JP2005075209A - 人工衛星の離脱構造及びロケット - Google Patents

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Abstract

【課題】 任意の時点で副衛星を離脱させることができ、よって副衛星を最適な高度及び軌道に容易に投入することが可能な人工衛星の離脱構造及び該離脱構造を備えるロケットを提供する。
【解決手段】 本発明に係る人工衛星の離脱構造は、ロケット1の内部で人工衛星2,5を支持し、当該人工衛星2,5を宇宙空間で当該ロケット1から離脱させる人工衛星の離脱構造において、複数の副衛星5を夫々格納する格納空間8が、当該ロケット1の機軸を中心として放射状に設けられており、夫々の副衛星8を前記機軸を中心として放射方向へ前記格納空間8から夫々離脱させるように構成されており、しかも当該ロケット1から前記機軸方向へと離脱される主衛星2の離脱構造3を前記機軸方向先端側に取り付けることが可能であり、前記機軸方向基端側がロケット本体6に連結されることが可能であるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロケット内部で人工衛星を支持し、当該人工衛星を宇宙空間で当該ロケットから離脱させる人工衛星の離脱構造及び当該離脱構造を備えるロケットに関する。
人工衛星は、その質量が1000kg以上のものを大型衛星、500kg〜1000kgのものを小型衛星、100kg〜500kgのものをミニ衛星、10kg〜100kgのものをマイクロ衛星、10kg以下のものをピコ衛星と分類されることがある。かかる人工衛星のうち大型、小型、及びミニ衛星は、その人工衛星の打ち上げ専用のロケットの頭部に設けられたフェアリングに収納され、該ロケットにて目的の時刻に、目的の高度及び軌道まで移送されて、フェアリングが廃棄され、ロケットの機軸方向(ロケット進行方向)へと当該ロケットから放出されて、この軌道に投入される。
一旦軌道上での運用を開始した人工衛星は、予定していたミッションの実施が不可能となるような不具合が発生した場合であっても、地上設備のように簡単に修理、改修を行うことができない。このため、人工衛星用の機器及び部品は、軌道上で可及的に不具合が発生しないように、打ち上げ前に綿密な試験及び検査を受け、その信頼性が確保される。
特に大型及び小型の人工衛星はシステムが複雑であり、ミッションも多岐に亘り、また搭載される機器及び部品点数も多いため、信頼性確保のための多数の試験及び検査が長期間に亘って実施されることとなる。また、このような人工衛星の組み立てに供された装置等にも、同様に多くの試験及び検査が必要である。
一方、ピコ衛星及びマイクロ衛星にあっては、システムが比較的単純であり、その多くが単一のミッション専用のものであり、また機器及び部品点数が比較的少ないため、大型及び小型の人工衛星に比べて必要とする試験及び検査の数及び期間が少なく、開発期間及び開発コストが少なくてすむという利点がある。
また、地球観測衛星及び通信衛星は、地球環境の急変及び人工衛星の搭載機器の陳腐化等に対応するため、可及的にその開発期間を短縮することが要望されており、従って、これらの用途に供されるピコ衛星及びマイクロ衛星の需要が高まっている。
かかるピコ衛星及びマイクロ衛星は、他の大型衛星、小型衛星又はミニ衛星の打ち上げ用のロケットに、所謂ピギーバック方式で搭載されて打ち上げられる(特許文献1参照)。図6は、ピギーバック方式でロケットに搭載された人工衛星の離脱を説明する模式図である。図6に示す如く、このピギーバック方式の打ち上げ方法は、他の大型、小型又はミニ衛星(以下、主衛星という)101が収納されているフェアリング102内部の余剰空間にピコ衛星又はマイクロ衛星(以下、副衛星という)103を艤装し、主衛星101をロケット本体104から離脱させるとき又は離脱後に、副衛星103をロケットの機軸方向へ離脱させるものである。
一方、複数の人工衛星を搭載し、ロケットの機軸方向に対して直交する方向へ各人工衛星を離脱させる構成のロケットもある(非特許文献1参照)。このロケットは、フェアリング内部の中央に機軸に沿って延びた離脱構造を有し、その離脱構造の側面に複数の人工衛星を固定支持する構成となっている。そして、ロケットが所要の高度に到達したときに、各人工衛星が離脱構造から機軸方向に対して直交する方向へ離脱されるようになっている。
