JP2005074308A - 難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステム - Google Patents

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Abstract


【課題】 難透気透水層に存在する汚染物質を確実かつ効率的に回収する。
【解決手段】本発明に係る難透水性汚染土壌の浄化システム1は、振動体としての鋼製矢板20及び該鋼製矢板の上端に取り付けられたバイブロハンマー10と、飽和層6に位置する地下水位より上に存在する不飽和難透気透水層2のうち、油やダイオキシン類あるいは揮発性有機塩素化合物といった汚染物質3で汚染されている汚染領域4に空気を強制的に圧入する空気圧入機構5と、圧入された空気が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気とともに吸引するガス処理設備13とを備え、鋼製矢板20は、その下端を不飽和難透気透水層2の汚染領域4に埋設してあり、バイブロハンマー10を駆動操作することによって、汚染領域4内の土粒子に振動を付与することができるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、難透気透水性汚染土壌に存在する汚染物質を回収浄化する浄化方法及びシステムに関する。
工場跡地の土壌内には、トリクロロエチレンなどで代表される揮発性有機塩素化合物、燃料油や機械油、ダイオキシン類、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムなどの重金属といったさまざまな汚染物質が土壌に混入していることがある。
かかる汚染物質で汚染された汚染土をそのまま放置すると、該土に混入している汚染物質が周囲に拡散し、周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水によって土粒子から遊離した場合には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因ともなる。そのため、上述した汚染物質で汚染された土については、さまざまな方法を使って浄化しなければならない。
土壌内の汚染物質を原位置で浄化処理する方法としては、従来からさまざまな方法が開発されており、土壌ガス吸引法、汚染土壌に注水しこれを揚水して地上で処理するいわゆる通水洗浄法、空気を送り込んでその気泡に汚染物質を連行させる、いわゆる気泡連行浄化法、空気圧入とガス吸引を組み合わせたエアスパージング法、土中菌の微生物活性を利用したバイオレメディエーションによる方法など多種多様な方法が知られている。
特開2002−119952号公報 特開2001−205248号公報
しかしながら、汚染物質が粘土層やシルト層といった難透気透水層に存在する場合には上述した方法を採用することができない。すなわち、これらの難透気透水層は、透気性及び透水性が悪いため、汚染物質が入り込む懸念は比較的少ないものの、かかる難透気透水層にいったん汚染物質が混入すると、上述したように透気性及び透水性が悪いことがかえって浄化の支障となり、難透気透水層内から汚染物質を回収することがきわめて困難になるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、難透気透水層に存在する汚染物質を確実かつ効率的に回収可能な難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法は請求項1に記載したように、不飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に振動体を埋設し、該振動体の駆動操作によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与し、該汚染領域に圧入され又は自然流入した空気に前記汚染物質を連行させながら前記汚染物質を前記空気とともに吸引し浄化処理を行うものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法は、前記振動体を、下端が前記汚染領域に埋設される杭又は矢板と、該杭又は矢板の上端に取り付けられるバイブロハンマーとで構成したものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法は、前記振動体をバイブレータで構成したものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは請求項4に記載したように、不飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に埋設され駆動操作によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与する振動体と、該汚染領域に圧入され又は自然流入した空気に連行された汚染物質を該空気とともに吸引し浄化処理を行うガス処理設備とを備えたものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは、前記汚染領域に空気を圧入する空気圧入機構を備えるとともに、該空気圧入機構を、空気吐出口が前記不飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成したものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは、前記ガス処理設備を、前記不飽和難透気透水層又はその上方に拡がる不飽和透気層に埋設された吸引管と、該吸引管に接続された気液分離槽と、該気液分離槽の気相空間に連通接続された吸引ブロアと、該吸引ブロアに接続された有害物質除去装置と、前記気液分離槽の液相空間に連通接続された水処理設備とから構成したものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは、前記振動体を、下端が前記汚染領域に埋設される杭又は矢板と、該杭又は矢板の上端に取り付けられるバイブロハンマーとで構成したものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは、前記振動体をバイブレータで構成したものである。
