JP2005081226A - ナノ濾過膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い純水透過性と、低分子化合物の透過を阻害する優れた溶質阻止率を示すナノ濾過膜およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 有機溶媒に可溶な高分子材料より構成され、表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されている、ナノ濾過膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ナノ濾過膜およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、高い純粋透過性と低分子化合物の透過を阻害する優れた溶質阻止率を示すナノ濾過膜およびその製造方法に関する。
ナノ濾過膜(NF膜)とは、「2nmより小さい程度の粒子や高分子が阻止される圧力駆動の膜分離プロセス」とされている(なお、精密濾過(MF):>0.1μm、限外濾過(UF):0.1μm〜2nm)。しかし、一般には、NF膜とは、UF膜とRO膜の中間の細孔径をもつ(細孔径1〜2nm、分画分子量200〜1000)ことに加えて、膜素材表面に荷電をもつ膜を指している。すなわち、NF膜では細孔による分離(サイズ分離)と膜表面の荷電による静電気的な分離効果が組み合わされて、その膜固有の阻止性能、透過性能を示す。また、膜の荷電は正負があり、例えば同じメーカーでもカチオン荷電型(日東電工のNTR−7250)、アニオン荷電型(日東電工のNTR−7410)を製品化している。多くのポリアミド系複合NF膜は製法上、マイナスの固定荷電を持つものが多い。膜自身の荷電により、一価イオン(Na+)は通し、二価イオン(Mg2+)は阻止できるNF膜もある。また、細孔径は製造法により制御できるので、NF膜はこれら細孔と荷電の違いにより特徴のある分離性を付与することができる。
ナノ濾過膜(NF)は、逆浸透膜と限外濾過膜の中間に位置し、低圧力で脱塩ができるため高圧力下で作動し、エネルギーコストがかかる逆浸透膜に代わるか、あるいはその前処理膜として期待されている。一方、ナノレベルの細孔が規則的に作製できれば、水に含まれる発がん性のトリハロメタン、環境ホルモン、農薬等の分離も可能となる。一部の米国や欧州では、NF膜を用いた大規模なプラントが稼動しているが、その性能は必ずしも十分ではなく、新しいNF膜が求められている。求められている性能は、低圧力(3atm以下)、高い水透過性及び阻止率(分子量180の化合物を90%以上阻止)である。食品工業分野では、塩・アミノ酸・タンパク質の混合物の分離の要望が多いので、今後、NF膜の分離特性が有効に利用されると予想されている。乳業でのホエーからの脱塩への応用、糖質混合液からのオリゴ糖の分離、アミノ酸や乳酸の分離が検討されている。
特開2003−53390号公報 特開平6−210196号公報 特開平5−317661号公報
本発明は、高い純水透過性と、低分子化合物の透過を阻害する優れた溶質阻止率を示すナノ濾過膜およびその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、有機溶媒に可溶な高分子材料より形成した膜の表面スキン層にイオン照射を行い、さらにエッチング処理(プラズマ処理)を施すことにより、ナノレベルの膜厚を持つスキン層にナノレベルの細孔を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、有機溶媒に可溶な高分子材料より構成され、表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されている、ナノ濾過膜が提供される。
好ましくは、高分子材料は、ポリイミド類、ポリスルホン類、ポリエーテル類、ポリエステル類、又はポリアミド類である。さらに好ましくは、高分子材料は、含フッ素ポリイミド類である。好ましくは、本発明のナノ濾過膜は、グルコース1000mg/l(pH6.5、25℃)を用いた時の水流(water flux)は0.040ml/時間・mmHg・m2以上であり、グルコース又はスクロース阻止率(R(−))が0.8以上である。
