JP2005085324A - 磁気記録媒体および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トラックピッチを狭小化したとしても記録データを確実に再生し得る磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】複数の分離用溝G,G・・によって互いに分離された複数のトラックT,T・・が基材Daの表面側に形成されると共に、磁気ヘッド5の再生用ヘッド12を介してトラックTに垂直磁気記録方式で記録された記録データの再生が可能に構成され、分離用溝Gは、再生用ヘッド12における再生幅Rwの1/4倍以上の溝幅Tgで形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、分離用溝によって互いに分離された複数のデータ記録用トラックが基材表面に形成されると共に再生用磁気ヘッドを介してデータ記録用トラックに垂直記録方式で記録された記録データの再生が可能に構成された磁気記録媒体、およびその磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置に関するものである。
高密度記録が可能な記録媒体として、分離用溝によって互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラック(以下、単に「トラック」ともいう)が基材表面に形成されたディスクリートトラック型の磁気記録媒体(以下、単に「磁気記録媒体」ともいう)が知られている。この磁気記録媒体は、HDD(Hard Disk Drive )等の磁気記録再生装置に搭載されて、記録再生用磁気ヘッド(以下、「磁気ヘッド」ともいう)を介して各種の記録データを磁気的に記録する。この場合、この磁気記録媒体では、各トラック間の分離用溝によって、磁気ヘッドの漏れ磁界による実効記録トラック幅の不要な拡大が回避されている。また、この磁気記録媒体では、隣接トラックに対する記録データの記録や、隣接トラックに記録されている記録データの再生(クロストーク)の発生が低減されている。したがって、各トラックの形成ピッチ(以下、「トラックピッチ」ともいう)の狭小化が可能なため、記録データを高密度で記録することが可能となっている。
また、近年では、磁気記録媒体のさらなる高密度化(大記憶容量化)を可能とするために、磁気ヘッドにおける再生ヘッド幅や記録ヘッド幅、およびトラックのトラック幅などを所定の条件を満たすように規定して、トラックピッチの狭小化を図った磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置(一例として、特開平8−45003号公報に開示されている磁気ディスク装置)が開発されている。なお、本明細書では、以下、同公報中の符号については括弧付きで記載する。この磁気ディスク装置は、磁気ディスク(1)と、磁気抵抗効果型再生ヘッド(14)および巻線型記録ヘッド(15)で構成されたヘッド(3)とを備え、磁気ディスク(1)に対する記録データの記録および記録データの再生が可能に構成されている。この場合、この磁気ディスク装置では、磁気抵抗効果型再生ヘッド(14)の実効再生ヘッド幅(Tr)、巻線型記録ヘッド(15)の実効記録ヘッド幅(Tw)、磁気ディスク(1)におけるトラックのトラック幅(Td)が、シミュレーションによって導き出された所定の条件を満たすようにそれぞれ規定されている。具体的には、この磁気ディスク装置では、実効記録ヘッド幅(Tw)がトラック幅(Td)よりも大きいという条件、および実効記録ヘッド幅(Tw)が実効再生ヘッド幅(Tr)よりも大きいという条件の少なくとも一方を満たすように実効記録ヘッド幅(Tw)、実効再生ヘッド幅(Tr)およびトラック幅(Td)がそれぞれ規定され、この少なくとも一方の条件を満たすことによってトラックピッチ(Tp)の狭小化を可能としている。
特開平8−45003号公報(第3−8頁)
