JP2005075433A - 板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 - Google Patents
板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005075433A JP2005075433A JP2003310104A JP2003310104A JP2005075433A JP 2005075433 A JP2005075433 A JP 2005075433A JP 2003310104 A JP2003310104 A JP 2003310104A JP 2003310104 A JP2003310104 A JP 2003310104A JP 2005075433 A JP2005075433 A JP 2005075433A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- plate glass
- plate
- package
- support member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Packaging Frangible Articles (AREA)
Abstract
【課題】輸送中等に生じる振動や衝撃にも大寸法の薄板ガラスを充分に保護ことができる板ガラス梱包材及びその板ガラス梱包体に関する。
【解決手段】本発明の板ガラスの梱包材は、複数枚の板ガラスGを支持部材20で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材であって、支持部材20に板ガラスGの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持するパッド22を設けたものである。また、本発明の板ガラス梱包体10は、複数枚の板ガラスGを支持部材20で支持して並列配置されて収納保持されたものであって、支持部材に設けた板ガラスGの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持するパッド22により板ガラスGが固定されており、この板ガラスは、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の板ガラスの梱包材は、複数枚の板ガラスGを支持部材20で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材であって、支持部材20に板ガラスGの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持するパッド22を設けたものである。また、本発明の板ガラス梱包体10は、複数枚の板ガラスGを支持部材20で支持して並列配置されて収納保持されたものであって、支持部材に設けた板ガラスGの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持するパッド22により板ガラスGが固定されており、この板ガラスは、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数枚の板ガラスを略水平または略直立姿勢で並列配置させて収納保持するための板ガラスの梱包材、およびこれを用いた板ガラス梱包体に関する。
一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等のディスプレイ素子、あるいは画像表示デバイスに搭載されるガラスパネルの製作、組立に供されるガラス板、並びに各種電子表示機能素子や薄膜を形成するための基板材料として利用される各種のガラス板は、その複数枚を一組として収納保持した状態で、梱包体としてガラスメーカー等からディスプレイ組立メーカー等に搬送されるのが通例である。
この種のガラス板は、その板厚が薄いために強度的に弱く、割れ易いにも拘わらず、高品位を維持しつつ適正、かつ安価に搬送する必要性がある。このため、板ガラス収納保持に使用される梱包材については、製作容易性、高清浄性、耐破損性、耐震保持性、高保管性、高輸送性、出し入れ容易性、化学的耐久性等の種々の高い特性が要請されるものとなっている。
この様な観点から、上記のような高度かつ多様な要求を満足するガラス板用の梱包材について、これまで種々の研究、改善が行われてきている。例えば、特許文献1に開示されたように略直立に並列配置された複数枚のガラス板の四隅部にそれぞれ四個のL字形保持パッド(梱包保持材)を装着し、梱包単位体を構成することで、この一個の梱包単位体を内部収容物とし、かつ、この内部収容物の全周囲を、プラスチック段ボールからなる筐体で覆うようにした梱包体が示されている。
