JP2005097753A - 繊維シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静電紡糸法によって製造された、取扱いに優れた強度を持つ繊維シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の繊維シートの製造方法は、静電紡糸法により繊維集合体を形成した後、前記繊維集合体を一方向に延伸処理する方法である。前記延伸温度は、{(繊維のガラス転移温度)−30}℃〜(繊維のガラス転移温度)℃の範囲内の温度下で実施するのが好ましい。また、延伸倍率は2倍以上であるのが好ましい。更に、繊維シートは目付が20g/m2以下という、軽量かつ薄くても、機械的強度に優れている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の繊維シートの製造方法は、静電紡糸法により繊維集合体を形成した後、前記繊維集合体を一方向に延伸処理する方法である。前記延伸温度は、{(繊維のガラス転移温度)−30}℃〜(繊維のガラス転移温度)℃の範囲内の温度下で実施するのが好ましい。また、延伸倍率は2倍以上であるのが好ましい。更に、繊維シートは目付が20g/m2以下という、軽量かつ薄くても、機械的強度に優れている。
【選択図】 図1
Description
本発明は静電紡糸法による繊維シートの製造方法に係り、より具体的には静電紡糸工程後の繊維集合体を一方向に延伸処理することにより、一方向に繊維が再配向した繊維シートの製造方法に関する。
微細繊維の集合体からなる繊維シートは、液体フィルタ、医療用組織培養支持体、燃料電池の電解質膜支持体、リチウム二次電池やリチウム金属二次電池のセパレータあるいは電解質膜支持体などの用途に用いることができ、更に繊維組成によっては繊維シートを炭化あるいは黒鉛化することにより電極材料、水素などのエネルギー貯蔵用媒体などの素材にも応用することができる。
このような微細繊維の集合体からなる繊維シートを提供できる技術として静電紡糸方法がある。静電紡糸工程は、ポリマー溶液、ポリマー溶融物等の様々な種類のポリマーに適用が可能であり、数nmの直径を有する微細繊維の製造も可能である。このような微細繊維の集合体からなる繊維シートは、既存の繊維シートと比べて比表面積が高く、均一で小さい空孔径を有しているため、従来の繊維シートでは得られにくい物性を提供することができる。
基本的な静電紡糸工程によるポリマー溶液を使用した微細繊維集合体からなる繊維シートの製造工程は、紡糸溶液を微細な孔から押し出しながら同時に電界を作用させることにより、紡糸溶液に静電荷が蓄積され、一定距離離れて位置する捕集体側の電極によって電気的に引張られるのと同時に溶媒の揮発によるポリマーの固化により、捕集体表面に微細な繊維状として集積される。
より具体的には、静電紡糸方法として、例えば、(1)電荷誘導紡糸法とエアーヴォーテックススピニング(air vortex spinning)技術を結合することにより、4Åから1nmの繊維を製造する方法(例えば、特許文献1)、(2)電荷誘導紡糸工程によるセパレータ及び電解質膜の製造方法(例えば、特許文献2)、などが知られている。
しかしながら、このような方法で製造される微細繊維集合体からなる繊維シートは、均一な電荷によって紡糸されるため、紡糸された微細繊維はほとんど配向性を持たない。そのため、捕集体表面に集積された微細繊維集合体から連続して繊維シートを製造しようとしても、強度が弱いために繊維シートとしての取扱いが困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、静電紡糸法によって製造された、取扱いに優れた強度を持つ繊維シートの製造方法を提供するものである。
請求項1に係る発明は、「静電紡糸法により繊維集合体を形成した後、前記繊維集合体を一方向に延伸処理する繊維シートの製造方法」である。このように静電紡糸法により繊維集合体を形成した後に、一方向に延伸処理することにより繊維が延伸された方向に再配向させることができるので、軽く薄い繊維シートであっても単位断面積当たりの破断強度が向上し、取扱いに優れた繊維シートを製造することができる。
請求項2に係る発明は、「延伸処理を{(繊維のガラス転移温度)−30}℃〜(繊維のガラス転移温度)℃の範囲内の温度下で実施することを特徴とする、請求項1に記載の繊維シートの製造方法」である。この温度範囲で延伸処理を行うことにより繊維径を変化させることなく、一方向に再配向した繊維シートを製造することができる。
