JP2005106595A - 配管の漏洩判別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱ふく射環境下における補正済み圧力値の変動を小さく抑え、気体を封入した配管の漏洩の有無を簡易かつ確実に判別する。
【解決手段】 配管1の管内圧力を圧力測定手段2で測定するとともに、データ処理手段5にて、ピーク値を有して経時変化する圧力補正係数曲線を使用して配管1の管壁温度の変動による圧力変化分を算出し、上記管内圧力から圧力変化分を除去して管内気体の漏洩による圧力変化分のみを抽出して、抽出された圧力変化分が所定値以内の時に漏洩無しと判別する。この際に、上記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することにより上記抽出された圧力変化分の変動を抑える。上記曲線形状の調整方法としては、上記配管の管材の熱伝導率を変更設定する等により行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は配管の漏洩判別方法に関し、特に、ふく射冷暖房下や屋外で日射の影響を受ける配管の漏洩判別に好適に使用できる漏洩判別方法に関する。
工場構内の水配管や公道下の上水、工業用水配管、建物屋上の建築配管などは、通常工事の節目に水で漏洩テスト(水圧試験)が行なわれる。しかし、水の使用は作業負担が大きなものになる。第一に水を用意しなければならない。使用後の水を処分しなければならない。第二に誤って水を漏らすと自身の作業環境を悪化させたり、他の施設に害を及ぼしたりする。
これらのことから空気などの気体が注目されるが、空気に代表される気体による漏れ試験は、配管の周囲の空気や配管表面の温度変化によって、管内空気の圧力が容易に変動するため漏洩の有無の判断に難渋する。そこで例えば特許文献1では、空気による漏洩判別において、周囲温度や配管の外表面温度の変化に伴う管内圧力の圧力変化分を除去して管内気体の漏洩による圧力変化分のみを抽出することにより、漏洩の有無を判別できるようにした方法が提案されている。
特開2002−168726
しかし、上記特許文献1に開示された漏洩判別方法おいては、供試管は基本的に室内に存在し、その管壁面の温度は室内温度と大略同一であるため、ふく射熱は特に考慮する必要が無く、この結果、管表面に温度分布はなく、かつ、室温の温度変化も緩慢であることが前提である。これに対して、夜間、曇天日、日陰などを除く日射環境下の屋外を考えると、配管表面の温度分布は日射が直射する面とその反対側では冬季でも30℃の温度差が生じることが珍しくない。特に、雲の多い晴天時には、太陽が雲に出入りするたびに管表面温度は劇的に大きく乱高下する。このような環境下では、上記特許文献1に記載の方法では、温度変化による管内圧力の圧力変化分を除去した補正後の管内圧力値(補正済み圧力値)が大きく変動してしまい、漏洩の有無を確実に判別することが難しいという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、熱ふく射環境下においても補正済み圧力値の変動を小さく抑えることができ、配管内に気体を封入して当該配管の漏洩の有無を簡易かつ確実に判別することができる配管の漏洩判別方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、配管の管内圧力を測定するとともに、ピーク値を有して経時変化する圧力補正係数曲線を使用して配管の管壁温度の変動による圧力変化分を算出し、上記管内圧力からこの圧力変化分を除去して管内気体の漏洩による圧力変化分のみを抽出して、抽出された圧力変化分が所定値以内の時に漏洩無しと判別する配管の漏洩判別方法において、上記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することにより上記抽出された圧力変化分の変動を抑えるようにしたことを特徴としている。
圧力補正係数曲線の曲線形状を調整する方法としては、上記配管の管材の熱伝導率を変更設定することにより行うことができる(第1方法)。また、圧力補正係数曲線の曲線形状を調整する他の方法としては、配管の管壁および/または管内気体を横断面内で少なくとも周方向に等分に分割してそれぞれの部分についての熱平衡式によってモデル化される分割部分とし、この分割状態を変更設定することにより行うことができる(第2方法)。この場合、各分割部分についてそれぞれ熱平衡式が生じ、各分割部分についてそれぞれ圧力補正係数曲線が得られるが、システムは線形性を有していることから、圧力補正係数曲線群の単純加算によって単一の圧力補正係数曲線としても良い。さらに、圧力補正係数曲線の曲線形状を調整する他の方法としては、配管の管内気体の熱伝導率を変更設定することにより行うことができる(第3方法)。