本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムにおいては、不飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に振動体を埋設し、該振動体の駆動操作によって汚染領域内の土粒子に振動を付与するとともに、該汚染領域に空気を強制圧入し又は自然流入させる。
このように土粒子に振動が付与されると、従来行われていたエアスパージング法や気泡連行浄化法とは異なり、不飽和難透気透水層の汚染領域内における土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、土粒子の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質が該表面から剥がれる。
かかる状態においては、圧入され又は自然流入した空気が土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質が土粒子間の間隙に遊離してくるため、汚染物質も空気に連行されやすくなる。
そのため、圧入され又は自然流入した空気に汚染物質を連行させながら、汚染物質を空気とともにガス処理設備で吸引し浄化処理を行うようにすれば、従来のエアスパージング法等では不可能だった難透気透水性汚染土壌の浄化を確実かつ効率よく行うことが可能となる。
汚染物質は、主として油や揮発性有機化合物(揮発性有機塩素化合物を含む)が対象となるが、ダイオキシン類など、空気連行可能な物質であればすべて本発明でいうところの汚染物質に含まれる。
不飽和難透気透水層でいう難透気透水層とは、主としてシルト層や粘土層を意味するが、透気性及び透水性が悪いために通水洗浄、ガス吸引、エアスパージング法等の従来法では汚染物質を回収することができないのであれば、シルト又は粘土のほかに砂を含む土層も当然本発明でいう難透気透水層に含まれる。
汚染流域に空気を強制圧入させるか自然流入させるかは、不飽和難透気透水層の深さ等を考慮して適宜定めればよいが、強制圧入が必要な場合、前記汚染領域に空気を圧入する空気圧入機構を備えるとともに、該空気圧入機構を、空気吐出口が前記不飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成することが考えられる。
ガス処理設備の構成についても任意であるが、例えば、前記ガス処理設備を、前記不飽和難透気透水層又はその上方に拡がる不飽和透気層に埋設された吸引管と、該吸引管に接続された気液分離槽と、該気液分離槽の気相空間に連通接続された吸引ブロアと、該吸引ブロアに接続された有害物質除去装置と、前記気液分離槽の液相空間に連通接続された水処理設備とから構成することが考えられる。
吸引管の配置形態としては、不飽和難透気透水層が深い場合、該不飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層に水平に埋設する形態や、逆に不飽和難透気透水層が浅い場合には、不飽和難透気透水層に貫入されるボーリング孔を地上から鉛直に掘削し、該ボーリング孔に吸引管を挿入配置する形態が考えられる。
上述した発明において、振動体は、不飽和難透気透水層における汚染領域内の土粒子を振動させることができるのであれば、どのような構成でもかまわないが、例えば、前記振動体を、下端が前記汚染領域に埋設される杭又は矢板と、該杭又は矢板の上端に取り付けられるバイブロハンマーとで構成する、あるいは、バイブレータで構成することが考えられる。
なお、本出願人は、振動体によって土粒子を振動させ、それによって上述した作用を生ぜしめ、ひいては難透気透水層の透気性を改善することができることを新規に見いだしたものであり、産業上きわめて有用な知見であるとともに、従来技術に比して顕著な作用効果を有することを付言しておく。
以下、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムを示した図である。本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1は同図に示すように、振動体としての鋼製矢板20及び該鋼製矢板の上端に取り付けられたバイブロハンマー10と、飽和層6に位置する地下水位より上に存在する不飽和難透気透水層2のうち、油やダイオキシン類あるいは揮発性有機塩素化合物といった汚染物質3で汚染されている汚染領域4に空気を強制的に圧入する空気圧入機構5と、圧入された空気が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気とともに吸引し浄化処理を行うガス処理設備13とを備え、鋼製矢板20は、その下端を不飽和難透気透水層2の汚染領域4に埋設してあり、バイブロハンマー10を駆動操作することによって、汚染領域4内の土粒子に振動を付与することができるようになっている。
不飽和難透気透水層2は、シルト、粘土又は粘性土を主成分とする土からなるため、透気性及び透水性に劣り、そのままの状態では通水洗浄やガス吸引が困難な土層であり、それに対し、不飽和透気層7は、透気性を有する例えば砂質土からなる土層となっている。
空気圧入機構5は、エアコンプレッサー12と、該エアコンプレッサーから送気されてきた空気を中間貯留する空気タンク11と、該空気タンク11に接続され空気吐出口8が不飽和難透気透水層2の汚染領域4に位置するように埋設される圧入管9とから構成してあり、エアコンプレッサー12からの空気を圧入管9を介して汚染領域4に圧入することができるようになっている。
