JP2005109046A - 電磁波吸収材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 平板状の導電性材料担持体の内部に電磁波を吸収する導電性材料を、電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして担持させることにより、視覚的に威圧感を与えることなく、従来の電磁波吸収材と同様に電磁波の拡散効果を得ることを目的とする。更には、複数の部材を組み合わせる等の手間がかかる方法によることなく、電磁波吸収材に音波吸収性能を付与することを目的とする。
【解決手段】 電磁波吸収材を平板状の導電性材料担持体から構成し、前記導電性材料担持体の内部に電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させ、前記凹凸面の頂部を電磁波入射面に接触させたものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 電磁波吸収材を平板状の導電性材料担持体から構成し、前記導電性材料担持体の内部に電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させ、前記凹凸面の頂部を電磁波入射面に接触させたものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電波暗室や無響電波暗室などに使用される電磁波吸収材に関するものである。
従来、電波暗室では、カーボン含有の発泡ポリウレタンや発泡ポリエチレン製の四角錘又は楔型の電磁波吸収材が使用されている。このように電磁波吸収材の形状を四角錘又は楔型する理由は、入射した電磁波を拡散させ、入射した電磁波を特定方向への反射を抑えるためである。
前記発泡剤を四角錘や楔型に加工する方法としては、ブロック状の発泡体から熱線などを利用して、四角錘、楔型を切り出す方法と、四角錘、楔型の成形型を準備し、型内で発泡させて形成する方法がある。
しかしながら、熱線などを使用して四角錘形状、楔型形状を切り出す方法は、材料がウレタンやポリエチレンなどの有機系材料であれば可能であるが、耐熱性の高い無機系などの材料では不可能である。また、成形型を使用する方法では、コストがかかる型を準備する必要があり、設備償却の問題から少数の生産には対応できないという問題がある。
しかしながら、熱線などを使用して四角錘形状、楔型形状を切り出す方法は、材料がウレタンやポリエチレンなどの有機系材料であれば可能であるが、耐熱性の高い無機系などの材料では不可能である。また、成形型を使用する方法では、コストがかかる型を準備する必要があり、設備償却の問題から少数の生産には対応できないという問題がある。
また、一方で、従来の四角錘等が表面に表れる電磁波吸収材を電波暗室に設置すると、在室者が視覚的に威圧感を感じるという問題がある。このため、電磁波吸収材の前面に目隠しを目的とした平板を設置する必要がある。
このような電磁波吸収材として特許文献1には、四角錘の電磁波吸収材を平面上に四方に設け、これらの凹部に音波吸収体を設置することにより、電磁波吸収と音波吸収の両方の機能を有する構造について開示されている。この構造によれば、表面が平らに見えるため、在室者に威圧感を与えることがない。
しかしながら、特許文献1に開示される構造のものでは、電磁波吸収材と音波吸収体の両方を別々に準備する必要がある。更に、電波暗室への取り付けも、電磁波吸収材の取り付けと音波吸収体の取り付けが必要なことから、コスト的にも大きな負担となってしまうという不具合が発生する。
しかしながら、特許文献1に開示される構造のものでは、電磁波吸収材と音波吸収体の両方を別々に準備する必要がある。更に、電波暗室への取り付けも、電磁波吸収材の取り付けと音波吸収体の取り付けが必要なことから、コスト的にも大きな負担となってしまうという不具合が発生する。
そこで、本発明は、平板状の導電性材料担持体の内部に電磁波を吸収する導電性材料を、電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして担持させることにより、視覚的に威圧感を与えることなく、従来の電磁波吸収材と同様に電磁波の拡散効果を得ることを目的とする。更には、複数の部材を組み合わせる等の手間がかかる方法によることなく、電磁波吸収材に音波吸収性能を付与することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討の結果、以下の解決手段を見出した。
即ち、本発明の電磁波吸収材は、請求項1に記載の通り、電磁波吸収材を平板状の導電性材料担持体から構成し、前記導電性材料担持体の内部に電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させ、前記凹凸面の頂部を電磁波入射面に接触させたものであることを特徴とする。