ところが、従来の磁気ディスク装置には、以下の問題点がある。すなわち、この磁気ディスク装置では、トラックピッチ(Tp)を狭小化する条件として、実効記録ヘッド幅(Tw)をトラック幅(Td)よりも大きく(または、実効記録ヘッド幅(Tw)を実効再生ヘッド幅(Tr)よりも大きく)規定している。一方、上記したように、磁気記録媒体では、分離用溝でトラックを分離することによって隣接するトラックからの磁界の影響、つまりクロストークの発生を低減している。したがって、クロストークの発生を低減させる上では、分離用溝の溝幅が重要なパラメータとなっている。しかしながら、従来の磁気ディスク装置では、分離用溝の溝幅と実効再生ヘッド幅(Tr)との相関関係が明確に規定されていないため、上記の条件を満たしてトラックピッチ(Tp)を狭小化したとしても、トラックピッチ(Tp)の狭小化によって例えば実効再生ヘッド幅(Tr)と比較して分離用溝の溝幅が極端に狭くなったときには、記録データの再生時におけるクロストークの発生を確実に減少させることができないため、記録データを確実に再生できないおそれがあるという問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、トラックピッチを狭小化したとしても記録データを確実に再生し得る磁気記録媒体、およびその磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る磁気記録媒体は、複数の分離用溝によって互いに分離された複数のデータ記録用トラックが基材表面に形成されると共に再生用磁気ヘッドを介して当該データ記録用トラックに垂直磁気記録方式で記録された記録データの再生が可能に構成され、前記分離用溝は、前記再生用磁気ヘッドにおける実効再生ヘッド幅の1/4倍以上の溝幅で形成されている。
この場合、前記分離用溝は、前記実効再生ヘッド幅の1/4倍以上でかつ当該実効再生ヘッド幅の1倍以下の範囲内の溝幅で形成されているのが好ましい。
また、前記データ記録用トラックは、前記分離用溝における前記溝幅の2倍以上でかつ当該溝幅の5倍以下の範囲内のトラックピッチで形成されているのが好ましい。
また、本発明に係る記録再生装置は、上記の磁気記録媒体と、前記再生用磁気ヘッドとを備えて、当該磁気記録媒体に記録されている前記記録データの再生が可能に構成されている。
本発明に係る磁気記録媒体および磁気記録再生装置によれば、再生用磁気ヘッドにおける実効再生ヘッド幅の1/4倍以上の溝幅で分離用溝を形成したことにより、トラックピッチを狭く(狭小化)したとしても記録データの再生時における隣接するデータ記録用トラックからの磁界の影響(クロストーク)を十分に小さい状態に維持することができるため、磁気記録媒体(データ記録用トラック)に記録されている記録データを確実に再生することができる。
また、本発明に係る磁気記録媒体および磁気記録再生装置によれば、実効再生ヘッド幅の1/4倍以上でかつ実効再生ヘッド幅の1倍以下の範囲内の溝幅で分離用溝を形成したことにより、分離用溝の溝幅を必要以上に広くすることなく記録データの確実な再生が可能な適正な範囲に規定することができる。したがって、記録データの確実な再生を確保しつつ磁気記録媒体の高密度化を実現することができる。この結果、大容量の磁気記録再生装置を構成することができる。
また、本発明に係る磁気記録媒体および磁気記録再生装置によれば、分離用溝における溝幅の2倍以上でかつ溝幅の5倍以下の範囲内のトラックピッチでデータ記録用トラックを形成したことにより、例えば、磁気記録媒体の設計時において、上記の再生用磁気ヘッドにおける実効再生ヘッド幅と溝幅との相関関係から溝幅を規定することで、その溝幅に基づいて記録データの確実な再生が可能なトラックピッチを確実かつ容易に規定することができる。また、トラックピッチを必要以上に広くすることなく記録データの確実な再生が可能な適正な範囲に規定することができる。したがって、記録データの確実な再生を確保しつつ磁気記録媒体の高密度化を容易に実現することができる。この結果、大容量の磁気記録再生装置を容易に構成することができる。
