JP2005077230A - 環境放射線モニタ - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線検出器の短時間の温度変化に適切に追従して温度補償を、かつ経年変化に対して精度の高い補償を行う検出パルス波高値補償を行う環境放射線モニタを提供する。
【解決手段】環境中の放射線を放射線検出器にて検出し、この放射線検出器から出力される検出パルスに基づいて環境放射線量を線量率として測定する環境放射線モニタにおいて、放射線検出器の温度を測定する温度測定手段と、上記測定温度に基づき検出パルスの温度補償係数を決定する温度補償係数決定手段と、上記検出パルスの波高値を分析して波高スペクトルを求める波高分析手段と、上記波高スペクトルにおける天然放射性核種K−40の光電ピークに基づき検出器の経年変化補償係数を決定する経年変化補償係数決定手段と、温度補償係数と経年変化補償係数の積に基づき検出器パルスの波高値を安定化する補償制御手段と、を備えた。
【選択図】図5

Description

この発明は、原子力発電所周辺等で環境放射線の監視に用いられる環境放射線モニタにおいて、放射線検出器から出力される検出パルスの波高値を検出器の温度特性及び経年変化に対して安定に動作させる技術に関するものである。
この種の環境放射線モニタとしては、従来、NaI(TI)シンチレーション検出器の検出パルスの波高値に基づき線量の重み付けを行い、それを積算した積算線量に対して時定数処理を行って線量率を求めて出力し、安定した波高値を得るために波高スペクトルにおける天然放射性核種K−40のγ線1461keVの光電ピークを指標として主増幅器のゲインを制御し、検出パルスの波高値の温度変化及び経年変化を同時に補償し、その補償機能が人工放射性核種の影響で誤動作することを防止するために、環境放射線量が所定の値を超えた場合は、人工放射性核種の影響とみなしてK−40の光電ピークを指標としたゲイン補償から検出器温度の測定結果に基づくゲイン補償に切り替える方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3153484号公報
しかしながら上記従来方法は、天然放射性核種K−40の光電ピークに基づく補償を「主」とし、検出器温度に基づく補償を「従」とし、通常は「主」補償のみとし、人工放射性核種の影響がある時のみ「従」に切り換わるようにしているため、検出器温度が短時間に急激に変化する例えば夏場の雷雨のような場合に補償応答が追従できず、安定した補償精度が確保できないという問題があった。
また、より高感度の測定のために自己汚染の少ない低濃度K−40検出器が要求される場合、環境放射線モニタを設置する周辺地質が低濃度K−40環境である場合、環境放射線モニタを設置する局舎がK−40を多く含むコンクリート製からより低コストのプレハブ鉄製に変更されるようになってきた状況において、指標ピークの測定精度を維持するために波高スペクトルの測定時間を十数時間と長くせざるを得ない状況が発生しており、こうした状況が益々温度変化の追従性を悪くしている。
また、降雨により環境中のRn及びTnが増加すると、その娘核種のγ線の散乱スペクトルが光電ピークに混入するため、指標ピークの測定精度を悪化させる。また、侵入したノイズが光電ピークを変動させかつ線量率が補償切換の許容値以内の場合は、同様に指標ピークの測定精度を悪化させる。また、波高スペクトルの測定時間が長いためにノイズの影響が長時間残るという問題があった。また、ノイズで線量率が上昇した場合、補償の切換により補償の誤動作は防止できるが、線量率測定の誤動作は避けられなかった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線検出器の短時間の温度変化に適切に追従して温度補償を行い、かつ、経年変化に対して精度の高い補償を行う検出パルスの波高値補償を、更にノイズに対して影響されない線量率測定を行う環境放射線モニタを提供することを目的とする。
上記の目的に鑑み、この発明は、環境中の放射線を放射線検出器にて検出し、この放射線検出器から出力される検出パルスに基づいて環境放射線量を線量率として測定する環境放射線モニタにおいて、放射線検出器の温度を測定する温度測定手段と、上記測定温度に基づき検出パルスの温度補償係数を決定する温度補償係数決定手段と、上記検出パルスの波高値を分析して波高スペクトルを求める波高分析手段と、上記波高スペクトルにおける天然放射性核種K−40の光電ピークに基づき検出器の経年変化補償係数を決定する経年変化補償係数決定手段と、温度補償係数と経年変化補償係数の積に基づき検出器パルスの波高値を安定化する補償制御手段と、を備えたことを特徴とする環境放射線モニタにある。
