JP2005100002A - 生産物トレーサビリティシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 第一次生産物の栽培あるいは飼育状況の監視と、堆肥、農薬、肥料、飼料等の監視情報を通信回線を介して取得できる生産物トレーサビリティシステムを提供する。
【解決手段】一定のエリアを撮影する撮影手段12と、撮影エリアに設置した無線タグ13と、撮影エリアと対応した受信エリアを有し、無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段14と、撮影手段が撮影した映像データおよび特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信および記録する画像認識サーバー15と、画像認識サーバーの作業内容を選択する選択手段を備え、画像認識サーバーは、作業内容に基づいて、撮影手段を選択すると共に、特定情報受信手段から、作業関連情報を取り出すと共に、撮影手段で撮影した映像データとを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を記録して、トレーサビリティサーバー17に送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生産物トレーサビリティシステムに関するものであり、詳しくは第一次産業の農牧場、畜舎や養殖漁業場等に、無線タグ判別機能を備えたカメラを設置することで、生産物の生育や肥料、飼料、農薬等の使用状態を撮像した映像データを見て正確に追跡できるようにした生産物トレーサビリテイシステムに関するものである。
従来技術において、BSE、食中毒、農薬残留、無許可添加物使用等の問題により、消費者の「食」への不安は非常に高く、消費者へトレーサビリティを開示できるシステムのニーズが強まっている。
例えば、BSE問題においては、肉牛がいつ出生し、どのような飼料をいつ、どれだけ摂取し、かつその飼料がどこでどのように製造されたのか、というトレーサビリティが求められている。
一方、生産者側でも、風評被害の多発を受けて、そのリスクを低減し農業経営を安定化するためには、トレーサビリティを開示して「食」への信頼回復を図ろうとしている。
既に、一部の大手スーパーや生協では生産者を独自に開拓し、堆肥や化学肥料の敷設状況(期日、種類、量等)や農薬散布状況(期日、種類、量等)、飼育状況(えさの種類や量等)等の生産履歴を事細かに蓄積、開示している。又、JA全農でも「全農安心システム」を立ち上げて、生産計画段階からのチェックと指導、栽培(飼育)記録の記帳と検査等、インターネットでの情報開示を実施している。
又、これらの農産物を生産の段階からチェックして「食」の安全性を高める手法として、特開平10−302105号公報(農作物の個体情報入手システム)に開示されているシステムが周知である。
この農産物の個体情報入手システムは、図4に示すように、生産に係る者側のコンピュータ111と、消費者側のコンピュータ112と、生産に係る者側のコンピュータ111と、中間業者側のコンピュータ113と、消費者側のコンピュータ112とに通信回線で接続されたコンピュータシステム114とからなり、農産物(例えば、メロン)に識別子を付与することにより、農産物115の生産に係る者以外の者が識別子116に基づいて当該農産物115に係る個体情報を入手自在とするものである。
農産物115に付与される識別子116は、農産物115の個体毎に異なるID番号と個体情報を入手するためのアクセス先とからなり、生産に係る者側のコンピュータ111は、生産地、生産者名、品種、栽培方法、収穫日、品質情報等の農産物の個体毎に異なる個体情報と共に、当該農産物に付与されるID番号をコンピュータシステム114に送信する。
消費者側のコンピュータ113は、識別子116におけるアクセス先とID番号を入力する手段と、当該識別子116におけるアクセス先とID番号をコンピュータシステム114に送信する手段と、コンピュータシステム114からアクセス先に従った当該農産物115の個体情報が記載されたホームページの情報を受信する手段と、ホームページの情報からID番号に対応した当該農産物の個体情報を表示する表示手段とを備えている。
コンピュータシステム114は、生産に係る者側のコンピュータ111から送信された識別子116と当該農産物115の個体情報とを受信して、ID番号と当該ID番号に対応する個体情報を対応させて記憶してデータベースを構築する手段と、消費者側のコンピュータ113から送信されたアクセス先とID番号を受信して、データベースからID番号に対応する個体情報を記載したホームページを作成する手段と、当該ホームページの情報を消費者側のコンピュータ113に送信する手段とを備えている。
特開平10−302105号公報(第3頁〜4頁 第1図)
しかしながら、従来技術で説明したシステムにおいて、農産物流通における農産物の個体情報入手は可能であるものの、消費者が一番必要とするトレーサビリティは入手不可能である。又、トレーサビリティの重要要素のひとつである生産履歴については、
(1)データ入力に係る生産者の負担、労力が過大である。
(2)データの信憑性、信頼性を保証する証拠に欠ける。
