JP2005075799A - 金属錯体タンパク質複合体及び水素化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 新規な金属錯体タンパク質複合体、新規な水素化反応触媒を提供する。
【解決手段】 本発明の金属錯体タンパク質複合体は、キャビティーを持つタンパク質類の該キャビティーに、ロジウム、ルテニウム及びパラジウムからなる群より選ばれた一種の金属に配位子が配位してなる金属錯体を挿入した構造を有するものである。この金属錯体タンパク質複合体は、例えば水中でオレフィンの水素化反応触媒として機能するため、水溶性基質の水素化に利用することができるし、有機溶媒を使う場合に比べて環境面でも有利である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の金属錯体タンパク質複合体は、キャビティーを持つタンパク質類の該キャビティーに、ロジウム、ルテニウム及びパラジウムからなる群より選ばれた一種の金属に配位子が配位してなる金属錯体を挿入した構造を有するものである。この金属錯体タンパク質複合体は、例えば水中でオレフィンの水素化反応触媒として機能するため、水溶性基質の水素化に利用することができるし、有機溶媒を使う場合に比べて環境面でも有利である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規な金属錯体タンパク質複合体及び水素化触媒に関する。
これまでに、本発明者は、酵素貯蔵タンパク質であるミオグロビン(Mb)からヘムを除いたアポミオグロビン(apo−Mb)のキャビティーに、マンガンのシッフ塩基錯体を非共有結合的に挿入した金属錯体タンパク質複合体を提案している。例えば、マンガンにN,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−フェニレンジアミンを配位させた金属錯体をアポミオグロビンのキャビティーに保持した金属錯体タンパク質複合体を合成し、この種の複合体がチオアニソールの不斉酸化反応に有用であることを報告している(非特許文献1参照)。
第16回生体機能関連シンポジウム講演要旨集、「1S1−11 アポミオグロビンキャビティーへの金属錯体挿入による人工酵素の構築」(2001年9月発行)
第16回生体機能関連シンポジウム講演要旨集、「1S1−11 アポミオグロビンキャビティーへの金属錯体挿入による人工酵素の構築」(2001年9月発行)
しかしながら、この種の金属錯体タンパク質複合体の研究は緒に就いたばかりであり、例えばこの種の金属錯体タンパク質複合体において水素化反応に有用なものは未だ報告がなされていない。
本発明は、新規な金属錯体タンパク質複合体を提供することを目的の一つとする。また、本発明は、新規な水素化反応触媒を提供することを目的の一つとする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、新規な金属錯体タンパク質複合体を見い出した。すなわち、本発明の金属錯体タンパク質複合体は、キャビティーを持つタンパク質類の該キャビティーに、ロジウム、ルテニウム及びパラジウムからなる群より選ばれた一種の金属に配位子が配位してなる金属錯体を挿入した構造を有するものである。この金属錯体タンパク質複合体は、例えば水中でオレフィンの水素化反応触媒として機能するため、水溶性基質の水素化に利用することができるし、有機溶媒を使う場合に比べて環境面でも有利である。
本発明の金属錯体タンパク質複合体の合成方法としては、幾つかの方法が考えられるが、代表的には以下の2通りの方法がある。一つは、キャビティーを持つタンパク質類のキャビティーに金属錯体を挿入する方法であり、もう一つは、キャビティーを持つタンパク質類が存在する系内に、キャビティーに挿入しようとする金属錯体の製造原料(反応することにより金属錯体となるもの)を入れてその系内で金属錯体を合成すると同時にキャビティーに金属錯体を挿入する方法である。前者の方法としては、例えば、キャビティーを持つタンパク質類と金属錯体とをタンパク質類と金属との当量比が1:0.5〜100、好ましくは1:1.1〜2となるように混合することが挙げられる。このときの溶媒としては、水−アセトン混合溶媒、水−メタノール混合溶媒、水−ジメチルホルムアミド(DMF)混合溶媒、水−ジメチルスルホキシド(DMSO)混合溶媒、水のみなどが好ましく、そのうち水−アセトン混合溶媒、水−メタノール混合溶媒が特に好ましい。また、混合時の温度は−10〜200℃、特に1℃〜4℃が好ましく、混合時間は0.5分〜24時間、特に5分〜30分が好ましい。また、後者の方法としては、例えば、タンパク質類と金属との当量比が1:0.5〜100、好ましくは1:1.1〜2となるように混合することが挙げられる。このときの溶媒としては、水−アセトン混合溶媒、水−メタノール混合溶媒、水−DMF混合溶媒、水−DMSO混合溶媒、水のみなどが好ましく、そのうち水−アセトン混合溶媒、水−メタノール混合溶媒が特に好ましい。また、混合時の温度は−10〜200℃、特に1℃〜4℃が好ましく、混合時間は0.5分〜24時間、特に5分〜1時間が好ましい。これら以外の方法として、担体に担持されたタンパク質類のキャビティーに前記2通りの方法のいずれかを用いて金属錯体を挿入する方法や、一旦金属錯体タンパク質複合体を調製したあと金属錯体の配位子を別の配位子に交換する方法を採用してもよい。
