JP2005078261A - カード通信システムおよび通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ICカードに反りがあっても,ICカードとの間で電極間の距離のばらつきを少なくすることができ,安定した通信特性を得ることの可能なカード通信システムおよび通信装置を提供する。
【解決手段】 通信方式が密着型非接触式のICカード100と,ICカードとの間で通信を行うカードリーダ/ライタ200とを含むカード通信システムであって,ICカードの表面には,通信装置との通信路となる静電容量カップラーを形成するための第1電極部110が形成され,通信装置には,ICカードが密着される通信部210に,第1電極部と一体となって静電容量カップラーを形成する第2電極部220と,第2電極部と電気的に接続され,通信部の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体230とが形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明はカード通信システムおよび通信装置にかかり,特に,IC(Integrated Circuit)が埋め込まれるなどしてこれに情報を保持し,通信装置に接触することなく通信を行うことの可能な密着型非接触式のICカード(以下,単にICカードという。)を利用可能なカード通信システムおよび通信装置に関する。
近年,IC(Integrated Circuit)をカードに埋め込んだICカードが急速に普及している。データの書き換えが可能なメモリをICに搭載することにより,1枚のICカードを繰り返し使用することができる。ICカードは,従来より用いられている磁気カードなどに比べ,障害に強く,記憶できる情報量も多いことから,ネットワークを介したオンラインによる電子商取引に利用できるほか,オフラインでも身元証明証や通行証の代わりなどに幅広く利用することが可能である。このような事情から,カード収納ケースからICカードを取り出す手間を省くことなどを目的として,非接触型のICカード(以下,単に非接触型カードという。)が用いられるようになっている。かかる非接触型ICカードには,電波などの無線方式でデータを送受信するための送受信手段(アンテナ)が埋め込まれており,非接触型カードを専用のカード端末機(カードリーダ/ライタ)にかざすことによって,非接触型カードとカード端末機とを接触させることなく,データを送受信したり,電力の供給を受けたりすることができる。
上述のように,インタフェースの違いからICカードを接触型カードと非接触型カードとに分類することができる。カード端末機との接続のための外部端子を有する接触型カードとは異なり,非接触型カードは内部のアンテナを通して電力供給やデータの読み書きを行う。メモリカードが主体となる非接触型タイプは通信距離によって,密着型,近接型,近傍型,遠隔型の4つのタイプに分類される。それぞれの通信距離は,密着型が2mm,近接型が10cm,近傍型が70cm,遠隔型が数m程度までである。また近傍型までが電磁誘導方式,遠隔型がマイクロ波方式となっている。電子乗車券やテレホンカードとして実用化が進んでいるのが近接型タイプである。なお接触型,非接触型の両方の機能を兼ね備えたものはコンビネーションカードないしハイブリッドカードと呼ばれ,例えば電子マネー等の決済分野では接触型で,入退出管理に関しては非接触型でという用途が期待されている。
また,密着型の非接触方式のICカードの場合,他の通信方式として,例えば,静電容量カップラーを用いた技術がある。この技術は,ICカードの表面に形成された電極部と,カード端末機の表面に形成された電極部とで,コンデンサ素子(キャパシタ素子あるいは静電容量素子とも言われる。)の機能を有する静電容量カップラーを形成し,これをICカードとカード端末機との間のデータ伝送チャンネルとして用いるものである(例えば,特許文献1参照。)。
特公平6−85191号公報
ところで,静電容量カップラーを伝送チャンネルとして用いる場合には,カード端末機の通信部と,ICカードがともに平面上であり,静電容量間の距離が縮小されていないと静電容量の低下を招き好ましくない。カード端末機側の電極部の形状が変わることは考えにくいが,ICカードは,ユーザが財布などに入れて保持することも多いため,反りが発生することがある。ICカードの電極部が形成された面が内側に沿ってしまうと,ICカードをカード端末機に近づけても電極部間が離れてしまうため,静電容量カップラーの静電容量の低下を招く。このような事情から,ICカードの反りによる悪影響を回避する技術が求められている。ICカードの反りを目視で把握するのは困難な場合もあり,また,ICカードには個体差があるため,カード端末機側で対応可能な技術が求められている。
本発明は,上記背景技術に鑑みてなされたものであり,本発明の主な目的は,ICカードに反りがあっても,ICカードとの間で電極間の距離のばらつきを少なくすることができ,安定した通信特性を得ることの可能な,新規かつ改良されたカード通信システムおよび通信装置を提供することである。
本発明の第1の観点によれば,通信方式が密着型非接触式のICカードと,ICカードとの間で通信を行う通信装置とを含むカード通信システムであって,ICカードの表面には,通信装置との通信路となる静電容量カップラーを形成するための第1電極部が形成され,通信装置には,ICカードが密着される通信部に,第1電極部と一体となって静電容量カップラーを形成する第2電極部と,第2電極部と電気的に接続され,通信部の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体と,が形成されたことを特徴とする,カード通信システムが提供される。
