JP2005074828A - 射出成形制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の重量のばらつきを少なくする。
【解決手段】 サックバック速度Vsおよびサックバック距離Xsと、予め設定しておいた冷却工程時間Tcとが制御部14の演算処理部12に入力される(ステップS3)。冷却工程開始時tceと、サックバック終了時tseとが等しくないと判定された場合(ステップS4)、演算処理部12により、サックバック距離Xsおよびサックバック速度Vsに基づきサックバック工程時間Tsが算出され、さらに冷却工程時間Tcからサックバック工程時間Tsを減算してサックバック開始時間Twが算出される(ステップS5)。次回のサックバック工程は、冷却工程開始時tcsからサックバック開始時間Tw経過後に開始されることで、冷却工程とサックバック工程とは同時に終了する。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形機の射出成形制御方法に関するものである。
従来の射出成形機の射出装置は、一般に、図4に示すように、先端にノズル108が取り付けられたシリンダ106と、シリンダ106内に供給する樹脂を貯留しているホッパ109と、シリンダ106内に回転可能に挿入されているスクリュ107と、溶融樹脂を混練しながらスクリュ先端に溜める計量工程においてスクリュ107を回転させるための計量用サーボモータ103と、ノズル108の先端に溜められた溶融樹脂の射出時に溶融樹脂がスクリュ側に逆流するのを防止するための逆流防止リング110と、計量工程終了後のドルーリングを防止するためのサックバック工程においてスクリュ107を後退させるための、エンコーダ111を備えたサックバック用サーボモータ105と、計量用サーボモータ103とサックバック用サーボモータ105とを制御する機能を備えたプロセスコントローラ101と、サーボアンプ部102とを有する。
このような構成の射出成形機による一般的な射出成形の成形工程のうち、射出保圧工程後から型開きまでの各工程を図5に示す。
金型を閉じて型締めして射出工程および保圧工程終了後、成形品を固化するため冷却工程が行われる。冷却工程は、一般に、成形品が金型で冷却されて取り出しに支障のない温度まで低下するのに要する冷却時間T1でタイマ制御されている。このタイマ制御される冷却時間T1はプロセスコントローラ101内で任意に設定できるため、特に決められた数値はなく成形品の品質と成形技術者の経験値で設定される。
サイクル短縮のために、この冷却工程と並行して計量(可塑化)工程とサックバック工程が並行して行われる。
計量工程は、ノズル108の先端に、成形品の重量に応じた溶融樹脂を溜める工程である。計量工程では、プロセスコントローラ101にて任意に設定された信号が、サーボアンプ部102を通って計量用サーボモータ103に送信されて計量用サーボモータ103が回転し、この回転力がタイミングベルト104を介してシリンダ106内に回転可能に挿入されているスクリュ107に伝達される。回転しながら後退するスクリュ107によって溶融樹脂の可塑化が行われ、成形品の重量にあわせノズル108の先端に溜められると、エンコーダ111の信号によって停止して計量工程は完了する。
計量工程に続いて行われるサックバック工程は、計量工程後のドルーリング(ノズル108の先端の孔からの溶融樹脂洩れ)の発生を防止するための工程であり、このサックバック工程では、プロセスコントローラ101にて任意に設定された信号がサーボアンプ部102を通ってサックバック用サーボモータ105に送信され、スクリュ107を回転させずにわずかに後退させてスクリュ107の先端の樹脂圧力を低下させるスクリュ位置保持制御が一般的に行われる。
冷却時間T1と、計量工程に要する計量時間T2と、サックバック工程に要するサックバック時間T3との関係は、成形技術者が任意に設定することができるが、これら各時間は成形技術者が任意に設定できるため、最適値となっていない場合があった。これに対してサックバック工程の改良方法として、サックバック遅延タイマによるサックバック工程制御が開示されている(例えば特許文献1等参照)。