以下、本発明に係る磁気記録媒体および磁気記録再生装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、磁気記録再生装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す磁気記録再生装置1は、本発明に係る磁気記録再生装置の一例であって、モータ2、ハブ3、サーボ機構4、磁気ヘッド5、制御部6および磁気記録媒体Dを備えて構成されている。モータ2は、制御部6の制御下でハブ3を回転させることにより、ハブ3に取り付けられている磁気記録媒体Dを例えば所定の角速度で定速回転させる。サーボ機構4は、制御部6の制御下で、モータ2によって回転させられている磁気記録媒体D上の内周方向または外周方向に磁気ヘッド5を移動させる(トラッキングサーボ制御する)ことによって磁気記録媒体DのトラックT(本発明におけるデータ記録用トラックに相当する)にオントラックさせる。なお、トラッキングサーボ制御の具体的な方法については周知のため、その説明を省略する。
磁気ヘッド5は、図2に示すように、記録用ヘッド11と再生用ヘッド12とを一体形成して構成され、サーボ機構4によって磁気記録媒体D上において移動させられる。記録用ヘッド11は、磁気記録媒体Dに対して記録データを垂直磁気記録方式で記録する(トラックTを磁化する)。この場合、記録用ヘッド11の実効記録ヘッド幅(実質的に記録機能を果たす部位の幅。以下、「記録幅」ともいう)Wwが、磁気記録媒体DにおけるトラックTのトラック幅Twよりもやや広い例えば110nmに規定されている。再生用ヘッド12は、本発明における再生用磁気ヘッドに相当し、磁気記録媒体Dに記録された記録データの再生(トラックTに記録されている磁気的信号の読み取り)が可能に構成されて、記録データの再生時に所定の出力信号(リード信号)を出力する。この場合、再生用ヘッド12の実効再生ヘッド幅(実質的に再生機能を果たす部位の幅。以下、「再生幅」ともいう)Rwが、例えば100nmに規定されている。制御部6は、モータ2によるハブ3の回転、サーボ機構4による磁気ヘッド5の移動、および磁気ヘッド5による記録データの記録や再生を制御する。また、制御部6は、記録データの再生時に磁気ヘッド5によって出力されるサーボ検出信号に応じてサーボ機構4に対して磁気記録媒体Dの内周側および外周側に磁気ヘッド5を移動させる(サーボ制御する)ことにより、磁気ヘッド5を磁気記録媒体D上のトラックTにオントラックさせる。
磁気記録媒体Dは、本発明に係る磁気記録媒体に相当し、磁気ヘッド5を介して記録データを垂直磁気記録方式で記録可能に構成されている。具体的には、磁気記録媒体Dは、図2に示すように、例えば、ガラスで円板状に形成された基材Daを備えて構成され、この基材Daの表面には、軟磁性層Dbが形成されている。また、軟磁性層Dbの表面には、複数の分離用溝G,G・・によって互いに分離された同心円状の複数のトラックT,T・・が磁性体材料によって形成されている。この場合、トラックTに記録されている磁気的信号を再生用ヘッド12に確実に読み取らせるためには、トラックTのトラック幅Twが再生用ヘッド12における再生幅Rwの90%〜110%の範囲内に規定されているのが好ましく、トラック幅Twと再生幅Rwとが等しい幅に規定されているのがより好ましい。このため、この磁気記録媒体Dでは、トラック幅Twは、再生幅Rwと同等の100nmに規定されている。
また、この磁気記録媒体Dでは、分離用溝Gの溝幅Tgが、後述する実験結果から得られた基準を満たすように規定されている。具体的には、分離用溝Gの溝幅Tgは、図2に示すように、再生用ヘッド12における再生幅Rwの1/2倍(本発明における、実効再生ヘッド幅の1/4倍以上でかつ実効再生ヘッド幅の1倍以下の一例)に相当する50nmに規定されている。したがって、この磁気記録媒体Dでは、トラックT,T・・のトラックピッチTpが、溝幅Tgの3倍(本発明における、溝幅の2倍以上でかつ溝幅の5倍以下の一例)に相当する150nmに規定されている。この場合、溝幅Tgは、再生用ヘッド12における再生幅Rwの1/4倍以上でかつ1倍以下の範囲内で任意に変更することができる。また、トラックTのトラックピッチTpは、溝幅Tgの2倍以上でかつ5倍以下の範囲内で任意に変更することができる。
