JP2005074522A - 工作機械における工具送り用の油圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】工具を油圧手段で前後方向にインチングさせて送る工作機械において、油圧手段を、工具の動作方向の切換えを従来頻度より高頻度で行うことを可能に構成することにある。
【解決手段】送り用油圧回路11は、作動油供給源と連通された4ポート3位置切替弁31とシリンダ4のヘッド側6とを管路51で連通し、シリンダ4のロッド側7とフローコントロールバルブ21とを管路52で連通し、フローコントロールバルブ21と4ポート3位置切換弁31とを管路53で連通することで閉回路を形成し、この閉回路にブースタ12が、入力ポート14を管路54で管路51と接続し、出力ポート15を管路55で管路52と管路53とに接続し、排出ポート16を管路56で管路53に接続した状態で配管されている。ブースタ12は、異径ピストンとして構成される増圧ピストン61と、バネ式の逆止弁69、71、76、制御弁72とからなる作動油の増圧器として構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】送り用油圧回路11は、作動油供給源と連通された4ポート3位置切替弁31とシリンダ4のヘッド側6とを管路51で連通し、シリンダ4のロッド側7とフローコントロールバルブ21とを管路52で連通し、フローコントロールバルブ21と4ポート3位置切換弁31とを管路53で連通することで閉回路を形成し、この閉回路にブースタ12が、入力ポート14を管路54で管路51と接続し、出力ポート15を管路55で管路52と管路53とに接続し、排出ポート16を管路56で管路53に接続した状態で配管されている。ブースタ12は、異径ピストンとして構成される増圧ピストン61と、バネ式の逆止弁69、71、76、制御弁72とからなる作動油の増圧器として構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、比較的粘性の高い材料でなる被加工物に対し、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械で機械加工する場合において、インチングによる進退動作を与えながら工具送りするための工作機械における工具送り用の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミ押出し材等の比較的粘性の高い材料でなる被加工物に対して穴あけ加工機で穴あけを行うと、その加工時に発生する切屑は、材料の性質上、螺線状に長く連続した形態で形成されるため、ドリル本体に巻付く傾向にある。
一般に、この種の材料でなる被加工物の穴あけ加工では、切屑が加工中に長くなってドリル本体に巻付くのを防止するため、ドリルを穴底に向けて所定の深さまで前進させて穴あけした後、被加工物の切削を一時中断してドリルをいったん後退させ、再びドリルを前進させて中断した穴あけを続行するような、ドリルを、前進動作と後退動作とを所望の穴深さになるまで交互に繰り返すインチング送りで動作させて穴あけしていた。
このように、ドリルによる被加工物の切削を断続的に行うと、穴あけ加工時に生じる切屑の成長は規制され、結果的に切屑は短いものになる。
【0003】
ところで、ドリルを油圧駆動によるインチング送りで動作させる場合には、ドリルを進退動作させる油圧ピストンは、インチングバルブ(油圧力増幅装置)の増圧用ピストン駆動によって増幅された油圧力で駆動するようになっており、ドリルの動作方向は、油圧電磁弁で制御された増圧用ピストンの駆動方向に基いて切換るようになっていた。上述した従来の技術は、当業者における周知な技術として実施されているため、特に技術文献の調査は行っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の油圧力増幅装置では、増圧用ピストンの駆動制御に伴う油圧電磁弁において、単位時間当りでの制御可能な許容回数が、耐久性能上、少ないため、その許容回数を越えた頻度での増圧用ピストンの駆動方向の切換えはできなかった。
したがって、ドリルのインチング送りによる穴あけ加工では、単位時間におけるドリルの動作方向の切換えを十分な頻度で行うことができないため、切屑をドリルに巻付かない程度の長さに留めることが困難な場合もあり、依然として切屑がドリルに巻付く問題は解消されていなかった。
このため、切屑を除去する手間がかかったり、特に、ドリルを高速回転させて切削時間を早めた穴あけ加工を連続的に行う場合には、ドリルに巻付いた切屑を除去するための専用設備が余分に必要となることもあり、無駄があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するために創案されたものであり、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、被加工物に対し、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工する場合には、油圧手段を油圧駆動の方向切換えの頻度が従来に比して多くなるように構成することにより、工具の動作方向を十分な頻度で切換えることができる工作機械における工具送り用の油圧回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの工作機械における工具送り用の油圧回路である。
請求項1に記載の発明によれば、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工するための工作機械における工具送り用の油圧回路であって、
増圧ピストンを駆動させる増圧部は、低圧接続部を備えた低圧側と、出力ポートと連通する高圧接続部及び供給接続部を備えた高圧側と、低圧側と高圧側との間に異径ピストンとして構成される増圧ピストンとを有し、さらに制御弁を有してなり、入力ポートは第1の逆止弁を介して供給接続部と第1の導管で連通され、第1の導管において入力ポートと第1の逆止弁との間から分岐した第2の導管は制御弁と接続されており、制御弁を通じて低圧接続部に流入した作動油により増圧ピストンが押上駆動して高圧側から高圧の作動油を吐出する増圧制御機能と、高圧の作動油の吐出後、増圧ピストン駆動に伴った制御弁の弁制御で増圧ピストンを押上した作動油を排出ポートから流出させて増圧ピストンを元位置に戻す復帰機能とからなる増圧手段と、
工具と連結状態にあるピストンを有するシリンダと、作動油の流通方向または流通規制のいずれか一方を工具の相対位置に対応して制御する流通制御手段と、作動油供給源と連通され、作動油の流通方向の切換えを制御する流通切換手段と、から構成されている。
増圧手段は、入力ポートをシリンダの一方側と流通切換手段とに連通され、出力ポートを第2の逆止弁を介してシリンダの他方側と、流通制御手段と、流通切換手段とに連通され、排出ポートを第3の逆止弁を介して流通制御手段と、流通切換手段とに連通された状態で配管されている。
工具の早送りの動作は、流通制御手段により作動油の流通方向を制御すると共に、流通切換手段により作動油の流通方向を制御した状態で、油圧供給源から圧送される作動油を第1の導管を通じてシリンダに供給することによってピストン駆動される。
