JP2005091213A - クリーニングパッドおよびその製造方法 - Google Patents

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浩之 西村
Takeshi Iizuka
武史 飯塚
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Abstract

【課題】抽出法を用いることで製造され、セル径が微小かつ均質で所要の弾性による柔軟性を発現し得る発泡体シートと、所要の粒径および硬度を有する砥粒およびバインダ成分からなり、発泡体シート上に形成されるコーティング層とからなるクリーニングパッドを製造することで、インサーキットテスタ等に使用される導電度等を測定するプローブピンを過度に摩耗等させることなく、かつプローブピンに付着した付着物を除去し得るクリーニングパッドと、該クリーニングパッドの製造方法とを提供する。
【解決手段】各種テスタのプローブピン32を接触させて、その先端部34から付着物を除去するクリーニングパッドにおいて、熱可塑性樹脂を材質とし、セル径を30〜100μm以下に設定した発泡体シート12と、この発泡体シート12の少なくとも一方の面に形成され、旧モース硬度を7〜9の範囲に設定したコーティング層14とから構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、クリーニングパッドおよびその製造方法に関し、更に詳細には、熱可塑性樹脂を採用することで達成される所要の弾性率による柔軟性と、所謂抽出法により達成される微小なセル径とを併有する発泡体シートおよび所定の硬度を有するコーティング層を備えることで、回路基盤の検査用の各種テスタに使用されるプローブピンに過度の摩耗または変形摩耗といった悪影響を与えず、該プローブから付着物を除去し得るクリーニングパッドと、該クリーニングパッドを好適に製造し得る方法とに関するものである。
近年の産業の発展の中核技術の1つとして、構成部品の集積実装度が飛躍的に高まった回路製造技術が挙げられる。一般に前記回路製造技術の向上は、前記各構成部品の小型化、実装集積度の向上に伴う完成回路の小型化および高度化により達成されるものである。しかし、前記各構成部品の小型化、実装集積度が向上するに従い、完成した回路における回路欠陥、例えばハンダブリジ等による該構成部品とプリント基板との取付不良やイレギュラーな接触等の発生確率が高くなる可能性がある。
このような完成回路における回路欠陥を効率的に回避する手段として、高い位置決め精度を有する製造装置の導入等が実施され、その一方で偶然的に発生する回路欠陥を発見する、所謂インサーキットテスタの導入が一般化している。前記インサーキットテスタは、一般にボードテスタと呼ばれる検査装置であり、検査すべき回路に応じて、ハンダブリッジや抵抗、コンデンサ、コイルなどの定数を測定し、ダイオードの配置不良等の検査により製造不良を発見したり、回路に対し所定の電圧を印加等して該回路からの入出力の理論値に対する実測値を検査するテスタ全般を指す用語である。
インサーキットテスタ30の構造を簡単に説明すると、図6に示す如く、図示しない制御・測定装置本体と、この本体に接続され、検査テーブル37上に載置された検査すべき回路Sの所要部位に接触することで、その電導度等のデータを採取するプローブピン32と、同じく本体からの指令によりプローブピン32を制御下に動かす移動装置36と回路Sとの接触により、プローブピン32の先端部34に付着するハンダ等を除去するクリーニングテーブル38とから基本的に構成されている(図6(a)参照)。そしてクリーニングテーブル38上には、例えばφ8インチまたはφ2インチ程度クリーニングパッド50が載置されている。なおプローブピン32は、その先端部34が直径50〜60μm程度の円形となった、所謂針形状となっている(図6(b)参照)。
基本的にインサーキットテスタ30の検査精度は、回路欠陥の発見精度および回路Sの歩留まり等の把握にとって重要な項目であり、またこの検査精度は回路Sに接触するプローブピン32の感度によって大きく決定される。このためクリーニングパッド50による、プローブピン32における先端部34からの付着物の除去、すなわちクリーニングは回路Sの製造において非常に重要な要素となっている。また付着物の除去が完全でない場合、その後の検査に係る前記プローブピン32と回路Sとの接触により、付着物が該回路上に落ちて新たな回路欠陥となる事態も考えられる。
