JP2005098845A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱電材料の起電力特性等によらず十分な起電力を得ることができるガスセンサを提供する。
【解決手段】 触媒層と、当該触媒層での発熱を電圧に変換する熱電変換素子とを有するガスセンサである。熱電変換素子は、熱起電力を発生する一対の材料の組み合わせにより構成され、一対の材料の組み合わせが2以上存在し、これらが直列に接続されている。要するに、複数の熱電変換素子を直列接続することにより。起電力を増幅して大きな電圧が取り出せるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば水素等の可燃性ガスを検知対象ガスとするガスセンサに関するものであり、特に、検知対象ガスの燃焼反応に伴って発生する熱を熱電変換により起電力に変換して検知対象ガスの検出を行うガスセンサの改良に関する。
可燃性ガスに対するガスセンサとしては、非特許文献1に記載されるように、種々の方式のものが提案されている。これらの中で、接触燃焼式のセンサや半導体式のセンサは、製造が容易で製造コストの点でも有利であることから、広く用いられている。接触燃焼式のセンサや半導体式のセンサは、製造工程において、薄膜プロセスのような高価な装置を使用しなくとも作製することが可能で、比較的安価に入手可能である。
しかしながら、これら方式のガスセンサは、消費電力等の点で課題も多い。例えば、水素センサの場合を例にとると、前記方式のセンサでは、200℃以上の高温に保ちながら電気抵抗を測定することで可燃性ガスである水素を検知している。このような方法の場合、センサを高温に保つためのエネルギーと、電気抵抗変化の検出用電流をセンサに流し続けるためのエネルギーとを必要とする。したがって、センサを稼働させておくための消費エネルギー(電力)が非常に大きいという欠点がある。
近年、燃料電池が実用化されつつあるが、燃料電池は、水素から電気エネルギーを取り出すものであり、水素の漏洩を検知するための水素センサの設置が安全面から重視されている。しかしながら、携帯用燃料電池や自動車用燃料電池等に代表されるように、燃料電池システムでは限られたエネルギー源(例えば、燃料タンクに貯蔵されるメタノールや水素)を有効に使う必要があり、消費電力の大きなセンサは、エネルギー源を無駄に消費する原因になることから、好ましいものとは言えない。
このような状況から、消費電力が小さく、しかも安価なガスセンサ(水素センサ)が求められており、例えば熱電素子の起電力を利用したガスセンサが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。この熱電素子の起電力を利用したガスセンサは、抵抗変化を検出する方式のものとは異なり電流を流す必要がないこと、室温で検出可能であり加熱が必要ないこと、若しくは僅かな加熱で済むこと等の利点を有し、消費電力が少ないことから、前記のような用途にとって好ましいセンサと言える。
また、水素ガスを検知するガスセンサにおいては、触媒として白金触媒が用いられているが、白金触媒を用いた場合、室温では水素以外の可燃性ガスが反応しないという特徴を有する。このことは、白金触媒を用いたガスセンサは室温で水素に対する選択性が高いということを意味する。水素に対する選択性が高ければ誤動作し難くなり、したがって、室温で使用できるセンサが望まれる。このような観点からも、室温で使用可能な前記熱電素子の起電力を利用したガスセンサは好適である。
日本セラミックス協会発行 セラミックス 38 (2003) No6 特開2003−156461号公報
ところで、携帯用燃料電池等のように小型化が要求される用途においては、限られた面積、空間を有効に利用する必要があり、そのために、使用するガスセンサのサイズもなるべく小さいことが望まれる。しかしながら、ガスセンサのサイズを小さくすれば、それに伴って触媒の面積も小さくせざるを得ず、特許文献1記載のガスセンサのように触媒上での発熱を電圧に変換するタイプのセンサの場合、起電力が小さくなるという問題が生ずる。
特許文献1に記載されるような構造のガスセンサの場合、触媒層の構造が同じであれば、発生する起電力は熱電素子の性能のみに依存する。このため、熱電素子自体の起電力を大きくする検討も行われているが、高価な原料を使用したり、起電力以外の特性を犠牲にする必要がある等、解決すべき課題も多い。
