JP2005077167A - 目標追尾装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 推定精度が低下しやすいジャーク項の処理を行わずに、蛇行する追尾目標の追尾性能を向上し、蛇行軌跡の中心軸に沿った追尾処理を可能とする。
【解決手段】 等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する追尾目標の運動モデルに基づいて、カルマンフィルタにより前記追尾目標の運動諸元平滑値を算出する運動諸元予測器15−1を備え、必要に応じて蛇行軌跡の中心軸上、あるいは蛇行軌跡上に追尾目標が存在するような予測処理を行うようにした。
【選択図】 図1

Description

この発明は、追尾目標の運動諸元の観測値に基づいて、その追尾目標の運動諸元を予測する目標追尾装置に係るものであり、特に追尾目標が蛇行している場合にその運動諸元を精度よく予測する技術に関する。
従来の目標追尾装置は、追尾目標が蛇行して運動する場合に、加速度x"(t)を正弦関数x"(t)=nsin(ωt+φ)で表した運動モデルに基づくカルマンフィルタを用いて、追尾目標の運動諸元を予測していた(例えば、特許文献1や非特許文献1)。ただしここで、xは追尾目標の位置であり、x"は時間tによる二階微分を表す(x"=dx/dt)。またnは蛇行運動の最大振幅、ωは蛇行周波数、φは位相差である。
特開2002−189519「追跡システム、及び、追跡方法」公報 第4図、段落0038 "旋回(蛇行)目標追尾を行う多重運動モデルを用いたカルマンフィルタ"、電子情報通信学会総合大会、B−2−20、2003年3月
従来の目標追尾装置は、上記のように構成されているので、各サンプリング間における状態変数の時間変位を扱おうとすると、状態変数の一つである加速度の時間変化、すなわち、ジャーク項(加速度の時間による一階微分項)まで扱う必要がある。ところが、観測雑音が大きい場合やサンプリング間隔が長い場合には、ジャーク項の推定精度は劣化する傾向にある。また、蛇行周波数が小さい場合(蛇行軌跡の波長が長い場合)には、ジャーク項の推定まで行う必要が本来ないにも関わらず、上記の運動モデルを用いると、必然的にジャーク項を推定することとなって無駄な処理を行うことになる。さらに、蛇行振幅が大きい場合に、ある時刻の推定値(位置及び速度)を採用し、その時刻の速度で等速直線運動をすると仮定して数サンプリング後の位置予測を行うと、実際の目標位置との乖離が大きくなってしまう。この発明は、かかる問題を解決することを目的とする。
この発明に係る目標追尾装置は、前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値をカルマンフィルタによって算出する目標追尾装置であって、
等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する追尾目標の運動モデルに基づいて、前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値を算出する運動諸元予測手段を備えたものである。
この発明は、従来技術で用いる「加速度を基準とする運動モデル」ではなく、位置を基準とする運動モデルを採用し、さらに正弦運動成分だけでなく、等速直線運動成分を有する運動モデルを採り入れることによって、蛇行運動を行う追尾目標の追尾処理を精度よく行うことが可能となり、追尾目標が蛇行するために観測値と予測値が大きくずれるといった問題を少なくする効果を奏する。
以下、この発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。図において、ゲート判定器10は、観測値が追尾に有効なデータであるか否かを判定する部位である。予測諸元統合器11は、後述する運動諸元予測器によって算出される予測ベクトルが複数ある場合に、それらを統合して統合予測ベクトルとその誤差共分散行列である統合予測誤差共分散行列を算出する部位である。平滑諸元統合器12は、算出された平滑運動諸元が複数ある場合に、それらを統合して、統合平滑値と統合平滑誤差共分散行列を算出する部位である。統合平滑値メモリ13は、統合平滑値、統合平滑誤差共分散行列および後述する運動諸元予測処理によって算出される各運動モデルの事後確率を格納する記憶素子または回路によって構成される。
また、運動モデル制御器14は、追尾目標に対して追尾処理を行うにあたり、採用する運動モデルの数と各運動モデルに設定する蛇行周波数を決定する部位である。運動諸元予測器15−1〜15−N(Nは1以上の自然数)は、それぞれ所定の運動モデルに基づいてカルマンフィルタを実行することにより、追尾目標の運動諸元を予測する部位である。また運動諸元予測器15−1〜15−Nは、それぞれの運動諸元予測値の確からしさについて評価するために、運動モデルの評価値である尤度を算出するようになっている。混合平滑器16は、運動諸元予測器が複数ある場合、すなわちNが2以上の場合に、それぞれの運動諸元予測器が算出した運動諸元平滑値に対して、他の運動諸元予測器によって算出された運動諸元平滑値に基づく調整処理を行う部位である。より具体的にいえば、混合平滑器16は、各運動モデルの平滑値と平滑誤差共分散行列をミキシングと呼ばれる処理を行うようになっている。モデル尤度集計器17は、運動諸元予測器15−1〜15−Nが算出した追尾結果を評価するために用いる尤度の総和を算出する部位である。未来位置予測器18は、平滑諸元統合器12が算出した運動諸元平滑値に基づいて、追尾目標の未来位置を予測する部位である。
ここで、運動諸元予測器15−1〜15−Nの構成について補足する。Nが2以上の場合、すなわち、複数の運動諸元予測器を備える場合にあっては、各運動諸元予測器は他の運動諸元予測器とは異なる運動モデルを用いるようにした方が有利である。運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれが、種類の異なる複数の運動モデルを用いることで、各運動モデルによる追尾処理結果と現実の追尾目標についての観測値との差異の大小が生ずることになる。当然ながら、この場合には観測値と近い追尾処理結果を算出する運動モデルの処理精度が、それ以外の運動モデルの処理精度に優ることになる。複数の種類の運動モデルを採用することで、単一の運動モデルによる追尾処理より処理精度を向上させることができるのである。このように、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれがどの運動モデルに基づく追尾処理を行うかを決定する役割を担うのが、運動モデル制御器14である。
しかしながら、運動諸元予測器の個数は2以上であることは必須ではなく、少なくとも1つ備えるだけでも、以降の説明から明らかとなるように、従来の技術にはないこの発明の特徴が達成されるのである。したがって、運動諸元予測器の個数、すなわちNの値は、設計事項である。すなわち、N=1(単一の運動モデル)として、簡易な構成を採用してもよい。その場合には、運動諸元予測器15−1の算出する予測値をこの発明の実施の形態1による目標追尾装置の出力値として出力すればよく、予測諸元統合器11、平滑諸元統合器12、混合平滑器16、モデル尤度集計器17に相当する機能を省略して構成するようにする。
一方、追尾する目標がさまざまな蛇行周波数による蛇行運動をすることが想定される場合には、複数の運動モデルに基づく運動諸元予測をした方が有利になる。そして運動諸元予測器の個数、すなわちNの数が大きければ大きいほど、精度の高い追尾処理を行うことができるし、幅広い蛇行周波数をカバーすることもできるのである。ここで、N個の運動諸元予測器を備える、とは、物理的に別体のN個の運動諸元予測器を備えることはもちろん、N個に満たない個数の運動諸元予測器のそれぞれが、1サンプル時間を時分割して複数の運動モデルに基づく追尾処理を行い、結果としてN個の運動モデルに基づく追尾処理を行うようにしておいてもよい。