ここで、上記第1〜第3の各方法の二つ以上を同時に使用すると圧力補正係数曲線の曲線形状をさらに適正に調整することができる。
本発明によれば、晴天の日の青い空に多数の白い雲が浮かび、この雲が風に流され次々に太陽光線を遮り、その結果配管の表面温度が乱高下するような屋外での熱ふく射環境下において、圧力補正係数曲線の曲線形状を最適に調整することによって、管内圧力値から温度変化による圧力変化分を除いた補正済み圧力値が変動することを効果的に抑えることができるから、配管内に気体を封入して当該配管の漏洩の有無を簡易かつ確実に判別することができる。
配管の漏洩試験にて、日射のある屋外等に気体を充填した配管を置くと、配管の外表面温度は、ふく射熱によって円周方向に大きな温度差を持つ。また、配管の外表面温度は、日射が雲に遮られたり、雲から開放されたりすることなどによって頻繁かつ急激に変動し、この結果、管内圧力値が乱高下して配管の漏洩の有無が判別不能になる。すなわち、管内圧力の変動は、漏洩の存在とともに管表面の温度の変動によっても生じ得る。
このような状況下において、管内圧力の測定値から管表面温度等の変動による圧力変化分を除去し、管内気体の漏洩による圧力変化分のみを含む補正済み圧力値の経時変化を観察することによって、漏洩の有無が判断できる。
すなわち、配管の外表面温度が単位高さを持って矩形状に変化したとき、この入力に対する管内圧力の応答を圧力補正係数uu(k・Δt)(k=1,2,3…)[Pa/degK]とし、これと管表面温度TTo(n・Δt) (n=0,1,2,3…)[K]のたたみ込み積分(下式(1))によって管表面温度の変動による管内圧力の変化分Δppa(nΔt) (n=0,1,2,3…)[Pa]を算出し、管内圧力pa(nΔt) (n=0,1,2,3…)[Pa]からΔppa(nΔt)を除去することにより(下式(2))、管表面温度による変化分を除去し管内気体の漏洩による圧力変化分のみを含んだ管内圧力pa´(n・Δt)(補正済み圧力)[Pa]を計算できる。
圧力補正係数とは図1(1) の波形の温度入力が管表面に印加されたときの管内圧力の変動(図1(2))である。このような圧力補正係数についての最も注目すべき性質は、圧力補正係数曲線がピーク値を有して経時変化するとともに、当該曲線と時間軸(横軸)とで作る図形の面積が、管内気体のガス定数、密度および温度が同じであれば、配管の容積、配管の材質に関係なく一定であることである。今、封入された気体は空気とし、空気の温度をTa=20[℃]、圧力をPa=200[kPa.G]=200000+101325=301325[Pa.abs] とすれば、この空気の密度ρaは下式(3)で示される。
このとき、図1(1) において高さ1[K]、Δt=10[sec]の入力を管表面に印加すると、出力である管内圧力の変動分、すなわち、図1(2) の圧力補正係数曲線と時間軸(横軸)とで作る図形の面積Sは、空気の気体定数Rを287.03[J/kg K=N m/kg K]として、下式(4)のようになる。
時間 t =0〜∞[sec]にわたって、Δt=10[sec]毎にサンプリングをし、その値を合計すれば、その合計値は1028.141[Pa] になる。
このことは、最も基本的な配管システム(単一寸法の一層管からなるシステム)については解析的に証明することができる。すなわち、圧力補正係数曲線は下式(5)で表される。
そして、下式(5)の曲線と横軸とで作る領域の面積Sは下式(6)のように誘導される。
面積Sは管の口径、長さなどの大きさ、管壁の材料の物性値や管内気体の熱伝導率に関係しない。このことは、管壁が複数層の材料から構成されている場合や、配管システムが複数の口径や管材の管群から構成されている場合にも成立すると考えられる。すなわち、その配管システムを記述する数式群は、1階の常微分方程式の連立方程式の初期値問題に帰着するから、数値解を得ることは容易である。多くの別途試算の結果は、上式(6)がよく成立することを示している。
ここで、一つの漏洩テストの最大所要時間(許容試験時間)を1時間(3600[sec])とすると、この間の管内空気温度の変動はたかだか20[℃]程度であり、圧力の変動幅も10[kPa]を超えることは稀である。したがって、平均的な試験圧力をおおよそ200[Pa.G](約300[Pa.abs])程度に設定すれば、1漏洩テスト中の管内空気密度の変動は小さく、一定であると見なすことができる。その他の物性値も同様に一定であるとしても一般性は損なわれない。管内空気の密度は試験直前に管内の圧力と温度を想定して計算されるが、試験終了後測定値との相違が大きい場合には、測定値を使用して机上実験が再現される。管内温度は管外表面温度から推定する。
