JP2005111813A - 透光性樹脂板 - Google Patents
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Abstract
【課題】図柄などが鮮明に見えることは勿論、図柄が浮かび上がって見える透光性樹脂板を提供する。
【解決手段】透光性樹脂基材1の片面2全面に微細な凹凸21を形成すると共に、他面3に前記片面の微細凹凸より大きな凹凸の模様部4を部分的に形成した構成の透光性樹脂板P1とする。模様部4の凹凸は多数の細かな凸条41により形成され、この凸条41が歪曲し且つランダムな方向に伸びている構成とする。他面の模様部4が片面の微細凹凸21より大きな凹凸であるため、微細凹凸21の中に模様部4が浮かび上がって視認され、立体感のある模様部4となる。
【選択図】図1
【解決手段】透光性樹脂基材1の片面2全面に微細な凹凸21を形成すると共に、他面3に前記片面の微細凹凸より大きな凹凸の模様部4を部分的に形成した構成の透光性樹脂板P1とする。模様部4の凹凸は多数の細かな凸条41により形成され、この凸条41が歪曲し且つランダムな方向に伸びている構成とする。他面の模様部4が片面の微細凹凸21より大きな凹凸であるため、微細凹凸21の中に模様部4が浮かび上がって視認され、立体感のある模様部4となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、間仕切りやガラス代用板や装飾板やベランダ、バルコニーなどの腰板などに、特に室内における上記用途に好適に使用できる透光性樹脂板に関する。
室内の透光性を有する間仕切りとして、ガラスが多く使用されている。該ガラスは透明性があり、スリガラスにして視線を防ぐこともでき、今でも重宝されている。しかし、該ガラスは重くて取り扱い性に欠け、また割れやすいという問題も有している。そこで、最近、ポリカーボネート樹脂製の板材が間仕切りなどに採用されつつある。該ポリカーボネート樹脂板材は、透光性を有し、割れ難く、また透明板や表面に微細な凹凸を施したマット板などもあり、色相も自由に着色することができるという利点を有している。
さらに、ガラスやポリカーボネート樹脂板材の表面に部分的にマットを施した樹脂板も、部分的なマットにより図柄や模様などが形成されるので、好ましく使用されている。特に、樹脂板の片面に、凸条が複数条づつ平行に褶曲蛇行してランダム方向に伸びている光拡散面域を形成した透光性樹脂板は、透明面域とのコントラストが良好で、鮮明な模様や図柄を形成でき、遮蔽性と採光性とを要求される用途に数多く使用されている(特許文献1参考)。
特開2000−15725
しかし、これらの樹脂版はその片面にのみマットや光拡散面域が形成されているため、図柄などが鮮明に見えても、深みのある図柄などにすることはできなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、図柄などが鮮明に見えることは勿論のこと、図柄が浮かび上がって見える透光性樹脂板を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、図柄などが鮮明に見えることは勿論のこと、図柄が浮かび上がって見える透光性樹脂板を提供することを目的とする。
そのため、本発明に係る透光性樹脂板は、透光性樹脂基材の片面全面に微細な凹凸を形成すると共に、他面に前記片面の微細凹凸より大きな凹凸の模様部を部分的に形成したことを特徴とするものである。
この模様部の凹凸は、多数の細かな凸条により形成されていると共に、凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていることが好ましい。また模様部の凹凸が多数の細かな凸条により形成され、該凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていると共に、その大部分の複数の凸条がお互いに並行に形成されて凸条群を形成していることも好ましい。
さらに、透光性樹脂基材の片面全面に形成されている微細凹凸が100〜300μmの表面粗さであり、その他面の模様部の凸条の高さが30〜100μmで、その凸条の頂部間隔が200〜700μmであることも好ましい。
この模様部の凹凸は、多数の細かな凸条により形成されていると共に、凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていることが好ましい。また模様部の凹凸が多数の細かな凸条により形成され、該凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていると共に、その大部分の複数の凸条がお互いに並行に形成されて凸条群を形成していることも好ましい。
さらに、透光性樹脂基材の片面全面に形成されている微細凹凸が100〜300μmの表面粗さであり、その他面の模様部の凸条の高さが30〜100μmで、その凸条の頂部間隔が200〜700μmであることも好ましい。
