JP2005105868A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Tsutomu Nozaki
務 野▲崎▼
Kensuke Kato
謙介 加藤
Masatoshi Mishina
将利 三品
Hideki Yazawa
秀樹 矢沢
Takeo Watanabe
岳男 渡辺
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Abstract

【課題】 信頼性を低下させることなく能力を向上できる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】 内部をピストンが往復移動するシリンダ部7、シリンダ部7の開口を塞いだ状態で設けられ、吸入孔29孔が形成されたバルブプレート19、バルブプレート19のシリンダ部7側に設けられて吸入孔29を開閉する吸入弁21を有し、吸入孔29は、バルブプレート19に複数形成されており、吸入弁21は、1つの弁体21aで複数の吸入孔29を閉塞し、吸入孔29の半径rと弁体21aの厚みtの1.5乗との積と、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lの0.2乗との比が0.128以上0.201以下であり、弁体21aが吸入孔29を閉塞したとき、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多くなっている構成とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、冷蔵、冷凍機器や、空調機器などに用いられる密閉形圧縮機に係り、特に、往復移動するピストンを有する密閉形圧縮機に関する。
往復移動するピストンを有する密閉型圧縮機では、内部をピストンが往復移動するシリンダ部の開口を塞いだ状態で設けられたバルブプレートの吸入孔を、バルブプレートのシリンダ部側に設けられた吸入弁で開閉する構造が一般に用いられている。このような密閉型圧縮機において、吸入弁は、シリンダの内部の圧力が吸入孔よりも外側の圧力より低くなったときに開き、シリンダの内部の圧力が吸入孔よりも外側の圧力より高くなったときに閉じるようになっている(例えば、特許文献1参照)。このように、吸入弁が、シリンダの内部の圧力と吸入孔よりも外側の圧力との圧力差によって開閉する構成とすることにより、構成の簡素化やコストの低減などが可能となっている。
また、このような密閉型圧縮機において、円状に並べて複数の吸入孔を設けて冷媒の吸入流路面積を拡大することで、一度の開動作で吸入できる冷媒量を増大し、圧縮機の能力を向上することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような密閉型圧縮機では、複数の吸入孔に対応する数の弁体が放射状に一体に形成された星形状の吸入弁を備えており、各弁体が、各々、各弁体に対応する吸入孔の開閉を行っている。
特開2002−310068(第3頁、図1及び2) 特開2003−166464(第4−6頁、図1−3)
ところで、密閉型圧縮機では、前述のように、冷媒の吸入流路面積を拡大することで一度の開動作で吸入できる冷媒量を増大し、圧縮機の能力を向上することが望まれている。これに対して特許文献1のような構成の従来の密閉型圧縮機では、冷媒の吸入流路面積を拡大するために吸入孔の径を大きくすると、シリンダの内部よりもシリンダの外部、つまり吸入孔の外側の圧力が高く吸入弁が閉じた状態になっているとき、シリンダの内部の圧力と吸入孔の外側の圧力との圧力差によって、吸入弁の弁体に発生する応力が吸入弁を形成した材料の疲労限度を超え、疲労破壊の発生が増大してしまう。
一方、特許文献2のような構成の従来の密閉型圧縮機では、複数の吸入孔を設けることで冷媒の吸入流路面積を拡大できる。しかし、吸入孔を形成する数は、吸入孔を形成する弁板の大きさや吸入弁の形状などによって制限されるため、冷媒の吸入流路面積をさらに拡大しようとすると、一つ一つの吸入孔の径を大きくすることになる。したがって、特許文献2のような構成の従来の密閉型圧縮機でも、冷媒の吸入流路面積をさらに拡大しようとすると、特許文献1のような構成の密閉型圧縮機の場合と同様に、吸入弁の疲労破壊の発生が増大してしまう。
このように従来の密閉型圧縮機では、冷媒の吸入流路面積を拡大して圧縮機の能力を向上しようとすると、吸入弁の疲労破壊の発生が増大してしまうことから、密閉型圧縮機の故障などの不具合の発生が増大することとなり、圧縮機の信頼性が低下してしまうという問題がある。このため、信頼性を低下させることなく圧縮機の能力を向上することが望まれている。
