JP2005091950A - 光熱写真画像形成材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、写真性能において高い感度と低いカブリの優れた光熱写真画像形成材料を提供することにある。本発明の第2の目的は、現像前の保存性(生保存性)と現像後の保存性(画像保存性)に優れる光熱写真画像形成材料を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、下記一般式(1)で示される化合物(還元剤)を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
【化1】
Figure 2005091950

【選択図】 なし

Description

本発明は、熱現像により画像を形成する光熱写真画像形成材料に関するものであり、特に高い感度と低いカブリを得ることができ、保存性に優れた光熱写真画像形成材料に関するものである。
近年、医療や印刷の分野で環境保護や作業性の面から湿式処理に伴う廃液の出ない光熱写真材料が強く望まれており、特に熱現像により、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。これらの光熱写真材料は通常、80℃以上の温度で現像が行われるので、光熱写真画像形成材料と呼ばれている。
従来からこのタイプの光熱写真画像形成材料は、色素で分光増感された高感度の感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩及び還元剤を含む感光層と、該感光層に向けて照射した光が吸収されずに通過して支持体の界面や中間層や接着層等で乱反射するのを防ぐイラジエーション防止層(AI層)或いは必要に応じて支持体の反対側に設けるバッキング層(BC層)から構成され、更には感光層の上やBC層の上に取り扱い時の傷の付くのを防ぐための保護層が設けられている。
一般に光熱写真画像形成材料は、露光後加熱現像のみで画像を出すので処理が簡単であるが、定着工程がないので現像後の画像の保存性を向上させることが重要となっている。現像後の保存性向上のためには、できるだけ高温度で現像して鮮明な画像が出るようにするのがよいのであるが、あまり高温にするとカブリが出易くなり、感度が低下する。そこで120℃±10℃付近の温度で一般的には現像される。カブリを下げるためにメルカプト化合物を使用することが、例えば、特開2000−19681号公報(特許文献1)に開示されている。しかし、メルカプト化合物ではカブリ抑制の効果が少なく、高い感度が得にくく保存性も向上させるのに限度があった。現像処理後の読影時シャウカステン暴露による焼き出し銀の抑制に使用されるポリハロメタン化合物はカブリ抑制と生保存性に有効で、例えば、特開平9−319022号公報(特許文献2)に開示されているが、使用量が多いと感度が低下するため限度があった。保存性の向上ために、結合剤の架橋剤として知られる化合物を使用する試みもされているが充分ではなかった。還元剤は、特開2003−98618号公報(特許文献3)に開示されているようにカブリ、感度及び保存性等の改良によいとされているが充分ではなかった。
特開2000−19681号公報1頁〜20頁 特開平9−319022号公報1頁〜22頁 特開2003−98618号公報1頁〜6頁
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、写真性能において高い感度と低いカブリの優れた光熱写真画像形成材料を提供することにある。本発明の第2の目的は、現像前の保存性(生保存性と略す)と現像後の保存性(画像保存性と略す)に優れる光熱写真画像形成材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、下記一般式(1)で示される化合物(還元剤)を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
Figure 2005091950
(式中、RHは水素結合促進基を含む基を表し、R1〜R8は各々、水素原子又は置換基を表す。)
(請求項2)
前記水素結合促進基が尿素残基、アミド基又は燐酸残基であることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項3)
前記水素結合促進基がアデニン残基、チミン残基、グアニン残基又はシトシン残基であることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項4)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中にフタラジン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項5)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中にポリハロメタン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項6)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中にイソシアナート基又はビニルスルホン基を有する化合物を添加し架橋したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
本発明によれば、写真性能において高い感度と低いカブリの優れた光熱写真画像形成材料を提供することができる。また、現像前の保存性(生保存性と略す)と現像後の保存性(画像保存性と略す)に優れる光熱写真画像形成材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の光熱写真画像形成材料は、通常、支持体上に少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設けた少なくとも2層以上の層構成からなり、必要に応じて感光層の反対側に設けられるBC層、その保護層等が含まれることが好ましい。上記光熱写真画像形成材料の感光層中には、分光増感色素で増感されてもよい感光性ハロゲン化銀粒子が含まれ、さらに該感光層又はその隣接層には銀源となる有機銀塩、銀塩を現像して銀画像を形成するための還元剤が含有され、本発明の一般式(1)で示される化合物が含有される。上記の光熱写真画像形成材料において必要によりイラジエーション防止用又はハレーション防止用の染料を含有するAI層又はBC層が設けられることが好ましい。
