JP2005101827A - 受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容易に電力の消費を低減する。
【解決手段】 検知部21は、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号の信号レベルを検出し、検出された信号レベルに基づき、制御信号を発振部22および受信回路部23に供給する。受信回路部23は、検知部21から供給される制御信号に応じて、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施す通常モード、または所定の受信処理を行わない省電力モードなる。受信回路部23は、通常モードとなっているときに、発振部22から供給される同期信号にしたがいアンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施す。本発明は、例えば、コンテンション型の無線通信を行う無線LANカードに適用できる。
【選択図】図4
【解決手段】 検知部21は、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号の信号レベルを検出し、検出された信号レベルに基づき、制御信号を発振部22および受信回路部23に供給する。受信回路部23は、検知部21から供給される制御信号に応じて、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施す通常モード、または所定の受信処理を行わない省電力モードなる。受信回路部23は、通常モードとなっているときに、発振部22から供給される同期信号にしたがいアンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施す。本発明は、例えば、コンテンション型の無線通信を行う無線LANカードに適用できる。
【選択図】図4
Description
本発明は、受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、例えば、コンテンション型の無線通信において、容易に電力の消費を低減することができるようにする受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
複数の無線端末での無線通信で採用される通信方式として、例えば、コンテンション型の通信方式がある。コンテンション型の通信方式は、チャネル上においてデータパケットどうしの衝突が生じることを前提とした通信方式で、その代表的なものに、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式がある。
CSMA方式により通信を行う無線端末は、データパケット同士が衝突することを回避するために、データパケットを送信する前に、チャネルがデータパケット(トラヒック)に占有されている(ビジーである)かどうかを判定するキャリアセンスを行う。
CSMA方式により通信を行う無線端末は、キャリアセンスを行うことにより、他の無線端末がデータパケットをチャネル上に送信していることを検知した場合には、所定の時間間隔(再送間隔)だけデータパケットの送信を待機する。さらに、CSMA方式により通信する無線端末は、所定の時間間隔が経過した後、再びキャリアセンスを行い、チャネルが占有されていない(アイドルである)ことを検知した場合には、データパケットを送信する。
例えば、無線LAN(Local Area Network)の標準規格であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(ANSI(American National Standards Institute)/IEEE Std 802.11)には、キャリアセンスを行い、さらに所定の衝突回避機能を備えたCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)によるアクセス方式が規定されている。
このようなコンテンション方式の通信においては、例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)方式のように常に一定の時間間隔で通信が行われないため、受信側の無線端末は、自局宛のデータパケットを受信するタイミング(自局宛のデータパケットが送信されてくるタイミング)が分からない。このため、受信側の無線端末は、データパケットの送受信が行われていないタイミングにおいても、常時、データパケットの受信処理が可能な受信処理可能状態(ウエイクアップ状態)で待機し、自身宛のデータパケットが受信される(自身宛のデータパケットが送信されてくる)かどうかを検出している。
このように、従来のコンテンション方式による通信においては、無線端末は、アイドル時に、受信処理可能状態で待機しているため、データパケットの受信処理を行っていないにもかかわらず、無駄に電力が消費されていた。例えば、論文「“Investigating the energy consumption of a wireless network interface in an ad hoc networking environment” in IEEE infocom 2001」では、IEEE802.11bに準拠した無線端末が消費する消費電流が、データパケットの送信時においては284mAで、データパケットの受信時においては190mAであるのに対して、データパケットの送受信を行っていない受信処理可能状態(アイドル状態時)においては156mAであり、アイドル状態時における消費電流が、受信時における場合とあまり変わらないことが指摘されている。
また、IEEE802.11の標準規格においては、省電力モードという動作モードが規定されているが、この省電力モードは、PCF(Point Coordination Function)とよばれる非コンテンション型の通信を前提としたものであり、通常のコンテンション型のアクセス方式を使用した場合には適用することはできない。