という問題点がある。現実に、詳細な農業日誌を作成し生産履歴を記録できている生産者は現状きわめて少数であり、且つ相次ぐ産地偽装等の虚偽申告のように、データの信憑性を揺るがす事実も頻発している。
従って、無線タグ判別機能を備えたカメラを用いて、栽培(飼育)状況の監視と倉庫在庫状況(堆肥、農薬、肥料、飼料等)の監視を行い、無線タグ読取り結果記録と画像認識結果記録を組み合わせることによって、農業日誌を自動記録し、その結果を消費者へ開示するトレーサビリティに活用すると共に、イベントログ画像(例えば、農薬散布時や収穫時の画像)を自動記録・編集し、消費者に提供できるシステムを構築することに解決しなければならない課題を有する。
上記課題を解決するために、本発明の生産物トレーサビリティシステムは、次に示す構成にすることである。
(1)生産物トレーサビリティシステムは、少なくとも1又は複数の、予め定めた撮影エリア内を撮影する撮影手段と、前記撮影エリアを含む領域に設置した無線タグと、前記撮影エリアと略等しい受信エリア又は前記撮影エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、少なくとも1又は複数の前記撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバーと、を少なくとも備え、前記画像認識サーバーは、前記撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を記録すると共に、該トレーサビリティ情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することである。
(2)前記トレーサビリティ情報には、生産物を撮像したときのサムネイル画像或いはダイジェスト画像からなるイベントログ画像情報を含むことを特徴とする(1)に記載のトレーサビリティシステム。
(3)前記トレーサビリティサーバーは、ユーザーからの通信回線を介してのアクセスに対応して、蓄積されているトレーサビリティ情報を提供する機能を備えたことを特徴とする(1)に記載の生産物トレーサビリティシステム。
(4)(1)に記載の生産物トレーサビリティシステムに更に加えて、前記生産物を集荷する集荷エリアを撮影する生産物撮影手段と、前記生産物或いは生産物に関連する領域に設置した無線タグと、前記集荷エリアと略等しい受信エリア又は前記集荷エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、少なくとも1又は複数の前記生産物撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する生産物検査サーバーと、を少なくとも備え、前記生産物検査サーバーは、前記生産物撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして前記生産物を検査し、該検査結果を記録すると共に、該検査結果の情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
(5)前記生産物検査サーバーにおける生産物の検査は、前記集荷エリアに集荷された前記生産物に残留する農薬の検査を含むことを特徴とする(4)に記載の生産物トレーサビリティシステム。
(6)生産物トレーサビリティシステムは、少なくとも1又は複数の、予め定めた撮影エリア内を撮影する撮影手段と、前記撮影エリアを含む領域に設置した無線タグと、前記撮影エリアと略等しい受信エリア又は前記撮影エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、少なくとも1又は複数の前記撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバーと、前記画像認識サーバーに対して、作業内容を選択する選択手段と、を少なくとも備え、前記画像認識サーバーは、前記選択手段で特定した作業内容に基づいて、前記撮影手段を選択すると共に、該撮影手段に付随する特定情報受信手段から、前記特定した作業内容に関連する作業関連情報を取り出すと共に、該撮影手段で撮影した映像データとを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を記録すると共に、該トレーサビリティ情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信するようにしたことである。
(7)前記トレーサビリティ情報には、生産物を撮像したときのサムネイル画像或いはダイジェスト画像からなるイベントログ画像情報を含むことを特徴とする(6)に記載の生産物トレーサビリティシステム。
(8)前記トレーサビリティサーバーは、ユーザーからの通信回線を介してのアクセスに対応して、蓄積されているトレーサビリティ情報を提供する機能を備えたことを特徴とする(6)に記載の生産物トレーサビリティシステム。