また、請求項2の電磁波吸収材は、請求項1に記載の電磁波吸収体において、前記凹凸面は、四角錘又は円錐により構成されることを特徴とする。
また、請求項3の電磁波吸収材は、請求項1又は2に記載の電磁波吸収体において、前記導電性材料担持体は、音波吸収材により構成されることを特徴とする。
また、請求項4の電磁波吸収材は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波吸収体において、前記導電性材料担持体は、無機質繊維により構成されることを特徴とする。
また、請求項5の電磁波吸収材は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面に対向する面側に、導電性材料が全体的に担持された平板状の導電性材料担持体を積層したことを特徴とする。
また、請求項6の電磁波吸収材は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面側に仕上加工を施したことを特徴とする。
また、本発明の電磁波吸収材の製造方法は、請求項7に記載の通り、平板状の導電性材料担持体から電磁波吸収材を製造するための製造方法であって、前記導電性材料担持体の電磁波入射面となる側から対向面に向かって、導電性材料を拡散するようにして担持させることを特徴とする。
また、請求項8の電磁波吸収材の製造方法は、請求項7記載の電磁波吸収材において、前記導電性材料が担持された面は、四角錘又は円錐の側面を形成することを特徴とする。
即ち、本発明の電磁波吸収材は、請求項1に記載の通り、電磁波吸収材を平板状の導電性材料担持体から構成し、前記導電性材料担持体の内部に電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させ、前記凹凸面の頂部を電磁波入射面に接触させたものであることを特徴とする。
また、請求項2の電磁波吸収材は、請求項1に記載の電磁波吸収体において、前記凹凸面は、四角錘又は円錐により構成されることを特徴とする。
また、請求項3の電磁波吸収材は、請求項1又は2に記載の電磁波吸収体において、前記導電性材料担持体は、音波吸収材により構成されることを特徴とする。
また、請求項4の電磁波吸収材は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波吸収体において、前記導電性材料担持体は、無機質繊維により構成されることを特徴とする。
また、請求項5の電磁波吸収材は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面に対向する面側に、導電性材料が全体的に担持された平板状の導電性材料担持体を積層したことを特徴とする。
また、請求項6の電磁波吸収材は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面側に仕上加工を施したことを特徴とする。
また、本発明の電磁波吸収材の製造方法は、請求項7に記載の通り、平板状の導電性材料担持体から電磁波吸収材を製造するための製造方法であって、前記導電性材料担持体の電磁波入射面となる側から対向面に向かって、導電性材料を拡散するようにして担持させることを特徴とする。
また、請求項8の電磁波吸収材の製造方法は、請求項7記載の電磁波吸収材において、前記導電性材料が担持された面は、四角錘又は円錐の側面を形成することを特徴とする。
上記の通り、本発明の電磁波吸収材によれば、平板形状の導電性材料担持体の内部に、電磁波入射面に対して、四角錘、円錐、楔型等の凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させることにより、視覚的に威圧感を与えることがない電磁波吸収材とすることができる。また、導電性材料担持体として音波吸収体を使用することにより、簡単に低コストで電磁波吸収性能に加えて音波吸収性能を得ることができる。更に、導電性材料担持体を無機質繊維により構成することで、軽量で不燃化を図ることができるので、不燃性が要求される建築材料や道路インフラ材料への採用も可能となる。
導電性材料担持体の内部に導電性材料が担持されて形成される凹凸面の形状としては、入射した電磁波が入射方向又は入射角度に対して対象となる反射角度の方向に反射しない拡散効果を発揮できる形状、例えば、四角錘、円錐又は楔型等とすることができる。その中でも、特に、四角錘や円錘が好ましい。楔型の場合は、前記錐形状のように側周面全てにおいて電磁波を反射させることができないため、電磁波の入射方向によって吸収特性に変わってしまうからである。尚、本発明において、四角錐や円錐は、必ずしも厳密な幾何学的立体形状を意味するものではなく、電磁波入射面から対向する側の面に向かってその断面積が広くなる形状のものであれば前記錐形状に含まれるものとする。
