JP2005104087A - 蓄熱式金型冷却システム - Google Patents

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Toshibumi Furukawa
俊文 古川
Michio Yanatori
美智雄 梁取
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Abstract

【課題】従来の金型冷却システムは、金型冷却用の冷凍機の容量が大きくなりがちで、金型の温度変動が大きかった。
【解決手段】冷凍部と金型冷却部との間に蓄熱部を介在させ、冷凍部で発生した冷熱を蓄熱部に蓄え、この蓄熱部に蓄えられた熱を金型の要求する冷却熱量に応じて、所望量熱輸送して金型に送る。また必要に応じて蓄熱部と金型冷却部間に温度調節機構を介在させることにより達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は金型を冷凍機を用いて冷却する、冷却システムの構成に関する発明である。
従来金型を冷却するために冷凍機から発生する冷熱を熱媒体に伝え、この熱媒体を金型の冷却部に導入して金型を冷却する方法を採っていた。
特開平8−290452号公報
前述した従来のシステムには次のような課題があった。
(1)冷凍機の蒸発部の温度変動が、そのまま熱媒体に伝わるため、金型の冷却部も温度変動を受けて、金型内に注入する流動性の素材(プラスチックやアルミニュウムなど)も温度変動を受けて、流動性と冷却度合いが変化し、成型品としてばらつきが生じ易かった。
(2)金型の冷却部で発生する熱量が大きい場合には、その熱量を冷凍機によって一揆に冷却する必要があり、それに対応して冷凍機の容量を決定した熱設計となり、冷凍機の容量が大きくなりがちであった。
(3)またこの場合、電動圧縮機を利用した冷凍機を利用する場合には電力量が大きくなり、現場で電気の調達に無理が生じ、過電流による電力供給用の遮断器が動作することがあり、システムが停止してしまうことがあった。
金型冷却部と冷凍部との間に蓄熱容量の大きな蓄熱部を設け、必要に応じて金型冷却部と蓄熱部との間に温度調節部を設けることにより達成される。冷凍部に用いる電動圧縮機への電源容量に制限がある現場には、排熱または燃焼熱で駆動できる吸着式冷凍機または吸収式冷凍機を冷凍部に導入する。
(1)深夜電力等を利用して夜間蓄熱部に大容量の冷熱を蓄熱でき、この冷熱をポンプを用いて温度調節機構を介して金型冷却部に導入できるので、金型冷却部の温度が所望の温度に設定でき、かつ温度変動が少ない状態で調節できる。また蓄熱部の導入により、電動圧縮機の容量を小さくでき、現場に合った電力設計、熱設計ができる。
(2)また冷凍部に排熱あるいは燃焼熱によって駆動できる吸着式冷凍機または吸収式冷凍機を導入し、電力使用量を削減し、現場の熱設計を容易にできる。
図1は本発明の金型冷却システムの一実施例の構成図である。主要構成は冷凍部100,蓄熱部200,温度調節部300,金型冷却部400から成っている。冷凍部100は電動用の圧縮機1,放熱部2,減圧機構(膨張弁)5、蓄熱槽10内に設けてあるコイル状の蒸発器6及びそれらをループ状に結ぶ配管7,8,9から構成されている。放熱部2には凝縮器3が設けてあり、必要に応じてファン4が付いている。このようなループで構成された回路内に冷媒(フロンなど)が封入されている。
蓄熱部200は槽10に入った液体(水など)11と蒸発器6から構成されている。温度調節部300は槽21,その中に入っている液体(水など)11、蓄熱部200と連絡するポンプ15を設けたパイプ14及び戻し用のパイプ13から構成されている。また金型冷却部400は金型38、槽21と連なるバルブ35、ポンプ31を設けて成るパイプ33,バルブ36の付いたパイプ32,バルブ37の付いた逃がしパイプ34から成っている。
冷凍部100において、圧縮機1で断熱圧縮された冷媒は配管7を通って凝縮器3に入りここで放熱し、ここで冷却されて液化した冷媒は配管8を通って、減圧機構(膨張弁)5を通る過程において温度低下し、温度低下した冷媒は蒸発器6に入り、その後配管9を通って圧縮機1に戻って前と同じサイクルを繰り返す。このような過程において蒸発器6内のマイナス温度に冷却された冷媒によって蒸発器6の周りの液体(水)11は氷結し、蒸発器6の周りには凝固した固体(氷)12が発生する。この結晶の成長とともに蓄熱部200には大容量の冷熱が蓄えられる。
