JP2005076569A - 2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能な2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法を提供することにある。
【解決手段】
低圧タービンロータと高圧タービンロータとを備えた2軸式ガスタービンであって、該低圧タービンロータと該高圧タービンロータとをロータ軸方向で仕切る仕切り部材を設け、該低圧タービンロータと該仕切り部材との間に空間を形成し、前記空間をロータ軸半径方向でシール手段により少なくとも2つに分割し、分割された内周側空間に空気を供給する経路を設けることを特徴とする。
【効果】
2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能となる。
【選択図】図1
2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能な2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法を提供することにある。
【解決手段】
低圧タービンロータと高圧タービンロータとを備えた2軸式ガスタービンであって、該低圧タービンロータと該高圧タービンロータとをロータ軸方向で仕切る仕切り部材を設け、該低圧タービンロータと該仕切り部材との間に空間を形成し、前記空間をロータ軸半径方向でシール手段により少なくとも2つに分割し、分割された内周側空間に空気を供給する経路を設けることを特徴とする。
【効果】
2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法に関する。
2軸式ガスタービンの冷却空気系統に関しては、例えば、特許文献1(特公平6−
35807号公報)に開示されている。
35807号公報)に開示されている。
上記従来技術では、低圧タービンロータに作用するスラスト力については考慮されていない。
本発明の目的は、2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能な2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法を提供することにある。
本発明は、2軸式ガスタービンの低圧タービンロータと高圧タービンロータとをロータ軸方向で仕切る仕切り部材を設け、低圧タービンロータと仕切り部材との間に空間を形成し、この空間の圧力による低圧タービンロータに作用するスラスト力発生を抑制する手段を設ける。
本発明によると、2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能な2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法を提供することができる。
まず、本発明の実施の形態による2軸式ガスタービンの構成を図6を用いて説明する。図6は2軸式ガスタービンの構成図を示す。2軸式ガスタービンは、主に、ガスジェネレータ101とパワータービン102より構成される。ガスジェネレータ101は、主に、圧縮機103,燃焼器104,HPタービン(高圧タービン)105から構成される。パワータービン102はLPタービン(低圧タービン)111から構成される。
圧縮機103は、大気空気115を圧縮して圧縮空気108を生成し、生成された圧縮空気108を燃焼器104へ送る。燃焼器104は、圧縮機103により生成された圧縮空気108と燃料とを混合燃焼させて燃焼ガスを生成し、HPタービン105へ排出する。
HPタービン105は、燃焼器104から排出されて圧縮空気のエネルギーを高められた燃焼ガスにより、HPタービンロータ106に回転力を生じさせる。LPタービン111は、ガスジェネレータ101のHPタービン105より排出される排出ガス107のエネルギーをLPタービン111が回収することで、LPタービンロータ112に回転力を生じさせる。LPタービンロータ112の回転力によって、パワータービン102に接続される機器を駆動させる。排出ガス107のエネルギーをLPタービン111で回収した後は、LPタービン111より排気ガス116として排出される。
(第1の実施例)
図1に、本発明の一実施例である2軸ガスタービンの部分断面図を示す。1はHPタービン最終段動翼、2はLPタービン入口静翼、3は仕切り板、4はLPタービン初段動翼であり、矢印5はHPタービン、LPタービン内の燃焼ガス109の流れ方向を示す。
HPタービン最終段動翼1は、HPタービンロータ106に固定されており、矢印5の方向に流れる燃焼ガス109による回転力をHPタービンロータ106に伝達する。同様に、LPタービン初段動翼4もLPタービンロータ112に固定されており、矢印5の方向に流れる燃焼ガス109による回転力をLPタービンロータ112に伝達する。なお、矢印5は、燃焼ガス流を示し、HPタービン側からLPタービン側に向かって燃焼ガス109が流れる。