本発明に用いられるタンパク質類としては、例えば、金属錯体の金属が配位可能なアミノ酸残基又は金属錯体の配位子と非共有結合可能なアミノ酸残基をキャビティーに有するタンパク質、タンパク質多量体又はそれらの変異体であってもよいし、ヘムを含むタンパク質からヘムを除くことによりヘムの存在していた部位をキャビティーにしたものであってもよい。具体的には、アポミオグロビン、アポヘモグロビン、アポヘムオキシゲナーゼ、アポカタラーゼ、アポシトクロム、アポフェリチン又はそれらの変異体などが挙げられる。なお、「アポ」とは、補因子又は補欠分子族などが欠損しているタンパク質を表す接頭語であり、アポミオグロビン、アポヘモグロビン等はヘムが欠損しており、アポフェリチンは鉄イオンが欠損している。また、タンパク質類の変異体としては、タンパク質類のキャビティーに挿入された金属錯体の化学反応場に影響を与える位置のアミノ酸残基を化学反応に適したアミノ酸残基に変異させたものが好ましい。例えばアポミオグロビンの変異体としては、アポミオグロビン(153個のアミノ酸よりなるポリペプチド鎖)の64番目、71番目、93番目、107番目などのアミノ酸残基を変異させたものが挙げられ、特に64番目のヒスチジン(His64)をグリシンやアラニンのようにヒスチジンより小さなアミノ酸残基に変異させたものが好ましい。
本発明に用いられる金属錯体としては、タンパク質類のキャビティーに位置するアミノ酸残基と金属が配位するか又は配位子が非共有結合するものであれば特に限定されないが、ホスフィノ基を有する化合物を配位子とする金属錯体が好ましく、ジフェニルホスフィノ基を少なくとも2つ有する化合物を配位子とする金属錯体が特に好ましい。式(1)はこのような配位子の一例である。
R1R2P−J−PR3R4 …(1)
(式中、R1〜R4は、すべて同じであっても一部同じであってもすべて異なっていてもよい炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素または置換もしくは非置換のフェニルであり、Jは、炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素またはベンゼン環内の2つの炭素を示す。)
ホスフィン配位子としては、特に限定されないが、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、ビス(ジメチルホスフィノ)ペンタン、ビス(ジメチルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンなどのほか、ビス(ジフェニルホスフィノ)化合物中のフェニルに含まれる1以上の水素をアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲンなどの置換基で置換したものが挙げられる。これらのホスフィン配位子は、ロジウム錯体やパラジウム錯体の配位子に用いることが好ましい。
(式中、R1〜R4は、すべて同じであっても一部同じであってもすべて異なっていてもよい炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素または置換もしくは非置換のフェニルであり、Jは、炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素またはベンゼン環内の2つの炭素を示す。)
ホスフィン配位子としては、特に限定されないが、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、ビス(ジメチルホスフィノ)ペンタン、ビス(ジメチルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンなどのほか、ビス(ジフェニルホスフィノ)化合物中のフェニルに含まれる1以上の水素をアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲンなどの置換基で置換したものが挙げられる。これらのホスフィン配位子は、ロジウム錯体やパラジウム錯体の配位子に用いることが好ましい。
また、ホスフィン配位子以外の配位子としては、例えば、金属とメタロセン系化合物を形成する環状ジエンや芳香族化合物が挙げられる。このような環状ジエンとしては、例えば、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン及びこれらの骨格を有し1以上の水素がアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲンなどの置換基で置換されたものが挙げられ、芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン及びこれらの骨格を有し1以上の水素がアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基などの置換基で置換されたもの、具体的にはトルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、o−,m−又はp−イソプロピルトルエン(シメン)、o−,m−又はp−イソブチルトルエンなどが挙げられる。これらの配位子は、ルテニウム錯体に用いることが好ましい。
