JP2005108015A - 工事管理支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の業者間での修正・承認作業を行う場合の負担が小さく、迅速な処理が可能で、上位と下位の業者間の意思疎通がスムーズに行えるようにする。
【解決手段】3次元CAD10eなどを用いて、空調・衛生設備の3次元モデルを作成し、これを複数の利用者に応じてデータ変換加工部10fで変換・加工を行い、図面やその他の書類を作成し、これを複数の業者間でやり取りしながら、修正・承認作業などを行い、最終的なモデルを決定する。その際、管理業務部10dは、各業者との間で必要なデータを提示しながら、修正・承認作業を行い、権限テーブルや利用者テーブルを参照しながらアクセス制限を行うことで、セキュリティ機能が保持される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特定工事の発注者から受注者に至る複数の業者間で当該工事に関する管理業務を支援する工事管理支援システムに関するものである。
従来、発注者から特定の工事を複数の業者間を経由して受注することが行われている。その際、工事に必要な設計図、製作図、施工図、あるいは、納品仕様書等の受け渡しが業者間で行われ、これに対して、発注者等の承諾があると製作、施工が行われる。また、修正依頼があると承諾が得られるように上記書類を修正後、再度承認作業が行われる。
このような工事は、主に建築工事などに見られ、建築主、工事監理を行う設計事務所、元請業者(以下、ゼネコンという)、設備工事業者(以下、サブコンという)、施工業者、製作工場といった複数の業者を経由して発注される重層下請け構造となっている。
例えば、建築工事として、建築物に工場製作品を取り付ける場合、一般的にその受注者は、発注者に対し、製作図または納品仕様書等を提出し、その発注者の承諾を得てからその製作・搬入・施工(据付)を行っている。また、工場製作品を現地にて加工し取り付ける(施工する)場合、一般的にその受注者は発注者に対し、施工図を提出し、その発注者の承諾を得てからその施工を行っている。
このような製作図や施工図は、設計図の情報だけでは作ることができない。その理由は、設計図には材料を詳細に特定する情報や全ての寸法まで要求されていない上、中間の各請負業者の思惑による仕様変更要求があるからである。そして、この製作図や施工図に対して、上記のように発注者から承諾を得る承認作業が行われる。例えば、ポンプユニットの製作図の承認作業を例にとると、まず、ポンプユニット工場が設計図を参考にして製作図を作成し、それを配管設備業者に提出して承認を得る。次に、配管設備業者がサブコンの承認を得ると、さらにそのサブコンがゼネコンの承認を得て、さらにそのゼネコンが発注者の代理である工事監理者(設計事務所)の承認を得るという順序で承認作業が終了する。この承認作業によって、各業者間の思惑の調整を行いながら仕様等が決定されていくのであるが、これらの作業により注文品(ここでは、ポンプユニット)の詳細設計が行われると見ることもできる。
また、建築設計における協調型計画システムの整合性管理において、計画指標を目標と計画に分け、目標を達成するように計画を展開し、計画終了段階での実績を計画として提示し、計画が好ましい方向に向かっているかどうかを評価して、目標を再設定することにより、異なる計画の整合性を保ち、計画の手戻りがなく、計画方針に対する評価を明確にするものがあった(特許文献1)。
さらに、CAD上で扱う情報を部品データと部品の集合からなる場のデータに分解し、部品データおよび場のデータレベルでデータ管理したり、技術情報をハイパーテキストを利用して体系化し、文書情報とCAD情報とに分けて管理することにより、図面情報、文書情報等を体系的に管理して、総合図、検討図の作成を効率的に行えるようにするものがあった(特許文献2)。
また、計画に関係するデータ群とその計画において、計画対象となるデータ群を決定するための手続をオブジェクトとして記述した複数の標準計画モデルと、生産設備要素オブジェクトとして各要素固有の属性データと固有の計画手続が記述した生産設備要素情報を持ち、標準計画モデル選択手段により、入力される計画条件に従って標準モデルを選択し、選択された標準計画モデルオブジェクトから計画条件を反映させてモデルを修正し計画モデルを生成することにより、知識・計画機能の追加変更が容易で、柔軟性のある生産設備計画システムを提供するものがあった(特許文献3)。
特開平7−282133号公報 特開平7−219987号公報 特開平6−266696号公報
しかしながら、このような背景技術にあっては、承認業務を行う各業者間で、設計図から変更された情報または設計図に表現されなかった情報に関する協議が行われ、設計変更要求があった場合は、随時図面の作成者まで差し戻されることになる。このような設計変更要求は、各中間請負業者の思惑が異なることもあり、承認作業は相互の意見調整を行うという性格があるため、設計変更要求が頻繁に出されると調整に時間がかかってしまうという問題があった。
また、複数の業者間で意見調整を行う際に、下位の業者間での意見調整結果が上位の業者に伝わり難かったり、上位の業者からの設計変更要求が下位の業者に伝わり難かったりするという問題があった。
さらに、上記した承認作業は、関係者にとって品質とコストを左右する重要な業務であるが、工場や中間請負業者にとって非常に負担が大きい上、工事監理者を含む関係者にとっても莫大な時間がかかるという問題があった。
また、建築工事などでは、1つの現場において、何百〜何千もの図面承認作業を行う必要があるため、承認作業の時間管理が非常に煩雑となり、場合によっては作業未了のまま放置されてしまうと、工事が進まなくなったり、未承認のまま工事が行われたりする可能性があった。
また、従来の承認作業において、書類の承認という側面を捉えた場合の支援ツールとしては、ワークフローのシステムがあるが、これは書類を対象としたものである。しかし、建築工事などの工事関係者にとって承認したい対象は、実際に出来上がるであろう工事成果の3次元モデルであって、設計図、計算書、その他書類はそれを表現したり確認するための一つでしかないにもかかわらず、書類を承認対象とせざるを得ないというころに従来技術の限界があった。
また、上記の特許文献1〜3は、情報そのものを管理するシステムに関するものであり、複数の業者間でやり取りされる書類の承認を行ったり、それらの書類を修正するといった作業をトータルに管理するものではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の業者間で行われる承認作業や設計変更処理要求があった場合に、承認作業の負担が小さく、迅速な処理が可能となり、上位と下位の業者間における意思疎通もスムーズに行うことができ、承認点数が減って管理業務が簡素化される上、承認対象も単なる図面や関係書類に止まらず、必要に応じてさらに詳細な情報取得も可能であって、3次元モデルを対象とした具体的な承認が行える工事管理支援が可能な工事管理支援システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、特定工事の発注者から受注者に至る複数の業者間で当該工事に関する管理業務を支援する工事管理支援システムであって、前記複数の業者が操作する情報端末は、ネットワークを介して前記工事に関する管理業務を支援する工事管理支援サービス主体と接続され、前記工事管理支援サービス主体は、前記特定工事内容を表すモデルと、そのモデルに関する情報を取り出し可能に蓄積するデータベースと、前記複数の業者がネットワークを介して前記工事管理支援サービス主体にアクセスし、前記特定工事に関する情報を前記データベースに提供すると共に、前記データベースに蓄積された特定工事に関する情報のうち、各業者が必要とする情報をデータベースと対話しながら提供し、それに対する各業者からの修正・承認結果を取得しながら意見調整を行う管理業務部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の工事管理支援システムにおいて、前記特定工事は、建築関係の工事であって、前記複数の業者は、発注者、工事監理者、元請総合建設業者、設備工事業者、施工業者、および製品製造工場のいくつかを含む重層下請け構造をなしていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の工事管理支援システムにおいて、前記管理業務は、前記特定工事に関する設計図、施工図、関連書類の受け渡しと保管、および、それらの修正・承認作業が少なくとも含まれていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の工事管理支援システムにおいて、前記工事管理支援サービス主体は、前記複数の業者から前記工事を特定する案件名と利用者名を添えたシステムの利用申請があると、各業者を識別するための識別記号を発行し、それを管理する利用者テーブルを設定することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の工事管理支援システムにおいて、前記工事管理支援サービス主体は、案件ごとの利用者の分類と、情報へのアクセス権限を管理するための権限テーブルを設定することを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の工事管理支援システムにおいて、前記管理業務部は、各業者から取得した修正・承認結果を履歴データとし、修正・承認対象に関連付けて記録することを特徴とする。