(9)(6)に記載の生産物トレーサビリティシステムに更に加えて、前記生産物を集荷する集荷エリアを撮影する生産物撮影手段と、前記生産物或いは生産物に関連する領域に設置した無線タグと、前記集荷エリアと略等しい受信エリア又は前記集荷エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、少なくとも1又は複数の前記生産物撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する生産物検査サーバーと、前記生産物検査サーバーに対して、作業内容を選択する選択手段と、を少なくとも備え、前記生産物検査サーバーは、前記選択手段で特定した作業内容に基づいて、前記撮影手段を選択すると共に、前記生産物撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして前記生産物を検査し、該検査結果を記録すると共に、該検査結果の情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
(10)前記選択手段で特定する作業内容には、前記集荷エリアに集荷された前記生産物に残留する農薬の検査を含むことを特徴とする(9)に記載の生産物トレーサビリティシステム。
本発明の生産物トレーサビリティシステムは、無線タグ判別機能を備えたカメラを用いて、栽培(飼育)状況の監視と倉庫在庫状況(堆肥、農薬、肥料、飼料等)の監視を行い、無線タグ読取り結果記録と画像認識結果記録を組み合わせることによって、所謂、農業日誌を自動記録し、その結果を消費者へ開示するようにしたことで、生産した「食」に関する信憑性を映像や自動記録されている農業日誌を見ることで極めて正確且つ迅速に把握することができる。
以下、本発明に係る生産物トレーサビリティシステムの最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
本願発明の生産物トレーサビリティシステムは、第一次産業の農牧場、畜舎や養殖漁業場等に好適に実施できるものであるがこれに限定されることなく、加工品の生産等の全てに及ぼすことが可能であって、下記に示す実施例は極一部の実施例である。
本願発明に係る第1の実施形態の生産物トレーサビリティシステムは、図1に示すように、少なくとも1又は複数の、予め定めた撮影エリア11内を撮影する撮影手段12と、撮影エリア11を含む領域に設置した無線タグ13と、撮影エリア11と略等しい受信エリア又は撮影エリア内側の受信エリアを有し、この受信エリア内の無線タグ13から送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段14と、少なくとも1又は複数の撮影手段12が撮影した映像データ及び特定情報受信手段14で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバー15と、画像認識サーバー15と通信回線を介して接続され、ユーザー16からのアクセスに応じてトレーサビリティ情報を開示できる機能を備えたトレーサビリティサーバー17とから大略構成されている。
撮影手段12は、実際の生産状態を撮影する第1撮影手段12aと、実際の生産に必要な付随的なものを撮影する第2撮影手段12bとから構成され、第1撮影手段12aには実際の生産領域に配置された無線タグ13aからの情報を得るための第1特定情報受信手段14aを備え、第2撮影手段12bには、生産に付随的なものに取り付けられた無線タグ13bからの情報を得るための第2特定情報受信手段14bを備えた構成になっている。
無線タグ13は、第1及び第2特定情報受信手段14a、14bの双方に備えたアンテナ間で電磁誘導、電磁結合、マイクロ波誘導を用いてデータの交信を行うRFID(Radio Frequency Identification)である。
このRFIDは、無線タグ13内に備えたICに予めデータを記録しておき、受信手段のアンテナからの電磁波を利用して、無線タグ13内のICを駆動したり、無線タグ13のアンテナからデータを送信するものであり、又、この無線タグ13内のICにはデータを記録することが可能で、使用する電磁波の周波数、アンテナの形状を適宜調整することで、送受信可能な範囲を任意に設定することができる。又、RFIDの無線タグ13はアンテナからの信号を受信した場合のみ駆動する構造となっている。
画像認識サーバー15は、第1及び第2撮影手段12a、12bで得られた映像データと第1及び第2特定情報受信手段14a、14bで得られた第1及び第2生産物特定情報とを関連付けして作成したトレーサビリティ情報をトレーサビリティ情報記録部15aに記録すると共に、トレーサビリティサーバー17に通信回線を介して送信する機能を有する。
ここで、第1特定情報受信手段14aから得られる第1生産物特定情報は、生産領域における環境条件等、例えば日付時刻、温度、湿度、日照時間等である。これらの情報は、無線タグ13aからのデータを受信することと、第1撮影手段12aで撮影した映像データを解析して得ることができる。
第2特定情報受信手段14bから得られる第2生産物特定情報は、実施例において、例えば、農薬の種類、量、散布日、肥料といった生産物にとって付随的な情報である。これらは、無線タグ13bに記憶されている情報を読み出すことで、その農薬や飼料等が解かり、その供給量等は第2撮影手段12bで撮影した映像データを解析することで得ることができる。
そして、これらの第1及び第2生産物特定情報と第1及び第2撮影手段12a、12bで撮影した映像データに基づいて、トレーサビリティ情報を作成して、所定の媒体に蓄積すると共に、トレーサビリティサーバー17に送る。