そこで、特許文献1には、CSMA方式においてデータを送信する際に、そのデータとともに次のデータを送信する時刻を示す時刻情報を送信し、受信側では、その時刻情報が表す時刻に送信されてくるデータを受信することによって、自局宛以外のデータを受信せずに済むようにして省電力化を図る技術が記載されている。
特許文献1に記載されている技術では、例えば、インターネット上を流れるトラヒックのような、データが到来する時刻を予測することが困難なデータを扱う場合においても、送信側の無線端末において、データを送信する相手である受信側の無線端末毎にデータを一時的にバッファリングし、次に送信するデータの時刻の管理を行う必要がある。また、受信側の無線端末においては、送信側の無線端末からデータが次に送信されてくる時刻を表す時刻情報の処理を行う必要がある。したがって、処理が複雑になってしまうという課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンション型の無線通信を行う際の電力の消費を、容易に低減することができるようにするものである。
本発明の受信装置は、受信信号の信号レベルを検出する検出手段と、検出手段による信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理手段とを備えることを特徴とする。
本発明の受信方法は、受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の記録媒体は、受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の受信装置、受信方法、プログラム、および記録媒体においては、受信信号の信号レベルが検出され、その検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理が施される通常モード、または受信処理が行われない省電力モードとなり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理が施される。
本発明によれば、容易に電力の消費を低減することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。なお、明細書には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、明細書に記載されている発明が、全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている発明であって、この出願では記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出願したり、追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明によれば、受信装置が提供される。この受信装置は、コンテンション型の無線通信を行う通信装置(例えば、図1のLANカード1)において、受信信号の信号レベルを検出する検出手段(例えば、図4の検知部21)と、検出手段による信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理手段(例えば、図4の受信回路部23)とを備えることを特徴とする。
この検出手段では、所定の閾値以上の信号レベルを検出することができる。
この検出手段では、受信信号の所定の周波数帯域の信号レベルを検出することができる。
この受信装置には、所定の閾値を設定する設定手段(例えば、図5の閾値設定部36)をさらに備えることができる。
この設定手段では、受信処理手段(例えば、図4の受信回路部23)が所定の受信処理を施す受信信号の最小の信号レベルより大きい値に、所定の閾値を設定することができる。
また、本発明によれば、受信方法が提供される。この受信方法は、コンテンション型の無線通信を行う通信方法において、受信信号の信号レベルを検出する検出ステップ(例えば、図7のステップS25)と、検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に所定の受信処理を施す受信処理ステップ(例えば、図6のステップS11乃至ステップS16)とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、コンテンション型の無線通信を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、受信信号の信号レベルを検出する検出ステップ(例えば、図7のステップS25)と、検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わない省電力モードになり、通常モードとなっているときに、受信信号に受信処理を施す受信処理ステップ(例えば、図6のステップS11乃至ステップS16)とを含むことを特徴とする。
このプログラムは、記録媒体に記録することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用したLANカードの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
LANカード1は、アンテナ2、アンテナスイッチ(アンテナSW)3、送信部4、および受信部5から構成されている。LANカード1は、例えば、IEEE802.11に準拠した図示せぬ無線端末とコンテンション型の無線通信を行うインタフェースで、パーソナルコンピュータ、プリンタ、ビデオサーバ、その他の電子機器に装着することができる。なお、ここでは、LANカード1は、例えばパーソナルコンピュータに装着されているものとする。
アンテナ2は、アンテナスイッチ3から供給された信号を電波により送信するとともに、電波により送信されてくる信号を受信して、その受信信号をアンテナスイッチ3に供給する。
アンテナスイッチ3は、送信部4から供給されるRF(Radio Frequency)信号をアンテナ2に供給して送信させる。また、アンテナスイッチ3は、アンテナ2から供給される受信信号としてのRF信号を受信部5に供給する。