このようにインサーキットテスタ30において重要な役割を担うクリーニングパッド50としては、通常は図7に示すような、ウレタンシート62と、このシート62にアルミナ等の砥粒粒子をコーティングしたコーティング層64とからなる積層物60(図7(a)参照)や、ウレタン系樹脂等のフィルム66に対してアルミナ等の砥粒粒子からなるコーティング層64を付与した積層物68(図7(b)参照)が採用されていた。このような従来のクリーニングパッド50におけるクリーニングは、何れもプローブピン32の先端部34をクリーニングパッド50に対して、数十μmといったスケールで接触させつつ摺動させることで、先端部34に付着しているハンダ等を強制的に削り取るものであった。
前述した摺動による削り取りにおいては、付着物をプローブピン32の先端部34から充分に除去可能であり、回路Sの検査においては問題は生じなかった。しかし、アルミナ等の砥粒粒子に対してプローブピン32を強制的に摺動させることで、換言すればヤスリをかけることで付着物を除去するため、以下のような点が問題となる。すなわちウレタンシート62およびコーティング層64とからなる積層物60の場合、ウレタンシート62のセル径が100μmを越える大きな骨格構造を持っているため、その径が50〜60μm程度の先端部34を有するプローブピン32の場合、一部だけがセルの内面に摺動したりまたは接触すらしない状態となって、全く付着物の除去がなされない状態となってしまう。またフィルム66およびコーティング層64からなる積層物68の場合、その弾性が乏しくプローブピン32の先端部34が次第に平坦な形状になってしまう。
プローブピン32に、前述したような形状欠陥が発生した場合、微細な回路Sの検査部位にピンポイントな接触をなし得ず、その結果、高精度な検査が不可能となってしまう。この問題を回避するためには、プローブピン32の早期交換が最も確実であるが、プローブピン32は非常に高価であり、その頻繁な交換は検査コストの増大を意味する。また積層物60の場合、その構成部材であるウレタンシート62は弾性発現には優位な一方で、その表面に形成されているコーティング層64がプローブピン32との摺動により剥離してしまった際、プローブピン32との摺動によりウレタンシート62が引き千切れてしまう虞がある。このような事態では、引き千切れた前記ウレタンシート62が粉塵の如く作用し、検査中の回路Sを汚染してしまう問題も内在している。
前前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の発明に係るクリーニングパッドは、電子部品を組み込んだ回路基板の導電度等の検査を行なう各種テスタのプローブピンを接触させて、その先端部から付着物を除去するクリーニングパッドにおいて、
熱可塑性樹脂を材質とし、セル径を30〜100μmの範囲に設定した発泡体シートと、
前記発泡体シートの少なくとも一方の面に形成され、旧モース硬度を7〜9の範囲に設定したコーティング層とから構成したことを特徴とする。
同じく前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係るクリーニングパッドの製造方法は、電子部品を組み込んだ回路基板の導電度等の検査を行なう各種テスタのプローブピンを接触させて、その先端部から付着物を除去するクリーニングパッドの製造方法において、
少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、この熱可塑性樹脂が熱溶融する温度で熱的に安定で形状を維持し得る気泡形成材と、滑材として作用する高分子化合物とを加熱状態下で混合し、得られた混合物を水に接触させて、前記気泡形成材および高分子化合物を抽出除去することで、その径が30〜100μmの範囲のセルを備える発泡体シートを製造し、
所要の砥粒およびバインダ成分を混合したコーティング剤を、前記発泡体シートの少なくとも一方の面に付与して、その旧モース硬度を7〜9の範囲に設定したコーティング層を形成したことを特徴とする。
以上に説明した如く、本発明に係るクリーニングパッドおよびその製造方法によれば、抽出法を用いることでセル径が微小かつ均質で所要の弾性率を発現するよう製造される発泡体シートと、所要の粒径および硬度を有する砥粒およびバインダ成分を混合することで、発泡体シートの表面上に所要厚さに形成されるコーティング層とからクリーニングパッドを製造するようにしたので、インサーキットテスタ等に使用される導電度等を測定するプローブピンを過度または変形的に摩耗させることなく、かつプローブピンに付着した金属カス等の付着物を充分に除去し得る効果を奏する。また抽出法により製造される発泡体の骨格は太く、このためプローブピンの摺動による発塵も抑制し得る効果を奏する。
次に、本発明の好適な実施例に係るクリーニングパッドおよびその製造方法につき、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図6を参照して説明した従来技術で既出の同一部材については、同じ符号を付して示し、その詳細説明は省略する。