かかるカード通信システムによれば,通信装置側に,通信部の表面から所定厚み盛り上がるように誘電体を形成したので,ICカードに形成された第1電極部を,誘電体に容易に接触させることができる。この誘電体は,通信部に形成された第2電極部と電気的に接続されているので,実質的に,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部との距離のばらつきを少なくすることができる。このようにして,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部とが一体となって形成された静電容量カップラーを通信路とするにあたり,安定した通信特性を得ることが可能である。
本発明のカード通信システムにおいて,以下のような応用が可能である。
ICカードの表面には,第1電極部が複数形成され,通信装置の通信部には,第2電極部と誘電体との対が複数形成される構成としてもよい。ICカードおよび通信装置に,それぞれ電極部を2以上形成し,静電容量カップラーを2以上形成することにより,複数チャンネルのデータを並列に伝送することができる。これにより,データ伝送の高速化を実現することが可能である。
通信装置は,ICカードとの間でデータを送受信するとともに,ICカードに対して電力を供給する構成とすることも可能である。本発明は上記のように,安定した通信特性を得ることができるので,ICカードのデータの読み出しのほかに,書き込みを行うことができ,さらに,ICカードに対して電力を安定して供給することが可能である。なお,本発明の通信装置は,ICカードの読み出しまたは書き込みのいずれか一方のみを行うものであってもよい。また,ICカードに対する電力供給についても,その機能を有するものであっても有しないものであってもよい。
本発明の第2の観点によれば,少なくとも通信方式が密着型非接触式のICカードとの間で通信を行う通信装置であって,ICカードが密着される通信部に,ICカードの表面に形成された第1電極部と一体となってICカードとの通信路となる静電容量カップラーを形成する第2電極部と,第2電極部と電気的に接続され,通信部の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体と,が形成されたことを特徴とする,通信装置が提供される。
かかる構成によれば,通信部の表面から所定厚み盛り上がるように誘電体を形成したので,ICカードに形成された第1電極部を,誘電体に容易に接触させることができる。この誘電体は,通信部に形成された第2電極部と電気的に接続されているので,実質的に,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部との距離のばらつきを少なくすることができる。このようにして,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部とが一体となって形成された静電容量カップラーを通信路とするにあたり,安定した通信特性を得ることが可能である。
本発明の通信装置において,以下のような応用が可能である。
ICカードの表面には,第1電極部が複数形成され,通信部には,第2電極部と誘電体との対が複数形成される構成としてもよい。ICカードおよび通信装置に,それぞれ電極部を2以上形成し,静電容量カップラーを2以上形成することにより,複数チャンネルのデータを並列に伝送することができる。これにより,データ伝送の高速化を実現することが可能である。
誘電体は,通信部の表面からおよそ0.2mm盛り上がって形成されるようにしてもよい。ICカードの通信方式が密着型の非接触式であることから,誘電体の高さとして,およそ0.2mm程度とすれば十分である。
第2の電極部は,面積がおよそ20mm角としてもよい。ICカードおよび通信装置の通信部の大きさや,誘電体の厚みとの比較,あるいは通信特性などを考慮すると,第2の電極部の構成として,面積がおよそ20mm角とする構成を採用することができる。
誘電体は,誘電率が空気の誘電率のおよそ10倍としてもよい。後述するように,誘電体の誘電率を空気の誘電率のおよそ10倍程度の高誘電率とすることにより,最適な通信特性を得ることが可能である。
誘電体は,ICカードが密着されて,少なくとも一時的に形状が変化する材質からなるようにすることも可能である。ICカードが密着されて,形状が変化する材質からなる誘電体を用いることにより,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部との間の距離のばらつき(個体差)を一層少なくすることができる。
ICカードとの間でデータを送受信するとともに,ICカードに対して電力を供給するようにしてもよい。本発明は上記のように,安定した通信特性を得ることができるので,ICカードのデータの読み出しのほかに,書き込みを行うことができ,さらに,ICカードに対して電力を安定して供給することが可能である。なお,本発明の通信装置は,ICカードの読み出しまたは書き込みのいずれか一方のみを行うものであってもよい。また,ICカードに対する電力供給についても,その機能を有するものであっても有しないものであってもよい。