圧力補正係数の全時間(t =0〜∞[sec])についての合計値は、温度・圧力が同じであれば同じになり、管内空気・管材料の容量や熱的特性とは無関係であると考えられる。したがって、「圧力補正係数曲線と時間軸(横軸)とで作る図形の面積Sは管内空気の温度と圧力が同じであれば同じである」との条件下で如何に所望の圧力補正係数曲線を作るかが問題となる。そこで、所望の圧力補正係数曲線を作る方法について以下の三つの方法を示す。
[配管の管材の熱伝導率を変える方法]
上式(5) で示される圧力補正係数曲線の、特にピーク値の大きさに応じて変化する曲線形状を変える方法の一つは、管材の熱伝導率を変えることである。硬質塩化ビニル管(VP)とモルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)を念頭に置いて、本来の数値を架空の数値に変えてみる。ここでは管内空気は完全に流動化しており、熱の移動は対流のみによっているとする。図2は単層管である水道用硬質塩化ビニール管(VP)、図3は二層管であるモルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)についての圧力補正係数曲線の計算結果である。図2中、λ:熱伝導率[W/mK]、α:管内面熱伝達率[W/m2K]である。また、図3中、cipλ:鋳鉄の熱伝導率[W/mK]、molλ:モルタルの熱伝導率[W/mK]、α:管内面熱伝達率[W/m2K]である。図2、図3から明らかなように、管材の熱伝導率λを変化させるとこれに応じて、圧力補正係数曲線の曲線形状が、背が高く痩せ、時間の経過に従って零への収斂が早くなる形状から、背が低く太り、零への収斂が長い形状へと変化する。
[配管の管壁および/または管内気体を横断面内で複数に分割する方法]
管壁の表面には周方向へ温度分布があるから、この測定のために複数個の温度センサを使用する。そこで、温度センサの数に応じて対角線状に管壁11と管内空気12を分割する(図4)。分割された管壁と管内空気はそれぞれ集中定数化して取扱い、集中定数化された管壁や管内空気間は熱伝導によって熱が移動すると考える。すなわち、ここでは管内空気は流動しないとしている。この方法は本質的にはいわゆる「コントロール・ボリユ―ム法」(例えば、S.V.パタンカー原著、水谷・香月共訳:「コンピュータによるに熱移動と流れの数値解析」、森北出版(1985))に準拠している。
図5は硬質塩化ビニール管VPについてその横断面内で、管内空気を同心円上に1(分割なし)〜4層に分割し、管壁11と管内空気12を対角線状に分割する。分割された管壁、空気層はそれぞれ集中定数化され、お互いに熱伝導のみによって熱授受が行なわれる。例えば、図5中の4x8=32は管内空気を径方向へ4層、管壁と空気層を周方向へ8区画、したがって、管内空気は32個の同じ熱容量を有する集中定数群に分けられていることを示す。なお、1'x8'=1は管材のみ8等分し、管内空気は分割していない。熱は他と同様に熱伝導のみによって移動するものとする。図5から明らかなように、配管の管壁および/または管内気体を横断面内で複数に分割し、その分割状態を変更すると、これに応じて、圧力補正係数曲線の曲線形状が、背が高く痩せ、時間の経過に従って零への収斂が早くなる形状から、背が低く太り、零への収斂が遅い形状へと変化する。なお、この方法は、硬質塩化ビニール管(VP)のみでなく、モルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)に対しても有効である。
[管内気体の熱伝導率を変える方法]
空気の熱伝導率は、大気圧下、20[℃]では、約0.027[W/m K]であるが、これを0.1程度まで上げると、圧力補正係数の曲線を微妙に変化させることができる。管内気体の熱伝導率を大きくすれば、圧力補正係数の曲線は、より背の高い痩せた曲線になる。
図6は配管漏洩実験装置の一例である。被試験配管1内の空気は、配管13を通じて圧縮空気源より圧縮空気を受け入れ、所定の圧力に保持された後、弁10により空気源から遮断される。小型ニードル弁7を開いて、試験状態に合わせた漏洩状態を作り出し、漏洩空気をメスシリンダ8で受けて漏洩量を測定する。メスシリンダ8は水中で逆さに立てられ、被試験配管1からの漏洩空気を受ける。符号2は管内の圧力を測定する圧力測定手段である。符号3は温度測定手段であり、配管の円周方向温度分布を測定する管外表面温度センサ3b,3b,3b,…、管内温度センサ3a、被試験配管1の周囲温度測定センサ3cが設けられている。圧力補正係数計算手段4、圧力測定手段2および温度測定手段3の各出力信号はデータ処理手段5に入力している。表示手段6では測定開始時点からの管内圧力値、管外表面温度、補正済み圧力値等が時間経過に従って表示される。
[実施例]