特開昭63−297200号公報(図3,図5) "Eurockot User's guide"、kap#4.pdf 4.1.1 Payload Accommodation, Figure 4-2、[online]、EUROCKOT Launch Services GmbH、[平成15年8月27日検索]、インターネット<URL : http://www.eurockot.com/ug/ug.zip>
しかしながら、上述したようなピギーバック方式のロケットにあっては、主衛星及び副衛星を共に機軸方向へ離脱させる構成であり、また主衛星の下方(主衛星の離脱方向上流側)の余剰空間に副衛星が艤装される構成であるため、主衛星をロケット本体から切り離すとき又は切り離し後でしか副衛星を切り離すことができなかった。一般的に、サイズの小さいマイクロ衛星及びピコ衛星等の軌道は、サイズの大きい大型衛星、小型衛星及びミニ衛星等の軌道よりも低く、従って副衛星を主衛星よりも先に離脱させることが要望される場合が多い。従って、従来のピギーバック方式のロケットは、副衛星を最適な高度及び軌道に投入できないことが多く不便であった。
また、ピギーバック方式のロケットでは、副衛星夫々に個別の離脱構造(インタフェース)を設ける必要があり、よって副衛星及び主衛星のインタフェースが複雑であり、また副衛星の艤装空間にも制限が多く、このようなインタフェース及び艤装空間の調整に多大な時間及び費用を必要としていた。加えて、艤装空間の形状により、多くのピコ衛星又はマイクロ衛星を艤装することができないという不便も生じていた。
一方、非特許文献1に開示されているロケットにあっては、フェアリング内部中央に設けられた柱状の離脱構造に各人工衛星が固定支持され、各人工衛星が当該離脱構造から機軸に対して直交する方向へ離脱される構成であり、ロケットの先端には機軸方向へ離脱される主衛星たる大型衛星、小型衛星又はミニ衛星等が搭載される構成とはなっていない。また、かかる離脱構造の先端に主衛星及びその支持構造を設けることは想定されておらず、離脱構造が機軸方向へ延びた細長い柱状であるため、この先端に離脱構造よりも幅の大きい主衛星及びその支持構造を取り付け、更にこの状態でロケットを飛翔させることは強度上の観点から現実的ではない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ロケットの機軸方向を中心とした放射方向へ人工衛星を離脱させることができる人工衛星の離脱構造及び該離脱構造を備えるロケットを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、任意の時点で副衛星を離脱させることができ、よって副衛星を最適な高度及び軌道に容易に投入することが可能な人工衛星の離脱構造及び該離脱構造を備えるロケットを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、ピギーバック方式の人工衛星の離脱構造に比べて、副衛星及び主衛星のインターフェースを単純化することができ、また艤装の自由度を高めることができる人工衛星の離脱構造及び該離脱構造を備えるロケットを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、主衛星及びその支持構造を搭載したときであっても、ロケット飛翔時における主衛星及びその支持構造から受ける荷重に耐えうるだけの強度を確保することができる人工衛星の離脱構造及び該離脱構造を備えるロケットを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る人工衛星の離脱構造は、ロケット内部で人工衛星を支持し、当該人工衛星を宇宙空間で当該ロケットから離脱させる人工衛星の離脱構造において、複数の人工衛星を夫々格納する格納空間が、当該ロケットの機軸を中心として放射状に設けられており、夫々の人工衛星を前記機軸を中心として放射方向へ前記格納空間から夫々離脱させるように構成されており、しかも当該ロケットから前記機軸方向へと離脱される他の人工衛星の支持構造を前記機軸方向先端側に取り付けることが可能であり、前記機軸方向基端側がロケット本体に連結されることが可能であるように構成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るロケットは、上記発明に係る人工衛星の離脱構造を備える。