本発明の透光性樹脂板は、他面の模様部が片面の微細凹凸より大きな凹凸であるため、微細凹凸の中に模様部が浮かび上がって視認され、立体感のある模様部となる。他面の模様部が凸条で形成されたり、その大部分が凸条群により形成されたりしていると、片面の微細凹凸と異なる凹凸形状であるため、さらに凸条や凸条群からなる模様部が明瞭に視認されることとなる。これらの微細凹凸の表面粗さが100〜300μmで、凸条の高さが30〜100μmで、凸条の頂部間隔が200〜700μmであると、片面での光の反射と他面での光の反射が異なり、意匠性が増した模様部が視認できる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて以下説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る透光性樹脂板の他面側より見た平面図であり、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図1のX−X線拡大断面図である。
透光性樹脂板P1は、ポリカーボネート樹脂などの透光性樹脂よりなる基材1の一方の片面2の全表面に微細な凹凸21が形成されている。一方、基材1の反対側の面である他面3には、前記片面2の微細凹凸21より大きな凹凸の模様部4が部分的に形成されている。
基材1に用いる透光性樹脂としては、前記のポリカーボネート樹脂の他にアクリル樹脂、晶質若しくは非晶質のポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂などの透光性を有する樹脂が用いられる。これらの樹脂のなかで、耐衝撃性に富むポリカーボネート樹脂、透明性に優れるアクリル樹脂が最も好ましい。該基材1の厚みは特に限定されないが、間仕切り、室内装飾板などの用途にあっては、2〜5mm程度の厚みが採用される。他の用途の場合においては、その要求品質に合わせて適宜の厚みが採用される。
上記基材1の片面2に形成されている微細凹凸21は、通常マットと称されている程度の小さな凹凸であり、具体的には、その表面粗さが100〜300μmである微細な凹凸を、全面に且つ均一に付形したものである。ここで、表面粗さは、JIS B−0601に基づいて測定された値である。表面粗さが100μmより小さいと光散乱が十分に行われない。一方、300μmより大きいと、光散乱し過ぎて模様部4との光散乱差がなくなり、模様部4が浮び上がってこないので、好ましくない。さらに具体的には、この凹凸21の高さは100〜300μmであり、凸部間隔は300〜800μmであることが好ましい。
また、基材1の他面3に部分的に形成されている模様部4は、片面2に形成されている微細凹凸21より大きな凹凸であり、凸部の高さと凸部間隔を微細凹凸21より大きくしたランダムな凹凸としてもよいが、微細凹凸21とは異なる形状の凹凸であることが好ましい。例えば、図1〜3に示す如く、凸起ではなくて、多数の細かな凸条41により形成されていて、該凸条41が歪曲し且つランダムな方向に伸びていて、1つの模様部4を形成していることが好ましい。このような凸条41からなる模様部4であると、該模様部4が片面2の微細凹凸21とは異なる光反射、光散乱をなし、しかも光反射、光散乱も強いため、該模様部4が微細凹凸21から浮かび上がって視認されることとなる。
上記凸条41の高さは、30〜100μmであることが好ましく、また、凸条41の頂部間隔は200〜700μmであることが好ましい。高さが30μmより小さく、且つ頂部間隔が200μmより狭いと、凹凸が細か過ぎて、片面の微細凹凸との差が生じ難く、一方、高さが100μmより大きく、且つ頂部間隔が700μmより広いと、凹凸が大き過ぎて際立った模様とすることができず、片面2の微細凹凸21から浮かび上がった模様部4を形成することができない。
模様部4は、他面3の適所に自由に形成できるが、部分的に形成する必要がある。この模様部4の他面3の全体に占める割合を、10〜80%、好ましくは20〜50%程度にすることがよく、10%以下であると模様が目立たなくなり、80%以上であると模様が浮かび上がらなくなる。
上記の如き構成の透光性樹脂板P1を製造するには、例えば、ポリカーボネート樹脂を押出し成形しつつ、該シートの両面を、微細凹凸を刻設したエンボスロールと模様部を刻設したエンボスロールにて挟圧することで、押出しシートの両面に微細凹凸21と模様部4とを付形することで容易に製造できる。その他、微細凹凸を刻印した金属板と模様部を刻印した金属板とで、シートを夾持してホットプレスすることでも容易に製造できる。また、予め微細凹凸を形成したアクリルフィルムと模様部を形成したアクリルフィルムとを製作し、これらのフィルムをポリカーボネート樹脂シートにラミネートしてもよい。
図4は本発明の他の実施形態に係る透光性樹脂板P2の拡大平面図である。この透光性樹脂板P2は、模様部4の細かな凸条41が全て単条で歪曲し且つランダムな方向に伸びているのではなくて、その大部分の複数の凸条がお互いに平行に且つ湾曲して形成されてランダム方向に伸びる凸条群42が、複数個、ランダムに模様部4の中に単条の凸条41と共に混在して形成されている点で、図1〜図3で示す前記実施形態とは異なる。図4においては、凸条41の大部分が凸条群42を形成している。このように、凸条群42をも有する模様部4であると、凸条群42の各凸条41での光反射、光散乱が同じ方向であるので、強く視認されることとなり、該模様部4が微細凹凸21からより浮かび上がって視認されることとなる