また、工具の送り動作は、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダの一方側に供給してピストンを他方側に駆動させた状態にすると共に、流通制御手段で流通規制された状態の作動油をシリンダの他方側に供給することにより、増圧手段に流入する作動油を昇圧させて第2の導管に流通させ、この作動油のサージ圧で増圧ピストンを1ストローク分押上駆動して出力ポートから高圧の作動油を吐出してシリンダの他方側に供給し、シリンダ内の一方側と他方側との差圧でピストンを他方側に一定の移動量だけ駆動させることによって、ピストンを他方側と一方側とに対して交互に繰り返しながら駆動させる。
これにより、増圧手段が、増圧用ピストンの押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が、従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
このため、例えば、比較的粘性の高い材料等でなる被加工物を切削加工する場合、加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具に巻き付かなくなる。
【0007】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの工作機械における工具送り用の油圧回路である。請求項2に記載の発明によれば、入力ポートと接続する管路と、出力ポートと接続する管路との少なくとも一方の管路には、絞り弁が配管されている。
これにより、絞り弁の開度量を調整すれば、油圧増幅手段に流入される作動油の油量(流入量)と油圧増幅手段から流出される作動油の油量(流出量)との流出量/流入量(増幅比)の範囲を大きくとることができるため、後退動作時におけるピストンのストローク量を幅広く選択することができる。
このため、機械加工時において工具の後退方向の移動量を幅広い範囲で調整することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図1〜図8を用いて説明する。
本実施の形態の工作機械は、穴あけ加工機として構成されている。穴あけ加工機は、図1に示すように、モータ等の回転手段により工具9が回転可能に設置されたコラム8を移動体2に積置し、この移動体2をベッド1の摺動面に載置して相対移動させることにより工具9をクランプ状態の被加工物10に移動させて穴あけする構成になっている。
【0009】
移動体2は、図1に示すように、シリンダ4内のピストン5と連結され、本発明の実施の形態の穴あけ加工機における工具送り用油圧回路(以下、「送り用油圧回路」という。)11に基いた油圧手段によるピストン5駆動で相対移動できるようになっており、後述するフローコントロールバルブ21のスイッチ部22を押圧可能とするドグ3を備えている。
以下、移動体2の動作方向については、図1の左方向を「前進方向」とし、右方向を「後退方向」とする。
【0010】
送り用油圧回路11は、図1に示すように、作動油供給源と連通された4ポート3位置切換弁31とシリンダ4のヘッド側6とを管路51で連通し、シリンダ4のロッド側7とフローコントロールバルブ21とを管路52で連通し、フローコントロールバルブ21と4ポート3位置切換弁31とを管路53で連通することによって閉回路を形成し、この閉回路にブースタ12が、入力ポート14を管路54で管路51と接続し、出力ポート15を管路55で管路52と管路53とに接続し、排出ポート16を管路56で管路53に接続した状態で配管されている。
なお、ブースタ12が本発明の増圧手段に対応し、フローコントロールバルブ21が本発明の流通制御手段に対応し、4ポート3位置切換弁31が本発明の流通切換手段に対応する。
【0011】
ここで、ブースタ12の構成について、図2を用いて詳述する。
ブースタ12は、図2に示すように、異径ピストンとして構成される増圧ピストン61と、バネ式の逆止弁69、71、76、制御弁72とからなる作動油の増圧器として構成されている。
増圧ピストン61は、低圧ピストン62と高圧ピストン63とで形成され、両ピストン62、63はピストンロッド64を介して互いに連結されている。
低圧ピストン62は、低圧シリンダ65内に配置され、この低圧シリンダ65と共に低圧側を形成する。高圧ピストン63は、高圧シリンダ66内に配置され、この高圧シリンダ66と共に高圧側を形成する。
高圧シリンダ66の横断面積、すなわち高圧ピストン63に圧力を作用させるための有効面積は、低圧シリンダ65の横断面積より小さくなっている。低圧シリンダ65は、低圧接続部67を備えている。高圧シリンダ66は、高圧接続部68を備えている。なお、増圧ピストン61は、本発明の増圧部に対応する。
【0012】
低圧シリンダ65に低圧接続部67を通じて所定の圧力で作動油が圧送されると、低圧ピストン62は、この作動油の油圧を受けて上昇する。これにより、高圧シリンダ66は、低圧ピストン62の横断面積と高圧ピストン63の横断面積との面積比だけ、低圧シリンダ65内の油圧より高い圧力を受ける。
【0013】
高圧接続部68は、逆止弁69を介して出力ポート15に接続されている。また、高圧シリンダ66には供給接続部70が接続され、この供給接続部70は
本発明の第1の逆止弁に対応する逆止弁71を介して入力ポート14と接続されている。
【0014】
増圧ピストン61の駆動を制御するための制御弁72が設けられている。制御弁72は、図2に示すように、位置P、位置Qからなるパイロット操作式の3ポート2位置切換弁(3方弁)として構成され、増圧ピストン61の移動に応じてポート位置が切換わるようになっている。
制御弁72では、その一方側のポートは、入力ポート14と逆止弁71とが連結された導管73とを連通させる流入用導管74と接続され、他方側の2つのポートは、低圧ピストン62と高圧ピストン63との間に形成された圧力室80と導管で連結され、低圧シリンダ65とシリンダ用導管75で連結されている。
なお、導管73が本発明の第1の導管に対応し、流入用導管74が本発明の第2の導管に対応する。
【0015】
パイロット操作式の逆止弁78は、入力ポート14と出力ポート15とを連結する導管77に配管され、後述する4ポート3位置切換弁31の位置Xを位置Zに切換えるパイロット操作によって開路され、排出ポート16と連通する流出用導管76に連通するようになっている。
【0016】
圧力室80には、排出ポート16と連通する導管79が接続されている。
【0017】
本実施の形態では、例えば、油圧供給源の油圧(元圧)は2MPa以上に設定されており、ブースタ12は、その内部に流入された作動油の油圧が2MPa(作動圧)に達すると、増圧ピストン61が1ストローク分押上駆動して出力ポート15から増圧された高圧状態の作動油を一定量吐出し、その頻度が毎秒10回以上を可能として構成されている。
【0018】
管路54には、図1に示すように、可変絞り弁41が配管されている。また、出力ポート15から吐出した作動油の逆流を防止するため、本発明の第2の逆止弁に対応する逆止弁42が管路55に配管され、さらに、その流通方向側の管路55に複数(実施の形態では2つ)の可変絞り弁43が配管されている。
また、ブースタ12の排出ポート16から流出した作動油の逆流を防止するため、本発明の第3の逆止弁に対応する逆止弁44が管路56に配管されている。
【0019】
次に、フローコントロールバルブ21は、図1に示すように、リミットスイッチ等でなるスイッチ部22を備えた2ポート2位置切換弁23、逆止弁24、可変絞り弁25を並列に連結して構成されている。
スイッチ部22は、工具9が被加工物10に近接するとドグ3と接触し、被加工物10から離れるとドグ3と非接触になるように、移動体2の移動範囲内にてベッド1等の所定の箇所に設置されている。