検出器パルスの波高値変化に対して、速い応答性が要求される温度変化については温度補償処理を行い、スパンの長い検出器の経年変化に対しては経年変化補償処理を行い、両方の補償処理を同時に進行させることにより精度の高い補償を行うことができる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図1〜5に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係わる環境放射線モニタの構成を示すブロック図である。図1において、NaI(TI)シンチレータ1はγ線が入射すると蛍光を発する。光電子増倍管2は上記蛍光を電子に変換して増倍させ、電流パルスを生成する。前置増幅器3は発生した電流パルスを電圧パルスに変換する。検出器ハウジング4は上記1〜3を収納する。放射線検出器5は上記1〜4で構成される。温度センサ6は放射線検出器5の温度を検出する。検出器収納ケース7は上記放射線検出器5と温度センサ6を収納して雨雪風から保護する。放射線検出器5、温度センサ6、およびこれらを収納する検出器収納ケース7を含む部分が放射線検出部となる。
高圧電源8は光電子増倍管2に高電圧を供給する。主増幅器9は前置増幅器3から出力された電圧パルスの波高値を増幅する。A/D変換器10は主増幅器9で増幅された電圧パルスの波高をデジタル値に変換する。温度測定部11は温度センサ6の出力を温度に対応した電圧の温度信号に変換する。演算部12はA/D変換器10の出力のデジタル値と温度測定部11の出力の温度測定値を入力し、上記デジタル値に重み付けを行い、線量率を演算して出力するとともに主増幅器9のゲインを制御する。メモリ13は演算部12の演算プログラム、演算結果としてのデータ、温度補償係数テーブル、主増幅器9のゲイン初期値、判定基準値、検出器パルスの波高値スペクトル(波高値スペクトル以外はそれぞれ特に図示せず)を記憶する。波高値スペクトルエリア131はメモリ13の中で検出器パルスの波高値スペクトルを記憶する。出力部14は演算結果としての線量率を表示するとともに環境放射線モニタの外部に演算結果を出力する。なお、演算結果の線量率は環境放射線量の一例であり、当然のことであるが線量当量率としてもよい。
演算部12は温度測定値と温度補償係数テーブルを照合して対応する温度補償係数を決定する。温度補償係数テーブル中のポイント間は、内挿法で温度補償係数を決定する。次に、検出パルスの波高のデジタル値に基づき作成された波高スペクトル(横軸が波高値で縦軸がカウント値)において、例えば1300〜1600keV相当の波高値から、最大カウントを示す天然放射性核種K−40の光電ピーク(1461keV相当)位置を求め、メモリに記憶されているその初期値との比の逆数をもって検出器の経年変化補償係数を決定し、温度補償係数に経年変化補償係数を掛け算してその結果に基づき主増幅器のゲインを制御する。この時、K−40の光電ピーク位置を正確に求めるためにサンプリング時間を例えば1000分以上とすれば、ピークカウントは通常10000カウント以上となり、ピーク波高値の測定誤差は1%未満(信頼度は99%以上)となる。
サンプリング時間を短くするとK−40の光電ピーク位置の測定精度が低くなり、結果として線量率の測定値に補償段差を生じる原因になる。温度センサは検出器の環境温度変化に対する応答と整合のとれたものが選択され、上記サンプリング時間に比べて10倍以上速い応答性である。このようにしてゲイン制御に対する応答性に差を持たせることにより、検出器温度に起因する短時間で現れる波高値変化に対しては、温度センサで検出した温度に基づく温度補償係数で補償し、長時間の時間経過において現れる主に光電子増倍管のゲイン変化に起因する波高値変化に対しては、K−40の光電ピークから求めた経年変化補償係数で補償し、応答性の差に適合させるようにゲイン制御の役割に違いを持たせている。なお、線量率測定における測定対象のγ線エネルギーは、一般に50〜3000keVである。
図2はこの発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の温度補償動作を示す図である。同図において、aは温度補償前(温度補償なし)のK−40光電ピーク位置の変動率、bは温度補償係数、cは温度補償後(温度補償あり)のK−40光電ピーク位置の変動率を模式的に表したものである。aは、例えば出荷時の温度試験において、5℃間隔で温度に対するK−40の光電ピークを測定し、基準温度に対する変動率として求めることができる。温度試験は塩化カリ中の天然のK−40を照射することにより精度の高いデータが得られる。bはaの逆数で、温度補償係数テーブルはbに基づいて作成する。