以上説明したように,本発明によれば,ICカードに反りがあっても,ICカードとの間で電極間同士の距離のばらつきを少なくすることができ,安定した通信特性を得ることの可能な,カード通信システムおよび通信装置を提供することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかるカード通信システムおよび通信装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施の形態にかかるカード通信システムのシステム構成について説明する。
図1は,本実施の形態にかかるカード通信システムの説明図である。
本実施の形態にかかるカード通信システムは,図1に示したように,通信方式が密着型非接触式のICカード100と,ICカード100との間で通信を行う通信装置の一例たるカードリーダ/ライタ200を含むシステムである。図1に示したように,密着型非接触式のICカード100をカードリーダ/ライタ200にかざすことによって,これらの間で通信を行うことが可能である。以下,これらシステム構成要素について順に説明する。
(A)ICカード
図2は,本実施の形態にかかるICカード100の説明図である。
ICカード100は,図2に示したように,およそ8.5cm×5.5cm程度の大きさで2mm程度の厚みを有する通常のカードにIC(Integrated Circuit)が埋め込まれてこれに情報を保持するカードである。本実施の形態のICカード100としては,ICへの情報の読み書きを行うためのカードリーダ/ライタ200に接触することなく通信を行うことの可能なカード(非接触型カード)のうち,通信距離が2mm程度のいわゆる密着型非接触式の通信方式を採用したカードを想定している。
ICカード100は,カードリーダ/ライタ200からの微小な電磁波を捕らえて動作する省電力,耐久性を念頭に設計されたバッテリレスカードである。ICカード100の表面材料としては,例えば,焼却しても環境に影響の少ないPET(ポリエチレンテレフタート)材料を使用することができる。
このような密着型非接触式のICカードとしては,ソニー株式会社が規格化したFelica(フェリカ)がある。FeliCaは,カードリーダ/ライタ(読み取り・書き込み装置)にかざすだけでデータの読み取りと書き込みが可能である。また,カードリーダ/ライタとICカード間の通信に暗号化処理を用いているので,確実なセキュリティを要求される用途に使用可能である。また,ICカードをカードリーダ/ライタが検出・起動し,相互認証を行い,データの読み書きを行う一連の動作を高速に行えるので,スピーディーな処理が必要な用途に向いている。
ICカード100の表面には,図2に示したように,カードリーダ/ライタ200との通信路となる静電容量カップラーを形成するための電極部(第1電極部)110が形成されている。図2に示した一例では,電極部110が2つ形成されている。また,ICカード100には,ICモジュール120が埋め込まれている。
(電極部110)
電極部(第1電極部)110は,後述のカードリーダ/ライタ200に形成された電極部220と一体となって,カードリーダ/ライタ200との通信路となる静電容量カップラーを構成する。ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間のデータのやり取りを,静電容量カップラーで行うことにより,回路構成を簡単にでき,ひいてはICカード100の薄型化,小型化に効果がある。ICカード100およびカードリーダ/ライタ200に,それぞれ電極部を2以上形成し,静電容量カップラーを2以上形成することにより,複数チャンネルのデータを並列に伝送することができる。これにより,データ伝送の高速化を実現することが可能である。静電容量カップラーについては,さらに後述する。
(ICモジュール120)
図3は,ICモジュール120の機能構成を概念的に示した説明図である。
ICモジュール120は,図3に示したように,処理回路121およびメモリ122を内蔵している。
処理回路121は,所定の情報や要求に応じた種々の処理を行う。例えば,処理回路121として,高速CPU(Central Processing Unit)を内蔵することができる。そして,後述のカードリーダ/ライタ200との間の通信にTripleDESなどの暗号通信を採用することで,接触型ICカードと同等以上のセキュリティを実現することができる。
メモリ122は,書き換え可能な記憶媒体,例えば,電気的に書き込み消去可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)から構成される。メモリ122には,複数のブロック単位,例えば,8ブロック(1ブロック2バイト)までに対する情報の書き込みが可能であり,書き込み処理と読み出し処理を並列処理することが可能である。メモリ122には,様々な種類のデータを保持記憶できるほか,カード専用のオペレーティングシステムやアプリケーションなども記録しておくことができる。なお,メモリ122に対する読み出し/書き込み処理については,本実施の形態の本質的特徴ではないため,より詳細な説明については省略する。
以上,密着型非接触式のICカード100について説明した。
次いで,ICカード100との間で通信を行う通信装置の一例たるカードリーダ/ライタ200について,図4を参照しながら説明する。
(B)カードリーダ/ライタ
図4は,本実施の形態にかかるカードリーダ/ライタ200がコンピュータ300に接続された状態を示す説明図である。
