JP2005107015A - 機能性素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、機能層の端部が外側に傾くことなく、色調ムラや膜厚が不均一となる等の不都合を発生させない機能層を有する機能性素子の製造方法および機能性素子製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、前記機能層形成用塗工液を乾燥、固化させて機能層を形成する乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、前記機能層の端部の変形を防止するため、前記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶媒を揮発させて固化させる際に生じる、機能層端部の変形が防止された機能性素子の製造方法および機能性素子製造装置に関するものである。
近年のパーソナルコンピューターの発達や携帯電話の普及に伴い、より高精細でかつ薄層軽量なディスプレイの製造競争が激化している。その中で、有機エレクトロルミネッセント(以下、エレクトロルミネッセントをELと略す場合がある)素子、カラーフィルタ(以下、カラーフィルタをCFと略す場合がある)、色変換フィルタ等は、そのような要求を満足し、次世代のディスプレイを担うものとして注目されている。
これら有機EL素子、CF、色変換フィルタを構成する複数の機能層の中には、微細なパターニングを必要とするものが多く、そのような微細なパターニングを行う方法として吐出法が用いられている。吐出法は、パターニング精度に優れ、かつ製造効率に優れている等利点の多い方法である。
さらに、吐出法は、吐出装置本体のノズル口から機能層形成用塗工液を吐出し、目的箇所に付着させ塗布する方法であるため、その機能層形成用塗工液としては、ノズル口から容易に吐出させることが可能な粘度、すなわち比較的希薄な濃度の機能層形成用塗工液であることが要求される。しかしながら、希薄な濃度の機能層形成用塗工液は粘度が低いため塗布後、過剰な濡れ広がりによりパターニング精度を低下させるおそれがある。このような機能層形成用塗工液の過剰な濡れ広がりを防止する手段として、隔壁等の設置や塗布する対象物に予め濡れ性の差を設けるなどの方法により、パターンの精度を向上させる方法が提案されている。
しかしながら、上述したような方法を講じて形成された機能層は、例えば図3(b)または図3(d)のような形状となることが多い。これは、図3(a)または図3(c)のように、機能層形成用塗工液3中の溶媒は、機能層形成用塗工液が塗布された領域の端部において、上部方向にだけではなく、横方向に向かっても揮発する。また、機能層上部周辺に比べ、機能層端部周辺は大気中の溶媒の飽和度が低いため、溶媒の横方向への揮発は進みやすい。そのため、溶媒の揮発が進むにつれて機能層形成用塗工液は外側に移動し、機能層は図3(b)に示すように、外側に傾くように変形した状態、または図3(d)に示すように端部の膜厚が厚くなった状態で固化することとなる。このような機能層は局部的に層の厚みが異なり、表面も平らではないため、不都合が生じる可能性がある。例えば、機能層が有機EL素子の発光層、CFの着色層または色変換フィルタの色変換層等の用途に用いられた場合、端部の不均一さから色調ムラが生じ高精細な発色を妨げ、さらには素子寿命を低下させるといった影響を及ぼす。
なお、本発明に関する先行技術文献は、発見されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機能層の端部が外側に傾くことなく、色調ムラや膜厚が不均一となる等の不都合を発生させない機能層を有する機能性素子の製造方法および機能性素子製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、上記機能層形成用塗工液を乾燥、固化させて機能層を形成する乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、上記機能層の端部の変形を防止するため、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記障壁形成工程において、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成することから、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒が、外側に向かって揮発することが障壁によって妨げられる。これにより、機能層形成用塗工液中の溶媒の揮発速度が、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の端部およびその領域の中心部において同等となる。したがって、形成された機能層の端部の形状が不均一となることや、膜厚が不均一となることを防止することができ、高品質な機能性素子を製造することができる。
上記発明においては、上記基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、上記塗工液塗布工程が、上記パターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って上記機能層形成用塗工液を塗布する工程であってもよく、また上記基材上に、隔壁が形成されており、上記塗工液塗布工程が、上記隔壁のパターンに沿って、上記機能層形成用塗工液を塗布する工程であってもよい。このような濡れ性変化パターンや、隔壁のパターンに沿って機能層形成用塗工液を塗布することにより、高精細なパターン状に機能層を形成することが可能となるからである。また、このような方法を用いて塗布される機能層形成用塗工液は一般的に流動性が高く、このような場合に、本発明の効果を十分に発揮することが可能となるからである。
また、上記発明においては、上記機能層形成用塗工液が、吐出法により塗布されることが好ましく、中でも、上記吐出法は、インクジェット法であることが好ましい。吐出法、さらにその中でもインクジェット法は、高精細なパターンを形成することが可能であるが、機能層形成用塗工液として流動性の高いものを用いる必要性があり、このような場合に、本発明の効果を十分に発揮することが可能となるからである。
また、本発明は、上記いずれかに記載の機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の上記機能層が着色層であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記機能性素子の製造方法の機能層を着色層としてカラーフィルタを製造することにより、均一な膜厚および均一な形状を有する着色層を形成することが可能となり、着色層上に形成された金属配線の断線や、着色層の白抜けや色ムラ等の少ない、カラーフィルタを製造することが可能となるからである。