なお、実際には、トラッキングサーボ制御用のサーボパターンが磁気記録媒体Dに形成されているが、この最良の形態では、上記のトラッキングサーボ制御と同様にしてその図示および説明を省略する。また、磁気記録再生装置1は、実際には、磁気ヘッド5によって出力された出力信号を増幅して出力するアンプ、アンプの出力信号をディジタル変換するA/D変換器、外部装置(パーソナルコンピュータなど)との間で記録データ等を送受信するデータ入出力用I/F、および電源供給用コネクタ等を備えているが、本発明についての理解を容易とするために、その図示および説明を省略する。
次に、磁気記録媒体DにおけるトラックTの磁界と溝幅Tgとの関係、再生用ヘッド12の再生幅Rwと溝幅Tgとの関係、およびトラックTのトラックピッチTpと溝幅Tgとの関係について、図3および実験結果を示す図4〜図6を参照して説明する。
磁気記録媒体Dにおける所定のトラックT(例えば図3に示すトラックT1)に磁気ヘッド5がオントラックしている状態においてトラックT1が磁化されている(トラックT1に記録データが記録されている)ときには、図3に示すように、トラックT1の周囲に磁界が発生している。この際に、隣接する他のトラックT(例えば同図に示すトラックT2)が磁化されていないときには、同図に実線で示すように、トラックT1の両端部側(同図では右端部側)における磁界は、トラックT1の中央部における磁界H1よりもやや小さい値となる。この場合、トラックT1の端部(この例では、右端部)からトラック幅Twの10%に相当する長さ分だけ内側(中央部側)の位置における磁界を磁界H2とし、この状態におけるトラックT1の磁界H2と磁界H1との差(磁界H2−磁界H1)を磁界H1で除した値((磁界H2−磁界H1)/磁界H1)を磁界変動率α1と定義する。一方、トラックT2がトラックT1と同方向(同図に示す上向きの矢印方向)に磁化されているときには、同図に破線で示すように、トラックT2が磁化されていないときと比較して、トラックT1の磁界H2がトラックT2の磁界による影響を受けて大きい値となる。この場合、この状態におけるトラックT1の磁界H2と磁界H1との差を磁界H1で除した値を磁界変動率α2と定義する。また、トラックT2がトラックT1と逆方向(同図に示す下向きの矢印方向)に磁化されているときには、同図に一点鎖線で示すように、トラックT2が磁化されていないときと比較して、トラックT1の磁界H2がトラックT2の磁界の影響を受けて小さい値となる。この場合、この状態におけるトラックT1の磁界H2と磁界H1との差を磁界H1で除した値を磁界変動率α3と定義する。
ここで、磁界変動率α1と磁界変動率α2との差(磁界変動率α1−磁界変動率α2:以下「変動率差F1」ともいう)、および磁界変動率α1と磁界変動率α3との差(磁界変動率α1−磁界変動率α3:以下「変動率差F2」ともいう)は、トラックT2の磁界がトラックT1の磁界に与える影響の大きさを表している。したがって、変動率差F1,F2の絶対値が大きいほどトラックT2の磁界がトラックT1の磁界に大きな影響を与えていることとなる。この場合、変動率差F1,F2の絶対値は、分離用溝Gの溝幅Tgが狭いほど大きくなることが知られている。また、変動率差F1,F2の絶対値が15%を超えるときには、トラックT1に再生用ヘッド12(磁気ヘッド5)をオントラックさせて記録データを再生する際に、トラックT2による磁界の影響によって記録データを確実に再生できないおそれがあることが実験から判明している。このため、変動率差F1,F2の絶対値が15%以下となる(記録データを確実に再生可能な)再生幅Rwと溝幅Tgとの相関関係を得るための実験を行った。
この実験では、再生幅Rwを100nmに規定した再生用ヘッド12を記録データの再生時に用いることを前提として、トラックTのトラック幅Twを再生幅Rwと同等の100nmに規定すると共に、分離用溝Gの溝幅Tgを7nm、12nm、20nm、25nm、50nmおよび100nmにそれぞれ規定した複数の磁気記録媒体Dを作製した。次いで、所定の測定用信号を入力して、溝幅Tgを7nmに規定した磁気記録媒体Dにおける所定のトラックT(例えば図3に示すトラックT1)を磁化させて(トラックT1に所定の記録データを記録して)上記の磁界H1,H2を測定した後に、上記の磁界変動率α1を算出した。