JP2005086582A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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Abstract

【課題】 画像データを記憶する手段を備え、その後の操作で記憶されている画像データを出力することができる画像処理装置の提供。
【解決手段】 画像データを受付けた場合(S11:YES)、受付けた画像データを画像メモリに保持し(S12)、システムを構成する各ハードウェアの動作を管理する管理情報をチェックし(S13)、セキュリティプログラムが動作しているか否かを判断する(S14)。セキュリティプログラムが動作していないと判断した場合(S14:NO)、画像メモリに保持した画像データに基づいて出力処理を行い(S17)、セキュリティプログラムが動作していると判断した場合(S14:YES)、受付けた画像データをHDD装置等の不揮発性の記憶手段に記憶させた後(S15)、出力処理を行う(S16)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、利用者認証により認証された利用者に応じてドキュメントファイリング機能の利用条件が確定される画像処理装置に関する。
従来、画像処理装置として、用紙に記録された画像を走査して画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに基づいて画像を形成して出力するコピー機能、ファクシミリ通信を用いて外部のファクシミリ装置との間で画像データを送受信するファクシミリ機能、取り込んだ画像データを外部の装置へ送信する送信機能、及び外部の装置から送信された画像データを受信して用紙上に出力するプリンタ機能など、複数の機能を備えたデジタル複合機が商品化されている。特に、近年のデジタル複合機では、画像データを記憶するHDD装置(HDD : Hard Disk Drive)等の記憶手段を備え、各機能の処理を並行して行うことができるようになっている。
以上の如きデジタル複合機の新たな機能として、画像データを記憶手段に記憶させておき、記憶された画像データを必要に応じて用紙に記録された画像として出力する、又は外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置へ画像データを送信することを可能にして、デジタル複合機を画像データのサーバ装置として利用することができる機能が提案されている。その一例として、特許文献1には、スキャナ装置を用いて取り込んだ画像データ、又はファクシミリ通信によって受信した画像データを記憶しておき、必要に応じて画像データを読み出して画像を出力する指示を行う、電子ファイリング機能を備えた画像データ出力制御装置が開示されている。こういった画像処理装置を使用することで、一度利用した画像データの再利用が可能となり、使用者は、文章または画像を必要に応じて任意に出力することができる。
また、画像処理装置が記憶する画像データに対するセキュリティ対策として、特許文献2には、画像データを暗号化して記憶手段に記憶する技術が開示されており、特許文献3には、記憶している画像データを不要となった段階で消去する技術が開示されている。このような、画像データに対して暗号化または消去を行って画像データを無価値化する機能を画像処理装置が備えている場合は、画像データを画像処理装置から取り出して不正使用することが困難となり、画像処理装置のセキュリティが向上する。
特開平6−178041号公報 特開平1−256068号公報 特開平9−223061号公報
しかしながら、前述の如き画像データを無価値化する無価値化機能など、画像処理装置に対してオプションの機能または後付の機能として提供されることがある。また、最初から搭載されていたとしても機能を有効にしたり、無効にしたりと装置を利用する側が理解して機能として利用するか否かを選択するものである。しかし、日頃から画像データを保護しながら管理する環境を構築しておかなければ、画像データの漏洩が生じうるという問題点を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、画像データを受付ける際に利用者に係る情報を受付け、画像データの記憶手段への記憶の可否を受付けた情報に基づいて判断する構成とすることにより、利用者に応じて画像データの漏洩を防止できる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、外部から受付けた画像データを記憶手段に記憶しておき、該記憶手段に記憶した画像データを読み出して所定の処理を実行する画像処理装置において、画像データを受付ける際に利用者に係る情報を受付ける受付手段と、該受付手段が受付けた情報に基づいて前記記憶手段への記憶の可否を判断する判断手段とを備え、該判断手段が可と判断した場合、前記画像データを前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、画像データを記憶手段に記憶させる際の可否判断を利用者に係る情報により定めているため、例えば、機密文書を取り扱う利用者から画像データを受付けた場合には、HDD装置のような不揮発性の記憶手段に記憶させることを禁止させるような設定が可能となる。また、このような設定をすることによって、前記利用者の画像データが履歴として残ることがなくなり、第三者による不正な画像データの取り出しが防止され、セキュリティが向上する。