カードリーダ/ライタ200は,図4に示したように,ユーザが使用するコンピュータ300などに接続されている。カードリーダ/ライタ200には,ICカード100が密着される通信部210が設けられている。カードリーダ/ライタ200は,この通信部210を介して,ICカード100との間でデータを送受信(読み出し/書き込み)するとともに,ICカード100に対して電力を供給することができる。
図5は,通信部210にカード100がかざされた状態を示す説明図である。
通信部210には,図5に示したように,電極部(第2電極部)220が形成されている。
(電極部220)
電極部(第2電極部)220は,ICカード100に形成された電極部100と一体となって,コンデンサ素子(キャパシタ素子あるいは静電容量素子とも言われる。)の機能を有する静電容量カップラー400を形成する。ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間の通信は,この静電容量カップラー400をデータ伝送チャンネルとして用いて行われる。ICカード100およびカードリーダ/ライタ200に,それぞれ電極部を2以上形成し,静電容量カップラーを2以上形成することにより,複数チャンネルのデータを並列に伝送することができる。これにより,データ伝送の高速化を実現することが可能である。
ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間の通信は暗号化された信号により行われる。さらに,ICカード100との間で入出力されたデータは,コンピュータ300との間で入出力が行われ,必要に応じて,インターネットなどのネットワークにおいて利用可能である。
一般に,カードリーダ/ライタ200とICカードとの通信距離は,通信方式,すなわち,ICカードの送受信手段(アンテナ)の大きさなどにより異なる。本実施の形態では,ICカード100として密着型非接触式のICカードを想定しており,カードリーダ/ライタ200とICカードとの通信距離は,およそ0.2mmである。カードリーダ/ライタ200は,ICカード100の検出,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との相互認証,ICカード100の読み取り,ICカード100への書き込み(記録),の一連の処理をおよそ0.2秒ほどで行うことができる。
ところで,静電容量カップラーは,リアクタンス(1/jωC,ω=2πf,Cは静電容量)が周波数に応じて低くなるので,伝送する周波数が高くなればそれだけ,効率よい伝送が可能となる。例えば,静電容量カップラーの電極の大きさを20mm角とし,図5に示したように,電極間の距離d0を0.1mmとした場合,周波数200MHzの正弦波信号に対するリアクタンスは,−j23Ωとなる。また,コンデンサ自体ノイズを発生しないので(抵抗のような熱雑音を発生しない)ので,信号伝送を行う場合,もし上記リアクタンスによる電圧降下が発生しても,増幅することができる。この場合,ノイズの発生は増幅器のNF(Noise Figure)のみである。
ところが,この静電容量カップラーを用いて電力伝送(電力伝送の場合,負荷抵抗が小さい)を行おうとすると,上記のリアクタンス−j23Ωの影響は大きく影響する。本実施の形態のように,ICカード100に形成された電極部110により静電カップラーを形成する場合,図6に示したように,ICカード100に反りがあると電極部間の距離d1が大きくなり(d1>d0),静電容量の減少に起因して,電力伝送の効率低下を引き起こしてしまう。そこで,本実施の形態では,この問題を解決すべく,以下の構成を採用する。
カードリーダ/ライタ200の通信部210の構成について,図6〜図8を参照しながら説明する。
(通信部210)
通信部210には,上記問題を解決するために,ICカード100の表面に形成された電極部110と一体となってICカード100との通信路となる静電容量カップラーを形成する電極部220に加え,この電極部220と電気的に接続され,通信部210の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体230が形成されている。
図7は,通信部210の表面に誘電体230が形成された状態を示す側面図である。
誘電体230は,図7に示したように,通信部210の表面からおよそ0.2mm盛り上がって形成されている。
図8は,通信部210の表面に誘電体230が形成された状態を示す平面図である。
誘電体230は,図8に示したように,底面積がおよそ20mm角の略直方体である。
このような形状の誘電体230を通信部210に形成するために,例えば,厚み0.2mmの高誘電率のシートを貼り付けることができる。このようにして,ICカード100と通信部210の盛り上がった部分とが接触し合うので,ICカード100に反りがあっても,電極部間の距離のばらつき(個体差)を少なくすることができ,安定した通信特性を得ることが可能である。また,高い誘電率シートなので,電気長は1/比誘電率にすることができ,シート厚みによる静電容量の低下を実質的になくすことができる。
次いで,誘電体230の誘電率について説明する。
図9は,高誘電率の誘電体挿入による電極間距離縮小効果を示す説明図である。