このような状況から、熱電素子の性能向上による起電力の増加には限度があり、現状では室温で使用する熱電素子の起電力は未だ十分とは言えず、ノイズ等による誤動作の原因となっている。したがって、熱電素子自体の性能向上以外の技術により発生する電圧を大きくする技術が望まれる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、熱電素子の性能によらず大きな起電力(電圧)を得ることが可能で、誤動作のない感度に優れたガスセンサを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のガスセンサは、触媒層と、当該触媒層での発熱を電圧に変換する熱電変換素子とを有するガスセンサであって、前記熱電変換素子は、熱起電力を発生する一対の材料の組み合わせにより構成され、前記一対の材料の組み合わせが2以上存在し、これらが直列に接続されていることを特徴とする。
本発明のガスセンサは、熱電変換材料による起電力を利用したガスセンサであり、消費電力が少ないこと、室温で使用可能であること等の利点を有する。通常、この種のガスセンサでは、触媒層で発生した熱を1つの熱電変換素子で感知し、起電力に変換して出力する。この場合、起電力は熱電変換素子の性能によって決まり、例えば熱電変換素子の種類等により起電力特性が低い場合には、大きな電圧を得ることができない。あるいは、触媒によってガスを分解する際の発熱が微量である場合や、触媒のガスの燃焼、分解性能が低く発熱量が少ない場合にも、やはり大きな電圧を得ることができない。
本発明のガスセンサでは、基本的には、2以上の熱電変換素子を直列接続することで、単独での熱電変換素子の起電力が小さい場合にも、大きな電圧を発生可能としている。これにより、触媒の発熱特性や熱電変換材料の起電力性能が悪くても、必要な電圧を確保することが可能である。また、直列接続する熱電変換素子の数を選定することで、発生する電圧を任意に設定することができ、要求に応じて自由に設計することが可能である。
なお、本発明において、2以上の熱電変換素子を直列接続することが要旨であるが、この場合、例えば起電力を発生する一対の材料の組み合わせが最低限2以上存在すればよく、これにより直列接続の効果が得られる。例えば、ゼーベック効果を有する互いに異なる材料A,Bがあり、材料Aと材料Bの接合点を素子部と呼ぶこととする。材料Aと材料Bを例えばA−B−Aのように交互に直列につなげ、素子部を3以上作製し、A−Bの接合点を相対的に高温にし、B−Aの接合点を相対的に低温にすると、それぞれで発生する電位差が直列となり加算されることになる。材料Aが2以上、材料Bが2以上あれば、前記素子部(接合点)は3以上形成される。
本発明のガスセンサによれば、熱電変換素子の起電力特性によらず、十分な電圧を得ることができる。したがって、ノイズの影響が小さく、感度に優れ、室温での使用が可能なガスセンサを提供することが可能である。また、本発明のガスセンサは、発生する電圧が大きいので、回路設計が簡単であるという利点も有する。さらに、本発明のガスセンサでは、熱電材料の起電力特性や触媒の発熱特性を最優先する必要がなく、例えば耐久性に重点をおいた材料の選択等が可能になり、用途等に応じて自由な材料設計が可能である。
以下、本発明を適用したガスセンサについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態のガスセンサは、熱起電力を発生する一対の材料をチップ状のユニットとし、これを基板上に交互に配列して直列接続したものである。図1は、第1の実施形態のガスセンサの構成を一部分解して示すものであり、基板1上には、チップ状の第1の熱電材料ユニット2と第2の熱電材料ユニット3とが交互に配列されている。熱電変換素子は、これら第1の熱電材料ユニット2と第2の熱電材料ユニット3の一対の材料の組み合わせにより熱電変換機能を発揮するものであり、したがって、基板1上には、これら第1の熱電変換ユニット2と第2の熱電変換ユニット3が交互に配置されるように配列する。
第1の熱電変換ユニット2や第2の熱電変換ユニット3を構成する材料としては、熱起電力を発生する組み合わせであればどのようなものであってもよく、例えば、日本工業規格JISにおいて規格されるB熱電対、S熱電対、K熱電対、E熱電対、J熱電対等が挙げられる。その他、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化銅、酸化コバルト、バリウムストロンチウム鉛酸化物等を主成分とする酸化物半導体や、n型ビスマステルル(BiTe)合金とp型ビスマステルル(BiTe)合金の組み合わせ等、ゼーベック効果を有する異種の導体、あるいは半導体の組み合わせがいずれも使用可能である。