図2は、運動諸元予測器15−1の詳細な構成を示すブロック図である。図に示すように、運動諸元予測器15−1は平滑諸元メモリ21、設定器22,予測器23、平滑器24を備えており、これらの構成要素によって運動モデル制御器14が設定した運動モデルに基づいてカルマンフィルタを実行するようになっている。なお一般に、カルマンフィルタは所定の時間毎(これをここではサンプルと呼ぶ)における予測値を算出すると共に、各時刻における観測値をサンプリングして取得し、予測値と観測値から平滑値を求め、次回のサンプルに予測値算出に供するというループ処理を行うものである。運動諸元予測器15−1は、外部の予測諸元統合器11、平滑諸元統合器12、混合平滑器16、モデル尤度集計器17と協働しながら、これらのループ処理を実行するようになっている。
平滑諸元メモリ21は、運動諸元予測器15−1が追尾処理の基礎としている運動モデルについて、前回サンプル時の平滑値と平滑誤差共分散行列を記憶する記憶回路または素子である。また、ハードディスク装置やCD−ROMドライブ装置のように記憶媒体を用いた記憶装置により構成してもよい。ここで、前回サンプルの平滑値と平滑誤差共分散行列は、混合平滑器16によって算出され、平滑諸元メモリ21に記憶されるようになっている。設定器22は、運動モデル制御器14が運動諸元予測器15−1に割り当てた運動モデルから各種パラメータを算出する部位である。なお、各種パラメータとは、状態遷移行列、蛇行周波数などを初めとするパラメータであって、追尾処理を開始するのに必要となるパラメータをいう。
予測器23は、前回サンプルの平滑値と平滑誤差共分散行列、および運動モデルから、今回サンプルにおける運動諸元予測値を算出する部位である。ここで算出された運動諸元予測値は予測諸元統合器11に出力されるようになっている。ここで用いられる前回サンプルの平滑値と平滑誤差共分散行列は、平滑諸元メモリ21によって記憶されているものであり、また運動モデルは設定器22によって記憶されているものである。
平滑器24は、予測器23が算出した今回サンプルにおける運動諸元予測値と、ゲート判定器10が相関ありと判断して出力した追尾目標の観測値とを用いて平滑処理を行う部位である。ここで算出された運動諸元平滑値は平滑諸元統合器12に出力されるようになっている。
さらに、運動諸元予測器15−1は、確率メモリ25、事前確率算出器26、尤度算出器27、事後確率算出器28を備えており、これらの構成要素によって運動諸元予測器15−1が基礎とする運動モデルの評価値(事前確率、尤度、事後確率など)を算出するようになっている。確率メモリ25は、前回サンプルにおける事後確率を記憶する記憶回路または素子である。事前確率算出器26は、確率メモリ25に記憶されている前回サンプルの事後確率に基づいて、今回サンプルの事前確率を算出する部位である。ここで算出された事前確率は、予測諸元統合器11に出力されるようになっている。尤度算出器27は、事前確率算出器26が算出した事前確率と、予測器23が算出した運動諸元予測値、ゲート判定器10が相関ありと判断して出力した追尾目標の観測値とから尤度を算出する部位である。ここで算出された尤度はモデル尤度集計器17に出力されるようになっている。事後確率算出器28は、尤度算出器27が算出した尤度から事後確率を算出する部位である。ここで算出された事後確率は、今回サンプルの事後確率として確率メモリ25に記憶され、次回サンプルにおける事前確率や尤度、事後確率の算出に供されることとなる。
なお、運動諸元予測器15−2〜15−Nにおいても、平滑諸元メモリ21、設定器22、予測器23、平滑器24、確率メモリ25、事前確率算出器26、尤度算出器27、事後確率算出器28に相当する構成要素が存在するが、これらの構成については、運動諸元予測器15−1と同様であるので、説明を省略する。また、以後の説明において、特に運動諸元予測器15−2〜15−Nの構成要素に言及する場合は、例えば、「運動諸元予測器15−2の平滑諸元メモリ21」のように、明示的にその運動諸元予測器の符号を示すこととする。また、運動諸元予測器の符号を特定せずに、単に「平滑諸元メモリ21」といった場合には、運動諸元予測器15−1における確率メモリ25を指すものとする。このような用法は、設定器22、予測器23、平滑器24、確率メモリ25、事前確率算出器26、尤度算出器27、事後確率算出器28についても同様とする。
また、ここまでの説明において、例えば「予測値を算出する部位である」というように、何らかの「部位」であるとした構成要素は、そのための専用回路または素子として構成されることを意味する。ただし、同様の機能をコンピュータプログラムによって、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)を備えたコンピュータ若しくはマイコンチップに実行させる構成を採ってもよい。
さらに、ゲート判定器10はゲート判定手段の例であり、予測諸元統合器11は予測諸元統合手段の例である。また、平滑諸元統合器12は、平滑諸元統合手段の例であって、統合平滑値メモリ13は、統合平滑値記憶手段の例である。運動モデル制御器14は運動モデル制御手段の例であって、運動諸元予測器15−1〜15−Nは運動諸元予測手段の例である。混合平滑器16は混合平滑手段の例であって、モデル尤度集計器17はモデル尤度集計手段の例である。
次に、この発明の実施の形態1による目標追尾装置の動作について説明する。これまでの説明からも理解されるように、この目標追尾装置は、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれに運動モデルを割り当ててカルマンフィルタによる追尾処理を行い、これらが算出した運動諸元予測値、運動諸元平滑値や確率を、予測諸元統合器11、平滑諸元統合器12、統合平滑値メモリ13、運動モデル制御器14、混合平滑器16、モデル尤度集計器17によって調整するようになっている。そこで、以降の説明では、主として運動諸元予測器15−1における追尾処理を順を追って説明することとし、予測諸元統合器11、平滑諸元統合器12、統合平滑値メモリ13、運動モデル制御器14、混合平滑器16、モデル尤度集計器17における処理については、運動諸元予測器15−1が算出した運動諸元や確率値と運動諸元予測器15−2〜15−Nが算出した運動諸元や確率値との調整が必要となる局面において説明することとする。
まず、追尾処理を開始するにあたって、統合平滑値メモリ13に各運動モデルの平滑値の初期値と平滑誤差共分散行列の初期値を設定しておく。また、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの確率メモリ25に、その運動諸元予測器に割り当てられる運動モデルの事後確率の初期値を設定しておく。これらの準備が整った状態で、追尾処理が開始する。以降、新たな観測値が得られるたびに、サンプリング時間を1つずつ進めながら、追尾処理を実行していく。
運動モデル制御器14は、平滑諸元統合器12より統合平滑値メモリ13を介して追尾目標の状態変数及びモデル確率を取得する。そして、安定した追尾精度を得るのに必要なモデル数と設定する蛇行周波数を決定し、運動諸元予測器15−1〜15−Nの設定器22に運動モデルを設定する。ここで運動モデル制御器14が設定する運動モデルは、式(1)〜式(3)による正弦運動成分と等速直線運動成分とを有する運動モデルx(t)である。
Figure 2005077167
式(1)に示すように、x(t)は成分x1(t)と成分x2(t)とを有している。成分x1(t)は正弦運動を表す成分であり、x2(t)は等速直線運動を表す成分である。nは正弦運動の最大振幅であり、ωは正弦運動の蛇行周波数である。またaは等速直線運動成分における速度であり、bはt=0における初期速度である。
なお、式(1)は1軸における運動モデルを表現するものであるが、現実の追尾目標では、自動車や船舶などのように平面運動をする場合は2次元運動となり、航空機の追尾などの場合は3次元運動となる。そこで、それぞれの次元について独立して式(1)で与えられる運動モデルを設定することになる。しかし、ここでは理解を容易にするために、1次元運動モデルに基づいて説明を行うこととする。