請求項3に係る発明は、「延伸処理における延伸倍率が2倍以上であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の繊維シートの製造方法」である。このように延伸処理における延伸倍率が2倍以上であるので、より一方向に配向する繊維の比率が多くなるため、取扱い強度に優れた繊維シートを製造することができる。
請求項4に係る発明は、「繊維シートの目付が20g/m2以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維シートの製造方法」である。このように繊維シートの目付が20g/m2以下であるので、軽量かつ薄くても機械的強度に優れた繊維シートを製造することができる。
本発明によると、静電紡糸法により形成した繊維集合体を一方向に延伸処理することにより、延伸方向に繊維が再配向するため、薄く軽量でも機械的強度に優れた繊維シートを製造することができるものである。本製造方法で製造された繊維シートは、フィルタ、医療用組織培養支持体、燃料電池用電解質膜支持体、アルカリ系二次電池あるいは非水系二次電池のセパレータなどの様々な産業分野に応用が可能である。
本発明の繊維シートの製造方法は、一般的に静電紡糸法により形成した無配向の繊維集合体を一方向に延伸処理することで、前記繊維集合体を構成する繊維を一方向に再配向させることができるので、単位断面積当たりの引張強度に優れた薄く軽量な繊維シートを製造することが可能である。
本発明における静電紡糸法により形成した繊維集合体を一方向に延伸処理する繊維シートの製造方法は、例えば、(1)高分子を含む紡糸溶液をノズルから押し出すとともに、押し出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化する工程、(2)前記繊維化した繊維を捕集体上に集積させて繊維集合体を形成する集積工程、(3)前記繊維集合体を一方向に延伸処理して繊維を延伸方向に再配向させる延伸工程、により製造することができる。
より具体的には、まず、紡糸溶液を用意する。この紡糸溶液に用いられる高分子は、溶融または揮発性の溶媒に溶解可能な高分子であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンサルファイド、ポリビニルアルコール、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマーなどを挙げることができ、これらを単独もしくは2種類以上の混合物で用いることができる。さらに、前記高分子に有機もしくは無機粉体を1種類以上混合して用いることも可能である。
また、紡糸溶液に用いられる溶媒は、揮発性溶媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、クロロホルム、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、トリクロロエタン、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネートなどを挙げることができ、これらを単独もしくは2種類以上の混合溶媒として使用することができる。
なお、紡糸溶液として、上述のような高分子の溶融物を使用することもできる。
次いで、紡糸溶液をノズルへ供給し、ノズルから押し出すとともに、押し出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化する。この紡糸溶液の押し出し方向は特に限定するものではないが、紡糸溶液の滴下が生じにくいように、ノズルからの押し出し方向と重力の作用方向とが一致しないのが好ましい。特には、重力の作用方向と反対方向又は重力の作用方向と直角方向に紡糸溶液を押し出すのが好ましい。
この紡糸溶液を押し出すノズルの直径(内径)は、特に限定するものではないが、軽量で薄く緻密な繊維シートを製造する場合には、紡糸される繊維の繊維径を1μm以下とすることが好ましいので、ノズルの直径は0.1〜2mm程度であるのが好ましい。
また、ノズルは金属製であっても、非金属製であっても良い。ノズルが金属製であればノズルを一方の電極として使用することができ、ノズルが非金属製である場合には、ノズルの内部に電極を設置することにより、押し出した紡糸溶液に電界を作用させることができる。