かかる構成とすることにより、ロケットの機軸方向を中心とした放射方向へ人工衛星を離脱させることができる。また、ロケット本体と他の人工衛星(主衛星)用の支持構造との間に、本発明に係る人工衛星の離脱構造が介装されるので、この人工衛星(副衛星)の離脱(進行)方向(即ち、機軸を中心とした放射方向)には主衛星及びその支持構造がなく、よって副衛星の離脱が主衛星に邪魔されず、任意の時点で副衛星を離脱させることができ、よって人工衛星を最適な高度及び軌道に容易に投入することが可能である。
また、複数の人工衛星を纏めて1つの離脱構造に格納することができるため、人工衛星のインタフェースの構成を従来に比して単純化することができ、また格納空間の形状に合致しさえすれば、どのような形状の人工衛星であっても艤装することができるため、人工衛星の艤装の自由度が向上する。
上記発明においては、隣り合う前記格納空間の間の部分を、当該ロケット飛翔時における前記他の人工衛星及びその支持構造から受ける荷重に耐えうるだけの強度を有する構造部分とすることが好ましい。
かかる構成とすることにより、主衛星及びその支持構造を搭載したときであっても、ロケット飛翔時における主衛星及びその支持構造から受ける荷重に耐えうるだけの強度を確保することができる。
また、当該離脱構造は、機軸を中心として放射状に配置された複数の人工衛星(副衛星)をその内部に格納することが可能である程度に、機軸に対して直交する方向のサイズが大きいため、従来の柱状の離脱構造に比べて強度を確保しやすい。
上記発明においては、前記格納空間に格納される人工衛星を固定支持することが可能であって、当該人工衛星の離脱方向へと移動することが可能であるように構成されており、当該人工衛星と共に移動することによって当該人工衛星を前記格納空間から離脱させる離脱手段を備える構成とすることが好ましい。かかる構成とすることにより、ロケット打ち上げ時には人工衛星を支持することができ、またロケットが人工衛星離脱の目標位置に到達したときには、人工衛星を離脱させることができる。
上記発明においては、ロケット内部に、当該離脱構造が前記機軸方向へ層状に複数積み重ねて搭載することが可能であるように、当該離脱構造の前記機軸方向先端側に設けられたインタフェースと、当該離脱構造の前記機軸方向他端側に設けられたのインタフェースとが合致するように構成されていることが好ましい。かかる構成とすることにより、人工衛星(例えば副衛星)の離脱が他の人工衛星(例えば主衛星)に邪魔されることがなく、任意の時点で人工衛星を離脱させることができ、よって人工衛星を最適な高度及び軌道に容易に投入することが可能である。また、離脱構造の積み重ね段数を調節することにより、人工衛星の搭載個数を自由に決定することができる。
上記発明においては、前記他の人工衛星を大型衛星、小型衛星又はミニ衛星とすることが可能である。また、前記人工衛星をマイクロ衛星又はピコ衛星とすることもできる。
本発明に係る人工衛星の離脱構造及び当該離脱構造を備えるロケットによれば、ロケットの機軸方向を中心とした放射方向へ人工衛星を離脱させることができる。また、主衛星が当該離脱構造の機軸方向の一方側に搭載される構成であっても、この副衛星の離脱が主衛星に邪魔されることがなく、任意の時点で副衛星を離脱させることができる。
また、複数の人工衛星を纏めて1つの離脱構造に格納することができるため、人工衛星のインタフェースの構成を従来に比して単純化することができ、また格納空間の形状に合致しさえすれば、どのような形状の人工衛星であっても艤装することができるため、人工衛星の艤装の自由度が向上する。
以下、本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造及びロケットについて、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の一例を示す側面図であり、図2は、図1のII-II線による断面矢視図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係るロケット1は、本発明に係る他の人工衛星たる主衛星2と、該主衛星2の離脱構造3と、本発明に係る離脱構造4と、本発明に係る人工衛星たる副衛星5とから主として構成されている。