図1に、本発明の一実施例である2軸ガスタービンの部分断面図を示す。1はHPタービン最終段動翼、2はLPタービン入口静翼、3は仕切り板、4はLPタービン初段動翼であり、矢印5はHPタービン、LPタービン内の燃焼ガス109の流れ方向を示す。
HPタービン最終段動翼1は、HPタービンロータ106に固定されており、矢印5の方向に流れる燃焼ガス109による回転力をHPタービンロータ106に伝達する。同様に、LPタービン初段動翼4もLPタービンロータ112に固定されており、矢印5の方向に流れる燃焼ガス109による回転力をLPタービンロータ112に伝達する。なお、矢印5は、燃焼ガス流を示し、HPタービン側からLPタービン側に向かって燃焼ガス109が流れる。
LPタービン入口静翼2は、外部ケーシングに取り付けられ、HPタービン最終段動翼とLPタービン初段動翼との間に設置されている。HPタービンロータとLPタービンロータを分断する仕切り部材である仕切り板3は、HPタービンロータとLPタービンロータとの間に配置され、本実施例では、ダイヤフラムを介してLPタービン入口静翼2により固定されている。LPタービンロータ112は、HPタービン105から排出される排出ガス107のエネルギーをLPタービン初段動翼4で回収して回転駆動される。そして、LPタービンロータ112は、LPタービンロータ第一軸受7,LPタービンロータ第二軸受8で回転可能に支持される。このLPタービンロータ第一軸受7,LPタービンロータ第二軸受8は、軸受ケーシング70に設けられている。軸受ケーシング70は、LPタービンロータ112の周囲を覆うように設置される。
次に、仕切り板3の具体的形状を図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施例における仕切り板3の断面図であり、図3は仕切り板3の図2のA−A断面図を示す。
図2に示すように、仕切り板3には、LPタービン入口静翼2が固定するダイアフラムに設けられた供給孔15よりもLPタービンロータ半径方向内側の位置になるように、仕切り板突起部21を設けている。そして、この仕切り板突起部21と対向するように、
LPタービンロータ112側にはロータ突起部20が設けられ、両者の間にラビリンスシール22を形成する。つまり、静止部材である仕切り部材と回転部材であるロータとがシール手段によって係合している。このシール手段であるラビリンスシール22により、低圧タービンロータ112と仕切り板3との間に形成された空間をタービンロータ軸半径方向で同心円状に分割している。ここで、ラビリンスシール22よりLPタービンロータ半径方向内側に形成された空間を、LPタービンロータ前側内周側空間25と称し、LPタービンロータ半径方向外側に形成された空間を、LPタービンロータ前側外周側空間11と称する。本発明の実施の形態では、ロータ軸半径方向で2つの空間に分割しているが適時3つ以上に分割しても良い。また、図3に示すように、仕切り板3には、外部から冷却空気を供給するための仕切り板供給孔26が設けられている。この仕切り板供給孔26は、仕切り板3の半径方向に複数個設けている。そして、仕切り板3の内周側の板厚を薄くすることによって、仕切り板供給孔26がLPタービンロータ前側内周側空間25に接続するよう構成されている。従って、仕切り板3の内部流路である仕切り板供給孔26を介して、仕切り板外周側から空気を供給するので、簡易な構造で外周側との干渉が無く、所望の空気をLPタービンロータ前側内周側空間25に供給することが可能である。
LPタービンロータ112側にはロータ突起部20が設けられ、両者の間にラビリンスシール22を形成する。つまり、静止部材である仕切り部材と回転部材であるロータとがシール手段によって係合している。このシール手段であるラビリンスシール22により、低圧タービンロータ112と仕切り板3との間に形成された空間をタービンロータ軸半径方向で同心円状に分割している。ここで、ラビリンスシール22よりLPタービンロータ半径方向内側に形成された空間を、LPタービンロータ前側内周側空間25と称し、LPタービンロータ半径方向外側に形成された空間を、LPタービンロータ前側外周側空間11と称する。本発明の実施の形態では、ロータ軸半径方向で2つの空間に分割しているが適時3つ以上に分割しても良い。また、図3に示すように、仕切り板3には、外部から冷却空気を供給するための仕切り板供給孔26が設けられている。この仕切り板供給孔26は、仕切り板3の半径方向に複数個設けている。そして、仕切り板3の内周側の板厚を薄くすることによって、仕切り板供給孔26がLPタービンロータ前側内周側空間25に接続するよう構成されている。従って、仕切り板3の内部流路である仕切り板供給孔26を介して、仕切り板外周側から空気を供給するので、簡易な構造で外周側との干渉が無く、所望の空気をLPタービンロータ前側内周側空間25に供給することが可能である。