前記凹凸面の高さとしては、20mmから300mmが好ましく、より好ましくは、50mmから100mmである。
また、凹凸面を四角錐、円錐又は楔型から構成する場合には、四角錘若しくは楔型の底面の1辺、又は円錐の底面の直径の長さとしては、前記凹凸面の高さの1倍から1/4倍とすることが好ましく、より好ましくは、1/2から1/3倍である。凹凸面の高さと前記長さの比が、前記範囲外であると、十分な電磁波の拡散効果を得ることができないからである。
尚、凸部の先端は尖っていることが好ましいが、対象となる電磁波の周波数の波長に対して先端部の大きさが十分に小さければ、特に尖っている必要はない。例えば、四角錐台、円錐台、球帯の先端が平らになったものでもよい。
また、導電性材料担持体内部には、通常複数の凸部を設けるものであるが、凸部の配列としては、四方向に連接して、或いは、間隔をおいて千鳥状に配設するようにしてもよい。また、凸部のピッチ間隔としては、20mmから300mmが好ましく、より好ましくは50mmから100mmである。
前記凹凸面の高さとしては、20mmから300mmが好ましく、より好ましくは、50mmから100mmである。
また、凹凸面を四角錐、円錐又は楔型から構成する場合には、四角錘若しくは楔型の底面の1辺、又は円錐の底面の直径の長さとしては、前記凹凸面の高さの1倍から1/4倍とすることが好ましく、より好ましくは、1/2から1/3倍である。凹凸面の高さと前記長さの比が、前記範囲外であると、十分な電磁波の拡散効果を得ることができないからである。
尚、凸部の先端は尖っていることが好ましいが、対象となる電磁波の周波数の波長に対して先端部の大きさが十分に小さければ、特に尖っている必要はない。例えば、四角錐台、円錐台、球帯の先端が平らになったものでもよい。
また、導電性材料担持体内部には、通常複数の凸部を設けるものであるが、凸部の配列としては、四方向に連接して、或いは、間隔をおいて千鳥状に配設するようにしてもよい。また、凸部のピッチ間隔としては、20mmから300mmが好ましく、より好ましくは50mmから100mmである。
前記導電性材料としては、カーボンブラックやグラファイト、金属系の微粒子などがあるが、取扱い性やコストを勘案すると、好ましくは、カーボンブラック又はグラファイトである。これらを導電性材料担持体内に注入して担持させるためには、カーボンブラックやグラファイトは水やアルコールに分散させた状態にしておくことが好ましい。特に、導電性材料担持体に撥水加工などを施している場合は、アルコールに分散させた状態がより好ましい。尚、導電性材料担持体に固定させるためにアクリルなどのバインダーを混合してもよい。
前記導電性材料担持体としては、導電性材料を担持させるために多孔質状の構造体とする必要がある。高い音波吸収性能を期待する場合は、繊維体とすることが好ましい。更に、導電性材料担持体に難燃性や不燃性とする場合には、無機質繊維体とすることが好ましい。無機質繊維体としては、ガラス繊維やロックウールなどがあるが、コストや軽量化を考慮するとガラス繊維とすることが好ましい。
ガラス繊維の密度としては、導電性材料の注入のしやすさを考慮すると、4kg/m3から24kg/m3の低密度とすることが好ましい。このような低密度のガラス繊維構造体としては、ガラス長繊維の多孔質構造体がある。ガラス長繊維の多孔質構造体は、公知の方法により製造可能であり、例えば、自動車用電池の絶縁体や、換気扇などのフィルタとして一般的に使用されている。また、更に、高い吸音性能を得るためには、ガラス繊維密度は、24kg/m3から96kg/m3の高密度とすることが好ましい。このような高密度のガラス繊維構造体としては、汎用的に吸音材として使用されているグラスウールがある。
尚、本発明において、導電性材料担持体を音波吸収材により構成した場合には、音波吸収材において、一部の電磁波が吸収されることになることがあるが、それ以外の電磁波は、導電性材料により吸収されることとなる。
ガラス繊維の密度としては、導電性材料の注入のしやすさを考慮すると、4kg/m3から24kg/m3の低密度とすることが好ましい。このような低密度のガラス繊維構造体としては、ガラス長繊維の多孔質構造体がある。ガラス長繊維の多孔質構造体は、公知の方法により製造可能であり、例えば、自動車用電池の絶縁体や、換気扇などのフィルタとして一般的に使用されている。また、更に、高い吸音性能を得るためには、ガラス繊維密度は、24kg/m3から96kg/m3の高密度とすることが好ましい。このような高密度のガラス繊維構造体としては、汎用的に吸音材として使用されているグラスウールがある。
尚、本発明において、導電性材料担持体を音波吸収材により構成した場合には、音波吸収材において、一部の電磁波が吸収されることになることがあるが、それ以外の電磁波は、導電性材料により吸収されることとなる。