ロケット1は、図1に示している領域の下方に、飛翔用の固体モータ又は液体モータ等の推進システムを複数備えている。このような推進システムを複数備えたロケット本体6の上端に、離脱構造4を支持する支持構造7が設けられている。この支持構造7は、尖端が欠落した円錐状をなしており、図示していないがその内部は軽量化のために中空とされている。この支持構造7の下端の直径は、ロケット本体6の外径と略同一となっており、この下端がロケット本体6の上端に固定支持されている。また、支持構造7の上端には離脱構造4が固定支持されている。離脱構造4は、この支持構造7の上端の直径と略同一の外径を有する上下に短寸の円柱形状をなしており、その内部に夫々マイクロ衛星又はピコ衛星等のサイズの小さい人工衛星である4つの副衛星5を搭載している。
図2に示すように、離脱構造4には各副衛星5を夫々格納する4つの格納空間8が機軸を中心とした円周方向に等間隔に、即ち90°の間隔を隔てて設けられている。これらの格納空間8は、夫々機軸を中心とした放射方向へ開口しており、図2において矢符で示すように、この開口から副衛星5が放出されるようになっている。また、離脱構造4の格納空間8以外の部分は、ロケット1の飛翔時における主衛星2及び離脱構造3(本発明に係る支持構造)の荷重に少なくとも耐えうるだけの強度を有する構造部分4aとされている。かかる構造部分4aは、例えばボックス構造や必要に応じて梁構造等とされており、これによって離脱構造4に十分な強度が確保されている。
また、図1に示すように、離脱構造4の上端には主衛星2用の離脱構造3が固定支持されている。この離脱構造3は、尖端が欠落した円錐状をなしており、図示していないがその内部は軽量化のために中空とされている。この離脱構造3の下端の直径は、離脱構造4の直径と略同一寸法とされている。また、離脱構造3の上端には大型衛星、小型衛星又はミニ衛星等のサイズの大きい人工衛星である主衛星2が固定支持されている。主衛星2と離脱構造3との間には、図示しない支持解除装置が設けられており、この支持解除装置が外部に設けられた制御コンピュータから電気信号を受けることによって、主衛星2の固定支持が解除されるようになっている。また、離脱構造3はバネ(図示せず)を備えており、このバネによって離脱構造3に固定支持された状態の主衛星2は上方、即ち機軸方向へ向けて付勢されている。従って、前記支持解除装置が起動することによって主衛星2の固定支持が解除されたときには、主衛星2が前記バネの付勢力によって上方へ向けて放出され、これによって主衛星2の離脱が達成されることとなる。
このようにロケット1の頭部には、主衛星2,離脱構造3,離脱構造4,副衛星5等が搭載されており、また、これらを覆うようにフェアリング1aが設けられている。フェアリング1aは、大気圏内を飛翔中のロケット1が受ける空気抵抗を可及的に低減するように流線型をなしており、また、このときに受ける空力加熱及び衝撃から内部の主衛星2,副衛星5及び種々の電気機器等を保護するように構成されている。
また、離脱構造4の機軸方向に対して直交する方向のサイズ、即ち直径が、主衛星2及び離脱構造3の当該方向のサイズよりも大きいため、主として機軸方向に作用する力に対する強度を離脱構造4に確保させやすく、従ってロケット1の飛翔時における主衛星2及び離脱構造3の荷重に耐えるだけの強度を離脱構造4に容易に確保させることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る離脱構造4の構成を更に詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の構成を模式的に示す部分拡大側面断面図であり、(a)は副衛星5を離脱させる前の当該離脱構造の状態を示しており、(b)は副衛星5を離脱させるときの当該離脱構造の状態を示している。図3(a)に示すように、離脱構造4の各格納空間8には、スライドテーブル9及びバネ10を有する離脱手段11が夫々設けられている。スライドテーブル9は側面視においてL字状をなすように、平板が中途で略直角に屈曲されたような形状をなしており、ロケット1の打ち上げ時に副衛星5を支持する支持板部12と、この支持板部12の一端から立設された押動板部13とを有している。支持板部12は、格納空間8の下面と平行に配置されており、図示しないガイドレール等によって、離脱構造4の中心(即ち機軸)から当該格納空間8の開口へ向けて、即ち当該副衛星5の離脱方向へ移動するように移動方向が規制されている。
また、支持板部12の上面には、副衛星5を固定支持する支持構造14が設けられている。この支持構造14は、ロケット1の打ち上げ時の衝撃から副衛星5を保護するために、副衛星5をスライドテーブル9に固定支持するように構成されている。また、この支持構造には図示しない支持解除装置が設けられていて、当該支持解除装置がロケット1に搭載されている制御用コンピュータ(図示せず)から副衛星5の離脱前に電気信号を受け起動し、副衛星5の固定支持が解除されるようになっている。