すなわち、2ポート2位置切換弁23は、移動体2が前進方向に移動してスイッチ部22がドグ3によって押圧されると、そのポジションは閉路状態(図1の位置U)となり、移動体2が後退方向に移動してドグ3によってスイッチ部22への押圧が解除されると、そのポジションは作動油が図1の矢印方向に流通可能な開路状態(図1の位置V)となるように設定されている。
また、逆止弁24は、2ポート2位置切換弁23の流通可能な方向の反対方向に作動油が流通できる向きで配管されている。
【0020】
4ポート3位置切換弁31は、図1に示すように、入力側(図1の下方側)の2ポートをタンクやポンプ等の作動油供給源と連通させ、出力側(図1の上方側)の2ポートを管路51、53と接続して、作動油の流動方向の切換えや流動遮断のオンオフを位置X、位置Y、位置Zの位置に応じて制御できるようになっている。
【0021】
次に、被加工物10を、上記した構成の送り用油圧回路11を備えた穴あけ加工機で工具9をインチング送りで穴あけ加工する場合について説明する。
ここでの穴あけ加工は、図3の加工サイクル線図に示すように、アルミ押出し材等の比較的粘性の高い材料で形成された被加工物10に対し、ピストン5を前後方向に交互に繰り返し駆動させながら工具9をインチングで穴底方向に所望の穴深さ(加工端)まで送って穴あけする。
【0022】
1.工具9(移動体2)が原位置で停止(図3の位置a)
はじめに、送り用油圧回路11には、作動油が常圧で流通した状態になっている。移動体2が原位置で停止しているときには、図1に示すように、ドグ3とスイッチ部22とは互いに離れているため、2ポート2位置切換弁23のポート位置は位置Vにあり、4ポート3位置切換弁31のポート位置は位置Yにある。
また、作動油供給源から圧送される作動油の流通は、4ポート3位置切換弁31で遮断された状態になっている。
【0023】
2.工具9(移動体2)の前進早送り動作(図3の位置b)
図4に示すように、移動体2を前進させる操作により4ポート3位置切換弁31のポート位置は位置Yから位置Xに切換わり、作動油供給源から圧送される作動油が管路51へ流通し、シリンダ4のヘッド側6に供給される。
すると、ピストン5は前進方向に駆動し、このピストン5駆動に伴ってロッド側7の作動油は、主に管路52、フローコントロールバルブ21の位置Vのポート、管路53を経て、4ポート3位置切換弁31の位置Xより作動油供給源に戻される。
このとき、管路51から管路54に分流してブースタ12の入力ポート14へ流入する作動油は、逆止弁69、71、78を介して出力ポート15へ、増圧されないまま可変絞り弁41を通過した後の油圧状態で流通するようになる。
これにより、移動体2が前進方向に早送り動作され、工具9を被加工物10に近づける。
【0024】
3.工具9(移動体2)の前進送り動作(図3の位置c)
移動体2の前進方向への移動が継続している間にドグ3がスイッチ部22を押圧すると、図5に示すように、2ポート2位置切換弁23のポート位置は、位置Vから位置Uに切換り、作動油の流通が2ポート2位置切換弁23で遮断される。
この結果、ピストン5の前進方向の駆動に伴ってロッド側7で流動する作動油は可変絞り弁25を流通するようになるため、シリンダ4のロッド7側の内圧が上昇してロッド7側の油圧が作動油供給源から圧送されるヘッド側6の油圧より大きくなり、ピストン5の前進方向への駆動は減速される。
【0025】
このとき、作動油供給源から圧送される作動油の油圧は次第に上昇するが、ブースタ12では、ロッド7側とヘッド側6との差圧分の油圧によって逆止弁71、78が閉路されるため、入力ポート14から流入する作動油は高圧シリンダ66内に圧送されるようになる。
【0026】
すなわち、ドグ3がスイッチ部22を完全に押圧した状態になった時、工具9(移動体2)の送り速度は、「前進早送り動作」から「前進送り動作」に切換り、移動体2を前進送り動作で移動していくうちに、工具9が被加工物10の穴あけ位置と接触し、被加工物10の穴あけを行う(図5に示す工具9の状態)。
【0027】
4.工具9(移動体2)の後退動作(図3の位置d)
高圧シリンダ66内に圧送される作動油は、図2及び図6に示すように、その油圧が作動油供給源のタンク側に連通した管路53と連通する導管79内の油圧より大きいため、増圧ピストン61を下降(図2の下方)させ、この増圧ピストン61の移動により制御弁72のポート位置を位置Qから位置Pに切換える。
これにより、入力ポート14から流入する作動油は、すべてポンプ導管74を介して低圧シリンダ65と圧力室80とに圧送され、増圧ピストン61を、可変絞り弁41を通過したときの油圧(作動圧)で上昇端(図2の上方)まで押上げて、高圧接続部68から逆止弁69を介して高圧の作動油を出力ポート15から吐出する。
【0028】
出力ポート15から吐出された高圧の作動油は、増圧ピストン61の1ストローク分だけ可変絞り弁43を介してシリンダ4のロッド側7に圧送される。ロッド側7に圧送された作動油の油圧は、管路51からヘッド側6へ圧送される作動油の油圧より大きいため、ピストン5は、その差圧分の油圧により後退方向に移動を始め、ヘッド側6とロッド側7との油圧が平衡状態となる位置で停止する。
したがって、移動体2が、前進方向から後退方向へ一時的に方向転換して動作し、工具9は穴あけをいったん中断して一定の移動量だけ後退する。
【0029】
なお、ブースタ12の入力側にある可変絞り弁41と、出力側にある可変絞り弁43との開度量をそれぞれ調整することにより、ブースタ12に流入する作動油の油量(流入量)とブースタ12から流出される作動油の油量(流出量)との増幅比(流出量/流入量)の範囲を大きくとることができ、ピストン5の後退量を幅広い範囲で調整することができる。
【0030】
5.工具9(移動体2)の前進動作(図3の位置e)
ヘッド側6とロッド側7との油圧が平衡状態となってピストン5が停止した後、ピストン5は、作動油供給源からヘッド側6に圧送される作動油の油圧によって再び前進方向に駆動し移動体2を前進方向に移動する。
これにより、工具9は、図7に示すように、被加工物10の穴あけを継続する。
【0031】
また、ブースタ12では、図2に示すように、制御弁72のポート位置が、増圧ピストン61の押上駆動により位置Pから位置Qに切換ったため、入力ポート14から流入する作動油に対し低圧シリンダ65と圧力室80との流通が遮断され、圧力室80内の作動油は導管79を介して排出ポート16から流出する。
これにより、増圧ピストン61は、前述したように、その下降端まで押下げられて次の押上駆動を待機する状態となる。
【0032】
このように、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダ4のヘッド側6に供給した状態で、増圧ピストン61がその押上駆動により高圧の作動油を繰り返しシリンダ4のロッド側7に吐出することにより、ピストン5は、前後方向に交互に駆動するようになる。この結果、工具9は、前後方向のインチング動作を行いながら前進方向に送られるようになる。
【0033】
6.工具9(移動体2)の後退早送り動作(図3の位置f)
被加工物10の穴あけ完了後、図8に示すように、移動体2を後退させる操作により4ポート3位置切換弁31のポート位置が位置Xから位置Zに切換わり、入力ポート14側と逆止弁78との間における導管77が作動油供給源のタンク側と連通状態となるため、逆止弁78は、開路して流出用導管76と連通する。
このため、高圧側の導管77内の作動油は、逆止弁78を介して流出用導管76にも流通するようになり、作動油供給源から4ポート3位置切換弁31の位置Zを介して圧送される作動油と共に、逆止弁24や可変絞り弁41を介してシリンダ4のロッド側7に圧送される。