送信部4には、例えば、図示せぬコンピュータからデータが供給される。送信部4は、図示せぬコンピュータから供給されたデータに所定の送信処理を施すことにより、RF信号を得て、アンテナスイッチ3に供給する。
受信部5は、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施し、その結果得られるデータを図示せぬコンピュータに供給する。
図2は、図1の送信部4の構成例を示すブロック図である。
送信部4は、インタフェース11、MAC(Media Access Control)処理部12、送信信号処理部13、および周波数変換部14から構成されている。
インタフェース11には、図示せぬコンピュータからデータが供給される。インタフェース11は、図示せぬコンピュータから供給されたデータを受信するインタフェースとして機能し、そのデータを、MAC処理部12に供給する。なお、インタフェース11としては、例えば、カードバスインタフェース、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)インタフェース、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを採用することができる。
MAC処理部12は、MAC層に関する処理を行う。即ち、MAC処理部12は、インタフェース11から供給されるデータを配置したデータパケット(フレーム)を構成し、送信信号処理部13に供給する。また、MAC処理部12は、例えば、CSMA方式にしたがい、データパケット送信の時間管理や、再送制御等を行う。
送信信号処理部13は、MAC処理部12から供給されるデータパケットに対して、誤り訂正符号化、CRCの付加、ランダマイズ、変調等のディジタル信号処理を施し、その結果得られるベースバンド信号を周波数変換部14に供給する。
周波数変換部14は、送信信号処理部13から供給されたベースバンド信号をRF信号に変換し、アンテナスイッチ3に供給する。
図3は、図2の送信部4の処理を説明するフローチャートである。なお、図3の処理は、図示せぬコンピュータからインタフェース11にデータが供給されると開始される。
ステップS1において、インタフェース11は、図示せぬコンピュータから供給された送信されたデータを受信し、MAC処理部12に供給して、ステップS2に進む。
ステップS2において、MAC処理部12は、CSMA方式により定められる規定に従い、インタフェース11から供給されるデータをデータパケットにし、送信信号処理部13に供給して、ステップS3に進む。
ステップS3において、送信信号処理部13は、MAC処理部12から供給されたデータパケットに対して、誤り訂正符号化や変調などのディジタル信号処理を施し、周波数変換部14に供給して、ステップS4に進む。
ステップS4において、周波数変換部14は、送信信号処理部13から供給された信号(ベースバンド信号)を、RF信号に変換し、アンテナスイッチ3に供給する。そして、アンテナスイッチ3は、周波数変換部14からのRF信号を、アンテナ2から電波として送信させる。
送信部4では、インタフェース11にデータが供給されている間、図3のステップS1乃至ステップS4の処理がパイプラインで行われ、これにより、データが電波として送信される。
図4は、図1の受信部5の構成例を示すブロック図である。
受信部5は、検知部21、発振部22、受信回路部23、およびインタフェース24から構成されている。
検知部21は、アンテナ2での電波の受信強度、即ち、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号の信号レベルを検出し、その検出結果に応じて、動作モードを制御する制御信号であるHレベルまたはLレベルを発振部22と受信回路部23に供給する。
発振部22は、検知部21からHレベルが供給されると、同期信号を発生し、受信回路部23に供給する。一方、検知部21からLレベルが供給されると、発振部22は、同期信号の発生を停止して電力の消費を低減させる省電力モードになる。
受信回路部23には、検知部21から制御信号が供給される他、アンテナスイッチ3からRF信号が供給される。受信回路部23は、検知部21から供給された制御信号に応じ、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号に対して所定の受信処理を施す通常モード、または受信処理を行わずに電力の消費を低減させる省電力モードになる。
即ち、受信回路部23は、検知部21からHレベルが供給されると、通常モードとなって、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号に所定の受信処理を施し、その結果得られるデータを、インタフェース24に供給する。一方、受信回路部23は、検知部21からLレベルが供給されると、省電力モードとなり、アンテナスイッチ3から供給されるRF信号に対して、何らの処理も行わない状態となる。
インタフェース24は、受信回路部23から供給されたデータを受信し、図示せぬコンピュータに供給する。
図4において、受信回路部23は、周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27から構成されている。
周波数変換部25は、検知部21からLレベルが供給された場合、検知部21からの制御信号に応じて動作モードを切り換えるのに必要な部分にのみ電力を供給する省電力モードになる。また、周波数変換部25は、検知部21からHレベルが供給された場合、通常モードとなり、発振部22から供給される同期信号にしたがい、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号をベースバンド信号に周波数変換し、受信信号処理部26に供給する。
受信信号処理部26は、検知部21からLレベルが供給された場合、検知部21からの制御信号に応じて動作モードを切り換えるのに必要な部分にのみ電力を供給する省電力モードになる。また、受信信号処理部26は、検知部21からHレベルが供給された場合、通常モードとなり、発振部22から供給される同期信号にしたがい、周波数変換部25から供給されたベースバンド信号に所定の処理を施してデータパケットを抽出し、MAC処理部27に供給する。