また、スライドテーブル9は、バネ10によって副衛星5の離脱方向へ付勢されている。副衛星5を離脱させる前には、図3(a)に示すように、スライドテーブル9は格納空間8の奥部、即ち格納空間8の奥面に近接した部分に位置している。スライドテーブル9にはロック装置15が付設されており、スライドテーブル9はこのロック装置15によって格納空間8の奥部で停止するように格納空間8の内壁に対して固定されている。ロック装置15は、前述した制御用コンピュータに電気的に接続されており、この制御用コンピュータからの電気信号を受けたときにロックを解除するように構成されている。
従って、ロケット1が宇宙空間に到達したときには、支持解除装置が起動されて副衛星5のスライドテーブル9への固定支持が解除され、またロック装置15のロックが解除されて、図3(b)に示すように、バネ10の付勢力によってスライドテーブル9が機軸から離反する方向へ移動する。このとき、副衛星5はスライドテーブル9の押動板部13に接触して押動され、スライドテーブル9と共に機軸から離反する方向へ移動することとなる。そして、スライドテーブル9がその移動限界位置まで到達したときには、スライドテーブル9が停止して、副衛星5のみが移動し、ロケット1の外部へと放出される。このような副衛星5がマイクロ衛星又はピコ衛星等の場合にあっては、ロケット1の質量に対して副衛星5の質量が著しく小さいため、副衛星5の離脱時にロケット1に作用する反力によってロケット1がその軌道を逸脱する可能性は少ない。また、副衛星5の離脱力によってロケット1がその軌道を逸脱するような場合には、適宜にロケットノズルの方向制御又は姿勢制御系を作動させることにより、ロケット1を予定の軌道に修復することが可能である。
次に、かかる主衛星2及び副衛星5の打ち上げ工程について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係るロケットの主衛星及び副衛星の離脱を説明する模式図である。ロケット1は、その推進システムを駆動することにより地上より上昇し、宇宙空間に到達する。その後、ロケット1からフェアリング1aが分離され、フェアリング1a内に収納されていた主衛星2等が外部に露出される。次に、ロケット1が更に進行して、副衛星5を軌道投入すべき高度に到達したときには、副衛星5を上述した手順によって離脱させる。副衛星5の離脱が完了した後、ロケット1は必要に応じて移動し、主衛星2を軌道投入すべき高度に到達したときに、上述した手順によって主衛星2を離脱させる。
このように、本実施の形態に係る人工衛星の離脱構造によれば、副衛星5を主衛星2の離脱に先立って離脱させることができる。また、夫々の副衛星5は同時に離脱させてもよいし、夫々異なるタイミングで離脱させてもよい。従って、本実施の形態に係る人工衛星の離脱構造によれば、例えば、1つの副衛星5は主衛星2よりも先に離脱させ、主衛星2を離脱させた後に、他の副衛星5を離脱させるといった人工衛星の離脱シーケンスも可能であり、従来のピギーバック方式のような人工衛星の離脱タイミングの制限がない。
また、1つの離脱構造4に複数(4つ)の副衛星5を纏めて格納することができるため、副衛星5の構成が離脱構造4の格納条件に合致しさえすれば、各人工衛星毎に専用のインタフェースを設計及び製造する必要がなく、副衛星5のインタフェースの構成を従来に比して単純化することができる。また、格納空間の形状に合致しさえすれば、どのような形状の副衛星であっても艤装することができるため、副衛星の艤装の自由度が向上する。
図5は、本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の他の例を示す側面図である。図5に示すように、本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造4は、同じ構成の複数の離脱構造4を機軸方向へ層状に積み重ねることが可能な構成とすることもできる。つまり、離脱構造4の上端の形状及び電気的インタフェース構成等と、離脱構造4の下端の形状及び電気的インタフェース構成等とが適合しており、複数の離脱構造4を上下に積み重ねて連結することで、より一層多くの副衛星5を搭載することが可能となる。また、同一の構成の複数の離脱構造4を使用することにより、設計期間の短縮化及び製造コストの低廉化を図ることができる。