すると、ピストン5が後退方向に駆動して移動体2を動作させ、工具9を後退方向の早送り動作で原位置に向けて移動させる。また、このピストン5駆動に伴ってヘッド側6で流動する作動油等は、管路51を介して4ポート3位置切換弁31の位置Zより作動油供給源のポンプに戻される。
【0034】
そして、移動体2が後退方向に移動している間にドグ3はスイッチ部22への押圧を解除して、2ポート2位置切換弁23のポート位置を位置Zから位置Vに切換えて、工具9(移動体2)は原位置で停止する。
【0035】
以上により、上記した送り用油圧回路11を構成すれば、工具9の前進早送り動作や後退早送り動作は、フローコントロールバルブ21や4ポート3位置切換弁31で作動油の流通方向を制御し、作動油供給源から圧送される作動油をブースタ12で増圧しないままシリンダ4のヘッド側6またはロッド側7に供給してピストン5駆動させる。
【0036】
また、工具9の前進送り動作は、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダ4のヘッド側6に供給してピストン5を前進方向に駆動させながら、フローコントロールバルブ21で2ポート2位置切換弁23により流通規制した状態の作動油をシリンダ4のロッド側7に供給しながら前進方向へのピストン5駆動を減速させる。
そして、工具9の後退送り動作は、前進送り動作中に、低圧シリンダ65と圧力室80とに圧送された作動油のサージ圧で増圧ピストン61を1ストローク分押上駆動して高圧の作動油を出力ポート15から吐出してピストン5を後退方向に駆動させる。
高圧の作動油を吐出後、増圧ピストン61は、その駆動に連動した制御弁72の弁制御によって下降端まで押下げられて次の押上駆動を待機する状態となり、工具9の前進送り動作と後退送り動作とを交互に繰り返した工具9のインチング送りが可能となる。
【0037】
このため、ブースタ12が、増圧ピストン61の押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具9のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具9が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
したがって、例えば、比較的粘り気の高い材料等でなる被加工物10を切削加工する場合、穴あけ加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具9に巻き付かなくなる。
【0038】
また、特に、工具を高速回転させて切削時間を早めた穴あけ加工を連続的に行う場合でも、加工時に工具9に巻付いた切屑を除去するための専用設備は不要となり、無駄がなくなる。
【0039】
また、インチング送りの動作回数を多くすることにより切屑が工具9に巻き付かないため、工具回転時に工具9に巻付いた切屑によって加工面を傷付けることはない。
【0040】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更してもよい。
例えば、本実施の形態では、工作機械として穴あけ加工機を用いて工具送り用油圧回路11で工具9送りをしたが、工作機械としては、例えば、フライス装置やマシニングセンタ等でも良く、工作機械における工具送り用の油圧回路は、種々の工作機械の工具送り動作に用いることができる。
また、可変絞り弁41、43の配管を省略することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による工作機械における工具送り用の油圧回路を用いれば、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工する場合、工具をインチング送りで動作するためのピストン駆動の方向切換えは、前進方向側のシリンダ内に作動油を供給して工具を前進送りで動作させた状態で、増圧手段内に流通した作動油のサージ圧によって増圧ピストンを1ストローク分押上駆動して前進方向側のシリンダ内の油圧より高圧の作動油を後退方向側のシリンダ内に一定量吐出することでピストンを一定の移動量だけ後退方向に駆動させ、同時に増圧ピストンの駆動に対応して流通制御された作動油によって増圧ピストンを押下げて次の押上駆動を待機するまでの一連の動作を高頻度に繰り返して行われる。
【0042】
このため、増圧手段が、増圧ピストンの押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が、従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
したがって、例えば、比較的粘り気の高い材料等でなる被加工物を切削加工する場合においても、加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具に巻き付かなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】穴あけ加工機のロッドを駆動するための送り用油圧回路を示し、工具が待機状態にあるときの状態を示す図である。
【図2】ブースタの構成を説明するための図である。
【図3】穴あけ加工の加工サイクル線図である。
【図4】図1と同様の送り用油圧回路において、工具が前進早送り動作するときの状態を示す図である。
【図5】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の前進送り動作による切削加工時の状態を示す図である。
【図6】図1と同様の送り用油圧回路において、工具が後退動作するときの状態を示す図である。
【図7】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の動作が後退動作から前進送り動作に切換った直後における工具の切削加工時の状態を示す図である。
【図8】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の後退早送り動作時の状態を示す図である。
【符号の説明】
4…シリンダ
5…ピストン
9…工具
11…送り用油圧回路(工作機械における工具送り用の油圧回路)
12…ブースタ(増圧手段)
21…フローコントロールバルブ(流通制御手段)
31…4ポート3位置切換弁(流通切換手段)
42…逆止弁(第2の逆止弁)
41、43…可変絞り弁(絞り弁)
44…逆止弁(第3の逆止弁)
61…増圧ピストン(増圧部)
71…逆止弁(第1の逆止弁)
73…導管(第1の導管)
74…流入用導管(第2の導管)
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、比較的粘性の高い材料でなる被加工物に対し、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械で機械加工する場合において、インチングによる進退動作を与えながら工具送りするための工作機械における工具送り用の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミ押出し材等の比較的粘性の高い材料でなる被加工物に対して穴あけ加工機で穴あけを行うと、その加工時に発生する切屑は、材料の性質上、螺線状に長く連続した形態で形成されるため、ドリル本体に巻付く傾向にある。