このようにして蓄熱部200に蓄えた冷熱は、温度調節部300に付いているポンプ15の付いた吐出パイプ14と上方部に設けた戻し用のパイプ13によって、液体11を槽10から槽21へ循環しながら温度調節部300に移送する。つまり温度の高い槽21の液体11をポンプ15により槽10内に成長した固体12周りに導入することにより、固体12は徐々に融解する。これによりパイプ13を介して、冷却された液体11が槽10から槽21側に移送される。ポンプ15の運転率または回転数による流量制御によって、槽21内の液体11の温度は調節される。
このように温度調節された槽21内の液体11は、ポンプ31を駆動することによってパイプ33を介して金型38内の冷却流路に導入され、その後パイプ32から再び槽21内へ戻される。この時の流量はパイプ33に付いたバルブ35、パイプ32に付いたバルブ36の開度を調節して制御される。また金型38の温度の微少調節はパイプ32と33との間に設けたパイプ34のバルブ37の開度を変えて調節することができる。なおこの実施例において冷凍部100のパイプ8に分岐して別個の冷却系を設けてもよい。つまり、パイプ7−aと8−aを新たに分岐接続し、その端部に蒸発器6−aを設け、これを槽21内の液体11に浸漬する。パイプ8部のバルブ19−aとパイプ8−a部のバルブ19の開閉によって蒸発器6側に冷媒を流して夜間蓄冷をし、一方蒸発器6−a側にのみ冷媒を流して昼間の追い掛け冷却ができる。このようにすることにより昼間の電力削減と圧縮機1の容量の低減が図れる。
図2は本発明の金型冷却システムの他の実施例の構成図である。これは槽21内の液体11中に仕切板22を設けて金型38内に導入される液体11の温度変動を小さくするようにしたものである。すなわち槽10に連なる戻し用のパイプ13と、金型38に連なる戻し用のパイプ32を槽21の仕切板22の右側の液体11−b側に戻し、パイプ13からの冷却された液体11とパイプ32からの昇温した液体11とを仕切板22の右側の液体11−b部に良好に混合した後、緩やかな対流運動によって仕切板23の左側の液体11−a部に移される。このような操作によって左側の液体11−a部では温度変動が少なく抑えられる。
このように温度変動を小さく抑えた液体11―aはポンプ31によってパイプ33から金型38に供給される。またこの実施例に於いてポンプ15の回転数を制御して、パイプ14から槽10側に、槽21内の液体11を移し、パイプ13を介して槽21に戻す際の流量を制御すれば温度制御が更に良好に行われるようになっている。このため入力用電源コード23を調節器24に接続し、その入力量を調節した後、連絡線27を介してポンプ15に送るようになっている。また槽21内の液体11−a中にはセンサー25が設けてあり、この信号はリード線26を介して調節器24に導入される。このセンサー25からの信号量に応じて連絡線27からポンプへ15への入力量が調節される。
図3は本発明の他の実施例の構成図である。これは戻し用のパイプ13内に撹拌板17を設け、このパイプ13の上方部に戻し用のパイプ32を直結したものである。このようにするとパイプ13への槽10からの冷却された液体11と、金型38を出た後のパイプ32内からの昇温水とが、撹拌板17を通る間に良好に混合して温度調節される。またセンサー25は槽21に設けてある吸込用のパイプ33内へ設けてあり、金型38に供給される液体11−aの温度そのものを検知できるので良好な温度制御ができる。
図4は本発明の他の実施例の構成図である。これは仕切板22を水平に配置し、仕切板22の下方部に吐出側の液体11−bを集め、その反対側の上方部に対流によって温度調節された液体11−aを集めるものである。金型38へ導入するための液体11−aを集めるために、吸込用のパイプ33は仕切板22の上部の位置に設けてある。
図5は本発明の金型冷却システムの他の実施例の構成図である。これは槽10と槽21とを結ぶパイプ14を太パイプとしてポンプは付加していない構成とする。すなわち槽10からの融解によって冷却された液体11は、自然にパイプ14を通って槽21内へ流れる。一方金型38を通って昇温した水は吐出用のパイプ32を通った後、直接槽10へ戻される構成となっている。また仕切板22の右側の液体11−bと左側の液体11−aとの対流をよくするため、液体11−b側と液体11−a側との間にポンプ15を設けたパイプ18−aと18−bを配設し、液体11−bを液体11−a側に移送する方法を採ってもよい。この移送量を調節するには液体11−a側に設けたセンサー25の信号量をリード線26を介して調節器24に導入し、これにより連絡線27を介して入力量を調節してポンプ15の回転数を変えるとよい。