請求項1にかかる工事管理支援システムは、複数の業者が操作する情報端末がネットワークを介して工事に関する管理業務を支援する工事管理支援サービス主体と接続され、その工事管理支援サービス主体は、データベースに対して特定工事内容を表すモデルと、そのモデルに関する情報を取り出し可能に蓄積し、管理業務部では複数の業者がネットワークを介して工事管理支援サービス主体にアクセスして、特定工事に関する情報をデータベースに提供すると共に、そのデータベースに蓄積された特定工事に関する情報のうち、各業者が必要とする情報をデータベースと対話しながら提供し、それに対する各業者からの修正・承認結果を取得しながら意見調整を行うようにする。このため、複数の業者が工事管理支援サービス主体にアクセスして、特定工事に関する情報をデータベースに提供したり、各業者に必要な情報をデータベースから提供してもらって、修正・承認作業を行うので、承認作業の負担が小さく、迅速に処理することができる。また、各業者は工事管理支援サービス主体に直接アクセスするので、上位下位に関係なく業者間の意思疎通がスムーズに行うことができ、管理状況なども一覧できる上、業者に提供される情報は全て工事内容を表すモデル(例えば、3次元モデル)に基づいていることから、提供される複数の情報内容同士で不整合を起こす不具合が解消されるという効果を奏する。
また、請求項2にかかる工事管理支援システムは、建築関係の工事に対し、複数の業者として、発注者、工事監理者、元請総合建設業者、設備工事業者、施工業者、および製品製造工場などが含まれた重層下請け構造に適用したため、業者間での修正・承認作業を行う際に、承認点数が減少し、管理業務が簡素化され、迅速な承認作業が行えるという効果を奏する。
また、請求項3にかかる工事管理支援システムは、管理業務として、特定工事に関する設計図、施工図、関連書類の受け渡しと保管、および、それらの修正・承認作業が少なくとも含まれているため、これらのデータはモデル(例えば、3次元モデル)に基づいて、工事管理支援サービス主体のデータベースに蓄積され、複数の業者は直接データベースにアクセスするだけで、設計図、施工図、関連書類が確認できる上、それに対して修正や承認作業が行えるので、管理業務が同時並行的に迅速に処理できるという効果を奏する。
また、請求項4にかかる工事管理支援システムは、複数の業者から工事を特定する案件名と利用者名を添えたシステムの利用申請があると、工事管理支援サービス主体が、各業者を識別するための識別記号を発行して、それを管理する利用者テーブルを設定するようにしたため、工事管理支援サービス主体はこの識別記号に基づいて、工事案件とアクセスしてきた業者を容易に特定できることから、セキュリティ機能を備え、各業者に応じて必要な情報を選択的に提供することができる上、さらに案件や業者ごとにアクセス権限等の設定などが容易に行えるという効果を奏する。
また、請求項5にかかる工事管理支援システムは、工事管理支援サービス主体が案件ごとの利用者の分類と、情報へのアクセス権限を管理するための権限テーブルを設定するようにしたため、案件ごとに利用者を分類し、さらにその分類に応じて情報に対するアクセス権限を設定するようにすれば、情報内容によって意見調整が終わってから公開すべきものと意見調整前に公開すべき情報などが容易に区別でき、承認作業等の管理業務が簡素化され、それぞれの立場から見慣れた形式でモデルが確認できることから、確認ミスなどを軽減するという効果を奏する。
また、請求項6にかかる工事管理支援システムは、各業者から取得した修正・承認結果を管理業務部が履歴データとして、修正・承認した対象に関連付けて記録するようにしたため、承認作業あるいは承認作業後のモデルに基づく製品、または施工結果に対してトラブル等が起こった場合でも、その履歴により責任の所在が検証できるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる工事管理支援システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1にかかる工事管理支援システムの概略を説明するシステム構成図であり、図2は図1の工事管理支援サービス主体の内部構成例を示すブロック図である。この図1に示す工事管理支援システムは、ここでは建築設備機械室または建築設備を配置する屋上や機械ヤードと呼ばれるエリア(以下、機械室等という)に配置される、主に空調熱源システムや給湯システムといった配管を多用する機器システムを主な対象としている。
図1に示す工事管理支援システムは、このような空調・衛生設備を機械室等に配置する工事に関する管理業務を行うもので、本発明の特徴的な工事管理支援サービス主体10に対して、ネットワークの一つであるインターネット11を介して、事業主としての建築物の建築主12、設計者または設計監理者としての設計事務所13、元請業者としてのゼネコン14、設備工事業者としてのサブコン15、設備機器ユニット製作工場としての組合せ部材製作工場16、および、機器製造メーカとしての会員商社17といった各業者の情報端末と接続されて構成されている。
この工事管理支援システムは、まず、設計事務所13の操作者が機械室等の内部に配置すべき機器の種類と台数、容量、要求すべき性能値などについて、インターネット11を介して工事管理支援システム10内に設けたデータベース10cとの間で対話式により特定してゆき、ここでは3次元CAD10eなどの自動設計システムを使って設備機器を組み上げた3次元モデルと、その設備機器に関する基礎的なデータを作成して、データベース10cに蓄積するものである。
図2に示すように、工事管理支援サービス主体10は、サーバ10a、制御部10b、データベース10c、管理業務部10d、3次元CAD10e、および、データ変換加工部10fなどを備えている。そして、図1の設計事務所13の操作者からインターネット11を介して工事管理支援サービス主体10のサーバ10aにアクセスがあると、制御部10bは予めデータベース10cに蓄積されている空調・衛生設備の機器類の設計基本情報に基づいて、対話式に必要なデータを入力するための画面を操作者側に提示する。操作者は、この入力画面を見ながら具体的な能力条件や機器情報を入力していくだけで、3次元モデルの作成に必要な情報が特定できるようになっている。工事管理支援サービス主体10のデータベース10cには、詳細な機器情報が蓄積されていると共に、要求能力や要求条件に応じて機器の種類を絞り込んだり、機器同士の組合せが適切か否かをチェックする機能も備えており、設計事務所13の操作者が入力に必要な具体的な機器情報を持っていなくても、コンボボックスを開いて表示される選択肢の中から選んだり、入力中に警告画面を出すことで適切な情報入力が行われるようにし、実施可能な機器配置図などを作成するための基礎となる3次元モデルを作成する。
図2の工事管理支援サービス主体10における3次元CAD10eは、例えば上記した設計事務所13との間で対話式に入力された情報に基づいて、3次元モデルを作成するための計算処理を行うものである。この3次元CAD10eは、入力された具体的な機器情報をデータベース10cに問い合わせて、その形状や大きさ、および、配管接続情報等を得ることができる。このため、それを3次元ブロックとして取り扱うことで、必要な機器台数と他の機器との位置関係、配管経路、搬入搬出用の扉の数、位置、大きさ、メンテナンス用の作業動線として必要な緩衝スペースなどを全て考慮した上で、各3次元ブロックに配置された機器類の向きや位置を変えながら全体の容積が最小で、配管距離が最短となるような3次元モデルを計算している。また、上記3次元CAD10eは、操作者による入力情報に基づいて配管類の重量や工事金額等の計算も併せて行うことができる。