一般に、この種の材料でなる被加工物の穴あけ加工では、切屑が加工中に長くなってドリル本体に巻付くのを防止するため、ドリルを穴底に向けて所定の深さまで前進させて穴あけした後、被加工物の切削を一時中断してドリルをいったん後退させ、再びドリルを前進させて中断した穴あけを続行するような、ドリルを、前進動作と後退動作とを所望の穴深さになるまで交互に繰り返すインチング送りで動作させて穴あけしていた。
このように、ドリルによる被加工物の切削を断続的に行うと、穴あけ加工時に生じる切屑の成長は規制され、結果的に切屑は短いものになる。
【0003】
ところで、ドリルを油圧駆動によるインチング送りで動作させる場合には、ドリルを進退動作させる油圧ピストンは、インチングバルブ(油圧力増幅装置)の増圧用ピストン駆動によって増幅された油圧力で駆動するようになっており、ドリルの動作方向は、油圧電磁弁で制御された増圧用ピストンの駆動方向に基いて切換るようになっていた。上述した従来の技術は、当業者における周知な技術として実施されているため、特に技術文献の調査は行っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の油圧力増幅装置では、増圧用ピストンの駆動制御に伴う油圧電磁弁において、単位時間当りでの制御可能な許容回数が、耐久性能上、少ないため、その許容回数を越えた頻度での増圧用ピストンの駆動方向の切換えはできなかった。
したがって、ドリルのインチング送りによる穴あけ加工では、単位時間におけるドリルの動作方向の切換えを十分な頻度で行うことができないため、切屑をドリルに巻付かない程度の長さに留めることが困難な場合もあり、依然として切屑がドリルに巻付く問題は解消されていなかった。
このため、切屑を除去する手間がかかったり、特に、ドリルを高速回転させて切削時間を早めた穴あけ加工を連続的に行う場合には、ドリルに巻付いた切屑を除去するための専用設備が余分に必要となることもあり、無駄があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するために創案されたものであり、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、被加工物に対し、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工する場合には、油圧手段を油圧駆動の方向切換えの頻度が従来に比して多くなるように構成することにより、工具の動作方向を十分な頻度で切換えることができる工作機械における工具送り用の油圧回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの工作機械における工具送り用の油圧回路である。
請求項1に記載の発明によれば、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工するための工作機械における工具送り用の油圧回路であって、
増圧ピストンを駆動させる増圧部は、低圧接続部を備えた低圧側と、出力ポートと連通する高圧接続部及び供給接続部を備えた高圧側と、低圧側と高圧側との間に異径ピストンとして構成される増圧ピストンとを有し、さらに制御弁を有してなり、入力ポートは第1の逆止弁を介して供給接続部と第1の導管で連通され、第1の導管において入力ポートと第1の逆止弁との間から分岐した第2の導管は制御弁と接続されており、制御弁を通じて低圧接続部に流入した作動油により増圧ピストンが押上駆動して高圧側から高圧の作動油を吐出する増圧制御機能と、高圧の作動油の吐出後、増圧ピストン駆動に伴った制御弁の弁制御で増圧ピストンを押上した作動油を排出ポートから流出させて増圧ピストンを元位置に戻す復帰機能とからなる増圧手段と、
工具と連結状態にあるピストンを有するシリンダと、作動油の流通方向または流通規制のいずれか一方を工具の相対位置に対応して制御する流通制御手段と、作動油供給源と連通され、作動油の流通方向の切換えを制御する流通切換手段と、から構成されている。
増圧手段は、入力ポートをシリンダの一方側と流通切換手段とに連通され、出力ポートを第2の逆止弁を介してシリンダの他方側と、流通制御手段と、流通切換手段とに連通され、排出ポートを第3の逆止弁を介して流通制御手段と、流通切換手段とに連通された状態で配管されている。
工具の早送りの動作は、流通制御手段により作動油の流通方向を制御すると共に、流通切換手段により作動油の流通方向を制御した状態で、油圧供給源から圧送される作動油を第1の導管を通じてシリンダに供給することによってピストン駆動される。
また、工具の送り動作は、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダの一方側に供給してピストンを他方側に駆動させた状態にすると共に、流通制御手段で流通規制された状態の作動油をシリンダの他方側に供給することにより、増圧手段に流入する作動油を昇圧させて第2の導管に流通させ、この作動油のサージ圧で増圧ピストンを1ストローク分押上駆動して出力ポートから高圧の作動油を吐出してシリンダの他方側に供給し、シリンダ内の一方側と他方側との差圧でピストンを他方側に一定の移動量だけ駆動させることによって、ピストンを他方側と一方側とに対して交互に繰り返しながら駆動させる。
これにより、増圧手段が、増圧用ピストンの押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が、従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
このため、例えば、比較的粘性の高い材料等でなる被加工物を切削加工する場合、加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具に巻き付かなくなる。
【0007】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの工作機械における工具送り用の油圧回路である。請求項2に記載の発明によれば、入力ポートと接続する管路と、出力ポートと接続する管路との少なくとも一方の管路には、絞り弁が配管されている。
これにより、絞り弁の開度量を調整すれば、油圧増幅手段に流入される作動油の油量(流入量)と油圧増幅手段から流出される作動油の油量(流出量)との流出量/流入量(増幅比)の範囲を大きくとることができるため、後退動作時におけるピストンのストローク量を幅広く選択することができる。
このため、機械加工時において工具の後退方向の移動量を幅広い範囲で調整することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図1〜図8を用いて説明する。
本実施の形態の工作機械は、穴あけ加工機として構成されている。穴あけ加工機は、図1に示すように、モータ等の回転手段により工具9が回転可能に設置されたコラム8を移動体2に積置し、この移動体2をベッド1の摺動面に載置して相対移動させることにより工具9をクランプ状態の被加工物10に移動させて穴あけする構成になっている。
【0009】
移動体2は、図1に示すように、シリンダ4内のピストン5と連結され、本発明の実施の形態の穴あけ加工機における工具送り用油圧回路(以下、「送り用油圧回路」という。)11に基いた油圧手段によるピストン5駆動で相対移動できるようになっており、後述するフローコントロールバルブ21のスイッチ部22を押圧可能とするドグ3を備えている。
以下、移動体2の動作方向については、図1の左方向を「前進方向」とし、右方向を「後退方向」とする。
【0010】