また、特許文献2にあるように、複数枚の板ガラス体を保持パッドにより略直立に並列配置させて基台上に収納保持する板状体収納保持具で、保持パッドが板ガラス体の側縁部を保持する複数の保持溝が形成された側板部と、該側板部の下端に一体的に連結され、前記各板ガラスの下縁部を受ける底板部とを備えており、前記保持パッドが、前記基台の基準部に対して、前記基台の上面部の所定位置に着脱可能に組み付けられているものもある。
また、特許文献3によれば、複数枚のガラス板を略直立に並列配置した状態で一対の中箱に挿入保持させ、この中箱の全周囲をポリエチレン袋等の包装資材で被包すると共に、この被包した内部収容物(同文献では中箱)の上下及び側方周囲をウレタンフォームのシートやブロック等でなる緩衝材を介在させて外箱により包囲した梱包体も開示されている。
特開2001−348082号公報
特開2003−63582号公報
実用新案登録第2562130号公報
近年のディスプレイパネル製作技術に関連する市場の日進月歩の進捗とそれを期待する産業界や消費者の要望によって、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等に認められるように、製造されるディスプレイの表示面積の大型化が著しく促進されつつある。そしてこのような新しい表示装置は、CRTでは実現することのできなかった表示装置の薄型化、及び大画面の表示を可能とし、さらに高精細化や平坦性といった点でも優れた品位を有するものを要望する消費者の願望を満足する画像表示装置として市場における流通の主役となりつつある。そしてこのような大画面の表示装置の画像表示部には、これまで以上に大きい面積を有する薄板ガラスが必要となってきている。
例えば液晶ディスプレイ用として利用される板ガラスについて、具体的には、実用化量産の初期には、素板ガラスの大きさが300mm×400mmサイズ程度であったが、その後、ガラスパネルの採り枚数の増加に伴って、370mm×470mmサイズ、550mm×650mmサイズ、680mm×880mmサイズ等への大板化が進み、現在は1000mm×1200mmサイズ程度の素板ガラスが製作され、さらに大板化の検討が進められており、今後は1850mm×1500mmサイズ程度の板ガラスが採用される可能性が高くなってきている。
このため、前述したような各種の梱包体や梱包方法等が提案されてきたにも関わらず、これまでのものだけでは実使用上発生する多様な問題に対応できなくなりつつある。すなわち、板ガラスの大型化の結果、板ガラス1枚の自重は確実に増加し、ガラス材質の変更等によって少しでも軽量化を図るべく対応が行われてはいるものの、板ガラスの大型化への移行の速度はそれよりも速いのが実状である。このため、これまで提案されてきたように、複数枚の板ガラスを略直立に保持した状態でガラス板周囲部のみを保持してガラスを車載等して搬送する場合には、振動や車載状態での傾斜角度等の要因に伴って、ガラス板の平均曲げ強度である400MPaに相当する荷重を越える応力が、板ガラスの中央部に加わることとなる。このため、ある程度の比率で搬送中に板ガラスが破損してしまい、実使用に供することができないという問題が顕在化しつつある。そして最近では板ガラスの厚みが薄くなる傾向があり、このことが破損の発生率を一層顕著なものとするのは、もはや確実なものとなりつつある。
本発明者らは、かかる事態に対処すべく研究を重ね、ここに車載等の輸送中に生じる振動にも充分耐えることができる板ガラス梱包材及びそのガラス梱包体を提供することを課題とする。
本発明に係る板ガラスの梱包材は、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材であって、前記支持部材に板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部を設けたことを特徴とする。
ここで、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材とは、2枚以上の板ガラスを互いに並列状に配置し、この状態で各々の板ガラスを略垂直あるいは略水平配置として保持した状態を実現することのできる梱包材であることを意味するものである。
そして、この梱包材の材質としては、特に限定されるものではないが、板ガラスの重量に耐えるだけの構造強度を有し、また化学的な耐久性にも優れ、さらに表面が剥離する等して粉塵を発生することによって板ガラス表面等を汚染したりすることのない品位、性状を有する材料であるならば梱包材として採用することができるものである。例えば、このような性質を有する材料として、剛性の高い硬質の樹脂等が採用されることが好ましい。またこのような硬質樹脂だけでは、構造上強度的に不十分である場合には、さらにアルミまたはその合金等の金属材料、ガラス繊維、カーボンファイバーで補強された樹脂等を基材とした積層板等を利用することによって構造強度を向上させることが可能である。そしてこの梱包材の材質として、さらに注意を要するのは、板ガラス表面の汚染原因となるような発塵性がある場合や、化学的な耐久性に支障のあるものは採用するべきではないことである。