運動諸元予測器が複数ある場合には、運動モデル制御器14は、式(2)のωの値を変えた複数の運動モデルを運動諸元予測器15−1〜15−Nの設定器22にそれぞれ設定する。例えば、対象となる追尾目標がとりうる蛇行周期が10秒〜60秒である場合、蛇行周波数は1/10〜1/60Hzとなる。したがってN=11とした場合(11個の運動諸元予測器を備えた場合)には、1/10、1/15、1/20、1/25、1/30、1/35、1/40、1/45、1/50、1/55、1/60のようなωを運動諸元予測器15−1〜15−11のそれぞれの設定器22に設定すればよい。ただし、その他の蛇行周波数を選択しても構わないのであって、例えば、1/10、1/20、1/25、1/30、1/33、1/36、1/39、1/42、1/45、1/50、1/60のように一部の周波数区間の分解能を細かくするようにしてもよい。
引き続き、運動モデルについて説明する。式(1)による運動モデルは連続時間における運動モデルであるが、カルマンフィルタではサンプル時間ごと、すなわち離散時間における運動モデルを設定する方が適している。そこで、式(1)から離散時間における運動モデルを導出することとする。式(2)、式(3)より、式(4)、式(5)の微分方程式が得られる。
Figure 2005077167
これらの微分方程式を状態空間において表現すると、正弦運動成分については、
Figure 2005077167
等速直線運動成分については、
Figure 2005077167
となる。ここで、x1'(t)、x2'(t)はそれぞれx1(t)、x2(t)の時間による1階微分を表す。さらに 1(t)、 2(t)は正弦運動成分と等速直線運動成分それぞれの状態変数を表しており、 1'(t)、 2'(t)は 1(t)、 2(t)の各成分を時間微分したものである。F1とF2はそれぞれの成分の連続時間における状態遷移行列を表しており、D1とD2は駆動雑音の変換行列を表している。w1(t)とw2(t)はそれぞれの成分の駆動雑音である。
ここで、正弦運動成分の状態変数x1(t)と等速直線運動成分の状態変数x2(t)とを一つの状態変数x(t)にまとめる。すなわち
(t)=[ 1(t) 1'(t) 2(t) 2'(t)]
である。そうすると式(6)〜式(13)より、(t)に関する次のような連続微分状態方程式が得られる。
Figure 2005077167
ただし、
(t)=[0 w1(t) 0 w2(t)]
であって、(t)は駆動雑音であり、式(17)、式(18)を満たす連続時間の白色雑音過程である。
Figure 2005077167
上記において、δ(t)はディラックのデルタ関数であり、τは次の条件を満たす時刻である。すなわち、t≠τの場合にディラックのデルタ関数の値が0となり、t=τの場合にディラックのデルタ関数の値が無限大となる。また式(19)において、q、qは白色雑音過程のパワースペクトル密度であり、[m/s]の次元を持つ(mは距離の次元であり、sは時間の次元である)。
一方、連続時間における追尾目標の観測方程式は、式(20)及び式(21)によって与えられる。
Figure 2005077167
ここで、Hは観測行列を、Gは観測が行われる極座標から北基準直交座標への座標変換行列を表している。またz(t)は観測値である。(t)は観測雑音ベクトルであって、平均、共分散Rの白色ガウス雑音である。
式(14)〜式(21)を離散時間のブロック線図で表すと、例えば図3のようになる。図3においてsは、ラプラス変換における複素変数、つまり微分演算子を表す。またysinは正弦運動成分における追尾目標の位置、ystは等速直線運動成分における追尾目標の位置、vnは観測雑音であって、vsin、vstは正弦運動成分および等速直線運動成分のそれぞれにおける駆動雑音を表している。さらに、zは観測値である。この図から明らかなように、蛇行目標の位置の時間変動を等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する運動モデルで表現することにより、加速度及びジャーク項を推定する処理を必要とせずに、蛇行周波数の推定を行うことができるのである。また、等速直線運動成分の推定値(位置および速度)を用いることで、Kサンプル後(Kは自然数)の追尾目標の位置を、蛇行軌跡の中心軸上に推定することが可能となる。
kサンプル目(kは自然数)の離散時間における運動モデルは、式(4)と式(5)の微分方程式の解を求めることで、
Figure 2005077167
となる。なお式(22)、(24)において、Φは離散時間における状態遷移行列である。またx1,k、x2,kは、それぞれ正弦運動成分x1と等速直線運動成分x2のkサンプル目の状態変数を表している。さらに kは、4次元の離散時間白色雑音系列であって、以下の性質を有する。
Figure 2005077167
ここで、δklはクロネッカーのデルタ関数であって、k=lの場合に値が1となり、k≠lで値が0となる。
また、式(20)と式(21)による観測方程式を離散時間で表現すると、
Figure 2005077167
となる。ここで、 kは観測雑音ベクトルであり、平均、共分散Rkの白色ガウス雑音となる。またG2,kは観測雑音の極座標から北基準直交座標への座標変換行列を表す。以上により、離散時間における運動モデルが導出された。
次に、設定器22は、運動モデル制御器14が設定した運動モデルに基づいて、状態遷移行列、駆動雑音の誤差共分散行列および蛇行周波数を計算し、予測器23に出力する。
予測器23は、平滑諸元メモリ21が記憶している混合平滑値と混合平滑誤差共分散行列を読み出し、これらの値と設定器22が算出した状態遷移行列、駆動雑音の誤差共分散行列および蛇行周波数とに基づいて、現在の運動モデルの予測ベクトルk,a(−)と予測誤差共分散行列 k,a(−)を式(30)と式(31)に基づいて算出する。なお、ここでx^の右肩添字^は、数式表現上は、xの真上添字で表される。また添字aは運動モデルaについての状態変数であることを示すものである。
Figure 2005077167
なお、平滑諸元メモリ21は、初期状態では混合平滑値と混合平滑誤差共分散行列の初期値を記憶しており、また定常状態(少なくとも1サンプル以上の観測値を処理した状態)では、前回サンプルの混合平滑値と混合平滑誤差共分散行列を記憶している。ここで求められた予測ベクトルと予測誤差共分散行列は、予測諸元統合器11、平滑器24、尤度算出器27にそれぞれ出力される。
次に、事前確率算出器26は確率メモリ25から前回サンプル時の事後確率を読み出して、式(32)によって今回サンプルの事前確率Pr[Ψk,a|Zk-1]を算出して、予測諸元統合器11と尤度算出器27に出力する。
Figure 2005077167
ここで、μk,a(−)はkサンプル目の運動モデルaについての事前確率であり、μk,a(+)はkサンプル目の運動モデルaについての事後確率であって、Pabは運動モデルbから運動モデルaに推移する確率を表す。
続いて、予測諸元統合器11は、運動諸元予測器15−1〜15−Nの予測器23と事前確率算出器26とがそれぞれ算出した各運動モデルについての運動諸元予測値と、予測誤差共分散行列、事前確率を取得して、各運動モデルの仮説ごとの予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を統合し、1サンプリング前までの観測値に基づく統合予測ベクトルx^k(−)と統合予測誤差共分散行列Pk(−)とを、式(33)と式(34)によって計算し、これらをゲート判定器10に出力する。
Figure 2005077167
次にゲート判定器10は、図示せぬセンサが取得した観測値から極端に観測精度の悪いデータを除外するために、統合予測ベクトルx^k(−)と統合予測誤差共分散行列Pk(−)から、残差2次形式を用いて観測値が有効なデータであるかどうかの判定を行う。ゲート判定器10により観測値が有効なデータであると判定された場合、ゲート判定器10は尤度算出器27と平滑器24にkサンプル目の観測値 kを出力する。