図2の工事管理支援サービス主体10におけるデータ変換加工部10fは、3次元CAD10eで作成された3次元モデルと基礎的な情報とに基づいて、建築主12、設計事務所13、ゼネコン14、サブコン15、組合せ部材製作工場16、および、会員商社17に応じたデータの変換や加工を行うものである。各操作者の判別については、このシステムを利用する際に操作者から案件名と利用者名を添えた利用申請があると、工事管理支援サービス主体10から識別記号(利用者IDとパスワードなど)を発行し、それを管理するための利用者テーブルをデータベース10c内に設定することで行っている。そして、例えば、設計事務所13に対しては、系統図、機器配置図、設計計算書、自動制御仕様書などを作成して送り、ゼネコン14やサブコン15に対しては、系統図、機器配置図、設計計算書、自動制御仕様書、およびその図面、ユニット3面図、使用材料一覧表、見積書、使用機器一覧表などを作成して送り、組合せ部材製作工場16に対しては、詳細仕様、詳細製作図、使用機器一覧表、使用材料一覧表などを作成して送り、会員商社17に対しては、物件情報、使用機器一覧表、使用材料一覧表などを作成して送る。データ変換加工部10fは、上記3次元CAD10eによって計算した配管類の重量や工事金額等の計算結果を各操作者の情報端末の画面上に表示できるように加工し、これらの情報を常時表示させても良い。これにより、操作者は、常に表示されている配管類の重量や工事金額の算出結果を見ながら情報入力や情報修正を行うことが可能となり、シミュレーションを容易に行うことができる。なお、常時画面上に表示される配管類の重量や工事金額等に関する計算結果は、入力情報が変更される度に再計算が行われ、常に最新の計算結果を表示する必要がある。
さらに、この工事管理支援システムは、インターネット11を介して工事管理支援サービス主体10と各操作者の情報端末とが接続されているため、インターネットを使って遠隔操作で処理するように構成したり、複数のコンピュータが連携して分散処理を行うように構成することも勿論可能である。
次に、実施例1の動作について説明する。まず、図1に示すように、本システムを利用する利用者(建築主12、設計事務所13、ゼネコン14、サブコン15、組合せ部材製作工場16、会員商社17など)は、システム運営者である工事管理支援サービス主体10に対して、インターネット11を介して案件名と利用者名を添えてシステムの利用申請を行う。すると、工事管理支援サービス主体10は、申請者に対して一対の識別記号(利用者IDとパスワード)を発行し、それを管理するテーブル(以下、利用者テーブルという)を設定すると共に、工事案件ごとに案件IDを設定する。
上記した利用者テーブルには、利用者IDごとに大分類を登録し、また、それぞれの大分類に属する利用者のうち1名を小分類の「責任者」に分類する。そして、「責任者」に分類された利用者は同じ大分類に属する他の利用者の小分類としての「責任者代行」と「担当者」を設定する。図3は、利用者ごとに大分類と小分類を作成した一例を示す図である。
工事管理支援サービス主体10は、工事案件ごとに利用者の分類と情報へのアクセス権限を管理するためのテーブル(以下、権限テーブルという)を作成する(後述の図6参照)。図4は、上記した利用者テーブルと権限テーブルにおける入力(書き込みおよび削除)権限と閲覧権限を示す図であり、図4において、入力権限者を◎、閲覧権限者を○で示している。
そして、工事管理支援サービス主体10は、各操作者の利用者IDとパスワードとを利用者テーブルを用いて一致確認することで、システムの利用を許可するようにする。本システムは、操作者の利用者IDと権限テーブルとによって、利用者のデータに対するアクセス権限を制限している。これは、利用者が共用するデータに対して入力権限者がそれぞれ異なるため、権限の無い者が勝手にデータを変更できないようにする必要があるからである。
また、システム運営者は、先の利用者分類による権限とは別に、特定の利用者に対して案件情報の入力権限を付与し、案件情報の入力を許可することも可能である。図5は、特定の利用者に対して案件情報の入力権限を付与する案件テーブルの一例を示した図である。図5に示すように、案件テーブルで入力を許可された特定の利用者は、工事名称、工事場所、案件名称、設計工程に関わる期限、工事工期に関わる情報について入力することができる。また、利用者は予め権限に定めのない情報については、権限を定めて情報を入力することができる。図5でいう案件とは、同一工事であっても機械室等(工事エリア)ごとに別の案件として取り扱われる。これは、工事内容がエリアごとに異なるからである。図5の場合も、入力権限者を◎、閲覧権限者を○で示している。
本発明の工事管理支援システムは、例えば図2に示すような3次元CAD10eを用いた自動設計システムにより空調・衛生設備の3次元モデルを作成し、これをデータ変換加工部10fで複数の利用者に応じたデータの変換・加工を行って、系統図、機械室配置図、設計計算書、自動制御仕様書、材料一覧表、見積書、使用機材仕様書、詳細仕様、および詳細製作図などを作成し、これを複数の業者間でやり取りしながら確認作業、承認作業、変更指示を行うことにより、最終的なモデルを決定するものである。これに対して、従来のワークフローシステムは、書類そのものをやり取りしながら決裁していたため、書類間の内容に食い違いが生じた場合に、それを修正するのは容易でなかった。つまり、建築工事の承認作業において求められるものは、当該書類が表現しようとするモデルが適正であるか否かを承認することであり、書類そのものの承認ではない。また、やり取りされる図面やその他の表現方法は、関係者の立場や役割によって、個々の書類ごとに必要な詳細さの度合いが異なってくるが、書類をやり取りするだけでは関係者の立場や役割に合わせて内容を変えることができないという制約があった。このため、これまでは各関係者にとって必ずしも必要でない情報を含む書類をやり取りせざるを得なかったことから、書類の確認作業、承認作業、変更指示などを行う場合に非常に手間や時間がかかる上、判断を間違える可能性も少なからずあった。
そこで、本実施例1の工事管理支援システムでは、複数の関係者が関わる図面の承認、保管等の業務を支援するワークフローシステムの機能と、上記した自動設計システムのような設計に関わるデータなどを別途保管して加工するデータベースとの連携機能を併せ持っている。そして、この工事管理支援システムは、自動設計システムによって作成された3次元モデルに基づいて系統図や配置図を発行し、さらに、施工業者らが提出していた見積書、施工図、工程表、納入機器仕様書等の帳票なども作成することにより、書類間の食い違いもなくなり、これらを一体的に管理することができる。このように、本実施例1における工事管理支援システムは、3次元モデルそのものを流通させるようなワークフローであり、これを視覚的に可能にするため、便宜的に各関係者に必要なデータ形式で提供し、これに対して承認を求めるような形式を採用している。これは、各種書類が3次元モデルを知覚するための手段にすぎず、各関係者の立場や承認能力に合わせて提示する書類の表示形式や精度を自由に変更する必要があるからである。
工事管理支援システムは、初期登録時に入力したデータ、検索したデータ、計算したデータ、出力したデータをそのまま、あるいは、3次元モデルや必要な形式に加工して保存し、必要に応じて再加工して出力するようにする。また、これらのデータは、再修正をかける場合などに、データを辿っていけるように相互に関係付けがなされている。この工事管理システムは、建築主名、工事予定業者名、工事決定業者名等の他、設計データ(設計図、計算書、その他要望事項)、各種官公庁許認可書類および、施工承認願い情報(承認願い施工図、承認願い納入機器仕様書等)、施工承認情報(承認済み施工図、承認済み納入機器仕様書等)、設計変更願い、および設計変更指示書等を関係者がインターネット11を通じて共有できるようにしている。
そして、工事管理支援システムの承認作業に関わるデータについては、3次元モデルも含めて、上書きするのではなく新たに別に作成して保管するようにする。この工事管理支援システムは、承認作業対象情報の開示、非開示を制御してワークフローシステムとして動作させる。図7は、担当者ごとのデータ取扱権限と案内メール送信先の設定例を示した図であり、同図中の○は、データ閲覧権限を有している者を示し、◎はデータ閲覧権限および加筆権限を持っている者を示し、●はデータ閲覧権限および修正権限を持っている者を示している。この図7に示すように、ワークフローとしての動作の際、操作権限の移動情報をワークフローのルート設定とは別の設定によって、関係者に開示することができる。なお、その開示に関しては電子メールの発信(送信先)についても併用することができる。
このような工事管理支援システムを用いることにより、管理状況が一覧可能となり、書類の管理を体系化することができるので、建築業界のような重層下請け構造に適した情報管理機能を持たせることができる。
そして、この工事管理支援システムは、各業者間での打合せ状況は非公開のままではあるが、情報の移動状況と承認スケジュールについて許される限り上位の関係者にも伝達するようにしたため、承認作業の迅速化を図ることができる。
仮に、承認申請が却下された場合、従来は承認ルートを逆にたどる形で承認申請の却下を伝達していたが、再申請のための修正設計は、製作図または施工図を提出したものが行う必要があるため、そこまでの間にタイムラグが発生していた。しかし、本実施例1の工事管理システムの場合は、差し戻しと同時に大元の提出者が修正作業にかかることができるため、再度の承認申請に要する期間を大幅に短縮することができる。
さらに、上位の関係者は、それまでの図面情報の移動の経緯を工事管理支援システム内に保管された履歴(ログ)、および工事管理システムから送られた電子メールによってある程度把握できることから、その予告効果によって関係者間の心理的な距離が縮まり、修正作業全体がスムーズに処理できるという効果が期待できる。