このようなノズルから紡糸溶液を押し出し、押し出した紡糸溶液に電界を作用させることにより繊維化する。この電界は、所望繊維径、ノズルと繊維を集積する捕集体との距離、紡糸溶液の溶媒、紡糸溶液の粘度などによって変化するため、特に限定するものではないが、0.2〜5kv/cmであるのが好ましい。印加する電界が大きければ、その電界値の増加に応じて繊維径が細くなる傾向があるが、5kv/cmを超えると、空気の絶縁破壊が生じやすいので好ましくない。また、0.2kv/cm未満になると、繊維形状になりにくい。
前述のように押し出した紡糸溶液に電界を作用させることにより、紡糸溶液に静電荷が蓄積され、捕集体側の電極によって電気的に引張られ、引き伸ばされて繊維化する。電気的に引き伸ばしているため、繊維が捕集体に近づくにしたがって、電界により繊維の速度が加速され、繊維径のより小さい繊維となる。また、紡糸溶液が高分子を溶媒に溶解させたものである場合には、溶媒の蒸発によって細くなり、静電気密度が高まり、その電気的反発力によって分裂し、更に繊維径の小さい繊維になると考えている。
このような電界は、例えば、ノズル(金属製ノズルの場合にはノズル自体、ガラスや樹脂などの非金属製ノズルの場合にはノズルの内部の電極)と捕集体との間に電位差を設けることによって、作用させることができる。例えば、ノズルに電圧を印加するとともに捕集体をアースすることによって電位差を設けることができるし、逆に、捕集体に電圧を印加するとともにノズルをアースすることによって電位差を設けることもできる。なお、電圧を印加する装置は特に限定されるものではないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。また、印加電圧は前述のような電界強度とすることができるのであれば良く、特に限定するものではないが、5〜50KV程度であるのが好ましい。
なお、印加する電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良い。しかしながら、電圧印加時のコロナ放電を抑制しやすいように、捕集体側の対向電極を接地し、ノズル側をプラスに印加して、ノズル側をプラス電位になるようにするのが好ましい。
次いで、(2)前記繊維化した繊維を捕集体上に集積させて繊維集合体を形成する集積工程を実施する。この集積工程で使用する捕集体は、繊維を捕集できるものであれば良く特に限定されるものではないが、例えば、不織布、織物、編物、ネット、平板、ドラム、あるいはベルト形状を有する、金属製や炭素などからなる導電性材料、有機高分子などからなる非導電性材料を使用できる。また、場合によっては水や有機溶媒などの液体を捕集体として使用できる。
前述のように捕集体を他方の電極として使用する場合には、捕集体は体積抵抗が109Ω以下の導電性材料(例えば、金属製)からなるのが好ましい。一方、ノズル側から見て、捕集体よりも後方に対向電極として導電性材料を配置する場合には、捕集体は必ずしも導電性材料である必要はない。後者のように、捕集体よりも後方に対向電極を配置する場合、捕集体と対向電極とは接触していても良いし、離間していても良い。
次いで、(3)前記繊維集合体を一方向に延伸して繊維を延伸方向に再配向させる延伸工程を実施する。前記集積工程までに形成された繊維集合体の構造は、繊維同士が接してはいるものの融着や接着はしていないので、延伸処理により繊維集合体を構成する繊維を延伸方向に再配向させることができる。この再配向により形成された繊維シートは、一方向に繊維が引き揃えられた構造となるので、延伸方向と直交する単位断面積当たりの繊維密度が高くなるため、延伸された方向への繊維シートの破断強度が向上する。
この延伸工程での延伸方向は、繊維集合体が捕集される捕集体の移動方向や、捕集体の移動方向と直交する方向など、特に限定するものではないが、延伸した繊維シートの巻回性の面から繊維集合体が捕集される捕集体の移動方向へ延伸するのが好ましい。
延伸方法は従来公知のフィルム等の延伸に用いられている一軸延伸法を用いることができる。具体的な延伸方法としては、例えば、ロール式延伸法、テンター式延伸法等を挙げることができ、その中でも均一な延伸を行えることからロール式延伸法が特に好ましい。