実施例に係るクリーニングパッド10は、図1に示す如く、熱可塑性樹脂を材質として形成される発泡体シート12と、該発泡体シート12の少なくとも一面に所要厚さで形成されたコーティング層14とから基本的に構成されている。そしてその表面構造は、例えば図6(a)に示す如きインサーキットテスタ30におけるプローブピン32の先端部34が接触することで、好適にクリーニングされるように、プローブピン32の数十μm程度の接触時ストロークに対応した30〜100μmの範囲の微細なセル径を有するセル20(後述[0014])が形成され、該セル20の全体を覆うように前記コーティング層14が形成されている。
(発泡体シートについて)
発泡体シート12については、プローブピン32のクリーニングを好適に実施し得る表面形状と、柔軟性、すなわち弾性率とを提供する構成要素である。表面形状はセル径によって規定される。セル径は、前述の如く30〜100μmの範囲に、好適には30〜50μmの範囲に設定されるセル径が30μm未満の場合、クリーニングすべき先端部34の好適な摺動(後述[0015])に適さず、一方セル径が100μmを越えると、従来技術で記載したセル径の大きなウレタンシート62およびコーティング層64とからなる積層物60を使用した場合と同様の問題が生じてしまう。
セル径が30〜100μmの範囲となる場合の効果を図2を参考にして以下に記載する。ここでクリーニングに際して、プローブピン32をクリーニングパッド10に接触させる場合、プローブピン32の先端部34が表面で開口状態にあるセル20に挿入された状態を用いて説明する。このような状態でプローブピン32を移動させると、先端部34はその周囲をセル20により囲まれ、先端部34の全体が摺動されることになる。すなわち先端部34の特定の一部だけが選択的に摺動させられるのではないため、先端部34の一部が過剰に摩耗される事態を回避すると共に、付着物の効率のよい除去を可能となる。なお、プローブピン32をクリーニングパッド10に接触させるに際して、その先端部34が表面で開口したセル20に挿入されない場合も考えられるが、先端部34の当接位置はクリーニングパッド10に押圧された際または摺動した際にずれるため、結果としてセル20に挿入された状態となるため問題はない。
また発泡体シート12の厚さについては、後述[0017]する柔軟性と密接な関係があり、300〜1000μmに設定される。この厚さが300μm未満であると充分な柔軟性(後述[0017])を達成できず、その結果、弾性に欠けてしまい、従来技術における積層物68と同様の問題が起きてしまう。逆に1000μmを越えると、前記プローブピン32の先端部34のクリーニングの際に、クリーニングパッド10の変形幅が大きくなって、該プローブピン32と該クリーニングパッド10との接触が不充分となり、その結果、充分なクリーニングができなくなってしまう。そして本発明において前記セル径は、前記発泡体シート12を抽出法で製造することで達成される(詳細は後述[0018])。
また発泡体シート12は、柔軟性を表す指標としてアスカーC硬度を採用し、硬度が10〜50の範囲に設定される。この数値が50を越えると、発泡体シート12の厚さを所定範囲とした場合であっても充分な柔軟性を達成できず、従来技術における積層物68と同様の問題、すなわちクリーニングパッド10に対してプローブピン32が接触した際、プローブピン32に対して反力がかかり過ぎて、その先端部34が摩耗してしまう。逆に10未満であると、プローブピン32の先端部34のクリーニングの際に、クリーニングパッド10の変形幅が大きくなって、該プローブピン32と該クリーニングパッド10との接触が不充分となり、その結果、充分なクリーニングができなくなってしまう。そして本発明において柔軟性は、発泡体シート12を構成する骨格22(後述[0019])の材質を変えることで、容易に達成可能である。なお、プローブピン32の先端部34に対する影響は、発泡体シート12の厚さの他、そのセル径または気泡率にも関連しているが、発泡体シート12の厚さおよびアスカーC硬度が本発明の範囲で有れば、大きな問題は生じない。
発泡体シート12は、所謂抽出法により製造され、熱可塑性樹脂からなる骨格22と、骨格22により画成されるセル20とからなる。また抽出法による発泡体シート12の製造においては、骨格22をなす熱可塑性樹脂以外に、セル20を形成する気泡形成材と、この気泡形成材の抽出を容易にすると共に、これら3成分の好適な混練をなし得る高分子化合物とが必要であるため、その製造方法と併せて以下に説明する。基本的に発泡体シート12の如き発泡体を製造する以下の方法、すなわち(1)化学的発泡法ではセル径等の制御および均質化が難しく、(2)機械的発泡法では100μm以下といった微細なセル径とすることが難しく、発泡体シート12の製造には供し得ない。