尤度算出器27は、kサンプル目の観測値 kを取得すると、事前確率算出器26が算出した今回サンプルの事前確率Pr[Ψk,a|Zk-1]と、予測ベクトルk,a(−)と予測誤差共分散行列 k,a(−)を用いて、式(35)より運動モデルの尤度を算出し、事後確率算出器28とモデル尤度集計器17に出力する。
Figure 2005077167
ここで、g(z;av,A)は平均av、共分散行列Aの3変量正規分布のzにおける確率密度関数を表す。またRkは観測雑音ベクトルの共分散行列である。
次に、モデル尤度集計器17は、運動諸元予測器15−1〜15−Nが算出した各運動モデルの尤度を合計して尤度合計値を求め、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの事後確率算出器28に出力する。事後確率算出器28は、式(36)によって事後確率を計算して、平滑諸元統合器12、混合平滑器16に出力するとともに、確率メモリ25に記憶させる。
Figure 2005077167
ここで、右辺の分母はモデル尤度算出器17が算出した尤度合計値を表しており、また右辺の分子は尤度算出器27が算出した運動モデルaについてのkサンプル目の尤度である。
一方、平滑器24は、予測器23が算出した予測ベクトルk.a(−)と予測誤差共分散行列 k,a(−)から、現在の運動モデルの平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列およびカルマンゲインを、式(37)、式(38)、式(39)により計算し、平滑諸元統合器12と混合平滑器16に出力する。
Figure 2005077167
次に混合平滑器16は、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの平滑器24が算出した平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列、そして運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの事後確率算出器28が算出した事後確率から、式(40)と式(41)に基づいてk−1サンプル目の混合平滑ベクトルk-1,mix(+)および混合平滑誤差共分散行列 k-1,mix(+)を計算し、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの平滑諸元メモリ21に記憶させる。
Figure 2005077167
k−1サンプル目の混合平滑ベクトルおよび混合平滑誤差共分散行列は、kサンプル目のループにおける予測ベクトルや予測誤差共分散行列の算出に供される。このように、混合平滑器16が、運動モデルa以外の運動モデルbの平滑値を用いて、運動モデルaによるk−1サンプル目の平滑値を調整し、この平滑値に基づいて運動モデルaによるkサンプル目の予測値や平滑値を算出するようにすることで、他の運動モデルにおける予測処理の尤度を運動モデルaの予測処理に反映して、運動モデルaによる予測処理の適正化を図ることができるのである。ただし、このような処理は必須ではなく、平滑器24が算出した平滑ベクトルおよび平滑誤差共分散行列を直接平滑諸元メモリに書き込む構成を採ってもよい。
平滑諸元統合器12は、運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの運動モデルについて平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列、および事後確率を取得して、式(43)にしたがって統合平滑ベクトルと統合平滑誤差共分散行列とを算出する。
Figure 2005077167
さらに、平滑諸元統合器12は、運動諸元予測器15−1〜15−Nの事後確率算出器28が算出した事後確率と各運動モデルにおいて定数として与えられている蛇行周波数を用いて、式(45)から蛇行周波数推定値を算出するようにしてもよい。
Figure 2005077167
統合平滑ベクトルk(+)と統合平滑誤差共分散行列 k(+)は、ジャーク項の推定を行わないために、すでに十分な推定精度を確保している。したがって、これらの値をこの発明の実施の形態1による目標追尾装置の出力値としてもよい。目標の追尾を維持し、1サンプル先に追尾目標がどの位置に移動するか予測して、レーダのビームを照射する用途においては、統合平滑ベクトルx^k(+)と統合平滑誤差共分散行列Pk(+)を出力値とすれば十分である。
しかし、ここではさらに、未来位置予測器18を設けることによって、Kサンプル後の位置を予測して追尾目標との衝突を回避したり、Kサンプル後の追尾目標の予測位置に誘導物(例えば飛翔体など)を誘導する用途に用いることができるようにする。すなわち、この目標追尾装置は、等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する運動モデルに基づいて目標追尾を行うので、条件によって追尾目標が蛇行運動の中心軸上に存在するものと仮定して目標追尾を行ったり、蛇行軌跡上に存在するものと仮定して目標追尾を行うことができるのである。
そのために、例えば所定の点と追尾目標とが離れている場合、すなわち所定の点と追尾目標との距離が一定値以上の場合に、蛇行軌跡の中心軸上の点を追尾目標の予測位置とする。こうすることで、航空機の場合であれば、現在の飛行を維持して時間や燃料のロスを抑えながら、衝突回避することができる。具体的には次のようにする。すなわち、追尾目標の状態変数は式(23)で与えられるように正弦運動成分xと等速直線運動成分xとを有しており、このことから、追尾目標のkサンプル目の平滑位置tgt,k(+)は式(46)で表しうる。
Figure 2005077167
所定の点と追尾目標との距離が一定値以上の場合は、追尾目標のKサンプル後の予測位置を蛇行軌跡の中心軸上の点とするので、x−y平面上の2次元追尾において追尾目標のKサンプル後の予測位置(x^c,k+K(−)、y^c,k+K(−))は、正弦運動成分を無視することにより、式(47)〜式(49)によって与えられる。
Figure 2005077167
なお、式(47)において、Tはサンプリング間隔であり、またx^(+)とy^(+)はそれぞれ、式(43)で与えられる統合平滑値のx及びy座標成分を表している。
一方、所定の点と追尾目標とが近接している場合、すなわち所定の点と追尾目標との距離が一定値未満の場合には、追尾目標の未来位置を蛇行軸上の点として算出するよりも、
、蛇行軌跡上の点として算出した方が望ましい。これは、例えば所定の点が追尾目標の運動の障害物である場合に、衝突の危険性を予見するために、より詳細な追尾目標の予測航跡が必要となるからである。たとえば追尾目標が他の航空機や船舶であり、所定の点が自航空機や自船舶の場合、衝突の危険性を予測し、衝突回避を図る場合に有用となる。
このような場合には、Kサンプル後まで追尾目標の蛇行周波数、最大加速度が一定であると仮定し、蛇行軌跡上に存在する未来位置の予測値(x^w,k+K(−),y^w,k+K(−))を式(50)によって算出する。
Figure 2005077167
ここで、n^px及びn^pyは正弦運動成分推定値の最大振幅を、ωx及びωyはこの目標追尾装置により推定された蛇行周波数を表す。各座標軸で動作するフィルタの正弦運動成分推定値の最大振幅n^px及びn^pyは、蛇行運動の1周期の間(蛇行周期は推定蛇行数波数より換算してT=1/ωとなる)における正弦運動成分の推定位置の最大値が、蛇行運動の最大振幅となる。したがって、最大振幅は蛇行運動の1周期毎に更新され、更新後は1周期の間、その大きさが不変であるものと仮定する。
また、φk,x及びφk,yはkサンプル目の正弦関数の位相であって、式(51)より算出する。
Figure 2005077167
以上から明らかなように、この発明の実施の形態1の目標追尾装置によれば、正弦運動成分と等速直線運動成分とを有する運動モデルに基づいて目標追尾を行うこととしたので、蛇行運動を行う追尾目標の追尾処理を精度よく予測することができる。
実施の形態2.
