JP2005098681A - 自由浮動スワーラを有するガスタービンエンジンの燃焼器ドーム組立体 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明は、ドームプレートと内側及び外側カウルとの間で所定位置に保持された複数の自由浮動スワーラを有する燃焼器ドーム組立体を提供する。
【解決手段】 ガスタービンエンジン用の燃焼器ドーム組立体（１０）は、各隣接する開口（３６）間に半径方向セクション（３７）が形成された環状のドームプレート（２０）と、ドームプレートの外側部分（３２）に結合された環状の外側カウル（３８）と、ドームプレートの内側部分（３０）に結合された環状の内側カウル（４４）と、ドームプレート内の開口（３６）と整列した状態で該ドームプレートの前面（３４）と内側及び外側カウル（４４、３８）との間に設置されたスワーラ（２６）とを含む。各スワーラ（２６）は、前方及び後方部分（５０，５２）を含み、スワーラの上流に設置されたタブ部分材（５４／５８、５６／６０）によって半径方向及び軸方向に移動するように保持される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、総括的にはガスタービンエンジン用の燃焼器ドーム組立体に関し、具体的には、各スワーラが燃料ノズルを受けることができかつ該燃料ノズルと共に半径方向及び軸方向に移動可能なように、ドームプレートと内側及び外側カウルとの間で所定位置に保持された複数の自由浮動スワーラを有する燃焼器ドーム組立体に関する。

内側及び外側ライナと共にドーム部分が、燃焼室の境界を形成する働きをすることは、ガスタービンエンジンの燃焼器技術においては良く知られている。燃料及び空気の混合気が、このような燃焼室内で点火され燃焼されて、その生成物が、タービンのブレードと相互作用して１つ又はそれ以上のシャフトを通る仕事を生成することができるようになっている。環状の燃焼器ドームはまた、燃料／空気混合気が所望の状態で燃焼室に供給されるような円周方向に沿った方法で複数のミキサを配置する働きをする。

ガスタービン燃焼器は一般的に、燃焼器内への空気漏れを防止しかつさらに燃焼器、燃焼ケーシング及び燃料ノズルの熱膨張を許すような浮動フェルール又は主スワーラを必要とする。多くの場合、この要件は、二次スワーラ又はパッドをドーム内にろう付けしかつ浮動フェルール又は主スワーラを所定位置に保持する溶接リテーナを使用することによって達成されてきた。このような構成部品の配置は燃焼器性能及び機能にとって重要であることが分かるであろう。このような構成の実例が、特許文献１及び特許文献２に開示されている。

典型的な燃焼器構成は、めがねプレート構造を強化するための特徴形状（例えば、リブ、冷却孔などの追加）を組み入れるための適当なスペースをスワーラカップ間に有しているが、現行の燃焼器設計では、エミッションを最小にするためにリーン（希薄混合気）で作動させるような一部の形状制約条件が持ち込まれるようになってきた。特許文献３に開示されているように、１つの具体的な燃料／空気ミキサ構成は、その中にパイロットミキサを含んだ燃料ノズルを備える。次ぎに燃料ノズルは、主ミキサの内部に設置される。従って、燃料ノズルと該燃料ノズルに組み合わされた対応するスワーラ組立体との大きさが、以前に用いていたものより著しく増大し、それによって隣接するスワーラカップ間の距離が減少している。より大きな直径を有する環状のドームプレートを用いることは、エンジンの重量を増大させ、また該環状のドームプレートと接合する構成部品の変更を必要とすることになる。従って、ドームプレート内の開口を拡大し、それによって隣接する開口間の円周方向の距離を小さくするようになってきた。
特開２００２−０７１１３４号公報 米国特許第６，３１４，７３９号公報 特開２００２−１１５８４７号公報

従って、上述のことに照らして、隣接するスワーラカップ間の最小の間隔に適応する燃焼器ドーム組立体が開発されることが望ましいと思われる。また、その目的とする機能を維持しながら、そのような燃焼器ドーム組立体を簡素化しかつ必要な構成部品の数量を削減することも望ましいと言える。生産性、保守容易性及び実用性の領域での改善も同様に望まれる。

本発明の第1の例示的な実施形態では、燃焼器ドーム組立体を通って延びる縦方向中心軸線を有するようなガスタービンエンジン用の燃焼器ドーム組立体を開示する。本燃焼器組立体は、内側部分と外側部分と前面とその中に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された開口とを有し、各隣接する開口間に半径方向セクションが形成された環状のドームプレートと、ドームプレートの外側部分に結合された環状の外側カウルと、ドームプレートの内側部分に結合された環状の内側カウルと、ドームプレート内の開口の各々とほぼ整列した状態で該ドームプレートの前面と内側及び外側カウルとの間に設置されたスワーラとを含む。各スワーラはさらに、前方部分及び後方部分を含み、該スワーラの上流に設置された少なくとも１つのタブ部材によって半径方向及び軸方向に移動可能なように保持される。