発泡体シート12を製造する抽出法は、図3に示す如く、先ず原料となる熱可塑性樹脂、気泡形成材および高分子化合物を、前述([0018])の方法、すなわち従来公知の抽出法により実施されている。前記抽出法については、所謂湿式と乾式との2つの方法が一般的に知られているが、本発明においては、環境汚染性等を回避し、かつ使用材質が選択されない等の利点を有する乾式法が好適に採用されている。そして熱可塑性樹脂としては、TPE(ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリエーテルポリエステル系、スチレン系およびポリアミド系他)、各種オレフィン樹脂、TPU、ポリアミド、ポリイミドまたはポリアセタールその他加熱することで溶融する樹脂であれば、如何なる樹脂であっても使用可能である。また気泡形成材および高分子化合物は、従来公知の抽出法に使用される物質に準ずる。
そして熱可塑性樹脂、気泡形成材および高分子化合物の混合割合や、混合・混練・抽出等の製造・加工に係る機器および各種各条件についても、従来公知の抽出法に準ずる。また気泡形成材および高分子化合物を、水等の溶媒で抽出する場合、本発明に係る発泡体シート12の厚さの1000μm程度であれば24〜48時間程度で完了する。そして熱可塑性樹脂、気泡形成材および高分子化合物の混合割合を、従来の抽出法で公知の範囲に設定することにより、100μm以下のセル径を有すると共に、所要のアスカーC硬度を達成し、かつその気泡率が体積百分率を75〜85%以上に設定された発泡体シート12を製造し得る。
気泡率については、その値が高いほど、最終的に得られるクリーニングパッド10の表面に開口したセル20の数が増えることなる。プローブピン32は、前述([0015])の如く、セル20内に全体的に摺動することで効率のよい付着物の除去とを行なっている。従ってプローブピン32の先端部34が、セル20内部に挿入状態となることが望ましいが、このような状態は、該セル20のクリーニングパッド10の表面上における存在確率にも左右され、その存在確率が高いほど、意図した摺動状態となし得ることになる。すなわちクリーニングパッド10の表面に開口したセル20が増加することは望ましく、気泡率についても75〜85%以上と高い方がよい。
(コーティング層について)
ここまので説明で、実施例に係るクリーニングパッド10を構成する発泡体シート12を説明した。発泡体シート12は、プローブピン32をクリーニングするに好適な表面形状と、柔軟性とを提供する。これに対してコーティング層14は、プローブピン32の先端部34に付着したハンダ等の付着物を直接的に除去する役割を担う。すなわちコーティング層14については、従来技術に係るコーティング層64と同様の作用をなすものである。そして前述の作用の好適な発現のためコーティング層14は、所定粒度の砥粒16をバインダ成分18に分散させた構成となっている。
コーティング層14は、前述の役割、具体的には接触するプローブピン32の先端部34に付着しているハンダの如き金属カス等の付着物の好適な除去、すなわち先端部34に接触・摺動による傷を付けることなく、かつ付着物の充分な除去をなし得るよう、その旧モース硬度を7〜9の範囲に設定されている。この旧モース硬度が7未満であると付着物の充分な除去が困難となり、9を越えるとプローブピン32に傷を付けてしまう。そしてコーティング層14の旧モース硬度は、コーティング層14を構成する前記砥粒16の硬度と、砥粒16のバインダ成分18に対する割合、すなわち砥粒16およびバインダ成分18の混合割合(後述[0028])とによって決定される。
砥粒16は、所定の粒度を有する、例えば従来公知の天然または人口の酸化アルミニウム質または炭化ケイ素質等の物質が適宜採用される。その砥粒16の粒径については、後述([0026])するコーティング層14の好適な層厚さを達成するため、0.1〜5μmの範囲、好適には0.1〜1μm以下に設定される。この粒径が0.1μm未満となると、先端部34からの好適に付着物の除去が困難となる。一方、5μmを越える場合、コーティング層14の厚さ設定が困難となる。
バインダ成分18については、例えば溶媒の使用等により砥粒16を充分に分散させ得る低粘度を達成し、かつ粘度の後調整が容易であり、発泡体シート12に付与する際に、その付与厚さを容易に調整し得る熱硬化性ウレタン樹脂等が好適に採用される。基本的にバインダ成分18は、コーティング層14の役割、すなわちプローブピン32からの好適な付着物の除去をなし得る旧モース硬度の設定を制御する砥粒16を、セル20の存在によりその表面が凸凹である発泡体シート12の表面に好適に付与・固着させるための役割を担っている。