図3の(a)(b)はこの発明の実施の形態1に係わるK−40の光電ピークと測定時間の関係を示す図である。図3の(a)において、dは検出パルスの波高スペクトル、図3の(b)において、eはK−40光電ピークの10分測定結果を、fはK−40光電ピークの1000分測定結果を模式的に表したものである。eはカウント数が少ないため光電ピーク測定のばらつきが大きい。それに対してfは長時間測定でカウントが多いため光電ピークの測定精度が高くなる。
図4は、この発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の経年変化補償動作を示す図である。図4において、gは経年変化補償前(経年変化補償なし)のK−40光電ピーク、hは経年変化補償量、iは経年変化補償後(経年変化補償あり)のK−40光電ピークを模式的に表したものである。K−40光電ピークの経年変化はゆっくりしたものであり、経年変化補償を行うことによりK−40光電ピークは安定化されて、その結果として検出パルスの波高値が安定化される。
図5はこの発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の補償処理手順を示すフローチャートである。図5に従って動作を説明すると、まず、検出パルスの波高値データを入力する(ステップS01)。次に50keV≦波高値≦3000keVの条件を満たしていない場合には(ステップS02)ステップS01に戻り、満たしていれば、波高値データをスペクトルデータとしてメモリ13の波高値スペクトルエリア131に格納する(ステップS03)。
次に波高値データを線量に変換してメモリに格納する。この時、所定の個数を越える古いデータは廃棄する(ステップS04)。次に線量率測定時間≧線量率演算周期の条件を満たしていない場合は(ステップS05)ステップS01に戻り、満たしていれば、線量を積算して積算線量と線量率測定時間に基づき線量率Rを演算する(ステップS06)。
次に測定温度を入力し(ステップS07)、温度補償係数δ1を決定して前回値に上書きする(ステップS08)。次にR1=R×δ1を計算し(ステップS09)、メモリ13の波高値スペクトルエリア131に基づきK−40光電ピーク面積を計算する(ステップS10)。次にK−40光電ピーク面積≧所定のカウントの条件を満たしていない場合は(ステップS11)ステップS14に進み、満たしている場合はK−40光電ピーク位置を分析してメモリ131をリセットする(ステップS12)。
次に経年変化補償係数δ2を決定して前回値に上書きする(ステップS13)。そしてR2=R1×δ2を計算し(ステップS14)、線量率R2を出力して線量率測定時間をリセットし、ステップS01に戻る(ステップS15)。
温度センサ6、温度測定部11が温度測定手段を、ステップS07、S08が温度補償係数決定手段と処理手順を、ステップS03、S10〜S12が波高分析手段と処理手順を、ステップS13が経年変化補償係数決定手段と処理手順を、ステップS09、S014が補償制御手段と処理手順を示すものである。
なお、図5は検出パルスデータを1個ずつ処理しているが、複数個のデータ、例えばデータが16個溜まったらまとめて処理するようにしてもよい。
以上のように、検出器パルスの波高値変化に対して、速い応答性が要求される温度変化については温度補償処理を行い、スパンの長い検出器の経年変化に対しては経年変化補償処理を行い、両方の補償処理を同時に進行させることにより精度の高い補償を行うことができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図6および図7に基づいて説明する。
図6はこの発明の実施の形態2に係わる環境放射線モニタの構成を示すブロック図である。図6において、上記実施の形態1と同一もしくは相当部分は同一符号で示し説明を省略する。パルス幅診断部17は主増幅器9で増幅された電圧パルスのパルス幅が所定の許容範囲を逸脱している場合にパルス幅異常信号を出力する。パルス極性診断部18は上記増幅された電圧パルスが正常極性に対して逆極性方向に所定の電圧を超えた場合にパルス極性異常信号を出力する。上記パルス幅異常信号及び上記パルス極性異常信号は、演算器12に入力される。