ここで、ガスタービンを構成するタービンは、高温の燃焼ガスを供給するため、タービンロータの冷却を考慮する必要がある。LPタービン111では、LPタービン入口空間12とLPタービンロータ前側外周側空間11が接続しており、また、LPタービン出口空間14とLPロータ後側空間13が接続している。LPロータ後側空間13は、軸受ケーシング70と低圧タービンロータ112との間に形成された空間である。従って、矢印5の方向に流れる高温の燃焼ガス109が、LPタービンロータ前側外周側空間11や
LPロータ後側空間13に漏れ込み、LPタービンロータ112が高温の燃焼ガス109により損傷してしまうという課題がある。そこで、タービンロータの冷却に、タービンロータ内部から供給された蒸気を使用し、動翼の冷却と内側シュラウドのシール空気には、静翼内部の空気管から内側シュラウドに導かれた冷却空気を用いることが考えられる。しかし、2軸式ガスタービンの場合、HPタービンロータ106とLPタービンロータ112とが仕切り板3により分断されているため、蒸気をタービンロータ内部から導くことは困難である。そのため、2軸式ガスタービンでは、LPタービン入口静翼2の内部を通過した空気をLPタービンロータ前側外周側空間11とLPタービンロータ前側内周側空間
25に供給することが望ましい。
LPロータ後側空間13に漏れ込み、LPタービンロータ112が高温の燃焼ガス109により損傷してしまうという課題がある。そこで、タービンロータの冷却に、タービンロータ内部から供給された蒸気を使用し、動翼の冷却と内側シュラウドのシール空気には、静翼内部の空気管から内側シュラウドに導かれた冷却空気を用いることが考えられる。しかし、2軸式ガスタービンの場合、HPタービンロータ106とLPタービンロータ112とが仕切り板3により分断されているため、蒸気をタービンロータ内部から導くことは困難である。そのため、2軸式ガスタービンでは、LPタービン入口静翼2の内部を通過した空気をLPタービンロータ前側外周側空間11とLPタービンロータ前側内周側空間
25に供給することが望ましい。
しかし、LPタービンロータ前側の圧力がLPタービンロータ後側の圧力より高くなると、LPタービン下流方向に大きなスラスト荷重10が作用してしまう。また、LPタービンロータ後側の圧力が低いと、LPタービン出口空間14における燃焼ガス109が
LPタービンロータ後側空間13に漏れ込み、LPタービンロータ112が損傷してしまう。また、LPタービンロータ後側空間13に燃焼ガス109が漏れ込むことを防止するためだけに、LPタービン111外部から空気を供給する経路を新たに設けようとすると、タービン製造にかかる費用が増大してしまう。
LPタービンロータ後側空間13に漏れ込み、LPタービンロータ112が損傷してしまう。また、LPタービンロータ後側空間13に燃焼ガス109が漏れ込むことを防止するためだけに、LPタービン111外部から空気を供給する経路を新たに設けようとすると、タービン製造にかかる費用が増大してしまう。
ここで、LPタービンロータにおける圧力関係を説明する。燃焼ガス109が通過するLPタービン入口空間12とLPタービンロータ前側外周側空間11とは連結し接続している。そのため、燃焼ガス109がLPタービンロータ前側外周側空間11に漏れ込むことを防止するには、LPタービン入口空間12の燃焼ガス圧力よりわずかに高い圧力の空気をLPタービンロータ前側外周側空間11に供給することが望ましい。次に、ラビリンスシール22が設置されているため、LPタービンロータ前側内周側空間25とLPタービンロータ前側外周側空間11とは、シール効果によってほぼ接続していない。そのため、LPタービンロータ前側外周側空間11に供給する冷却空気の圧力より低い冷却空気を供給することが可能である。LPタービン出口空間14とLPタービンロータ後側空間
13とは連結し接続しているため、LPタービン出口空間14とLPタービンロータ後側空間13との空気圧力は等しくなる。ここで、LPタービン出口空間14はLPタービン入口空間12よりタービン下流側に位置する。そのため、LPタービン出口空間14の燃焼ガス圧力は、LPタービン入口空間12の燃焼ガス圧力より低くなっている。従って、LPタービンロータ前側外周側空間11よりLPタービンロータ後側空間13の空気圧力が低くなる。このように、LPタービンロータ前側と後側では空気圧力に差が生じるため、LPタービン下流方向に大きなスラスト荷重10が作用する。そのため、このスラスト作用低減のためには、LPタービンロータ前側の空気圧力を低減すること、または、LPタービンロータ前側と後側との空気圧力の差を少なくすることが望まれる。