本発明の延伸工程における延伸温度は、{(繊維のガラス転移温度)−30}℃〜(繊維のガラス転移温度)℃の範囲内で実施するのが好ましい。この温度範囲内で延伸処理を行うことにより、繊維集合体の破断や繊維径の変化を発生させることなく、延伸処理を行うことができる。延伸温度が{(繊維のガラス転移温度)−30}℃未満の場合には、延伸斑を生じたり、延伸による破断が発生しやすくなる傾向があり、逆に(繊維のガラス転移温度)℃よりも高い場合には、繊維径が不均一に変化したり、繊維集合体の層間剥離が発生するなどして均一に延伸することができない傾向があるためである。延伸温度の範囲は上記温度範囲内ならば特に限定されるものではないが、{(繊維のガラス転移温度)−20}℃〜{(繊維のガラス転移温度)−10}℃の範囲で行うことがより好ましい。また、良好な延伸性を得るためには、延伸する前に加熱しておき、その余熱を利用するのが好ましく、余熱の温度範囲も上記延伸温度と同じ温度がより好ましい。
本発明における「ガラス転移温度」は、示差熱分析計(DTA)により測定されたDTA曲線におけるベースラインの接線とガラス転移による吸熱領域の急峻な下降位置の接線との交点にあたる温度のことをいう。
本発明の延伸処理による繊維シートの製造方法における延伸倍率は、2倍以上であるのが好ましい。延伸倍率が2倍未満であると、延伸による繊維の再配向が十分に発生せず、目的とする延伸方向の破断強度が得られない傾向があるためである。延伸倍率は2倍以上であれば特に限定されるものではないが、2.3倍以上がより好ましく、3倍以上がより好ましい。延伸倍率の上限は特に限定されるものではないが、繊維シートの裂けや破断を防止する面から5倍程度が適当である。なお、延伸倍率は、繊維シートの延伸後の長さ(L1)を延伸前の長さ(L)で除することで算出した値(L1/L)のことをいう。
この延伸工程における延伸速度は、特に限定するものではないが、10〜2000mm/minが好ましく、50〜1500mm/minが更に好ましく、100〜1000mm/minで行うのが最も好ましい。延伸速度が10mm/min未満であると繊維シートの生産性が悪くなる傾向があり、逆に2000mm/minを超えると、延伸により破断しやすくなる傾向があるためである。
なお、本発明の静電紡糸法により形成された繊維集合体を一方向に延伸処理する製造方法においては、繊維集合体を一旦製造した後、改めて延伸装置に繊維集合体を供給して行っても良いし、繊維集合体の形成工程と延伸工程を連続で行っても良い。
延伸工程後に、繊維シートを加圧する緻密化工程を実施するのが好ましい。この緻密化工程により、繊維シートの破断強度を更に向上させることができるためである。なお、繊維シートを加圧することに加えて加熱すると、より効率的に破断強度を高めることができるため好適である。なお、このような緻密化工程は、例えば、エンドレスベルトを用いた熱プレス又は熱カレンダーロール間を通過させることによって実施できる。この緻密化工程も加圧前に加熱し、その余熱を利用して実施することもできる。
本発明の製造方法による繊維シートの目付は、薄く軽量でも十分な破断強度を持つ繊維シートを提供できるように、20g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以下であることがより好ましい。目付の下限としては、静電紡糸された繊維集合体の取扱い性や延伸の均一性の面から、3g/m2程度が適当である。なお、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味する。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製、重量平均分子量150,000)に、N,N−ジメチルホルムアミドを加え、固形分濃度を10mass%とした紡糸溶液を調製した。
ポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製、重量平均分子量150,000)に、N,N−ジメチルホルムアミドを加え、固形分濃度を10mass%とした紡糸溶液を調製した。
また、シリンジにポリテトラフルオロエチレン製チューブを接続し、更に前記チューブの先端に、内径が0.6mmのステンレス製ノズルを取り付けて、紡糸装置とした。次いで、前記ノズルに高電圧電源を接続した。更に、前記ノズルと対向し、20cm離れた位置に、表面に導電フッ素加工を施したステンレス薄板を取り付けたドラム(捕集体、接地)を設置した。
次いで、前記紡糸溶液を前記シリンジに入れ、マイクロフィーダーを用いて、重力の作用方向と直角の方向へ押し出す(押し出し量:2.8g/時間)とともに、前記ドラムを一定速度(表面速度:2m/分)で回転させながら、前記高電圧電源からノズルに+13kVの電圧を印加して、押し出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化し、前記ドラムのステンレス薄板上に極細繊維を集積させて繊維集合体を形成した。なお、繊維集合体を形成する際に、前記ノズルはドラムの回転方向と直角方向に一定速度(移動速度:2cm/分)で往復揺動させた。また、極細繊維のガラス転移温度は168℃であった。