本発明の水素化触媒は、上述した金属錯体タンパク質複合体からなるものであり、水中で水素化を促進する機能を有するものである。この水素化触媒の使用量は、反応容器や経済性によって異なるが、反応基質とのモル比S/C(Sは基質、Cは触媒)が10〜10000、特に50〜5000の範囲で用いることが好ましい。反応基質は、水素化される部位を有する化合物であれば特に限定されないが、水中で水素化するため水溶性であることが好ましい。水素化反応の溶媒としては、水系の溶媒であれば特に限定されないが、例えば、水、水と低級アルコール(メタノール、エタノールなど)の混合溶媒、水と低級ケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)の混合溶媒、水とDMFの混合溶媒、水とDMSOの混合溶媒などが挙げられる。反応温度は−10〜200℃、特に1℃〜50℃が好ましく、混合時間は0.5分〜24時間、特に5分〜10時間が好ましい。この水素化反応は、反応形式がバッチ式においても連続式においても実施することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下の実施例の説明中、「cod」は1,5−シクロオクタジエンの略であり、「dppe」は1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンの略であり、「dppb」は1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンの略である。
<ロジウム錯体の合成−その1>
Rh(I)(cod)(dppe)は公知文献(Brown, J. M. et al., Journal of Organometallic Chemistry, 1981, vol216, p263-276)を参考にして合成した。即ち、[Rh(cod)Cl]2(99mg,0.2mmol)とAgBF4(80mg,0.41mmol)をアルゴン雰囲気下、アセトン中で3時間撹拌し、固体のdppe(159mg,0.4mmol)を加え、赤色の溶液を得た。赤色の上清を取り、3mlまで濃縮しエーテル(20ml)を加えると黄色の沈殿が得られた。エーテルで洗浄し、濃縮乾固させて目的物であるRh(I)(cod)(dppe)・BF4を得た。ESI−TOF MS(電子スプレー式イオン化法を用いた飛行時間型質量分析):[Rh(I)(cod)(dppe)]+ m/z609.10(計算値609.14),[Rh(I)(dppe)(CH3OH)]+ m/z533.03(計算値533.38),[Rh(dppe)]+ m/z501.02(計算値501.04)。
Rh(I)(cod)(dppe)は公知文献(Brown, J. M. et al., Journal of Organometallic Chemistry, 1981, vol216, p263-276)を参考にして合成した。即ち、[Rh(cod)Cl]2(99mg,0.2mmol)とAgBF4(80mg,0.41mmol)をアルゴン雰囲気下、アセトン中で3時間撹拌し、固体のdppe(159mg,0.4mmol)を加え、赤色の溶液を得た。赤色の上清を取り、3mlまで濃縮しエーテル(20ml)を加えると黄色の沈殿が得られた。エーテルで洗浄し、濃縮乾固させて目的物であるRh(I)(cod)(dppe)・BF4を得た。ESI−TOF MS(電子スプレー式イオン化法を用いた飛行時間型質量分析):[Rh(I)(cod)(dppe)]+ m/z609.10(計算値609.14),[Rh(I)(dppe)(CH3OH)]+ m/z533.03(計算値533.38),[Rh(dppe)]+ m/z501.02(計算値501.04)。
<ロジウム錯体の合成−その2>
Rh(I)(cod)(dppb)はアルドリッチ社より購入した。製品名は[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン](1,5−シクロオクタジエン)ロジウム テトラフルオロ硼酸塩である。
Rh(I)(cod)(dppb)はアルドリッチ社より購入した。製品名は[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン](1,5−シクロオクタジエン)ロジウム テトラフルオロ硼酸塩である。
<ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の合成−その1(図1参照)>
以下の作業は全て4℃で行った。まず、公知文献(T.Matsui et al. J.Am.Chem.Soc., 1999, vol121, p9952-9957)に従って、ミオグロビンの64番目のアミノ酸残基であるヒスチジンをアラニンに変異させた。このように変異させたミオグロビンをSW H64A Mbと称する。次に、公知文献(F.Ascole et al. Method Enzymol. 1981, vol76, p72-87)に記載された酸−ブタノン法に従ってSW H64A Mbをアポ化をし、1mM,5mM,10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0)で各2時間透析することにより、アポミオグロビンを得た。このアポミオグロビンをapo−H64A Mbと称する。次に、apo−H64A Mbを10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0)(385μM,18ml)に入れ、ここへRhがMbに対して1.5当量となるように実施例1で得たロジウム錯体のアセトン溶液(10mM,1.038ml)を撹拌しながら加え、10分間、4℃静置した。