本発明に係る画像処理装置は、前記受付手段が受付けた情報を画像データに関連付けて記憶する手段と、前記記憶手段から画像データを読み出す際の認証情報を受付ける手段と、受付けた認証情報と記憶した情報とに基づいて認証の可否を判断する手段とを備え、該手段が認証可と判断した場合、前記記憶手段に記憶した画像データを読み出すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、記憶手段に記憶された画像データを読み出す際の認証情報を受付けるようにしているため、利用者に係る情報として認証情報を受付けた場合に画像データを記憶手段に記憶することを許可し、認証情報を受付けていない場合には禁止するような設定が可能となる。すなわち、画像データを記憶手段に記憶させた利用者のみが認証情報を用いて読み出せるような設定をしている場合には、前記記憶手段に記憶させることを許可し、設定していない場合には禁止することにより、前記利用者以外の読み出しが防止される。
本発明に係る画像処理装置は、受付けた画像データを暗号化する手段を更に備え、前記判断手段が可と判断した場合、受付けた画像データを暗号化して前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、記憶手段へ記憶することが許可された画像データは暗号化した後に記憶されるため、第三者が不正に取り出した場合であっても解読することが困難となり、セキュリティが向上する。
本発明に係る画像処理装置は、前記受付手段が受付けた情報に基づいて画像データの暗号化の要否を判断する手段と、受付けた画像データを暗号化する手段とを更に備え、受付けた画像データの暗号化を要と判断した場合、前記手段が暗号化した画像データを前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、受付けた画像データを暗号化する必要がある場合には記憶手段に記憶することを許可し、暗号化が必要とされない場合には許可しないように設定することができる。そのため、記憶手段には暗号化された画像データのみが履歴として保存され、セキュリティが向上する。
本発明による場合は、画像データを記憶手段に記憶させる際の可否判断を利用者に係る情報により定めているため、例えば、機密文書を取り扱う利用者から画像データを受付けた場合には、HDD装置のような不揮発性の記憶手段に記憶させることを禁止させることが可能となるため、前記利用者の画像データが履歴として残ることがなくなり、第三者による不正な画像データの取り出しを防止することができ、セキュリティの向上を図ることが可能となる。
また、本発明による場合は、記憶手段に記憶された画像データを読み出す際の認証情報を受付けるようにしているため、利用者に係る情報として認証情報を受付けた場合に画像データを記憶手段に記憶することを許可し、認証情報を受付けていない場合には禁止することができる。すなわち、画像データを記憶手段に記憶させた利用者のみが認証情報を用いて読み出せる設定をしている場合には、前記記憶手段に記憶させることを許可し、設定していない場合には禁止することにより、前記利用者以外の読み出しが防止され、セキュリティの向上を図ることができる。
更に、本発明による場合は、記憶手段へ記憶することが許可された画像データは暗号化した後に記憶されるため、第三者が不正に取り出した場合であっても解読することが困難となり、セキュリティを向上することができる。
更に、本発明による場合は、受付けた画像データを暗号化する必要がある場合には記憶手段に記憶することを許可し、暗号化が必要とされない場合には許可しないように設定することができる。そのため、記憶手段には暗号化された画像データのみが履歴として保存されるため、セキュリティを向上することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る画像処理装置を用いて構築される画像処理システムの全体構成を示す模式図である。図中1は、本発明に係る画像処理装置であり、具体的には、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能を有する複合機に適用した形態として説明する。画像処理装置1には通信ネットワークN1を介してパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置2,2,…,2が接続されており、ファクシミリ通信網N2を介して外部のファクシミリ装置3が接続されている。情報処理装置2には通信ネットワークN1を経由して画像処理装置1を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされており、当該プリンタドライバにより印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを画像処理装置1に送信することによって印刷処理を実行させるようにしている。また、画像処理装置1は、ファクシミリ通信網N2を介して伝送されるファクシミリデータを符号化及び復号化する手段を備えており、符号化したファクシミリデータをファクシミリ装置3へ送信すると共に、ファクシミリ装置3から送信されたファクシミリデータを受信した後、復号化して印刷用の画像データを取得する。