また、本発明においては、上記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、上記障壁形成工程が、少なくとも上記ストライプ型着色層の各ストライプの端部側に障壁を形成する工程であってもよく、また上記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、上記障壁形成工程が、少なくとも上記ストライプ型着色層の側部側に障壁を形成する工程であってもよい。ストライプ型着色層を有するカラーフィルタにおいては、ストライプ型着色層の各ストライプの端部側における端部の形状の変化によって、問題が生じる場合や、ストライプ型着色層の側部の形状の変化によって、問題が生じる場合があり、これらの側に障壁を形成することにより、ストライプ型着色層の形状が変形等することのない、高品質なカラーフィルタとすることができるからである。
また、本発明は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された上記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、上記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を配置する障壁配置手段を有することを特徴とする機能性素子製造装置を提供する。
本発明によれば、上記乾燥手段に障壁配置手段を有することから、上記機能層を乾燥させる際に、障壁を配置することができる。これにより、機能層形成用塗工液を乾燥させる際に、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発速度を調整することが可能となり、効率的に機能層の端部が変形等することのない高品質な機能性素子を製造することが可能な機能性素子製造装置とすることができる。
本発明によれば、上記障壁形成工程において、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成することから、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒が、外側に向かって揮発することが障壁によって妨げられる。これにより、機能層形成用塗工液中の溶媒の揮発速度が、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の端部およびその領域の中心部において同等となる。したがって、形成された機能層の端部の形状が不均一となることや、膜厚が不均一となることを防止することができ、高品質な機能性素子を製造することができる。
本発明は、溶媒を揮発させて固化させる際に生じる、機能層端部の変形が防止された機能性素子の製造方法、その機能性素子の製造方法を用いたカラーフィルタの製造方法、および機能性素子製造装置に関するものである。以下、それぞれについてわけて説明する。
A.機能性素子の製造方法
まず、本発明の機能性素子の製造方法について説明する。本発明の機能性素子の製造方法は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、上記機能層形成用塗工液を乾燥、固化させて機能層を形成する乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、上記機能層の端部の変形を防止するため、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程を有するものである。
本発明の機能性素子の製造方法は、例えば図1に示すように、基材1上に、例えばインクジェット装置等の塗工液塗布手段2等を用いて機能層形成用塗工液3を塗布する塗工液塗布工程(図1(a))と、その機能層形成用塗工液3を、例えばホットプレート等の乾燥手段4により、乾燥させる乾燥工程(図1(b))と、その際、形成される機能層の端部の形状が変形することを防止するために、機能層形成用塗工液3が塗布された領域の周辺部sに、障壁5を形成する障壁形成工程(図1(b))とを有するものであり、機能層形成用塗工液3が乾燥固化した機能層6の形状が変形等のない高品質な機能性素子(図1(c))の製造方法である。
一般的には、機能層を形成する機能層形成用塗工液を塗布後、固化乾燥させて機能性素子を形成する場合、上述したように機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発速度が、機能層形成用塗工液が塗布された領域の中央部と端部とでは異なるものとなる。これを図2に示すような機能層を形成する場合のa方向の断面図(図3(a)および(b))とb方向の断面図(図3(c)および図3(d))を用いて説明する。図2に示すような機能層を形成するために、機能層形成用塗工液3を基材1上に塗布した場合、図3(a)または図3(c)に示すように、機能層形成用塗工液3は中心部も端部も均一な形状をしている。しかしながら、この機能層形成用塗工液3を乾燥、固化させて機能層とする際に、機能層形成用塗工液3の塗布された領域の端部においては、上方向への溶媒の揮発だけでなく、横方向への溶媒の揮発が可能である。また、その端部においては、機能層形成用塗工液3が塗布された領域の中心部と比較して、大気中の溶媒の飽和度が低く、溶媒の揮発速度が速い。そのため、溶媒の揮発が進むにつれて機能層形成用塗工液3は外側に移動し、機能層は図3(b)外側に傾くように変形した状態や、図3(d)に示すように、端部の膜厚が厚くなった状態で固化することとなる可能性が高い。
一方、本発明によれば、機能層形成用塗工液を固化、乾燥させる際に、例えば図4(a)に示すように塗布された機能層形成用塗工液3の周辺部に、障壁5を形成する。これにより、機能層形成用塗工液3が塗布された領域の端部において、機能層形成用塗工液3中に含有される溶媒は、障壁に遮断されて横方向には溶媒が拡散されず、上方向にのみ溶媒が揮発することとなる。したがって、機能層形成用塗工液3が塗布された領域の中央部と端部とでは、どちらも上方向に溶媒がほぼ同等の速度で揮発することとなり、機能層の形状は、図4(b)および図4(c)に示すような、変形のないものとすることができる。なお、上記図4(a)および図4(b)は、図2に示すような機能性素子のa方向の断面図であり、図4(c)は、図2に示すような機能性素子のb方向の断面図である。
以下、本発明の機能性素子の製造方法の各工程について説明する。
1.障壁形成工程
まず、本発明の機能性素子の製造方法の特徴である障壁形成工程について説明する。本発明の機能性素子の製造方法における障壁形成工程は、後述する塗工液塗布工程および乾燥工程により形成される機能層の端部の形状が変形することを防止するために、塗工液塗布工程によって機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する工程である。