続いて、この混合溶液を10mM Bis Tris/HClバッファー液(pH6.0)1Lで一夜透析した。このようにして再構成したロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−H64A Mbを、G25,G50(10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0))を用いてゲルろ過することにより精製した。複合体の同定は、ESI−TOF MS、UV−vis、原子吸光法によって行った。このときのMS分析値は17764.8であり、計算値17765.4とよく一致していた。また、UV−vis分析では吸収極大波長が259.5nmとなり、apo−H64A Mbの吸収極大波長(280nm)より低波長にシフトした。原子吸光分析によりRhの濃度を求めたところ1.77mMと決定できた。なお、G25はSephadex G25 Medium,G50はSephadex G50 Medium(いずれもアマシャムバイオサイエンス社製)の略である(以下同じ)。
以下の作業は全て4℃で行った。まず、公知文献(T.Matsui et al. J.Am.Chem.Soc., 1999, vol121, p9952-9957)に従って、ミオグロビンの64番目のアミノ酸残基であるヒスチジンをアラニンに変異させた。このように変異させたミオグロビンをSW H64A Mbと称する。次に、公知文献(F.Ascole et al. Method Enzymol. 1981, vol76, p72-87)に記載された酸−ブタノン法に従ってSW H64A Mbをアポ化をし、1mM,5mM,10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0)で各2時間透析することにより、アポミオグロビンを得た。このアポミオグロビンをapo−H64A Mbと称する。次に、apo−H64A Mbを10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0)(385μM,18ml)に入れ、ここへRhがMbに対して1.5当量となるように実施例1で得たロジウム錯体のアセトン溶液(10mM,1.038ml)を撹拌しながら加え、10分間、4℃静置した。続いて、この混合溶液を10mM Bis Tris/HClバッファー液(pH6.0)1Lで一夜透析した。このようにして再構成したロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−H64A Mbを、G25,G50(10mM Tris/HClバッファー液(pH7.0))を用いてゲルろ過することにより精製した。複合体の同定は、ESI−TOF MS、UV−vis、原子吸光法によって行った。このときのMS分析値は17764.8であり、計算値17765.4とよく一致していた。また、UV−vis分析では吸収極大波長が259.5nmとなり、apo−H64A Mbの吸収極大波長(280nm)より低波長にシフトした。原子吸光分析によりRhの濃度を求めたところ1.77mMと決定できた。なお、G25はSephadex G25 Medium,G50はSephadex G50 Medium(いずれもアマシャムバイオサイエンス社製)の略である(以下同じ)。
<ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の合成−その2(図1参照)>
ミオグロビンを変異させずにそのまま用いた以外は、実施例3と同様にしてロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−Mbを得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17829.9であり、計算値17831.1とよく一致していた。また、UV−vis分析では吸収極大波長が274.5nmとなり、apo−Mbの吸収極大波長(280nm)より低波長にシフトした。原子吸光分析によりRhの濃度を求めたところ1.13mMと決定できた。
ミオグロビンを変異させずにそのまま用いた以外は、実施例3と同様にしてロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−Mbを得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17829.9であり、計算値17831.1とよく一致していた。また、UV−vis分析では吸収極大波長が274.5nmとなり、apo−Mbの吸収極大波長(280nm)より低波長にシフトした。原子吸光分析によりRhの濃度を求めたところ1.13mMと決定できた。
<ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の合成−その3(図1参照)>
実施例1で得たロジウム錯体の代わりに実施例2で得たロジウム錯体を用いた以外は、実施例4と同様にしてロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppb)・apo−Mbを得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17859.8であり、計算値17859.2とよく一致していた。