画像処理装置1は、いわゆるドキュメントファイリング機能を有しており、受信した印刷ジョブから展開した画像データ、受信したファクシミリデータを符号化して取得した画像データ、及び後述する画像読取部により取得した画像データを不揮発性の記憶手段に一時的に記憶させておき、必要に応じて前記記憶手段から画像データを読み出して出力処理を行わせることができるようにしている。本実施の形態では、画像データを受付けた際に記憶手段への記憶の可否を判断し、画像データの機密性が確保できる場合、又は画像データの機密レベルが高くない場合にのみ当該記憶手段への記憶を許可するようにし、セキュリティの向上を図っている。
図2は画像処理装置1の制御系の構成を説明するブロック図である。画像処理装置1は、CPU11を備えており、該CPU11がROM13に予め格納された制御プログラムを読み込んで実行することにより、バス12を介して接続された各種ハードウェアを制御し、全体として前述の各機能を実行する画像処理装置1として動作させる。RAM14は半導体メモリにより構成され、前述の制御用プログラムの実行中に生成されるデータ、操作部15を通じて入力されるデータ、通信部19を通じて受信する各種のデータ等を一時的に記憶する。
操作部15は利用者からの動作指示を受付けるための各種操作キーを備えており、プリント枚数、コピー濃度、ファクシミリデータの送信先等の各機能における設定値、各機能の切替操作、出力開始指示等の利用者の指示を受付ける。表示部16は液晶ディスプレイを備えており、画像処理装置1の動作状況、操作部15から入力された各種の設定値等が表示される。また、表示部16の一部は前述の設定操作を受付けるように構成したタッチパネル方式のソフトウェアキーを備えている。
画像読取部17は、読取り用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ、AD変換器等を備えており(不図示)、所定の読取り位置にセットされた原稿の画像を当該イメージセンサに結像させてアナログ電気信号に変換し、変換したアナログ信号をAD変換器によりAD変換する。そして、AD変換して得られたデジタル信号は、原稿読取時の光源の配光特性、イメージセンサの感度ムラ等が補正された後、デジタルの画像データとして生成される。
画像形成部18は、例えば、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成することができる。
なお、本実施の形態では、画像形成部18はレーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成としたが、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式により画像形成を行わせる構成であっても良いことは勿論である。
通信部19は、通信ネットワークN1の通信規格に準拠した通信インタフェースを備えており、当該通信ネットワークN1に接続された情報処理装置2,2,…,2からの印刷ジョブを受信するとともに、前記情報処置装置2,2,…,2へ通知すべき情報を送信する。また、画像処理装置1を所謂ネットワークスキャナとして利用する場合、画像読取部17にて得られた原稿の画像データを通信部19を通じて所望の情報処理装置2に送信する。通信部19は、このような各種データの送受信を制御する。
ファクシミリ通信部20は、外部にファクシミリ装置を接続するための回線終端回路を備えており、ファクシミリ通信網N2を介して送信されたファクシミリデータを受信する。ファクシミリ通信部20は、受信したファクシミリデータを復号化するための復号化回路を備えており、復号化して得られる画像データを画像メモリ21へ転送する。また、ファクシミリ通信部20は、送信すべきファクシミリデータを符号化するための符号化回路を備えており、該符号化回路にて符号化したファクシミリデータを目的のファクシミリ装置へ送信する。ファクシミリ通信部20は、このようなファクシミリデータの送受信、及びファクシミリデータの符号化・復号化処理を実行する。
画像メモリ21は半導体メモリにより構成されており、画像読取部17により原稿の画像を読み取って生成した画像データ、通信部19を通じて受信した印刷ジョブから展開される画像データ、及びファクシミリ通信部20を通じて受信したファクシミリデータから展開される画像データを一時的に記憶する。画像メモリ21に一時的に記憶された画像データは、CPU11の指示によりその利用目的に応じた転送先に転送される。すなわち、用紙上に画像形成を行う場合には画像形成部18に転送され、スキャナデータとして情報処理装置2に送信する場合には通信部19に転送され、ファクシミリデータとして送信する場合にはファクシミリ通信部20に転送され、画像データを保存する場合には記憶部22に転送される。