Paul Zarchan "Tactical and Strategic Missile Guidance Third Edition" Volume 176, American Institute of Aeronautics and Astronauticsn, Inc.. p.12〜p.29 p.433〜p.439では、波状蛇行目標の運動として、速度ベクトルに対して垂直方向に正弦関数により表現される加速度が加えられるモデルが検討されている。そこで、図4のように(v,v)を成分とする2次元の速度ベクトルにより移動する追尾目標を考えることにする。ここで図のように、tanθ=v/vとし、またベクトル(v,v)と垂直をなす大きさaの加速度ベクトルが作用しているものとする。さらに速度ベクトル(v,v)の大きさは一定であるものとする。
この場合、加速度ベクトルの成分を(a(t),a(t))とすると、
(t)=−n cosωt sinθ(t)
(t)=−n cosωt cosθ(t)
で与えられる。ただしnは最大振幅である。速度ベクトルを時間の関数とみなした場合の成分(vx(t),vy(t))は、図4におけるθの定義から、
x(t)=v cosθ(t)
y(t)=v sinθ(t)
となるから、これらの式を時間tについて微分すると、
x(t)=vx'(t)=−v sinθ(t)・θ'(t)
y(t)=vy'(t)=−v cosθ(t)・θ'(t)
となる。よって、θ(t)の時間tによる一階微分値θ'(t)は、式(53)によって与えられる。
Figure 2005077167
式(53)を時間tで積分することにより、角度θ(t)は、
Figure 2005077167
ここで、φは初期位相である。初期位相φ=0とした場合、v(t)とv(t)は式(55)によって与えられる。
Figure 2005077167
式(54)から角度θ(t)とv、vとの時間変化の関係を理解する上では、これ以上フーリエ級数等により展開するよりも、図5に示した概念図で各変数の関係を把握した方が容易である。図において、上段のグラフはθ(t)の時間変化の様子を表したものであり、中段のグラフはvの時間変化、下段のグラフはvの時間変化を表したものである。中段と下段のグラフを対比すれば明らかなように、x軸方向の速度変化はy軸方向の2倍高調波となっている。これは、速度ベクトルが加速度の変化により図4の上下方向に振れる場合に、vy(t)が速度0を中心に増減を繰り返す間にvx(t)はvy(t)の2倍の周波数で変動するためである。
以上より、加速度の蛇行周波数をωとした場合に、波状蛇行目標の速度変動はωと2ωの2つの周波数による正弦運動成分を有することがわかる。蛇行周波数2ωの正弦運動成分は、進行方向についての位置の変動を与えるものであるため、蛇行周期が短い場合にはその振幅を無視しても影響は小さい。しかし蛇行周期が長くなると、振幅も増大するので影響が無視できなくなり、蛇行周波数2ωの正弦運動成分を有する運動モデルが必要となる。この発明の実施の形態2による目標追尾装置は、かかる運動モデルにより運動する追尾目標を追尾することを想定したものであり、蛇行周波数2ωの正弦運動成分を有する運動モデルを用いることを特徴を有するものである。
この発明の実施の形態2による目標追尾装置の構成を示すブロック図としては実施の形態1と同様に図1を用いるが、この発明の実施の形態2による目標追尾装置は、実施の形態1とは運動モデルが異なるのみであるので、各構成要素の構成については説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態2による目標追尾装置の動作について説明する。この発明の実施の形態2による目標追尾装置においても、実施の形態1と同様の初期処理を行い、運動モデル制御器14は運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの設定器22に運動モデルを設定する。すでに述べたとおり、この目標追尾装置は、蛇行周波数2ωの正弦運動成分を有する運動モデルを用いる。この運動モデルは式(56)によって表される。
Figure 2005077167
式(56)〜式(59)において、x1(t)は蛇行周波数ωの正弦運動成分、x2(t)は蛇行周波数2ωの正弦運動成分、x3(t)は等速直線運動成分を表しており、nt1、nt2はそれぞれx1(t)、x2(t)の最大振幅を表すものである。またaは等速直線運動の速度成分(傾き)であり、bは初期速度(切片)である。
次に、実施の形態1と同様に、この発明の実施の形態2においても、式(56)〜式(59)から離散時間における運動モデルを導出する。式(56)〜式(59)を微分方程式として表すと、式(60)〜式(62)のようになる。
Figure 2005077167
となる。これらの微分方程式を状態空間において表現すると、
Figure 2005077167
となる。ここで、F、F及びFはそれぞれ蛇行周波数ωの正弦運動成分、蛇行周波数2ωの正弦運動成分、等速直線運動成分の連続時間における状態遷移行列を、D、D及びDは駆動雑音の変換行列を表す。またw1(t)、w2(t)及びw3(t)は、各成分における駆動雑音である。
式(63)〜式(71)を1つにまとめることにより、次の連続微分方程式が得られる。
Figure 2005077167
w(t)は各成分における駆動雑音であり、式(77)〜式(79)の性質を満たす連続時間の白色雑音過程である。
Figure 2005077167
ここで、δ(t)はディラックのデルタ関数である。また、q、q、qは白色雑音過程のパワースペクトル密度で[m/s](mは距離、sは時間)の次元を持つ。
一方、連続時間における追尾目標の観測方程式は、式(80)及び式(81)によって与えられる。
Figure 2005077167
ここで、Hは観測行列、Gは観測が行われる極座標から北基準直交座標への座標変換行列を表している。またy(t)は観測値である。(t)は観測雑音ベクトルであって、平均、共分散Rの白色ガウス雑音である。
式(63)から式(81)を離散時間のブロック線図で表すと、例えば図6のようになる。図6において、実施の形態1のブロック線図(図3)と同じ符号又は変数を付している部分については図3と同じであるので説明を省略する。ysin2は蛇行周波数2ωの正弦運動成分における追尾目標の位置を表している。この図から分かるように、実施の形態1と同様に加速度及びジャーク項を推定する処理は不要であり、また等速直線運動成分の推定値(位置および速度)を用いることで、Kサンプル後の追尾目標の位置を、蛇行軌跡の中心軸上に推定することが可能となる。
kサンプル目の離散時間における運動モデルは、式(60)〜式(62)の微分方程式の解を求めることで、
Figure 2005077167
となる。なお式(82)、(84)において、Φは離散時間における状態遷移行列である。またx1,k、x2,k、x3,kは、それぞれ正弦運動成分x1、x2と等速直線運動成分x3のkサンプル目の状態変数を表している。さらに kは、4次元の離散時間白色雑音系列であって、以下の性質を有する。
Figure 2005077167
また式(80)と式(81)の観測方程式を離散時間で表現すると、
Figure 2005077167