送り用油圧回路11は、図1に示すように、作動油供給源と連通された4ポート3位置切換弁31とシリンダ4のヘッド側6とを管路51で連通し、シリンダ4のロッド側7とフローコントロールバルブ21とを管路52で連通し、フローコントロールバルブ21と4ポート3位置切換弁31とを管路53で連通することによって閉回路を形成し、この閉回路にブースタ12が、入力ポート14を管路54で管路51と接続し、出力ポート15を管路55で管路52と管路53とに接続し、排出ポート16を管路56で管路53に接続した状態で配管されている。
なお、ブースタ12が本発明の増圧手段に対応し、フローコントロールバルブ21が本発明の流通制御手段に対応し、4ポート3位置切換弁31が本発明の流通切換手段に対応する。
【0011】
ここで、ブースタ12の構成について、図2を用いて詳述する。
ブースタ12は、図2に示すように、異径ピストンとして構成される増圧ピストン61と、バネ式の逆止弁69、71、76、制御弁72とからなる作動油の増圧器として構成されている。
増圧ピストン61は、低圧ピストン62と高圧ピストン63とで形成され、両ピストン62、63はピストンロッド64を介して互いに連結されている。
低圧ピストン62は、低圧シリンダ65内に配置され、この低圧シリンダ65と共に低圧側を形成する。高圧ピストン63は、高圧シリンダ66内に配置され、この高圧シリンダ66と共に高圧側を形成する。
高圧シリンダ66の横断面積、すなわち高圧ピストン63に圧力を作用させるための有効面積は、低圧シリンダ65の横断面積より小さくなっている。低圧シリンダ65は、低圧接続部67を備えている。高圧シリンダ66は、高圧接続部68を備えている。なお、増圧ピストン61は、本発明の増圧部に対応する。
【0012】
低圧シリンダ65に低圧接続部67を通じて所定の圧力で作動油が圧送されると、低圧ピストン62は、この作動油の油圧を受けて上昇する。これにより、高圧シリンダ66は、低圧ピストン62の横断面積と高圧ピストン63の横断面積との面積比だけ、低圧シリンダ65内の油圧より高い圧力を受ける。
【0013】
高圧接続部68は、逆止弁69を介して出力ポート15に接続されている。また、高圧シリンダ66には供給接続部70が接続され、この供給接続部70は
本発明の第1の逆止弁に対応する逆止弁71を介して入力ポート14と接続されている。
【0014】
増圧ピストン61の駆動を制御するための制御弁72が設けられている。制御弁72は、図2に示すように、位置P、位置Qからなるパイロット操作式の3ポート2位置切換弁(3方弁)として構成され、増圧ピストン61の移動に応じてポート位置が切換わるようになっている。
制御弁72では、その一方側のポートは、入力ポート14と逆止弁71とが連結された導管73とを連通させる流入用導管74と接続され、他方側の2つのポートは、低圧ピストン62と高圧ピストン63との間に形成された圧力室80と導管で連結され、低圧シリンダ65とシリンダ用導管75で連結されている。
なお、導管73が本発明の第1の導管に対応し、流入用導管74が本発明の第2の導管に対応する。
【0015】
パイロット操作式の逆止弁78は、入力ポート14と出力ポート15とを連結する導管77に配管され、後述する4ポート3位置切換弁31の位置Xを位置Zに切換えるパイロット操作によって開路され、排出ポート16と連通する流出用導管76に連通するようになっている。
【0016】
圧力室80には、排出ポート16と連通する導管79が接続されている。
【0017】
本実施の形態では、例えば、油圧供給源の油圧(元圧)は2MPa以上に設定されており、ブースタ12は、その内部に流入された作動油の油圧が2MPa(作動圧)に達すると、増圧ピストン61が1ストローク分押上駆動して出力ポート15から増圧された高圧状態の作動油を一定量吐出し、その頻度が毎秒10回以上を可能として構成されている。
【0018】
管路54には、図1に示すように、可変絞り弁41が配管されている。また、出力ポート15から吐出した作動油の逆流を防止するため、本発明の第2の逆止弁に対応する逆止弁42が管路55に配管され、さらに、その流通方向側の管路55に複数(実施の形態では2つ)の可変絞り弁43が配管されている。
また、ブースタ12の排出ポート16から流出した作動油の逆流を防止するため、本発明の第3の逆止弁に対応する逆止弁44が管路56に配管されている。
【0019】
次に、フローコントロールバルブ21は、図1に示すように、リミットスイッチ等でなるスイッチ部22を備えた2ポート2位置切換弁23、逆止弁24、可変絞り弁25を並列に連結して構成されている。
スイッチ部22は、工具9が被加工物10に近接するとドグ3と接触し、被加工物10から離れるとドグ3と非接触になるように、移動体2の移動範囲内にてベッド1等の所定の箇所に設置されている。
すなわち、2ポート2位置切換弁23は、移動体2が前進方向に移動してスイッチ部22がドグ3によって押圧されると、そのポジションは閉路状態(図1の位置U)となり、移動体2が後退方向に移動してドグ3によってスイッチ部22への押圧が解除されると、そのポジションは作動油が図1の矢印方向に流通可能な開路状態(図1の位置V)となるように設定されている。
また、逆止弁24は、2ポート2位置切換弁23の流通可能な方向の反対方向に作動油が流通できる向きで配管されている。
【0020】
4ポート3位置切換弁31は、図1に示すように、入力側(図1の下方側)の2ポートをタンクやポンプ等の作動油供給源と連通させ、出力側(図1の上方側)の2ポートを管路51、53と接続して、作動油の流動方向の切換えや流動遮断のオンオフを位置X、位置Y、位置Zの位置に応じて制御できるようになっている。
【0021】
次に、被加工物10を、上記した構成の送り用油圧回路11を備えた穴あけ加工機で工具9をインチング送りで穴あけ加工する場合について説明する。
ここでの穴あけ加工は、図3の加工サイクル線図に示すように、アルミ押出し材等の比較的粘性の高い材料で形成された被加工物10に対し、ピストン5を前後方向に交互に繰り返し駆動させながら工具9をインチングで穴底方向に所望の穴深さ(加工端)まで送って穴あけする。
【0022】
1.工具9(移動体2)が原位置で停止(図3の位置a)
はじめに、送り用油圧回路11には、作動油が常圧で流通した状態になっている。移動体2が原位置で停止しているときには、図1に示すように、ドグ3とスイッチ部22とは互いに離れているため、2ポート2位置切換弁23のポート位置は位置Vにあり、4ポート3位置切換弁31のポート位置は位置Yにある。
また、作動油供給源から圧送される作動油の流通は、4ポート3位置切換弁31で遮断された状態になっている。
【0023】
2.工具9(移動体2)の前進早送り動作(図3の位置b)
図4に示すように、移動体2を前進させる操作により4ポート3位置切換弁31のポート位置は位置Yから位置Xに切換わり、作動油供給源から圧送される作動油が管路51へ流通し、シリンダ4のヘッド側6に供給される。
すると、ピストン5は前進方向に駆動し、このピストン5駆動に伴ってロッド側7の作動油は、主に管路52、フローコントロールバルブ21の位置Vのポート、管路53を経て、4ポート3位置切換弁31の位置Xより作動油供給源に戻される。
このとき、管路51から管路54に分流してブースタ12の入力ポート14へ流入する作動油は、逆止弁69、71、78を介して出力ポート15へ、増圧されないまま可変絞り弁41を通過した後の油圧状態で流通するようになる。
これにより、移動体2が前進方向に早送り動作され、工具9を被加工物10に近づける。
【0024】
3.工具9(移動体2)の前進送り動作(図3の位置c)