特開平11−227016号公報
従来の射出成形機のサックバック工程は、上述のように成形品の品質と成形技術者の経験により設定される場合には、一般に、計量時間T2とサックバック時間T3との合計時間は、冷却時間T1より短くなるように設定されるのが実状である。このため、例えば、スクリュ回転数が速い回転数に設定されることで計量時間T2が短くなった場合、計量工程後にすぐ開始されるサックバック工程は冷却工程が終了する前に完了することになる。例えば、冷却時間T1が20[sec]で、あるスクリュ回転数における計量時間T2が12[sec]、サックバック時間T3が0.25[sec]とすると、冷却工程が終了するまでの時間、20[sec]−(12[sec]+0.25[sec])=7.75[sec]は、待機時間T4となる。
また、サックバック工程によりスクリュが後退すると、シリンダ内で均等に保たれていた溶融樹脂の圧力は、逆流防止リングの後方のほうが前方よりも高くなる。この逆流防止リング前後における圧力差は、射出工程が開始されるまでの間に、逆流防止リング後方からノズルの先端側への溶融樹脂の流れ込みを生じさせ、射出成形において最も重要とされるノズルの先端に溜められる成形品用の溶融樹脂の絶対質量のばらつきを誘発していた。
この逆流防止リング前後の圧力の関係は、前方の圧力をPf、後方の圧力をPrとすると、Pf>Prの関係となるのが、質量ばらつきを抑制する意味では理想的であるが、サックバック工程を行うことで、Pf<Prの関係になりノズルの先端部への溶融樹脂の流れ込みが発生する。しかし、Pf>Prの関係を保った状態で冷却工程を終えて次の工程の型開きに入ったとしたら、ノズルの孔が開放状態となり、ドルーリングが発生してしまう。このドルーリングは、コールドスラグ(樹脂が外気や金型面に触れ固化した状態)として成形品の表面に痕跡として残り、成形不良の原因となる。
また、溶融樹脂の粘度、温度等の成形条件が変われば、先端部への溶融樹脂の流れ込み量も変わるため、計量工程の計量時間T2およびサックバック工程のサックバック時間T3を成形条件に応じて変更することが必要となるが、これら各工程の時間をユーザが変更した場合、待機時間T4が変わることとなる。待機時間T4が変わると、ノズルの先端部への溶融樹脂の流れ込み量も変化してしまい、これを防止するための設定が煩雑となる場合があった。
このように、成形技術者の経験による設定が反って成形品の不良を誘発し、安定して成形品を製造するまでに時間を要してしまう場合があった。
また、上述した特許文献1に開示されている、スクリュ前方の樹脂圧力の比較結果に基づいてサックバック工程を制御させる方法では、事前に比較のための基準値を求める必要があり、多品種少量生産の生産ベースでは基準値を求めるだけでかなりの時間を費やすことが考えられ、基準値の設定も困難となる場合がある。またハイサイクル生産での対応も、樹脂圧力センサの測定誤差、ばらつき、さらにはセンサ自身の応答遅れ、および装置自身が高価などの問題を生じる場合もあると考えられる。
そこで、本発明は、計量工程、あるいはサックバック工程に要する時間設定の変更に影響されることなく成形品の重量ばらつきが防止され、成形精度および品質を向上させることができる射出成形制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の射出成形制御方法は、金型内に充填された溶融樹脂を冷却固化する冷却工程の際に、次に射出する溶融樹脂の量をシリンダ内のスクリュを後退させて計量する計量工程と、前記計量工程後のドルーリングの発生を防止するためのサックバック工程とが行われる射出成形工程を制御する射出成形制御方法において、
前記冷却工程と前記サックバック工程とを略同時に終了させることを含む工程、を含むことを特徴とする。
上記のとおりの本発明の射出成形制御方法は、冷却工程の終了と同時にサックバック工程を終了させるため、サックバック工程終了後、冷却工程終了までの待機時間がない。このため、次の射出工程までの時間を待機時間分短くすることができる。さらには、溶融樹脂の粘度、温度等を考慮して計量工程およびサックバック工程に要する時間を変更した場合でも、サックバック工程終了から次の射出工程までの間の時間はその影響を受けることなく一定にすることができる。