本発明の第２の例示的な実施形態では、ドームプレートを通る縦方向中心軸線を有し、内側部分と外側部分と前面とその中に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された開口とを有する環状のドームプレートを含むガスタービンエンジン燃焼器用の環状のカウルを開示する。本カウルは、ドームプレートの内側及び外側部分の１つに結合された下流端部と、ドームプレートの前面の上流に配置された上流端部と、上流端部の内面から延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたタブ部材とを含む。タブ部材は、カウルとドームプレートとの間で、該ドームプレート内の開口の１つとほぼ整列した状態に維持しながら自由浮動した状態で対応するスワーラを保持する働きをする。

図面においては図全体を通して同一の符号は同じ要素を示しているが、ここでその図面を詳細に参照すると、図１は、それを通して延びる縦方向中心軸線１２を有する例示的なガスタービンエンジン燃焼器１０を示す。燃焼器１０は、外側ライナ１６と内側ライナ１８とそれらライナの上流端部に設置されたドームプレート２０とにより画成された燃焼室１４を含む。複数の燃料／空気ミキサ２２が、燃料及び空気の混合気を燃焼室１４内に導入するようにドームプレート２０内に円周方向に間隔を置いて配置され、該燃焼室内において混合気は点火器（図示せず）によって点火されて燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスを使用して燃焼室の下流の１つ又はそれ以上のタービンを駆動することが分かるであろう。より具体的には、各空気／燃料ミキサ２２は、燃料ノズル２４、スワーラ２６及びデフレクタプレート２８を含むのが好ましい。

より具体的には、ドームプレート２０は、構成が環状でありかつ内側部分３０と外側部分３２と前面３４とその中に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された開口３６（図５参照）とを含むことが分かるであろう。従って、ドームプレート２０内で各隣接する開口３６間に、半径方向のセクション３７が形成される。環状の外側カウル３８は、複数の継手４０（例えば、ボルト及びナット）によって、下流端部３９においてドームプレート２０の外側部分３２に固定されると共に外側ライナ１６にも固定されるのが好ましい。同様に、環状の内側カウル４４は、複数の継手４６（ボルト及びナット）によって、下流端部４５においてドームプレート２０の内側部分３０に固定されると共に内側ライナ１８にも固定されるのが好ましい。

各スワーラ２６は、ドームプレート２０内の開口３６とほぼ整列した状態になるように、ドームプレート２０の前面３４とそれぞれ外側及び内側カウル３８及び４４の上流端部４７及び４９との間に設置される。さらに、各スワーラ２６は、前方部分５０及び後方部分５２を含むのが好ましい。スワーラ２６は、空気／燃料ミキサ２２のいかなる他の構成部品に対しても固定又は取付けられておらず、各開口３６を通る中心軸線５３に対して半径方向及び軸方向の両方向に自由に浮動することが可能になっていることを理解されたい。各スワーラ２６は、中心軸線５３に対してほぼ半径方向に旋回流を生じるように配向された羽根４８をその中に含むのが好ましい。

しかしながら、スワーラ２６は、ドームプレート２０とカウル上流端部４７及び４９との間で所定位置に、燃料ノズル２４を望ましくはその中に受けることができるように保持されるのが望ましい。従って、少なくとも１つのタブ部材が、各スワーラの半径方向及び軸方向の移動を所定量に制限するように、各スワーラ２６の上流に設けられる。好ましくは第１のタブ部材５４及び第２のタブ部材５６が、それぞれほぼ半径方向外側位置及び半径方向内側位置で各スワーラ２６の上流に設置されることに注目されたい。図１〜図４で分かるように、第１のタブ部材５４は、外側カウル３８の面３５に組み合わされるのが好ましい。同様に、第２のタブ部材５６は、内側カウル４４の面４３に組み合わされるのが好ましい。このような場合には、第１及び第２のタブ部材５４及び５６は、それぞれのカウルに取付けられる（例えば、ろう付けなどにより）か、及び／又はそれぞれのカウルと一体形に形成される（鍛造及び機械加工工程によって）ことができる。タブ部材５４及び５６の存在とその間の間隔が、それぞれカウル３８及び４４を離調するように機能し、それによって該カウル３８及び４４の振動マージンを改善することを理解されたい。