上記各方法により曲線形状を調整された圧力補正係数が、上記配管漏洩実験装置において補正済み圧力値の安定化にどのような効果を奏したかを以下に示す。モルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)を取りあげ、風の無い晴天の日中の測定例を選んだ。表示手段6上に表示された画面を図7に示す。図7の判定開始時刻は測定開始時から900[sec]とし、3600[sec]に終了する。測定時間は正味2700[sec]である。図7は、上述した管材の熱伝導率や管内気体の熱伝導率の変更、管壁・管内気体等の分割を行うことなく、一層管の式(5)に対して二層管についての数値解法により計算された圧力補正係数曲線(図8)を使用して管内圧力の補正を行ったものを示している。この場合は補正済み圧力値は充分に安定化されない。
図9の表示画面は、配管の鋳鉄管材の熱伝導率を1.0[W/m K]に置き換え、モルタル、管内空気の物性値は本来の値を使用して、図7と同じ方法で圧力補正係数曲線(図10)を計算し、これを使用して管内圧力の補正を行ったものである。この場合は、補正済み圧力値は許容できる程度に安定化されている。
図11の表示画面は、管内空気を4×8=32分割した上、配管の鋳鉄管材の熱伝導率を1.0[W/m K]、モルタルのそれを0.5[W/m K]、管内空気の物性値は本来の値を採用して、熱平衡式の数は多いが同様にして圧力補正係数曲線(図12)を計算する。これを使用して管内圧力の補正を行うと、図11に示すように補正済み圧力値の安定度はさらに満足できるものになる。
ここで、洩れの有無の判定は下式(7)を使用して行う。
試験に供された呼称口径100[mm]のモルタルライニングダクタイル鋳鉄管の長さを1.98[m]とし、許容洩れ穴径をd=0.5×10-5[m]とすれば、測定時間2700[sec]間に許容される圧力降下値は上式(7)により‐0.2039[kPa]である。ここで例えば図11では、測定時間の間の実際の圧力変化分は‐0.678[kPa]であり、温度変化による圧力変化分が除去された補正された圧力変化分(測定時間の始めと終りの補正済み圧力値の差)は-0.037[kPa]である。したがって、空気の漏洩のみによる上記補正された圧力変化分は、上記許容される圧力降下値よりも充分に小さいから、洩れ無しとして、判定は「合格」となる。
[水道用硬質塩化ビニル管(VP)について]
以上の議論を踏まえて、圧力補正が実際にどのようにして行なわるかを示すとともに、補正が適切に行なわれているかどうかの指標として、漏れがないときに補正済み圧力線が水平に描かれるかどうかに着目する。合わせて、漏れがあるときの事例を一例示す。以下、各図の(1)は各実施例で使用された圧力補正係数曲線を、(2)は各実施例における表示手段上の表示画面をそれぞれ示す。
実施例1(図13):静穏な晴天の朝、漏れはない。圧力補正曲線の計算は図5の「4x8」型に依っている。管材および管内空気の熱伝導率は本来の数値のまま。補正済み圧力値はほぼ安定した水平線になっている。
実施例2(図14):漏れ量は2.7[cc/min](ANR)。圧力補正曲線の計算方法は実施例1と同じ。補正済み圧力値は洩れ量に応じ安定して直線状に下降している。
実施例3(図15):漏れはない。圧力補正曲線の計算方法は図5の4x8=32。管材(VP)の熱伝導率は0.1[W/m K]、管内空気の熱伝導率は0.1[W/m K]としている。本実施例では管表面温度の変動が激しいが、補正済み圧力値はほぼ安定した水平線になっている。
[モルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)について]
実施例4(図16):圧力補正曲線の計算方法は図5の4x8=32、管材の熱伝導率にビニル管(VP)の熱伝導率0.15[W/m K]を採用した(管壁は1層としている)。漏れはない。測定開始から1800[sec]後の判定開始時以降は補正済み圧力値はほぼ安定した水平線になっている。
実施例5(図17):圧力補正曲線の計算方法は図5の4x8=32(管壁は1層)、管材の熱伝導率はビニル管(VP)の熱伝導率0.15[W/mK]とし、さらに管内空気の熱伝導率を0.09[W/m K]とした。漏れはない。測定開始から900[sec]後の判定開始時以降の補正済み圧力値はほぼ安定した水平線になっている。
実施例6(図18):漏れ量は2.9[cc/min](ANR)。圧力補正曲線の計算方法、管材および管内空気の熱伝導率は実施例5と同じ。測定開始から900[sec]後の判定開始時以降は補正済み圧力値はほぼ直線状に下降している。
[補正方法の妥当性の検証]