図9(a)は,ICカード100に形成された電極部110と,カードリーダ/ライタ200の通信部210に形成された電極部220との間の距離をdとし,この間に厚みd/2の誘電体を挿入した場合を示している。ここで挿入される誘電体は,通信部210の表面から所定厚み盛り上がって形成される誘電体230と同様のものを想定しており,その誘電率をεとする。誘電率εは,有機の誘電率εのおよそ10倍とする。一方,図9(b)は,ICカード100に形成された電極部110と,カードリーダ/ライタ200の通信部210に形成された電極部220との間の距離をd/2とした場合を示している。
図9(a)に示した場合の静電容量C1は,
C1=S/{(d−t)/ε+t/ε}
上記式にε=10ε,t=d/2を代入すると
C1=(20/11)×(εS/d)となる。
一方,図9(b)に示した場合の静電容量C2は,
C2=2×(εS/d)
静電容量C1,C2を比較すると,図9(a)に示した誘電体230は,ほぼ無いに等しい静電容量となる。
次いで,通信部210の表面に誘電体230を形成したことによる通信特性の変化を,図10〜図13に示したシミュレーション結果を示す説明図を参照しながら説明する。
図10は,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.2mmである場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。本シミュレーションおよび以下のシミュレーションでは,すべて,電極部220の面積を20mm角とする。図10によれば,一つの目安として,反射が−10dB以下となる周波数(反射帯域)は,120MHz〜220MHzである。反射が最小となり通過が最大となる最適の周波数は,165MHz近傍に現れている。
図11は,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmである場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。同様に,図11によれば,一つの目安として,反射が−10dB以下となる周波数(反射帯域)は,180MHz〜280MHzである。反射が最小となり通過が最大となる最適の周波数は,230MHz近傍に現れている。
図12は,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmであり,厚み0.2mmの誘電体230が形成された場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。同様に,図12によれば,一つの目安として,反射が−10dB以下となる周波数(反射帯域)は,130MHz〜230MHzである。反射が最小となり通過が最大となる最適の周波数は,172MHz近傍に現れている。
図13は,上記シミュレーション結果の比較を示す説明図である。
図13(a)は,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.2mmである場合(図10)と,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmであり,厚み0.2mmの誘電体230が形成された場合(図12)との比較を示す説明図である。図13に示したように,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.2mmである場合(図13(b))と,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmであり,厚み0.2mmの誘電体230が形成された場合(図13(c))とで,ほぼ等価な特性を示していることが分かる。
以上説明したように,本実施の形態によれば,通信部210の表面から所定厚み盛り上がるように誘電体230を形成したので,ICカード100に形成された電極部110を,誘電体230に容易に接触させることができる。この誘電体230は,通信部210に形成された電極部220と電気的に接続されているので,実質的に,ICカード100に形成された電極部110と通信部210に形成された電極部220との距離のばらつきを少なくすることができる。このようにして,ICカード100に形成された電極部110と通信部210に形成された電極部220とが一体となって形成された静電容量カップラーを通信路とするにあたり,安定した通信特性を得ることが可能である。
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかるカード通信システムおよび通信装置の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施の形態では,本発明の通信装置として,ICカード100の読み書きを行うカードリーダ/ライタ200を一例に挙げて説明したが,本発明はこれに限定されない。本発明の通信装置は,ICカードの読み出しまたは書き込みのいずれか一方のみを行うものであってもよい。また,ICカードに対する電力供給についても,その機能を有するものであっても有しないものであってもよい。
また,上記実施の形態では,誘電体230の形状や誘電率について,具体的な数値を例に挙げて説明したが,本発明はこれらに限定されるものではなく,任意の形状や誘電率を採用することができる。
また,上記実施の形態では,誘電体230の材質については特に限定していないが,例えば,ICカードが密着されて,少なくとも一時的に形状が変化する材質からなるようにしてもよい。ICカードが密着されて,形状が変化する材質からなる誘電体を用いることにより,ICカードに形成された第1電極部と通信部に形成された第2電極部との間の距離のばらつき(個体差)を一層少なくすることができる。