また、前記支持部材に板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部を設けたこととは、梱包材が前述の略水平配置あるいは略垂直配置における板ガラスの透光面に直接負圧保持して支持することで板ガラスの荷重の一部を受ける表面部を1箇所以上有することであって、この板ガラスとの負圧保持面は、板ガラスが略水平配置にある場合には、板ガラスの下方表面であって、板ガラスが略垂直配置にある場合には、板ガラスの一面側であることを表している。
そして、この1箇所以上について板ガラスの荷重の一部を受ける表面支持部は、その負圧保持面の形状がどのような形状であっても差し支えない。すなわち、円、楕円、矩形、スリット等の形状を必要に応じて採用することができるものである。
また、この板ガラスの荷重の一部を受ける表面支持部の配置は、最低一箇所であってそれ以上は、何カ所であっても差し支えはない。しかし、その配置が板ガラスの透光面について非対称な配置を採用する場合には、板ガラスに局所的に一時的に大きな荷重が印加される危険性があるため、充分な注意が必要である。
さらに、上記のように板ガラスとの負圧保持面が、板ガラスが略水平配置にある場合には、板ガラスの下方表面であって、板ガラスが略垂直配置にある場合には、板ガラスの一面側であること以外に、同じ板ガラスの端面部や角の稜線部等を別の手段によって他の材料が板ガラスを支持するために接触あるいは負圧保持することを妨げるものではない。
さらに、この板ガラスの荷重の一部を受ける表面支持部は、板ガラスに対して平行な面部、あるいは負圧保持した状態では平行となるように配設されていることが重要である。そしてこのような配置となることによって、表面支持部に均等に板ガラスの荷重が加わり、局所的に不均等な力が働くことを避けることができるようになる。
また、板ガラスを負圧保持する表面支持部の負圧の大きさについては、少なくとも板ガラスを固定できるだけの力を及ぼすことができるだけの大きさがあれば、特に限定されるものではないが、最低でも1つの表面支持部について0.01Pa以上の力が印加できるものであるならば、採用できる。またこの負圧の大きさは、大きければ大きいほど強固に固定できるため、好ましくは0.03P以上、さらに好ましくは0.07Pa以上、一層好ましくは0.2Pa以上以上となっている方がよい。
また、本発明の板ガラスの梱包材は、上記に加え支持部材の表面支持部に吸引開口孔を有することを特徴とする。
ここで、表面支持部に吸引開口孔を有することとは、上述の梱包材にある支持部材の表面支持部に空気吸引を行うための開口部があることを意味している。
表面支持部の開口部の形状等は、どのような形態であってもよいが、空気吸引を行う際に板ガラス表面に密着することが可能な平面部を有する必要性があり、空気吸引によって板ガラス表面に密着した後に板ガラスとの負圧保持面から空気が漏出することのないような性状と構造を有していれば支障はない。またこの吸引開口孔については、板ガラスと密着するため板ガラスと反応し易い材質であったり、板ガラスを損傷するような表面状態であったりするようなものを採用するのは好ましい選択とは言えないため注意を要する。
また、2以上の表面支持部を有する梱包材の場合には、空気の吸引開口孔は、そのうちの少なくとも1つに配設されていれば、本発明を満足するものである。そして吸引開口孔からの吸引力については、吸引される板ガラスの材質や吸引開口孔の数、大きさ、位置等によって適宜変更することが可能であって、板ガラスを固定することができるならば、特に限定されるものではない。
さらに、この吸引開口孔は、板ガラスを支持部材上に配置する際の衝撃によって、板ガラス表面が損傷を受けることを防止するために、板ガラスを支持部材上に配置する際には空気を吹き出すことによって、板ガラスに加えられる衝撃力を吸収する緩衝効果を実現し、さらに板ガラスと支持表面部と板ガラスの間に異物等が巻き込まれることで板ガラスを損傷することを妨げる機能を付与することも可能である。
また、本発明の板ガラスの梱包材は、上記に加え表面支持部に気密性の弾性材料を使用したことを特徴とする。
ここで、表面支持部に気密性の弾性材料を使用したとは、表面支持部の空気の吸引開口孔の周囲部に気密性の弾性材料が取り付けられ、直接板ガラスと負圧保持するのは、この弾性変形する部材となっていることを意味している。
そして、この気密性の弾性材料については、板ガラスと表面支持部(アタッチメント)の干渉材としての役割と空気吸引によって板ガラスが密着した状態で吸引による応力により圧着状態になることで板ガラスを固定することができるだけの強度を有し、一方板ガラス表面に不用意な損傷等を及ぼすことによって傷や割れを生じさせたり、弾性材料側の損傷や付着異物等によって板ガラス表面に汚れ等の汚染物質を残留させたりすることのない材料であれば、どのような材料であっても採用することができる。例えば上記のような性質を有する材料として、清浄な状態にあるシリコンゴムや合成ゴム、さらに低弾性エンジニアリングプラスチック等を採用することが可能であり、必要に応じて複数の材料を組み合わせることによって最適な機能を実現することができるものである。