13とは連結し接続しているため、LPタービン出口空間14とLPタービンロータ後側空間13との空気圧力は等しくなる。ここで、LPタービン出口空間14はLPタービン入口空間12よりタービン下流側に位置する。そのため、LPタービン出口空間14の燃焼ガス圧力は、LPタービン入口空間12の燃焼ガス圧力より低くなっている。従って、LPタービンロータ前側外周側空間11よりLPタービンロータ後側空間13の空気圧力が低くなる。このように、LPタービンロータ前側と後側では空気圧力に差が生じるため、LPタービン下流方向に大きなスラスト荷重10が作用する。そのため、このスラスト作用低減のためには、LPタービンロータ前側の空気圧力を低減すること、または、LPタービンロータ前側と後側との空気圧力の差を少なくすることが望まれる。
仮に、LPタービン下流方向に大きなスラスト荷重10が作用する場合には、その荷重に耐えうるスラスト軸受が必要となる。つまり、ガスタービンを運転する時、このスラスト荷重10により生じるLPタービンロータ軸方向の移動を制限する為に、スラスト軸受9を設けている。ここで、一般にスラスト軸受9を選定する際、スラスト軸受面圧(スラスト軸受に作用するスラスト荷重をスラスト軸受有効面積で割った値)をある一定値に抑えなければならない。従って、スラスト軸受9に作用するスラスト荷重10が大きくなると、スラスト軸受面圧も増加するため、スラスト軸受9の有効面積を大きくしなければならない。この為、スラスト荷重が大きいとスラスト軸受9が大型となり、製造コストが高くなってしまう。
本実施例では、仕切り板3とLPタービンロータ112との間に設けられたラビリンスシール22は、前述のように2つの空間を形成している。つまり、低圧タービンロータと仕切り部材との間に形成された空間を、ロータ軸半径方向で2つに分割している。そのため、分割された内周側空間及び外周側空間に夫々個別に空気を供給し、夫々の空間で個別の所望の圧力にすることが可能となる。
低圧タービンロータと仕切り部材との間に空間を形成し、その空間をロータ軸半径方向でシール手段により少なくとも2つに分割し、分割された内周側空間に空気を供給する経路を設けることで、2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減することが可能な構造を得ることができる。
また、例えば、スラスト力を考慮した圧力低減のために内周側空間に中圧空気を供給し、燃焼ガス流への空気漏洩抑制を考慮して外周側に高圧空気を供給することも可能である。そして、外周側空間の圧力を内周側空間の圧力より高くなるよう構成することで、2軸式ガスタービンの低圧タービンロータに作用するスラスト力を低減し、且つ、冷却用空気の燃焼ガス流へ漏れを抑制することができる。
ラビリンスシール22は、LPタービンロータ前側外周側空間11内の高圧空気16が、LPタービンロータ前側内周側空間25へ漏れ込むことを抑制している。このように、高圧空気16をLPタービンロータ前側外周側空間11に供給することで、LPタービンロータ112の前側部分において、高圧空気16がLPタービンロータ112をLPタービンロータ下流方向に加圧する領域(面積)を出来るだけ少なくすることが可能である。
次に、本実施例の2軸式ガスタービンでは、LPタービンロータ前側内周側空間25に、仕切り部材の内部経路を介し、仕切り板供給孔26から中圧空気27を供給する経路を備えている。この経路を備えることで、外周部側との干渉無く簡易な構造で適切に所望の圧力の空気を供給することができる。また、LPタービンロータ前側外周側空間11には、LPタービン入口静翼2が固定するダイアフラムに設けられた供給孔15を通じて高圧空気16を供給する。本実施例では、中圧空気27の圧力は高圧空気16の圧力より低く、LPタービンロータ後側空間13の圧力より高く設定している。また、高圧空気16と中圧空気27は、LPタービン入口静翼2内の流路を通じて供給される。
そして、LPタービンロータ112には、LPタービンロータ前側内周側空間25と圧力の低いLPタービンロータ後側空間13とを接続するために、LPタービンロータ112内に流路30を設けている。この流路30を設けることで、LPタービンロータ前側内周側空間25に供給された中圧空気27はLPロータ後側空間13にも流入する。従って、LPタービン出口空間14の燃焼ガス圧力より高い圧力の中圧空気27を、LPタービンロータ前側内周側空間25に供給することで、LPタービンロータ後側空間13に漏れ込む燃焼ガスの流量を抑制することが可能である。
更に、流路30によってLPタービンロータ前側内周側空間25とLPタービンロータ後側空間13の圧力は中圧空気27の圧力によって調整が可能である。従って、流路30によってLPタービンロータ後側空間13へ中圧空気27を供給しない場合に比べ、更に、LPタービンロータ6に作用するスラスト荷重10が低減される。その結果、スラスト軸受8の小型化が可能となり、製造コストを低減できるという効果を奏する。