好ましくは、本発明のナノ濾過膜は、無欠陥の表面スキン層と該表面スキン層を支える多孔質層からなる非対称構造を有し、該表面スキン層の表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されている。好ましくは、表面スキン層の厚さは5nmから1000nmである。
好ましくは、本発明のナノ濾過膜は、高分子材料を低沸点良溶媒、高沸点良溶媒及び貧溶媒から成る混合溶媒に溶解して得られた溶液を支持体上にキャストし、表面から溶媒を蒸発させた後に、凝固浴に浸積して相分離させることにより形成された膜に、イオン注入処理及びエッチング処理を施すことにより得られるナノ濾過膜である。好ましくは、ドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行うことができる。好ましくは、エッチング処理はプラズマ処理である。
本発明の別の側面によれば、有機溶媒に可溶な高分子材料の表面の少なくとも一部にドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行い、次いで、エッチング処理を行うことを含む、ナノ濾過膜の製造方法が提供される。好ましくは、高分子材料を低沸点良溶媒、高沸点良溶媒及び貧溶媒から成る混合溶媒に溶解して得られた溶液を支持体上にキャストし、表面から溶媒を蒸発させた後に、凝固浴に浸積して相分離させることにより無欠陥の表面スキン層と該表面スキン層を支える多孔質層からなる非対称構造を有する膜を形成し、該膜の表面の少なくとも一部にドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行い、次いで、エッチング処理を行うことを含む、ナノ濾過膜の製造方法が提供される。
本発明の特徴は、薄膜にイオン照射とエッチング処理(プラズマ処理やオゾン処理などの表面改質処理)を組み合わせて行うことにより、規則的なナノレベルの細孔を持つナノ濾過膜を簡便に作製でき、表面を親水化することにより水透過性を向上させることができることである。本発明のナノ濾過膜は、低圧力下で高い水透過性を示し、分子量180以下の化合物を100%近く阻止することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のナノ濾過膜は、有機溶媒に可溶な高分子材料より構成され、表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されていることを特徴とする。本発明のナノ濾過膜は、例えば、混合物から特定の成分、例えば、塩・アミノ酸・タンパク質、オリゴ糖などを分離するために使用することができ、さらに具体的には、水の浄化や環境ホルモンの分離などを目的として使用することができる。
本発明で使用される高分子材料は有機溶媒に可溶で、製膜可能な材料であれば特に限定されず、任意の材料を使用できる。本発明において好ましい高分子材料としては、ポリイミド類(含フッ素ポリイミドなどを含む)、ポリスルホン類、ポリエーテル類(ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル類、ポリアミド類などが挙げられ、特に好ましくは、含フッ素ポリイミド類である。
ポリイミド類とは、一般にテトラカルボン酸二無水物とジアミンの等モル量の縮重合によって得られ、テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の構造部分とジアミン成分に由来する2価の構造部分がイミド結合した構造を繰り返し単位とする高分子である。本発明では、繰り返し分子構造単位中に少なくとも1つの−CF3 基を有する含フッ素ポリイミドを使用することが特に好ましい。一般に芳香族ポリイミドは不溶不融となるため、その成膜が極めて困難となるが、含フッ素ポリイミドは優れた有機溶媒への溶解性を示すため、容易に超薄膜を作製できるという利点を有する。
本発明においては、フッ素含有ポリイミド樹脂のフッ素含有量は特に限定されないが、一般的には、繰り返し分子構造単位中のフッ素原子の数が6〜12個であることが、実質的に安定した高品質を有するナノ濾過膜を得るという観点からは好ましい。