記憶部22は、不揮発性のメモリ又はディスク上の磁気記録媒体を有するHDD装置により構成されており、その記憶領域の一部は、画像処理装置1に搭載されているハードウェアの構成及びその状態を管理するシステム管理領域22a、画像処理装置1の利用者に関する情報を管理する利用者管理領域22b、及び画像形成部18にて印刷処理を行った画像の画像データを出力履歴として記憶する第1,第2データ記憶領域22c,22dとして利用されている。なお、以下において第1データ記憶領域22cと第2データ記憶領域22dとを区別して説明する必要がない場合には、単にデータ記憶領域22c,22dと記載することとする。
画像処理装置1のCPU11は、操作部15を通じて要求を受付けた場合、又は情報処理装置2から送信された要求を通信部19にて受信した場合、データ記憶領域22c,22dに記憶された画像データを読み出すようにしている。そのため、印刷処理の失敗又は出力部数の不足等のために印刷処理を再度実行する必要がある場合には、データ記憶領域22c,22dに記憶された画像データを任意に読み出し、印刷処理を実行させることができる。なお、第1データ記憶領域22cは、第2データ記憶領域22dに比べてその記憶容量が小さく設定されており、第1データ記憶領域22cの空き容量が少なくなった場合、第1データ記憶領域22cに記憶してから一定時間が経過した画像データを自動的に第2データ記憶領域に記憶するようにしている。一方、第2データ記憶領域22dは、画像データのファイル形式ごと、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の処理モードごと、又は利用者が作成したフォルダごと等に整理して画像データを記憶する領域であり、消去等の操作指示が行われない限り保存された状態となる。第2データ記憶領域22dの空き容量がなくなった場合には、表示部16にその旨を表示して利用者に報知し、不要と思われる画像データを削除するか、又はHDD装置の増設等を行うことにより、新たな空き容量を確保することができる。
更に、画像処理装置1にデータ保護機能を追加するコンピュータプログラムを格納したセキュリティROM23aを装着するためのROM装着部23を備えている。ROM装着部23に前記セキュリティROM23aが装着された場合、CPU11はセキュリティROM23aに格納されたコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、内部で取り扱うデータのセキュリティを向上させる処理を行う。具体的には、画像読取部17にて取得した画像データ、印刷ジョブを展開して得られた画像データ等をデータ記憶領域22c,22dに記憶させる際、第三者により不正に取り出された場合であっても容易に解読できないように画像データを暗号化する処理を行う。
なお、本実施の形態では、セキュリティROM23aをROM装着部23に装着してデータ保護機能を追加する構成としたが、初期状態ではデータ保護機能が動作しない状態で前述のコンピュータプログラムをROM13上に組み込んでおき、操作部15を通じて所定の操作がなされた場合に、初期状態を解除して前記コンピュータプログラムによるデータ保護機能を動作させる構成であってもよい。
画像処理装置1は、搭載しているハードウェアの構成及びその状態を管理するためにシステム管理領域22a内にシステム管理テーブルを有している。図3はシステム管理テーブルの一例を示す概念図である。システム管理テーブルは大きく分けて機器構成情報と状態情報とに分類される。機器構成情報には、1分当たりの画像形成枚数(処理能力)、カラー印刷の可否、ステープル処理等の後処理を行う装置の有無、セキュリティROM23aの装着の有無、親展機能の有無等の情報が含まれる。また、状態情報には、画像形成部18の動作状況、各給紙トレイの用紙残量、トナー残量等の装置内部の状態に関する情報が含まれる。画像処理装置1のCPU11は、電源投入時に機器構成情報を取得するとともに、定期的にハードウェア各部と通信を行って各部の状態に関する情報を取得してシステム管理テーブルの内容を更新するようにしている。
図3に示した例では、画像処理装置が1分間当たりに45枚の白黒印刷を行う処理能力があり、後処理装置を搭載しておらず、セキュリティROM23aがROM装着部23に装着されており、親展機能を有していることを示している。また、現時点において画像形成部18は待機中であり、A4の用紙を収容するトレイの残量が50%、B5の用紙を収容するトレイの残量が90%、トナーの残量が70%であることを示している。
なお、本実施の形態では、システム管理テーブルを記憶部22内のシステム管理領域22aに設ける構成としたが、必ずしも記憶部22内に設ける必要はなく、電源投入後にCPU11が各ハードウェアと通信を行って機器の構成及び状態に関する情報を取得して前述したようなシステム管理テーブルをRAM14上に構築する構成であっても良い。
また、画像処理装置1は、利用者に関する情報を管理するために利用者管理領域22b内に利用者管理テーブルを有している。図4は利用者管理テーブルの一例を示す概念図である。利用者管理テーブルでは、利用者が使用している情報処理装置2の通信アドレス(IPアドレス)、氏名、認証情報、及び機密レベルを互いに関連付けて記憶している。ここで、認証情報とは、データ記憶領域22c,22dに記憶された画像データを出力する際に必要となる各利用者に個別に付与した情報のことであり、機密レベルとは、各利用者が取り扱うデータの機密性の高低を表す評価値のことである。なお、これらの情報は、画像処理装置1の管理者が操作部15又は情報処理装置2を通じて入力することにより登録される情報である。