本発明はカード通信システムおよび通信装置にかかり,特に,IC(Integrated Circuit)が埋め込まれるなどしてこれに情報を保持し,通信装置に接触することなく通信を行うことの可能な密着型非接触式のICカードを利用可能なカード通信システムおよび通信装置に利用可能である。
カード通信システムの構成を示す説明図である。 ICカード100の構成を示す説明図である。 ICモジュール120の構成を示す説明図である。 カードリーダ/ライタ200がコンピュータ300に接続された状態を示す説明図である。 通信部210にカード100がかざされた状態を示す説明図である。 ICカード100に反りがある状態を示す説明図である。 通信部210に誘電体230が形成された状態を示す側面図である。 通信部210に誘電体230が形成された状態を示す平面図である。 高誘電率の誘電体挿入による電極間距離縮小効果を示す説明図である。 ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.2mmである場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。 ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmである場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。 ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmであり,厚み0.2mmの誘電体230が形成された場合の静電容量カップラーの周波数特性シミュレーション結果を示す説明図である。 ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.2mmである場合と,ICカード100とカードリーダ/ライタ200との間隔が0.4mmであり,厚み0.2mmの誘電体230が形成された場合との比較を示す説明図である。
符号の説明
100 ICカード
110 電極部
120 ICモジュール
121 処理回路
122 メモリ
200 カードリーダ/ライタ
210 通信部
220 電極部
230 誘電体
300 コンピュータ
400 静電容量カップラー

Claims (10)

  1. 通信方式が密着型非接触式のICカードと,前記ICカードとの間で通信を行う通信装置とを含むカード通信システムであって,
    前記ICカードの表面には,前記通信装置との通信路となる静電容量カップラーを形成するための第1電極部が形成され,
    前記通信装置には,前記ICカードが密着される通信部に,前記第1電極部と一体となって前記静電容量カップラーを形成する第2電極部と,前記第2電極部と電気的に接続され,前記通信部の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体と,が形成されたことを特徴とする,カード通信システム。
  2. 前記ICカードの表面には,前記第1電極部が複数形成され,前記通信装置の通信部には,前記第2電極部と前記誘電体との対が複数形成されることを特徴とする,請求項1に記載のカード通信システム。
  3. 前記通信装置は,前記ICカードとの間でデータを送受信するとともに,前記ICカードに対して電力を供給することを特徴とする,請求項1に記載のカード通信システム。
  4. 少なくとも通信方式が密着型非接触式のICカードとの間で通信を行う通信装置であって,
    前記ICカードが密着される通信部に,
    前記ICカードの表面に形成された第1電極部と一体となって前記ICカードとの通信路となる静電容量カップラーを形成する第2電極部と,
    前記第2電極部と電気的に接続され,前記通信部の表面から所定厚み盛り上がって形成された誘電体と,
    が形成されたことを特徴とする,通信装置。
  5. 前記ICカードの表面には,前記第1電極部が複数形成され,前記通信部には,前記第2電極部と前記誘電体との対が複数形成されることを特徴とする,請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記誘電体は,前記通信部の表面からおよそ0.2mm盛り上がって形成されることを特徴とする,請求項4に記載の通信装置。
  7. 前記誘電体は,誘電率が空気の誘電率のおよそ10倍であることを特徴とする,請求項4に記載の通信装置。
  8. 前記第2の電極部は,面積がおよそ20mm角であることを特徴とする,請求項4に記載の通信装置。
  9. 前記誘電体は,前記ICカードが密着されて,少なくとも一時的に形状が変化する材質からなることを特徴とする,請求項3に記載の通信装置。
  10. 前記ICカードとの間でデータを送受信するとともに,前記ICカードに対して電力を供給することを特徴とする,請求項3に記載の通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021119495A (ja) * 2010-05-18 2021-08-12 ダイナミックス インコーポレイテッド 光パルス及びタッチセンサ式ディスプレイを介して通信するカード及び装置のためのシステム及び方法

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