移動体2の前進方向への移動が継続している間にドグ3がスイッチ部22を押圧すると、図5に示すように、2ポート2位置切換弁23のポート位置は、位置Vから位置Uに切換り、作動油の流通が2ポート2位置切換弁23で遮断される。
この結果、ピストン5の前進方向の駆動に伴ってロッド側7で流動する作動油は可変絞り弁25を流通するようになるため、シリンダ4のロッド7側の内圧が上昇してロッド7側の油圧が作動油供給源から圧送されるヘッド側6の油圧より大きくなり、ピストン5の前進方向への駆動は減速される。
【0025】
このとき、作動油供給源から圧送される作動油の油圧は次第に上昇するが、ブースタ12では、ロッド7側とヘッド側6との差圧分の油圧によって逆止弁71、78が閉路されるため、入力ポート14から流入する作動油は高圧シリンダ66内に圧送されるようになる。
【0026】
すなわち、ドグ3がスイッチ部22を完全に押圧した状態になった時、工具9(移動体2)の送り速度は、「前進早送り動作」から「前進送り動作」に切換り、移動体2を前進送り動作で移動していくうちに、工具9が被加工物10の穴あけ位置と接触し、被加工物10の穴あけを行う(図5に示す工具9の状態)。
【0027】
4.工具9(移動体2)の後退動作(図3の位置d)
高圧シリンダ66内に圧送される作動油は、図2及び図6に示すように、その油圧が作動油供給源のタンク側に連通した管路53と連通する導管79内の油圧より大きいため、増圧ピストン61を下降(図2の下方)させ、この増圧ピストン61の移動により制御弁72のポート位置を位置Qから位置Pに切換える。
これにより、入力ポート14から流入する作動油は、すべてポンプ導管74を介して低圧シリンダ65と圧力室80とに圧送され、増圧ピストン61を、可変絞り弁41を通過したときの油圧(作動圧)で上昇端(図2の上方)まで押上げて、高圧接続部68から逆止弁69を介して高圧の作動油を出力ポート15から吐出する。
【0028】
出力ポート15から吐出された高圧の作動油は、増圧ピストン61の1ストローク分だけ可変絞り弁43を介してシリンダ4のロッド側7に圧送される。ロッド側7に圧送された作動油の油圧は、管路51からヘッド側6へ圧送される作動油の油圧より大きいため、ピストン5は、その差圧分の油圧により後退方向に移動を始め、ヘッド側6とロッド側7との油圧が平衡状態となる位置で停止する。
したがって、移動体2が、前進方向から後退方向へ一時的に方向転換して動作し、工具9は穴あけをいったん中断して一定の移動量だけ後退する。
【0029】
なお、ブースタ12の入力側にある可変絞り弁41と、出力側にある可変絞り弁43との開度量をそれぞれ調整することにより、ブースタ12に流入する作動油の油量(流入量)とブースタ12から流出される作動油の油量(流出量)との増幅比(流出量/流入量)の範囲を大きくとることができ、ピストン5の後退量を幅広い範囲で調整することができる。
【0030】
5.工具9(移動体2)の前進動作(図3の位置e)
ヘッド側6とロッド側7との油圧が平衡状態となってピストン5が停止した後、ピストン5は、作動油供給源からヘッド側6に圧送される作動油の油圧によって再び前進方向に駆動し移動体2を前進方向に移動する。
これにより、工具9は、図7に示すように、被加工物10の穴あけを継続する。
【0031】
また、ブースタ12では、図2に示すように、制御弁72のポート位置が、増圧ピストン61の押上駆動により位置Pから位置Qに切換ったため、入力ポート14から流入する作動油に対し低圧シリンダ65と圧力室80との流通が遮断され、圧力室80内の作動油は導管79を介して排出ポート16から流出する。
これにより、増圧ピストン61は、前述したように、その下降端まで押下げられて次の押上駆動を待機する状態となる。
【0032】
このように、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダ4のヘッド側6に供給した状態で、増圧ピストン61がその押上駆動により高圧の作動油を繰り返しシリンダ4のロッド側7に吐出することにより、ピストン5は、前後方向に交互に駆動するようになる。この結果、工具9は、前後方向のインチング動作を行いながら前進方向に送られるようになる。
【0033】
6.工具9(移動体2)の後退早送り動作(図3の位置f)
被加工物10の穴あけ完了後、図8に示すように、移動体2を後退させる操作により4ポート3位置切換弁31のポート位置が位置Xから位置Zに切換わり、入力ポート14側と逆止弁78との間における導管77が作動油供給源のタンク側と連通状態となるため、逆止弁78は、開路して流出用導管76と連通する。
このため、高圧側の導管77内の作動油は、逆止弁78を介して流出用導管76にも流通するようになり、作動油供給源から4ポート3位置切換弁31の位置Zを介して圧送される作動油と共に、逆止弁24や可変絞り弁41を介してシリンダ4のロッド側7に圧送される。
すると、ピストン5が後退方向に駆動して移動体2を動作させ、工具9を後退方向の早送り動作で原位置に向けて移動させる。また、このピストン5駆動に伴ってヘッド側6で流動する作動油等は、管路51を介して4ポート3位置切換弁31の位置Zより作動油供給源のポンプに戻される。
【0034】
そして、移動体2が後退方向に移動している間にドグ3はスイッチ部22への押圧を解除して、2ポート2位置切換弁23のポート位置を位置Zから位置Vに切換えて、工具9(移動体2)は原位置で停止する。
【0035】
以上により、上記した送り用油圧回路11を構成すれば、工具9の前進早送り動作や後退早送り動作は、フローコントロールバルブ21や4ポート3位置切換弁31で作動油の流通方向を制御し、作動油供給源から圧送される作動油をブースタ12で増圧しないままシリンダ4のヘッド側6またはロッド側7に供給してピストン5駆動させる。
【0036】
また、工具9の前進送り動作は、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダ4のヘッド側6に供給してピストン5を前進方向に駆動させながら、フローコントロールバルブ21で2ポート2位置切換弁23により流通規制した状態の作動油をシリンダ4のロッド側7に供給しながら前進方向へのピストン5駆動を減速させる。
そして、工具9の後退送り動作は、前進送り動作中に、低圧シリンダ65と圧力室80とに圧送された作動油のサージ圧で増圧ピストン61を1ストローク分押上駆動して高圧の作動油を出力ポート15から吐出してピストン5を後退方向に駆動させる。
高圧の作動油を吐出後、増圧ピストン61は、その駆動に連動した制御弁72の弁制御によって下降端まで押下げられて次の押上駆動を待機する状態となり、工具9の前進送り動作と後退送り動作とを交互に繰り返した工具9のインチング送りが可能となる。
【0037】
このため、ブースタ12が、増圧ピストン61の押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具9のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具9が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
したがって、例えば、比較的粘り気の高い材料等でなる被加工物10を切削加工する場合、穴あけ加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具9に巻き付かなくなる。
【0038】
また、特に、工具を高速回転させて切削時間を早めた穴あけ加工を連続的に行う場合でも、加工時に工具9に巻付いた切屑を除去するための専用設備は不要となり、無駄がなくなる。