MAC処理部27は、検知部21からLレベルが供給された場合、検知部21からの制御信号に応じて動作モードを切り換えるのに必要な部分にのみ電力を供給する省電力モードになる。また、MAC処理部27は、検知部21からHレベルが供給された場合、通常モードとなり、発振部22から供給される同期信号にしたがい、受信信号処理部26から供給されたデータパケットに所定の処理を施し、その結果得られるデータを、インタフェース24に供給する。
なお、周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27それぞれは、例えば、それぞれが有する回路に電力の供給を制御するための図示せぬスイッチを有し、検知部21からの制御信号に応じて、そのスイッチがオンオフすることにより、通常モードと省電力モードとが切り換わる構成になっている。但し、動作モードの切り換えは、その他の構成によって行うことも可能である。
図5は、検知部21の構成例を示すブロック図である。
検知部21は、コンデンサ30、バンドパスフィルタ31、増幅部32、バンドパスフィルタ32、電圧検知部34、比較部35、および閾値設定部36から構成されている。
コンデンサ30は、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号のDC(Direct Current)成分をカットし、RF信号のAC(Alternating Current)成分を、バンドパスフィルタ31に供給する。
バンドパスフィルタ31は、フィルタリング処理を行うことにより、コンデンサ30を介してアンテナスイッチ3から供給されたRF信号から所定の周波数成分(所定の周波数帯域の信号)を抽出して、増幅部32に供給する。
増幅部32は、バンドパスフィルタ31から供給された所定の周波数成分のRF信号を、電圧検知部34が検知することができるレベルに増幅し、その結果得られる増幅信号をバンドパスフィルタ33に供給する。なお、増幅部32としては、例えば、LNA(Low Noise Amplifier)を採用することができる。
バンドパスフィルタ33は、フィルタリング処理を行うことにより、増幅部32から供給された増幅信号から、例えば、バンドパスフィルタ31と同様の周波数成分を抽出し、電圧検知部34に供給する。
電圧検知部34は、バンドパスフィルタ33から供給された周波数成分の信号レベルを検知し、その信号レベルに比例した電圧を発生して、比較部35に供給(印加)する。
比較部(コンパレータ)35は、電圧検知部34から供給される電圧と、閾値設定部36から供給される所定の電圧としての閾値Vrefとを比較することにより、RF信号の信号レベルがVref以上(より大きい)かどうかを検出する。さらに、比較部35は、RF信号の信号レベルがVref以上であることを検出した場合、Hレベルの制御信号を、発振部22と受信回路部23に供給する。また、比較部35は、RF信号の信号レベルがVref以上でないことを検出した場合、Lレベルの制御信号を、発振部22と受信回路部23に供給する。
閾値設定部36は、例えば、図示せぬ操作部の操作に応じて、あるいは、受信回路部23の受信感度に応じて、閾値Vrefを設定し、比較部35に供給する。
図6は、図4の発振部22、受信回路部23、およびインタフェース24の処理を説明するフローチャートである。
ステップS11において、発振部22と受信回路部23は、検知部21が制御信号としてのHレベルを出力しているかどうかを判定する。ステップS11において、検知部21が制御信号としてのHレベルを出力していないと判定された場合、即ち、検知部21がLレベルを出力している場合、ステップS12に進み、受信回路部23において、その周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27は、その動作モードを省電力モードにする。さらに、ステップS12では、発振部22も、その動作モードを省電力モードにする。なお、発振部22は、省電力モードの時は、同期信号を出力しない。
一方、ステップS11において、検知部21が制御信号としてのHレベルを出力したと判定された場合、ステップS13に進み、発振部22は、動作モードを通常モードにして、同期信号の発生を開始する。さらに、ステップS13では、受信回路部23を構成する周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27も、動作モードを通常モードにし、ステップS14に進む。
ステップS14において、周波数変換部25は、アンテナスイッチ3から供給されたRF信号を、ベースバンド信号に変換し、受信信号処理部26に供給して、ステップS15に進む。
ステップS15において、受信信号処理部26は、周波数変換部25から供給されたベースバンド信号にディジタル信号処理を施し、その結果得られるデータパケットをMAC処理部27に供給して、ステップS16に進む。
即ち、ステップS15において、受信信号処理部26は、例えば、周波数変換部25から供給されたベースバンド信号の復調や、CRCによる誤り検出、誤り訂正復号などを行い、その結果得られるデータパケットを、MAC処理部27に供給する。
ステップS16において、MAC処理部27は、CSMA方式により定められる規定に従い、受信信号処理部26から供給されたデータパケットにMAC層の処理を施し、その結果得られるデータを、インタフェース24に供給し、ステップS17に進む。
なお、MAC処理部27が行うMAC層の処理としては、例えば、データパケットの受信の時間管理や再送制御等がある。
ステップS17において、インタフェース24は、MAC処理部27から供給されたデータを受信し、図示せぬコンピュータに供給する。
なお、ステップS11の処理は、例えば、常時行われる。また、ステップS14乃至ステップS17の処理は、動作モードが通常モードとなっている間、パイプラインで行われ、これにより、送信されてくるデータが順次受信されて、コンピュータに供給される。
図7は、図5の検知部21の処理を説明するフローチャートである。
