製)
乾姜、生姜、桔梗及び半夏のそれぞれ100gを水800ml中で100℃、40分間加熱抽出した。等量のメタノールを加え、冷却後、7,000rpmで20分間遠心した。上清をデカンテーションにより採取し、ハイフロスーパーセルにて濾過した。その後、濾液を陽イオン交換カラムAmberlite IR−120B(H+form)に付し、樹脂の5倍量の0.5Mアンモニア溶液で溶出させ、エバポレーターを用いて濃縮乾固した。この画分を水溶性アルカロイド画分とした。
乾姜、生姜、桔梗及び半夏のそれぞれ100gを水800ml中で100℃、40分間加熱抽出した。等量のメタノールを加え、冷却後、7,000rpmで20分間遠心した。上清をデカンテーションにより採取し、ハイフロスーパーセルにて濾過した。その後、濾液を陽イオン交換カラムAmberlite IR−120B(H+form)に付し、樹脂の5倍量の0.5Mアンモニア溶液で溶出させ、エバポレーターを用いて濃縮乾固した。この画分を水溶性アルカロイド画分とした。
(アルドース還元酵素の阻害活性の測定)
リン酸緩衝液(200mM pH6.2)、NADPH(1.5mM)、BSA(1mg/mL)、検体(200μg/mL)及び基質としてDL−glyceraldehyde(100mM)を含む反応溶液を調製した後(O time)、アルドース還元酵素(5.1×10−1unit/mL)を加え反応を開始し、反応によって減少するNADPH量を、分光光度計を用いて、吸収波長340nmにて測定した。
反応液の組成:リン酸緩衝液,500μL; NADPH(1.5mM),100μL;BSA(1mg/mL), 100μL;検体,40μL;DL−glyceraldehyde,100μL:アルドース還元酵素10μL;蒸留水,150μL;(全体量,1.0mL)
リン酸緩衝液(200mM pH6.2)、NADPH(1.5mM)、BSA(1mg/mL)、検体(200μg/mL)及び基質としてDL−glyceraldehyde(100mM)を含む反応溶液を調製した後(O time)、アルドース還元酵素(5.1×10−1unit/mL)を加え反応を開始し、反応によって減少するNADPH量を、分光光度計を用いて、吸収波長340nmにて測定した。
反応液の組成:リン酸緩衝液,500μL; NADPH(1.5mM),100μL;BSA(1mg/mL), 100μL;検体,40μL;DL−glyceraldehyde,100μL:アルドース還元酵素10μL;蒸留水,150μL;(全体量,1.0mL)
(酵素起源の違いによるアルドース還元酵素の阻害スペクトルの変化)
本実験から、酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体を用いることにしたため、酵素の違いによりこれまでの阻害スペクトルに違いが出るか否かについて、乾姜、生姜、桔梗及び半夏の水溶性画分を用いて検討を行った。その結果、乾姜のアルドース還元酵素阻害率は63.6%、桔梗は28.9%及び半夏は39.5%であり、ウシレンズを用いていた結果とほぼ同程度の値であった。
本実験から、酵素源としてヒト筋肉由来のアルドース還元酵素組換え体を用いることにしたため、酵素の違いによりこれまでの阻害スペクトルに違いが出るか否かについて、乾姜、生姜、桔梗及び半夏の水溶性画分を用いて検討を行った。その結果、乾姜のアルドース還元酵素阻害率は63.6%、桔梗は28.9%及び半夏は39.5%であり、ウシレンズを用いていた結果とほぼ同程度の値であった。
(アルドース還元酵素阻害物質の単離精製及び阻害活性の測定)
図1に従って行った。
活性画分と混在する多数のアミノ酸の除去を目的として、合成吸着カラムDiaion HP−20を用いて極性の違いによる分画を試みた。乾姜の水溶性画分をDiaion HP−20に付し、水、50%メタノール、75%メタノール、100%メタノール及び0.5Mアンモニア溶液の順で溶出し、それぞれの画分をI〜Vとした。アルドース還元酵素阻害活性を測定した結果、画分1の阻害率は52.0%、IIは88.0%、IIIは88.0%、IVは66.0%及びV14.6%であった。
図1に従って行った。
活性画分と混在する多数のアミノ酸の除去を目的として、合成吸着カラムDiaion HP−20を用いて極性の違いによる分画を試みた。乾姜の水溶性画分をDiaion HP−20に付し、水、50%メタノール、75%メタノール、100%メタノール及び0.5Mアンモニア溶液の順で溶出し、それぞれの画分をI〜Vとした。アルドース還元酵素阻害活性を測定した結果、画分1の阻害率は52.0%、IIは88.0%、IIIは88.0%、IVは66.0%及びV14.6%であった。