更に、前記電磁波吸収材の電磁波の入射面側とは反対側の面に導電性材料担持体に全体的に導電性材料を担持させた別の導電性材料担持体を積層させることにより電磁波吸収材とすることが好ましい。この場合の導電性材料担持体としては、前記導電性材料担持体と同じものを使用することができる。また、導電性材料の担持量や積層数、各層の導電性材料担持体の密度などは対象とする電磁波の波長や、期待する音波、電磁波の吸収効果などを勘案して適宜選択することができる。
尚、全体的に導電性材料を担持させた導電性材料担持体を積層させる場合は、電磁波の入射側から徐々に導電性材料の付着量が増えるように積層することが好ましい。これは、一般的に多層型の電磁波吸収材に使用される設計技術であるが、入射した電磁波は導電性材料の付着量の少ない表面層での反射が小さく、次第に導電性材料の付着量の多い層に入っていき、大きく吸収されるためである。このようなことは、周波数が変わっても同じように作用するので、周波数特性を広帯域にすることができる。
また、前記のようにして積層させる場合には、接着剤を使用する。接着剤としては、電磁波の反射が小さい有機系の接着剤を選定すればよく、具体的にはアクリルやゴム系の接着剤が好ましい。
尚、全体的に導電性材料を担持させた導電性材料担持体を積層させる場合は、電磁波の入射側から徐々に導電性材料の付着量が増えるように積層することが好ましい。これは、一般的に多層型の電磁波吸収材に使用される設計技術であるが、入射した電磁波は導電性材料の付着量の少ない表面層での反射が小さく、次第に導電性材料の付着量の多い層に入っていき、大きく吸収されるためである。このようなことは、周波数が変わっても同じように作用するので、周波数特性を広帯域にすることができる。
また、前記のようにして積層させる場合には、接着剤を使用する。接着剤としては、電磁波の反射が小さい有機系の接着剤を選定すればよく、具体的にはアクリルやゴム系の接着剤が好ましい。
導電性材料を導電性材料担持体内部に凹凸面を形成するように担持させる方法としては、例えば、エア式のスプレーガンで導電性材料担持体の電磁波入射面となる側から注入、或いは、圧入する方法がある。その際、エア圧力とスプレーパターンを調整することによって、導電性材料担持体内部に担持させる導電性材料の分布形状が決められる。尚、エア圧力とスプレーパターンは、特に、導電性材料を注入する導電性材料担持体の密度や厚さ、更には、導電性材料の分散した液体の粘度によって大きく影響するので、事前に条件を決めるための試験などが必要である。また、一度のスプレーでは、所望の凹凸面の高さが得らない場合は、複数層に導電性材料をスプレーしたものを用意して、それらを積層させるようにすればよい。
導電性材料担持体に対して全体的に導電性材料を付着させる方法としては、導電性材料が分散した液体中に導電性材料担持体を浸漬して、これを乾燥させる方法があり、導電性材料の付着量は分散液の固形分濃度によって調整が可能である。
上記した電磁波吸収材の電磁波吸収面は、平らであるため比較的簡単に仕上加工ができる。仕上の材料としては、ガラスクロスなどの織物系からプラスチックなどの板系があるが、特に不燃性を得るためには、ガラスクロスで表面仕上をすることが好ましい。
次に本発明の電磁波吸収材の実施例を図面に基づき説明する。
(実施例1)
(実施例1)
実施例1では、導電性材料担持体Aとして、平均繊維径が20μm、厚さ50mm、密度4.8kg/m3、寸法500mm×500mm、重量60gのガラス長繊維多孔質構造体を使用した。尚、本実施例では、ガラス長繊維の多孔質構造体として、一般的にフィルタとして使用されるものを使用した(日本無機(株)製のコスモフィルタ)。
まず、重量比で、水:グラファイト:水ガラス:アンモニア水を、それぞれ72:25:2:1の割合で混同した分散液vを用意した。この分散液vを、エア圧0.2MPaのスプレーガンを使用して、導電性材料担持体Aの電磁波入射面となる側から対向する面側に向かって10秒間拡散するようにして噴射した。この作業を、導電性材料担持体Aに対して70mmピッチで、図1(a)に示されるように千鳥状のパターンとなるように50回繰り返した。
上記の結果、導電性材料担持体A内部には、同図(b)に示すように、導電性材料2が円錐状に担持され、これらにより導電性材料担持体Aの内部には凹凸面が形成された。これを、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で5分間放置して乾燥させ、導電性材料2を導電性材料担持体Aに固定して電磁波吸収材1とした。尚、電磁波吸収材1の全重量は63gであった。
まず、重量比で、水:グラファイト:水ガラス:アンモニア水を、それぞれ72:25:2:1の割合で混同した分散液vを用意した。この分散液vを、エア圧0.2MPaのスプレーガンを使用して、導電性材料担持体Aの電磁波入射面となる側から対向する面側に向かって10秒間拡散するようにして噴射した。この作業を、導電性材料担持体Aに対して70mmピッチで、図1(a)に示されるように千鳥状のパターンとなるように50回繰り返した。