本実施例においては、LPタービンロータ前側外周側空間11とLPタービンロータ前側内周側空間25との間に設置したシールにラビリンスシールを使用しているが、その他にもブラッシュシールやハニカムシールなど、別の形態のシール手段を使用することも考えられる。
なお、LPタービンロータ後側空間13はLPタービン出口空間14より圧力が高い為、LPタービンロータ後側空間13へ流入した中圧空気27はLPタービン出口空間14へ流出する。しかし、点線35のようにLPタービンロータ112に冷却空気供給孔35を設けてLPタービン初段動翼4内の冷却通路と接続することで、中圧空気27による
LPタービン初段動翼4の冷却が可能となる。
LPタービン初段動翼4の冷却が可能となる。
以上のような本実施例によると、経済性に優れ、適切な冷却が可能な2軸式ガスタービンを得ることが出来、効率の良い2軸式ガスタービンの高温部冷却が可能となる。
(第2の実施例)
2軸式ガスタービンのLPタービンが複数段動翼である場合の一例として、LPタービン動翼が2段である時の実施形態を示す。図4は、ガスジェネレータ101のHPタービン部およびパワータービン102の断面図である。1はHPタービン最終段動翼、2は
LPタービン入口静翼、3は仕切り板、4はLPタービン初段動翼、40はLPタービン第2段動翼であり、矢印5はHPタービン,LPタービン内の燃焼ガス109の流れ方向を示す。そして、本実施例におけるLPタービンロータ112は、LPタービン第1段ディスク41,LP1−2スペーサ42,LPタービン第2段ディスク43,LPタービンスタブシャフト44より構成され、これらは周方向に複数本存在するスタッキングボルト45によって互いに固定保持されている。ガスタービンを運転する時、LPタービンロータ112にはLPタービンロータ軸方向にスラスト荷重10が作用する。しかし、スラスト荷重10によってLPタービンロータ112がLPタービンロータ軸方向に移動することを制限するために、スラスト軸受9を設けている。
2軸式ガスタービンのLPタービンが複数段動翼である場合の一例として、LPタービン動翼が2段である時の実施形態を示す。図4は、ガスジェネレータ101のHPタービン部およびパワータービン102の断面図である。1はHPタービン最終段動翼、2は
LPタービン入口静翼、3は仕切り板、4はLPタービン初段動翼、40はLPタービン第2段動翼であり、矢印5はHPタービン,LPタービン内の燃焼ガス109の流れ方向を示す。そして、本実施例におけるLPタービンロータ112は、LPタービン第1段ディスク41,LP1−2スペーサ42,LPタービン第2段ディスク43,LPタービンスタブシャフト44より構成され、これらは周方向に複数本存在するスタッキングボルト45によって互いに固定保持されている。ガスタービンを運転する時、LPタービンロータ112にはLPタービンロータ軸方向にスラスト荷重10が作用する。しかし、スラスト荷重10によってLPタービンロータ112がLPタービンロータ軸方向に移動することを制限するために、スラスト軸受9を設けている。
仕切り板3には、LPタービン入口静翼2が固定するダイアフラムに設けられた供給孔15よりもLPタービンロータ半径方向内側に仕切り板突起部21を設け、この仕切り板突起部21とラビリンスシール56を形成するようにLPタービン第1段ディスク41にロータ突起部55を設ける。ラビリンスシール56により、低圧タービンロータ112と仕切り板3との間に形成された空間をタービンロータ軸半径方向に同心円状に分割される。ここで、仕切り板3とLPタービン第1段ディスク41とに挟まれた空間であり、ラビリンスシール56よりLPタービンロータ半径方向内側を特にLPタービンロータ前側内周側空間57とする。また、仕切り板3とLPタービン第1段ディスク41とに挟まれた空間であり、ラビリンスシール56よりLPタービンロータ半径方向外側を特にLPタービンロータ前側外周側空間11とする。
そして、本実施例ではLPタービン第1段ディスク41に中心孔71を設けている。従って、LPタービン第1段ディスク41とLPタービン第2段ディスク43及びLP1−2スペーサ42とに囲まれたディスク間空間60と、LPタービンロータ前側内周側空間57とは、LPタービン第1段ディスク41に設けられた中心孔71によって接続している。そして、ディスク間空間60は、LP1−2スペーサ42内の流路によってLPスペーサ前側空間51及びLPスペーサ後側空間53と接続している。
次に、LPタービンロータの圧力関係を説明する。LPタービンロータ前側外周側空間11は、LPタービン入口静翼2とLPタービン初段動翼4の間のLPタービン入口空間12と接続している。LPタービン静翼前側空間50はLPスペーサ前側空間51と接続しており、LPタービン静翼後側空間52はLPスペーサ後側空間53と接続している。LPロータ後側空間13はLPタービン第2段動翼40下流側のLPタービン出口空間