ここで、本工程は機能層形成用塗工液が乾燥、固化して機能層の形状が決定される際に障壁が存在することとなるように、障壁を形成する工程である。したがって、機能層の形状が決定される際に、障壁が存在するように障壁が形成されるものであれば、本工程の行われる時期は、特に限定されるものではなく、例えば後述する塗工液塗布工程および乾燥工程の間に行われるものであってもよく、また塗工液塗布工程の前に行われるものであってもよい。またさらに、後述する乾燥工程は予備乾燥と本乾燥との2工程で行われるものであってもよく、予備乾燥において機能層の形状が決定される場合には、少なくともこの予備乾燥の間、障壁が存在するように障壁が形成される。また、予備乾燥および本乾燥により、機能層の形状が決定される場合には、予備乾燥および本乾燥の間、障壁が存在するように障壁が形成されるものとする。また、本工程により形成された障壁は、機能層の形状が決定された後、取り外されることとなる。
以下、本工程により形成される障壁と、その障壁の形成方法について、詳しく説明する。
(障壁)
まず、本工程により形成される障壁について説明する。本工程により形成される障壁としては、機能層形成用塗工液が形成された領域の端部の形状の変形等を防止することが可能な材料であり、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒によって侵食されない材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば金属やセラミック、ガラス等の無機材料や、プラスチック等であってもよいが、本発明においては、特に金属であることが好ましい。これは、金属は加工が容易であり、また溶媒への耐性や耐熱性を有するからである。
本工程により形成される障壁の形状としては、例えば図5(a)に示すように、機能層形成用塗工液が塗布された領域の全面を囲むようなものであってもよく、また図5(b)や図5(c)に示すように、機能層の端部の形状の変化を防止したい領域の周辺部のみに、形成されるものであってもよい。
また、その障壁の断面形状は、上記溶媒の揮発速度を調整することが可能な形状であれば、特に限定されるものではなく、断面が例えば図1(b)に示すような柱状であってもよく、また図4(a)に示すように、上部にひさし状の部材等がついているものや、例えばワイヤー等、断面が円状のもの等であってもよい。
ここで、形成される障壁の高さ(例えば図1(b)に示されるb)は、機能層形成用塗工液の溶媒の揮発速度を調整することが可能な高さであれば、特に限定されるものではなく、上記溶媒の種類や、機能性素子の大きさ等にもよって適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜100000μm程度、中でも0.1μm〜50000μm程度、好ましくは0.1μm〜25000μm程度とすることができる。
また、上記障壁の高さは、機能層形成用塗工液の塗布後の膜厚を1とした場合に、0.5〜7000の範囲内、中でも0.5〜3000の範囲内、特に1〜1000の範囲内となるように形成されることが好ましい。障壁の高さを、機能層形成用塗工液の膜厚に対してこのような範囲内とすることにより、機能層形成用塗工液の溶媒の揮発速度を調整することが可能となるからである。ここで、上記機能層形成用塗工液の塗布後の膜厚とは、機能層形成用塗工液を塗布した直後の膜厚をいうこととする。
なお、上記障壁の厚さ(例えば図1(b)に示されるt)についても、特に限定されるものではなく、通常1μm〜100000μm程度、中でも100μm〜30000μm程度とすることができる。
ここで、上記障壁は、機能層形成用塗工液の溶媒の揮発速度を調整することが可能であれば、特に上記基材上に形成される必要はなく、例えば基材と障壁との間に間隙を有するように浮かせた状態で形成されるものであってもよい。これにより、障壁によって基材に傷がつくこと等の問題が生じることを防止することが可能となるからである。
また、上記障壁は温度調整機能を有するように形成されるものであってもよい。上記障壁が温度調整機能を有する場合には、より機能層形成用塗工液中の溶媒の揮発を調整することが可能となり、機能層の形状をより制御することが可能となるからである。
(障壁の形成方法)
次に、上述したような障壁の形成方法について説明する。本工程における上記障壁を、機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に形成する障壁の形成方法としては、上記障壁を目的とする位置に形成することが可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば本発明においては、上述したような障壁を予め形成しておき、目的とする場所に配置する方法や、例えば障壁の一部分がX−Y−Z方向に移動可能なものを、機能層形成用塗工液が塗布された領域の形状に合せて配置する方法等が挙げられる。本発明においては、上記の中でも障壁を予め形成しておき、目的とする場所に配置する方法であることが、形成および取り外しの容易さから好ましい。
ここで、上記障壁の形成位置としては、機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に形成されるものであるが、この機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部とは、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の端部の近傍をいうこととする。上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の端部から障壁までの距離(例えば図1(b)のaで示される距離)は、上記障壁が上記機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発に影響を与えることが可能な距離であれば、特に限定されるものではなく、機能性素子の種類等により、適宜選択されるものである。また、この距離は通常、形成される障壁の高さ等によって決定されることとなり、通常1μm〜20000μm程度、中でも10μm〜200μm程度とすることができる。
また、上記障壁は上記基材上に形成されるものであってもよく、また例えば上記基材の外側の領域等、基材と離れて形成されるものであってもよい。
2.塗工液塗布工程
次に、本発明の塗工液塗布工程について説明する。本発明の塗工液塗布工程は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する工程である。以下、本工程に用いられる機能層形成用塗工液、および基材について詳しく説明する。
(機能層形成用塗工液)
まず、本工程に用いられる機能層形成用塗工液について説明する。本工程に用いられる機能層形成用塗工液は、溶媒を含むものであり、この機能層形成用塗工液を乾燥、固化させることにより、機能性素子の機能層とするものである。
本発明における機能層としては、例えば有機EL素子の発光層、カラーフィルタの着色層または有機EL素子に用いられる色変換フィルタの色変換層等を挙げることができ、これら各層を形成する際の塗工液が本発明でいう機能層形成用塗工液となる。