上記の結果、導電性材料担持体A内部には、同図(b)に示すように、導電性材料2が円錐状に担持され、これらにより導電性材料担持体Aの内部には凹凸面が形成された。これを、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で5分間放置して乾燥させ、導電性材料2を導電性材料担持体Aに固定して電磁波吸収材1とした。尚、電磁波吸収材1の全重量は63gであった。
次に、前記分散液vを水で4倍に希釈した分散液wを用意して、これに、別の導電性材料担持体Aを10秒間浸漬して取り出し、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で10分間放置して、導電性材料のグラファイトが全体的に担持された重量65gの導電性材料担持体3を得た。
また、前記分散液vに、別の導電性材料担持体Aを10秒間浸漬して取り出し、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で10分間放置して、導電性材料のグラファイトが全体的に担持された重量80gの導電性材料担持体4を得た。
また、前記分散液vに、別の導電性材料担持体Aを10秒間浸漬して取り出し、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で10分間放置して、導電性材料のグラファイトが全体的に担持された重量80gの導電性材料担持体4を得た。
これらを、図2に示すように、電磁波の入射面側から電磁波吸収材1、導電性材料担持体3、導電性材料担持体4の順にアクリル系の接着材を使用して積層し、更なる電磁波吸収材5を得た。
この電磁波吸収材5の垂直入射の電磁波吸収特性は、図3に示すように、2GHzから8GHz帯で30dB以上の吸収特性があった。また、電磁波吸収材5の垂直入射法の吸音特性は、図4に示すように、500、1000Hzで0.2程度の吸音率であった。
(実施例2)
この電磁波吸収材5の垂直入射の電磁波吸収特性は、図3に示すように、2GHzから8GHz帯で30dB以上の吸収特性があった。また、電磁波吸収材5の垂直入射法の吸音特性は、図4に示すように、500、1000Hzで0.2程度の吸音率であった。
(実施例2)
実施例2では、電磁波吸収材の導電性材料担持体Bとして、平均繊維径が7μm、厚さが50mm、密度32kg/m3、寸法500mm×500mm、重量400gの一般的に吸音材、断熱材として市販されているグラスウールを使用した。
まず、重量比で、アルコール:グラファイト:樹脂バインダーを、それぞれ70:25:5の割合で混同した分散液xを用意した。この分散液xをMPaのスプレーガンで導電性材料担持体Bの電磁波入射面となる側から対向する面側に向かって10秒間拡散するようにして噴射した。導電性材料担持体B内部に導電性材料6を円錐形状に付着させた。この作業を、実施例1と同様にして70mmピッチで、千鳥状のパターンとなるように50回繰り返した。
その結果、導電性材料担持体B内部には、実施例1と同様に、導電性材料6が円錐状に担持され、これらにより導電性材料担持体Bの内部には凹凸面が形成された。これを、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で5分間放置して乾燥させ、導電性材料6を導電性材料担持体Bに固定して電磁波吸収材7とした。尚、電磁波吸収材7の重量は405gであった。
その結果、導電性材料担持体B内部には、実施例1と同様に、導電性材料6が円錐状に担持され、これらにより導電性材料担持体Bの内部には凹凸面が形成された。これを、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で5分間放置して乾燥させ、導電性材料6を導電性材料担持体Bに固定して電磁波吸収材7とした。尚、電磁波吸収材7の重量は405gであった。
次に、図5に示すように、電磁波の入射面側から電磁波吸収材7、実施例1で作製した導電性材料担持体3、4の順にアクリル系の接着材を使用して積層し、更なる電磁波吸収材8を得た。
この電磁波吸収体材8の垂直入射の電磁波吸収特性は、図6に示すように2GHzから10GHz帯で30dB以上の吸収特性があった。また、電磁波吸収材8の垂直入射法の吸音特性は、図7に示すように、500、1000Hzで0.8の吸音率であり、実施例1と比較して吸音性能が向上していることが分かった。これは、表面層にグラスウール吸音材を使用しているためであった。
(比較例1)