このトレーサビリティ情報には、生産物を撮像したときのサムネイル画像或いはダイジェスト画像からなるイベントログ画像情報を含んでおり、ユーザー16がトレーサビリティサーバー17をアクセスしたときに、そのサムネイル画像を見ることで、生産物の生産履歴を画面を見て判断することができる。
トレーサビリティサーバー17に送られたトレーサビリティ情報は、ユーザー16のアクセスによりユーザー側に送られ、表示されることで、生産物の生産履歴等が一目瞭然に解かる。
次に、生産物トレーサビリティシステムの第2の実施形態について、図面を参照して、以下説明する。
第2の実施形態の生産物トレーサビリティシステムは、生産者が作業内容を特定することで、その作業内容の特定物情報を得ると共に生産風景の映像をも得てトレーサビリティ情報を作成するというものである。
それは、実施例において、生産物として農作物を対象とし、その農作物の栽培具合や農薬の散布といった農作物を栽培して採取するまでの様々な事項をあたかも農業日誌を付けるようにして行うというものである。
第2の実施形態の生産物トレーサビリティシステムは、図2に示すように、少なくとも1又は複数の、予め定めた栽培をしている農地領域である撮影エリア11内を撮影する撮影手段12と、撮影エリア11を含む領域に設置した無線タグ13と、撮影エリア11と略等しい受信エリア又は撮影エリア内側の受信エリアを有し、この受信エリア内の無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段14と、少なくとも1又は複数の撮影手段12が撮影した映像データ及び特定情報受信手段14で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバー15と、画像認識サーバー15に対して、作業内容を選択する選択手段18と、を少なくとも備えた構成になっている。
撮影手段12は、農作物の栽培を監視するための栽培監視カメラ群12aと、倉庫に格納されている農薬等を監視する倉庫監視カメラ群12bとから構成されている。
選択手段18は、所謂、生産者が操作するための情報端末で構成され、その操作はなるべく生産者の負担を軽減するべく、例えば、数種類の選択ボタンと表示器のみといった簡便なものとなっている。
画像認識サーバー15は、必要な情報を収集したらトレーサビリティ情報を自動作成して、トレーサビリティサーバー17に送るもので、選択手段18で特定した作業内容に基づいて、撮影手段12を選択すると共に、この撮影手段12に付随する特定情報受信手段14から、特定した作業内容に関連する作業関連情報を取り出すと共に、この撮影手段12で撮影した映像データとを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を、トレーサビリティサーバー17に通信回線を介して送信する。
ここで選択手段18で特定した作業内容とは、作業者が情報端末を操作して選択ボタンを押すことで決定するもので、例えば、これからの作業は「農薬散布」であれば、その農薬散布のボタンを選択すればよい。
そうすると、作業内容が農薬散布であると特定されると、撮影手段14は倉庫に格納されている農薬に取り付けられている無電タグ13bからの情報を受信して作業関連情報を取り出すと共に倉庫監視カメラ群12bを駆動させて倉庫内の農薬に関するエリア11bを撮像する。こうすることで、今どのような農薬が使われるか、又は使われたかが無線タグ13bからの情報と共に、撮像した映像データから視認できるのである。そして、必要であれば、その農薬を撮像した画像をサムネイル画像として作成し、イベントログ画像情報とすると共に、栽培監視カメラ群12aで撮像した栽培に関するエリア11aの映像から、その日の天候等も含めてトレーサビリティ情報として記録し、随時トレーサビリティサーバー17に送る。
このようにして送られてきたトレーサビリティ情報はトレーサビリティサーバー17に蓄積され、流通業者16a或いは消費者16bからのアクセスに応じて、この蓄積されているトレーサビリティ情報を開示させることで、現在の生産物の生産履歴、或いはどのような環境状態で生産されたかをイベントログ画像情報等を見ることで容易に理解できるのである。
次に、本願発明に係る生産物トレーサビリティシステムの第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
第3の実施形態の生産物トレーサビリティシステムは、生産者側でのトレーサビリティ情報を作成することに加えて、生産された生産物が集荷される集荷場において、生産物の品質を検査するために、無線タグを利用して、撮像した映像データを解析して、残留農薬等の検査結果を算出する生産物検査サーバーを備えたものである。
この生産物トレーサビリティシステムは、図3に示すように、生産者側には、少なくとも1又は複数の、予め定めた栽培をしている農地領域である撮影エリア11内を撮影する撮影手段12と、撮影エリア11を含む領域に設置した無線タグ13と、撮影エリア11と略等しい受信エリア又は撮影エリア内側の受信エリアを有し、この受信エリア内の無線タグ13から送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段14と、少なくとも1又は複数の撮影手段12が撮影した映像データ及び特定情報受信手段14で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバー15と、画像認識サーバー15に対して、作業内容を選択する選択手段18と、を少なくとも備えた構成にする。