また、本発明の射出成形制御方法は、冷却工程時間Tcからサックバック工程時間Tsを減算した時間をサックバック開始時間Twとして算出する工程と、冷却工程開始時tcsからサックバック開始時間Tw後に、サックバック工程を開始する工程とを含むものであってもよい。
本発明によれば、冷却工程の終了と同時にサックバック工程を終了させることで、次の射出工程までの時間を短く、かつ一定にすることができる。これにより、サックバックによりスクリュ後方から前方へと流れ込む溶融樹脂の量を少なく、かつ一定にすることができるので、計量工程、あるいはサックバック工程に要する時間設定の変更に影響されることなく、成形品の重量ばらつきが防止されて成形精度および品質を向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態である射出成形機の射出装置の概略構成図を示す。
射出成形機の射出装置は、先端にノズル11が取り付けられたシリンダ9と、シリンダ9内に供給する樹脂を貯留しているホッパ7と、シリンダ9内に回転可能に挿入されているスクリュ8と、溶融樹脂を混練しながらスクリュ先端に溜める計量工程においてスクリュ8を回転させるための計量用サーボモータ3と、計量工程終了後のドルーリングを防止するためのサックバック工程においてスクリュ8を後退させるための、エンコーダ6を備えたサックバック用サーボモータ5と、ノズル11の先端に溜められた溶融樹脂を射出する際に溶融樹脂がスクリュ側に逆流するのを防止するための逆流防止リング10と、プロセスコントローラ1、演算処理部12、冷却時間連動ONスイッチ13および判定部15を有する制御部14と、サーボアンプ部2とを有する。
制御部14のプロセスコントローラ1は、計量用サーボモータ3とサックバック用サーボモータ5とを制御する機能、およびサックバック工程を開始させるサックバック開始機能を有する。演算処理部12は、後述するサックバック工程時間Tsおよびサックバック開始時間Twを算出する機能を有する。冷却時間連動ONスイッチ13は、サックバック工程と冷却工程とを同時に終了させる工程を開始するためのスイッチである。判定部15はサックバック工程と冷却工程とが同時に終了したかどうかを判定する機能を有する。
次に、本実施形態の射出成形機による射出成形の工程について、図2および図3を用いて説明する。
図2は、本実施形態の射出成形機による射出成形の1サイクルを示すサイクル工程図であり、図3は、本実施形態の射出成形機による射出成形制御方法のフローチャートである。
図2に示すように、射出成形機における射出成形工程は、概ね、不図示の金型を閉じる型閉じ工程と、金型を締め付ける型締め工程と、金型のスプルにノズル11を押しつけるノズル前進タッチ工程と、シリンダ9内のスクリュ8を前進させて、スクリュ8前方に溜まった溶融樹脂を金型キャビティ内に射出する射出工程と、その後、気泡、ヒケの発生を抑制するために保圧圧力をしばらくかける保圧工程と、金型キャビティ内に充填された溶融樹脂を冷却して固化する冷却工程と、金型のスプルに押しつけられてるノズル11を後退させるノズル後退工程と、固化された成形品を金型から取り出すために金型を開く型開き工程と、金型に設けられた突出しピンによって成形品を押し出すエジェクタ工程と、突き出し動作と成形品の取り出しを確実にするための中間工程と、を含み、冷却工程中に行われる、次のサイクルで射出する溶融樹脂の量を計量する計量工程と、計量工程後にドルーリングを防止するためのサックバック工程とが並行して行われる。
なお、ノズル11を前後進させる上述のシフト成形の場合は、射出成形工程においてノズル前進タッチ工程およびノズル後退工程を含むが、ノズル11を金型のスプルに押しつけたまま成形を連続して行うタッチ成形の場合は、射出成形工程においてノズル前進タッチ工程およびノズル後退工程が省略される。
次に、本実施形態の射出成形制御方法におけるサックバック制御について詳細に説明する。なお、以下の説明において用いる用語は、以下の通り定義するものとする。