ガス処理設備13は、不飽和難透気透水層2の上方に拡がる不飽和透気層7に埋設された吸引管14と、該吸引管に接続された気液分離槽15と、該気液分離槽の気相空間に連通接続された吸引ブロア16と、該吸引ブロアに接続された有害物質除去装置としての活性炭フィルター槽17と、気液分離槽の液相空間に連通接続された水処理設備18とから構成してある。
本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1を設置するには、まず、不飽和難透気透水層2のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域4に空気圧入機構5の圧入管9を建て込む。
圧入管9を建て込むにあたっては、あらかじめ該当位置をボーリングし、次いで該ボーリング孔に圧入管9を挿入し、しかる後、空気吐出口8が閉塞されることがないよう、圧入管9とボーリング孔との間に所定量の砂を先行充填する一方、圧入管9を固定すべく、ボーリング孔との隙間には空気吐出口8よりも浅い箇所において、モルタル、ベントナイトなどを充填する。
次に、圧入管9の上端に空気タンク11及びエアコンプレッサー12を順次接続する。
かかる圧入管9の建込みと相前後して、不飽和透気層7に貫入するように鋼製矢板20を打ち込み、その下端を不飽和難透気透水層2のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域4に埋設し、次いで、鋼製矢板20の上端にバイブロハンマー10を取り付ける。なお、鋼製矢板20の打込みをバイブロハンマー10で行うようにしてもよい。
一方、不飽和透気層7に吸引管14を埋設するとともに該吸引管に気液分離装置15を接続し、しかる後、上述したようにその気相空間に連通するように吸引ブロア16及び活性炭フィルター槽17を順次接続するとともに、その液相空間に連通するように水処理設備18を接続する。
このように設置された浄化システム1を用いて難透気透水性汚染土壌、本実施形態では不飽和難透気透水層2の汚染領域4を浄化するには、まず、バイブロハンマー10を駆動操作することにより、鋼製矢板20を介して汚染領域4内の土粒子に振動を付与するとともに、エアコンプレッサー12、空気タンク11及び圧力容器10を適宜作動させることで不飽和難透気透水層2の汚染領域4に空気を圧入する。
このようにすると、従来行われていたエアスパージング法や気泡連行浄化法とは異なり、鋼製矢板20を介したバイブロハンマー10による振動付与により、不飽和難透気透水層2の汚染領域4内における土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、粘性土の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質が該表面から剥がれる。
図2は、それらのうち、粘性土の骨格破壊が生じる場合を例に挙げたものであって、同図(a)はバイブロハンマー10の駆動操作を行う前の粘性土の骨格、同図(b)はかかる駆動操作を行った後の粘性土の骨格の様子を模式的に示したものである。
これらの図でわかるように、粘性土の骨格は、バイブロハンマー10の駆動操作により破壊されて土粒子がばらばらになり、空隙21があらたに生じるとともに、土粒子表面に付着していた汚染物質3は該土粒子から剥離する。
骨格が破壊されない場合も、バイブロハンマー10の駆動操作によってあらたな間隙が生じたり、元の間隙が大きくなったりすることに変わりはなく、かくして、圧入管9を介して圧入された空気22は、土粒子間の間隙21を流れる際、その流動抵抗が大幅に低下して流れやすくなるとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙21に遊離しているため、汚染物質3も空気22に連行されやすくなる。
次に、圧入された空気22が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気22とともにガス処理設備13で吸引し浄化処理を行う。吸引は、吸引ブロア16を作動させることにより行う。
次に、吸引された汚染物質連行空気を気液分離槽15で液体と気体に分離し、気体については、活性炭フィルター槽17に通して汚染物質3を活性炭に吸着させ、その後、大気に放出するとともに、液体については、水処理設備18で汚染物質3を除去し、その後、河川等に放流する。
なお、不飽和透気層7といえども、吸引される物質は完全にガスだけではなく、降雨等の気象条件によっては多少なりとも水分も吸引されるため、気液分離槽15を介在させるとともに水処理設備18を設置するのが望ましいことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムによれば、従来行われていたエアスパージング法や気泡連行浄化法とは異なり、鋼製矢板20を介したバイブロハンマー10による汚染領域4への振動付与により、土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、土粒子の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質3が該表面から剥がれる。
かかる状態においては、圧入された空気22が土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙に遊離してくるため、汚染物質3も空気22に連行されやすくなる。
そのため、圧入された空気22が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気22とともに吸引し浄化処理を行うようにすれば、従来のエアスパージング法等では不可能だった不飽和難透気透水層2の浄化を確実かつ効率よく行うことが可能となる。