図２及び図３で最も良く分かるように、第１のタブ部材５４及び第２のタブ部材５６は、スワーラ前方部分５０による半径方向の膨張及び移動の所定量を該スワーラ前方部分との間で吸収するようになっている、それぞれ該タブ部材に組み合わされた軸方向面６２及び６４を含むのが好ましい。第１及び第２のタブ部材５４及び５６はまた、スワーラ２６による軸方向の膨張及び移動を吸収するようになっている、それぞれ該タブに組み合わされかつドームプレート前面から所定量だけ間隔を置いて配置された半径方向面６６及び６８を含むのが好ましい。軸方向の移動量は、スワーラ２６が該スワーラのそれぞれのドームプレート開口３６と非整列になる位置においてそれ自体がつかえて動けなくなるのを防止する範囲に限定されることを理解されたい。この点に関しては、スワーラ前方部分５０が、第1及び第2のタブ５４及び５６の軸方向面６２及び６４間で移動しかつ半径方向面６６及び６８と相互接触する半径方向フランジ７０を含むのが好ましいことが分かるであろう。スワーラ前方部分５０はまた、その内面７３内に燃料ノズル２４を受ける軸方向セクション７２を含むのが好ましい。

別の実施形態では、図６に示すように、コネクタ４０によって別個のタブ部材５８をドームプレート外側部分３２、外側ライナ１６及び外側カウル下流端部３９に結合することができる。同様に、コネクタ４６によってタブ部材６０をドームプレート内側部分３０、内側ライナ１８及び内側カウル下流端部４５に結合することができる。タブ部材５８及び６０は各々、タブ部材５４及び５６に関して上述したのと同様に機能する、それぞれ半径方向面６３及び６５と共に軸方向面５９及び６１を含むのが好ましい。

スワーラ後方部分５２は、ドームプレート前面３４のボス部分７５に沿って半径方向に摺動可能なフランジ７４を含むのが好ましい。リップ７６が、フランジ７４に結合され、好ましくは該リップが中心軸線５３にほぼ平行になるようにフランジ７４に対してほぼ垂直に配向される。リップ７６はドームプレート前面３４の後方に延びて、該リップがデフレクタプレート２８と相互接触してスワーラ後方部分５２の半径方向の移動を制限するようになっている。

燃料ノズル２４は、特開２００２−１１５８４７号公報に開示されている種類のものであることが好ましく、この米国特許の開示内容は参考文献として本明細書に組み入れられる。燃料ノズル２４は、標準的な燃料ノズルよりも大きく、従ってドームプレート２０内にはより大きい開口を必要とすることが分かるであろう。自由浮動スワーラ２６の１つの特徴は、ガスタービンエンジンの運転中に燃料ノズル２４と共に移動できることであることを理解されたい。さらに、スワーラ２６は、燃料ノズル２４をその中に挿入するときに調整可能である。この点に関して、タブ部分材５４及び５６は、燃料ノズル２４との間で適当な間隔を形成するように構成される。

他の利点もまた、本発明の燃焼器ドーム組立体に関連している。例えば、各スワーラにおけるろう付け及び溶接工程が排除されるので、燃焼器ドーム組立体の生産性が向上する。さらに、デフレクタプレート２８をドームプレート２０に結合するろう付け継手の点検が、一層確実になる。燃焼器ドーム組立体内の構成部品の数が減少するので、スワーラ２６の保守性が向上する。スワーラ２６は、それぞれコネクタ４０又は４６においてカウル３８又は４４の１つのボルト止めを外すことによって簡単に取外すことができるので、保守などを行うために必要な時間と労力が削減される。

本発明の好ましい実施形態を示しかつ説明してきたが、燃焼器及びそのドームのさらなる改造は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく当業者による適当な変更によって達成することができる。なお、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。

本発明の燃焼器ドーム組立体を含むガスタービンエンジン燃焼器の断面図。 図１に示す燃焼器ドーム組立体の部分拡大断面図。 図１及び図２に示す燃焼器ドーム組立体の内側及び外側カウルの部分拡大後面図。 図１及び図２に示す燃焼器ドーム組立体のスワーラ並びに内側及び外側カウルの部分拡大後面図。 図１及び図２に示す燃焼器ドーム組立体用のドームプレートの部分拡大後面図。 本発明の燃焼器ドーム組立体に対する別の実施形態の部分拡大断面図。

符号の説明

１０ 燃焼器ドーム組立体
１４ 燃焼室
１６ 外側ライナ
１８ 内側ライナ
２０ ドームプレート
２２ 燃料／空気ミキサ
２４ 燃料ノズル
２６ スワーラ
２８ デフレクタプレート
３０ ドームプレート内側部分
３２ ドームプレート外側部分
３４ ドームプレート前面
３６ 開口
３８ 外側カウル
４４ 内側カウル
５０ スワーラ前方部分
５２ スワーラ後方部分
５３ 中心軸線
５４ 第１のタブ部材
５６ 第２のタブ部材
６２ 第１のタブ部材の軸方向面
６４ 第２のタブ部材の軸方向面
６６ 第１のタブ部材の半径方向面
６８ 第２のタブ部材の半径方向面