ここで、上記機能層形成用塗工液中に含有される溶媒としては、上記機能層を構成する材料を溶解または分散させることが可能であり、後述する乾燥工程により揮発させることが可能なものであれば、一般的に溶媒として用いられるものを用いることが可能であり、その種類等は、機能層形成用塗工液に含有される他の材料の溶解性や、揮発速度等によって適宜選択されるものである。
また、上記機能層を構成する材料としては、機能層の形成に一般的に用いられるものを用いることが可能であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
本発明においては、上記機能層形成用塗工液の粘度が低いものであることが好ましい。このような粘度の低い機能層形成用塗工液は、機能層形成用塗工液を乾燥、固化させる際に、流動性が高いことから、機能層の形状が変形しやすい。したがって、機能層の形状の変化を防止する本発明の利点を発揮することが可能となるからである。
上記機能層形成用塗工液の粘度として、具体的には0.1mPa・s〜1000mPa・sの範囲内、中でも0.1mPa・s〜100mPa・sの範囲内とすることが好ましい。このような粘度の機能層形成用塗工液を用いた場合、上述したように機能層の形状が変形しやすいからである。
また、本工程における上記機能層形成用塗工液の塗布は、後述する基材上に上記機能層形成用塗工液を塗布することが可能な方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば、印刷法、ディッピング法、吐出法等を用いることができる。
本発明においては、上記の中でも特に吐出法であることが好ましい。上記吐出法は、上記の比較的低粘度の機能層形成用塗工液を用いて、高精細なパターン状に機能層を形成することが可能となるからである。本発明においては、またその中でも特に、インクジェット法であることが好ましい。インクジェット法は、一般的に汎用されている吐出法であり、材料効率に優れ、製造工程が短い等製造効率上有利であるからである。
なお、上記の低粘度の機能層形成用塗工液を用いて基材上に塗布した場合、機能層を形成しない領域にまで過剰に濡れ広がる場合がある。そこでこのような場合、本発明においては、基材上に、後述する隔壁やパターン形成層等のパターン形成手段を予め形成しておき、これに沿って機能層形成用塗工液を塗布することが好ましい。
(基材)
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上記機能層形成用塗工液が塗布されることが可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば透明性や可撓性等は、製造される機能性素子の種類や目的等に合せて、適宜選択されるものである。
本発明において製造される機能性素子としては、例えば有機EL素子やカラーフィルタ等が挙げられ、このように機能性素子が光学素子として用いられる場合には、基材の透明性が高いものが好ましく、具体的には、ガラス等の無機材料や、透明樹脂等を用いることができる。また、上記透明樹脂としては、フィルム状に成形が可能であれば特に限定されるものではないが、透明性が高く、耐溶媒性、耐熱性の比較的高い高分子材料が好ましい。
具体的には、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、および非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。
ここで、上記機能層形成用塗工液が基材上に塗布された場合、粘度が低い機能層形成用塗工液を用いた場合には、機能層を形成しない領域にまで過剰に濡れ広がる場合がある。そこで、本発明においては、上記基材上に、後述する隔壁やパターン形成層等のパターン形成手段を予め形成しておき、これに沿って後述する塗布方法により機能層形成用塗工液が塗布されることが好ましい。これにより、機能層形成用塗工液を、高精細なパターン状に塗布することが可能となり、高品質な機能性素子とすることが可能となるからである。
(その他)
本発明においては、上述したように上記基材上に隔壁やパターン形成層が形成されていることが好ましく、これらを利用して、上記機能層形成用塗工液を塗布することが好ましい。具体的には、基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、塗工液塗布工程が、このパターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って上記機能層形成用塗工液を塗布する場合や、上記基材上に隔壁が形成されており、塗工液塗布工程が、この隔壁のパターンに沿って上記機能層形成用塗工液を塗布する場合等である。以下、このような基材上に形成される隔壁およびパターン形成層について説明する。
(1)隔壁
まず、本発明に用いることが可能な隔壁について説明する。本発明に用いられる隔壁とは、上記機能層形成用塗工液の濡れ広がりを、隔壁側面または表面にて食い止めるものである。このような隔壁としては、例えば、断面形状が四角形状、T字形状、逆テーパ形状等のものを挙げることができる。さらに、より効果的に機能層形成用塗工液の濡れ広がりを防止するために、撥液性を保持させた隔壁としてもよい。このような隔壁は、隔壁自体を撥液性を保持する材料から形成する方法や、表面に撥液性処理を施し隔壁表面に撥液性を保持させる方法等により形成することが可能である。
このような隔壁の幅は、製造される機能性素子の種類等によって適宜選択されるものであるが、通常1〜50μm、中でも2〜20μm程度とされる。隔壁の幅が上記範囲より狭いと、機能層形成用塗工液の濡れ広がりを防止するのに十分でない可能性があるからである。
また、隔壁の高さについては、形成される機能層の種類等によって異なるものであるが、通常0.1〜20μm、中でも0.1〜1.5μmとされる。隔壁の高さが上記範囲より低いと、機能層形成用塗工液が隔壁を越えて濡れ広がる可能性があり、隔壁の高さが上記範囲より高いと、基材の取り扱いの際に邪魔になる等の不具合が発生するおそれがあるからである。
このような隔壁の形成方法は、特に限定されるものではないが、一般的にはフォトリソグラフィー法で行なわれる場合が多い。
(2)パターン形成層
次に、本発明に用いることが可能なパターン形成層について説明する。本発明においては、基材表面に機能層形成用塗工液と良好な濡れ性を有する親液性領域と、機能層形成用塗工液との濡れ性が悪い撥液性領域とのパターンが形成されたパターン形成層を設けることにより、撥液性領域への機能層形成用塗工液の濡れ広がりを防止し、パターニング精度を向上させる方法がある。このようなパターン形成層の形成方法としては、親液性が要求される領域に親液性の表面処理を施す方法や、エネルギー照射により表面の濡れ性が変化するパターン形成層を基材上に形成し、エネルギーのパターン照射により濡れ性の差によるパターンを形成する方法等が挙げられる。