以下、画像処理装置1が実行する処理をフローチャートを用いて説明する。図5は画像処理装置1が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。まず、画像処理装置1のCPU11は、画像データを受付けたか否かを判断する(ステップS11)。画像データを受付けたか否かは、画像読取部17にて原稿の画像を読取って画像データを生成したか否か、通信部19にて受信した印刷ジョブを展開して画像データを取得したか否か、又はファクシミリ通信部20にて受信したファクシミリデータを復号化して画像データを取得したか否かにより判断する。画像データを受付けていないと判断した場合(S11:NO)、画像データを受付けるまで待機し、画像データを受付けたと判断した場合(S11:YES)、受付けた画像データを一時的に画像メモリ21に保持させる(ステップS12)。
次いで、CPU11は、ROM13が記憶している制御プログラムに従って、システム管理テーブルが記憶している管理情報をチェックし(ステップS13)、管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態であることを示しているか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、セキュリティROM23aが装着されているか否かを判定する。管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態であることを示している場合は(S14:YES)、画像メモリ21に保持させた画像データを暗号化し、記憶部22に転送して第1データ記憶領域22cに記憶させる(ステップS15)。そして、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS16)。出力処理には、画像形成部18にて用紙上に印刷を行う処理、ファクシミリ通信部20を通じてファクシミリデータを送信する処理、及び通信部19を通じて画像データを情報処理装置2へ送信する処理が含まれており、何れの処理を実行するかは、操作部15又は情報処理装置2から利用者が指示した内容に依存する。
また、ステップS14において、セキュリティプログラムが動作する状態でないことを示している場合(S14:NO)、データ記憶領域22c,22dには画像データを記憶させずに、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS17)。
図6は記憶部22に記憶された画像データを出力する際の手順を説明するフローチャートである。画像処理装置1は、記憶している画像データを操作するための指示を操作部15にて受付けた場合(ステップS21)、最初に利用者の認証を行う。すなわち、認証情報の入力を促す画面を表示部16に表示し、操作部15を通じて入力された認証情報と利用者管理テーブルに予め記憶された認証情報とを比較することにより、登録された利用者であるか否かを判断して認証を行う。そして、予め登録された利用者のみが画像データの操作を許可されることとなる。CPU11は、ROM13が記憶している制御プログラムに従って、システム管理テーブルが記憶している管理情報をチェックし(ステップS22)、管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態であることを示しているか否かを判定する(ステップS23)。すなわち、セキュリティROM23aが装着されているか否かを判定する。管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態であることを示している場合は(S23:YES)、CPU11は、ROM13が記憶している制御プログラム及びセキュリティプログラムに従って、画像データの操作を行った後で画像データを消去することを基本設定とした、画像データの操作の実行の指示を受付けるための指示受付画面を表示部16に出力する(ステップS24)。
図7及び図8は画像データを操作する際の画面例を示す模式図である。まず、図7(a)に示す如く、第1データ記憶領域22cに記憶している画像データを保存している標準フォルダ、又は第2データ記憶領域22dに記憶している画像データを保存している一時保存フォルダから操作する画像データのファイルを検索するための検索画面が表示部16に出力されており、また、操作後に画像データのファイルをそのまま保存するか否かを指定するチェックボックスが出力されている。セキュリティプログラムが動作しているため、図7(a)に示す如く、画像データのファイルを保存しないことが指定された状態で、検索画面が出力される。利用者は、検索画面を確認して、画像データのファイルを保存しておく必要がある場合は、図7(b)に示す如く、検索画面上で画像データのファイルの保存を指定することで、画像データのファイルを消去せずに保存することの指示を入力する。