JP2005108813A - 反応流体供給装置 - Google Patents
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Abstract
燃料電池システムの小型化または軽量化を実現する。
【解決手段】
燃料電池装置120に燃料あるいは酸化剤を供給する反応流体供給装置130であって、複数の部材174、176を積層することにより、燃料あるいは酸化剤の流路を形成した反応流体流通部170を含む。更に、燃料あるいは酸化剤を反応流体流通部170流通させる流体流通手段134、136を含む。反応流体流通部170は、燃料電池装置120に隣接して配置される。
【選択図】 図9
Description
図1は、燃料電池システム100の全体構成を模式的に示す。図1は、燃料電池システム100の動作を説明するための模式図であり、本発明の燃料電池システム100の全ての構成を図示しているわけではない。燃料電池システム100は、燃料電池装置120に液体燃料を供給するための燃料供給装置の一例である燃料タンク110、液体燃料により動作する燃料電池装置120、燃料タンク110内の空気室112に空気を送るエアポンプ132、燃料タンク110内の液体燃料を希釈して保持するバッファタンク138、バッファタンク138内に保持された低濃度の液体燃料を燃料電池装置120に送る燃料ポンプ136、及び燃料電池装置120に空気を送るエアポンプ134を備える。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、実施例1に係る燃料電池システム100を搭載した電子機器の一例としてのノートブック型のパーソナルコンピュータ10の外観を示す。パーソナルコンピュータ10は、本体20に、表示装置30などの構成が設けられた蓋体22が、開閉可能に軸支された構成を有しており、使用時は、蓋体22を手前から上方に開いて、その内側に設けられた表示装置30を視認可能とする。燃料電池システム100は、パーソナルコンピュータ10の本体20に接続され、パーソナルコンピュータ10に電力を供給する電源ユニットとして機能する。図2(a)は、パーソナルコンピュータ10の本体20の背面に燃料電池システム100が接続される例を示す。また、図2(b)、(c)、(d)は、それぞれ、パーソナルコンピュータ10の本体20の右側面、前面、左側面に燃料電池システム100が接続される例を示す。図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、燃料電池システム100は、ノートブック型のパーソナルコンピュータ10の本体20の形状に合わせて設計されることが好ましい。すなわち、燃料電池システム100の長さは、本体20のうち燃料電池システム100を接続する辺の長さとほぼ同じ長さになるようにしてもよい。また、燃料電池システム100の厚さは、本体20の厚さと同程度であってもよい。
図3は、実施例1に係る燃料電池システム100をノートブック型のパーソナルコンピュータ10の背面に接続した様子を示す。パーソナルコンピュータ10の使用時に、蓋体22を開いたとき、燃料電池システム100の厚さが本体20の厚さよりも厚い場合は、蓋体22を開く角度が制限されてしまい、表示装置30の視認性を妨げる恐れがある。そのため、燃料電池システム100の、パーソナルコンピュータ10との接続面の上辺に傾斜をつけることにより、蓋体22の開きを妨げないようにする。これにより、蓋体22を十分に開いて表示装置30の角度を調整することができるので、表示装置30の視認性を向上させることができる。
図4は、実施例1の燃料電池システム100における各ユニットのレイアウトを模式的に示す。燃料電池システム100において、燃料タンク110と、エアポンプ132及び134や燃料ポンプ136などの構成を含む補機ユニット130と、燃料電池装置120は、この順に、パーソナルコンピュータ10の本体20の接続面に対して平行に配置されている。燃料電池装置120へ液体燃料及び空気を供給する機能を有する補機ユニット130を、燃料タンク110と燃料電池装置120の間にユニット化して配置することにより、省スペース化することができ、装置の小型化及び軽量化に寄与することができる。