次に、実施例1の動作について説明する。まず、この工事管理支援システムを起動するにあたって、ユーザIDにより操作者を識別し、書き込みや消去できる情報を制限することにより、セキュリティ機能を持たせる。そして、操作する案件を特定し、工事管理支援システムのデータベースを操作する。
まず、操作者は、操作者識別(セキュリティチェック)を行って、工事管理支援システムを起動する。続いて、操作を行う案件を特定し、工事管理支援サービス主体10のデータベース10cを操作する。次に、本実施例1の各動作状況を以下の(ア)〜(カ)に分けて詳細に説明する。
(ア)設計モデルを出力する場合については、まず工事管理支援サービス主体10であるシステム側が操作者の権利を確認し、操作者の権限のおよぶ範囲を表示するようにする。例えば、全体平面図、部分断面図、3次元モデル図、機器一覧表、数量表、見積書など、さらに縮尺、表示内容の細かさ(設計図レベル、施工図レベル、製作図レベル)などの出力形式を操作者に提示する。これに対して、操作者は、端末画面上に表示された出力形式の中から選択する。
続いて、システム側が出力方法(例えば、図6に示すような画面表示、PDF形式ファイル、DXF形式ファイル、VRML形式ファイル作成など)を表示すると、操作者は、その中から任意の出力方法を選択して、ダウンロードする。
図8は、設計者、施工管理者、組合せ部材製作工場と設計支援サービス主体との間でやり取りされる承認作業に関わる情報の流れを説明する図であり、図9−1は、組合せ部材製作工場の承認申請からサブコンの承認または否認・差戻しまでの手順を説明する図であり、図9−2は、サブコンの承認申請からゼネコンの承認依頼内容の確認と差戻しまでの手順を説明する図である。
(イ)組合せ部材製作工場16またはサブコン15が設計モデルを確認および修正し、製作図または施工図として承認申請する際に、上記の自動設計システムによって登録された3次元モデルデータを利用する場合である。
まず、操作者である組合せ部材製作工場16は、図9−1に示すように、インターネット11を介して工事管理支援サービス主体10にアクセスして自動設計システムを作動させ、組合せ部材製作工場向けデータの作成または確認を行い(1)、データの修正を行って、データを確定する(2)。データが確定されると、システム側は、確定されたモデルと修正された箇所、操作者、操作日時の履歴(ログ)と共に別途保管する。
これと共に、組合せ部材製作工場16は、工事管理支援サービス主体10に対して承認作業開始依頼を申請する(3)。すなわち、図7に従ってデータの閲覧、加筆、修正権限を設定または変更する。そして、図7および図9−1に従って、組合せ部材製作工場16からサブコン15に対して承認作業開始依頼通知があったことを電子メール(e-mail)にて通知する(4)。通知内容としては、承認作業期限とその後の承認フロー、および、サブコン15に対してのみデータベース操作画面へリンクするURLが記載されている。また、組合せ部材製作工場16からサブコン15に対して承認作業開始依頼通知があったことの案内メールは、設計事務所13やゼネコン14に対しても行われる(4)。このように、工事管理支援サービス主体10は、それまでにあった承認申請、加筆、修正に関するログデータを作成して保管する。
(ウ)組合せ部材製作工場16またはサブコン15が上記の自動設計システムを利用して設計モデルを作成し、承認申請を行う場合については、組合せ部材製作工場16、あるいは、サブコン15の操作者が工事管理支援サービス主体10の自動設計システムにアクセスして3次元モデルを作成し、確定する。
工事管理支援サービス主体10側では、組合せ部材製作工場16からアクセスがあると自動設計システムを作動して3次元モデルを作成し、確定されたモデルおよび変更された箇所、操作者、操作日時のログと共に別途保管する。
そして、上記操作者(組合せ部材製作工場16またはサブコン15)は、作成し、確定した3次元モデルを承認申請する。この承認申請後のシステム側の処理動作については、上記(イ)の動作と同じであるので、ここでは重複説明を省略する。
(エ)組合せ部材製作工場16またはサブコン15が上記の自動設計システムを利用しないで設計モデルを作成し、承認申請を行う場合については、組合せ部材製作工場16、あるいは、サブコン15の操作者が自ら3次元モデルの作成が可能なソフトを用いてデータを製作し、システムにアップロードする。
システム側である工事管理支援サービス主体10は、そのアップロードされたデータを保存し、あるいは、さらにシステムに合うデータ形式に加工して格納する。
そして、上記操作者(組合せ部材製作工場16またはサブコン15)は、アップロードしたデータを承認申請する。この承認申請後のシステム側の処理動作については、上記(イ)の動作と同じであるので、ここでは重複説明を省略する。
(オ)工事管理(監理)を行うサブコン15、ゼネコン14、または設計事務所13などの操作者がモデルの承認依頼内容を確認して、承認する場合である。例えば、図9−2に示すように、サブコン15がゼネコン14への承認作業開始依頼を工事管理支援サービス主体10に対して行う(1)。
これに対して、工事管理支援サービス主体10は、サブコン15からゼネコン14への承認作業開始依頼があったことを電子メール(e-mail)にて通知する(2)。通知内容としては、サブコンからゼネコンへの承認作業開始依頼があったことの通知、承認作業期限およびその後の承認フロー、ゼネコン14に対してのみデータベース操作画面へリンクするURLが記載されている。また、工事管理支援サービス主体10は、自動設計システムを作動させ、確認メニューとしての平面図、断面図、系統図、計算書、機器一覧表、あるいは3D画像データなどを提示して、承認を求める。
ゼネコン14は、承認依頼内容(修正箇所や修正履歴を含む)について工事管理支援サービス主体10に問い合わせて確認し、修正等がなければ承認し、上位の組織に承認申請、または報告する(3)。
システム側である工事管理支援サービス主体10は、図7に従ってデータの閲覧、加筆、修正権限を設定または変更する。そして、図7および図9−2に従って、承認申請または報告申請があったことを電子メール(e-mail)にて通知する(4)。通知内容としては、ゼネコン14からサブコン15および組合せ部材製作工場16への差戻しがあったことの通知、承認作業期限およびその後の承認フロー、サブコン15と組合せ部材製作工場に対してのみデータベース操作画面へリンクするURLが記載されている。また、それまでにあった承認申請、差し戻し指示、加筆、修正のログデータを作成し保管する。
(カ)工事管理(監理)を行うサブコン15、ゼネコン14、または設計事務所13などの操作者がモデルの承認依頼内容を確認して、差し戻す場合である。例えば、図9−2に示すように、サブコン15がゼネコン14への承認作業開始依頼を工事管理支援サービス主体10に対して行う(1)。
これに対して、工事管理支援サービス主体10は、サブコン15からゼネコン14への承認作業開始依頼があったことを電子メール(e-mail)にて通知する(2)。通知内容としては、承認作業期限とその後の承認フロー、および、ゼネコン14に対してのみデータベース操作画面へリンクするURLが記載されている。また、工事管理支援サービス主体10は、自動設計システムを作動させ、確認メニューとしての平面図、断面図、系統図、計算書、機器一覧表、あるいは3D画像データなどを提示して、承認を求める。
ゼネコン14は、承認依頼内容(修正箇所や修正履歴を含む)について工事管理支援サービス主体10に問い合わせて確認し、修正がある場合は差し戻し理由などを加筆(指定箇所にデータを入力)して、差し戻し作業を指示する(3)。
システム側である工事管理支援サービス主体10は、図7に従ってデータの閲覧、加筆、修正権限を設定または変更する。そして、図7および図9−2に従って、ゼネコン14、サブコン15、および組合せ部材製作工場16へ差し戻しがあったことを電子メール(e-mail)にて通知する(4)。通知内容としては、ゼネコン14からサブコン15および組合せ部材製作工場16への差戻しがあったことの通知、承認作業期限およびその後の承認フロー、サブコン15と組合せ部材製作工場に対してのみデータベース操作画面へリンクするURLが記載されている。また、それまでにあった承認申請、差し戻し指示、加筆、修正のログデータを作成し保管する。その後のシステム側の動作は、上記(イ)で説明した確認、修正後の承認申請の動作を行うため、重複説明を省略する。
このように、本実施例1によれば、工事管理支援システムで表示される書類は3次元モデルの一断面を表すので、同じモデルに関しての複数の書類同士が不整合を起こすという不具合を解消することができる。また、書類が各3次元モデルごとに管理されるため、承認点数が減って、管理を簡素化することができる。さらに、承認作業の進捗状況の情報を関係者で共有するため、一部の関係者に書類が留まるという事態が回避できることから、承認作業を迅速化することができる。また、管理状況が一覧できると共に、書類の管理を体系化することができる。