となる。ここで、 は観測雑音ベクトルであり、平均、共分散Rの白色ガウス雑音となる。またG2,kは観測雑音の極座標から北基準直交座標への座標変換行列を表す。以上により離散時間における運動モデルが導出された。
続いて運動諸元予測器15−1〜15−Nは、実施の形態1と同様にカルマンフィルタによる追尾処理を実行する。また予測諸元統合器11、平滑諸元統合器12、統合平滑値メモリ13、運動モデル制御器14、混合平滑器16、モデル尤度集計器17は、運動諸元予測器15−1〜15−Nが算出する予測ベクトルや予測誤差共分散行列、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列、事前確率、尤度、事後確率の調整、重み付けを行うという点についても、実施の形態1と同様である。
次に、未来位置予測器18は、所定の点と追尾目標が一定値以上離れている場合に、蛇行軌跡の中心軸上の点を追尾目標の予測位置とし、また所定の点と追尾目標との距離が一定値未満の場合に、蛇行軌跡上の点を追尾目標の予測位置とする。実施の形態2による運動モデルを用いれば、追尾目標のkサンプル目の平滑位置tgt,k(+)は式(89)で表される。
Figure 2005077167
ここで、x^1,k(+)及びx^'1,k(+)は蛇行周波数ωの正弦運動成分の位置と速度の統合平滑値を表している。また、x^2,k(+)及びx^'2,k(+)は蛇行周波数2ωの正弦運動成分の位置と速度の統合平滑値を表している。x^3,k(+)及びx^'3,k(+)は等速直線運動成分の位置と速度の統合平滑値を表すものである。
所定の点と追尾目標との距離が一定値以上の場合は、x−y平面上の2次元追尾において追尾目標のKサンプル後の予測位置(x^c,k+K(−)、y^c,k+K(−))は、実施の形態1と同様に正弦運動成分を無視することにより、式(91)〜式(93)によって与えられる。
Figure 2005077167
なお、式(91)において、Tはサンプリング間隔であり、またx^k(+)とy^k(+)はそれぞれ、式(43)で与えられる統合平滑値のx及びy座標成分を表している。
所定の点と追尾目標との距離が一定値未満の場合は、x−y平面上の2次元追尾において追尾目標のKサンプル後の予測位置(x^w,k+K(−)、y^w,k+K(−))は、式(94)によって算出する。
Figure 2005077167
ここで、n^1p,x及びn^1p,yは蛇行周波数ωの正弦運動成分についての推定値の最大振幅を表す。また、n^2p,x及びn^2p,yは蛇行周波数2ωの正弦運動成分についての推定値の最大振幅を表す。ω及びωはこの目標追尾装置により推定された蛇行周波数を表す。そしてφk,x及びφk,yはkサンプル目の正弦関数の位相であって、式(95)より算出する。
Figure 2005077167
以上から明らかなように、この発明の実施の形態2の目標追尾装置によれば、正弦運動成分(蛇行周波数ω)と等速直線運動成分に加えて、蛇行周波数2ωの正弦運動成分を有する運動モデルに基づいて目標追尾を行うこととしたので、波状蛇行運動を行う追尾目標の追尾処理を精度よく予測することができる。
なお、実施の形態2による目標追尾装置においても、未来位置予測器18を経ずに、平滑諸元統合器12の出力をこの目標追尾装置の出力とする構成を採ってもよい。この目標追尾装置は、正弦運動成分(蛇行周波数ω)と等速直線運動成分と蛇行周波数2ωの正弦運動成分をも合わせ持つ運動モデルに基づいて追尾処理を行うことで、波状蛇行運動を精度よく追尾できるという特徴を有するものであり、平滑諸元統合器12が統合平滑値を出力する段階でも、すでにその効果が確保されているのである。
実施の形態3.
実施の形態1及び2による目標追尾装置においては、3次元追尾を行う場合に、運動モデル制御器14が、各軸に対応するように運動モデルを運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの設定器22に設定していた。しかし、蛇行目標の中心軸の傾きと切片を状態変数ベクトルの成分に含めて、x軸から蛇行中心軸へ座標変換することにより、蛇行目標の運動諸元を推定して、未来位置予測を行うようにしてもよい。この発明の実施の形態3による目標追尾装置は、このような特徴を有するものである。
この発明の実施の形態3による目標追尾装置の構成は、実施の形態1と同様に図1のブロック図によって示される。実施の形態3による目標追尾装置の運動諸元予測器15−1〜15−Nは、非線形運動モデルから導出される拡張カルマンフィルタによって追尾処理を行う点で、実施の形態1とは異なるものである。しかしその他の点については、実施の形態1と同様であるので、構成については説明を省略することとする。
次にこの発明の実施の形態3による目標追尾装置の動作について説明する。ここでも、実施の形態1と同様の初期処理を行い、運動モデル制御器14によって運動諸元予測器15−1〜15−Nのそれぞれの設定器22に運動モデルが設定される。ここで、蛇行目標がx軸に対して傾きθ(t)、切片ρ(t)の蛇行軸上を移動しているとした場合、蛇行中心軸に対して垂直方向の位置時間変動(中心軸に対する揺動成分)を正弦関数により表現すると、運動モデルの連続微分方程式は、式(98)〜式(102)によって与えられる。
Figure 2005077167
w(t)は駆動雑音であって、式(103)、式(104)を満たす連続時間の白色雑音過程である。
Figure 2005077167
ここで、δ(t)はディラックのデルタ関数、Qは駆動雑音の誤差共分散行列を表す。
一方、連続時間における追尾目標の観測方程式は、式(105)、式(106)によって与えられる。
Figure 2005077167
ここで、Hは観測行列、Gは観測が行われる極座標から北基準直交座標への座標変換行列を表している。またy(t)は観測値である。(t)は観測雑音ベクトルであって、平均、共分散Rの白色ガウス雑音である。
上記連続微分方程式において、サンプリング周期をT、サンプリング時刻t=kT(k=0,1,2,…)における(t)の値を とすると、式(107)の離散時間運動モデルが導かれる。
Figure 2005077167
ここで、式(107)の状態変数ベクトル 及び状態遷移行列Φは、以下の式により得られる。
Figure 2005077167
式(110)の は、4次元の離散時間白色雑音系列であって、以下の性質を有する。
Figure 2005077167
式(107)の運動方程式は目標がx軸上を移動していると仮定しているため、状態変数ベクトル をx軸方向へ角度−θ回転させた後、切片ρを差し引いた場合、以下の式が得られる。
Figure 2005077167
ここでAは以下の座標変換行列を表す。
Figure 2005077167
式(113)から、
Figure 2005077167
となる。ここで k=g( k-1)とすれば、予測ベクトルk+1(−)及び予測誤差共分散行列Pk(−)は、
Figure 2005077167
と表される。ただしk-1(+)はk−1サンプル目の平滑ベクトルであって、Pk(−)は同じくk−1サンプル目の平滑誤差共分散行列、Qk-1は駆動雑音共分散行列を表している。また、Φp,k-1は座標変換後の状態遷移行列であり、関数g(k(+))の傾きを表すために、以下の式より求められる。
Figure 2005077167