さらに、パターン形成層の態様として、パターン形成層自体に光触媒が含有されている光触媒含有層の場合と、光触媒が含有されていない濡れ性変化層である場合とがある。いずれもパターン形成層に用いることが可能であるが、光触媒含有層を用いた場合は、光触媒含有層に直接エネルギーをパターン照射するのみで、光触媒含有層に濡れ性の差によるパターンを形成することができることから製造効率上有利である。一方、光触媒を含有しない濡れ性変化層である場合には、機能性素子として用いた場合に、光触媒の半永久的な作用による経時劣化が回避できることを利点とする。以下、パターン形成層として使用可能な光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層とについて詳細に説明する。
a.濡れ性変化層
パターン形成層を構成する濡れ性変化層は、光触媒の作用により表面の濡れ性が変化する層であれば特に限定されるものではないが、一般的にはエネルギーの照射に伴う光触媒の作用により、その濡れ性変化層表面における液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることが好ましい。また、光触媒を活性化させるエネルギーを透過させる材料である必要がある。
このように、露光(本発明においては、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射されたことをも意味するものとする。)により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層とすることにより、エネルギーのパターン照射を行うことにより容易に濡れ性をパターン状に変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することが可能となり、この親液性領域に機能層形成用塗工液を付着させることにより、容易に機能層形成用塗工液をパターン状に塗布することができる。
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、機能層形成塗工液に対して濡れ性が良い領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、機能層形成用塗工液に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
上記濡れ性変化層は、露光していない部分、すなわち撥液性領域においては、塗布される機能層形成用塗工液に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、特に50°以上の濡れ性を示すことが好ましい。これは、露光していない部分は、本発明においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、上記機能層形成用塗工液が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
また、上記濡れ性変化層は、露光すると液体との接触角が低下して、塗布される機能層形成用塗工液に対する接触角が20°以下、特に、10°以下となるような層であることが好ましい。露光した部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高いと、この部分での機能層形成用塗工系の広がりが劣る可能性があり、機能層形成用塗工液が塗布されない部分が生じる等の問題が起こる可能性があるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。
また、本発明において上述したような濡れ性変化層を用いた場合、この濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
このような特徴を有する濡れ性変化層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親液性領域のみに機能層形成用塗工液を塗布することが容易に可能となる。
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち光触媒の作用により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥液牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、フルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2005107015
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
本発明における濡れ性変化層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに有機溶剤中に分散して調製し、この有機溶剤を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系のものが好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することができる。
本発明において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、光触媒の作用による上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、未露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、機能層形成用塗工液との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、所望の領域のみに機能層形成用塗工系を塗布することができる。
本発明において上述のような濡れ性変化層をパターン形成層に用いた場合の親液性および撥液性のパターンの形成方法としては、少なくとも光触媒を有する層を別個に準備し、この光触媒を有する層と濡れ性変化層とを接触またはある程度の間隔を置いて配置させた状態でパターン露光し、次いで、光触媒を有する層を濡れ性変化層から剥離することにより親液性および撥液性のパターンを有する濡れ性変化層を得るものであってもよく、また基材と濡れ性変化層との間に、光触媒を含有する層を形成し、上記濡れ性変化層にエネルギーをパターン露光するものであってもよい。なお、このような濡れ性変化層を用いたパターンの形成方法については、例えば特開2000−249821号公報や、特開2000−227513号公報等に記載されている方法を用いることが可能であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
b. 光触媒含有層
本発明に用いられる光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとからなり、エネルギー照射により機能層形成用塗工液との接触角が低下する方向に濡れ性が変化するものである。このような光触媒含有層としては、上記濡れ性変化層に光触媒を含有させることにより得ることできる。そこで、バインダ等の濡れ性変化層と同様の構成のものについては、ここでの説明を省略し、以下、光触媒に関することについて説明する。