本発明の課題は、信頼性を低下させることなく圧縮機の能力を向上することにある。
本発明の密閉型圧縮機は、内部をピストンが往復移動するシリンダ部と、このシリンダ部の開口を塞いだ状態で設けられ、吸入孔が形成されたバルブプレートと、このバルブプレートのシリンダ部側に設けられて吸入孔を開閉する吸入弁とを有する密閉型圧縮機であり、吸入孔は、バルブプレートに複数形成されており、吸入弁は、1つの弁体で複数の吸入孔を閉塞し、弁体が吸入孔を閉塞したとき、弁体が凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔の数よりも多い構成とすることにより上記課題を解決する。
このような構成とすることにより、吸入弁の弁体が複数の吸入孔を閉塞したとき、吸入弁の弁体が凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔の数よりも多くなるため、吸入弁の弁体に発生する応力が分散され、吸入孔の径を拡大しても吸入弁の疲労破壊を抑制でき、圧縮機の信頼性を向上できる。したがって、信頼性を低下させることなく圧縮機の能力を向上できる。
また、吸入孔の半径と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との積と、隣り合う吸入孔の間の壁の幅が最小となった部分の幅の0.2乗との比が、0.128以上0.201以下である構成とすれば、吸入弁の弁体が複数の吸入孔を閉塞したとき、弁体が変形したときの頂部と底部を合わせた数が吸入孔の数よりも多くなる状態に確実に弁体を変形できるので好ましい。
さらに、吸入孔の半径の2乗と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との比が119以上305以下である構成とする。吸入孔の半径の2乗と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との比が119以上であれば、1つの吸入孔の流路面積が従来よりも大きくなるうえ、この流路面積が従来よりも大きな吸入孔が複数バルブプレートに形成された状態となるため、冷媒の吸入流路面積をより拡大でき、圧縮機の能力をより向上できる。そして、吸入孔の半径の2乗と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との比が305以下であることで、吸入弁の疲労破壊を確実に抑制できる。
また、吸入孔の半径と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗の積が0.16以上0.25以下である構成とする。吸入孔の半径と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗の積が0.16以上であれば、1つの吸入孔の流路面積が従来よりも大きくなるうえ、この流路面積が従来よりも大きな吸入孔が複数バルブプレートに形成された状態となるため、冷媒の吸入流路面積をより拡大でき、圧縮機の能力をより向上できる。そして、吸入孔の半径と吸入弁の弁体の厚みの1.5乗の積が0.25以下であることで、吸入弁の疲労破壊を確実に抑制できる。
さらに、弁体及び弁体を支持する支持部が一体に形成された板状の吸入弁の厚みが0.2mm以下である構成とすれば、吸入弁の弁体及び支持部の柔軟性が増すため、吸入弁がより開きやすくなり、圧縮機の能力を一層向上できる。
本発明によれば、信頼性を低下させることなく圧縮機の能力を向上できる。
以下、本発明を適用してなる密閉型圧縮機の一実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる密閉型圧縮機の概略構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用してなる密閉型圧縮機のシリンダ部分を拡大して示す断面図である。図3は、本発明を適用してなる密閉型圧縮機が有する吸入弁及びバルブプレートの吸入孔の概略構成を示す斜視図である。図4は、バルブポートの吸入孔及び吸入弁の部分を拡大して示す断面図であり、吸入弁に圧力が作用していない状態を示す図である。図5は、バルブプレートの吸入孔及び吸入弁の部分を拡大して示す断面図であり、吸入弁が閉じた状態を示す図である。