14と接続している。このような構造のLPタービンロータでは、高温の燃焼ガスがロータ内へ漏れ込むことを防止する為に、LPタービンロータ前側外周側空間11は、供給孔15より供給する高圧空気16によって、LPタービン入口空間12よりわずかに圧力を高くする必要がある。同様に、LPスペーサ前側空間51はLPタービン静翼前側空間
50よりわずかに圧力を高く、LPスペーサ後側空間53はLPタービン静翼後側空間
52よりわずかに圧力を高く、LPタービンロータ後側空間13はLPタービン出口空間14よりわずかに圧力を高くする必要がある。燃焼ガスの圧力は、LPタービン入口空間12,LPタービン静翼前側空間50,LPタービン静翼後側空間52,LPタービン出口空間14の順番に低くなるため、ロータ内空間の圧力を、LPタービンロータ前側外周側空間11,LPスペーサ前側空間51,LPスペーサ後側空間53,LPタービン後側空間13の順番に低くなるようにロータ内に空気を供給する。
14と接続している。このような構造のLPタービンロータでは、高温の燃焼ガスがロータ内へ漏れ込むことを防止する為に、LPタービンロータ前側外周側空間11は、供給孔15より供給する高圧空気16によって、LPタービン入口空間12よりわずかに圧力を高くする必要がある。同様に、LPスペーサ前側空間51はLPタービン静翼前側空間
50よりわずかに圧力を高く、LPスペーサ後側空間53はLPタービン静翼後側空間
52よりわずかに圧力を高く、LPタービンロータ後側空間13はLPタービン出口空間14よりわずかに圧力を高くする必要がある。燃焼ガスの圧力は、LPタービン入口空間12,LPタービン静翼前側空間50,LPタービン静翼後側空間52,LPタービン出口空間14の順番に低くなるため、ロータ内空間の圧力を、LPタービンロータ前側外周側空間11,LPスペーサ前側空間51,LPスペーサ後側空間53,LPタービン後側空間13の順番に低くなるようにロータ内に空気を供給する。
LPタービンロータ前側内周側空間57には、仕切り板供給孔26から中圧空気27を供給する。また、LPタービンロータ前側外周側空間11には、LPタービン入口静翼2が固定するダイアフラムに設けられた供給孔15を通じて高圧空気16を供給する。ここで中圧空気27の圧力は、高圧空気16の圧力より低く、LPスペーサ前側空間51の圧力より高い。また、高圧空気16と中圧空気27は、LPタービン入口静翼2内の流路を通じて供給される。
そして、LPタービンロータ112には、LPタービンロータ前側内周側空間57と圧力の低いディスク間空間60とを接続させるために、LPタービン第1段ディスクに中心孔71を設けている。そのため、LPタービンロータ前側内周側空間57に供給された中圧空気27はディスク間空間60にも流入する。ディスク間空間60に流入した中圧空気27は、LP1−2スペーサ42内の流路によってLPスペーサ前側空間51及びLPスペーサ後側空間53にも流入する。従って、LPタービン静翼前側空間50やLPタービン静翼後側空間52を流れる燃焼ガス圧力より高い圧力の中圧空気27をLPタービンロータ前側内周側空間57に供給することで、LPスペーサ前側空間51及びLPスペーサ後側空間53に漏れ込む燃焼ガスの流量を抑制することが可能である。
また、仕切り板3とLPタービンロータ112との間に設けられたラビリンスシール
56は、LPタービンロータ前側外周側空間11内の高圧空気16がLPタービンロータ前側内周側空間57へ漏れ込むことを抑制している。このように、高圧空気16をLPタービンロータ前側外周側空間11のみに供給することで、LPタービンロータ112の前側部分において、高圧空気16がLPタービンロータ112をLPタービンロータ下流方向に加圧する領域(面積)を出来るだけ少なくしている。
56は、LPタービンロータ前側外周側空間11内の高圧空気16がLPタービンロータ前側内周側空間57へ漏れ込むことを抑制している。このように、高圧空気16をLPタービンロータ前側外周側空間11のみに供給することで、LPタービンロータ112の前側部分において、高圧空気16がLPタービンロータ112をLPタービンロータ下流方向に加圧する領域(面積)を出来るだけ少なくしている。
更に、LPタービンロータ前側内周側空間57には中圧空気27を供給している為、
LPタービンロータ前側内周側空間57とディスク間空間60の圧力は中圧空気27の圧力によって決定される。従って、LPタービン第1段ディスク41の中心孔によってディスク間空間60へ中圧空気27を供給しない場合に比べ、LPタービンロータ6に作用するスラスト荷重10が低減される。その結果、スラスト軸受8の小型化が可能となり、製造コストを低減できるという効果を奏する。