実施例1で得たロジウム錯体の代わりに実施例2で得たロジウム錯体を用いた以外は、実施例4と同様にしてロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppb)・apo−Mbを得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17859.8であり、計算値17859.2とよく一致していた。
<ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の合成−その4(図1参照)>
ここでは、ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の別法の実施例について説明する。この別法は、アポミオグロビンの存在下でロジウム錯体をin situで合成してロジウム錯体アポミオグロビン複合体を合成する方法である。まず、apo−H64D Mb(64番目のヒスチジンをアスパラギン酸で変異させたもの)の5mM酢酸アンモニウム溶液(20μM,200μl)に[Rh(cod)Cl]2のアセトン溶液(2mM,2μl)(RhはMbに対して2当量)、dppeのアセトン溶液(2mM,4μl)を加え、1時間、4℃で静置させ、ESI−TOF MSを測定した。得られたマススペクトル(17808.0)は、codが脱離したRh(I)(dppe)とapo−H64DMbによる複合体の計算値(17809.1)とよい一致を示した。
ここでは、ロジウム錯体アポミオグロビン複合体の別法の実施例について説明する。この別法は、アポミオグロビンの存在下でロジウム錯体をin situで合成してロジウム錯体アポミオグロビン複合体を合成する方法である。まず、apo−H64D Mb(64番目のヒスチジンをアスパラギン酸で変異させたもの)の5mM酢酸アンモニウム溶液(20μM,200μl)に[Rh(cod)Cl]2のアセトン溶液(2mM,2μl)(RhはMbに対して2当量)、dppeのアセトン溶液(2mM,4μl)を加え、1時間、4℃で静置させ、ESI−TOF MSを測定した。得られたマススペクトル(17808.0)は、codが脱離したRh(I)(dppe)とapo−H64DMbによる複合体の計算値(17809.1)とよい一致を示した。
<オレフィンの水素化反応−その1>
実施例3で得られたロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−H64A Mbを用いてアクリル酸の水素化反応を以下のようにして行った。まず、精製した複合体のRh濃度を原子吸光法により決定した。次に、アクリル酸の水素化につき、50mMリン酸バッファー(pD7.0)中で[Rh]/[基質]=1/100、温度35℃、水素の圧力5atmという条件で、5時間反応を行った。具体的な実験方法はオートクレーブにロジウム錯体アポミオグロビン複合体水溶液(0.5mM,1ml,0.5μmol)を入れ、アクリル酸水溶液(50mM,1ml,50μmol)を加え、オートクレーブ内を水素ガスで置換し、先の反応条件で反応を行い、プロピオン酸を得た。この反応後、1H−NMRによりターンオーバー数を求めたところ、0.68h-1であった。なお、pDは−log10[D+](Dは重水素)である。
実施例3で得られたロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−H64A Mbを用いてアクリル酸の水素化反応を以下のようにして行った。まず、精製した複合体のRh濃度を原子吸光法により決定した。次に、アクリル酸の水素化につき、50mMリン酸バッファー(pD7.0)中で[Rh]/[基質]=1/100、温度35℃、水素の圧力5atmという条件で、5時間反応を行った。具体的な実験方法はオートクレーブにロジウム錯体アポミオグロビン複合体水溶液(0.5mM,1ml,0.5μmol)を入れ、アクリル酸水溶液(50mM,1ml,50μmol)を加え、オートクレーブ内を水素ガスで置換し、先の反応条件で反応を行い、プロピオン酸を得た。この反応後、1H−NMRによりターンオーバー数を求めたところ、0.68h-1であった。なお、pDは−log10[D+](Dは重水素)である。
<オレフィンの水素化反応−その2>
実施例4で得られたロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−Mbを用いてアクリルアミドの水素化反応を実施例7と同様にして行い、プロピオンアミドを得た。反応後、1H−NMRによりターンオーバー数を求めたところ、0.60h-1であった。
実施例4で得られたロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(dppe)・apo−Mbを用いてアクリルアミドの水素化反応を実施例7と同様にして行い、プロピオンアミドを得た。反応後、1H−NMRによりターンオーバー数を求めたところ、0.60h-1であった。
<その他>
図2(a)〜(d)に示す式に基づいて、各種の金属錯体タンパク質複合体を合成した。ここでのアポミオグロビンは、apo−H64D Mbを使用した。得られた金属錯体タンパク質複合体のESI−TOF MSの値を同図2中に示した。以下に、それぞれの具体的な実験手順を説明する。