また、本発明の板ガラス梱包体は、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置されて収納保持された板ガラス梱包体であって、前記支持部材に設けた板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部により板ガラスが固定されていることを特徴とする。
ここで、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置されて収納保持された板ガラス梱包体とは、前述したように2枚以上の板ガラスをそれぞれ互いに並列状に積層させて配置し、この状態で各々の板ガラスを略垂直あるいは略水平配置として保持した状態とした板ガラス梱包体を表している。
また、前記支持部材に設けた板ガラスの透光面の少なくとも1カ所に負圧保持する表面支持部により板ガラスが固定されているとは、板ガラス梱包体が、前記の略水平配置あるいは略垂直配置における板ガラスの透光面を直接負圧保持して支持されることによって、板ガラスの自重の一部が支持されることを意味しており、板ガラス表面部と梱包材の負圧保持箇所を最低1カ所以上有する固定状態にある表面支持部を持つものであって、この板ガラスの負圧保持面となる表面支持部は、板ガラスが略水平配置にある場合には、板ガラスの下方表面であって、板ガラスが略垂直配置にある場合には、板ガラスの一面側であることを表している。
そして、この板ガラスとの表面支持部と梱包材の負圧保持箇所は、板ガラス梱包体の透光面について、1.2m2以上の矩形状の何も支持されていない表面部位がないように負圧保持箇所を設定することが肝要である。このような設定がおこなわれないと、輸送中にたわみが起こらないように支持することができなくなり、その結果板ガラス表面に大きな曲げ応力が加わり、輸送中の振動等も作用することによって板ガラスが破損することになる危険性があるためである。
また、本発明の板ガラス梱包体は、上記に加えて板ガラスは、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下であることを特徴とする。
ここで、板ガラスは、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下であることとは、本発明の板ガラス梱包体を構成する1枚の板ガラスについての一方側の透光面面積が1.6m2以上であって、しかもその板ガラスの板厚寸法が1.2mm以下となっていることを意味している。
板ガラスの片面当たりの透光面面積が1.6m2以上あり、板厚寸法が1.2mm以下である場合に、その板ガラスの外周辺端より100mm以上内側に局所的な応力が種々の要因によって印加されると、板ガラス周囲を保護するような処置が施されているかどうかにかかわらず、前記したような破損にいたる危険性がある。本発明は、このような寸法形状を有する薄板ガラスに好適に用いられる。また板厚寸法については、薄ければ薄い程、本発明による対応が必要であり、本発明は顕著な機能を発揮することを確認することができる。すなわち、1.2mmよりも1.1mm、0.8mmそして0.7mmと板厚寸法が小さくなる程、板ガラスは局所的に加わる曲げ応力等によって簡単に破損し易くなる。よって、板ガラスの板厚寸法は、より好ましくは1.1mm以下とすることであって、さらに好ましくは0.8mm以下、そして一層好ましくは0.7mm以下とすることである。
また、本発明の板ガラス梱包体は、上記に加えて車両に搭載して搬送されることを特徴とする。
ここで、車両に搭載して搬送されるとは、本発明の板ガラス梱包体が、その輸送において、少なくとも貨車、自動車といった車両に搭載して搬送する際に使用されるものであることを意味している。
そして、上記のような車両搬送に適した梱包体全体としての外形を有していることが必要である。すなわち、車載する場合には梱包体自体を積載する場合もあるため、梱包体上部に突起がある等の理由で積載困難な形状となっているのは好ましくない。さらに、最低2つの梱包体を積載しても強度的に支障のない構造であることも重要である。さらに、当然ではあるが、輸送方法として他の交通手段、船舶や飛行機等の輸送についても併用することのできる梱包体であることは、言うまでもない。
さらに、本発明の板ガラス梱包体は、前記に加えて板ガラス周囲部をオレフィン樹脂発泡による緩衝体構造を有する断面がL字型の梱包材を併用することによって、板ガラスの端部を保護することも可能である。そして、板ガラス梱包体の輸送に先立っては、梱包体をシュリンク包装等することによって梱包体全体の保護を行うことも可能である。また必要に応じて梱包体全体を複数の固定バンド等を使用して結束することもできる。