本実施形態の密閉型圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1内の中央部に位置する略筒状の軸受3、軸受3の上端部から鍔状に張り出したフレーム5、軸受3やフレーム5と一体にフレーム5の上面側に成形されたシリンダ部7、シリンダ部7内を往復移動するピストン9などを有するレシプロ型の圧縮機である。軸受3の貫通穴には、クランクシャフト11が挿通されている。フレーム5の上面から突出したクランクシャフト11の上端部には、クランクシャフト11の回転中心より偏心した位置に上方に向けて突設された略棒状のクランクピン11aが設けられている。フレーム5の下方で軸受3の周囲部分には、電動機を構成するロータ13、ロータ13の外側に位置するステータ15などが配設されている。ロータ13は、クランクシャフト11に連結されている。
クランクピン11aには、図1及び図2に示すように、ピストン9とクランクピン11aとを連結するコンロッド17が取り付けられている。シリンダ部7は、横向きに形成されており、コンロッド17は、シリンダ部7内を横方向に往復移動するピストン9とクランクピン11aとの間に横方向に延在した状態となっている。したがって、クランクシャフト11の回転、例えば時計回りに回転すると、クランクピン11aが編心状態で回転移動するため、コンロッド17を介してピストン9がシリンダ部7内を横方向に往復動する。
このような本実施形態の密閉型圧縮機のシリンダ部7のコンロッド17が挿入されるクランクピン11a側の開口と反対側の開口は、図1及び図2では図示していない吸入孔と吐出孔が形成されたバルブプレート19により塞がれた構造となっている。バルブプレート19とシリンダ部7の端部との間には、吸入弁21がバルブプレート19とシリンダ部7の端部との間に挟み込まれた状態で取り付けられている。バルブプレート19のシリンダ部7側と反対側の面側には、吐出弁23、吐出弁の開度を規制するリテーナ25が順に設けられており、さらに、吐出弁23とリテーナ25をバルブプレート19との間に挟み込んだ状態でシリンダヘッド27が取り付けられている。
バルブプレート19は、焼結材などでシリンダ部7の端部の形状に対応する形状に形成された板状の部材であり、図3に示すように、両面間に貫通する吸入孔29や吐出孔31が形成されている。また、バルブプレート19の四隅部分には、各々、シリンダヘッド27からシリンダ部7の端部にかけて図示していないボルトを挿通するための貫通孔33が形成されている。なお、本実施形態のバルブプレート19には、2つの吸入孔29が形成されている。また、図3に示したバルブプレート19では、吸入弁21が設けられる面と反対側の面に内部に吐出弁23やリテーナ25を設置するための窪み部35が形成された構造となっている。ただし、バルブプレートは、3以上の複数の吸入孔が形成された構成や、吐出弁やリテーナを設置するための窪み部が形成されておらず、バルブプレートの面に吐出弁やリテーナを重ねた構成など、様々な構成のものを用いることができる。
吸入弁21は、バルブ鋼板をバルブプレート19の外形に対応する形状に成形した部材であり、バルブプレート19に形成された2つの吸入孔29に対応する部分には、2つの吸入孔29を開閉する楕円状の弁体21aが形成されている。本実施形態では、吸入弁21の弁体21aは、弁体21a長手方向の縁部から放射状に延在する2本の帯状の支持部21bによって支持されている。吸入弁21の弁体21a及び支持部21bは、吸入弁21となるバルブ鋼板をプレス加工することなどにより吸入弁21に一体に成形されている。吸入弁21には、バルブプレート19の吐出孔31やボルトのための貫通孔33に対応する位置に、各々に対応する径の孔31a、33aが形成されている。このように、本実施形態では、吸入弁21に形成された単一のリード弁である弁体21aが、バルブプレート19に形成した2つの吸入孔29を同時に開閉するように形成されている。
このようなバルブプレート19と吸入弁21をシリンダ部7に組付けた状態、つまり圧力が吸入弁21に作用していない状態のとき、吸入弁21の弁体21aは、図4に示すように、バルブプレート19に対して、例えば0.1mm程度浮上した状態となるように予め成形されている。バルブプレート19に形成された吸入孔29の吸入弁21側の開口縁部29aは、角が削られて面取りされた状態となっている。