次に、繊維集合体を150℃に加熱された恒温槽中で、ロール式延伸機により、前記ドラムの回転方向に対して平行方向に延伸速度500mm/min、延伸倍率2.3倍で延伸処理を行うことにより、繊維シートを製造した。この繊維シートを構成する極細繊維は連続繊維であった。なお、この繊維シートの繊維配向を示す電子顕微鏡写真を図1に示す。また、この繊維シートの物性は表1に示すとおりであった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により繊維集合体を形成した。
実施例1と同様の方法により繊維集合体を形成した。
次に、繊維集合体を150℃に加熱された恒温槽中で、ロール式延伸機により、前記ドラムの回転方向に対して平行方向に延伸速度500mm/min、延伸倍率4.0倍で延伸処理を行うことにより、繊維シートを製造した。この繊維シートを構成する極細繊維は連続繊維であった。この繊維シートの物性は表1に示すとおりであった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により繊維集合体を形成し、繊維シートとした(延伸処理は行わなかった)。この繊維シートの繊維配向を示す電子顕微鏡写真を図2に示す。なお、この繊維シートの物性は表1に示すとおりであった。
実施例1と同様の方法により繊維集合体を形成し、繊維シートとした(延伸処理は行わなかった)。この繊維シートの繊維配向を示す電子顕微鏡写真を図2に示す。なお、この繊維シートの物性は表1に示すとおりであった。
(繊維シートの破断強度の測定)
実施例1〜2及び比較例1のそれぞれの繊維シートから、試験片(幅:15mm、長さ:200mm)を採取した後、JIS P−8113に規定された方法に準じて破断強度を測定した。この結果は表1に示す通りであった。なお、引張り強さが500kg/cm2以上あれば、機械的強度に優れており、例えば、繊維シートを巻き取ったりするときに問題なく取扱うことができる。
実施例1〜2及び比較例1のそれぞれの繊維シートから、試験片(幅:15mm、長さ:200mm)を採取した後、JIS P−8113に規定された方法に準じて破断強度を測定した。この結果は表1に示す通りであった。なお、引張り強さが500kg/cm2以上あれば、機械的強度に優れており、例えば、繊維シートを巻き取ったりするときに問題なく取扱うことができる。
この表1の結果から明らかなように、本発明の製造方法により製造した繊維シートは、単位断面積当たりの機械的強度に優れるため、薄く軽量でも取扱い性に優れた繊維シートを製造できることがわかった。
Claims (4)
- 静電紡糸法により繊維集合体を形成した後、前記繊維集合体を一方向に延伸処理することを特徴とする、繊維シートの製造方法。
- 延伸処理を{(繊維のガラス転移温度)−30}℃〜(繊維のガラス転移温度)℃の範囲内の温度下で実施することを特徴とする、請求項1に記載の繊維シートの製造方法。
- 延伸処理における延伸倍率が2倍以上であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の繊維シートの製造方法。
- 繊維シートの目付が20g/m2以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維シートの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2008156766A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 不織布製造装置、不織布製造方法 |
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US9890498B2 (en) | 2012-07-31 | 2018-02-13 | Nippon Valqua Industries, Ltd. | Hydrophilic sheet and process for producing the same |
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