ステップS21において、バンドパスフィルタ(BPF(Band Pass Filter))31は、フィルタリング処理を行うことにより、アンテナスイッチ3からコンデンサ30を介して供給されたRF信号から所定の周波数成分を抽出し、増幅部32に供給して、ステップS22に進む。
ステップS22において、増幅部32は、バンドパスフィルタ31から供給されたRF信号を増幅し、その結果得られる増幅信号をバンドパスフィルタ33に供給して、ステップS23に進む。
ステップS23において、バンドパスフィルタ33は、増幅部32から供給された増幅信号をフィルタリング処理し、その結果得られる信号を電圧検知部34に供給して、ステップS24に進む。
ステップS24において、電圧検知部34は、バンドパスフィルタ33から供給された信号の信号レベルに比例した電圧を発生し、比較部35に供給して、ステップS25に進む。
ステップS25において、比較部35は、電圧検知部34からの電圧と、閾値設定部36にあらかじめ設定されている所定の閾値Vrefとを比較して、その大小関係を判定する。
ステップS25において、電圧検知部34からの電圧が所定の閾値Vrefの値よりも大きくないと判定された場合、ステップS26に進み、比較部35は、制御信号としてLレベル(バイナリの0)を出力する。
比較部35がLレベルを出力することにより、図6で説明したように、発振部22、並びに受信回路部23を構成する周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27それぞれは、省電力モードになり、その結果、電力の消費を低減することができる。
一方、ステップS25において、電圧検知部34からの電圧が所定の閾値Vrefの値よりも大きいと判定された場合、ステップS27に進み、比較部35は、制御信号としてHレベル(バイナリの1)を出力する。
比較部35がHレベルを出力することにより、図6で説明したように、発振部22、並びに受信回路部23を構成する周波数変換部25、受信信号処理部26、およびMAC処理部27は、通常モードになり、受信したRF信号に所定の受信処理を施す。
なお、図7のステップS21乃至ステップS27の処理は、常時、パイプラインで行われる。
以上のように、検知部21において、RF信号の信号レベルを検出し、受信回路部23において、その検出結果に応じて、動作モードを切り換え、動作モードが通常モードのときのみ、RF信号に対する受信処理を行うようにしたので、常時、受信処理を行う場合に比較して、複雑な処理を行うことなく容易に、電力の消費を低減することができる。
ここで、例えば、Intersil社製のチップセットを用いて、LANカードを構成した場合の従来のアイドル時の消費電力は、228mW(RF/IF)+165mW(BB)+83mW(MAC)+387mW(周辺SRAM,VCO)=863mWとなる。なお、228mW(RF/IF),165mW(BB),83mW(MAC)、または387mW(周辺SRAM,VCO)は、図4の周波数変換部25、受信信号処理部26、MAC処理部27、またはインタフェース24その他の図示せぬブロックにそれぞれ対応するブロックで消費される電力を表す。
一方、同一のチップセットを用いて、図1のLANカード1を構成した場合のアイドル時、即ち、省電力モード時の消費電力は、22.5mW(Detecter)+138mW(RF/IF)+26mW(MAC)+387mW(周辺)=556mWとなる。なお、22.5mW(Detecter),138mW(RF/IF),26mW(MAC)、または387mW(周辺)は、それぞれ、図4の検知部21、周波数変換部25、MAC処理部27、またはインタフェース24その他の図示せぬブロックで消費される電力を表す。
ここで、上述の消費電力は、Intersil社PRISMIIデータシートから計算したものである。
以上のように、省電力モードと通常モードを切り換えることにより、装置全体の省電力化を図ることができる。
なお、上述したように、閾値設定部36は、ユーザの操作や受信部5の電波の受信感度(受信部5が受信処理を施すことができるRF信号の最小レベル)に応じて、閾値Vrefを設定することが可能である。ここで、閾値Vrefが、受信部5の受信感度に対応する値付近である場合、動作モードが省電力モードとなってしまったために、従来のアイドル状態であれば受信処理が行われたRF信号について、受信処理が行われないことが生じうる。したがって、閾値Vrefは、受信部5の受信感度に対応する値よりも比較的小さい値に設定して、受信感度に対応する値付近のRF信号が送信されてきたときには、確実に受信処理が行われるようにするのが望ましい。この場合、受信部5の受信感度に対応する値付近の信号レベルのRF信号が受信できなくなることを防ぐことができる。
以上のように、LANカード1は、情報の送信時間の管理をする複雑な構成を必要せず、受信部5の受信回路部23に対する入力に並列して検知部21を備える簡単な構成により、容易に電力の消費を低減することができる。
上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
上述した一連の処理をソフトウェアで実行する場合、図1のLANカード1は、例えば、図8に示されるようなマイクロコンピュータをベースとして構成することが可能である。
即ち、図8は、マイクロコンピュータのベースとして構成したLANカード1の構成例を示している。
図8において、CPU(Central Processing Unit)41は、ROM(Read Only Memory)42に記憶されているプログラムをRAM(Random Access Memory)43にロードし、そのプログラムを実行することにより、上述したフローチャートにしたがった各種の処理を行う。
RAM43にはまた、CPU41が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU41、ROM42、およびRAM43は、バス44を介して相互に接続されている。このバス44にはまた、通信インタフェース45も接続されている。
通信インタフェース45には、アンテナ46が接続されている。