集荷場側には、生産物21を集荷する集荷エリア20を撮影する生産物撮影手段22と、生産物或いは生産物に関連する領域に設置した無線タグ23と、集荷エリア20と略等しい受信エリア又は集荷エリア内側の受信エリアを有し、この受信エリア内の無線タグ23から送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段24と、少なくとも1又は複数の生産物撮影手段24が撮影した映像データ及び特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する生産物検査サーバー25と、生産物検査サーバー25に対して、作業内容を選択する選択手段26とから大略構成されている。
生産物検査サーバー25は、選択手段26で特定した作業内容に基づいて、生産物撮影手段22を選択すると共に、生産物撮影手段22で得られた映像データと特定情報受信手段24で得られた生産物特定情報とを関連付けして生産物21を検査し、この検査結果を記録すると共に、この検査結果の情報をトレーサビリティサーバー17に通信回線を介して送信する機能を有する。
選択手段26で特定する作業内容には、集荷エリア20に集荷された生産物21に残留する農薬の検査、生産物の品質、例えば出来具合とかである。
このような構成において、生産者側のトレーサビリティ情報の生成は、上記第2の実施形態の実施例2で説明したことと大略同じであるため、集荷場側でのトレーサビリティ情報の作成について説明すると、先ず、生産され無線タグ23が付けられた生産物21が集荷場に集められると、その集荷場において、選択手段26である情報端末を操作することで、特定の生産物21を特定する。この特定された生産物21については、トレーサビリティサーバー17をアクセスすることで、トレーサビリティ情報を得て、生産履歴等を知ることができる。ここでは、これに加えて、真実、であるかを抜き取り検査等をする。抜き取り検査をするものには、予め許可されている農薬を正当に使用しているか、或いは禁止されている農薬を使用していないか等を検査する。畜産であれば、禁止されている飼料を使っていないか等を検査する。この検査結果はトレーサビリティ情報としてトレーサビリティサーバー17に送る。そして、この生産物は流通業者27、消費者28にと提供され、そのときにトレーサビリティサーバー17にアクセスして、生産物21の生産履歴等を映像を含めて知ることができる。
このようにして、生産しているときの生産履歴と共に、実際に出荷される生産物を集荷場で検査するようにしたことで、その生産物に対する付加価値を高めることができるのである。
第一次生産物の栽培(飼育)状況の監視と、堆肥、農薬、肥料、飼料等の付随的なものの監視も行い、その情報を通信回線を介して得るようにしたことで、その生産物の付加価値を高めた生産物を提供できる。又、これにより、生産物の信頼性を得ることができ、風評被害等の農業経営リスク要因を低減できる。
一方、消費者にとっても、「食」への不安が解消される効果がある。特に、トレーサビリティ情報には、イベントログ画像の裏付けがあるので、データの信憑性、信頼性が保たれる効果がある。更に、監視カメラの存在により、生産者による虚偽の申告も防止されるという波及効果を得ることができる。
本願発明に係る第1の実施形態の生産物トレーサビリティシステムの概略図である。 本願発明に係る第2の実施形態の生産物トレーサビリティシステムの概略図である。 本願発明に係る第3の実施形態の生産物トレーサビリティシステムの概略図である。 従来技術における生産物トレーサビリティシステムの概略図である。
符号の説明
11 撮影エリア
11a 栽培に関するエリア
11b 農薬に関するエリア
12 撮影手段
12a 第1撮影手段(栽培監視カメラ群)
12b 第2撮影手段(倉庫監視カメラ群)
13 無線タグ
13a 無線タグ
13b 無線タグ
14 特定情報受信手段
14a 第1特定情報受信手段
14b 第2特定情報受信手段
15 画像認識サーバー
15a トレーサビリティ情報記録部
16 ユーザー
16a 流通業者
16b 消費者
17 トレーサビリティサーバー
18 選択手段
20 集荷エリア
21 生産物
22 撮影手段
23 無線タグ
24 特定情報受信手段
25 生産物検査サーバー
26 選択手段
27 流通業者
28 消費者

Claims (10)

  1. 少なくとも1又は複数の、予め定めた撮影エリア内を撮影する撮影手段と、
    前記撮影エリアを含む領域に設置した無線タグと、
    前記撮影エリアと略等しい受信エリア又は前記撮影エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、
    少なくとも1又は複数の前記撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバーと、を少なくとも備え、