また、式(105)による観測方程式を離散時間で表すと
Figure 2005077167
となる。ここで、 は観測雑音ベクトルであり、平均、共分散Rの白色ガウス雑音である。
以上の運動方程式と観測方程式とをもとに、この発明の実施の形態3による目標追尾装置で使用する拡張カルマンフィルタを導出する。時刻kにおける各運動モデルの予測ベクトル及び予測誤差共分散行列は、
Figure 2005077167
となる。予測器23は、実施の形態1の式(30)と式(31)に替えて、式(120)と式(121)を用いて予測ベクトルと予測誤差共分散行列とを算出する。
次に平滑器24は、平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列、カルマンゲインを算出する。平滑値、平滑誤差共分散行列およびカルマンゲインはそれぞれ、
Figure 2005077167
となる。
以上のようにして、平滑器24が算出した平滑値を実施の形態3による目標追尾装置の出力値としてもよいが、実施の形態1および2と同様に未来位置予測器18を用いて、追尾目標が蛇行軌跡の中心軸上、または蛇行軌跡上に存在すると仮定して、Kサンプル後の位置を算出する。まず、蛇行軌跡の中心軸上に存在すると仮定した場合、x−y平面上の2次元追尾において追尾目標のKサンプル後の予測位置(x^c,k+K(−)、y^c,k+K(−))は、正弦運動成分を無視することにより、式(123)〜式(126)によって与えられる。
Figure 2005077167
なお、Tはサンプリング間隔である。
また、追尾目標が蛇行軌跡上に存在すると仮定した場合、Kサンプル後の未来位置の予測値(x^c,k+K(−)、y^c,k+K(−))は、式(127)で与えられる。
Figure 2005077167
ここで、n^pyは正弦運動成分推定値の最大振幅であって、ω^yはこの目標追尾装置によって推定された蛇行周波数を表している。またφk,yはkサンプル目の正弦関数の位相であって、式(124)から算出される。
Figure 2005077167
以上から明らかなように、この発明の実施の形態3による目標追尾装置によれば、拡張カルマンフィルタを用いることで、実施の形態1及び2のように各座標軸ごとにフィルタを独立して動作させなくても、各軸の観測雑音等の相関を考慮した3次元追尾や未来位置予測が可能となる。
実施の形態4.
実施の形態1乃至3の目標追尾装置は、等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する運動モデルに基づいているが、等速直線運動モデルのみに基づいて追尾処理を行う専用の運動諸元予測器を新たに設け、この運動諸元予測器の算出する平滑値の信頼度が所定値以上の場合に、運動諸元予測器15−1〜15−Nの動作を停止させたり、計算結果を使用しないようにしてもよい。実施の形態4による目標追尾装置は、かかる特徴を有するものである。
図8は、この発明の実施の形態4による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。図において、等速直線運動諸元予測器19は、等速直線運動モデルに基づいて追尾処理を行う部位である。等速直線運動諸元予測器19による追尾処理の結果(予測値と平滑値)は予測諸元統合器11と平滑諸元統合器12、そして混合平滑器16にそれぞれ出力されるようになっている。
また信頼度判定器20は、等速直線運動諸元予測器19及びその他の運動諸元予測器の算出する事後確率に基づいて信頼度判定を行う部位である。その他、図1と同一の符号を付した構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略するが、運動諸元予測器15−1〜15−Nが算出する事後確率が信頼度判定器20にも出力される点、および信頼度判定器による判定結果が平滑諸元統合器12に出力されるようになっている点が実施の形態1とは相違している。
次に、この発明の実施の形態4による目標追尾装置の運動諸元予測器15−1〜15−Nおよび等速直線運動諸元予測器19の詳細な構成について説明する。ここで、運動諸元予測器15−1〜15−Nと等速直線運動諸元予測器19とは、依拠する運動モデルが異なっているのみであって、構成要素については同様であるので、運動諸元予測器15−1を代表して説明する。図9は、この発明の実施の形態4による目標追尾装置の運動諸元予測器15−1の詳細な構成を示すブロック図である。
図において、事後確率算出器28は、実施の形態1と同様に事後確率を算出するが、ここで計算された事後確率は、平滑諸元統合器12、混合平滑器16、確率メモリ25に加えて、信頼度判定器20にも出力されるようになっている。その他、図2と同じ符号を付した構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態4による目標追尾装置の動作について説明する。運動諸元予測器15−1〜15−Nの動作については、実施の形態1と同様であり、さらに等速直線運動諸元予測器19については、等速直線運動モデルに基づくカルマンフィルタを用いた目標追尾装置がすでに公知であるので、説明を省略する。ここでは、実施の形態1と同様の処理によって、各運動諸元予測器(等速直線運動諸元予測器19を含む)によって事後確率が算出されたものとし、その事後確率を信頼度として、信頼度判定器20が、等速直線運動諸元予測器19の出力を採用するか否かを判断する。
例えば、等速直線運動諸元予測器19が算出した事後確率をμk,1(+)とした場合に、Mサンプル間(Mは自然数であって、望ましくは2以上の整数とする)、継続的にしきい値dμを上回る場合には、等速直線運動諸元予測器19の出力した予測値と平滑値を、この目標追尾装置の出力として採用する。ここで、しきい値dμを一定値としてもよいし、運動諸元予測器15−1〜15−Nの算出する事後確率に基づいて算出するようにしてもよい。
この場合、予測諸元統合器11は、運動諸元予測器15−1〜15−Nの予測値の算出処理完了を待たずに、等速直線運動諸元予測器19の予測値を取得し次第、動作を開始するようにする。また、平滑諸元統合器12は、運動諸元予測器15−1〜15−Nの平滑値の出力完了を待たずに、等速直線運動諸元予測器19が平滑値を算出し次第、平滑値の出力や未来位置予測処理を開始するようにする。こうすることにより、運動諸元予測器15−1〜15−Nの計算処理の待機に要する時間が不要となるので、目標追尾装置全体のスループットが向上する。さらに、このことからサンプル時間を短縮できるので、多くの観測値を処理できるようになり、予測精度が向上する。
また、等速直線運動諸元予測器19の出力結果を採用する条件が満たされた場合に、運動諸元予測器15−1〜15−Nの動作を停止するような制御を行ってもよい。こうすることによって、例えば運動諸元予測器の個数よりも少ない数の中央演算装置を用いて時分割により複数の運動モデルに基づく追尾処理を行う構成としている場合には、中央演算装置の負荷を軽減できる。
なお、実施の形態4において、運動諸元予測器15−1〜15−Nに割り当てる運動モデルとして、実施の形態2で用いた蛇行周波数ωと2ωの2つの正弦運動成分を有する運動モデルを用いてもよい。
また、実施の形態4において、実施の形態3で用いた拡張カルマンフィルタを用いてもよいことはいうまでもない。
実施の形態5.