さらに、本実施例1によれば、関係者はその立場で一番見慣れた形式で3次元モデルを確認することができるため、確認ミスを軽減することができる。また、3次元モデルの承認に対して、システムが確認事項を一覧表示、または対話式で順次表示するため、確認漏れを防止する効果が期待できる。また、全ての承認作業のログを記録するため、承認作業または承認後のモデルに基づく製品、または施工結果に起こったトラブルの責任の所在を検証することができる。
なお、この工事管理支援システムでは、あるユーザIDを用いて入力または加工されたデータを、予め定められた手順により、別のユーザIDを利用する操作者に対して、必要に応じて加工し、出力することもできる。
続いて、上記工事管理支援システムで用いた自動設計システムにおいて、系統図や配置図などを作図する際に必要な情報を工事管理支援システム10のデータベース10cに入力する場合の動作について説明する。
(設計支援システム:系統図)
まず、設計条件データベースに必要な情報を入力して、系統図を自動作図する場合の動作を図1、図2、および図10〜図28などを用いて説明する。図10〜図28は、設計条件データベースに情報を入力するための入力画面例を示した一連の図である。図10は、起動画面図、図11は、物件情報入力画面図、図12は、熱源機器情報入力画面図、図13は、ポンプ類情報入力画面図、図14は、ヘッダー類情報入力画面図、図15は、タンク類情報入力画面図、図16は、管材弁類詳細仕様入力画面図、図17は、冷却塔の機器詳細データ入力画面図、図18は、冷凍機の機器詳細データ入力画面図、図19は、ボイラの機器詳細データ入力画面図、図20は、熱交換器の機器詳細データ入力画面図、図21は、ポンプの機器詳細データ入力画面図、図22は、タンクの機器詳細データ入力画面図、図23は、密閉式膨張タンクの機器詳細データ入力画面図、図24は、ヘッダーの機器詳細データ入力画面図、図25は、計装バルブ仕様の入力画面図、図26は、機械室に選択した空調・衛生設備の機器類を配置した状態を示す配置図、図27は、図26の機器配置に基づいて機器間に配管を接続した状態を示す配置図、図28は、図27と同じ空調・衛生設備の機器類を異なる形状の機械室に配置した場合の配置図である。
建築物の空調・衛生設備機器を機械室等に配置するための設計支援システムは、操作者(ここでは、設計事務所13の設計者)が情報端末(PCなど)からインターネット11を介して設計支援サービス主体10にアクセスする。その際、操作者を識別するため、図10に示すような設計支援システムの起動画面が表示され、操作者は自分の利用者IDとパスワードを入力すると、設計支援サービス主体10が利用者テーブルを参照してセキュリティチェックを行い、システムを起動する。
続いて、図11の物件情報入力画面が表示され、操作案件を特定するために案件IDを入力する。そして、操作者は、工事名称、現場所在地、設計期間、工事期間、機械室設置場所等について分かっている情報があれば入力を行い、さらに、特記仕様入力事項があれば入力後にNEXTボタン80を押下することで、図12の熱源機器情報入力画面が表示される。
図12では、使用する熱源機器の種別を入力する。ここでは、一覧から選択できるようにコンボボックス90,91が設けられていて、冷凍機と吸収式冷温水発生器がそれぞれ選択された状態を示している。コンボボックスには、これ以外にも、ボイラ、熱交換器、冷却塔などが選択できるようになっている。
続く、機器仕様入力欄92には、具体的な数値を入力したり、予め表示されているデフォルト値に対して修正候補を表示させるようにしても良い。また、これ以外にも夏季・中間期・冬季の運転状態の別(冷専・冷暖・暖専の別)、動力源および燃料の別、本機・予備機の別、将来増設の有無などが入力できるようにしても良い。さらに、台数入力欄93および機器記号入力欄94に対して入力を行い、具体的な機器名やメーカ名がわからない場合は、機器一覧95を参照して、この中から選択するようにしても良い。また、図示していないが、周辺機材・オプション機材の仕様の有無などを入力する欄を設けることも可能である。また、図示していないが、自動制御の仕様選択については、温度による機器自身の自動制御の他、遠方発停の有無、自動台数制御の有無、遠方からの配管系統切替の有無なども含めて選択できるようにしても良い。
続いて、図13に示す搬送機器としてのポンプ類の情報入力画面では、機器番号欄100とコンボボックスの機器用途欄101とがあり、用途の提示例としては、例えば、冷却水、冷水1次、冷水2次、冷温水1次、冷温水2次、温水1次、温水2次、ブラインなどを選択することができる。
さらに、仕様記入欄102には、各項目に応じた任意の数値を入力したり、予めデフォルト値を表示しておき、これに対する修正候補を表示させるようにしても良い。また、使用台数欄103に入力したり、ポンプメーカ名と製品名の一覧104を表示して、その中から所望の機器が選択できるようにしても良い。また、図13には図示していないが、上記以外にも、本機・予備機の別、将来増設の有無、周辺機材・オプション機材の有無や仕様などが入力できる欄を設けても良い。
続いて、システム系統図の作図を指示する場合は、データベース10cに蓄積されている複数の基本パターンの中から該当するパターンを選択して表示させ、各機器とポンプとを接続する系統上にヘッダーを自動配置するようにする。このヘッダー類に関する情報入力画面は、図14に示すようになっており、流速・摩擦仕様入力欄110における水流速、蒸気流速、摩擦損失に関する仕様をそれぞれ入力することができ、さらに、機器記号欄111と用途入力欄112を記入した後、ヘッダー容量を示す寸法欄113、および、自立タイプなどの配置方法をコンボボックスで選択できるようにした配置方法欄114がある。続く、供給管及び主管サイズ・系統入力欄115には、各系統を結ぶ配管に夏季、中間期、冬季の流量等が表示されている。また、その下には制御系統配管記入欄116があり、系統名、水量、サイズ、制御機器、機器サイズなどが入力できるようになっている。
そして、図14には図示していないが、これまでの入力項目を修正するか、先に進むかの進行指示に関する選択肢を表示させるようにしても良い。修正がある場合は、表示されている画面(図面)上の機器をマウス等でクリックすることにより、当該機器の入力プログラムに戻り、修正を行った後に、再び上記のシステム系統図の作図指示を行うようにする。また、図14のヘッダー情報を修正する必要がある場合は、例えば、接続系統の修正、追加入力・仕様の修正などを行うことができる。
続いて、タンクを利用する場合は、図15に示すようなタンク類情報入力画面を用いて、機器番号入力欄120に記入し、コンボボックスから成る用途提示欄121を選択する。ここでは解放式膨張タンクを選択しているが、密閉式膨張タンク、蓄熱タンク、燃料タンク、補給水タンクなどを選択することができる。さらに、タンク容積(容量、空間容量)入力欄122、タンク寸法入力欄123などがある。また、図示していないが、系統の選択で、片側接続または挿入の別、接続または挿入すべき配管系統番号を選択するようにしても良い。ここでは、さらに別のタンクの機器番号入力欄124と、用途提示欄125とがあって、これに対する選定条件入力欄126に任意の数値を入力したり、デフォルト値表示に対して修正候補を表示させるようにしても良い。タンク形式欄127には、タンクメーカ名と製品名の一覧が表示され、その中から所望の機器を選択するようにしても良い。
続く、図16の管材弁類詳細仕様入力画面では、流速・摩擦仕様入力欄130、および、特記仕様入力欄131に任意の値や仕様を入力することができる。さらに、系統別管種類入力欄132,133が設けられていて、それぞれ、系統名、管用途、水量、および、管種が入力、あるいは、選択できるようになっている。
図17〜図24の機器詳細データ入力画面については、上記選択した機器に対して、さらに詳細なデータを選択式に入力できるように構成されており、機器番号が具体的に選択された機器については、設計支援サービス主体10のデータベース10cに問い合わせることにより、当該機器の外観ブロック図や配管接続情報に基づいて画面上に作図することができる。
図17は、冷却塔の機器詳細データ入力画面であり、熱源機器の選択時に機器記号まで入力されていれば、図17の機器記号入力欄140に反映されると共に、外観ブロック図141が表示される。さらに、その下に記載されている補給水方式、バルブ種類、フレキ種類、主管バルブ種類、フレキ種類、ストレーナの有無、および温度計の有無などに対して操作者が選択していくと、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら3次元CAD10dにより、バルブや配管が接続されたブロック図142が作図され表示される。