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば上述する濡れ性変化層で詳しく説明するオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
このような光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、上述の濡れ性変化層における場合と同様であるためここでの説明は省略する。
本発明において光触媒含有層はその内部に光触媒を含有するため、直接光触媒含有層にパターン露光を行うことにより光触媒の作用から親液性および撥液性のパターンを形成することが可能である。なお、このような光触媒含有層を用いたパターンの形成方法については、例えば特開2000−284112号公報等に記載されている方法を用いることが可能であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
3.乾燥工程
次に、本発明の乾燥工程について説明する。本発明における乾燥工程は、上記塗布工程により塗布された機能層形成用塗工液を乾燥、固化させて機能層を形成する工程である。
上記機能層形成用塗工液の乾燥方法としては、機能層形成用塗工液を均一に乾燥することが可能な方法であれば、特に限定はされるものではなく、例えば、機能層形成用塗工液が塗布された基材を減圧下に配置する方法や加熱する方法等が挙げられる。
また、本工程は、加熱することにより行われるものであってもよく、例えば、機能層形成用塗工液の温度を容易に上昇させ、乾燥固化させるものであってもよい。具体的には、オーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等が挙げられる。
また、本工程においては、上述したように、予備乾燥と本乾燥等、2段階以上にわけて行うものであってもよい。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の機能層が着色層であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した機能性素子の製造方法の機能層を着色層として形成することから、膜厚や形状が均一な着色層とすることができる。これにより、膜厚が不均一であることにより生じる着色層上に形成された金属配線の断線や、着色層の変形や膜厚差による白抜けや色ムラ等を防止することが可能となる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色層を形成する着色層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、その着色層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥工程と、着色層形成用塗工液を乾燥させる際に、着色層の端部の変形を防止するために着色層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程とを有するものである。上記各工程は、上述した「A.機能性素子の製造方法」で説明した各工程に対応するものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上記着色層形成用塗工液を乾燥させる際に、着色層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程を有することを特徴とするものである。ここで、上記障壁形成工程は、上述したように塗工液塗布工程前に障壁を形成するものであってもよく、また塗工液塗布工程後、乾燥工程前に障壁を形成するもの等であってもよい。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法における上記塗工液塗布工程は、上述した機能性素子の製造方法の項で説明したような方法の中でも基材上にエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、このパターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って着色層を形成することが好ましい。これにより、高精細で混色等のない、高品質な着色層を有するカラーフィルタとすることができるからである。なお、本発明においては、上記基材は、ブラックマトリクス等の必要な部材が形成されているものであってもよい。
ここで、本発明のカラーフィルタの製造方法における着色層形成工程で形成される着色層は、千鳥状等に形成される着色層等であってもよいが、特にストライプ状に形成されるストライプ型着色層であることが好ましい。ストライプ型着色層は、上記パターン変化層や上記隔壁を用いて形成する場合等に、特に着色層形成領域内で着色層形成用塗工液が動きやすく、着色層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発に伴い、着色層の形状が変形しやすいことから、本発明の利点を効果的に発揮することが可能だからである。
着色層がこのようなストライプ型着色層である場合には、上記溶剤塗布工程は、例えば図5(b)に示すように、ストライプ型着色層3のストライプの側部α側に障壁5を形成する工程であってもよいが、本発明においては、例えば図5(c)に示すように、少なくともストライプ型着色層3の各端部β側に障壁5を形成する工程であることが好ましい。これは、各ストライプ型着色層のストライプの端部b側の着色層の形状が溶媒の揮発によって影響を受けやすいからである。なおこの際、例えば図5(a)に示すように、上記着色層3を形成する領域の周囲全てに障壁5を形成してもよい。
ここで、上記障壁の高さ(例えば図1(b)のbで示される高さ)は、カラーフィルタの種類等により、適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜100000μmの範囲内、中でも0.1μm〜50000μmの範囲内、特に好ましくは0.1μm〜25000μmの範囲内とされる。
また、上記障壁の高さは、着色層形成用塗工液の塗布後の膜厚を1とした場合に、0.5〜7000の範囲内、中でも0.5〜3000の範囲内、特に1〜1000の範囲内となるように形成されることが好ましい。障壁の高さを、着色層形成用塗工液の膜厚に対してこのような範囲内とすることにより、着色層形成用塗工液の溶媒の揮発速度を調整することが可能となるからである。ここで、上記着色層形成用塗工液の塗布後の膜厚とは、着色層形成用塗工液を塗布した直後の膜厚をいうこととする。
なお、上記障壁と上記着色層との距離a(例えば図5のaで示される幅)は、通常1μm〜20000μmの範囲内、中でも10μm〜200μmの範囲内とされる。
また、上述したように、上記障壁は着色層の変形を防止することが可能であれば、上記基材上に形成されるものであってもよく、また上記基材の外側に形成されるものであってもよく、また上記基材上に、基材と間隙をおいて形成されるものであってもよい。