本実施形態では、バイブロハンマー10の加振力を汚染領域4に伝達させる部材として鋼製矢板20を採用したが、汚染領域4内の土粒子に振動を付与することができるのであれば、どのような部材でもかまわない。例えば、鋼製矢板20に代えて杭を使用することが可能である。
また、本実施形態では、空気圧入機構5を用いて不飽和難透気透水層2の汚染領域4に強制的に空気を圧入するようにしたが、例えば不飽和難透気透水層2が比較的浅いために空気を強制的に圧入せずとも、地表面から不飽和透気層7を介して汚染領域4に自然流入させることができるのであれば、空気圧入機構5を省略してもかまわない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3は、第2実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムを示した図である。本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム41は同図に示すように、振動体としてのバイブレータ42と、飽和層6に位置する地下水位より上に存在する不飽和難透気透水層2のうち、油やダイオキシン類あるいは揮発性有機塩素化合物といった汚染物質3で汚染されている汚染領域4に空気を強制的に圧入する空気圧入機構5と、圧入された空気が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気とともに吸引し浄化処理を行うガス処理設備13とを備え、バイブレータ42は、不飽和難透気透水層2の汚染領域4に埋設してあり、該バイブレータを駆動操作することによって、汚染領域4内の土粒子に振動を付与することができるようになっている。
不飽和難透気透水層2は、シルト、粘土又は粘性土を主成分とする土からなるため、透気性及び透水性に劣り、そのままの状態では通水洗浄やガス吸引が困難な土層であり、それに対し、不飽和透気層7は、透気性を有する例えば砂質土からなる土層となっている。
本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム41を設置するには、まず、不飽和難透気透水層2のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域4に空気圧入機構5の圧入管9を建て込む。
圧入管9を建て込むにあたっては、あらかじめ該当位置をボーリングし、次いで該ボーリング孔に圧入管9を挿入し、しかる後、空気吐出口8が閉塞されることがないよう、圧入管9とボーリング孔との間に所定量の砂を先行充填する一方、圧入管9を固定すべく、ボーリング孔との隙間には空気吐出口8よりも浅い箇所において、モルタル、ベントナイトなどを充填する。
次に、圧入管9の上端に空気タンク11及びエアコンプレッサー12を順次接続する。
かかる圧入管9の建込みと相前後して、不飽和難透気透水層2のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域4にバイブレータ42を適宜数埋設し、該各バイブレータを図示しない電源装置に接続する。
一方、不飽和透気層7に吸引管14を埋設するとともに該吸引管に気液分離装置15を接続し、しかる後、上述したようにその気相空間に連通するように吸引ブロア16及び活性炭フィルター槽17を順次接続するとともに、その液相空間に連通するように水処理設備18を接続する。
このように設置された浄化システム41を用いて難透気透水性汚染土壌、本実施形態では不飽和難透気透水層2の汚染領域4を浄化するには、まず、バイブレータ42を駆動操作することにより、汚染領域4内の土粒子に振動を付与するとともに、エアコンプレッサー12、空気タンク11及び圧力容器10を適宜作動させることで不飽和難透気透水層2の汚染領域4に空気を圧入する。
このようにすると、従来行われていたエアスパージング法や気泡連行浄化法とは異なり、バイブレータ42による汚染領域4への振動付与により、不飽和難透気透水層2の汚染領域4内における土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、粘性土の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質が該表面から剥がれる。
例えば、粘性土の骨格は、バイブレータ42の駆動操作により破壊されて土粒子がばらばらになり、空隙があらたに生じるとともに、土粒子表面に付着していた汚染物質3は該土粒子から剥離する。
骨格が破壊されない場合も、バイブレータ42の駆動操作によってあらたな間隙が生じたり、元の間隙が大きくなったりすることに変わりはなく、かくして、圧入管9を介して圧入された空気は、土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗が大幅に低下して流れやすくなるとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙に遊離しているため、汚染物質3も空気に連行されやすくなる。
次に、圧入された空気が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気とともにガス処理設備13で吸引し浄化処理を行う。吸引は、吸引ブロア16を作動させることにより行う。
次に、吸引された汚染物質連行空気を気液分離槽15で液体と気体に分離し、気体については、活性炭フィルター槽17に通して汚染物質3を活性炭に吸着させ、その後、大気に放出するとともに、液体については、水処理設備18で汚染物質3を除去し、その後、河川等に放流する。