次に、上記の測定用信号(同相の信号)を入力して、トラックT1に隣接するトラックT(例えば図3に示すトラックT2)をトラックT1と同方向に磁化させて磁界H1,H2を測定した後に、上記の磁界変動率α2を算出した。続いて、上記の測定用信号とは逆相の信号を入力して、トラックT2をトラックT1と逆方向に磁化させて磁界H1,H2を測定した後に、上記の磁界変動率α3を算出した。次に、磁界変動率α1,α2,α3に基づいて上記の変動率差F1,F2を算出した。次いで、同様にして、他の各磁気記録媒体Dにおける変動率差F1,F2を算出した。この実験によれば、図4,5に示すように、溝幅Tgを25nm以上(再生幅Rwの1/4倍以上)に規定した磁気記録媒体Dでは、変動率差F1,F2の絶対値が15%以下の良好な状態となることが明らかである。
次に、トラックTのトラック幅Twを90nm〜110nmの範囲内(再生用ヘッド12における再生幅Rwの90%〜110%の範囲内)で変更して溝幅Tgの異なる複数の磁気記録媒体Dを作製した後に、上記と同様の実験を行った。この結果、この実験においても、溝幅Tgを再生幅Rwの1/4倍以上に規定した磁気記録媒体Dでは、変動率差F1,F2の絶対値が15%以下となった。以上の結果から、磁気記録媒体Dの溝幅Tgを再生用ヘッド12の再生幅Rwの1/4倍以上に規定することによって記録データを確実に再生できることが明らかである。
次に、記録データを確実に再生可能な再生用ヘッド12の再生幅Rwと溝幅Tgとの相関関係を得るための他の実験を行った。この実験では、再生幅Rwを100nmに規定した再生用ヘッド12を記録データの再生時に用いることを前提として、トラックTのトラック幅Twを再生幅Rwと同等の100nmに規定すると共に、分離用溝Gの溝幅Tgを0nm(つまり分離用溝Gの無い状態)、20nm、50nmおよび100nmにそれぞれ規定した複数の磁気記録媒体Dを作製した。次に、磁気記録媒体Dにおける所定のトラックT(例えば図3に示すトラックT2)に一例として430kFCI(FCIは1インチ当たりの記録ビット数を表す単位)の記録データを記録し、記録データが記録されていない隣接するトラックT(例えば図3に示すトラックT1)に再生幅Rwを100nmに規定した再生用ヘッド12(磁気ヘッド5)をオントラックさせてトラックT2からの漏れ磁界に起因して磁気ヘッド5から出力される出力信号のS/N(Sは、430kFCIの出力信号の値。Nは、430kFCI付近の出力信号を除く10kFCI〜600kFCI帯域における出力信号の積分値)を解析した。この場合、このS/Nは、トラックT2からの漏れ磁界に起因するものであるため、その値が小さいほどトラックT2からの漏れ磁界の影響が小さいことを意味する。この実験によれば、図6に示すように、溝幅Tgを25nm以上(再生幅Rwの1/4倍以上)に規定した磁気記録媒体Dにおいて、出力信号のS/Nが記録データの再生に影響のない5dB以下であった。したがって、この結果においても、磁気記録媒体Dの溝幅Tgを再生用ヘッド12の再生幅Rwの1/4倍以上に規定することによって記録データを確実に再生できることが明らかである。また、同図に示すように、溝幅Tgを50nm(再生幅Rwの1/2倍)に規定した磁気記録媒体Dと、溝幅Tgを100nm(再生幅Rwの1倍)に規定した磁気記録媒体Dとでは、それぞれのS/Nに殆ど差が生じなかった。このことから、溝幅Tgを再生幅Rwよりも広く規定したとしてもS/Nを低減させる効果には殆ど差がないことが理解される。この場合、溝幅Tgを広くするほどトラックピッチTpも広くなって記録密度が低くなる。このため、溝幅Tgを再生幅Rwよりも広く規定した構成によれば、溝幅Tgを再生幅Rwと同一の幅に規定した構成と比較して、S/Nを低減させる効果に殆ど差がないにも拘わらず記録密度が低くなることとなる。したがって、記録データの確実な再生を確保しつつ磁気記録媒体Dの高密度化を図るためには、溝幅Tgを再生幅Rwの1/4倍以上でかつ再生幅Rwの1倍以下に規定するのが好ましいことが理解される。