また、本発明の板ガラス梱包体を構成する板ガラスとしては、特に限定されるものではないが、例えば画像表示用途で利用される無アルカリガラス、あるいは軽量化を目的とし密度が2.8g/cm3以下のガラスに好適である。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ元素であるLi、Na、Kを本質的に含有しないガラスであることを意味している。即ち、不純物としてガラス中に混入してくるppmオーダーのこれらアルカリ元素の含有物は、実質的に含有しないものとされる。そしてこのようなガラス組成は、特に液晶表示ディスプレイ用途の板ガラスとして使用されている。また低密度のガラス組成としては、例えば質量%表示でSiO2 50〜75%、Al2O3 2〜20%、RO 0.01〜30%(RO=MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO)という組成で表されるガラスが好適である。
本発明の板ガラスの梱包材は、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材であって、前記支持部材に板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部を設けているため、板ガラス表面に局所的に過剰な曲げ応力が加わらないものであって、輸送中等に板ガラスの割れを回避する構造体を構成することのできる機能を有するものである。
また、本発明の板ガラスの梱包材は、支持部材の表面支持部に吸引開口孔を有するものであるため、梱包体を梱包する際に板ガラスを容易かつ強固に固定することが可能であり、一方梱包体から板ガラスを取り出して利用に供する場合にも、迅速な作業を可能とするものであって、空気を利用することによって梱包体を強固に固定できるにもかかわらず、梱包体の自重に大きい負荷を加えることのない優れた構成を実現することが可能となるものである。
さらに、本発明の板ガラスの梱包材は、表面支持部に気密性の弾性材料を使用したものであるため、板ガラス表面に損傷を生じさせたりすることがなく、板ガラスの清浄度、平滑度を十分に実現することが可能となる高い性能を有するものである。
本発明の板ガラス梱包体は、複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置されて収納保持された板ガラス梱包体であって、前記支持部材に設けた板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部により板ガラスが固定されているものであるため、高い耐破損性、高い保管性、優れた輸送性、出し入れの容易さといった種々の卓越した性能を実現した板ガラス梱包体であって、高い品質を要求される画像表示装置に採用される薄板ガラスのような高精度な製品によって構成するのに好適なものである。
本発明の板ガラス梱包体は、板ガラスが、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下であるため、次世代の大型画像装置等に使用される板ガラスを安全に輸送することが可能となるものであって、高速かつ大容量の情報の伝達を実現することによって社会に大きく貢献するデジタル画像表示装置をさらに発達させるための重要な技術を内包するものである。
本発明の板ガラス梱包体は、車両に搭載して搬送されるものであるため、高速かつ大量輸送を実現することによって多様な顧客ニーズに迅速に対応することができ、画像表示装置産業の急速な発展を支える基盤技術と言えるものである。
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
図1に本発明の板ガラスの梱包材と板ガラス梱包体10を示す。板ガラス梱包体10は、大きく分けて、複数枚の板ガラスGを支持するために設けられた本発明の梱包材である支持部材20とこの支持部材20を固定する側壁材30、そしてこの側壁材30に接合する底面基板材40、さらに取り外し可能な上部の蓋部材50の4つの構成部材よりなる。
この内、支持部材20は、高い剛性を有する樹脂材であって断面が矩形状を有する略四角柱状の形態を有しており、板ガラスGと負圧保持する上側面上に楕円形状の空気吸引開口孔21が配設され、開口孔21の周囲には気密性の弾性材料としてシリコンゴムのパッド22が装着されている。そしてこの支持部材20の吸引開口孔21から支持部材20内を貫通するように空気吸引管23が配設されている。図2には、この支持部材20の空気の吸引開口孔21と表面支持部(アタッチメント)であるシリコンゴムパッド22の配設状態を示す断面図である。板ガラスGは、このシリコンゴムパッド22のみと負圧保持する状態で支持部材20によって支えられている。そして、シリコンゴムパッド22上の板ガラスGは、吸引開口孔から連結された空気吸引管23内を減圧状態となるように吸引Vすることによって固定される。