通信インタフェース45は、例えば、図1のアンテナスイッチ3、図2のインタフェース11、図4のインタフェース24に相当する。また、アンテナ46は、図1のアンテナ2に相当する。
なお、本発明は、IEEE802.11に準拠した通信以外のコンテンション型の無線通信にも適用可能である。
1 LANカード, 2 アンテナ, 3 アンテナスイッチ, 4 送信部, 5 受信部, 11 インタフェース, 12 MAC処理部, 13 送信信号処理部, 14 周波数変換部, 21 検知部, 22 発振部, 23 受信回路部, 24 インタフェース, 25 周波数変換部, 26 受信信号処理部, 27 MAC処理部, 31 バンドパスフィルタ, 32 増幅部, 33 バンドパスフィルタ, 34 電圧検知部, 35 比較部, 36 閾値設定部, 41 CPU, 42 ROM, 43 RAM, 44 バス, 45 通信インタフェース, 46 アンテナ
Claims (8)
- コンテンション型の無線通信を行う通信装置において、
受信信号の信号レベルを検出する検出手段と、
前記検出手段による信号レベルの検出結果に応じて、前記受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または前記受信処理を行わない省電力モードになり、前記通常モードとなっているときに、前記受信信号に前記所定の受信処理を施す受信処理手段と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記検出手段は、所定の閾値以上の前記信号レベルを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記検出手段は、前記受信信号の所定の周波数帯域の信号レベルを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記所定の閾値を設定する設定手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。 - 前記設定手段は、前記受信処理手段が前記所定の受信処理を施す前記受信信号の最小の信号レベルより大きい値に、前記所定の閾値を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の受信装置。 - コンテンション型の無線通信を行う通信方法において、
受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、前記受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または前記受信処理を行わない省電力モードになり、前記通常モードとなっているときに、前記受信信号に前記所定の受信処理を施す受信処理ステップと
を含むことを特徴とする受信方法。 - コンテンション型の無線通信を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、前記受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または前記受信処理を行わない省電力モードになり、前記通常モードとなっているときに、前記受信信号に前記所定の受信処理を施す受信処理ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。 - コンテンション型の無線通信を、コンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、
受信信号の信号レベルを検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる信号レベルの検出結果に応じて、前記受信信号に所定の受信処理を施す通常モード、または前記受信処理を行わない省電力モードになり、前記通常モードとなっているときに、前記受信信号に前記所定の受信処理を施す受信処理ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003331829A JP2005101827A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | 受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体 |
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JP2003331829A JP2005101827A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | 受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体 |
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ID=34460370
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JP2003331829A Pending JP2005101827A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | 受信装置および受信方法、プログラム、並びに記録媒体 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007110343A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-04-26 | Canon Inc | 無線通信装置及びその制御方法 |
JP2013176133A (ja) * | 2007-08-24 | 2013-09-05 | Toshiba Corp | 無線通信装置 |
-
2003
- 2003-09-24 JP JP2003331829A patent/JP2005101827A/ja active Pending
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