配列された第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3は、底面及び上面において接続電極4によって交互に接続されており、直列接続とされている。そして、最も端に位置する第1の熱電変換ユニット2に接続される接続電極4a、及び反対側の端に位置する第2の熱電変換ユニット3に接続される接続電極4bが外部電極とされ、これら接続電極4a,4b間の電圧が起電力として取り出される。なお、本実施形態では、一方の接続電極4aは、基板1への埋め込み電極として形成されており、基板1の裏面側において外部回路と接続される。他方の接続電極4bは、後述の絶縁層6に埋め込み形成される接続電極4cと接続され、絶縁層6の表面側において外部回路と接続される。
以上のように配列された熱電変換素子(第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3)には、一方の接合部のみが加熱されるように触媒層5が配置される。本実施形態では、各熱電変換ユニット2,3の上面側に絶縁層6を介して触媒層5が積層されている。
触媒層5は、触媒材により構成される層であり、例えば、触媒材を蒸着、スパッタ等の手法で成膜することにより形成することができる。あるいは、多孔形状体の担持体の表面に触媒材を担持させた触媒担持層とすることもできる。さらには、触媒材自体を多孔構造体、網目構造体とし、触媒層5を構成するようにしてもよい。触媒材は、検知対象となる可燃性ガスの種類に応じて選択すればよく、例えばPt、Pd、Au等を単独、または組み合わせて使用することができる。例えば、検知対象となる可燃性ガスが水素ガスである場合には、室温でPt表面においてのみ水素の燃焼反応が起こるため、触媒材としてPtを用いることが有効である。
以上のように構成されるガスセンサ(熱電素子)では、水素H2が存在すると、触媒層5表面において空気中の酸素O2と反応して水H2Oが形成される。このときの発熱により触媒層5が加熱され、その熱が熱電変換素子の一方の接合部(第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3の上面)に伝達され、各熱電変換素子(第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3の一対)において起電力が生ずる。本実施形態のガスセンサにおいては、第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3が直列に接続され、熱電変換素子が直列接続された形になっているので、起電力が増幅され、例えば電池を直列接続した場合と同様、各熱電変換素子における起電力(電圧)の総和がガスセンサの発生電圧として取り出される。したがって、熱電変換素子を1つ設けた場合に比べて、格段に得られる電圧が大きくなり、例えば本実施形態のガスセンサでは、6組の第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3を直列に配列しているので、計算上概ね10倍の電圧が得られることになる。
(第2の実施形態)
本実施形態のガスセンサは、先の第1の実施形態のガスセンサと基本構造は同じであるが、触媒層を上面側の接続電極として流用している点が異なる。本実施形態のガスセンサを図2に示すが、図2においては、本実施形態のガスセンサの構造をより明確なものとするため、その製造プロセスを開示する。なお、図2において、先の第1の実施形態のガスセンサと同一の部材には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態のガスセンサを作製するには、先ず、図2(a)に示すように、基板1を準備する。基板1としては、アルミナ基板等、任意の絶縁基板を用いることができる。そして、図2(b)に示すように、基板1表面に配線パターン(接続電極4)をスパッタ等の方法により形成する。配線パターンは、銀(Ag)等の導電性金属を用いて形成することができ、例えば、スパッタによる成膜の後、フォトリソ技術を用いてパターニングすればよい。
前記接続電極4の形成の後、図2(c)に示すように、第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3を前記接続電極4により底面側で接続されるように配列形成する。本実施形態では、第1の熱電変換ユニット2をn型BiTe合金、第2の熱電変換ユニット3をp型BiTe合金とし、これらを6組、計12個を直列に配列し、接着固定した。
次に、図2(d)に示すように、第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3を樹脂7中に埋め込み、上面を研磨して、第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3の上面を樹脂7から露呈させた。そして、図2(e)に示すように、触媒層5をPtをスパッタすることにより形成し、ガスセンサとした。なお、触媒層5の形成に際しては、前記接続電極4とともに第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3を直列接続するように、所定の熱電変換ユニット2,3間のみが接続されるようにパターニングした。