演算器12は、測定結果としての環境放射線量が所定範囲を逸脱した場合、またはK−40の1461keVピークスペクトルの計数率が所定範囲を逸脱した場合に、降雨もしくは人工放射性核種検出とみなして放射線異常と判定し、経年変化補償係数の更新をスキップするとともに当該波高スペクトルデータのメモリ131への入力を停止する。また、演算器12はパルス幅異常信号またはパルス極性異常が入力された場合に、ノイズ侵入とみなして同様に経年変化補償係数の更新をスキップするとともに当該波高スペクトルデータのメモリ131への入力を停止する。従って、上記異常状態の間は温度補償係数と異常直前の経年変化補償係数に基づき検出パルスの波高値補償が行われ、正常状態に復帰すれば経年変化補償係数の更新が行われる。
図7の(a)(b)はこの発明の実施の形態2に係わる検出パルスの波高値の補償処理手順を示すフローチャートである。図7の(a)(b)に従って動作を説明すると、まず、検出パルスの波高値データを入力する(ステップS01)。次に50keV≦波高値≦3000keVの条件を満たしていない場合には(ステップS02)ステップS01に戻り、満たしていれば、パルス幅異常信号より検出パルスのパルス幅診断結果(許容値下限≦パルス幅≦許容値上限の時:正常=1)を入力する(ステップS02−1)。
次にパルス幅が正常の条件を満たしていない場合には(ステップS02−2)ステップS04へ、条件を満たしている場合にはパルス極性異常信号より検出パルスの極性診断結果(逆極性波高値≦許容上限の時:正常=1)を入力する(ステップS02−3)。次に極性が正常の条件を満たしていない場合には(ステップS02−4)ステップS04へ、正常の条件を満たしている場合は、波高値データをスペクトルデータとしてメモリ13の波高値スペクトルエリア131に格納する(ステップS03)。
次に波高値データを線量に変換してメモリに格納する。この時、所定の個数を越える古いデータは廃棄する(ステップS04)。次に線量率測定時間≧線量率演算周期の条件を満たしていない場合は(ステップS05)ステップS01に戻り、満たしていれば、線量を積算して積算線量と線量率測定時間に基づき線量率Rを演算する(ステップS06)。
次に測定温度を入力し(ステップS07)、温度補償係数δ1を決定して前回値に上書きする(ステップS08)。次にR1=R×δ1を計算し(ステップS09)、これが許容値下限≦線量率≦許容値上限の条件を満たしていない場合には(ステップS09−1)ステップS09−3へ、満たしている場合にはステップS09−2へ進み、さらに許容値下限≦計数率≦許容値上限の条件を満たしていない場合には(ステップS09−2)ステップS09−3へ、満たしている場合は、ステップS10に進む。ステップS09−3ではメモリ13の波高値スペクトルエリア131をリセットし、ステップS14に進む。
次にメモリ13の波高値スペクトルエリア131に基づきK−40光電ピーク面積を計算する(ステップS10)。次にK−40光電ピーク面積≧所定のカウントの条件を満たしていない場合は(ステップS11)ステップS14に進み、満たしている場合はK−40光電ピーク位置を分析して波高値スペクトルエリア131をリセットする(ステップS12)。次に経年変化補償係数δ2を決定して前回値に上書きする(ステップS13)。そしてR2=R1×δ2を計算し(ステップS14)、線量率R2を出力して線量率測定時間をリセットし、ステップS01に戻る(ステップS15)。
ステップS02−1〜S02−4の処理手順により、スペクトルデータヘのノイズデータの混入をブロックする。また、ステップS09−1〜S09−3の処理手順により降雨、降雪、人工放射能による環境放射線の変化がスペクトルデータに混入するのをブロックするとともに、波高値の小さいノイズが環境放射線の波高値にパイルアップしてスペクトルが変動することを防止する。
ステップS09−1、S09−3が環境放射線異常判定手段と処理手順を、ステップS09−2、S09−3が計数率異常判定手段と処理手順を、パルス幅診断部17、パルス極性診断部18、ステップS02−1〜S02−4がノイズ侵入判定手段と処理手順を示すものである。
以上のように、降雨または降雪もしくは人工放射性核種で環境放射線が変動した場合及び一過性ノイズの存在が確認された場合には、経年変化補償係数の更新をスキップさせることにより経年変化補償の誤動作を防止し、好適な波高スペクトルに基づき経年変化補償を行うことができる。またK−40の光電ピークスペクトルデータから異常データを排除することにより、正常復帰と同時に通常補償に復帰できる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図8に基づいて説明する。