サックバック速度Vsはサックバック工程におけるスクリュ8の移動速度であり、サックバック距離Xsはサックバック工程におけるスクリュ8の移動距離である。
冷却工程時間Tcは冷却工程に要する時間である。冷却工程開始時tcsは冷却工程が開始される時間である。冷却工程終了時tceは冷却工程が終了する時間である。
計量工程時間Tmは計量工程に要する時間であり、計量工程開始時twsは計量工程が開始される時間である。
サックバック工程時間Tsはサックバック工程に要する時間である。サックバック開始時間Twは冷却工程開始時tcsからサックバック工程が開始するまでの時間である。サックバック終了時tseはサックバック工程が終了する時間である。
射出工程開始時tisは、射出工程が開始する時間である。
以下にサックバック制御について説明する。
まず、成形技術者の経験値より設定された通常の成形条件をもとに成形を開始し、成形条件に対する安定を確認した上で、成形開始から、例えば20ショット後、または満足する成形品が成形された時点から、制御部14の冷却時間連動ONスイッチ13をON状態にする(ステップS1)。
冷却時間連動ONスイッチ13がON状態とされたことで、サックバック速度Vsおよびサックバック距離Xsが測定される(ステップS2)。スクリュ8のサックバック速度Vsおよびサックバック距離Xsは、サックバック用サーボモータ5に設けられたエンコーダ6の位置パルスをサーボアンプ部2で演算処理することにより測定、算出される。
このようにして得られたサックバック速度Vsおよびサックバック距離Xsと、予め設定しておいた冷却工程時間Tcとが制御部14の演算処理部12に入力される(ステップS3)。
次に、冷却工程終了時tceと、サックバック終了時tseとが等しいどうかが判定部15によって判定される(ステップS4)。すなわち、冷却工程開始時tcsから冷却工程時間Tc経過後の冷却工程終了時tceと、冷却工程開始時tcsと同時となる計量工程開始時twsから計量工程時間Tm経過後に行われるサックバック工程の終了時間であるサックバック終了時tseとを比較することで、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了するかどうかの判定がなされる。
判定の結果、冷却工程終了時tceと、サックバック終了時tseとが等しく、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了する場合には、現状の成形条件で成形が継続される(ステップS7)。
判定の結果、冷却工程終了時tceと、サックバック終了時tseとが等しくなく、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了しなかった場合には、演算処理部12によって、入力されたサックバック距離Xsおよびサックバック速度Vsよりサックバック工程時間Tsが算出され、さらに冷却工程時間Tcからサックバック工程時間Tsを減算してサックバック開始時間Twが算出される(ステップS5)。
次に、算出されたサックバック開始時間Twは、プロセスコントローラ1内のサックバック工程開始機能に送られ、冷却工程開始時tcsからサックバック工程を開始するまでの時間に変換されてステップS3へと戻る(ステップS6)。これにより、次回のサックバック工程は、冷却工程開始時tcsからサックバック開始時間Tw経過後に開始される。サックバック工程がサックバック開始時間Tw経過後に開始されることで、冷却工程終了時tceとサックバック終了時tseとが等しくなる、すなわち、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了することとなる。
以下に、本実施形態のサックバック制御における、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了しなかった場合における処理について、具体的な数値を用いて説明する。
例えば、ステップS3で、サックバック速度Vsが20[mm/sec]、サックバック距離Xsが5[mm]、冷却工程時間Tcが20[sec]が演算処理部12に入力されるとする。