なお、不飽和透気層7といえども、吸引される物質は完全にガスだけではなく、降雨等の気象条件によっては多少なりとも水分も吸引されるため、気液分離槽15を介在させるとともに水処理設備18を設置するのが望ましいことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムによれば、従来行われていたエアスパージング法や気泡連行浄化法とは異なり、バイブレータ42による汚染領域4への振動付与により、土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、土粒子の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質3が該表面から剥がれる。
かかる状態においては、圧入された空気が土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙に遊離してくるため、汚染物質3も空気に連行されやすくなる。
そのため、圧入された空気が汚染物質3を連行しながら不飽和透気層7を上昇した後、汚染物質3を空気とともに吸引し浄化処理を行うようにすれば、従来のエアスパージング法等では不可能だった不飽和難透気透水層2の浄化を確実かつ効率よく行うことが可能となる。
本実施形態では、空気圧入機構5を用いて不飽和難透気透水層2の汚染領域4に強制的に空気を圧入するようにしたが、例えば不飽和難透気透水層2が比較的浅いために空気を強制的に圧入せずとも、地表面から不飽和透気層7を介して汚染領域4に自然流入させることができるのであれば、空気圧入機構5を省略してもかまわない。
また、本実施形態では、吸引管14を不飽和透気層7に水平に埋設したが、不飽和難透気透水層2が浅い場合には、かかる構成に代えて、不飽和難透気透水層2に貫入されるボーリング孔を地上から適宜本数だけ鉛直に掘削し、該各ボーリング孔に吸引管を挿入配置するようにしてもよい。
このような鉛直に形成されたボーリング孔に挿入される吸引管の構成としては、例えば中空パイプの一端に吸引孔を形成するとともに該吸引孔の周りに目詰まり防止用のメッシュ材を巻き付けて構成し、該吸引孔を形成した箇所が不飽和難透気透水層2に貫入されるように吸引管を設置すればよい。
第1実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムの概略図。 第1実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法の作用の一例を示した模式図。 第2実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムの概略図。
符号の説明
1,41 難透気透水性汚染土壌の浄化システム
2 不飽和難透気透水層
3 汚染物質
4 汚染領域
5 空気圧入機構
7 不飽和透気層
9 圧入管
10 バイブロハンマー(振動体)
11 空気タンク
12 エアコンプレッサー
13 ガス処理設備
14 吸引管
15 気液分離槽
16 吸引ブロア
17 活性炭フィルター槽(有害物質除去装置)
18 水処理設備
20 鋼製矢板(振動体)
42 バイブレータ(振動体)

Claims (8)

  1. 不飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に振動体を埋設し、該振動体の駆動操作によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与し、該汚染領域に圧入され又は自然流入した空気に前記汚染物質を連行させながら前記汚染物質を前記空気とともに吸引し浄化処理を行うことを特徴とする難透気透水性汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記振動体を、下端が前記汚染領域に埋設される杭又は矢板と、該杭又は矢板の上端に取り付けられるバイブロハンマーとで構成した請求項1記載の難透気透水性汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記振動体をバイブレータで構成した請求項1記載の難透気透水性汚染土壌の浄化方法。
  4. 不飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に埋設され駆動操作によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与する振動体と、該汚染領域に圧入され又は自然流入した空気に連行された汚染物質を該空気とともに吸引し浄化処理を行うガス処理設備とを備えたことを特徴とする難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
  5. 前記汚染領域に空気を圧入する空気圧入機構を備えるとともに、該空気圧入機構を、空気吐出口が前記不飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成した請求項4記載の難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
  6. 前記ガス処理設備を、前記不飽和難透気透水層又はその上方に拡がる不飽和透気層に埋設された吸引管と、該吸引管に接続された気液分離槽と、該気液分離槽の気相空間に連通接続された吸引ブロアと、該吸引ブロアに接続された有害物質除去装置と、前記気液分離槽の液相空間に連通接続された水処理設備とから構成した請求項4記載の難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
  7. 前記振動体を、下端が前記汚染領域に埋設される杭又は矢板と、該杭又は矢板の上端に取り付けられるバイブロハンマーとで構成した請求項4乃至請求項6のいずれか一記載の難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
  8. 前記振動体をバイブレータで構成した請求項4乃至請求項6のいずれか一記載の難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
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