また、上記したように、再生用ヘッド12の再生幅Rwを100nmに規定したときには、溝幅Tgを25nm以上でかつ100nm以下(再生幅Rwの1/4倍以上でかつ再生幅Rwと同じ幅以下)に規定するのが好ましい。また、上記したように、トラック幅Twと、再生用ヘッド12の再生幅Rwとを等しい幅に規定するのが好ましい。したがって、再生用ヘッド12の再生幅Rwを100nmに規定すると共に溝幅Tgを25nmに規定したときには、トラックピッチTpは、125nm(トラック幅Tw(100nm)+溝幅Tg(25nm))、つまり溝幅Tgの5倍(125nm/25nm)となる。一方、再生用ヘッド12の再生幅Rwを100nmに規定すると共に溝幅Tgを100nmに規定したときには、トラックピッチTpは、200nm(トラック幅Tw(100nm)+溝幅Tg(100nm))、つまり溝幅Tgの2倍(200nm/100nm)となる。このことから、記録データの確実な再生を可能とするためには、トラックピッチTpを溝幅Tgの2倍以上でかつ5倍以下に規定するのが好ましいことが導き出される。
次に、記録データの記録再生時における磁気記録再生装置1の動作について、図面を参照して説明する。
この磁気記録再生装置1では、磁気記録媒体Dに対する記録データの記録時において、サーボ機構4および制御部6によるサーボ制御により、磁気ヘッド5が磁気記録媒体D上のいずれかのトラックTにオントラックさせられる。この際に、磁気ヘッド5における記録用ヘッド11の記録幅WwがトラックTのトラック幅Twよりもやや広く規定されている。このため、図2に示すように、磁気ヘッド5がトラックTにオントラックさせられている状態では、記録用ヘッド11の下方に存在するトラックTの幅方向全域が、記録用ヘッド11の記録幅Wwの範囲内に含まれる(トラックTの幅方向全域が記録用ヘッド11と重なり合う)。したがって、記録用ヘッド11から出力される磁気的信号によってトラックTの幅方向全域が十分に磁化されるため、記録データが確実に記録される。
一方、磁気記録媒体Dに記録された記録データの再生時には、磁気記録媒体D上のいずれかのトラックTに磁気ヘッド5がオントラックさせられる。この際に、磁気ヘッド5における再生用ヘッド12の再生幅RwがトラックTのトラック幅Twと同等に規定されているため、図2に示すように、磁気ヘッド5がトラックTにオントラックさせられている状態では、再生用ヘッド12の下方に存在するトラックTの幅方向全域と、再生用ヘッド12の再生幅Rwとが重なり合う。このため、トラックTに記録されている磁気的信号が再生用ヘッド12によって確実に読み取られる。また、分離用溝Gの溝幅Tgが再生用ヘッド12の再生幅Rwの1/2倍に相当する50nmに規定されているため、隣接するトラックT,Tからの磁界の影響(クロストークの発生)が十分に小さい状態(上記した変動率差F1,F2の絶対値が15%以下の状態)に維持される。したがって、磁気記録媒体D(トラックT)に記録されている記録データが確実に再生される。
このように、この磁気記録媒体Dおよび磁気記録再生装置1によれば、再生用ヘッド12における再生幅Rwの1/4倍以上の溝幅Tgで分離用溝Gを形成したことにより、トラックピッチTpを狭くしたとしても、記録データの再生時における隣接するトラックTからの磁界の影響(クロストークの発生)を十分に小さくすることができるため、磁気記録媒体D(トラックT)に記録されている記録データを確実に再生することができる。
また、この磁気記録媒体Dおよび磁気記録再生装置1によれば、再生用ヘッド12における再生幅Rwの1/4倍以上でかつ再生幅Rwの1倍以下の範囲内の溝幅Tgで分離用溝Gを形成したことにより、分離用溝Gの溝幅Tgを必要以上に広くすることなく記録データの確実な再生が可能な適正な範囲に規定することができる。したがって、記録データの確実な再生を確保しつつ磁気記録媒体Dの高密度化を実現することができる。この結果、大容量の磁気記録再生装置1を構成することができる。