ここで、前回に行われた成形における、計量工程が計量工程時間Tm=12[sec]で、この計量工程直後に連続して行われたサックバック工程がサックバック工程時間Ts=0.25[sec]であった場合、サックバック終了時tse=Tm+Ts=12[sec]+0.25[sec]=12.25[sec]となる。計量工程は、冷却工程の開始される冷却工程開始時tcsと同時となる計量工程開始時twsに開始されるため、ステップS4で、サックバック終了時tse=12.25[sec]と冷却工程時間Tc=20[sec]とが異なり、よって、判定部15は、冷却工程とサックバック工程は同時に終了しないと判定する。
冷却工程とサックバック工程が同時に終了しないと判定されたことで、演算処理部12は、ステップS2で入力されたサックバック距離Xsおよびサックバック速度Vsに基づき、ステップS5にて、サックバック工程時間Tsを、Ts=Xs/Vs=5[mm]/20[mm/sec]=0.25[sec]として算出し、さらに、サックバック開始時間Twを、Tw=Tc―Ts=20[sec]―0.25[sec]=19.75[sec]として算出する。
ステップS6にて、サックバック開始時間Tw=19.75[sec]は、プロセスコントローラ1内のサックバック工程開始機能に送られ、冷却工程開始時tcsからサックバック工程を開始するまでの時間に変換されてステップS3へと戻る。これにより、サックバック工程時間Ts=0.25[sec]を要する次回のサックバック工程が、冷却工程開始時tcsからサックバック開始時間Tw=19.75[sec]経過後に開始されるので、Tw+Ts=20[sec]=Tcとなり、冷却工程とサックバック工程とが同時に終了することとなる。
以上のように、冷却工程とサックバック工程とを同時に終了させる本実施形態の射出成形制御方法は、以下の作用効果を得ることができる。
従来は、サックバック工程は既に終了しているのに冷却工程の終了を待つ、いわゆる待機時間が発生していたが、本実施形態の射出成形制御方法は、冷却工程とサックバック工程とを同時に終了させるので待機時間が発生しない。すなわち、本実施形態の場合、サックバック終了時tseから次の射出工程開始時tisまでの時間を従来に比べて短くしている。
ここで、逆流防止リング10の前後の圧力関係は、逆流防止リング10より前方(ノズル11側)の圧力をPf、後方(ホッパ7側)の圧力をPrとした場合、サックバック工程を行うことで、Pf<Prの関係になりノズル11の先端部11aへの溶融樹脂の流れ込みが発生するが、本実施形態では、逆流防止リング10の後方から前方への溶融樹脂の流れ込みの時間を従来発生していた待機時間の分だけ短くすることができる。これにより、溶融樹脂の流れ込み量を少なくすることができるので、先端部11aに計量して溜められている溶融樹脂の質量のばらつきを少なくすることができる。
さらには、本実施形態の射出成形制御方法は、冷却工程とサックバック工程とを同時に終了させるので、ユーザが成形条件を変更したとしてもサックバック終了時tseから次の射出工程開始時tisまでの時間を一定にすることができる。溶融樹脂の粘度、温度等の成形条件が変われば、先端部11aへの溶融樹脂の流れ込み量も変わるため、計量工程時間Tm、サックバック工程時間Ts、さらには冷却工程時間Tcを成形条件に応じて変更する必要があるが、これら各工程の時間を変更したとしても本実施形態の射出成形制御方法は、冷却工程終了後の次の射出工程までの各工程の時間設定を変更しない限り、サックバック終了時tseから次の射出工程開始時tisまでの時間が一定であるため、先端部11aへの溶融樹脂の流れ込み量を一定にすることができ、先端部11aに計量して溜められている溶融樹脂の質量のばらつきを少なくすることができる。すなわち、ユーザは、溶融樹脂の質量のばらつきを気にすることなく、計量工程時間Tm、サックバック工程時間Tsおよび冷却工程時間Tcを設定することができる。
このように本実施形態の射出成形制御方法によれば、サックバックによる逆流防止リング10の後方からノズル11の先端部11aへの溶融樹脂の流れ込み量を少量、かつ一定にすることができるので、成形品の重量のばらつきを少なくすることができる。