図8はこの発明の実施の形態3に係わる環境放射線モニタの検出パルスの波高値の補償処理手順を説明するためのフローチャートであり、図5および図7にそれぞれステップS07−1が追加されている。すなわちこの実施の形態では、ステップS07で測定温度が入力された後、許容下限≦温度変化(今回値−前回値)≦許容上限の条件を満たしていない場合には(ステップS07−1)ステップS09に進み、満たしている場合は、温度補償係数δ1を決定して前回値に上書きする(ステップS08)。そしてR1=R×δ1を計算する(ステップS09)。
ステップS07、S07−1、S08が温度補償係数決定手段と処理手順を示す。
ステップS07−1の処理手順により、温度測定におけるノイズの影響を排除できる。
以上のように、測定温度の直前値からの変化が所定の許容範囲を逸脱した場合に温度補償係数の更新をスキップする補償制御により、温度測定に一過性ノイズがのった場合に温度補償誤動作を防止できる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4を図9に基づいて説明する。
図9はこの発明の実施の形態4に係わる環境放射線モニタの環境放射線量演算処理手順を説明するためのフローチャートであり、図5、図7および図8と異なる部分を示している。この実施の形態では実施の形態2と同様の検出パルスのパルス幅と極性の診断を行い、パルス幅診断結果および極性診断結果で正常でないと判断された場合にステップS02−1、S02−2に示されるようにそれぞれステップS01に戻る。図9のステップS02−1、S02−2は図7のステップS02−1とS02−2、S02−3とS02−4をそれぞれ合体させたものであり、図7では異常の場合にそれぞれステップS04に進むようにされている。
すなわちこの実施の形態では、ステップS02で50keV≦波高値≦3000keVの条件を満たした場合に次に、検出パルスのパルス幅診断結果(許容値下限≦パルス幅≦許容値上限の時:正常=1、異常≡0)を入力し(ステップS02−1)、パルス幅は正常の条件を満たしていない場合はステップS01へ戻り、正常の場合にはさらに検出パルスの極性診断結果(逆極性波高値≦許容上限の時:正常=1、異常=0)を入力する(ステップS02−2)。そして極性は正常の条件を満たしていない場合は、ステップS01へ戻り、正常の条件を満たしている場合は、波高値データをスペクトルデータとしてメモリ13の波高値スペクトルエリア(1)131に格納する(ステップS03)。
ステップS02−1、S02−2がノイズ侵入時当該波高値データを環境放射線量の算出演算から排除する手段と処理手順を示す。
パルス幅診断結果および極性診断結果で正常でないと判断された場合にステップS01に戻る処理手順により、線量率データのノイズデータの混入をブロックできる。
以上のように、ノイズ侵入と判定された場合に、当該波高値データを環境放射線量の算出演算から排除することにより、環境放射線量の一過性指示上昇を防止できる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5を図10に基づいて説明する。
図10はこの発明の実施の形態5に係わる環境放射線モニタの温度センサの熱容量を調整するための構造を示す図である。図10において、熱容量調整手段としての自己融着テープ19は温度センサ6の熱容量を調整するためのもので、巻き付ける量により温度センサ6の熱容量を容易に変えることができる。巻き付ける自己融着テープ19の厚みを変えて、温度変化に対する応答性を測定し、放射線検出器5と同等の応答性を示す厚みを求めることにより、温度センサ6の熱容量を放射線検出器5の温度応答性に適合させることができ。自己融着テープ19は発泡スチロールのような断熱材でもよい。
以上のように、放射線検出器の温度を測定する温度センサにテープを巻いて熱容量を調整することにより、過渡応答時も高精度の温度補償を行うことができる。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6を図11に基づいて説明する。
図11はこの発明の実施の形態6に係わる環境放射線モニタの放射線検出部の断熱構造を示す図である。図11において、熱遮蔽手段としての断熱材20は検出器収納ケース7の内側に設けられている。断熱材20としては、例えば発泡スチロールを用いることができる。断熱材20より、放射線検出器5の温度勾配を緩やかにできる。
以上のように、放射線検出器保護ケースの内側に断熱材を設置することにより、検出器温度変化の勾配を抑制できる。
実施の形態7.