また、主衛星2を搭載せず、複数の離脱構造4を積み重ねた積層構造にマイクロ衛星又はピコ衛星のみを搭載することもできる。
なお、本実施の形態においては、スライドテーブル9及びバネ10を有する離脱手段11によって副衛星5を離脱させる構成について述べたが、これに限定されるものではなく、他の構成の離脱手段を用いてもよい。
また、1つの離脱構造4に4つの副衛星5を搭載することができる構成としたが、これに限定されるものではなく、幾つ副衛星5を搭載することができる構成であってもよい。
さらに、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る人工衛星の離脱構造及びロケットは、ロケットの機軸方向を中心とした放射方向へ人工衛星を離脱させることができるという効果を奏し、ロケット内部で人工衛星を支持し、当該人工衛星を宇宙空間で当該ロケットから離脱させる人工衛星の離脱構造及び当該離脱構造を備えるロケット等として有用である。
本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の一例を示す側面図である。 図1のII-II線による断面矢視図である。 本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の構成を模式的に示す部分拡大側面断面図であり、(a)は副衛星を離脱させる前の当該離脱構造の状態を示しており、(b)は副衛星を離脱させるときの当該離脱構造の状態を示している。 本発明の実施の形態に係るロケットの主衛星及び副衛星の離脱を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る人工衛星の離脱構造の他の例を示す側面図である。 ピギーバック方式でロケットに搭載された人工衛星の離脱を説明する模式図である。
符号の説明
1 ロケット
1a フェアリング
2 主衛星
3 離脱構造
4 離脱構造
4a 構造部分
5 副衛星
6 ロケット本体
7 支持構造
8 格納空間
9 スライドテーブル
10 バネ
11 離脱手段
12 支持板部
13 押動板部
14 支持構造
15 ロック装置

Claims (7)

  1. ロケット内部で人工衛星を支持し、当該人工衛星を宇宙空間で当該ロケットから離脱させる人工衛星の離脱構造において、
    複数の人工衛星を夫々格納する格納空間が、当該ロケットの機軸を中心として放射状に設けられており、夫々の人工衛星を前記機軸を中心として放射方向へ前記格納空間から夫々離脱させるように構成されており、しかも当該ロケットから前記機軸方向へと離脱される他の人工衛星の支持構造を前記機軸方向先端側に取り付けることが可能であり、前記機軸方向基端側がロケット本体に連結されることが可能であるように構成されていることを特徴とする人工衛星の離脱構造。
  2. 隣り合う前記格納空間の間の部分は、当該ロケット飛翔時における前記他の人工衛星及びその支持構造から受ける荷重に耐えうるだけの強度を有する構造部分である請求項1に記載の人工衛星の離脱構造。
  3. 前記格納空間に格納される人工衛星を固定支持することが可能であって、当該人工衛星の離脱方向へと移動することが可能であるように構成されており、当該人工衛星と共に移動することによって当該人工衛星を前記格納空間から離脱させる離脱手段を備える請求項1又は2に記載の人工衛星の離脱構造。
  4. ロケット内部に、前記機軸方向へ層状に複数積み重ねて搭載することが可能であるように、前記機軸方向先端側に設けられたインタフェースと、前記機軸方向他端側に設けられたのインタフェースとが合致するように構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の人工衛星の離脱構造。
  5. 前記他の人工衛星は、大型衛星、小型衛星又はミニ衛星である請求項1乃至4の何れかに記載の人工衛星の離脱構造。
  6. 前記人工衛星は、マイクロ衛星又はピコ衛星である請求項1乃至5の何れかに記載の人工衛星の離脱構造。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の人工衛星の離脱構造を備えるロケット。
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