ここで、吸入弁21の厚み、つまり吸入弁21の弁体21aをt、バルブプレート19に形成された吸入孔29の半径をr、そして、隣り合う吸入孔の間の壁の幅つまり2つの吸入孔29間の壁の幅が最小となった部分の幅をLとする。このとき、吸入孔29の半径rと吸入弁21の弁体21aの厚みtの1.5乗との積と、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lの0.2乗との比が、0.128以上0.201以下となるように、つまり、0.128≦(r・t1.5)/L0.2≦0.201となるように、吸入孔29の半径r、吸入弁21の弁体21aの厚みt、そして、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを決定している。
このように吸入孔29の半径r、吸入弁21の弁体21aの厚みt、そして、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを決定することにより、シリンダ部7内の圧力が吸入弁21よりも外側の圧力よりも高くなり、吸入弁21の弁体21aがバルブプレート19に接触し、バルブプレート19に形成された2つの吸入孔29を閉じた状態となったとき、吸入弁21の弁体21aは、バルブプレート19に形成された2つの吸入孔29の面取りした開口縁部29aに接触し、吸入孔29部分では吸入孔29内側に撓み、隣り合う吸入孔29の間の壁部分ではシリンダ部7内側に撓んだ状態となる。すなわち、仮に図5の方向で見ると、入弁21の弁体21aが閉じたとき、弁体21aは、吸入孔29の部分では、吸入孔29内に向けて吸入孔29の中心部を底部とする凹状に変形し、隣り合う吸入孔29の間の壁の部分では、シリンダ部7内に向けて隣り合う吸入孔29の間の壁の中心部を頂部とする凸状に変形する。
すなわち、0.128≦(r・t1.5)/L0.2≦0.201となるように、吸入孔29の半径r、吸入弁21の弁体21aの厚みt、そして、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを決定することにより、確実に吸入弁21の弁体21aが閉じたとき、2つの吸入孔29に対して、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせて3つ形成された状態、つまり、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多い状態となる。このため、吸入弁21の弁体21aに発生する応力が分散され、吸入孔29の径を拡大しても、吸入弁21の疲労破壊を確実に抑制でき、圧縮機の信頼性を向上できる。
このとき、一定の吸入孔29の半径rと吸入弁21の弁体21aの厚みtに対して、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lが大きすぎると、隣り合う吸入孔29の間の壁部分で吸入弁21の弁体21aが撓んだ状態とならず、吸入弁21の弁体21aが隣り合う吸入孔29の間の壁部分の面にほぼ接触したような状態となり、1つの吸入孔に対して1つの弁体を設けた構成と変わらない状態となる。このため、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lが大きすぎると、吸入弁21の弁体21aに発生する応力を分散させることができず、吸入孔29の径を拡大すると吸入弁の疲労破壊が発生する確率が増大してしまう。一方、一定の隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lと吸入弁21の弁体21aの厚みtに対して、吸入孔29の半径rを大きくし過ぎると、吸入弁21に疲労破壊が発生する確率が増大してしまう。
そこで、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多い状態とし、吸入孔29の径を拡大しても、吸入弁21の疲労破壊を確実に抑制するためには、0.128≦(r・t1.5)/L0.2≦0.201とすることが望ましい。
さらに、本実施形態では、吸入孔29の半径rの2乗と吸入弁21の弁体21aの厚みの1.5乗との比が119以上305以下となるように、つまり、119≦r/t1.5≦305となるように、吸入孔29の半径r、そして、吸入弁21の弁体21aの厚みtを決定している。または、吸入孔29の半径rと吸入弁21の弁体21aの厚みtの1.5乗の積が0.16以上0.25以下となるように、つまり、0.16≦r・t1.5≦0.25となるように、吸入孔29の半径r、そして、吸入弁21の弁体21aの厚みtを決定している。