図18は、冷凍機の機器詳細データ入力画面であり、熱源機器の選択時に機器記号まで入力されていれば、図18の機器記号入力欄150に反映されると共に、外観ブロック図151が表示される。さらに、その下に記載されているバルブ種類、フレキ種類、ストレーナの有無、温度計の有無、圧力計の有無、排水サイズ入力、排水弁種類などに対して操作者が選択や入力を行うと、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら3次元CAD10dにより、バルブ、配管、温度計、圧力計等が接続されたブロック図152が作図され表示される。
図19は、冷凍機の機器詳細データ入力画面であり、熱源機器の選択時に機器記号まで入力されていれば、図19の機器記号入力欄160に反映されると共に、外観ブロック図161が表示される。さらに、その下に記載されているバルブ種類、フレキ種類、ストレーナの有無、温度計の有無、圧力計の有無、排水サイズ入力、排水弁種類などに対して操作者が選択を行うと、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら3次元CAD10dによりブロック図162が作図され表示される。
図20は、熱交換器の機器詳細データ入力画面であり、熱源機器の選択時に機器記号まで入力されていれば、図20の機器記号入力欄170に反映されると共に、外観ブロック図171が表示される。さらに、その下に記載されているバルブ種類、フレキ種類、ストレーナの有無、温度計の有無、圧力計の有無、排水サイズ入力、排水弁種類などに対して操作者が選択を行うと、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら3次元CAD10dにより、バルブ、配管、温度計、圧力計等が接続されたブロック図172が作図され表示される。
図21は、ポンプの機器詳細データ入力画面であり、搬送機器の選択時に機器記号まで入力されていれば、図21の機器記号入力欄180に反映されると共に、外観ブロック図181が表示される。さらに、その下に記載されているポンプ用途、バルブ種類としての吐出管と吸込管、フレキ種類、圧力計の有無、排水サイズ入力、排水弁種類などに対して操作者が選択を行うと、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら3次元CAD10dにより、バルブ、配管等が接続されたブロック図182が作図され表示される。
図22は、タンクの機器詳細データ入力画面であり、タンクの選択時に機器記号まで入力されていれば、図22の機器記号入力欄190に反映されると共に、外観ブロック図191が表示される。さらに、その下に記載されている接続系統における各系統名入力欄192、バルブ種類、フレキ種類、温度計の有無、排水サイズ入力、排水弁種類、オーバーブローサイズなどを操作者が選択あるいは入力を行うことで、タンクの詳細な機器データを入力することができる。
また、図23は、密閉式膨張タンクの機器詳細データ入力画面であり、タンクの選択時に機器記号まで入力されていれば、図23の機器記号入力欄200に反映されると共に、外観ブロック図201が表示される。さらに、その下に記載されている給水管の接続の有無、安全弁の有無、圧力計の有無、接続管サイズなどを操作者が選択あるいは入力することにより、密閉式膨張タンクの詳細な機器データを入力することができる。
図24は、ヘッダーの機器詳細データ入力画面であり、ヘッダーの選択時に機器記号まで入力されていれば、図24の機器記号入力欄210に反映されると共に、外観ブロック図211が表示される。さらに、その下に記載されている温度計の有無、圧力計の有無、熔解栓の有無、サイズ・個数、排水弁種類、排水サイズ入力などを操作者が選択あるいは入力することで、設計支援サービス主体10の制御部10bが入力条件を加味しながら、3次元CAD10dにより、配管、温度計、圧力計等が接続されたブロック図212が作図され表示される。
そして、図25は、計装バルブ仕様の入力画面であり、そのメーカ名、あるいは、流量単位として系統、弁番号、弁種類、流体、流量、バイパス有無などが入力される。この流量単位の入力欄については、上記した各入力画面に対して共通する入力欄であるため、図12〜図24までの入力結果が反映されて、表示される。また、これらの共通した入力欄に対して矛盾した内容が入力あるいは選択されると、設計支援サービス主体10の制御部10bは、矛盾箇所に対する入力内容に対して、以前の入力内容と異なっていることを警告する画面を開いて、操作者に注意を喚起すると共に、正しい情報を入力するように促す。さらに、系統図の作図指示があって、作図に必要な情報入力が行われていれば、設計支援サービス主体10の制御部10bがこれらの入力情報に基づいて、3次元CAD10dにより、図25に示すような系統図220が自動的に作図され表示される。
(設計支援システム:配置図)
次に、配置図の作図指示があった場合は、設計支援サービス主体10が上記入力画面で入力された情報に基づいて、3次元CAD10dが計算を行うことにより、全体の容積が最小で、配管距離が最短となる3次元モデルを作図し、この3次元モデルに基づいて配置図を作図するように指示する。ここで、上記した系統図とこの配置図とは異なった図面であるが、本実施例2では、空調・衛生設備に使用される機器類を選択し、設計に必要な条件が入力されると、設計支援サービス主体10の制御部10bがこれらの入力情報に基づいて、3次元CAD10dを使って空調・衛生設備の全体の容積が最小で、配管距離が最短となるような3次元モデルを計算する。また、上記の系統図を用いて容易に情報入力できるようにするには、3次元モデルの作成に先立って、系統図の作成に必要な情報入力を行い、3次元モデルとは別に系統図を作成するようにする。なお、情報入力する前提として、系統図が必ずしも必要でない場合は、先に3次元モデルを作成し、その3次元モデルの作成に必要な情報の中から系統図を作図するようにしても良い。このようなデータの変換や加工については、設計支援サービス主体10のデータ変換加工部10eで行われる。
以下、配置図の作成手順について(A)〜(N)の順序で説明する。
まず、配置図(3次元モデル)の作成手順としては、(A)操作者は、設計支援サービス主体10の制御部10bが設計条件データベースに入力された熱源台数と種別を問い合わせ、それをキーとして、合致するブロック図を選択する。その選択されたブロックは、機器の役割ごとにユニットを割り当てるべきブロックを複数持っている。このブロックは、機器類の大きさや形状を表す3次元ブロックである。
そして、その3次元ブロックの外周部に、搬入搬出用およびメンテナンス用の扉を少なくとも1つ想定し、その扉からそれぞれのブロックへ作業員が到達可能な最小限の通路(緩衝スペース)が持てるようにする。また、配置される機器、または、それを組合せた機器ユニットは、搬入搬出が可能か否かを判定するため、少なくとも1箇所の扉と関連付けるようにする。
また、交換の可能性のある機器、または、機器ユニットについても外周部へ搬出でき、外周部から搬入できる最小限の搬入通路(緩衝スペース)を持つように想定する。
さらに、各3次元ブロックは、割り当てられる機器の向きが予め想定されている。そして、各3次元ブロックには、その機器の配管接続情報も持っており、ブロック図には予め接続される配管経路情報を持っている。上記した配管経路情報は、指定された機器が外部と接続する場合に、その外部との接点情報を含んでいる。また、上記した配管接続情報とは、ブロック内部の接続点の位置と接続相手先の種類とをいう。さらに、上記した緩衝スペースとは、搬入搬出用あるいはメンテナンス用に必要な作業用スペースのことであり、各ブロック間を配管で接続配置した場合のスペースよりも大きくなる。但し、2重床を設置して、その上に機器を配置し、2重床の下に配管を配置するように構成すれば、前出の場合よりも緩衝スペースを小さくすることが可能となる。
また、操作者は、後述する手順により各ブロックに配置された機器の向きを水平面上で90度ずつ(4方向に)回転することができる。さらに、ブロック図は、熱源の台数、種別、外部との接点情報などごとにデータベース10cに複数用意されている。
図26は、機械室に選択した空調・衛生設備の機器類を配置した状態を示す配置図であり、図27は、図26の機器配置に基づいて機器間に配管を接続した状態を示す配置図であり、図28は、図27と同じ空調・衛生設備の機器類を異なる形状の機械室に配置した場合の配置図である。図26に示すように、機械室230に対して、ここでは5つの扉231,232,233,234,235を想定し、各扉から冷温水二次ポンプユニット236(矢印a方向から搬入搬出)、冷温水一次ポンプユニット237とヘッダー239(矢印b方向から搬入搬出)、冷却水ポンプユニット238(矢印c方向から搬入搬出)、および2台のガス焚き冷温水発生器240,241(それぞれ矢印dおよびe方向から搬入搬出)をそれぞれ搬入搬出する状態を想定して、機器が配置されている。また、図26中の各ブロックの周囲を囲む一点鎖線は、機器類の搬入搬出用、およびメンテナンス用の緩衝スペース(ここでは、サービススペースともいう)を示しており、この中に他のブロックの機器や機械室230の壁が入り込まないように機器が配置されている。但し、サービススペース同士については、共用できる関係にあれば重なり合うように配置することも可能である(図23〜図25ではスペースの一部を共用している例を示している)。さらに、図23中のガス焚き冷温水発生器240,241からそれぞれ伸びる破線部分は、メンテナンスの際のチューブ引き抜きスペースを示している。このチューブ引き抜きスペースは、常時スペースを確保しておく必要はないが、メンテナンス時に確保できるものであれば良い。図26の例では、メンテナンス時に扉234と扉235を開放することでスペースが確保できるようになっている。