検索画面上で標準フォルダ又は一時保存フォルダを指定した場合は、プリント又はコピー等の画像データの処理モードを選択することができ、いずれかの処理モードを選択することで、図8(a)に示す如く、選択した処理モードについてデータ記憶領域22c,22dに記憶している画像データのファイル一覧が表示部16に出力される。図8(a)のファイル一覧の中から一のファイルを選択することで、図8(b)に示す如く、画像データを操作するためのメニュー画面が表示部16に出力される。画像としての出力、他のフォルダへの移動、外部の情報処理装置2への送信、削除、画像データの属性の変更、及び画像データの詳細な情報の表示などのメニューが出力され、いずれかを指定することで画像データのファイルを操作することができる。図8(b)の画面上で出力を指定することで、図8(c)に示す如き、画像出力実行の指示受付画面が表示部16に出力される。この指示受付画面には、出力後に画像データを消去するか否かを指定するチェックボックスが出力されており、既に画像データのファイルを保存することを指定している場合は、画像データを消去する指定が解除されている。なお、この段階で、画像データの消去または保存を指定することとしてもよい。
ステップS23にて管理情報の内容がセキュリティプログラムが動作する状態であることを示していない場合は(S23:NO)、CPU11は、ROM13が記憶している制御プログラムに従って、画像データの操作を行った後で画像データを消去せずに保存することを基本設定とした、画像データの操作の実行の指示を受付けるための指示受付画面を表示部16に出力する(ステップS25)。この場合、セキュリティプログラムが動作していないため、図7(b)に示す如く、画像データのファイルを保存することが指定されている状態で、検索画面が出力される。ステップS24又はステップS25が終了した後は、図8(c)に示す如き指示受付画面にて使用者が出力を指定する等により、CPU11は、画像データの操作の実行指示を操作部15で受付け(ステップS26)、受付けた実行指示に従ってファイル操作の処理を実行する(ステップS27)。次いで、CPU11は、実行指示の際に画像データの消去の指示を受付けているか否かを判定し(ステップS28)、画像データの消去の指示を受付けている場合は(S28:YES)、操作を行った画像データのファイルを記憶部22から消去して(ステップS29)、処理を終了し、画像データの消去の指示を受付けていない場合は(S28:NO)、操作を行った画像データのファイルを記憶部22に保存したままで消去せずに処理を終了する。
実施の形態2.
実施の形態1では、セキュリティプログラムが動作している状態か否かにより画像データのデータ記憶領域22c,22dへの記憶の可否を判断する構成としたが、画像処理装置1は、利用者に関する情報を記憶部22内の利用者管理領域22bにて管理しているため、操作部15又は通信部19を通じて受付けた利用者の情報に基づいてデータ記憶領域22c,22dへの記憶の可否を判断する構成としも良い。なお、本実施の形態においても、画像処理装置1の内部構成については、実施の形態1と全く同様であるためその説明を省略することとする。
図9は画像処理装置1が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。まず、画像処理装置1のCPU11は、画像データを受付けたか否かを判断する(ステップS31)。画像データを受付けていないと判断した場合(S31:NO)、画像データを受付けるまで待機し、画像データを受付けたと判断した場合(S31:YES)、受付けた画像データを一時的に画像メモリ21に保持させる(ステップS32)。
次いで、CPU11は、ステップS31にて受付けた画像データと共に認証情報を受付けたか否かを判断する(ステップS33)。認証情報を受付けたと判断した場合(S33:YES)、利用者管理テーブルを参照することにより特定の利用者であるか否かを判断する(ステップS34)。ここで、特定の利用者とは、機密性が高いデータを取り扱う利用者を指し、利用者管理テーブルの機密レベルの項目を参照することにより判断することができる。
特定の利用者でないと判断した場合(S34:NO)、認証情報と画像メモリ21に保持させた画像データとを記憶部22に転送して第1データ記憶領域22cに記憶させる(ステップS35)。そして、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS36)。
また、ステップS33において認証情報を受付けていないと判断した場合(S33:NO)、及びステップS34にて特定の利用者であると判断した場合(S34:YES)、データ記憶領域22c,22dには画像データを記憶させずに、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS37)。
このように本実施の形態では、第三者がデータ記憶領域22c,22dから画像データを容易に取り出せないように認証情報が付されている場合には、データ記憶領域22c,22dへの記憶を許可すると共に、機密レベルが高いデータを取り扱う利用者の画像データはデータ記憶領域22c,22dへの記憶を許可しない構成とすることにより、保護すべき画像データの漏洩を防止している。
実施の形態3.