図6は本発明の他の実施例の構成図である。これは冷凍部100に排熱や燃焼熱を利用した吸着式の冷凍機を用いた場合の実施例である。この冷凍機は冷媒(塩化カルシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、エチレングリコール不凍液など)59の入った蒸発タンク57、凝縮タンク58、吸着材(シリカゲル、ゼオライトなど)53,54の入った2つの容器51、52、それらを循環路を構成するように連結したバルブ66付きのパイプ61,バルブ67付きのパイプ62、バルブ68付きのパイプ63、バルブ69付きのパイプ64、バルブ70付きのパイプ65から成っている。
これは容器51,52内に入っているそれぞれの吸着材53,54を加熱再生した後、これら吸着材53,54に蒸発タンク57内の冷媒59を蒸発させながら吸着させ、冷媒59をマイナス温度に冷却し、この冷熱を利用して槽10内の液体(水)11を固体(氷)12に変えるものである。この吸着材53,54を加熱して再生した後冷却するには加熱・冷却器55,56なるものを用いる。この加熱・冷却器55,56の具体的な構成は図示していないが、排熱や燃焼熱により熱媒体(水や不凍液)を100℃程度以上に加熱する熱回路と、冷却塔や地下水を利用して熱媒体を30℃程度以下に冷却する熱回路から成り、この回路は通常並列回路となっていて、バルブの切換によって温熱回路と冷熱回路とが切換えられるようになっている。
このような温熱または冷熱はポンプ90,91,パイプ92,93あるいはパイプ94,95を介して熱媒体を流すことにより、それぞれの容器51,52内に設けてある熱交換器46または47内に導入される。一方の吸着材53が冷却されている時は他方の吸着材54は冷却され、加熱冷却操作は吸着材53と54との間で交互に行われる。今吸着材53が加熱過程で、吸着材54が冷却過程の時は、バルブ66と69が開かれ、バルブ68と67は閉じられている。容器51内の吸着材53は加熱されて、その中に吸着されている冷媒を脱着し、この時発生した蒸気はパイプ61を介して凝縮器58内に導入される。この蒸気は熱交換器80によって冷却されて凝縮し、液体冷媒59となる。熱交換器80を冷却する方法としてはポンプ77,パイプ78,79とによって熱媒体(水など)を熱交換器80内に導入した後、外部の放熱器75に移送し冷却する。放熱器75の冷却力を高めるには放熱器75をファン76によって強制冷却する。
一方、凝縮器58内にて冷却して液化された冷媒59はパイプ65を通り、バルブ70を介して蒸発器57内へ導入される。冷媒59の蒸発器57への導入量はバルブ70の開度を変えて調節する。蒸発器57内の液体冷媒59は容器52内の吸着材54の吸着力によって蒸発しながらパイプ64,バルブ69を通って容器52内の吸着材54に吸着される。容器52内の吸着材54の吸着力が飽和し、容器51内の吸着材53の再生が終了したら、吸着材54側は加熱過程、吸着剤53側は冷却過程に移行する。この時にはバルブ67、68を開き、バルブ66、69は閉じる。蒸発器57内のマイナス温度に冷却された冷媒59の冷熱は熱交換器60から槽10内の蒸発器74内へ輸送される。この熱輸送は、ポンプ71により熱媒体(エチレングリコール等の不凍液)をパイプ72,73を介して循環することにより行われる。これによって蒸発器74周りには液体11が結晶し、固体(氷)12が発生し蓄冷される。
図7は本発明の金型冷却システムの他の実施例の構成図である。これは槽10内へ貯蔵する固体(氷)12を破砕状のものとして、放冷する時の融解速度を速めるようにしたものである。このため槽10の上部に板状の蒸発器74を図示のように配設し、この蒸発器74の外表面にポンプ82を用いて槽10内の液体11をパイプ83を通して散水管81を介して噴射して、液体11を流下液膜流として降下させる。この時の散水量はバルブ84の開度を変えて調節する。板状の蒸発器74はステンレス、銅、アルミニウムなどの板材を2枚はり合わせ、要所要所を溶着して残部を空気または液体を用いて圧力をかけて膨出して、冷媒流路を作るものである。