図19のグラフの横軸は図6の配管漏洩実験装置において、人工的に作られた空気の漏れ量をメスシリンダで受けた値を温度補正したものである。縦軸は例えば図14または図18において補正済み圧力線の中で安定して変化している部分の圧力降下量とその時間を読み取り、温度、圧力を標準状態に補正したものである。図19中の黒丸は硬質塩化ビニール管(VP)についてのもの、白丸はモルタルライニングダクタイル鋳鉄管(CIP)についてのものである。図19によれば、メスシリンダによる洩れ量測定値と補正済み圧力線から算出される洩れ量計算値はおおむねよく一致している。特にグラフの原点、すなわち、漏洩の有無を確実に判定することが望まれる、漏れが零に近い付近では良好である。
管外表面温度が単位矩形波状に変化したときの管内圧力変化曲線たる圧力補正係数曲線のグラフである。 単層管について、管材の熱伝導率を仮想の値としたときの圧力補正係数曲線のグラフである。 二層管について、管材の熱伝導率を仮想の値としたときの圧力補正係数曲線のグラフである。 配管の概略横断面図である。 硬質塩化ビニール管について算出した圧力補正係数曲線のグラフである。 配管漏洩実験装置の概略構成図である。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について測定された温度・圧力の表示画面である。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフである。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について測定された温度・圧力の表示画面である。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフである。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について測定された温度・圧力の表示画面である。 モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフである。 実施例1における、塩化ビニル管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 実施例2における、塩化ビニル管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 実施例3における、塩化ビニル管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 実施例4における、モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 実施例5における、モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 実施例6における、モルタルライニングダクタイル鋳鉄管について計算された圧力補正係数曲線のグラフおよび測定された温度・圧力の表示画面である。 メスシリンダによる洩れ量測定値と補正済み圧力線からの洩れ量計算値を比較した図である。
符号の説明
1…被試験配管、2…圧力測定手段、3…温度測定手段、3a…管内温度センサ、3b…管外表面温度センサ、3c…周囲温度測定センサ、4…圧力補正係数計算手段、5…データ処理手段、6…表示手段、8…メスシリンダ。

Claims (4)

  1. 配管の管内圧力を測定するとともに、ピーク値を有して経時変化する圧力補正係数曲線を使用して前記配管の管壁温度の変動による圧力変化分を算出し、前記管内圧力から前記圧力変化分を除去して管内気体の漏洩による圧力変化分のみを抽出して、抽出された圧力変化分が所定値以内の時に漏洩無しと判別する配管の漏洩判別方法において、前記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することにより前記抽出された圧力変化分の変動を抑えるようにしたことを特徴とする配管の漏洩判別方法。
  2. 前記配管の管材の熱伝導率を変更設定することにより前記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の配管の漏洩判別方法。
  3. 前記配管の管壁および/または前記管内気体を横断面内で少なくとも周方向に等分に分割してそれぞれの部分についての熱平衡式によってモデル化される分割部分とし、この分割状態を変更設定することにより前記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の配管の漏洩判別方法。
  4. 前記配管の前記管内気体の熱伝導率を変更設定することにより前記圧力補正係数曲線の曲線形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の配管の漏洩判別方法。
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