(溶出されてきた画分の傾向)
溶出されてきた成分の傾向を見るために、薄層クロマトグラフイー(TLC)にスポットし、プロパノール:酢酸:水:=4:1:1(v/v/v)の展開溶媒で展開させた後、ニンヒドリン、クロラックス、ヨウ素の各発色試薬を用いて呈色した。その結果、水溶出画分のみニンヒドリン陽性のスポットが認められたことから、従来の精製の際、問題となっていたアミノ酸は水溶出画分に溶出していると推察された。また、画分IIにはクロラックス陽性の化合物が含まれ、画分IIIと画分IVには、ヨウ素のみに反応する性質類似の化合物が含まれていることが推察された。
溶出されてきた成分の傾向を見るために、薄層クロマトグラフイー(TLC)にスポットし、プロパノール:酢酸:水:=4:1:1(v/v/v)の展開溶媒で展開させた後、ニンヒドリン、クロラックス、ヨウ素の各発色試薬を用いて呈色した。その結果、水溶出画分のみニンヒドリン陽性のスポットが認められたことから、従来の精製の際、問題となっていたアミノ酸は水溶出画分に溶出していると推察された。また、画分IIにはクロラックス陽性の化合物が含まれ、画分IIIと画分IVには、ヨウ素のみに反応する性質類似の化合物が含まれていることが推察された。
(画分IIIからのアルドース還元酵素阻害物質の単離及び阻害活性の測定)
図2に従って行った。
画分III(288.4mg)をゲル濾過カラムLH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出した。溶出されたフラクションをTLCプレートで展開後、3つの画分(III−▲1▼,III−▲2▼,III−▲3▼)に分画し、ヨウ素のみに陽性のアルドース還元酵素阻害物質画分III−▲2▼(11.7mg)及びIII−▲3▼(15.5mg)を単離した。各種一次元NMRにより構造を解析した結果、III−▲3▼画分の活性物質は乾姜の辛み成分の一種であるZingeroneであることが明らかになった。また阻害活性を測定したところ、終濃度100μg/mLで阻害率75.2%を示した。また、III−▲2▼画分の活性物質はZingeroneの構造類似物である4−hydroxy−3−methoxyphenethyl alcoholであることが明らかになった。
図2に従って行った。
画分III(288.4mg)をゲル濾過カラムLH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出した。溶出されたフラクションをTLCプレートで展開後、3つの画分(III−▲1▼,III−▲2▼,III−▲3▼)に分画し、ヨウ素のみに陽性のアルドース還元酵素阻害物質画分III−▲2▼(11.7mg)及びIII−▲3▼(15.5mg)を単離した。各種一次元NMRにより構造を解析した結果、III−▲3▼画分の活性物質は乾姜の辛み成分の一種であるZingeroneであることが明らかになった。また阻害活性を測定したところ、終濃度100μg/mLで阻害率75.2%を示した。また、III−▲2▼画分の活性物質はZingeroneの構造類似物である4−hydroxy−3−methoxyphenethyl alcoholであることが明らかになった。
(画分IVからのアルドース還元酵素阻害物質の単離)
図3に従って行った。
画分IV(247.1mg)をゲル濾過カラムSephadex LH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出し、TLCプレートで展開後、3つの画分(IV−▲1▼,IV−▲2▼,IV−▲3▼に分画した。この分画により、ヨウ素のみに陽性のアルドース還元酵素阻害物質である画分IV−▲3▼(18.5mg)を単離できた。各種一次元NMRで構造を解析した結果、IV−▲3▼の活性物質は5−hydroxy−1−(4−hydroxy−3−methoxyphenyl)−3−pentanoneであることが明らかになった。
画分III及び画分IVの分画から、脂溶性の高いところにも活性物質が含まれていることが明らかになった。しかしながら、この分画方法では収量が悪いため、脂溶性の高いところに着目し再度、酢酸エチル分配を用いた方法により分画を行った(図4参照)。乾姜(3kg)の熱水抽出液を酢酸エチルにより分配し、酢酸エチル層を陽イオン交換カラムAmberlist15に付し水で溶出した。さらに、ゲル濾過カラムSephadex LH−20を用いて4つの画分(A,B,C,D)に分けた。結果、画分IV−▲3▼と同一のアルドース還元酵素阻害物質が画分Dにおいて343.8mg単離できた。