以下、本発明の光熱写真画像形成材料に含有される一般式(1)で示される化合物、フタラジン化合物、ポリハロメタン化合物、架橋剤について順次説明する。架橋剤の説明の中でカブリ抑制や保存性に効果のあるビニルスルホニル基及びイソシアナート基を有す化合物について説明する。なお、上記光熱写真画像形成材料の感光層に含有される感光性ハロゲン化銀粒子、感光層又はその隣接層に含有される有機銀塩、一般式(1)で示される化合物、感光層又はその隣接層に含有される高分子結合剤等について更に順次後述する。
(一般式(1)で示される化合物)
前記一般式(1)で示される化合物(還元剤)は、感光層中にハロゲン化銀と共存しても、常温での酸化還元反応が起き難く、現像条件の温度で酸化還元反応が容易に進み、カブリが少なく、保存性が優れている。
一般式(1)中、RHは水素結合促進基を含む基を表し、R1〜R8は各々、水素原子又は置換基を表す。
H中に含まれる水素結合促進基は、本発明の一般式(1)で示す化合物が分子間で該水素結合促進基により自己組織化を行い該化合物が複数集合するようにさせることにより、室温におけるハロゲン化銀を現像する作用(カブリの生成)を抑制するものと推定される。
光熱写真画像形成材料は、前述したように感光層中に還元され易いハロゲン化銀粒子と還元剤が共存しているのでカブリを生成し易いため、保存中に反応を抑止することが求められている。還元剤としてのヒンダードフェノールは、通常の状態では、均一に分散した粒子として添加されている。
一方、本発明においては、RHの中に含まれる水素結合促進基が分子間の水素結合を促進して複数の分子集合を形成し、即ち、自己組織化を行い、室温下での還元反応(カブリの発生)を好適に抑制し、熱現像時では水素結合性が緩和されて還元反応が適切に進む(十分な濃度の画像が得られる)ことにより、保存性を向上させることを達成し得たものである。
水素結合促進基として、遺伝子の中のデオキシリボ核酸(DNAと言われ、分子の構成単位は燐酸、リボース及び以下のA,T,G,Cの4つの化合物の何れかの1つが含まれている。)の中の構成塩基である、アデニン(A)はチミン(T)と、グアニン(G)はシトシン(C)と水素結合して螺旋上に分子を形成していることは公知である。本発明においては、これら上記の水素結合促進基を一般式(1)で示される化合物に導入することができる。この場合、上記の水素結合促進基を導入された一般式(1)で示される化合物同士が互いに、(A)と(T)、及び、(G)と(C)、の何れかの組み合わせで水素結合を形成できるように考慮して、水素結合促進基導入し、また、水素結合促進基を導入された一般式(1)で示される化合物を(組み合わせる等して)使用することが好ましい。例えば、分子中に(A)の基を導入したものと、(C)の基を導入したものを等モル量ずつ使用することも好ましい。
また、水素結合促進基として、上記デオキシリボ核酸(DNA)の中の構成塩基以外に、一般式(1)で示される化合物の主鎖への導入基として、尿素残基(例えば、−HNCONH−、−HNCONCH3−等)、アミド基(−NHCO−、−CONH−等)、燐酸残基(−O−P(=O)(−OH)−O−)、糖残基(例えば、リボース基、グルコース基及びマンノース基等の残基)等が挙げられ、また、一般式(1)で示される化合物の側鎖又は末端導入基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。
Hとしては、炭素数6〜36の範囲の炭化水素基(主幹部分)であり該主幹部分の末端部分または途中部分に分子間水素結合を促進させる基が導入されているものが挙げられ、例えば、ポリメチレン基の途中または末端に分子間水素結合を促進させる基である尿素残基、アミド基、燐酸残基又は核酸塩基残基等が2つ以上導入されていることが好ましい。導入核酸塩基残基は同一であっても異なってもよい。特に好ましい主鎖に導入される水素結合促進基は、尿素残基、アミド基、燐酸残基である。ポリメチレン基の水素原子は、任意の置換基を導入されてもよく、置換されてもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等)、アルケニル基(ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等)芳香族基(フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フリル基等)、ハロゲン原子、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、アシル基(アセチル基、ベンゾイル基等)等が挙げられる。好ましいRHを下記に示す。
Figure 2005091950
A:アデニン
T:チミン
G:グアニン
C:シトシン
1〜R8で表される置換基としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよい炭素数1〜16のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリフロロメチル基等)、炭素数1〜16のアルケニル基(例えば、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基等)、炭化水素芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チオフェニル基、フリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等)等が挙げられる。特にそれぞれ独立にR1,R2,R7及びR8が炭素数1〜16のアルキルであり、R3,R4,R5及びR6が水素原子であることが好ましい。下記に一般式(1)で示される化合物の好ましい具体例を示す。
Figure 2005091950