なお、本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程に用いられる基材や着色層形成用塗工液、障壁等については、上述した「A.機能性素子の製造方法」において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
C.機能性素子製造装置
次に、本発明の機能性素子製造装置について説明する。本発明の機能性素子製造装置は、溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された上記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、上記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、上記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を配置する障壁配置手段を有するものである。
本発明の機能性素子製造装置は、上記塗工液塗布手段と、上記乾燥手段とを有するものであり、その乾燥手段に、例えば図6に示すように、機能層形成用塗工液3が塗布された領域の周辺部に障壁5を配置する障壁配置手段等を有するものである。これにより、例えばホットプレート4等によって機能層形成用塗工液3を乾燥、固化させる際に、障壁5によって機能層形成用塗工液3中の溶媒の揮発を調整することが可能となり、形成される機能層の形状を変形のないものとすることが可能となるのである。
ここで、本発明においては、上記ホットプレート等の乾燥用手段が動いてもよく、また障壁配置手段が動いてもよく、また両方が同時に動いてもよい。また、上記乾燥用手段および障壁配置手段の駆動方法は、安定に移動させることのできる方法ならば特に限定されるものではない。
本発明においては、上記機能層形成用塗工液を吐出する塗工液塗布手段の機能層形成用塗工液の吐出方法は、溶媒を含み機能層を形成する機能層形成用塗工液を吐出法により塗布することができる方法であれば特に限定はされず、一般的に機能層形成用塗工液の塗布を行う方法、例えば印刷法やスピンコート法、吐出法等を用いることができる。本発明においては中でもインクジェット法やディスペンサー法を用いることが好ましく、その中でも特に、インクジェット法であることが好ましい。インクジェット法は、吐出法の中でも最も汎用されている方法であり、製造効率に優れ、簡便な製造工程で塗布することを可能とするからである。
また、上記乾燥手段については、機能性素子の機能層を形成する際に、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒を乾燥させることが可能であれば、特にその方法は限定されるものではなく、一般的に機能性素子の製造に用いられる方法、例えばオーブン、遠赤外線ヒーター、ホットプレート等とすることができる。
また、上記障壁配置手段は、機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺に、障壁を配置するためのアライメント機構を有し、障壁を目的とする位置に配置することが可能な方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば図7(a)に示すような、予め所定の形状に形成された障壁5を機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に配置する方法であってもよい。また例えば図7(b)に示すように、機能層形成用塗工液が塗布された領域の形状に合せて、形状の調整が可能な障壁5を、配置する方法であってもよい。また、この際、形状の調整が可能な障壁は例えばピアノ線のような線状のものであってもよい。
またさらに、本発明においては、上記障壁配置手段が温度調整機構を有するものであってもよい。これにより、機能層形成用塗工液中に含有される溶媒の揮発を調整することが可能となり、形成される機能層の形状をより変形の少ないものとすることが可能となるからである。なお、本発明において配置される障壁については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した障壁と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
イソプロプルアルコール30gにフルオロアルキルシラン(商品名TSL−8233 GE東芝シリコーン(株))0.4gとテトラメトキシシラン(商品名TSL−8114 GE東芝シリコーン(株))3gと光触媒無機コーティング材(商品名ST−K01)20gとを混合し、100℃で60分間攪拌し、光触媒含有層組成物とした。
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に上記光触媒含有層組成物を塗布し、光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.障壁配置工程および乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に置き、機能層形成用塗工液塗布エリアの四方50μm離した位置に高さ1mm、厚さ10mmのSUS製金属板を配置し、10分間静置した後、金属板を取り除き、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[実施例2]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に、実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.障壁配置工程および乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に置き、機能層形成用塗工液塗布エリアの四方50μm離した位置に高さ1mm、厚さ10mmのガラス板を配置し、10分間静置した後、ガラス板を取り除き、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[実施例3]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.障壁配置工程および乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に置き、機能層形成用塗工液塗布エリアの四方50μm離した位置に高さ10mm、厚さ10mmのSUS製金属板を配置し、10分間静置した後、金属板を取り除き、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[実施例4]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.障壁配置工程および乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に置き、機能層形成用塗工液塗布エリアの四方50μm離した位置に高さ10mm、厚さ10mmのガラス板を配置し、10分間静置した後、ガラス板を取り除き、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[実施例5]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.障壁配置工程および乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に置き、機能層形成用塗工液塗布エリアの四方200μm離した位置に高さ10mm、厚さ10mmのSUS製金属板を配置し、10分間静置した後、金属板を取り除き、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[実施例6]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.障壁配置工程および塗工液塗布工程