以上のように構成されるガスセンサにおいても、先の第1の実施形態のガスセンサと同様、大きな起電力(電圧)を得ることができる。一般に、BiTe熱電素子の室温付近での起電力は、約0.2mV/Kである。本実施形態のガスセンサ(熱電素子)の発生電圧を測定したところ、1%水素濃度の空気中での起電力は0.5mVであった。なお、この起電力は、直列結合するユニット2,3の数を増やせば、さらに大きくすることができる。また、比較のため、熱電変換素子を1個のみ(第1の熱電変換ユニット2及び第2の熱電変換ユニット3を一対のみ)形成し、他は第2の実施形態と同様にしてガスセンサを作製し、発生電圧を測定したところ、1%水素濃度の空気中での起電力は0.1mV以下であった。
(第3の実施形態)
本実施形態は、熱電変換素子を構成する一対の材料を層構成とし、これを積層することでガスセンサとしたものである。
図3は、本実施形態のガスセンサを分解して示すものである。本実施形態のガスセンサでは、第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12を絶縁層13を介して交互に複数重ね合わせ、端部において第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12を直列接続してなるものである。このとき、必要に応じて接続電極14を挟んでもよい。本例では、接続電極14は、図中左側端部、あるいは図中右側端部において、第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12を交互に接続しており、図4に示すように、交互に積層された第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12が、いわゆるミアンダ状に接続され、直列接続された形になっている。
第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12との積層体の上下には、それぞれ絶縁基板15,16が設けられ、これら絶縁基板15,16に埋め込み電極17,18が埋め込み形成されている。これら埋め込み電極17,18は、最下層の第1の熱電変換材料層11、あるいは最上層の第2の熱電変換材料層12と電気的に接続され、外部接続用電極として機能する。
以上のように配列された熱電変換素子(第1の熱電変換材料層11及び第2の熱電変換材料層12)には、一方の接合部のみが加熱されるように触媒層19が配置される。本実施形態では、各熱電変換材料層11,12の図中左側側面に触媒層19が接合形成されている。
前述のように構成されるガスセンサ(熱電素子)では、水素H2が存在すると、触媒層19表面において空気中の酸素O2と反応して水H2Oが形成される。このときの発熱により触媒層19が加熱され、その熱が熱電変換素子の一方の接合部(第1の熱電変換材料層11と第2の熱電変換材料層12の図中左側における接合部)に伝達され、各熱電変換素子(第1の熱電変換材料層11及び第2の熱電変換材料層12の一対)において起電力が生ずる。本実施形態のガスセンサにおいては、積層された第1の熱電変換材料層11及び第2の熱電変換材料層12が直列に接続され、熱電変換素子が直列接続された形になっているので、やはり大きな起電力(電圧)を取り出すことが可能である。
(第4の実施形態)
本実施形態のガスセンサも積層構造によって構成されている。本実施形態のガスセンサの構造をより明確なものとするため、その製造プロセスを図5及び図6に開示する。なお、図5は、積層プロセスによる積層ブロックの作製までを示し、図6は、その後の触媒層形成までを示す。
本実施形態のガスセンサを作製するには、先ず、図5(a)に示すように、最下層となる基板21を用意する。基板21は、絶縁材料により形成すればよいが、本例では厚さ100μmのアルミナのグリーンシートを用意した。また、基板21には、外部接続用の電極を形成するために、導体を埋め込むための電極孔22を形成しておく。
次に、図5(b)に示すように、第1の熱電変換材料層23を基板21上に積層形成する。第1の熱電変換材料層23としては、ここでは白金ペーストを用いた。次いで、図5(c)に示すように、第1の熱電変換材料層23の右側端部を残して絶縁層24を積層し、さらに、図5(d)に示すように、第2の熱電変換材料層25を積層形成する。なお、絶縁層24は、例えばアルミナペーストにより形成し、第2の熱電変換材料層25は、例えば白金−ロジウム(13%)ペーストにより形成する。