Figure 2005091950
A:アデニン
T:チミン
G:グアニン
C:シトシン
上記化合物は、特開平8−225449号を参考にして合成することができる。上記化合物の使用量は、ハロゲン化銀1モルに対して1×10-8〜1×10-2モルの範囲で使用するのが好ましい。添加方法は、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソブチルアルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等)、芳香族有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)に溶解して添加しても良いし、微粒子にして分散添加してもよい。この場合は、ジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザー分散を行い、1μm以下の微粒子にして必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤を加えて水や有機溶媒に分散して添加することもできる。添加量は塗布液中に0.001質量%から60質量%の範囲で添加することが好ましく、0.01質量%から30質量%の範囲が特に好ましくこの範囲で適宜添加量を調節して使用することができる。
(フタラジン化合物)
本発明に使用する好ましいフタラジン化合物は、現像促進作用を示すものであり、その機構は有機銀塩からの銀イオンを、フタラジン銀錯体を形成して物理現像核の銀粒子へ供給するキャリアーとして作用するもので、フタラジン環に各種置換基を導入して得ることができる。好ましいフタラジン化合物は下記一般式(2)で示すことができる。
Figure 2005091950
式中、置換基R2〜R7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基又はそれぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールスルホンアミド基、アリールスルフェニルアミノ基、アリール基若しくはヘテロ環基を表す。置換基の機能として拡散性を制御する基、吸着性基、酸性基等の基であってもよい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基の炭素数は、1〜60が好ましく、特に好ましくは、1〜40である。炭素数が40より多いとカブリ抑制、色調や保存性において良い効果が得られなくなる。これらの置換基は、一般式(1)の環上の置換基(R1〜R8)と同様な基でもよい。フタラジンの合成方法は、WO96/05176A号を参考に合成することができる。好ましいフタラジン化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2005091950
(ポリハロメタン化合物)
本発明に使用するポリハロメタン化合物は、光カブリの抑制剤として使用され、その機構は、熱と光によりハロラジカルを生成して、ハロゲン化銀粒子のカブリ核を漂白すると考えられ、できるだけ常温ではラジカル生成の解裂反応せず、熱や光の作用を受けたときに、カブリ核を漂白できるハロラジカルを生成するものが好ましい。この特性を引き出すには、トリハロメタン基の置換基の中に、ラジカルの安定機構を取り入れた分子構造を設計するのが好ましい。通常は1個の分子の中に、トリハロメタン基又はジハロメタン基を少なくとも1個有する化合物が好ましく、特に上記ハロメタン基がラジカルの安定性を制御する連結基を介して脂肪族基、炭化水素芳香族環基或いはヘテロ環基に結合しているものが好ましい。炭化水素芳香族環基やヘテロ環基は2価の連結基を介して更に芳香族環やヘテロ環に連結してもよい。炭化水素芳香族環基としてはフェニル基やナフタレン基が好ましく、これら環基の環上にハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基等)等を有してもよい。ヘテロ環基としては、例えば、ピリジン環基、ピリミジン環基、キノリン環基、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、トリアゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基等が挙げられ、これら環上には、上記炭化水素芳香族環基の環上への置換基と同様な置換基を有してもよい。また、炭化水素芳香族環やヘテロ環上には、耐拡散性を付与するための基やハロゲン化銀への吸着を促進する基を置換してもよい。トリハロメタン基又はジハロメタン基に隣接する基がスルホニル基やカルボニル基であることが好ましいが、直接炭化水素芳香族環やヘテロ環上に結合してもよく、結合の方式は限定されない。炭化水素芳香族環基やヘテロ環基は完全に又は部分的に還元された環基が特に好ましい。トリハロメタン基又はジハロメタン基のハロゲン原子としては、臭素原子が好ましいが、塩素、フッ素、沃素も用いることができ、これらの組み合わせで用いてもよい。好ましい構造を下記一般式(3)に示す。
Figure 2005091950
式中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子(例えば、臭素原子、塩素原子等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシ岸カルボニル基等)、スルフォニル基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)又はアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)を表すが、少なくとも2つはハロゲン原子である。Z2は環基を表す。L1は−C(=O)−、−SO−または−SO2−を表し、pは0または1を表す。