    前記画像認識サーバーは、前記撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を記録すると共に、該トレーサビリティ情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
  2. 前記トレーサビリティ情報には、生産物を撮像したときのサムネイル画像或いはダイジェスト画像からなるイベントログ画像情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のトレーサビリティシステム。
  3. 前記トレーサビリティサーバーは、ユーザーからの通信回線を介してのアクセスに対応して、蓄積されているトレーサビリティ情報を提供する機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生産物トレーサビリティシステム。
  4. 請求項1に記載の生産物トレーサビリティシステムに更に加えて、
    前記生産物を集荷する集荷エリアを撮影する生産物撮影手段と、
    前記生産物或いは生産物に関連する領域に設置した無線タグと、
    前記集荷エリアと略等しい受信エリア又は前記集荷エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、
    少なくとも1又は複数の前記生産物撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する生産物検査サーバーと、を少なくとも備え、
    前記生産物検査サーバーは、前記生産物撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして前記生産物を検査し、該検査結果を記録すると共に、該検査結果の情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
  5. 前記生産物検査サーバーにおける生産物の検査は、前記集荷エリアに集荷された前記生産物に残留する農薬の検査を含むことを特徴とする請求項4に記載の生産物トレーサビリティシステム。
  6. 少なくとも1又は複数の、予め定めた撮影エリア内を撮影する撮影手段と、
    前記撮影エリアを含む領域に設置した無線タグと、
    前記撮影エリアと略等しい受信エリア又は前記撮影エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、
    少なくとも1又は複数の前記撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する画像認識サーバーと、
    前記画像認識サーバーに対して、作業内容を選択する選択手段と、を少なくとも備え、
    前記画像認識サーバーは、前記選択手段で特定した作業内容に基づいて、前記撮影手段を選択すると共に、該撮影手段に付随する特定情報受信手段から、前記特定した作業内容に関連する作業関連情報を取り出すと共に、該撮影手段で撮影した映像データとを関連付けして作成したトレーサビリティ情報を記録すると共に、該トレーサビリティ情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信するようにしたことを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
  7. 前記トレーサビリティ情報には、生産物を撮像したときのサムネイル画像或いはダイジェスト画像からなるイベントログ画像情報を含むことを特徴とする請求項6に記載の生産物トレーサビリティシステム。
  8. 前記トレーサビリティサーバーは、ユーザーからの通信回線を介してのアクセスに対応して、蓄積されているトレーサビリティ情報を提供する機能を備えたことを特徴とする請求項6に記載の生産物トレーサビリティシステム。
  9. 請求項6に記載の生産物トレーサビリティシステムに更に加えて、
    前記生産物を集荷する集荷エリアを撮影する生産物撮影手段と、
    前記生産物或いは生産物に関連する領域に設置した無線タグと、
    前記集荷エリアと略等しい受信エリア又は前記集荷エリア内側の受信エリアを有し、該受信エリア内の前記無線タグから送信される生産物特定情報を受信する特定情報受信手段と、
    少なくとも1又は複数の前記生産物撮影手段が撮影した映像データ及び前記特定情報受信手段で受信した生産物特定情報を受信、記録する生産物検査サーバーと、
    前記生産物検査サーバーに対して、作業内容を選択する選択手段と、を少なくとも備え、
    前記生産物検査サーバーは、前記選択手段で特定した作業内容に基づいて、前記撮影手段を選択すると共に、前記生産物撮影手段で得られた映像データと前記特定情報受信手段で得られた生産物特定情報とを関連付けして前記生産物を検査し、該検査結果を記録すると共に、該検査結果の情報をトレーサビリティサーバーに通信回線を介して送信することを特徴とする生産物トレーサビリティシステム。
  10. 前記選択手段で特定する作業内容には、前記集荷エリアに集荷された前記生産物に残留する農薬の検査を含むことを特徴とする請求項9に記載の生産物トレーサビリティシステム。
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