Claims (10)

1. 縦方向中心軸線（１２）を有するガスタービンエンジン用の燃焼器ドーム組立体（１０）であって、
   （ａ）内側部分（３０）と外側部分（３２）と前面（３４）とその中に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された開口（３６）とを有し、各隣接する開口（３６）間に半径方向セクション（３７）が形成された環状のドームプレート（２０）と、
   （ｂ）前記ドームプレート（２０）の外側部分（３２）に結合された環状の外側カウル（３８）と、
   （ｃ）前記ドームプレート（２０）の内側部分（３０）に結合された環状の内側カウル（４４）と、
   （ｄ）前方部分（５０）及び後方部分（５２）を含み、前記ドームプレート（２０）内の開口（３６）の各々とほぼ整列した状態で前記ドームプレート（２０）の前面（３４）と前記内側及び外側カウル（４４、３８）との間に設置されたスワーラ（２６）と、を含み、
   各前記スワーラ（２６）が、半径方向及び軸方向に移動可能な状態で保持されている、
   燃焼器ドーム組立体（１０）。
2. 各前記スワーラ（２６）の上流に設置されて、該スワーラ（２６）を前記ドームプレート（２０）に対して保持するようになった少なくとも１つのタブ（５４／５８、５６／６０）をさらに含む、請求項１記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
3. 各前記スワーラ（２６）の上流に設置されて、該スワーラ（２６）を前記ドームプレート（２０）に対して保持するようになった第１のタブ（５４／５８）及び第２のタブ（５６／６０）をさらに含む、請求項１記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
4. 前記第１のタブ（５４／５８）が前記外側カウル（３８）に結合され、また前記第２のタブ（５６／６０）が前記内側カウル（４４）に結合されている、請求項３記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
5. 前記第１及び第２のタブ（５４／５８、５６／６０）が各々、各前記スワーラ前方部分（５０）による半径方向の膨張及び移動の所定量を該スワーラ前方部分との間で吸収するようになっている、該タブに組み合わされた軸方向面（６２／５９、６４／６１）を含む、請求項３記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
6. 前記第１及び第２のタブ（５４／５８、５６／６０）が各々、各前記スワーラ（２６）による軸方向の膨張及び移動の所定量を吸収するようになっている、該タブに組み合わされかつ前記ドームプレート前面（３４）から間隔を置いて配置された半径方向面（６６／６３、６８／６５）を含む、請求項３記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
7. 前記スワーラ後方部分（５２）が、前記ドームプレート（２０）の前面（３４）に沿って半径方向に移動するフランジ（７４）を含む、請求項１記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
8. 前記スワーラ前方部分（５０）が、前記第１及び第２のタブ（５４／５８、５６／６０）間で移動する半径方向セクション（７０）と燃料ノズル（２４）を受ける軸方向セクション（７２）とを含む、請求項３記載の燃焼器ドーム組立体（１０）。
9. 縦方向中心軸線（１２）を有し、内側部分（３０）と外側部分（３２）と前面（３４）とその中に形成された複数の円周方向に間隔を置いて配置された開口（３６）とを有する環状のドームプレート（２０）を含むガスタービンエンジン燃焼器（１０）用の環状のカウル（４４／３８）であって、
   （ａ）前記ドームプレート（２０）の内側及び外側部分（３０／３２）の１つに結合された下流端部（４５／３９）と、
   （ｂ）前記ドームプレート（２０）の前面（３４）の上流に配置された上流端部（４９／４７）と、
   （ｃ）前記上流端部（４９／４７）の内面（４３／３５）から延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたタブ部材（５６／５４）と、を含み、
   前記タブ部材（５６／５４）が、前記カウル（４４／３８）と前記ドームプレート（２０）との間で、該ドームプレート（２０）内の開口（３６）の１つとほぼ整列した状態に維持しながら自由浮動した状態で対応するスワーラ（４６）を保持する働きをする、
   カウル（４４／３８）。
10. 各前記タブ部材（５６／５４）が、
    （ａ）前記スワーラ（２６）の半径方向の膨張及び移動を制限する働きをする軸方向面（６４／６２）と、
    （ｂ）前記ドームプレート前面（３４）から所定量だけ間隔を置いて配置され、前記スワーラ（２６）の軸方向の膨張及び移動を制限する働きをする半径方向面（６８／６６）と、をさらに含む、
    請求項９記載のカウル（４４／３８）。

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