2は環基を表し、該環基としては、飽和または不飽和の単環または縮環していてもい炭化水素環基が挙げられ、好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の基(例えばアダマンチル基、シクロブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル、ナフチル基等)であり、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基、フェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくは、フェニル基である。
2がヘテロ環基の場合は、N、OまたはSの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であっても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよい5または6員の飽和または不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは縮合環を有していてもよい5または6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環を有していてもよい5または6員の飽和または不飽和ヘテロ環基であり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む縮合環を有していてもよい5または6員の不飽和ヘテロ環基である。このようなヘテロ環基におけるヘテロ環として、例えば、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、ホスホレン、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール等の環が挙げられ、特に好ましくはピペリジン、ピペラジン、ピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾール等の環である。
2で表される環基は−(L1P−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有していても良く、置換基として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基等が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
1、X2及びX3は好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、より好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。L1は−C(=O)−、−SO−または−SO2−を表し、好ましくは−SO2−である。これらの化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 2005091950
Figure 2005091950
Figure 2005091950
本発明の一般式(1)で示される化合物と併用するフタラジン化合物及びポリハロメタン化合物は、本発明の一般式(1)で示される化合物の1モルに対して1×10-2〜1×103モル添加することが好ましい。添加する位置は、ハロゲン化銀の存在する感光層に限定する必要がなく、隣接層や下塗り層でもよい。添加する方法は、一般式(1)で示される化合物と同様な方法で添加することができる。
次に本発明の光熱写真画像形成材料使用される有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀粒子、結合剤、染料、マット剤その他支持体等について順次説明する。
(有機銀塩)
本発明の光熱写真画像形成材料に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸銀塩、ヘテロ有機酸銀塩及び酸ポリマーの銀塩などが用いられる。また、配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。銀塩の例は、Research Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の銀塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩)等が挙げられる。
(感光性ハロゲン化銀粒子)
本発明の光熱写真画像形成材料の感光層中に含有される感光性ハロゲン化銀粒子は、シングルジェット若しくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法で予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することができる。この場合に感光性ハロゲン化銀粒子と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀粒子を調製するときの保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539号明細書に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することができる。
感光性ハロゲン化銀粒子は、画像形成後の白濁を低く抑えるために、また良好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好ましい。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ましい。又、感光性ハロゲン化銀粒子の形状としては特に制限はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。