(B)データベース10cは、操作者が必要とする主なブロック図を想定して用意しているが、該当するものがない場合、操作者と設計支援サービス主体10のシステム運営者自身にエラーメッセージを返すようにする。このエラーメッセージには、当該ブロック図をシステム運営者が搭載できる時間として、予めシステム運営者が設定した時間の連絡が含まれる。その後、システム運営者は、当該ブロック図を別途作成し追加する。追加作業が終わると、設計支援サービス主体10は、操作者に対して操作が可能となった旨の電子メールを自動配信する。
(C)次に、図26および図25のブロック図を用いて動作を説明する。ガス焚き冷温水発生器240,241、冷温水一次ポンプユニット237、冷却水ポンプユニット238、ヘッダー239、冷温水二次ポンプユニット236の各仕様を設計条件データベースから読み出して、該当する図形をデータベース10cから選び出す。
該当する図形は次のような特徴を持っている。つまり、実在していて利用可能な機種の外形が正確に図形表現されているが、上記したポンプユニット236〜238のように、ユニットの外形を表現するものもある。ブロック図の配管接続情報の位置と機器単体の接続位置が一致しない場合は、ブロック図の配管接続情報の位置までの配管が含まれている。また、図形は向きを変えてもブロック図の経路情報に影響を与えないように配管接続情報の位置までの配管情報を持っている。この場合、最大で4通りあって、図形の向きにより図形の大きさが変わることもある。さらに、接続する配管の口径情報も持っている。また、内部部品を交換するための部品引き抜きスペース(例えば、チューブ引き抜きスペース)など、機器のメンテナンスに必要なスペースは、外形とは別表現で示され、図26,図27では、破線部分で表現している。また、メンテナンスを行う作業員の作業スペースについても図26,図27では、機器の周囲に一定のスペースを開けて一点鎖線で表現される。また、機器類が分割して搬入できる場合については、その最小単位の外形が図形表現されている。
(D)そして、このようにして選び出された図形を図26のブロック図に示す当該ブロックに、想定されている向きで配置する。
(E)設計支援サービス主体10の3次元CAD10dは、ブロック図の各ブロックの大きさを配置された図形の大きさに変形し、メンテナンスに必要なスペース(いわゆる作業スペース)が緩衝スペースに収まるように緩衝スペースを広げる。図26の場合は、予め機器に対して必要な緩衝スペースを想定したブロックが配置されているため、緩衝スペースをこれ以上広げる必要はない。
続いて、設計支援サービス主体10の3次元CAD10dは、配置された機器の搬入可能な扉寸法を計算し、配置された図形の配管口径情報と、ブロック図の配管経路情報と、データベースに保有されている配管材料情報とを用いて自動作図を行い、配管材料が配置できる大きさまで緩衝スペースを広げるようにする。設計支援サービス主体10は、その広がったブロック図の面積を計算すると共に、配置された機器リスト、および、配管材料リストを作成するようにする。図27は、図26の各ブロック間を結ぶ配管を適正に配置した状態を示す図である。この図27の場合は、各ブロックに想定されているサービススペース内に必要な配管材料を用いて、所定の配管経路で配管可能なため、配管時に緩衝スペースを広げる必要はない。
さらに、設計支援サービス主体10は、機器リストと配管材料リスト、予め設定された単価表と工量(工賃)表を用いて設計価格を計算する。但し、単価表、工量表などは、データ変換加工部10eにおいて、操作者別に複数用意することができるため、設計支援サービス主体10が操作者を判断し、操作者に応じて最適なものを用いるようにする。
(F)設計支援サービス主体10は、作図計算を終了し、図27に示すような配置図を操作者の画面上に表示すると共に、操作者の権限に応じて、表示可能な結果を表示するようにする。図6は、コンテンツ毎にどの担当者が閲覧権限や修正権限を持っているかを設定した権限テーブルの一設定例を示した図であり、図中の○印は、データ閲覧権限および注釈欄へのデータ追加権限のあるものを示し、●印は、データ閲覧および修正権限のあるものを示している。
(G)そして、配置図が決定した場合は、後処理方法を選択させる。つまり、設計支援サービス主体10は、保存、印刷等の後処理についての問い合わせを操作者に対して行い、発行するデータを特定するためのID番号を付与し、操作者が選択した後処理を実行する。
(H)また、配置図を修正する場合、あるいは、機器の向きを修正する場合は、修正メニューの中の「機器の向き」を選んで修正する機器を選択する。これにより、設計支援サービス主体10は、当該機器の向きが修正された図形を用いて、上記した(D)〜(G)の処理を再度行うようにする。図28に示す機械室250は、図26,27の機械室230よりも縦方向(図に向かって上下方向)が長く、横方向(図に向かって左右方向)が短い部屋であって、その機械室250の中央付近には柱253,254の出っ張りがある上、扉の数が図23,24の5つと比べると扉251,252しかなく、この2つの扉から全ての機器の搬入搬出を行わなければならない状況下にある。
(I)そこで、操作者が配置図の修正で扉の位置を修正する場合は、修正メニューの「扉の移動」を選択し、移動したい扉を選択する。これにより、設計支援サービス主体10は、予めブロック図に登録された代替通路(外周部分、または内部緩衝スペースの拡幅により増設する緩衝スペース)を加えて、移動できる扉位置の範囲を設定した上で、上記した(D)〜(H)の処理を再度行うようにする。例えば、図28の場合、図26,図27の扉を移動させて2つにまとめたと考えることもできるが、ここでは、次の(J)における扉の削除のところで説明する。
(J)また、配置図の修正で複数の扉のうち1つを削除する場合は、修正メニューの「扉の削除」を選択し、削除したい扉を選択する。これにより、設計支援サービス主体10は、当該扉を削除し、予めブロック図に登録された代替通路を加えるようにする。図28の場合は、図26,図27の扉のうち扉232,233,234の3つの扉を削除し、扉231,235に相当する図28の扉251,252を残している。この場合、冷温水一次ポンプユニット237、ヘッダー239、冷却水ポンプユニット238、ガス焚き冷温水発生器240の固有の搬入搬出口が削除されている。このため、冷温水一次ポンプユニット237、ヘッダー239、冷却水ポンプユニット238の代替通路については、扉251を使って、矢印f,h,i,jを通って搬入搬出できるような通路が確保されている。また、ガス焚き冷温水発生器240の代替通路については、扉252を使って、矢印k,l,mを通って搬入搬出できるような通路が確保されている。
(K)また、操作者は、配置図の修正で機械室エリア外部との接続点を変更する場合、修正メニューの「外部との接続点」を選択する。これにより、設計支援サービス主体10は、外部との接続点のある系統名を表示する。そして、操作者が系統を選択する場合は、設計支援サービス主体10がその系統の変更先候補点を表示するようにする。
(L)そして、操作者が変更先を選択した場合、設計支援サービス主体10は、選択された経路情報の条件を追加し、上記(A)〜(K)までの処理を行うようにする。
(M)また、操作者が配置図の修正で設置スペース内に柱を設定する場合は、修正メニューの中の「柱の設定」を選択し、以下に述べるシステムからの質問に答えるようにする。これにより、設計支援サービス主体10は、柱の大きさ、配置間隔、基準点を対話式で操作者側に提示し、それらの内容が決定されると、画面に表示することができる。例えば、図28に示すように、機械室250の中央付近に柱253,254が配置されているため、柱の大きさ、配置間隔、基準点を対話式で操作者から入力があると、それに応じて画面上に柱を表示することができる。
(N)また、配置図の修正で機器ブロックを移動する場合、操作者は修正メニューの「ブロックの移動」を選択する。これにより、設計支援サービス主体10は、操作者側の画面にブロック一覧を表示させて、操作者に対してブロックを移動するか固定するかの指示を要求する。初期値は全て移動になっている。そこで、操作者が固定するブロックを指示すると、設計支援サービス主体10は、移動するブロックに関する移動方向と距離を入力するように要求する。これに対して、操作者から移動方向と距離が入力されると、設計支援サービス主体10は、移動指示されたものについてまとめて移動させ、固定されているものと移動するものとを結ぶ配管経路を変更するようにする。その後の動作については、上記(E)以降の作業を行うようにする。例えば、図28の場合は、ガス焚き冷温水発生器240,241のブロックは、固定指示し、冷温水一次ポンプユニット237、ヘッダー239、冷却水ポンプユニット238、および、冷温水二次ポンプユニット236ついては、移動方向と距離とを入力して機器ブロックを移動し、固定されているものと移動するものとを結ぶ配管経路を変更したものである。