300x400x0.3mmのガラス基板中102500x200100μmの面積分くり抜くことにより作製されたフレームを、前記ガラス基板上に形成された親液性ラインパターンの各端部よりそれぞれ100μm外側にフレームの内側が位置するように配置し、128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材をフレーム毎80℃のホットプレート上に10分間静置し、フレームを取り外した後、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、中心部および端部の断面形状は均一であった。
[比較例]
1.基材の調製(親液性パターンの形成)
300x400x0.7mmの無アルカリガラスの透明な基材上に実施例1と同様の光触媒含有層組成物を用いて、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層を形成した。この状態で、光触媒含有層は撥インキ性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角:74°)を示した。次に、紫外線を90x200000μm、100μmピッチで1024本のライン状マスクパターンを介して照射したところ、光触媒含有層上に親液性(40mN/mの濡れ指数標準液での接触角10°以下)のラインパターンが形成された。
2.塗工液塗布工程
128個の吐出孔を有するピエゾ駆動型ヘッドを用い、インクジェット法により上記基材上に機能層形成用塗工液として、カラーフィルタ層形成用熱硬化型インクジェットインクを塗布した。塗工液は親液性部分に均一に濡れ広がった。
3.乾燥工程
上記インクジェット法により機能層形成用塗工液が塗布された基材を80℃のホットプレート上に10分間静置し、230℃のオーブンで30分間焼成し、カラーフィルタを得た。
4.評価
上記のようにして形成されたカラーフィルタ層の断面形状を測定した結果、ライン両端から1.5mmの範囲内の画素において、外側に傾くように変形した状態でインキが固化されており、画素内で局部的な層の厚さの違いが見られ、端部に薄い白い箇所が形成された。また、各ラインの端部の膜厚は、中心部の膜厚の約3倍程度に盛り上がって固化されており、画素間においても局部的な層の厚さの違いが見られた。
本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の塗工液塗布工程終了後の一例を示す概略断面図である。 従来の機能性素子の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の障壁形成工程の一例を示す平面図である。 本発明の機能性素子製造装置の乾燥手段および障壁配置手段の一例を示す平面図である。 本発明の機能性素子製造装置の障壁配置手段により配置される障壁の一例を示した平面図である。
符号の説明
1…基材
2…塗工液塗布手段
3…機能層形成用塗工液
4…乾燥手段
5…障壁
6…機能層

Claims (9)

  1. 溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布工程と、前記機能層形成用塗工液を乾燥、固化させて機能層を形成する乾燥工程とを有する機能性素子の製造方法において、前記機能層の端部の変形を防止するため、前記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を形成する障壁形成工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。
  2. 前記基材上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するパターン形成層が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記パターン形成層の濡れ性が変化したパターンに沿って前記機能層形成用塗工液を塗布する工程であることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  3. 前記基材上に、隔壁が形成されており、前記塗工液塗布工程が、前記隔壁のパターンに沿って、前記機能層形成用塗工液を塗布する工程であることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  4. 前記機能層形成用塗工液が、吐出法により塗布されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法。
  5. 前記吐出法は、インクジェット法であることを特徴とする請求項4に記載の機能性素子の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の製造方法により製造された機能性素子の前記機能層が着色層であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記障壁形成工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の各ストライプの端部側に障壁を形成する工程であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記着色層が、ストライプ状に形成されるストライプ型着色層であり、前記障壁形成工程が、少なくとも前記ストライプ型着色層の側部側に障壁を形成する工程であることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 溶媒を含む機能層形成用塗工液を基材上に塗布する塗工液塗布手段と、塗布された前記機能層形成用塗工液を乾燥させて固化させる乾燥手段とを有する機能性素子製造装置であって、前記乾燥手段にX−Y―Z方向に相対的に移動し、前記機能層形成用塗工液が塗布された領域の周辺部に障壁を配置する障壁配置手段を有することを特徴とする機能性素子製造装置。
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