実施の形態1では、セキュリティプログラムが動作している状態か否かにより画像データのデータ記憶領域22c,22dへの記憶の可否を判断し、実施の形態2では、利用者に関する情報に基づきデータ記憶領域22c,22dへの記憶の可否を判断する構成としたが、両者を併せて判断することも可能である。なお、本実施の形態においても、画像処理装置1の内部構成は実施の形態1と全く同様であるため、その説明を省略することとする。
図10は画像処理装置1が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。まず、画像処理装置1のCPU11は、画像データを受付けたか否かを判断する(ステップS41)。画像データを受付けていないと判断した場合(S41:NO)、画像データを受付けるまで待機し、画像データを受付けたと判断した場合(S41:YES)、受付けた画像データを一時的に画像メモリ21に保持させる(ステップS42)。
次いで、CPU11は、ROM13が記憶している制御プログラムに従って、システム管理テーブルが記憶している管理情報をチェックし(ステップS43)、管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態であることを示しているか否かを判定する(ステップS44)。管理情報の内容が、セキュリティプログラムが動作する状態でないことを示している場合には(S44:NO)、画像データと共に認証情報を受付けたか否かを判断する(ステップS45)。ステップS44においてセキュリティプログラムが動作している状態であると判断した場合(S44:YES)、又はステップS45において認証情報を受付けたと判断した場合(S45:YES)、利用者管理テーブルを参照することによりステップS41で受付けた画像データが特定の利用者の画像データであるか否かを判断する(ステップS46)。特定の利用者の画像データでないと場合は(S46:NO)、画像メモリ21に保持させた画像データを暗号化し、記憶部22に転送して第1データ記憶領域22cに記憶させる(ステップS47)。そして、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS48)。
また、ステップS45において、認証情報を受付けていないと判断した場合(S45:NO)、ステップS46において、特定の利用者の画像データであると判断した場合(S46:YES)、データ記憶領域22c,22dには画像データを記憶させずに、画像メモリ21に保持した画像データに基づいて出力処理を行う(ステップS49)。
本発明に係る画像処理装置を用いて構築される画像処理システムの全体構成を示す模式図である。 画像処理装置の制御系の構成を説明するブロック図である。 システム管理テーブルの一例を示す概念図である。 利用者管理テーブルの一例を示す概念図である。 画像処理装置が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 記憶部に記憶された画像データを出力する際の手順を説明するフローチャートである。 画像データを操作する際の画面例を示す模式図である。 画像データを操作する際の画面例を示す模式図である。 画像処理装置が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 画像処理装置が画像データを受付けたときに実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 画像処理装置
11 CPU
13 ROM
14 RAM
15 操作部
16 表示部
17 画像読取部
18 画像形成部
21 画像メモリ
22 記憶部
23 ROM装着部
2 情報処理装置
3 ファクシミリ装置
N1 通信ネットワーク
N2 ファクシミリ通信網

Claims (4)

  1. 外部から受付けた画像データを記憶手段に記憶しておき、該記憶手段に記憶した画像データを読み出して所定の処理を実行する画像処理装置において、
    画像データを受付ける際に利用者に係る情報を受付ける受付手段と、該受付手段が受付けた情報に基づいて前記記憶手段への記憶の可否を判断する判断手段とを備え、該判断手段が可と判断した場合、前記画像データを前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記受付手段が受付けた情報を画像データに関連付けて記憶する手段と、前記記憶手段から画像データを読み出す際の認証情報を受付ける手段と、受付けた認証情報と記憶した情報とに基づいて認証の可否を判断する手段とを備え、該手段が認証可と判断した場合、前記記憶手段に記憶した画像データを読み出すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 受付けた画像データを暗号化する手段を更に備え、前記判断手段が可と判断した場合、受付けた画像データを暗号化して前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記受付手段が受付けた情報に基づいて画像データの暗号化の要否を判断する手段と、受付けた画像データを暗号化する手段とを更に備え、受付けた画像データの暗号化を要と判断した場合、前記手段が暗号化した画像データを前記記憶手段に記憶すべくなしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
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