【0039】
また、インチング送りの動作回数を多くすることにより切屑が工具9に巻き付かないため、工具回転時に工具9に巻付いた切屑によって加工面を傷付けることはない。
【0040】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更してもよい。
例えば、本実施の形態では、工作機械として穴あけ加工機を用いて工具送り用油圧回路11で工具9送りをしたが、工作機械としては、例えば、フライス装置やマシニングセンタ等でも良く、工作機械における工具送り用の油圧回路は、種々の工作機械の工具送り動作に用いることができる。
また、可変絞り弁41、43の配管を省略することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による工作機械における工具送り用の油圧回路を用いれば、工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工する場合、工具をインチング送りで動作するためのピストン駆動の方向切換えは、前進方向側のシリンダ内に作動油を供給して工具を前進送りで動作させた状態で、増圧手段内に流通した作動油のサージ圧によって増圧ピストンを1ストローク分押上駆動して前進方向側のシリンダ内の油圧より高圧の作動油を後退方向側のシリンダ内に一定量吐出することでピストンを一定の移動量だけ後退方向に駆動させ、同時に増圧ピストンの駆動に対応して流通制御された作動油によって増圧ピストンを押下げて次の押上駆動を待機するまでの一連の動作を高頻度に繰り返して行われる。
【0042】
このため、増圧手段が、増圧ピストンの押上駆動に対する単位時間当りの許容回数が、従来の油圧力増幅装置での増圧用ピストンの駆動方向を制御する油圧電磁弁の許容回数より多いものであれば、単位時間当りの工具のインチング送りの動作回数を従来頻度より多くすることができ、工具が1回のインチング送りで被加工物を加工する時間は短くなる。
したがって、例えば、比較的粘り気の高い材料等でなる被加工物を切削加工する場合においても、加工時に発生する切屑は短いものとなり、工具に巻き付かなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】穴あけ加工機のロッドを駆動するための送り用油圧回路を示し、工具が待機状態にあるときの状態を示す図である。
【図2】ブースタの構成を説明するための図である。
【図3】穴あけ加工の加工サイクル線図である。
【図4】図1と同様の送り用油圧回路において、工具が前進早送り動作するときの状態を示す図である。
【図5】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の前進送り動作による切削加工時の状態を示す図である。
【図6】図1と同様の送り用油圧回路において、工具が後退動作するときの状態を示す図である。
【図7】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の動作が後退動作から前進送り動作に切換った直後における工具の切削加工時の状態を示す図である。
【図8】図1と同様の送り用油圧回路において、工具の後退早送り動作時の状態を示す図である。
【符号の説明】
4…シリンダ
5…ピストン
9…工具
11…送り用油圧回路(工作機械における工具送り用の油圧回路)
12…ブースタ(増圧手段)
21…フローコントロールバルブ(流通制御手段)
31…4ポート3位置切換弁(流通切換手段)
42…逆止弁(第2の逆止弁)
41、43…可変絞り弁(絞り弁)
44…逆止弁(第3の逆止弁)
61…増圧ピストン(増圧部)
71…逆止弁(第1の逆止弁)
73…導管(第1の導管)
74…流入用導管(第2の導管)
Claims (2)
- 工具の送りを油圧手段によって行う工作機械において、工具の送りにインチングによる進退動作を与えて機械加工するための工作機械における工具送り用の油圧回路であって、
増圧ピストンを駆動させる増圧部は、低圧接続部を備えた低圧側と、出力ポートと連通する高圧接続部及び供給接続部を備えた高圧側と、低圧側と高圧側との間に異径ピストンとして構成される増圧ピストンとを有し、さらに制御弁を有してなり、入力ポートは第1の逆止弁を介して供給接続部と第1の導管で連通され、第1の導管において入力ポートと第1の逆止弁との間から分岐した第2の導管は制御弁と接続されており、制御弁を通じて低圧接続部に流入した作動油により増圧ピストンが押上駆動して高圧側から高圧の作動油を吐出させる増圧制御機能と、高圧の作動油の吐出後、増圧ピストン駆動に伴った制御弁の弁制御で増圧ピストンを押上した作動油を排出ポートから流出させて増圧ピストンを元位置に戻す復帰機能とからなる増圧手段と、
工具と連結状態にあるピストンを有するシリンダと、作動油の流通方向または流通規制のいずれか一方を工具の相対位置に対応して制御する流通制御手段と、作動油供給源と連通され、作動油の流通方向の切換えを制御する流通切換手段と、から構成され、
増圧手段は、入力ポートをシリンダの一方側と流通切換手段とに連通され、出力ポートを第2の逆止弁を介してシリンダの他方側と、流通制御手段と、流通切換手段とに連通され、排出ポートを第3の逆止弁を介して流通制御手段と、流通切換手段とに連通された状態で配管されており、
工具の早送りの動作は、流通制御手段により作動油の流通方向を制御すると共に、流通切換手段により作動油の流通方向を制御した状態で、油圧供給源から圧送される作動油を第1の導管を通じてシリンダに供給することによってピストン駆動され、
また、工具の送り動作は、作動油供給源から圧送される作動油をシリンダの一方側に供給してピストンを他方側に駆動させた状態にすると共に、流通制御手段で流通規制された状態の作動油をシリンダの他方側に供給することにより、増圧手段に流入する作動油を昇圧させて第2の導管に流通させ、この作動油のサージ圧で増圧ピストンを1ストローク分押上駆動して出力ポートから高圧の作動油を吐出してシリンダの他方側に供給し、シリンダ内の一方側と他方側との差圧でピストンを他方側に一定の移動量だけ駆動させることによって、
ピストンを他方側と一方側とに対して交互に繰り返しながら駆動させる、ことを特徴とする工作機械における工具送り用の油圧回路。 - 請求項1に記載の工作機械における工具送り用の油圧回路であって、入力ポートと接続する管路と、出力ポートと接続する管路との少なくとも一方の管路には、絞り弁が配管されている、ことを特徴とする工作機械における工具送り用の油圧回路。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011177876A (ja) * | 2010-03-04 | 2011-09-15 | Sugino Machine Ltd | 多段階送り制御装置、および多段階送り制御装置を備えたエア駆動ドリル装置 |
CN105772803A (zh) * | 2016-05-28 | 2016-07-20 | 周顺尧 | 一种钻孔装置 |
CN105830634A (zh) * | 2016-04-05 | 2016-08-10 | 夏云美 | 一种用于联合收割机的刀杆传动装置 |
-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003209608A patent/JP2005074522A/ja active Pending
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