なお、本実施形態では、冷却工程時間Tcからサックバック工程時間Tsを減算した時間をサックバック開始時間Twとして算出し、冷却工程開始時tcsからサックバック開始時間Tw後に、サックバック工程を開始することで、冷却工程とサックバック工程とを略同時に終了させる射出成形制御方法を一例として示したが、冷却工程とサックバック工程とを略同時に終了させることが可能な制御であればいかなるものであってもよい。例えば、本実施形態の場合、冷却工程開始時tcsと計量工程開始時twsとは同時であるので、計量工程開始時twsからサックバック開始時間Tw後に、サックバック工程を開始するとしてもよい。
次に、本発明の射出成形制御方法の一実施例により成形した成形品の重量ばらつきと、従来の射出成形方法により成形した成形品の重量ばらつきとを比較検討した結果について説明する。
表1は、本実施例における射出成形の成形条件、成形品重量、結果を示すものである。また、表2には、比較のために行った比較例の射出成形の成形条件、成形品重量および結果を示すものである。
溶融樹脂としては、本実施例および比較例ともに、低溶融粘度のPP樹脂(メルトインデックス値:40[g/10min])を用い、成形品基準重量3[g]、直径φ15[mm]の円形状のテストピース(1個取り)をサイドゲート方式により成形した。また、射出成形機はJ35EL3((株)日本製鋼所製)を用いた。
Figure 2005074828
Figure 2005074828
表1に示すように、比較例の重量ばらつき量を100%とした場合の、本実施例による重量ばらつき量は、
(0.133/0.403)×100=33.002[%](≒33[%])
となる。これより、本実施例の場合、比較例に対して重量ばらつきは、
((0.403−0.133)/0.403)×100
=66.997[%](≒67[%])
となる。このように、本実施例の場合、比較例に対して重量ばらつきを約67[%]改善することができた。また、ノズルゲート部の固化層の安定から成形品ゲート部の切れも安定していた。
本発明の一実施形態である射出成形機の射出装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態である射出成形機による射出成形の1サイクルを示すサイクル工程図である。 本発明の射出成形制御方法のフローチャートの一例である。 従来の射出成形機の射出装置の一例の概略構成図である。 従来の射出成形機による射出成形の1サイクルを示すサイクル工程図の一例である。
符号の説明
1 プロセスコントローラ
2 サーボアンプ部
3 計量用サーボモータ
5 サックバック用サーボモータ
6 エンコーダ
7 ホッパ
8 スクリュ
9 シリンダ
10 逆流防止リング
11 ノズル
11a 先端部
12 演算処理部
13 冷却時間連動ONスイッチ
14 制御部
15 判定部
is 射出工程開始時
c 冷却工程時間
m 計量工程時間
s サックバック工程時間
w サックバック開始時間
ce 冷却工程終了時
cs 冷却工程開始時
se サックバック終了時
ws 計量工程開始時
s サックバック速度
s サックバック距離

Claims (2)

  1. 金型内に充填された溶融樹脂を冷却固化する冷却工程の際に、次に射出する溶融樹脂の量をシリンダ内のスクリュを後退させて計量する計量工程と、前記計量工程後のドルーリングの発生を防止するためのサックバック工程とが行われる射出成形工程を制御する射出成形制御方法において、
    前記冷却工程と前記サックバック工程とを略同時に終了させることを含む工程、を含むことを特徴とする射出成形制御方法。
  2. 冷却工程時間(Tc)からサックバック工程時間(Ts)を減算した時間をサックバック開始時間(Tw)として算出する工程と、
    冷却工程開始時(tcs)から前記サックバック開始時間(Tw)後に、前記サックバック工程を開始する工程とを含む、請求項1に記載の射出成形制御方法。

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