このように、本実施例2によれば、系統図、配置図などを作図指示することにより、設計事務所の段階で、具体的な機器の選択を行い、その機器の配置を決め、機器同士を接続するための配管経路を決め、さらに、搬入搬出用の扉を想定すると共に、搬入搬出用の通路およびメンテナンス用の緩衝スペースなどを考慮に入れた上で、全体の容積が最小で、配管距離が最短となるような3次元モデルを作成する。そして、この3次元モデルの中から系統図や配置図に必要な情報を抽出し、変換・加工することにより、系統図、配置図などを短期間で容易に作図することができる。そして、これらの作図作業は、従来であれば設計事務所からゼネコン、サブコンを経由し、施工業者との間で原設計図などを使ってやり取りを行い、数ヶ月間かけてようやく施工可能な配置図を完成していた。しかし、本実施例2では、設計事務所の段階で一般的な能力の設計者が行ったとしても、数日程度で設計することができるため、建築物の機械室等の設計段階で反映させることが可能となり、機械室等のスペースロスを抑えて工事費を大幅に低減することができる。また、仮に作図された配置図が既存の機械室等の配置スペースに適合しない場合であっても、適合しない箇所についてのみ部分的な修正を加えるだけで済むため、修正の手間と時間とコストを殆んどかけずに、種々の機器配置スペースに適合させることができる。
以上のように、本発明にかかる工事管理支援システムは、特定工事の発注者から受注者に至る複数の業者間で当該工事に関する管理業務を支援する工事管理支援に有用であり、特に、建築関係工事の発注者、工事監理者、元請総合建設業者、設備工事業者、施工業者、および製品製造工場からなる重層下請け構造などの工事管理支援に適している。
本発明の実施例1にかかる工事管理支援システムの概略を説明するシステム構成図である。 図1の工事管理支援サービス主体の内部構成例を示すブロック図である。 利用者ごとに大分類と小分類を作成した一例を示す図である。 利用者テーブルと権限テーブルにおける入力権限と閲覧権限を示す図である。 特定の利用者に対して案件情報の入力権限を付与する案件テーブルの一例を示した図である。 コンテンツごとにどの担当者が閲覧権限や修正権限を持っているかを設定した権限テーブルの一設定例を示した図である。 担当者ごとのデータ取扱権限と案内メール送信先の設定例を示した図である。 設計者、施工管理者、組合せ部材製作工場と設計支援サービス主体との間でやり取りされる承認作業に関わる情報の流れを説明する図である。 組合せ部材製作工場の承認申請からサブコンの承認または否認・差戻しまでの手順を説明する図である。 サブコンの承認申請からゼネコンの承認依頼内容の確認と差戻しまでの手順を説明する図である。 起動画面図である。 物件情報入力画面図である。 熱源機器情報入力画面図である。 ポンプ類情報入力画面図である。 ヘッダー類情報入力画面図である。 タンク類情報入力画面図である。 管材弁類詳細仕様入力画面図である。 冷却塔の機器詳細データ入力画面図である。 冷凍機の機器詳細データ入力画面図である。 ボイラの機器詳細データ入力画面図である。 熱交換器の機器詳細データ入力画面図である。 ポンプの機器詳細データ入力画面図である。 タンクの機器詳細データ入力画面図である。 密閉式膨張タンクの機器詳細データ入力画面図である。 ヘッダーの機器詳細データ入力画面図である。 計装バルブ仕様の入力画面図である。 機械室に選択した空調・衛生設備の機器類を配置した状態を示す配置図である。 図26の機器配置に基づいて機器間に配管を接続した状態を示す配置図である。 図27と同じ空調・衛生設備の機器類を異なる形状の機械室に配置した場合の配置図である。
符号の説明
10 設計支援サービス主体
10a サーバ
10b 制御部
10c データベース
10d 管理業務部
10e 3次元CAD
10f データ変換加工部
11 インターネット
12 建築主(事業主)
13 設計事務所(設計者)
14 ゼネコン(元請業者)
15 サブコン(設備工事業者)
16 組合せ部材製作工場(会員工場)
17 会員商社(会員メーカ)
80 NEXTボタン
90 コンボボックス
91 コンボボックス
92 機器使用入力欄
93 台数入力欄
94 機器記号入力欄
95 機器一覧
100 機器番号欄
101 機器用途欄
102 仕様記入欄
103 使用台数欄
104 メーカ名製品名一覧
110 流速・摩擦仕様入力欄
111 機器記号欄
112 用途入力欄
113 寸法欄
114 配置方法欄
115 供給管及び主管サイズ・系統入力欄
116 制御系統配管記入欄
120 機器番号入力欄
121 用途提示欄
122 タンク容積入力欄
123 タンク寸法入力欄
124 機器番号入力欄
125 用途提示欄
126 選定条件入力欄
127 タンク形式欄
130 流速・摩擦仕様入力欄
131 特記仕様入力欄
132 系統別管種類入力欄
133 系統別管種類入力欄
140 機器記号入力欄
141 外観ブロック図
142 ブロック図
150 機器記号入力欄
151 外観ブロック図
152 ブロック図
160 機器記号入力欄
161 外観ブロック図
162 ブロック図
170 機器記号入力欄
171 外観ブロック図
172 ブロック図
180 機器記号入力欄
181 外観ブロック図
182 ブロック図
190 機器記号入力欄
191 外観ブロック図
192 各系統名入力欄
200 機器記号入力欄
201 外観ブロック図
210 機器記号入力欄
211 外観ブロック図
212 ブロック図
220 系統図
230 機械室
231,232,233,234,235 扉
236 冷温水二次ポンプユニット
237 冷温水一次ポンプユニット
239 ヘッダー
238 冷却水ポンプユニット
240,241 ガス焚き冷温水発生器
250 機械室
251,252 扉
253,254 柱

Claims (6)

  1. 特定工事の発注者から受注者に至る複数の業者間で当該工事に関する管理業務を支援する工事管理支援システムであって、
    前記複数の業者が操作する情報端末は、ネットワークを介して前記工事に関する管理業務を支援する工事管理支援サービス主体と接続され、
    前記工事管理支援サービス主体は、
    前記特定工事内容を表すモデルと、そのモデルに関する情報を取り出し可能に蓄積するデータベースと、
    前記複数の業者がネットワークを介して前記工事管理支援サービス主体にアクセスし、前記特定工事に関する情報を前記データベースに提供すると共に、前記データベースに蓄積された特定工事に関する情報のうち、各業者が必要とする情報をデータベースと対話しながら提供し、それに対する各業者からの修正・承認結果を取得しながら意見調整を行う管理業務部と、
    を備えたことを特徴とする工事管理支援システム。
  2. 前記特定工事は、建築関係の工事であって、
    前記複数の業者は、発注者、工事監理者、元請総合建設業者、設備工事業者、施工業者、および製品製造工場のいくつかを含む重層下請け構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の工事管理支援システム。
  3. 前記管理業務は、前記特定工事に関する設計図、施工図、関連書類の受け渡しと保管、および、それらの修正・承認作業が少なくとも含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の工事管理支援システム。
  4. 前記工事管理支援サービス主体は、前記複数の業者から前記工事を特定する案件名と利用者名を添えたシステムの利用申請があると、各業者を識別するための識別記号を発行し、それを管理する利用者テーブルを設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の工事管理支援システム。
  5. 前記工事管理支援サービス主体は、案件ごとの利用者の分類と、情報へのアクセス権限を管理するための権限テーブルを設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の工事管理支援システム。
  6. 前記管理業務部は、各業者から取得した修正・承認結果を履歴データとし、修正・承認対象に関連付けて記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の工事管理支援システム。
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