図2(a)〜(d)に示す式に基づいて、各種の金属錯体タンパク質複合体を合成した。ここでのアポミオグロビンは、apo−H64D Mbを使用した。得られた金属錯体タンパク質複合体のESI−TOF MSの値を同図2中に示した。以下に、それぞれの具体的な実験手順を説明する。
図2(a):apo−H64D溶液(212μM,14ml)に[Rh(cod)Cl]2アセトン溶液(10mM,150μl)を加え、10分間4℃で静置させた。続いてこの混合溶液を10mM Bis Tris/HClバッファー液(pH6.0)で一夜透析した。このようにして再構成したロジウム錯体アポミオグロビン複合体Rh(cod)・apo−H64D MbをG25,G50を用いてゲルろ過することにより精製した。ESI−TOF MS分析値は17516.6であり、計算値17519.1とよい一致を示した。
図2(b):金属錯体として、Pd(dppe)Cl2とAgBF4をDMF中で混合させてClを脱離させたPd(dppe)DMF溶液を用いた以外は、図2(a)と同様にしてパラジウムアポミオグロビン複合体Pd(dppe)・apo−H64D Mbを得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17814.8であり、計算値17812.0とよい一致を示した。
図2(c):apo−H64D Mb 5mM 酢酸アンモニウム溶液(20μM,200μl)にジクロロ(p−シメン)ルテニウム,ダイマーのメタノール溶液を2当量加え、1時間4℃で静置させた後、ESI−TOF MSを測定した。MSの分析値は17544.3であり、計算値17543.4とよい一致を示した。
図2(d):ジクロロ(p−シメン)ルテニウム,ダイマーのメタノール溶液(10mM,100μl)と1,8−ジアミノナフタレンのメタノール溶液(20mM,100μl)を室温で混合し、1分間撹拌し、一晩室温で放置した混合溶液を金属錯体溶液とした以外は、図2(c)と同様にしてルテニウムアポミオグロビン複合体を得た。このときのESI−TOF MSの分析値は17700.9であり、計算値17699.6とよい一致を示した。
また、アポシトクロムcを用いた複合体の例を以下に示す。アポシトクロムcと塩化ルテニウム(p−シメン)(4−メチル−1,2−ベンゼンジアミン)を1:1又は1:2の割合で混合し、10分以上氷上に置いた。その後、酢酸アンモニウムバッファー(5mM,pH6.8,4℃)で12時間透析し、酢酸アンモニウムバッファー(5mM,pH6.8,4℃)で平衡化したG50ゲルろ過カラムに通してルテニウム(p−シメン)(4−メチル−1,2−ベンゼンジアミン)/アポシトクロムc複合体を精製した。MS分析値は12097.1で、この複合体の計算値12098とほぼ一致した。
Claims (9)
- キャビティーを持つタンパク質類の該キャビティーに、ロジウム、ルテニウム及びパラジウムからなる群より選ばれた一種の金属に配位子が配位してなる金属錯体を挿入した構造を有する、金属錯体タンパク質複合体。
- 前記タンパク質類は、前記金属錯体の金属が配位可能なアミノ酸残基又は前記金属錯体の配位子と非共有結合可能なアミノ酸残基を前記キャビティーに有するタンパク質、タンパク質多量体又はそれらの変異体である、請求項1に記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記タンパク質類は、ヘムを含むタンパク質からヘムを除くことによりヘムの存在していた部位をキャビティーにしたタンパク質、タンパク質多量体又はそれらの変異体である、請求項1又は2に記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記タンパク質類は、アポミオグロビン、アポヘモグロビン、アポヘムオキシゲナーゼ、アポカタラーゼ、アポシトクロム、アポフェリチン又はそれらの変異体である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記タンパク質類は、アポミオグロビンの64番目のアミノ酸残基であるヒスチジンを変異させたアポミオグロビン変異体である、請求項4に記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記金属錯体は、ロジウムにホスフィノ基を有する化合物が配位子してなる錯体である、請求項1〜5のいずれかに記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記金属錯体は、ロジウムにジフェニルホスフィノ基を少なくとも2つ有する化合物が配位してなる錯体である、請求項6に記載の金属錯体タンパク質複合体。
- 前記金属錯体は、式(1)を配位子とする、請求項6に記載の金属錯体タンパク質複合体。
R1R2P−J−PR3R4 …(1)
(式中、R1〜R4は、すべて同じであっても一部同じであってもすべて異なっていてもよい炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素または置換もしくは非置換のフェニルであり、Jは、炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素またはベンゼン環内の2つの炭素を示す。) - 請求項1〜8のいずれかに記載の金属錯体タンパク質複合体であって、水中でオレフィンの水素化を促進する機能を有する水素化触媒。
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