支持部材20は、その末端が側壁材30に勘合(図示省略)されて固定されている。そして各々の側壁材は金属製枠材31を介して当接された状態となっている。これは蓋部材50の側壁30同士や天井板51についても同様である。そして側壁材30や蓋部材50の天井板51は、例えばプラスチック段ボールで形成されている。また底面基板材40は、剛性の高い樹脂等によりなる矩形の成形体であって、アルミ合金を積層して強度の向上を図ったものである。
板ガラス梱包体10を作る際に、特に重要となるのは板ガラスGの固定である。ロボットハンド等を使用して搬送された後に、支持部材20上に略水平に配置した板ガラスGを、空気吸引孔21によって支持部材20に吸引固定する方法について、この梱包体で、次に説明する。
図3には、梱包体10の一部破断の部分背面配管説明図を示す。空気吸引管23は、一枚の板ガラスGを支持する複数の支持部材20の中に埋設されているが、それぞれの空気吸引管23は梱包体10を形成するコンテナの背面部で図3に示すように1本にまとめられ、板ガラス1枚ずつの吸引固定と吸引がされない状態への切り替えをコンテナの背面にあるスイッチボックスSで集中管理することが可能な仕様となっている。このコックアレイ(ストップバルブ)Sで吸引空気Vの系との接続が切断されていれば吸引力が作用せず、ONとなっていれば板ガラスは吸引されて支持部材20上で固定される。コックアレイSがOFFの状態で、支持部材上に置かれた板ガラスGは、支持部材20に負圧保持しているが固定された状態ではない。
次いで、予め真空ポンプ(図示省略)が駆動した状態で、梱包体10背面の板ガラスGの載った状態にある支持部材20についてのコックアレイSをONにすると、コックアレイSがONとなった支持部材20の上方に支持されている板ガラスG1枚のみが吸引され、支持部材20の表面支持部としてシリコンゴムパッド22に負圧保持する状態となって固定されることになる。このように、板ガラスGを1枚ずつ固定していくこともできれば、全ての板ガラスGをコンテナ内に置いた後に一度に吸引することによって、板ガラスGの吸引固定を同時に行うことも可能である。この後、さらに真空ポンプを駆動状態に維持し続けて、真空度が所定の水準となるまで空気吸引を行い、真空計Mによって十分高い真空度となった時点でコックアレイSをOFFとすることによって、空気吸引管23内によって構成される開閉系内について、その真空度を所定の真空状態のまま閉鎖することが可能となる。
こうして板ガラスGは、真空ポンプからの接続が解除された状態でも支持部材20上に固定された状態となる。その後、四方にある側壁30の内、板ガラスGを梱包体10に配置する際に開放状態にしてあった前面側の側壁30を閉鎖し、上部より蓋部材50を載せて完全に閉鎖された状態となる。そしてここに樹脂フィルム等によるシュリンク加工を行うか、あるいはポリ袋等を使用して周囲を被覆した状態とし、板ガラス梱包体10として保管された後に出荷される。保管、出荷の際にはパレット上に複行複列で複数段に積載される。そしてこの状態で、1トン以上の搭載量を有するトラックに搭載されて搬送されることとなる。
梱包体10から板ガラスGを取り出す手順については、前述と逆の手順で行えばよい。すなわち、一旦固定された板ガラスGの吸引をコックアレイSで解除し、その後にそれぞれの板ガラスGを梱包体10から取り出して使用する際には、必要となる板ガラスGだけを固定状態から解除することも可能であるし、必要に応じて一つの梱包体10中にある全ての板ガラスGを固定状態から解除することも可能である。固定状態から解除された板ガラスGは、再びロボットアーム等により梱包体10から取り出して利用すればよい。
次いで、本発明に関し、図4、図5に梱包材の他の形態について示す。これらの形態については、本発明の開発段階で試作したものであって、いずれも本発明同様の効果を確認することができたものである。またいずれの図でも(A)は部分斜視図で板ガラスGを支持部材20上に配置した状態を表しており、(B)は(A)の状態における部分断面図である。
まず、図4については図1の支持部材20にある四角柱状の樹脂材による強度的な保護がない形態であって、空気吸引管23自体で板ガラスGの荷重を支持するために、空気吸引管23を両端から牽引した状態で側壁に固定されている。板ガラスGの密度が小さく、板ガラスGの自重が軽い場合には、採用することができるものである。板ガラスは吸引Vされることによって、パッド22に固定されている。
また、図5については、図4の場合と逆に板ガラスGの自重が大きく、板ガラスGを支持する支持部材20に十分高い経時的な強度を実現するため、空気吸引管23を板状にした場合を表している。この場合に同じ吸引力で高い固着力を実現するためには、図5(B)に表したように空気吸引開口孔21の直径を小さくし、表面支持部としてパッド22の板厚方向の厚みを大きく取る等の変更を行って対応したものである。そして、前記同様に板ガラスは吸引Vされることによって、パッド22に固定されている。