さらに、この磁気記録媒体Dおよび磁気記録再生装置1によれば、分離用溝Gにおける溝幅Tgの2倍以上でかつ溝幅Tgの5倍以下の範囲内のトラックピッチTpでトラックTを形成したことにより、例えば、磁気記録媒体Dの設計時において、上記の再生用ヘッド12における再生幅Rwと溝幅Tgとの相関関係から溝幅Tgを規定することで、その溝幅Tgに基づいて記録データの確実な再生が可能なトラックピッチTpを確実かつ容易に規定することができる。また、トラックピッチTpを必要以上に広くすることなく記録データの確実な再生が可能な適正な範囲に規定することができる。したがって、記録データの確実な再生を確保しつつ磁気記録媒体Dの高密度化を容易に実現することができる。この結果、大容量の磁気記録再生装置1を容易に構成することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の構成では、磁気記録媒体DのトラックピッチTpを150nmとし、トラック幅Twを100nmとし、溝幅Tgを50nmとすると共に、磁気ヘッド5における記録用ヘッド11の記録幅Wwを110nmとし、磁気ヘッド5における再生用ヘッド12の再生幅Rwを100nmとしたが、これらの数値はあくまでも例示であって、本発明における条件を満たす範囲において適宜変更することができる。また、本発明としては、磁気ヘッド5における再生用ヘッド12の再生幅Rwに応じて磁気記録媒体Dにおける分離用溝Gの溝幅Tgを規定する規定方法と、磁気記録媒体Dにおける分離用溝Gの溝幅Tgに応じて再生用ヘッド12の再生幅Rwを規定する規定方法とのいずれの方法を採用して構成することができる。
また、上記の磁気記録媒体Dでは、同心円状のトラックTが基材Daの片面にのみ形成されているが、本発明における磁気記録媒体には、基材の表裏両面にデータ記録用トラックを形成した両面記録型の磁気記録媒体が含まれる。この場合、同心円状のトラックTに代えて螺旋状のトラックを形成してもよい。また、本発明における磁気記録媒体には、分離用溝G内に非磁性体材料を充填したタイプのものも含まれる。また、上記の磁気記録媒体Dでは、基材Daの表面に軟磁性層Dbが形成されると共に、軟磁性層Dbの表面にトラックTが形成されているが、本発明における磁気記録媒体には、基材Daと軟磁性層Dbとの間に下地層(非磁性層)が形成されると共に、軟磁性層Dbと磁性層(トラックT)との間に中間層(非磁性層)が形成された磁気記録媒体が含まれる。
磁気記録再生装置1の構成を示すブロック図である。 トラックTに磁気ヘッド5をオントラックさせた状態の磁気記録媒体Dの断面図である。 記録データが記録されたトラックTにおける磁界の状態を説明するための説明図である。 測定用信号と同相の信号を入力して隣接のトラックTを磁化させた状態における溝幅Tgと変動率差F1との関係を示す特性図である。 測定用信号とは逆相の信号を入力して隣接のトラックTを磁化させた状態における溝幅Tgと変動率差F2との関係を示す特性図である。 溝幅Tgと、再生用ヘッド12から出力された出力信号のS/Nとの関係を示す特性図である。
符号の説明
1 磁気記録再生装置
11 記録用ヘッド
12 再生用ヘッド
D 磁気記録媒体
Da 基材
G 分離用溝
Rw 再生幅
T トラック
Tg 溝幅
Tp トラックピッチ

Claims (4)

  1. 複数の分離用溝によって互いに分離された複数のデータ記録用トラックが基材表面に形成されると共に再生用磁気ヘッドを介して当該データ記録用トラックに垂直磁気記録方式で記録された記録データの再生が可能に構成され、
    前記分離用溝は、前記再生用磁気ヘッドにおける実効再生ヘッド幅の1/4倍以上の溝幅で形成されている磁気記録媒体。
  2. 前記分離用溝は、前記実効再生ヘッド幅の1/4倍以上でかつ当該実効再生ヘッド幅の1倍以下の範囲内の溝幅で形成されている請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記データ記録用トラックは、前記分離用溝における前記溝幅の2倍以上でかつ当該溝幅の5倍以下の範囲内のトラックピッチで形成されている請求項1または2記載の磁気記録媒体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体と、前記再生用磁気ヘッドとを備えて、当該磁気記録媒体に記録されている前記記録データの再生が可能に構成されている磁気記録再生装置。
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