本発明で用いられる含フッ素ポリイミドは、テトラカルボン酸2無水物とジアミン化合物を用いて公知の重合方法により調製することができる。例えば、テトラカルボン酸2無水物とジアミン化合物をほぼ等モル量を用い、極性溶媒中で約80℃以下の温度、好ましくは0〜60℃で撹拌し、ポリアミック酸を重合する。ここで用いられる極性溶媒は特に限定されないが、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノール、クレゾール、テトラハイドロフランなどが好適に用いられる。
得られたポリアミック酸の極性溶媒溶液にトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物、無水酢酸、塩化チオニル、カルボジイミドなどのイミド化促進剤を添加し、5〜150℃の温度で撹拌し、イミド化する。イミド化反応を行う際、イミド化促進剤を添加することなく、上記ポリアミック酸溶液を100〜400℃、好ましくは、120〜300℃で加熱してイミド化してもよい。
イミド化反応後、重合時の極性溶媒やイミド化促進剤を除去するために、多量のアセトン、アルコールまたは水等の溶液に滴下し精製することにより、膜材料として好適なポリイミド樹脂が得られる。また、イミド化促進剤を添加することなく、イミド化反応を行う場合は、ポリアミック酸溶液を多量のアセトン、またはアルコール等の溶液に滴下して得られたポリアミック酸粉末やポリアミック酸溶液から溶媒を蒸発させて得られたポリアミック酸の固体(蒸発の際、沈殿剤等を加えてポリアミック酸粉末を形成させ、濾別してもよい)を100〜400℃に加熱してイミド化することにより、膜材料として好適なポリイミドが得られる。
製膜液のポリイミド溶液濃度は3〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。また、製膜液を調整する場合に必要に応じて、膨潤剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。製膜液を流延する手段としては、例えば、ドクターナイフ、ドクタープレート、アプリケーター等を利用することができる。また、本発明における膜の形状は特に限定されないが、チューブ状(中空糸状を含む)、平膜状のものが好適に用いられる。
本発明のナノ濾過膜は、無欠陥の表面スキン層と該表面スキン層を支える多孔質層からなる非対称構造を有し、該表面スキン層の表面の少なくとも一部が、イオン注入処理及びエッチング処理により改質されているものが好ましい。本明細書において非対称構造とは、膜の一方の表面が緻密層(即ち、表面スキン層)となっており、内部構造と裏面は多孔質構造になっている膜を意味する。
非対称構造膜の製造方法などについては、川上浩良、相転換法による膜構造制御、膜(MEMBRANE), Vol.26, No.3, p110-115 (2001),日本膜学界発行;川上浩良、高気体透過性を有する含フッ素ポリイミド非対称膜の合成と特性、日本化学会誌(化学と工業化学)、2001, No.5, p257-265;H.Kawakami et al, Journal of Membrane Science 137 (1997) 241-250;などに記載されている。
具体的には、上記したような表面スキン層と多孔質層からなる非対称構造は、例えば、高分子材料を低沸点良溶媒、高沸点良溶媒及び貧溶媒から成る混合溶媒に溶解して得られた溶液を支持体上にキャストし、表面から溶媒を蒸発させた後に、凝固浴に浸積して相分離させることにより形成することができる。
低沸点良溶媒としては、ジクロロメタン、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)などを使用できる。高沸点良溶媒としては1,1,2-トリクロロエタン、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを用いることができる。貧溶媒としては、直鎖状の炭素数1から6のアルコールを用いることができる。