LPタービンロータ前側内周側空間57とディスク間空間60の圧力は中圧空気27の圧力によって決定される。従って、LPタービン第1段ディスク41の中心孔によってディスク間空間60へ中圧空気27を供給しない場合に比べ、LPタービンロータ6に作用するスラスト荷重10が低減される。その結果、スラスト軸受8の小型化が可能となり、製造コストを低減できるという効果を奏する。
本実施例においては、LPロータ前側外周側空間11とLPロータ前側内周側空間57との間に設けたシールにラビリンスシール56を使用しているが、その他にも、ブラッシュシールやハニカムシールなど、別の形態のシールを使用することも考えられる。
なお、LPスペーサ前側空間51はLPタービン静翼前側空間50より圧力が高い為、LPスペーサ前側空間51へ流入した中圧空気27はLPタービン静翼前側空間50へ流出する。しかし、点線のようにLPタービン第1段ディスク41に冷却空気供給孔36を設けてLPタービン初段動翼4内の冷却通路と接続させることで、中圧空気27による
LPタービン初段動翼4の冷却が可能となる。同様にLPスペーサ後側空間53は、LPタービン静翼後側空間52より圧力が高い為、LPスペーサ後側空間53へ流入した中圧空気27はLPタービン静翼後側空間52へ流出する。しかし、点線のようにLPタービン第2段ディスク43に冷却空気供給孔37を設けてLPタービン第2段動翼40内の冷却通路と接続させることで、中圧空気27によるLPタービン第2段動翼40の冷却が可能となる。
LPタービン初段動翼4の冷却が可能となる。同様にLPスペーサ後側空間53は、LPタービン静翼後側空間52より圧力が高い為、LPスペーサ後側空間53へ流入した中圧空気27はLPタービン静翼後側空間52へ流出する。しかし、点線のようにLPタービン第2段ディスク43に冷却空気供給孔37を設けてLPタービン第2段動翼40内の冷却通路と接続させることで、中圧空気27によるLPタービン第2段動翼40の冷却が可能となる。
(第3実施例)
図5に、第2の実施例の別形態を示す。61はLP1−2スペーサ、62はLPスペーサ前側空間、63はLPスペーサ後側空間である。本実施例では、LPロータ前側内周側空間60はLP1−2スペーサ61内の流路を通じてLPスペーサ後側空間63と接続しており、LPスペーサ前側空間62とは接続していない。第2の実施例では、中圧空気
27はLPスペーサ前側空間51とLPスペーサ後側空間53の両方へ流れていた為、中圧空気27の圧力はLPスペーサ前側空間51の圧力より高い必要があった。しかし、本実施例では、中圧空気65はLPスペーサ後側空間63に流れLPスペーサ前側空間62には流れないため、中圧空気65の圧力は、LPスペーサ後側空間63より高ければ良い。LPスペーサ後側空間63の圧力はLPスペーサ前側空間62の圧力より低いため、本実施例では第2の実施例に比べて、中圧空気65の圧力を低く抑えることができる。LPロータ前側内周側空間60の圧力は、中圧空気65の圧力によって決定される為、第2の実施例に比べて、LPタービンロータ前側内周側空間60の圧力は低くなる。したがって、LPタービンロータ112に作用するスラスト荷重10を、第2の実施例より更に低減することが可能となりスラスト軸受8を小型化することができる。そして、スラスト軸受8を小型化することで、製造コストを更に低減できる。
図5に、第2の実施例の別形態を示す。61はLP1−2スペーサ、62はLPスペーサ前側空間、63はLPスペーサ後側空間である。本実施例では、LPロータ前側内周側空間60はLP1−2スペーサ61内の流路を通じてLPスペーサ後側空間63と接続しており、LPスペーサ前側空間62とは接続していない。第2の実施例では、中圧空気
27はLPスペーサ前側空間51とLPスペーサ後側空間53の両方へ流れていた為、中圧空気27の圧力はLPスペーサ前側空間51の圧力より高い必要があった。しかし、本実施例では、中圧空気65はLPスペーサ後側空間63に流れLPスペーサ前側空間62には流れないため、中圧空気65の圧力は、LPスペーサ後側空間63より高ければ良い。LPスペーサ後側空間63の圧力はLPスペーサ前側空間62の圧力より低いため、本実施例では第2の実施例に比べて、中圧空気65の圧力を低く抑えることができる。LPロータ前側内周側空間60の圧力は、中圧空気65の圧力によって決定される為、第2の実施例に比べて、LPタービンロータ前側内周側空間60の圧力は低くなる。したがって、LPタービンロータ112に作用するスラスト荷重10を、第2の実施例より更に低減することが可能となりスラスト軸受8を小型化することができる。そして、スラスト軸受8を小型化することで、製造コストを更に低減できる。