また、液体燃料は、燃料タンク110から補機ユニット130を経由して燃料電池装置120に供給されるが、燃料電池装置120のスタックの積層方向が、この燃料供給ライン(図4中矢印で示す方向)と同じ方向になるように燃料電池装置120を配置する構成を採用することにより、配管やマニホールドなどの構成を簡略化することができる。燃料電池システム100を統括的に制御する制御ユニット140は、パーソナルコンピュータ10の本体20への接続面に沿って設けられる。これにより、パーソナルコンピュータ10との間で通信を行うための配線や、燃料タンク110、補機ユニット130及び燃料電池装置120と接続するための配線を単純化することができるほか、燃料供給ラインと制御ユニット140とを隔離することができ、水蒸気などが制御ユニット140へ回り込むことを抑制することができる。
図6(a)、(b)は、実施例1に係る燃料電池システム100に燃料タンク110が接続される様子を示す。図6(a)は、図5に示した燃料電池システム100の左側面を示し、図6(b)は、上面を示す。図6(a)に示すように、燃料電池システム100には、燃料タンク110を摺動可能に支持するためのレール118a及び118bが設けられている。燃料タンク110を燃料電池システム100に接続するときは、燃料タンク110に設けられた溝119a及び119bを、レール118a及び118bに噛み合わせて、燃料タンク110を前述した燃料供給ラインと平行な方向に摺動させ、燃料電池システム100に設けられたコネクタ114に、燃料タンク110のキャップ116を押し込む。燃料タンク110を燃料電池システム100から外すときは、燃料タンク110を接続時と逆の方向へ摺動させる。本実施の形態では、燃料タンク110の側面と底面とに、レール118a及び118bに噛合する溝119a及び119bを設けているので、安定性に優れており、燃料タンク110がずれたり外れたりするのを防ぐことができる。また、燃料電池システム100をパーソナルコンピュータ10などの機器に接続した状態で、燃料タンク110を着脱することができる。
図7(a)(b)は、燃料タンク110のキャップ116にコネクタ114が接続される様子を示す。図7(a)に示すように、コネクタ114には、空気用ニードル115aと燃料用ニードル115bが設けられており、燃料タンク110のキャップ116には、空気接続口117aと燃料接続口117bが設けられている。空気接続口117a及び燃料接続口117bには、シリコンゴムやテフロン(登録商標)などの材料により構成されたシール部が設けられており、燃料タンク110を燃料電池システム100に接続するときは、図7(b)に示すように、空気用ニードル115aをキャップ116の空気接続口117aに、燃料用ニードル115bをキャップ116の燃料接続口117bに、それぞれシール部を貫通するように突き刺すことにより、空気及び液体燃料の流通を可能とする。シール部は、ニードルが容易に突き刺さって貫通するように、柔軟性を有しており、さらに、ニードルが抜かれたときに、ニードルが突き刺さっていた部分の貫通孔がふさがって液体燃料の漏出を防ぐように、弾性と粘着性を備えている。
燃料タンク110の内部は、液体燃料に対する耐性を有する材料でできた袋113が設けられており、高濃度の液体燃料を保持する燃料室111と、空気で満たされた空気室112とに仕切られている。液体燃料を供給するときは、エアポンプ132により空気室112に空気を送り込み、空気室112の体積を増加させることにより、袋113を圧縮し、燃料室111の液体燃料を押し出す。この構成により、どのような向きに燃料タンク110を配置したとしても、同じように液体燃料を供給することができる。袋113に代えて、摺動可能が板材などにより液体燃料と空気とが仕切られたピストン構造を有していてもよい。
図8は、燃料電池装置120の内部構成の一部を模式的に示す。燃料電池装置120は、空気入口マニホールド123と、燃料入口マニホールド124と、空気出口と燃料出口のマニホールドを共通化したバッファタンク138とが形成された部材と、スタックとを含む。空気は、燃料供給ラインと平行に形成された空気入口マニホールド123から供給され、空気極側セパレータ121の流路を通過して、バッファタンク138へ排出される。液体燃料は、燃料供給ラインと平行に形成された燃料入口マニホールド124から供給され、燃料極側セパレータ122の流路を通過し、バッファタンク138へ排出される。バッファタンク138は、気液分離槽としての機能も有し、L字型の形状を有するバッファタンク138の側面部分139aにおいて気液分離された空気や二酸化炭素などの気体は、図13において説明するように、上面部分139bから補機ユニット130を介して系外に排出される。