図3に従って行った。
画分IV(247.1mg)をゲル濾過カラムSephadex LH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出し、TLCプレートで展開後、3つの画分(IV−▲1▼,IV−▲2▼,IV−▲3▼に分画した。この分画により、ヨウ素のみに陽性のアルドース還元酵素阻害物質である画分IV−▲3▼(18.5mg)を単離できた。各種一次元NMRで構造を解析した結果、IV−▲3▼の活性物質は5−hydroxy−1−(4−hydroxy−3−methoxyphenyl)−3−pentanoneであることが明らかになった。
画分III及び画分IVの分画から、脂溶性の高いところにも活性物質が含まれていることが明らかになった。しかしながら、この分画方法では収量が悪いため、脂溶性の高いところに着目し再度、酢酸エチル分配を用いた方法により分画を行った(図4参照)。乾姜(3kg)の熱水抽出液を酢酸エチルにより分配し、酢酸エチル層を陽イオン交換カラムAmberlist15に付し水で溶出した。さらに、ゲル濾過カラムSephadex LH−20を用いて4つの画分(A,B,C,D)に分けた。結果、画分IV−▲3▼と同一のアルドース還元酵素阻害物質が画分Dにおいて343.8mg単離できた。
(画分IIからの活性画分の分離)
図5に従って行った。
画分III、画分IVにはヨウ素のみに陽性な化合物が含まれていたのに対し、画分II(894.1mg)はクロラックスのみに陽性反応がみられた。画分IIをゲル濾過カラムSephadex LH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出し、TLCプレートで展開後、L−トリプトファン画分であるII−▲1▼と、L−トリプトファン及びクロラックス陽性スポットを含む画分II−▲2▼(26.1mg)に分けた。L−トリプトファンの標品には阻害活性が認められなかったことから、阻害活性を示すものは、クロラックスのみに反応するアルカロイドであると推察された。
図5に従って行った。
画分III、画分IVにはヨウ素のみに陽性な化合物が含まれていたのに対し、画分II(894.1mg)はクロラックスのみに陽性反応がみられた。画分IIをゲル濾過カラムSephadex LH−20に付し、メタノール(1%→100%)の濃度勾配で溶出し、TLCプレートで展開後、L−トリプトファン画分であるII−▲1▼と、L−トリプトファン及びクロラックス陽性スポットを含む画分II−▲2▼(26.1mg)に分けた。L−トリプトファンの標品には阻害活性が認められなかったことから、阻害活性を示すものは、クロラックスのみに反応するアルカロイドであると推察された。
画分II−▲2▼の収量は少なかったため再び分画を行った(図6参照)。合成吸着カラムDiaion HP−20の50%メタノール溶出画分を用いてカラムクロマトを行い、4つの画分(A’,B’,C’,D’)に分けた。阻害活性を測定した結果、活性化合物はクロラックスのみに陽性のダブルスポットを示す画分A’に含まれることがわかった。また、この分画方法では、不純物のL−トリプトファンは画分C’に溶出され活性物質と分離することができた。
Claims (4)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003379129A JP2005112829A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | アルドース還元酵素阻害薬 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014193816A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Sakamoto Yakusoen:Kk | 脂肪組織の慢性炎症抑制剤 |
-
2003
- 2003-10-02 JP JP2003379129A patent/JP2005112829A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014193816A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Sakamoto Yakusoen:Kk | 脂肪組織の慢性炎症抑制剤 |
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