高分子材料の濃度5〜30重量%、低沸点良溶媒は20〜95重量%、高沸点良溶媒は0〜30重量%、貧溶媒は0〜20重量%とし、ガラス板上に高分子材料溶液をキャストし、直ちにドクターブレードで膜厚を調整(例えば、50〜500μm)する。その後、10〜600秒間ガラス板上に静置し、表面から溶媒を蒸発させる(乾式プロセス)。その後、直ちに凝固浴に浸積させ相分離を誘発させる(湿式プロセス)。凝固浴は用いる含フッ素ポリイミドなどの高分子材料を溶解しないが、製膜液中の溶媒と相溶性を有する溶媒であれば、特に限定されないが、水やエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類およびこれらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられる。製膜液中の有機溶媒を浸漬除去する際の凝固浴の温度は特に限定されないが、好ましくは0〜200℃の温度で行われる。
このようにして作製された膜は表面に完全無欠陥な表面スキン層とそれを支える多孔質層からなる非対称構造を形成し、表面スキン層は数nmから500μm程度まで作製条件を変えることにより容易に制御することができる。本発明においては、好ましくは、表面スキン層の厚さを5nmから1000nmとすることができ、さらに好ましくは10nmから500nmとすることができる。
本発明のナノ濾過膜の表面の少なくとも一部は、イオン衝撃により改質されている。本発明においてイオン衝撃を与える手段としてはイオン注入が挙げられる。
表面・表層加工技術は新しい優れた機能や複合機能を持つ表面表層を形成する手法として発達してきた。この技術には母材の性質を変化させずに母材表層のみを改変する方法と表面上に新しい層を形成する方法とがある。イオン注入法(イオンビーム照射技術)は前者にあたり、添加効果を目的にした例ではすでにシリコンへの不純物添加法として確立された技術である。イオン注入法とは、添加を目的とする粒子を高真空(10-4 Pa)中でイオン化し、数十 kV から数 MV に加速して固体基板に添加する方法であると定義されている。
イオンの運動エネルギーによって付着効果、スパッタ効果、注入効果に分類される。真空蒸着法ではイオンの有するエネルギーは1eV程度あるいはそれ以下である。近年開発されたイオンスパッター蒸着法は基板から飛び出す粒子のエネルギーが 100eVにも達する。この方法は蒸着速度は遅いが均一性や密着性が通常の蒸着方法より優れている。エネルギーが数 10eVの領域のイオンを用いる方法としてプラズマによる表面改質が挙げられる。数 10eVのイオンが材料表面に衝突した場合、物質透過能は低いものであり、反応はごく表面近傍で生じる.しかしながら気体中で放電を行うと、通常は高エネルギー電子、励起分子からの紫外線および可視光線も発生される。またプラズマでの真空度はおよそ 10-1 パスカル(Pa.)程度であり、用いる気体以外のイオンの発生が生じる。これらの要素はプラズマ反応をより複雑化し、また同時に制御性も困難なものとなる。また 10-1 パスカル(Pa.)程度の真空度でのこれらの反応は活性種の濃度が極めて高く、化学変化は高密度に生じる。
蒸着粒子のエネルギーを強制的に増加させる膜形成法としてイオン化プレーティング法がある。この方法は蒸着粒子の一部をイオン化して靜電界で強制的に加速して基板表面に照射しながら膜を形成するものである。全体の粒子に対するイオン化した粒子の割合は 5 % 前後である。蒸発粒子のイオン化は電子のシャワー、あるいは高周波による放電を利用し行われている。この加速されたイオンのために蒸着膜原子と基板原子とは混合し、また膜面上の均一性も向上し膜は緻密化する。イオンの加速のための靜電電圧は数十Vから数kVである。この技術で利用されている粒子は中性粒子やイオンが混在するため、運動エネルギーの幅は広い。従って、低エネルギーでの付着効果による膜形成、中エネルギーでのスパッタリングによる削り取りなど種々の作用を有する。
粒子のエネルギーを揃えるためにイオンのみを利用する手法、即ち、一定のエネルギーに加速して基板に照射する方法がイオンビーム技術の本道といえる。数 kVで加速した粒子が基板に照射されると粒子は表層に侵入するが表面を削り取る効果が大きい。しかしながら数 kVのエネルギーでもイオンの注入効果をもたらす。
数kVで加速されたイオンが固体に照射されると基板表層は損傷を受ける。この損傷をできるだけ少なくする方法は低エネルギーのイオンを利用することである。低エネルギーのイオンは付着効果が大きく揃ったエネルギーの粒子を利用することを特徴としている.イオン注入法は、イオンビームを利用する表面処理技術の中で最も高いエネルギーを利用する方法である。