図9は、補機ユニット130の構成を示す。補機ユニット130の配管ユニット170は、第1部材172、第2部材174及び第3部材176の3枚の板状の部材を含み、それぞれの部材には液体燃料や空気を燃料電池装置120へ供給するための配管が形成されている。エアポンプ132及び134は、第1部材172及び第2部材174に設けられたポンプ設置位置200に配置される。燃料ポンプ136の駆動用のモータ136aの回転軸は、第1部材172に設けられた貫通孔202を介してファン136bに接続されており、モータ136aがファン136bを回転させることにより、液体燃料が循環される。これらのポンプを燃料電池装置120に直結することにより、構成を単純化することができるとともに、温度の影響が少ない安定な燃料電池システムを実現することができる。板状ユニット170は、樹脂などの材料により形成されてもよく、射出成形により製造されてもよい。これにより、部品の製造コストを低減することができる。また、配管系をユニット化することにより、コンパクトなパッケージングが可能となるとともに、組立時の作業性を向上させることができる。
図14は、実施例2に係る燃料電池システム200を搭載したノートブック型のパーソナルコンピュータ10の外観を示す。実施例1と重複する説明は省略するが、実施例2の燃料電池システム200は、パーソナルコンピュータ10の本体20に電源出力コネクタ260および電源出力ケーブル261を介して接続され、パーソナルコンピュータ10に電力を供給する電源ユニットとして機能する。実施例2の燃料電池システム200は、電源ケーブル261により電力供給対象(例えば、パーソナルコンピュータ10)との距離を任意に設定できるので、電力供給対象の形状を考慮して外形の設計する必要が無く、汎用な電源出力コネクタ260を用いることにより、汎用な電源ユニットとして利用が可能となる。
図15は、実施例2に燃料電池システム200における各ユニットのレイアウトを模式的に示す。燃料電池システム200において、燃料タンク210と、エアポンプ234や燃料ポンプ236及び237などの構成を含む補機ユニット230と、燃料電池装置220は、この順に配置されている。そして、燃料電池システム200を統括的に制御する制御ユニット240は、燃料電池システム200の端部、特に燃料電池装置220に隣接した端部に設けることにより、パーソナルコンピュータ10との間で通信を行うための配線や、燃料電池装置220との電力配線を短くすることができるほか、燃料供給ラインと制御ユニット240とを隔離することができ、水蒸気などが制御ユニット240へ回り込むことを抑制することができる。また、燃料電池装置220は燃料電池システム200内の構成部品の中でも最も重量が大きいので、燃料電池システム200の幾何学上の中心が燃料電池装置220の中に入るように燃料電池装置220を配置すると、燃料電池システム200の幾何学的中心と重心との位置が近づき、燃料が消費され燃料タンク210の重量が変化しても幾何学的中心と重心との位置を近い状態に保つことができ、燃料電池システム200の物理的な安定性が向上する。
図17(a)、(b)は、実施例2に係る燃料電池システム200に燃料タンク210が接続される様子を示す。図17(a)は、図16に示した燃料電池システム200の上面を示し、図17(b)は、手前側面を示す。図17(a)に示すように、燃料電池システム200には、燃料タンク210を摺動可能に支持するためのレール(突起)218a及び溝219bが設けられ、燃料タンク210にも燃料電池システム200に対応する位置に溝219a及びレール(突起)218bが設けられている。燃料タンク210を燃料電池システム200に接続するときは、燃料電池システム200と燃料タンク210にそれぞれ設けられた突起218a及び218b、溝219a及び219bを噛み合わせて、燃料電池システム200に設けられたコネクタ214に、燃料タンク210のキャップ216を押し込む。燃料タンク210を燃料電池システム200から外すときは、燃料タンク210を接続時と逆の方向へ摺動させる。