このように吸入孔29の半径r、そして、吸入弁21の弁体21aの厚みtを決定することにより、吸入孔29の径を拡大して圧縮機の能力を向上し、さらに、吸入孔29の径を拡大することによる吸入弁21の疲労破壊をより確実に抑制している。すなわち、吸入孔29の径が小さ過ぎると、冷媒ガスの流路面積が小さくなり過ぎ、圧縮機の能力を向上できない。一方、一定の吸入弁21の弁体21aの厚みtに対して吸入孔29の径が大きくなり過ぎると、吸入弁21に疲労破壊が発生する確率が増大してしまう。したがって、119≦r/t1.5≦305、または、0.16≦r・t1.5≦0.25となるように、吸入孔29の半径r、そして、吸入弁21の弁体21aの厚みtを決定することが望ましい。このとき、119≦r/t1.5≦305と、0.16≦r・t1.5≦0.25との両方の条件を満たすように吸入孔29の半径r、そして、吸入弁21の弁体21aの厚みtを決定することもできる。
上記の条件を満たすように吸入孔29の半径r、吸入弁21の弁体21aの厚みt、そして、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを決定した本実施形態の密閉型圧縮機の一例として、バルブプレート19の2つの吸入孔29の半径rを各々3mm、吸入弁21の厚みtを0.203mm、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを1.5mm、組立時の吸入弁21の浮上量を0.1mmとした密閉型圧縮機で試験を行ったところ、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多い状態となっていることが確認され、冷媒ガスの流路面積を増大するため吸入孔29の径を拡大したにもかかわらず、吸入弁21の疲労破壊を抑制できた。
また、バルブプレート19の2つの吸入孔29の半径rを各々2.5mm、吸入弁21の厚みtを0.154mm、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを1.5mm、組立時の吸入弁の浮上量を0.1mmとしたとした密閉型圧縮機で試験を行ったところ、弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多い状態となっていることが確認され、冷媒ガスの流路面積を増大するため吸入孔29の径を拡大したにもかかわらず、吸入弁21の疲労破壊を抑制できた。
さらに、上記の条件を満たすように吸入孔29の半径r、吸入弁21の弁体21aの厚みt、そして、隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lを決定すると共に、吸入弁21を0.2mm以下としたとき、圧縮機の能力をより向上できることが確認された。これは、吸入弁21を0.2mm以下とすることで、支持部21bの柔軟性が増大し、吸入弁21の弁体21aが開き易くなることによる。
冷蔵庫に用いる密閉型圧縮機の場合、吸入弁21の弁体21aの厚みtを0.2mm以下とし、この吸入弁21の弁体21aの厚みtに対して上記の条件を満たす吸入孔29の半径r、そして隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lとして、2.7mm≦r≦4.0mm、L≧0.6mmとすれば、確実に吸入弁21の疲労破壊を抑制でき、吸入孔の径を拡大して圧縮機の能力を向上しながら、冷蔵庫に用いる密閉型圧縮機において約10年間の使用が可能となる。
このように本実施形態の密閉型圧縮機では、吸入弁21の弁体21aが凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が吸入孔29の数よりも多い状態となっていることから、シリンダ7内と吸入孔29内の圧力差により生じる吸入弁21の弁体21aに作用する力が分散され、吸入孔29の径を拡大しても吸入弁21の疲労破壊を抑制できる。すなわち、信頼性を低下させることなく圧縮機の能力を向上できる。
さらに、本実施形態の密閉型圧縮機では、吸入孔29の半径rと吸入弁21の弁体21aの厚みtの1.5乗との積と、2つの吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lの0.2乗との比が、0.128以上0.201以下となるように、入弁21の弁体21aの厚みt、吸入孔29の半径r、そして隣り合う吸入孔29の間の壁の幅が最小となった部分の幅Lが決定されている。このため、吸入弁21の弁体21aが2つの吸入孔29を閉塞したとき、弁体21aが凹凸状に変形したときの頂部と底部を合わせた数が吸入孔の数よりも多くなる状態に確実に弁体21aを変形できる。