上記感光性ハロゲン化銀粒子の量は感光性ハロゲン化銀粒子及び後述の有機銀塩の総量に対し50質量%以下好ましくは25〜0.1質量%、更に好ましくは15〜0.1質量%の間である。上記の感光性ハロゲン化銀粒子形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設定することができるが、通常、反応温度は−20℃〜70℃、その反応時間は30秒〜15時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀粒子は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感することができる。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号等の各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号等の各公報に記載されている。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号明細書に記載されているように、増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。
又、これらの感光性ハロゲン化銀粒子には、照度不軌や、階調調整のために元素周期律表の6族から10族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させることができる。特に元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましく、中でも印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれることが好ましい。これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。
金属のイオン又は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等の各公報に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもたせることができる。これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。ハロゲン化銀粒子表面に添加する時には、ハロゲン化銀粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
(分光増感色素)
本発明に使用する分光増感色素は、必要により例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号等の各公報、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号等の各明細書に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月頁437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号に記載の化合物が好ましく用いられる。
(結合剤)
本発明の光熱写真画像形成材料の感光層又は非感光層に用いられる高分子結合剤としては、感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤が反応する場として好ましい素材、熱消色染料が80〜200℃以下の熱で消色する反応に好ましい素材、あるいは塩基発生前駆体が熱により速やかに塩基を発生するような素材が選択される。上記高分子結合剤としては例えばメタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等を含む極性溶媒に溶解して用いられるポリマーと、水分散系ポリマーとがあり、本発明の光熱写真画像形成材料の高分子結合剤としては、いずれでもよい。また、好ましいポリマーの組成について更にガラス転移点が−20℃から80℃が好ましく、特に−5℃から60℃が好ましい。ガラス転移点が高いと熱現像する温度が高くなり、逆に低いとカブリが発生し易くなり、感度の低下や軟調になるからである。
上記極性溶媒等に溶解して用いられるポリマー(高分子結合剤)としては例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、デンプンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げられる。更に乾燥後、膜を形成したのち、その塗膜の平衡含水率の低いものが好ましく、特に含水率の低いものとして、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(メチルメタクリル酸)などのポリ(アクリル酸エステル)類、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類を挙げることができる。
(架橋剤)
結合剤は、単独で造膜することにより、下層や上層との接着を保持し、傷の付きにくい膜強度を得ることができるが、架橋剤を使用することにより更に膜接着や膜強度を高めることができる。又、架橋剤は他に上記膜物性向上のためのみでなく、カブリ抑制や保存性をよくすることができる。その機構は、以下のように推定される。支持体や下塗り層の表面にコロナ放電処理することにより生成するアミン化合物類は、塗布された感光層へ移行し、カブリを増大させる。しかし、該アミン化合物類を捕捉したり、不活性化する架橋剤の存在は、カブリ発生を抑制する。上記アミン化合物の生成は、空気中の窒素と膜中の水素原子や場合によっては酸素原子等がコロナ放電時にプラズマ状態になり、原子の再配列が進行することによる。pH調節剤として使用するアンモニア水もカブリ増大の起因物質として反応に預かると考えられる。その他に、写真添加剤として使用される素材の中の微量の不純物の中にカブリを増大させるものがあると推定されている。架橋剤の使用に際しては、下塗り層、AI層、感光層、保護層、BC層又はBC層の保護層等に添加する方法等がある。塗布液の安定性の観点から、塗布直前にスタチックミキサーを使用して添加することが好ましいが、塗布液の調製時に添加してもよい。好ましい架橋剤は、イソシアナート基又は、ビニルスルホニル基を有する架橋剤が好ましい。特に好ましい架橋剤はイソシアナート基又はビニルスルホニル基を少なくとも2個、より好ましくは3個有する多官能型架橋剤を挙げることができる。ビニルスルホニル化合物の合成方法は、特開2003−002874を参考にすることができる。好ましい架橋剤としてH−1〜H−13を下記に示す。
(H−1) ヘキサメチレンジイソシアナート