高分子材料にイオンビームを照射する場合、金属材料、半導体などへの照射と異なり、種々の問題点が存在する。具体的には以下のような注意が必要である。
(1)多くの高分子材料は温度に対して変性しやすく、分解が生じ、イオンビーム電流の上限に対して制限が加わる。
(2)高分子材料は絶縁体であるため、照射イオンによって表面が帯電し、正確な照射量が測定できなくなる可能性がある。
(3)イオンビームの照射による高分子結合の分解に伴うガス放出が生じ、イオン注入装置の真空系に損傷を与える。
また、イオン注入法の特徴を以下に記載する。
(1)非熱平衡のもとでの粒子添加プロセスであるから、溶解しない元素でも、また溶解する元素でも溶解度以上に添加することができる。添加する元素、添加される基板(標的)の組み合わせは全く自由である。
(2)添加する粒子の深さは添加するイオンと添加される基板に関係するが、加速エネルギーによって制御することができる。
(3)添加する粒子の数(注入量)はイオンビーム電流と注入時間によって制御できる。
(4)目的のイオンのみを選択できるため、添加する粒子の純度が良く、またイオンビームを走査するため標的基板面の全域にわたって均一な粒子添加が行える。
(5)イオンビームの直進性を利用してマスクを用いることによって、添加したい部分とそうでない部分を容易に分離できることが挙げられる。
高分子材料にイオンビームを照射すると、進入したイオンは母材原子との衝突によって随時エネルギーを損失し、最終的に停止する。その過程で、結合の切断や新たな結合が生じる。一般に核阻止能が支配的な場合にはラジカルのような欠陥の発生、コンフォメーション、密度、モルフォロジーの変化が観察され、電子阻止能が支配的な場合には、電子的励起を伴い、分枝鎖の切断、架橋が生じていると考えられる。高分子材料の原子間結合は数eV程度の結合エネルギーであり、イオンビーム照射により母材に与えられる単位長当たりのエネルギー量は数十eV/Åである。結合エネルギーに比して十倍以上のエネルギー束の照射である。このエネルギー束を照射することによって高分子材料に物性変化が生じることが観測されている。これらの現象はイオンビームの種類、加速エネルギー、照射量、及び母材の種類によって異なる。高分子材料にイオンビームを照射する際には、高分子材料が熱に弱いため、ビーム電流を上げすぎない必要がある。また高分子材料は電気的絶縁体であるため、電流測定では正確な注入量が測定できない可能性があることに注意を払う必要がある。
本発明において注入するイオン種としては、H+、He+、C+、N+、O+、Na+、N2 +、O2 +、Ar+、Kr+等が例示されるが、高分子膜の構造を過度に破壊するものでなければこれらに特に限定されるものではない。
ドース量φは、1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 の範囲であることが好ましい。1010個/cm2より低いと、ガス透過性の改善効果が小さくなり、1016個/cm2 より高いと高分子材料が破壊され易くなり、何れも好ましくない。より好ましくは、ドース量φは、1×1011≦φ≦1×1016個/cm2 の範囲である。
イオンの加速エネルギーに関してはこの高低によりエネルギー伝達機構に差異が生じるものと考えられるが、実際的には数MeV以下の範囲で設定することができ、好ましくは2MeV 以下である。
ビーム電流密度はおおよそ3μA/cm2 を越えない範囲に設定することが望ましい。これはビーム電流密度が過大になるとターゲットである高分子材料の温度が上がりすぎ、高分子材料自体が劣化する上、ガス透過性が低下するおそれがある。
本発明においては、上記のようなイオン注入処理を行った後に、さらにエッチング処理を行う。これにより、ナノレベルの膜厚を持つスキン層にナノレベルの細孔を形成させることができる。