加えて、本実施形態の密閉型圧縮機では、吸入孔29の半径rの2乗と吸入弁21の弁体21aの厚みtの1.5乗との比が119以上305以下となるように、入弁21の弁体21aの厚みt、そして吸入孔29の半径rが決定されている。このため、信頼性の低下を確実に抑制しながら圧縮機の能力をより向上できる。さらに、吸入孔29の半径rと吸入弁21の弁体21aの厚みtの1.5乗の積が0.16以上0.25以下であるとなるように、入弁21の弁体21aの厚みt、そして吸入孔29の半径rが決定することでも、信頼性の低下を確実に抑制しながら圧縮機の能力をより向上できる。
さらに、本実施形態のように弁体21a及び弁体21aを支持する支持部21bが一体に形成された板状の吸入弁21において、吸入弁21の厚みtを0.2mm以下とすれば、弁体21a及び支持部21の柔軟性が増すため、吸入弁がより開きやすくなり、圧縮機の能力を一層向上できる。
ところで、従来の複数の吸入孔を有する密閉型圧縮機、つまり、円状に並べて複数の吸入孔を設け、この複数の吸入孔に対応する数の弁体が放射状に一体に形成された星形状の吸入弁を備え、各弁体が、各々、各弁体に対応する吸入孔の開閉を行っている密閉型圧縮機では、吸入弁の形状が複雑となり、吸入弁を形成する為に設けられる溝部分の体積が増加し、圧縮機の運転時に再膨張する冷媒の量が増加してしまうという問題もある。しかし、本実施形態の密閉型圧縮機では、吸入弁の形状を簡素化でき、圧縮機の運転時に再膨張する冷媒の量が増加してしまうという問題は生じない。
また、本発明は、本実施形態の構成の密閉型圧縮機に限らず、往復移動するピストンを備えた様々な構成の密閉型圧縮機に適用することができる。
本発明を適用してなる密閉型圧縮機の一実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明を適用してなる密閉型圧縮機の一実施形態のシリンダ部分を拡大して示す断面図である。 本発明を適用してなる密閉型圧縮機が有する吸入弁及びバルブポートの概略構成を示す斜視図である。 本発明を適用してなる密閉型圧縮機の一実施形態のバルブポートの吸入孔及び吸入弁の部分を拡大して示す断面図であり、吸入弁に圧力が作用していない状態を示す図である。 本発明を適用してなる密閉型圧縮機の一実施形態のバルブポートの吸入孔及び吸入弁の部分を拡大して示す断面図であり、吸入弁が閉じた状態を示す図である。
符号の説明
7 シリンダ部
19 バルブプレート
21 吸入弁
21a 弁体
29 吸入孔
L 隣り合う吸入孔の間の壁の幅が最小となった部分の幅
r 吸入孔の半径
t 弁体の厚み

Claims (4)

  1. 内部をピストンが往復移動するシリンダ部と、該シリンダ部の開口を塞いだ状態で設けられ、吸入孔が形成されたバルブプレートと、該バルブプレートのシリンダ部側に設けられて前記吸入孔を開閉する吸入弁とを有する密閉型圧縮機であり、
    前記吸入孔は、前記バルブプレートに複数形成されており、前記吸入弁は、1つの弁体で複数の前記吸入孔を閉塞し、前記弁体が前記吸入孔を閉塞したとき、前記弁体が凹凸状に変形して形成された頂部と底部を合わせた数が前記吸入孔の数よりも多いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記吸入孔の半径と前記吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との積と、隣り合う前記吸入孔の間の壁の幅が最小となった部分の幅の0.2乗との比が0.128以上0.201以下であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記吸入孔の半径の2乗と前記吸入弁の弁体の厚みの1.5乗との比が119以上305以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記吸入孔の半径と前記吸入弁の弁体の厚みの1.5乗の積が0.16以上0.25以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
JP2003337554A 2003-09-29 2003-09-29 密閉型圧縮機 Withdrawn JP2005105868A (ja)

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WO2012145812A2 (en) 2011-04-28 2012-11-01 Whirlpool S.A. Valve arrangement for hermetic compressors
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