この発明の実施の形態7を図12に基づいて説明する。
図12はこの発明の実施の形態7に係わる環境放射線モニタの日除けカバーの構造を示す図である。図12の(a)におい放射線検出器には日除けカバー21が設けられている。日除けカバー21は、検出器収納ケース7が直射日光に曝されるのを防止し、熱が籠もらないように下部が図12の(b)に示すように外気に開放21aされて、上部側面に図12の(c)に示すように通気孔21bを設けた構造により、検出器収納ケース7が夏場の厳しい日差しに曝されている状態から、雷雨で急激に冷却される時に、放射線検出器5の温度勾配を緩和できる。
以上のように、検出部に日除けカバーを備えることにより、特に、夏場の直射日光が厳しい状況で急激な雷雨があった場合についても、検出器温度変化の勾配を抑制することができる。
なおこの発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは言うまでもない。
この発明の実施の形態1に係わる環境放射線モニタの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の温度補償動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係わるK−40の光電ピークと測定時間の関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の経年変化補償動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係わる検出パルスの波高値の補償処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係わる環境放射線モニタの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係わる検出パルスの波高値の補償処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係わる検出パルスの波高値の補償処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係わる環境放射線量演算処理手順を示すフローチャートある。 この発明の実施の形態5に係わる温度センサの熱容量を調整するための構造の一例を示す図である。 この発明の実施の形態6に係わる放射線検出部の断熱構造の一例を示す図である。 この発明の実施の形態7に係わる日除けカバーの構造の一例を示す図である。
符号の説明
1 NaI(Tl)シンチレータ、2 光電子増倍管、3 前置増幅器、4 検出器ハウジング、5 放射線検出器、6 温度センサ、7 検出器収納ケース、8 高圧電源、9 主増幅器、10,15 A/D変換器、11 温度測定部、12 演算部、13 メモリ、131 波高値スペクトルエリア、14 出力部、16 補償制御部、17 パルス幅診断部、18 パルス極性診断部、19 自己融着テープ、20 断熱材、21 日除けカバー。

Claims (7)

  1. 環境中の放射線を放射線検出器にて検出し、この放射線検出器から出力される検出パルスに基づいて環境放射線量を線量率として測定する環境放射線モニタにおいて、
    放射線検出器の温度を測定する温度測定手段と、
    上記測定温度に基づき検出パルスの温度補償係数を決定する温度補償係数決定手段と、
    上記検出パルスの波高値を分析して波高スペクトルを求める波高分析手段と、
    上記波高スペクトルにおける天然放射性核種K−40の光電ピークに基づき検出器の経年変化補償係数を決定する経年変化補償係数決定手段と、
    温度補償係数と経年変化補償係数の積に基づき検出器パルスの波高値を安定化する補償制御手段と、
    を備えたことを特徴とする環境放射線モニタ。
  2. 環境放射線の測定結果に基づき環境放射線量が正常か異常かを判定する環境放射線異常判定手段と、
    所定の波高値範囲の計数率が正常か異常かを判定する計数率異常判定手段と、
    検出パルスの波形診断によりノイズ侵入を検知するノイズ侵入判定手段と、
    を備え、
    上記補償制御手段が、環境放射線量異常または計数率異常もしくはノイズ侵入のいずれかと判定された場合には、当該波高値データの波高スペクトルデータヘの取り込みをブロックするとともに経年変化補償係数の更新をスキップすることを特徴とする請求項1に記載の環境放射線モニタ。
  3. 上記温度補償係数決定手段が、測定温度の直前値からの変化が所定の許容範囲を逸脱した場合に温度補償係数の更新をスキップすることを特徴とする請求項1または2に記載の環境放射線モニタ。
  4. ノイズ侵入と判定された場合に、当該波高値データを環境放射線量の算出演算から排除する手段を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の環境放射線モニタ。
  5. 上記温度測定手段が熱容量調整手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の環境放射線モニタ。
  6. 上記放射線検出器を含む検出部に日射による輻射熱が侵入するのを緩和する熱遮蔽手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の環境放射線モニタ。
  7. 上記放射線検出器を含む検出部に日除けカバーを備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の環境放射線モニタ。
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