本発明で言うエッチング処理とは、プラズマ法又はオゾン法等により行うことができる。一般に気体分子に電場をかけると、気体中に少量存在する自由電子が加速され、速度エネルギーを持つが、その電子の衝撃を受けた気体分子は解離し、種々の科学種を含む、いわゆるプラズマ状態を形成する。特に低圧下では比較的弱い電場で自由電子は高速に加速され、気体分子を解離させる。すなわち、プラズマは電子、イオン、ラジカル、あるいは励起電子などの科学種を種々含んでいるが、この中でイオン種は、失速電子と再結合して急速に消滅する。ところがラジカルは他のラジカルと衝突の機会の少ない低圧系では、寿命が長く、気相中に高い濃度で蓄積する。10-2から10Torrの低圧ガスのグロー放電を使う低温プラズマ処理は、他の処理法にない特徴をもつ。すなわち、プラズマ表面処理では、材料の表面下サブミクロンの層だけしか変化しないため材料のバルクの性質に影響しない。しかも、ガスの種類に制約を受けないため、種々のガスの組み合わせで多彩な処理効果が得られる。また、オゾン処理は、オゾン発生機で発生したオゾンガス(O3)をオゾン反応槽で水と接触させ,残留有機性物質などを酸化して除去する方法である。また、オゾン処理は、細菌やウイルスの殺菌、脱臭、脱色の目的で処理を行う場合もある。オゾンは空気中の酸素から作った気体で、強い殺菌力を持つ。そのため水中のかび臭などを分解することができる。また、水中のマンガンの酸化や水の消毒にも役立つ。
上記の通り作製した本発明のナノ濾過膜は、低圧力下で高い水透過性を示し、分子量180以下の化合物を100%近く阻止することができる。本発明のナノ濾過膜は、例えば、水処理分野では、水の軟水化、フミン質の除去、トリハロメタンの除去などを目的として使用することができ、また、工業分野では、重金属イオンの除去、パルプ廃液の脱色、染料回収、有機溶媒中の合成物質の回収などを目的として使用することができる。以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:含フッ素ポリイミドの合成
重合溶媒にはジメチルホルムアミド(DMAc)を用い、2,2’−ビス(3,4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FDA)5.33g(0.012mol)と3,3’−ジアミノジフェニルスルホン2.97g(0.012mol)を等モルに調整した後、両モノマーの重量が15wt%になるようにDMAc(35.4ml)に溶解した。窒素雰囲気下15時間反応をさせポリアミド酸を合成した後、無水酢酸とトリエチルアミンを加え(モノマーの5倍モル)化学イミド化反応をさらに24時間行い、目的とする含フッ素ポリイミドを合成した。
実施例2:含フッ素ポリイミド非対称膜の作製
含フッ素ポリイミド(12重量%)(0.96g)を、ジクロロメタン(59重量%)(3.56ml)、1,1,2-トリクロロエタン(21重量%)(1.17ml)、ブタノール(8重量%)(0.71ml)の混合溶媒に溶解した。得られた含フッ素ポリイミド溶液をガラス板上にキャストし、直ちにドクターブレードで膜厚を250μmに調整した(膜の面積は約200cm2)。その後、15秒間、ガラス板上に静置し、表面から溶媒を蒸発させた。その後、直ちに凝固浴(メタノール)に6時間以上浸積した。次いで、空気中で少し乾燥させた後、水をガラス板に流して膜を剥がした。剥がした膜は150℃、15時間真空乾燥させた。作製された膜は表面に完全無欠陥な表面スキン層とそれを支える多孔質層からなる非対称構造を形成していた。また、作製した膜の表面スキン層の膜厚は、バラトロン計を用いた低真空法により、気体透過係数から算出した。
実施例3:イオン注入処理
理化学研究所 200 keVイオン注入装置を用いて 2cm角の試料(実施例2で得た含フッ素ポリイミド非対称膜)に対して加速エネルギー 50keV、照射量1×1015ions/cm2 で照射した。
実施例4:プラズマ処理
系内を0.01torr まで減圧し、その後Ar ガスを20ml/min で2 時間流し、系内をガスを置換した。プラズマ処理時にAr ガスの流束を7ml/min に下げ、系内の圧力を0.2torr にした。13.56MHz のラジオ波を50W でかけてプラズマを発生させ、実施例2又は実施例3で作製した膜を30、60、180、300、600 秒処理した。膜面積は直径4.5cmの円とした。
実施例5:
表面処理した膜(イオン注入処理とArプラズマ処理を行った膜、イオン注入処理のみ行った膜、並びにArプラズマ処理のみ行った膜)を、液体透過実験を行う前に純水:メタノール(20ml:30ml)の40:60 の混合溶液に浸潤させた。30 分後に中の溶液を半分ほど捨て、純水を加えた。さらに30 分後、中の溶液をすべて捨て、すべてを純水に置換して30 分後に実験に用いた。液体透過実験にはAmicon の攪拌型限外濾過セルをADOVANTEC 製リザーバーMODEL RP-1 に接続して用いた。膜面積は直径4.5cmの円とした。リザーバーを恒温槽にいれ、25℃に保った。圧力は窒素で加圧し、0.39MPa 以下の範囲の一定圧で自動圧力コントローラAP100N で保った。溶質阻止実験には1g/l のスクロース又はグルコースの溶液を用い、攪拌速度600rpm で透過実験を行った。阻止率はGPC で測定した濃度からR(-)=1-Cp/Cf で算出した。Cp とCfはそれぞれ透過液と供給液の溶質濃度である。
測定結果を以下の表1〜表4に示す。表1〜4の結果から、イオン注入処理とArプラズマ処理とを組み合わせて行うことにより、規則的なナノレベルの細孔を持つナノ濾過膜を作製でき、このナノ濾過膜は、低圧力下で高い水透過性を示し、分子量180の化合物を100%近く阻止することができることが実証された。
Figure 2005081226
Figure 2005081226
Figure 2005081226
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Claims (11)

  1. 有機溶媒に可溶な高分子材料より構成され、表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されている、ナノ濾過膜。
  2. 高分子材料が、ポリイミド類、ポリスルホン類、ポリエーテル類、ポリエステル類、又はポリアミド類である、請求項1に記載のナノ濾過膜。
  3. 高分子材料が、含フッ素ポリイミド類である、請求項1又は2に記載のナノ濾過膜。
  4. グルコース1000mg/l(pH6.5、25℃)を用いた時の水流(water flux)が0.040ml/時間・mmHg・m2以上であり、グルコース又はスクロース阻止率(R(−))が0.8以上である、請求項1から3の何れかに記載のナノ濾過膜。
  5. 無欠陥の表面スキン層と該表面スキン層を支える多孔質層からなる非対称構造を有し、該表面スキン層の表面の少なくとも一部がイオン注入処理及びエッチング処理により改質されている、請求項1から4の何れかに記載のナノ濾過膜。
  6. 表面スキン層の厚さが5nmから1000nmである、請求項5に記載のナノ濾過膜。
  7. 高分子材料を低沸点良溶媒、高沸点良溶媒及び貧溶媒から成る混合溶媒に溶解して得られた溶液を支持体上にキャストし、表面から溶媒を蒸発させた後に、凝固浴に浸積して相分離させることにより形成された膜に、イオン注入処理及びエッチング処理を施すことにより得られる、請求項1から6の何れかに記載のナノ濾過膜。
  8. ドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行う、請求項1から7の何れかに記載のナノ濾過膜。
  9. エッチング処理がプラズマ処理である。請求項1から8の何れかに記載のナノ濾過膜。
  10. 有機溶媒に可溶な高分子材料の表面の少なくとも一部にドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行い、次いで、エッチング処理を行うことを含む、請求項1〜9の何れかに記載のナノ濾過膜の製造方法。
  11. 高分子材料を低沸点良溶媒、高沸点良溶媒及び貧溶媒から成る混合溶媒に溶解して得られた溶液を支持体上にキャストし、表面から溶媒を蒸発させた後に、凝固浴に浸積して相分離させることにより無欠陥の表面スキン層と該表面スキン層を支える多孔質層からなる非対称構造を有する膜を形成し、該膜の表面の少なくとも一部にドース量φが1×1010個/cm2≦φ≦1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入処理を行い、次いで、エッチング処理を行うことを含む、請求項1〜9の何れかに記載のナノ濾過膜の製造方法。
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