その他の構成は前記実施形態と同じであるので、同じ符号を付して、説明を省略する。
図5は本発明の更に他の実施形態に係る透光性樹脂板P3の断面図である。この透光性樹脂板P3において、透光性基材1が基材本体11と耐候性層12とで形成されている点で前記各実施形態の透光性樹脂板とは異なる。基材本体11は透光性樹脂で形成されており、その片表面に形成された耐候層12は透光性樹脂に公知の紫外線吸収剤、光安定剤などを1〜5重量%添加した組成物で形成されている。この耐候層12は基材本体11の光劣化を防ぐ層であり、基材1を製作する際に、基材本体11と共に2層共押出し成形すればよい。
その他の、片面2の微細凹凸21や他面の模様部4などの他の構成は前記各実施形態と同じであるので、説明を省略する。なお、耐候層12は、基材本体11の両表面に形成してもよい。
この実施形態の透光性樹脂板P3でも、模様部4が微細凹凸21から浮かび上がって、意匠性を有する模様部4として視認される。また、耐候層12を有するので、太陽光があたる用途である屋外や窓際などで使用しても光劣化による色相変化が少なく、長期間模様部4をはっきりと視認することができる。
本発明の透光性樹脂板は、他面の模様部が浮かび上がって視認されるので意匠性を増し、室内該の間仕切りやガラス代用板や室内装飾板やベランダ、バルコニーなどの腰板などの装飾樹脂板に使用できる。
P1、P2、P3 透光性樹脂板
1 基材
2 片面
21 微細な凹凸
3 他面
4 模様部
41 凸条
42 凸条群
1 基材
2 片面
21 微細な凹凸
3 他面
4 模様部
41 凸条
42 凸条群
Claims (4)
- 透光性樹脂基材の片面全面に微細な凹凸を形成すると共に、他面に前記片面の微細凹凸より大きな凹凸の模様部を部分的に形成したことを特徴とする透光性樹脂板。
- 模様部の凹凸が多数の細かな凸条により形成されていると共に、凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていることを特徴とする請求項1に記載の透光性樹脂板。
- 模様部の凹凸が多数の細かな凸条により形成され、該凸条が歪曲し且つランダムな方向に伸びていると共に、その大部分の複数の凸条がお互いは並行に形成されて凸条群を形成していることを特徴とする請求項1に記載の透光性樹脂板。
- 片面の微細凹凸の表面粗さが100〜300μmであり、他面の模様部の凸条の高さが30〜100μmで、凸条の頂部間隔が200〜700μmであることを特徴とする請求項2又は請求項2に記載の透光性樹脂板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003349012A JP2005111813A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 透光性樹脂板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003349012A JP2005111813A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 透光性樹脂板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005111813A true JP2005111813A (ja) | 2005-04-28 |
Family
ID=34540993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003349012A Pending JP2005111813A (ja) | 2003-10-08 | 2003-10-08 | 透光性樹脂板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005111813A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017026597A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 矢崎総業株式会社 | 樹脂成型品、及び、車両用表示装置 |
-
2003
- 2003-10-08 JP JP2003349012A patent/JP2005111813A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2017026597A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 矢崎総業株式会社 | 樹脂成型品、及び、車両用表示装置 |
US11173786B2 (en) | 2015-07-24 | 2021-11-16 | Yazaki Corporation | Resin molded article and vehicle display device |
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