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等以外にも高機能薄膜を施した窓板ガラスや結晶化ガラス壁材、さらに耐熱性板ガラス等を複数枚重ねて搬送する際にガラスを収納するための梱包材とこの梱包材を用いて梱包されたガラス梱包体にも適用可能なものである。
また、本発明は、板ガラスだけの板状体以外にも製膜板ガラス板等の複合板状構成体や有機物とガラス板の積層構造物に対しても適用することが可能なものである。
10 本発明の板ガラス梱包体
20 本発明の梱包材である支持部材
21 空気吸引開口孔
22 パッド(表面支持部)
23 空気吸引管
30 側壁材
40 底面基板材
50 蓋部材
G 板ガラス
M 真空計
S コックアレイ(ストップバルブ)
V 吸引空気
20 本発明の梱包材である支持部材
21 空気吸引開口孔
22 パッド(表面支持部)
23 空気吸引管
30 側壁材
40 底面基板材
50 蓋部材
G 板ガラス
M 真空計
S コックアレイ(ストップバルブ)
V 吸引空気
Claims (6)
- 複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置させて収納保持するための梱包材であって、
前記支持部材に板ガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部を設けたことを特徴とする板ガラスの梱包材。 - 支持部材の表面支持部に吸引開口孔を有することを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの梱包材。
- 表面支持部に気密性の弾性材料を使用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の板ガラスの梱包材。
- 複数枚の板ガラスを支持部材で支持して並列配置されて収納保持された板ガラス梱包体であって、
前記支持部材に設けたガラスの透光面の少なくとも1カ所を負圧保持する表面支持部により板ガラスが固定されていることを特徴とする板ガラス梱包体。 - 板ガラスが、その透光面の面積が片面で1.6m2以上であり、且つ板厚が1.2mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の板ガラス梱包体。
- 車両に搭載して搬送されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の板ガラス梱包体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003310104A JP2005075433A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003310104A JP2005075433A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005075433A true JP2005075433A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34412071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003310104A Pending JP2005075433A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005075433A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010038757A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
WO2010038758A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
WO2010038759A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール及びガラスロールの製造方法 |
WO2015000190A1 (zh) * | 2013-07-01 | 2015-01-08 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 一种卡匣及搬运玻璃基板的装置 |
-
2003
- 2003-09-02 JP JP2003310104A patent/JP2005075433A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010038757A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