またコーティング層14は、発泡体シート12の表面形状を阻害しないよう形成される。すなわちその厚さが、発泡体シート12のセル20を埋めず、セル20のプロファイルを損なわないよう、10〜50μmの範囲に設定される。この厚さが10μmを越えると、図4に示す如く、セル20が前記コーティング層14の形成により埋まる虞がある(図4(a)参照)。また50μm未満の場合、コーティング層14に要求される前述([0023])の旧モース硬度が達成されなくなってしまったり、プローブピン32との摺動的な接触により、プローブピン32が該コーティング層14を突き抜けて発泡体シート12まで至り、その結果、発泡体シート12の破壊に伴う発塵の虞がある(図4(b)参照)。
(製造方法の一例)
本発明に係るクリーニングパッドを製造するには、図5に示す如く、発泡体シート製造工程S1、コーティング剤調整工程S2、コーティング層付与工程S3および最終工程S4とから基本的に構成される。発泡体シート製造工程S1は、熱可塑性樹脂、気泡形成材および高分子化合物を、所定の機器を使用して、混合・混練して加熱混合物とし、これを得るべき発泡体シート12の形状に押出機等を使用して成形し、これを水または所定温度の温水に浸漬することで、気泡形成材および高分子化合物を抽出・除去して、所要の大きさを有するセル20を備える発泡体シート12を製造する工程である。詳細については従来公知の抽出法と同様であるため、ここでの説明は省略する。なお、以下の各工程で使用される砥粒16およびバインダ成分18並びに所定の厚さにされた発泡体シート12は、準備されているものとする。
コーティング剤調整工程S2は、所要粒径および硬度を有する砥粒16と、砥粒16を発泡体シート12の表面に固着させるバインダ成分18とを混合して、発泡体シート12上に付与可能なコーティング剤を製造する工程である。このとき、砥粒16およびバインダ成分18は、その重量比が10%:90%〜30%:70%の範囲内に設定されるように混合量が決定される。砥粒16の混合重量比が10%未満、すなわちバインダ成分18が90を越えると、形成されるコーティング層14内において、所定の硬度の発現が困難となり、その結果、プローブピン32からの付着物の充分な除去が困難となる。一方、砥粒16の混合重量比が30%を越えると、すなわちバインダ成分18が70%未満であると、発泡体シート12に対するコーティング層14の固着力が充分なものとならず、充分な耐久性のあるクリーニングパッド10が得られなくなる。
また砥粒16の混合に際してバインダ成分18の粘度は、砥粒16が充分分散される程度の粘度に設定される。具体的には、砥粒16が平均粒径1μmで、この混合重量比が15%のときに、一般の塗料技術分野で採用されている岩田カップを用いた粘度試験により、その測定値が5〜30秒、好適には10〜15秒の範囲に設定される。そしてこのような粘度調整は、前記バインダ成分18を溶解させ得る、例えばトルエン等の各種溶媒を適宜利用すればよい。なお、ここで前記砥粒16の分散を目的として下げられる粘度は、後述([0030])するコーティング層付与工程S3において、所要のコーティング層14を形成するべく必要に応じて上昇させられるため、前記溶媒としては、例えば蒸発が容易な低沸点の物質の使用が好適である。
コーティング層付与工程S3は、調整されたコーティング剤を発泡体シート12の所要の表面に開口しているセル20を埋めない程度の厚さとなるように付与する工程である。具体的には、従来公知のスプレーによる塗布または各種コーターによる塗布により付与される。この付与方法は、発泡体シート12の表面に付与すべき厚さにより、適宜選択される。本実施例においては、コーティング剤の付与により、微小な100μm以下の大きさを備えるセル20を埋めないように、かつ均質で薄いコーティング層14を容易に形成し得るスプレー塗布法が採用されている。そしてコーティング剤の塗布後は、コーティング剤付与後の発泡体シート12に従来公知の乾燥を実施する等して、コーティング層14を完全に発泡体シート12に固着させる。なおこの乾燥の要否は、バインダ成分18の各種物性や、粘度調整用の溶媒を使用有無によって判断され、必ずしも必須ではない。
ここまでの各工程S1〜S3を経ることで得られるクリーニングパッド10は、最終的な形状に係る後加工および検査等を行なう最終工程S4の実施により最終製品とされる。