(H−2) ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体
(H−3) トリレンジイソシアナート
(H−4) フェニレンジイソシアナート
(H−5) キシリレンジイソシアナート
Figure 2005091950
本発明の一般式(1)の化合物と併用するイソシアナート基又はビニルスルホニル基を有する化合物は、本発明の一般式(1)で示される化合物の1モルに対して1×10-2〜1×103モル添加することが好ましい。添加する位置は、ハロゲン化銀の存在する感光層に限定する必要がなく、隣接層や下塗り層でもよい。添加する方法は、一般式(1)で示される化合物と同様な方法で添加することができる。
(必要によってAI層又はBC層に使用される染料)
本発明の光熱写真画像形成材料は、必要により該光熱写真画像形成材料のイラジエーション防止用又はハレーション防止用のAI層又はBC層が設けられ、該AI層又はBC層に用いられる染料としては画像露光光を吸収する染料であればよいが、好ましくは前述した米国特許第5,384,237号公報等に記載される熱消色性染料が用いられる。用いられる染料が熱消色性でない場合は、使用量が光熱写真画像形成材料に画像障害を及ぼさない範囲に限定されるが、熱消色性染料であれば必要にして十分な量の染料を添加することができる。
(マット剤)
マット剤としては有機物及び無機物の何れでもよく、無機物のマット剤としては、例えばスイス特許第330,158号明細書に記載のシリカ、スイス特許第330,158号明細書に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書に記載のポリカーボネート等を用いることができる。
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子の単分散度は50以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下であり、特に好ましくは20以下となるマット剤である。ここで、粒子の単分散度は粒子径の標準偏差を粒子径の平均値で割り100を掛けた数字で表される。本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。
(支持体)
支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、プラスチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、またこれらを組み合わせた複合シートを任意に用いてもよい。
〈画像露光〉
露光方法としては、特開平9−304869号、同9−311403号および特開2000−10230号記載の方法によりレーザー露光することができる。
〈熱現像装置〉
光熱写真画像形成材料を現像する装置は、特開平11−65067号、同11−72897号および同84619号記載の装置を使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
〈下引済み支持体の作製〉
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に600W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1を設け、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1を設けた。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート
(20質量%)、スチレン(25質量%)、2−
ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、
グリシジルアクリレート(40質量%)、の共重合体ラテックス液
(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、600W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層A−2を設け、下引層B−1の上には下記下引上層B−2を設けた。
《下引上層A−2》
ゼラチン 0.43g/m2
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.01g/m2
《下引上層塗布液B−2》
スチレンブタジエン共重合ラテックス液(固形分20%)0.08g/m2
ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 0.06g/m2
〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度28℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。硝酸銀の添加と同期してヘキサクロロイリジウムのナトリウム塩を10-6モル/銀1モル添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.036μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀粒子乳剤Aを得た。
〈有機銀塩Aの調製〉
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モルの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、前記ハロゲン化銀粒子乳剤A(銀0.038モルを含む)と純水420mlを添加し5分間攪拌した。次に1モルの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、最後に乾燥し、固形分335g(有機銀塩A)を得た。
〔光熱写真画像形成材料試料の作製〕
前記下引層を施した支持体上に以下の各層を順次形成し、光熱写真画像形成材料試料を作製した。
《BC層側塗布》
バック面側には以下の熱消色性染料組成物の水溶液又は水分散体にさらに水に加えて調製した塗布液を以下の付き量なるように塗布乾燥してBC層を形成した。