1…高圧タービン最終段動翼、3…仕切り板、4…低圧タービン初段動翼、9…スラスト軸受、70…軸受ケーシング、101…ガスジェネレータ、102…パワータービン、103…圧縮機、104…燃焼器、105…HPタービン(高圧タービン)、107…排出ガス、108…圧縮空気、109…燃焼ガス、111…LPタービン(低圧タービン)、112…低圧タービンロータ、115…大気空気。
Claims (5)
- 低圧タービンロータと高圧タービンロータとを備えた2軸式ガスタービンであって、
該低圧タービンロータと該高圧タービンロータとをロータ軸方向で仕切る仕切り部材を設け、
該低圧タービンロータと該仕切り部材との間に空間を形成し、前記空間をロータ軸半径方向でシール手段により少なくとも2つに分割し、
分割された内周側空間に空気を供給する経路を設けることを特徴とする2軸式ガスタービン。 - 低圧タービンロータと高圧タービンロータとを備えた2軸式ガスタービンであって、
該低圧タービンロータと該高圧タービンロータとをロータ軸方向で仕切る仕切り部材を設け、
該低圧タービンロータと該仕切り部材との間に空間を形成し、前記空間をロータ軸半径方向でシール手段により少なくとも2つに分割し、
分割された内周側空間及び外周側空間に夫々個別に空気を供給する経路を設けることを特徴とする2軸式ガスタービン。 - 請求項2に記載の2軸式ガスタービンにおいて、
前記外周側空間の圧力を、前記内周側空間の圧力より高くなるよう構成した2軸式ガスタービン。 - 大気空気を圧縮し圧縮空気を生成する圧縮機、該圧縮空気と燃料とを混合燃焼させる燃焼器、該燃焼器から排出される燃焼ガスにより回転駆動される高圧タービンを備えたガスジェネレータと、該高圧タービンより排出される排出ガスにより回転駆動される低圧タービンを備えたパワータービンにより構成し、高圧タービン最終段動翼と低圧タービン初段動翼との間の静翼が固定する仕切り板を有し、前記低圧タービン初段動翼を固定する低圧タービンロータを支持する軸受ケーシングを備えた2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法であって、
前記低圧タービンロータと前記仕切り板との間に形成された空間をタービンロータ軸半径方向に同心円状に分割した2空間を形成し、
該空間の内側より該空間の外側に供給する空気の圧力を高く設定し、
前記空間の内側に供給された空気を、前記軸受ケーシングと前記低圧タービンロータとの間に形成された空間に供給することを特徴とする、
2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法。 - 大気空気を圧縮し圧縮空気を生成する圧縮機、該圧縮空気と燃料とを混合燃焼させる燃焼器、該燃焼器から排出される燃焼ガスにより回転駆動される高圧タービンを備えたガスジェネレータと、該高圧タービンより排出される排出ガスにより回転駆動される低圧タービンを備えたパワータービンとを有し、高圧タービン最終段動翼と低圧タービン初段動翼との間の静翼が固定する仕切り板を有し、前記低圧タービン初段動翼を固定する低圧タービンロータを支持する軸受ケーシングを備えた2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法であって、
前記低圧タービンロータと前記仕切り板との間に形成された空間をタービンロータ軸半径方向に同心円状に分割した2空間を形成し、
該空間の内側より該空間の外側に供給する空気の圧力を高く設定し、
前記空間の内側に供給された空気をディスク間空間に供給することを特徴とする、2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003309465A JP2005076569A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法 |
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JP2005076569A true JP2005076569A (ja) | 2005-03-24 |
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JP2003309465A Pending JP2005076569A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 2軸式ガスタービン及び2軸式ガスタービンの冷却空気供給方法 |
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-
2003
- 2003-09-02 JP JP2003309465A patent/JP2005076569A/ja active Pending
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