この発明は、従来のクリーニングパッドに内在している前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、抽出法を用いることで製造され、セル径が微小かつ均質で所要の弾性率による柔軟性を発現し得る発泡体シートと、所要の粒径および硬度を有する砥粒およびバインダ成分を混合することで、発泡体シートの表面上に所要厚さに形成されるコーティング層とからなるクリーニングパッドを製造することで、インサーキットテスタ等に使用される導電度等を測定するプローブピンを過度に摩耗等させることなく、かつ該プローブピンに付着した金属カス等の付着物を充分に除去し得るクリーニングパッドと、該クリーニングパッドの製造方法とを提供することを目的とする。
本発明の好適な実施例に係るクリーニングパッドの表面部分を拡大して示す縦断断面図である。 実施例に係るクリーニングパッドによるプローブピンのクリーニングの様子を示す概略図である。 実施例に係るクリーニングパッドにおける発泡体シートの抽出法による製造方法を示す工程図である。 発泡体シート上に本発明で設定された厚さ範囲外のコーティング層が形成された場合に発生する問題を示す状態図である。図4(a)はコーティング層が厚過ぎる場合、図4(b)はコーティング層が薄過ぎる場合を夫々示す。 実施例に係るクリーニングパッドの製造方法を示す工程図である。 一般的なインサーキットテスタの全体を示す概略図である。 従来技術に係るクリーニングパッドを示す概略図である。
符号の説明
12 発泡体シート
14 コーティング層
16 砥粒
18 バインダ成分
20 セル
32 プローブピン
34 先端部

Claims (12)

  1. 電子部品を組み込んだ回路基板の導電度等の検査を行なう各種テスタのプローブピン(32)を接触させて、その先端部(34)から付着物を除去するクリーニングパッドにおいて、
    熱可塑性樹脂を材質とし、セル径を30〜100μmの範囲に設定した発泡体シート(12)と、
    前記発泡体シート(12)の少なくとも一方の面に形成され、旧モース硬度を7〜9の範囲に設定したコーティング層(14)とから構成した
    ことを特徴とするクリーニングパッド。
  2. 前記発泡体シート(12)は、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、この熱可塑性樹脂が熱溶融する温度で熱的に安定で形状を維持し得る気泡形成材と、滑材として作用する高分子化合物とを加熱状態として得た混合体から、前記気泡形成材および高分子化合物が水により抽出除去されて製造される請求項1記載のクリーニングパッド。
  3. 前記熱可塑性樹脂として、オレフィン系樹脂が使用される請求項2記載のクリーニングパッド。
  4. 前記発泡体シート(12)のアスカーC硬度は、10〜50の範囲に設定される請求項1〜3の何れかに記載のクリーニングパッド。
  5. 前記発泡体シート(12)は、その厚さが300〜1000μmに設定される請求項1〜4の何れかに記載のクリーニングパッド。
  6. 前記コーティング層(14)は、その厚さが10〜50μmに設定される請求項1〜5の何れかに記載のクリーニングパッド。
  7. 前記コーティング層(14)は、所要の砥粒(16)およびバインダ成分(18)を混合したコーティング剤から形成される請求項1〜6の何れかに記載のクリーニングパッド。
  8. 前記砥粒(16)は、その粒径が0.1〜5μmの範囲に設定される請求項7記載のクリーニングパッド。
  9. 前記バインダ成分(18)としては、熱硬化性ウレタン樹脂が採用される請求項7または8記載のクリーニングパッド。
  10. 電子部品を組み込んだ回路基板の導電度等の検査を行なう各種テスタのプローブピン(32)を接触させて、その先端部(34)から付着物を除去するクリーニングパッドの製造方法において、
    少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、この熱可塑性樹脂が熱溶融する温度で熱的に安定で形状を維持し得る気泡形成材と、滑材として作用する高分子化合物とを加熱状態下で混合し、得られた混合物を水に接触させて、前記気泡形成材および高分子化合物を抽出除去することで、その径が30〜100μmの範囲のセル(20)を備える発泡体シート(12)を製造し、
    所要の砥粒(16)およびバインダ成分(18)を混合したコーティング剤を、前記発泡体シート(12)の少なくとも一方の面に付与して、その旧モース硬度を7〜9の範囲に設定したコーティング層(14)を形成した
    ことを特徴とするクリーニングパッドの製造方法。
  11. 前記コーティング剤の付与は、スプレー塗布で実施される請求項10記載のクリーニングパッドの製造方法。
  12. 前記砥粒(16)およびバインダ成分(18)の混合比率は、重量比で10:90〜30:70に設定される請求項10または11記載のクリーニングパッドの製造方法。
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