《BC層塗布》
イナートゼラチン 1.8g/m2
染料C 1.2×10-5モル/m2
活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸
0.02g/m2
ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 0.02g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.02g/m2
《BC保護層の塗布》
イナートゼラチン 1.1g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.01g/m2
活性剤:N−プロピルパーフロロオクチルスルホンアミド酢酸
0.02g/m2
マット剤(PMMA:平均粒子径5μm) 0.12g/m2
《感光層側の塗布》
《AI層の塗布》
結合剤:PVB−1 0.4g/m2
染料C(BC層と同種) 1.0×10-5モル/m2
感光層形成のため以下の組成物をメチルエチルケトン溶媒に溶解した塗布液を調製した。この塗布液を35℃付近に保ち、以下の付き量になるように塗布乾燥した。
有機銀塩A 銀量として0.86g/m2になる量
結合剤:PVB−1(AI層と同種) 2.6g/m2
一般式(1)の化合物:表1記載 3.2×10-4モル/m2
(尚、水素結合促進基のないRH基を有する化合物(還元剤)として下記に示される(SB−0)を比較の化合物(還元剤)として使用した。)
一般式(2)で示される化合物:表1記載 2.2×10-4モル/m2
一般式(3)で示される化合物:表1記載 1.2×10-4モル/m2
分光増感色素D 2×10-5モル/m2
カブリ防止剤−1:ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド
0.3mg/m2
カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2
架橋剤:表1記載 2×10-5モル/m2
(尚、比較の架橋剤としてフェニルアミノエトキシトリメトキシシラン(H−0)を使用した。)
《表面保護層》
以下の組成物を加えて調製した塗布液を、以下の付き量になるように感光層上に塗布乾燥して表面保護層を形成した。
セルロースアセテートブチレート 1.2g/m2
4−メチルフタル酸 0.7g/m2
テトラクロロフタル酸 0.2g/m2
テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2
シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g/m2
界面活性剤E 0.1g/m2
Figure 2005091950
〈写真性能の評価〉
上記作製した試料を5cm×12cmのサイズで50枚用意した後、2つに分け、一方を23℃で46%RHの雰囲気下、810nmの半導体レーザー露光用の感光計で露光し、露光後120℃で12秒間加熱後、得られた試料の写真性能を評価した(常温写真性能)。別の一方は23℃RH46%で機密性のアルミ箔包装袋に減圧(10hPa)熱シールし、48℃の恒温室に30日間保存した後、同様に露光、現像して性能を評価した(高温写真性能、即ち、生保存性)。なお、レーザー露光及び現像処理は25℃±1℃相対湿度54%±1%に調湿した部屋で行った。
上記感度およびカブリの測定は透過光用濃度計により測定した。感度はカブリ濃度より0.3高い濃度を与える露光量の比の逆数で評価し、試料101を基準(100)として相対評価で表した。現像後の保存性(画像保存性)は、現像済み試料を10000ルクスの輝度のシャウカステン上に10時間放置した後のカブリ値を示した。
結果を表1に示す。
Figure 2005091950
表1より本発明の一般式(1)で示される化合物を使用すると現像時の写真性能(感度及びカブリ特性)、生保存性及び画像保存性が優れていることがわかる。本発明の一般式(1)で示される化合物にフタラジン及び/又はポリハロメタンを併用すると、或いはイソシアナート又はビニルスルホニル架橋剤を更に添加架橋すると熱現像時の常温写真性能および生保存性及び画像保存性が向上していることがわかる。

Claims (6)

  1. 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、下記一般式(1)で示される化合物(還元剤)を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
    Figure 2005091950
    (式中、RHは水素結合促進基を含む基を表し、R1〜R8は各々、水素原子又は置換基を表す。)
  2. 前記水素結合促進基が尿素残基、アミド基又は燐酸残基であることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真画像形成材料。
  3. 前記水素結合促進基がアデニン残基、チミン残基、グアニン残基又はシトシン残基であることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真画像形成材料。
  4. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にフタラジン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
  5. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にポリハロメタン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
  6. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にイソシアナート基又はビニルスルホン基を有する化合物を添加し架橋したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
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