この電磁波吸収体材8の垂直入射の電磁波吸収特性は、図6に示すように2GHzから10GHz帯で30dB以上の吸収特性があった。また、電磁波吸収材8の垂直入射法の吸音特性は、図7に示すように、500、1000Hzで0.8の吸音率であり、実施例1と比較して吸音性能が向上していることが分かった。これは、表面層にグラスウール吸音材を使用しているためであった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同じ導電性材料担持体Aを使用した。次に、同じく実施例1で使用した分散液vを水で5倍に希釈した分散液v’を作成した。これに導電性材料担持体Aを10秒間浸漬して取り出し、雰囲気温度が130℃の乾燥機内で10分間放置して、導電性材料担持体Aの全体に導電性材料のグラファイトを付着させた。得られた導電性材料担持体A’の重量は63gであり、実施例1の導電性材料担持体1のグラファイトの担持量と同等であった。
得られた導電性材料担持体A’に、実施例1で製作した導電性材料担持体3、4Aを順にアクリル系接着材を使用して積層して電磁波吸収材を得た。
この電磁波吸収材の電磁波吸収特性は、図8に示すように、2GHzから10GHz帯で20〜25dB程度の吸収特性であり、30dB以上の吸収量は見られなかった。
これに対して、実施例1は、比較例1と同じ導電性材料の付着量でありながら、電磁波吸収特性で5〜10dBの吸収特性向上を図れていることが分かった。
得られた導電性材料担持体A’に、実施例1で製作した導電性材料担持体3、4Aを順にアクリル系接着材を使用して積層して電磁波吸収材を得た。
この電磁波吸収材の電磁波吸収特性は、図8に示すように、2GHzから10GHz帯で20〜25dB程度の吸収特性であり、30dB以上の吸収量は見られなかった。
これに対して、実施例1は、比較例1と同じ導電性材料の付着量でありながら、電磁波吸収特性で5〜10dBの吸収特性向上を図れていることが分かった。
1 電磁波吸収材
2 導電性材料
3 導電性材料を全体的に付着させた導電性材料担持体
4 導電性材料を全体的に付着させた導電性材料担持体
5 電磁波吸収材
6 導電性材料
7 電磁波吸収材
8 電磁波吸収材
A、A'、B 導電性材料担持体
2 導電性材料
3 導電性材料を全体的に付着させた導電性材料担持体
4 導電性材料を全体的に付着させた導電性材料担持体
5 電磁波吸収材
6 導電性材料
7 電磁波吸収材
8 電磁波吸収材
A、A'、B 導電性材料担持体
Claims (8)
- 電磁波吸収材を平板状の導電性材料担持体から構成し、前記導電性材料担持体の内部に電磁波入射面に対して凹凸面を形成するようにして導電性材料を担持させ、前記凹凸面の頂部を電磁波入射面に接触させたものであることを特徴とする電磁波吸収材。
- 前記凹凸面は、四角錘又は円錐により構成されることを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収材。
- 前記導電性材料担持体は、音波吸収材により構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波吸収材。
- 前記導電性材料担持体は、無機質繊維により構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波吸収材。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面に対向する面側に、導電性材料が全体的に担持された平板状の導電性材料担持体を積層したことを特徴とする電磁波吸収材。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波吸収材の電磁波入射面側に仕上加工を施したことを特徴とする電磁波吸収材。
- 平板状の導電性材料担持体から電磁波吸収材を製造するための製造方法であって、前記導電性材料担持体の電磁波入射面となる側から対向面に向かって、導電性材料を拡散するようにして担持させることを特徴とする電磁波吸収材の製造方法。
- 前記導電性材料が担持された面は、四角錘又は円錐の側面を形成することを特徴とする請求項7記載の電磁波吸収材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003338848A JP2005109046A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 電磁波吸収材及びその製造方法 |
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WO2007058164A1 (ja) * | 2005-11-21 | 2007-05-24 | Mitsubishi Cable Industries, Ltd. | 電波吸収体及びその製造方法 |
JPWO2007058164A1 (ja) * | 2005-11-21 | 2009-04-30 | 三菱電線工業株式会社 | 電波吸収体及びその製造方法 |
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