さらに、図5(e)に示すように、第2の熱電変換材料層25の右側端部を残して絶縁層24を積層し、図5(f)に示すように、再び第1の熱電変換材料層23を積層形成する。次いで、図5(g)に示すように、第1の熱電変換材料層23の右側端部を残して絶縁層24を積層し、さらに、図5(h)に示すように、第2の熱電変換材料層25を積層形成する。これを繰り返して第1の熱電変換材料層23及び第2の熱電変換材料層25を交互に200層を形成した。なお、本例では各層をペーストを塗布することにより形成しているが、これに限らず、例えば各層のシートを熱圧着して積層するようにしてもよい。
続いて、図5(i)に示すように、最上層の基板26を重ねる。基板26には、先の基板21と同様、外部接続用の電極を形成するために、導体を埋め込むための電極孔27を形成しておき、図5(j)に示すように電極孔27にPt等の導電材料を埋め込み、電極28を形成する。これを例えば1200℃で焼結し、積層ブロック29を得る。
次に、得られた積層ブロック29に対して、触媒層の形成を行う。触媒層形成に際しては、図6(a)に示すように、図5に示すプロセスで作製した積層ブロック29を用意し、図6(b)に示すように、一方の側面の削り出しを行う。この削り出しにより、当該側面に先に積層した第1の熱電変換材料層23及び第2の熱電変換材料層25の端面を露出させる。
次いで、この第1の熱電変換材料層23及び第2の熱電変換材料層25の端面を露出させた側面に、図6(c)に示すように絶縁層30を形成する。絶縁層30は、例えばシリカを厚さ約200nm程度に成膜することにより形成することができる。最後に、図6(d)に示すように、絶縁層30上に触媒層31を形成して熱電素子32を完成する。触媒層31は、例えばPtを膜厚300nmとなるように成膜することにより形成することができる。
以上のように構成されるガスセンサにおいても、先の第3の実施形態のガスセンサと同様、大きな起電力(電圧)を得ることができる。一般に、Pt−PtRh熱電素子の室温での起電力は約0.006mV/Kである。本実施形態のガスセンサ(熱電素子)の発生電圧を測定したところ、1%水素濃度の空気中での起電力は0.27mVであった。なお、この起電力は、直列結合する熱電変換材料層23,25の数を増やせば、さらに大きくすることができる。また、比較のため、熱電素子を1個のみ(第1の熱電変換材料層23及び第2の熱電変換材料層25を一対のみ)形成し、他は本実施形態と同様にしてガスセンサを作製し、発生電圧を測定したところ、1%水素濃度の空気中での起電力は0mV(測定不能)であった。
さらに、図7に示すように、作製した熱電素子32を6個直列に接続し、発電電圧を測定した。1%水素濃度の空気中での起電力は、1.48mVであった。
(第5の実施形態)
本実施形態は、熱電変換素子を構成する一対の材料を層構成とし、これら材料層を基板面内において交互に配列形成し、材料層が配列形成された基板を複数積層されてなるガスセンサである。
本実施形態のガスセンサにおいては、図8に示すように、基板41上に第1の熱電変換材料層42と第2の熱電変換材料層43とを互いに平行な短冊状のパターンとし、これらを交互に配列している。本例では、第1の熱電変換材料層42と第2の熱電変換材料層43とを3組、合計6本を配列している。第1の熱電変換材料層42と第2の熱電変換材料層43のパターン間は電気的に接続されており、直列接続されている。なお、この場合にも、接続電極44を挟んでいてもよい。
本実施形態では、このように第1の熱電変換材料層42及び第2の熱電変換材料層43が配列された基板41を3枚重ねた。以上のように配列された熱電変換素子(第1の熱電変換材料層42及び第2の熱電変換材料層43)には、一方の接合部のみが加熱されるように触媒層45が配置される。本実施形態では、各熱電変換材料層42,43の図中左側側面に触媒層45が接合形成されている。また、図9は、この触媒層45に対向する側面に臨む第1の熱電変換材料層42及び第2の熱電変換材料層43の端面の配列状態を示すものである。3段に積層された各基板41上の第1の熱電変換材料層42及び第2の熱電変換材料層43が、順次直列に接続されている。
作製したガスセンサ(熱電素子)の発生電圧を測定したところ、1%水素濃度の空気中での起電力は、1.89mVであった。なお、測定に使用したガスセンサにおいては、接続電極44は省略し、第1の熱電変換材料層42と第2の熱電変換材料層43とを直接接続した。