実施の形態4では、等速直線運動モデルを用いて追尾処理を行う等速直線運動諸元予測器19の信頼度に基づいて、運動諸元予測器15−1〜15−Nの処理を省略することとした。しかしこの他にも、蛇行運動を行う追尾目標の最大振幅が所定値以下の場合に、運動諸元予測器15−1〜15−Nの処理を省略して、等速直線運動諸元予測器19の出力値を採用するようにしてもよい。この発明の実施の形態5による目標追尾装置は、かかる特徴を有するものである。
図10は、この発明の実施の形態5による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、この発明の実施の形態5による目標追尾装置は、実施の形態4における信頼度判定器20を廃し、それに替えて振幅判定器31を設けたものである。振幅判定器31は、平滑諸元統合器12が算出した統合平滑値のうちの蛇行軌跡の最大振幅が所定値以下か否かを判定する部位である。平滑諸元統合器12は、振幅判定器31が蛇行軌跡の最大振幅が所定値以下と判断した場合に、等速直線運動諸元予測器19の算出した平滑値を統合平滑値として採用するようになっている。
次に、この発明の実施の形態5による目標追尾装置の動作について説明する。実施の形態5においても、運動諸元予測器15−1〜15−Nにおける平滑値の算出および事後確率の算出は、実施の形態4と同様なので説明を省略する。平滑諸元統合器12は、運動諸元予測器15−1〜15−Nの算出した平滑値から、例えば式(45)などを用いて、統合推定値の最大振幅を算出すると、この値を振幅判定器31に出力する。
振幅判定器31は、例えば以下の条件式をn^p,x(x軸方向の蛇行振幅)、n^p,y(y軸方向の蛇行振幅)が満たすかどうかを判定し、その結果を平滑諸元統合器12に出力する。
Figure 2005077167
平滑諸元統合器12は、振幅判定器31より式(126)を満たすという判定結果を受け取った場合には、実施の形態4と同様に等速直線運動諸元予測器19の算出した平滑値を採用し、運動諸元予測器15−1〜15−Nの算出結果を省略する。またその場合において、実施の形態4と同様に運動諸元予測器15−1〜15−Nの動作を停止するようにしてもよい。
以上から明らかなように、この発明の実施の形態5の目標追尾装置によれば、追尾目標の運動が等速直線運動に近似できる場合には、等速直線運動モデルを採用して、正弦運動成分を有する運動モデルによる追尾処理を省略するので、計算負荷を低減することができるという効果を奏する。
この発明は、例えば航空機や船舶、自動車などの移動体の追尾を行う装置やシステムに適用することができる。
この発明の実施の形態1による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による目標追尾装置の詳細な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による目標追尾装置の運動モデルの離散時間によるブロック線図である。 この発明の実施の形態2による目標追尾装置の対象とする追尾目標の速度と加速度の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2による目標追尾装置の対象とする追尾目標のx軸方向、y軸方向の各速度成分の時間変動の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2による目標追尾装置の運動モデルの離散時間によるブロック線図である。 この発明の実施の形態3における追尾目標の航跡の例を示す概念図である。 この発明の実施の形態4による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による目標追尾装置の詳細な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5による目標追尾装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 ゲート判定器、
11 予測諸元統合器、
12 平滑諸元統合器、
13 統合平滑値メモリ、
14 運動モデル制御器、
15−1〜15−N 運動諸元予測器、
16 混合平滑器、
17 モデル尤度集計器、
18 未来位置予測器、
19 等速直線運動諸元予測器、
21 平滑諸元メモリ、
22 設定器、
23 予測器、
24 平滑器、
25 確率メモリ、
26 事前確率算出器、
27 尤度算出器、
28 事後確率算出器、
31 振幅判定器。

Claims (11)

  1. 前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値をカルマンフィルタによって算出する目標追尾装置において、
    等速直線運動成分と正弦運動成分とを有する追尾目標の運動モデルに基づいて、前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値を算出する運動諸元予測手段を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  2. 前記運動諸元予測手段は、前記追尾目標の位置を等速直線運動成分と正弦運動成分との和で表した前記運動モデルに基づいて、前記運動諸元平滑値を算出することを特徴とする請求項1に記載の目標追尾装置。
  3. 前記運動諸元予測手段は、前記正弦運動成分の周波数をωとした場合に、周波数を2ωとする正弦運動成分をさらに有する前記運動モデルに基づいて、前記運動諸元平滑値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の目標追尾装置。
  4. 前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値を拡張カルマンフィルタによって算出する目標追尾装置において、
    蛇行軌跡の中心軸に対する揺動成分を正弦運動に近似することにより追尾目標の運動を表現するとともに、前記中心軸の傾き角と切片とを状態変数ベクトルとする運動モデルに基づいて、前回サンプル時の運動諸元平滑値から今回サンプル時の運動諸元平滑値を算出する運動諸元予測手段を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  5. 前記運動諸元予測手段は、正弦運動成分の周波数が相異なる複数の前記運動モデルに基づいて、前記運動諸元平滑値を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の目標追尾装置。
  6. 前記運動諸元予測手段により前記各運動モデルについて算出された複数の運動諸元平滑値を統合する平滑諸元統合手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の目標追尾装置。
  7. 前記運動諸元予測手段が用いる前記複数の運動モデルの信頼度をそれぞれ算出するモデル信頼度算出手段を備え、
    前記平滑諸元統合手段は、前記モデル信頼度算出手段の算出した信頼度に基づいて前記複数の運動諸元平滑値を統合することを特徴とする請求項6に記載の目標追尾装置。
  8. 前回サンプル時に、前記運動諸元予測手段が算出した運動諸元平滑値を、前記平滑諸元統合手段が統合する他の運動モデルによる運動諸元平滑値に基づいて調整する混合平滑手段を備え、
    前記運動諸元予測手段は、今回サンプル時の運動諸元平滑値の算出にあたり、前回サンプル時の運動諸元平滑値に替えて、前記混同平滑手段が調整した運動諸元平滑値を用いることを特徴とする請求項6又は7に記載の目標追尾装置。
  9. 等速直線運動モデルに基づいて前記追尾目標の運動諸元平滑値を算出する等速直線運動諸元予測手段を備え、
    前記モデル信頼度算出手段は、前記等速直線運動諸元予測手段が算出した運動諸元平滑値についても信頼度を算出し、
    前記平滑諸元統合手段は、前記モデル信頼度算出手段が算出した信頼度が所定値以上の場合に、前記等速直前運動諸元予測手段が算出した運動諸元平滑値を統合結果とすることを特徴とする請求項7記載の目標追尾装置。
  10. 等速直線運動モデルに基づいて前記追尾目標の運動諸元平滑値を算出する等速直線運動諸元予測手段を備え、
    前記平滑諸元統合手段は、前記追尾目標の航跡が有する正弦運動成分の振幅が所定値以下の場合に、前記等速直前運動諸元予測手段の運動諸元平滑値を統合結果とすることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の目標追尾装置。
  11. 前記運動諸元予測手段が算出した今回サンプルの運動諸元平滑値に含まれる等速直線運動による位置成分の時間変位にK回(Kは自然数)分のサンプリング間隔を乗じてKサンプリング間の位置成分時間変位を求めるとともに、今回サンプルの前記追尾目標の位置に前記Kサンプリング間の位置成分時間変位を加えてKサンプリング後の予測位置を算出し、かつ所定の点と前記追尾目標との距離が一定値未満である場合には、前記運動諸元平滑値に含まれる正弦運動の周波数と位相からその正弦運動のKサンプリング後の時間変位を求めて前記Kサンプリング後の予測位置に加えたものを前記Kサンプリング後の予測位置として出力する未来位置予測手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の目標追尾装置。
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