この冷媒流路にポンプ71とパイプ72、73を介して、蒸発器57内の冷媒59を循環することにより冷熱を輸送する。このような操作によって蒸発器74はマイナス温度に冷却されて、その外面に流下する液体(水)11は固化し固体(氷)12−a となる。蒸発器74の外面に成長した固体(氷)12−aを剥離させて、槽10内へ落すには、一時的に蒸発器74をプラス温度に加熱する。この一つの方法として凝縮器58内の熱媒蒸気を蒸発器74内へ導入する。このためパイプ72に設けてあるバルブ88を閉じ、ポンプ71を停止する。また凝縮器58とパイプ72を連結するパイプ85部のバルブ86を開く。これによって凝縮器58内の熱媒蒸気はパイプ85、バルブ86を通って蒸発器74内へ導入され、蒸発器74をプラス温度に加熱する。これによって蒸発器74の外面の固体(氷)12−aは落下し、下方部の槽10内へ落下し破砕される。
このようにポンプ71による冷媒を蒸発器74内へ導入する操作と、これを停止し、凝縮器58内の熱媒蒸気を蒸発器74内に一時的に注入する操作とを時間的に交互に行うことにより、蒸発器74に成長した固体(氷)12−aは順次破砕されて槽10内へ貯えられる。このようにして貯えられた固体(氷)12の解氷面積は著しく大きいので、金型38へ冷熱を輸送する際に極めて低温度の冷熱を供給し易くなり、金型の冷却が行い易くなる。また低温度の冷熱が得やすいため同一熱量を輸送するに当たってポンプ31、15の輸送量を絞って送ることができ、省エネルギー面でも有利となる。
なお本発明において、各図における特徴ある構成はその他の図に組合わせて実施できることは言うまでもないことである。たとえば、図1の配管8に分岐接続したパイプ7−a,8−a蒸発器6−aによる追い掛け冷却の機能は、その他の図2から図7の実施例に組合わせて利用できるものである。また図7、図8は吸着式冷凍機を例にとり説明したが、これを吸収式冷凍機に変えても本発明の主旨は失わないものである。
本発明の蓄熱式金型冷却システムの一実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。 本発明の蓄熱式金型冷却システムの他の実施例の構成図。
符号の説明
1 圧縮機
2 放熱器
3 凝縮器
4 ファン
5,5−a 減圧機構(膨張弁)
6 蒸発器
7,8,9 配管
10 蓄熱槽
11 液体(水)
11−a,11−b 液体
12 固体(氷)
13 パイプ
14 パイプ
15 ポンプ
16 パイプ
17 撹拌板
18−a,18−b パイプ
19,19−a バルブ
21 槽
22 仕切板
23 コード
24 調節器
25 センサー
26 リード線
27 連絡線
31 ポンプ
32,33,34 パイプ
35,36,37 バルブ
38 金型
51,52 容器
53,54 反応材
55,56 加熱・冷却器
57 蒸発タンク
58 凝縮タンク
59 冷媒
60 熱交換器
61,62,63,64,65 パイプ
66,67,68,69,70 バルブ
71 ポンプ
72,73 パイプ
74 蒸発器
75 放熱器
76 ファン
77 ポンプ
78,79 パイプ
80 熱交換器
81 散水管
82 ポンプ
83 パイプ
84 バルブ
85 パイプ
86,87,88 バルブ
90,91 ポンプ
92,93,94,95 パイプ
100 冷凍部
200 蓄熱部
300 温度調節部
400 金型冷却部

Claims (2)

  1. 冷凍部と金型冷却部間に蓄熱部を介在させ、冷凍部で発生した冷熱を一時的に蓄熱部に貯え、この冷熱を金型冷却が必要な時間帯に所望量熱輸送して金型を冷却するようにした蓄熱式金型冷却システム。
  2. 蓄熱部と金型冷却部との間に温度調節機構を介在させた請求項1に記載の蓄熱式金型冷却システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101414007B1 (ko) 2013-07-26 2014-07-02 한국타이어 주식회사 빙축열을 이용한 압출물 냉각장치
KR20200015075A (ko) * 2018-08-02 2020-02-12 주식회사 유도 공조냉매계통에 의한 플라스틱 사출성형의 온도 정밀제어방법

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