図18(a)、(b)は、燃料タンク210のキャップ216にコネクタ214が接続される様子を示す。図18(a)に示すように、コネクタ214には、燃料チューブ215が設けられており、燃料タンク210のキャップ216には、燃料接続口217が設けられている。燃料接続口217には、シリコンゴムやテフロン(登録商標)などの材料により構成された逆止弁217’が設けられており、燃料タンク210を燃料電池システム200に接続するときは、図17(b)に示すように、燃料チューブ215をキャップ216の燃料接続口217に、逆止弁217’を貫通するように突き刺すことにより、液体燃料の流通を可能とする。
燃料タンク210の内部は、液体燃料に対する耐性と、例えばゴム風船のような伸縮性あるいはテドラバッグのような柔軟性を有する材料でできた袋213が設けられており、高濃度の液体燃料を保持する燃料室211と、空気で満たされた空気室212とに仕切られている。液体燃料を供給するときは、燃料ポンプ237により燃料室211から液体燃料を吸引し、空気室212へは、燃料タンク210の壁面に空気孔を設け、系外から空気を取り込む。この構成により、どのような向きに燃料タンク210を配置したとしても、同じように液体燃料を供給することができる。袋213に代えて、摺動可能が板材などにより液体燃料と空気とが仕切られたピストン構造を有していてもよい。
なお、反応流体供給装置とは本実施の形態において燃料電池装置120、220へ液体燃料あるいは空気を供給する装置をいい、反応流体流通部とは配管ユニット170のような燃料あるいは酸化剤の流通路を含む部分のことである。
20 本体
22 蓋体
30 表示装置
100、200 燃料電池システム
201 筐体
202 冷却ファン
203、204 スリット
110、210 燃料タンク
111、211 燃料室
112、212 空気室
113、213 袋
114、214 コネクタ
115a 空気用ニードル
115b 燃料用ニードル
215 燃料チューブ
116、216 キャップ
117a 空気接続口
117b、217 燃料接続口
217’ 逆止弁
118a、118b、218a、218b レール(突起)
119a、119b、219a、219b 溝
120、220 燃料電池装置
121 空気極側セパレータ
122 燃料極側セパレータ
123 空気入口マニホールド
124 燃料入口マニホールド
125 排気口
130、230 補機ユニット
132、134、234 エアポンプ
136、236、237 燃料ポンプ
136a モータ
136b ファン
138、238 バッファタンク
140、240 制御ユニット
150、250 補助電源
160 PCコネクタ
260 電源出力コネクタ
261 電源出力ケーブル
170 配管ユニット
172 第1部材
174 第2部材
176 第3部材
Claims (6)
- 燃料電池に燃料あるいは酸化剤を供給する反応流体供給装置であって、
複数の部材を積層することにより、前記燃料あるいは前記酸化剤の流路を形成した反応流体流通部を含むことを特徴とする反応流体供給装置。 - 前記反応流体供給装置は、前記燃料あるいは前記酸化剤を前記反応流体流通部の前記流路に流通させる流体流通手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の反応流体供給装置。
- 前記反応流体流通部は、前記燃料あるいは前記酸化剤の流路が形成された第1の部材を少なくとも1個備え、前記第1の部材を含む前記複数の部材が組み合わされて一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反応流体供給装置。
- 前記第1の部材は、射出成形により製造されることを特徴とする請求項3に記載の反応流体供給装置。
- 前記反応流体流通部は、前記燃料電池に隣接して配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反応流体供給装置。
- 前記燃料電池は、一対の電極層と、前記電極層に間挿された反応層と、を含むセルを複数積層した構造を有するスタックを含み、
前記反応流体流通部は、前記スタックを締め付けるためのエンドプレートとして機能することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の反応流体供給装置。
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