WO2010038758A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール、ガラスロールの製造装置、及びガラスロールの製造方法 |
WO2010038759A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスロール及びガラスロールの製造方法 |
KR20110081056A (ko) | 2008-10-01 | 2011-07-13 | 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 | 글래스 롤, 글래스 롤의 제조 장치, 및 글래스 롤의 제조 방법 |
US8241751B2 (en) | 2008-10-01 | 2012-08-14 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Glass roll and process for producing glass roll |
US8806894B2 (en) | 2008-10-01 | 2014-08-19 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Process for producing glass roll with a separable protective sheet |
US9931816B2 (en) | 2008-10-01 | 2018-04-03 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Glass roll, device for producing glass roll, and process for producing glass roll |
US10781036B2 (en) | 2008-10-01 | 2020-09-22 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Glass roll with a separable protective sheet |
WO2015000190A1 (zh) * | 2013-07-01 | 2015-01-08 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 一种卡匣及搬运玻璃基板的装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI361299B (en) | Restraining dense packaging system for lcd glass sheets | |
JP2007112463A (ja) | 基板収納体 | |
JP5787107B2 (ja) | ガラス板梱包体 | |
KR101910850B1 (ko) | 펠리클용 곤포 상자 | |
JP2010168072A (ja) | ガラス板梱包体 | |
JP2006327642A (ja) | 基板収納容器及び基板収納体 | |
JP2007106419A (ja) | ガラス板の梱包体 | |
TWM582488U (zh) | Bundle and bale container | |
JP4862614B2 (ja) | ガラス板梱包方法 | |
JP2006327641A (ja) | 積重体及び基板収納体 | |
JP2005075366A (ja) | ガラス板梱包ユニット及びガラス板梱包方法 | |
JP2010013178A (ja) | 板状体の梱包容器、及び板状体の積込装置、並びに板状体の輸送方法 | |
JP2005075433A (ja) | 板ガラスの梱包材及び板ガラス梱包体 | |
JP2007039091A (ja) | ガラス板梱包ユニット | |
JP2007039092A (ja) | ガラス板梱包ユニット | |
JP2011042384A (ja) | 搬送トレイ | |
JP7434752B2 (ja) | 被梱包体および梱包体 | |
JP5040633B2 (ja) | ガラス板梱包台 | |
JP2007073871A (ja) | 薄形表示装置用基板の工程間搬送に使用するトレイ及びそれを使用した薄形表示装置用基板の出荷方法 | |
JP5145203B2 (ja) | 板状物品搬送用トレイ | |
JP2007290713A (ja) | ガラス基板用搬送箱 | |
WO2011055714A1 (ja) | ガラス板梱包体のアダプタ | |
JP4911326B2 (ja) | ガラス板梱包ユニット | |
JP2004067249A (ja) | 大型ガラス板の搬送方法及び搬送用トレイ | |
TW202106582A (zh) | 玻璃板包裝體 |