第1の実施形態のガスセンサの構成を一部分解して示す斜視図である。 第2の実施形態のガスセンサの作製プロセスを示す概略斜視図であり、(a)は基板、(b)は接続電極形成工程、(c)は熱電変換ユニット配列工程、(d)は樹脂による埋め込み工程、(e)は触媒層形成工程を示す。 第3の実施形態のガスセンサの構成を一部分解して示す斜視図である。 第3の実施形態のガスセンサにおける積層構造を示す概略断面図である。 第4の実施形態のガスセンサの作製プロセスを示す概略斜視図であり、(a)は基板、(b)は第1の熱電変換材料層積層工程、(c)は絶縁シート積層工程、(d)は第2の熱電変換材料層積層工程、(e)は絶縁シート積層工程、(f)は第1の熱電変換材料層積層工程、(g)は絶縁シート積層工程、(h)は第2の熱電変換材料層積層工程、(i)は基板積層工程、(j)は電極形成工程を示す。 積層ブロックに触媒層を形成するプロセスを示す概略斜視図であり、(a)は積層ブロック、(b)は削り出し工程、(c)は絶縁層形成工程、(d)は触媒層形成工程を示す。 第4の実施形態の熱電素子を直列に接続した状態を示す概略斜視図である。 第5の実施形態のガスセンサの構成を一部分解して示す斜視図である。 第5の実施形態のガスセンサにおける熱電変換材料層の配列状態を示す側面図である。
符号の説明
1,15,16,21,41 基板、2 第1の熱電変換ユニット、3 第2の熱電変換ユニット、4,14,44 接続電極、5,19,31,45 触媒層、11,23,42 第1の熱電変換材料層、12,25,43 第2の熱電変換材料層

Claims (12)

  1. 触媒層と、当該触媒層での発熱を電圧に変換する熱電変換素子とを有するガスセンサであって、
    前記熱電変換素子は、熱起電力を発生する一対の材料の組み合わせにより構成され、前記一対の材料の組み合わせが2以上存在し、これらが直列に接続されていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記一対の材料の組み合わせは、ゼーベック効果を有する組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記各材料は、それぞれ材料層として構成され、絶縁層を介して交互に積層形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  4. 前記各材料層は、端部において交互に電極層を介して電気的に接続され、直列接続されていることを特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
  5. 前記各材料層は、端部において交互に接するように積層され、直列接続されていることを特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
  6. 前記各材料は、それぞれ材料層として構成され、これら材料層が基板面内において交互に配列形成されるとともに、材料層が配列形成された基板が複数積層されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  7. 前記各材料層の一方の端面側に触媒層が配されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項記載のガスセンサ。
  8. 前記各材料は、チップ状のユニットとして構成され、基板上に交互に配列形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
  9. 前記チップ状のユニットが絶縁材料中に埋め込まれ、底面及び上面において交互に電気的に接続され、直列接続されていることを特徴とする請求項5記載のガスセンサ。
  10. 前記チップ状のユニットの上面側に絶縁層を介して触媒層が形成されていることを特徴とする請求項9記載のガスセンサ。
  11. 前記チップ状のユニットが絶縁材料中に埋め込まれ、各チップ状のユニットの上面が絶縁材料から露呈されるとともに、当該上面において触媒層によって交互に電気的に接続されていることを特徴とする請求項8記載のガスセンサ。
  12. 前記触媒層は、多孔形状とされていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005183795A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Eko Instruments Trading Co Ltd 熱電堆パターンを備える気体センサ
US8646310B2 (en) 2010-10-13 2014-02-11 Panasonic Corporation Method for detecting a gas contained in a fluid with use of a gas sensor

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