JP2005068556A - 六価クロムを含まないアルミナイジング用スラリー組成物並びに関連する方法及び物品 - Google Patents

六価クロムを含まないアルミナイジング用スラリー組成物並びに関連する方法及び物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属系基材の表面領域にアルミニウムを富化するのに極めて有用なスラリーコーティング組成物。
【解決手段】 本発明の組成物はコロイダルシリカ及びアルミニウム系粉末の粒子を含み、六価クロムを実質的に含まない。スラリーは、コロイダルシリカ及びアルミニウムとケイ素の合金を含み得る。別法として、本スラリーはコロイダルシリカ、アルミニウム又はアルミニウム−ケイ素、及びグリセロールのような有機安定剤を含む。本スラリーは、長期間良好な熱安定性及び化学安定性を示し、工業用途に極めて有用である。関連する方法及び物品も記載される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、広義には金属を保護するためのコーティング系に関する。さらに具体的には、本発明は金属基材の表面領域をアルミニウム富化するためのスラリーコーティング組成物に関する。
工業用途には様々なタイプの金属が使われている。苛酷な使用条件が要求される用途では、往々にして特殊な金属及び合金が必要とされる。一例として、ガスタービンエンジン内の部品は高温環境で動作する。その特殊合金は約650〜約1200℃の稼働温度に耐えなければならない。さらに、かかる合金は繰返し温度サイクル(例えば、高温暴露とその後の室温への冷却、さらに続いて急速な再加熱)に付されることがある。
タービンエンジンの場合、基材はニッケル基又はコバルト基超合金から形成されることが多い。「超合金」という用語は、通常、アルミニウム、タングステン、モリブデン、チタン及び鉄のような1種以上の他の元素を含む複雑なコバルト基又はニッケル基合金を包括的にいう。特定の特性(例えば、耐環境性及び高温強度のような機械的性質)を付与すべく、合金中の各元素の量は綿密に制御される。アルミニウムは多くの超合金に特に重要な成分である。これは合金に耐環境性を付与し、その析出強化を向上させることもできる。
超合金基材は保護金属コーティングで被覆されることが多々ある。金属コーティングの一例は、MCrAl(X)型の材料である。式中、Mはニッケル、コバルト又は鉄であり、XはY、Ta、Si、Hf、Ti、Zr、B、C及びこれらの組合せからなる群から選択される元素である。別の種類の保護金属コーティングは、ニッケル−アルミナイド又は白金−ニッケル−アルミナイドのようなアルミナイド材料である。
超合金が酸化雰囲気に長期間暴露されると、アルミニウムが欠乏することがある。これは、特に特定の超合金部品を上述のような高温で使用した場合に起こる。アルミニウムの損失は様々なメカニズムで起こり得る。例えば、アルミニウムはその上の保護コーティング中に拡散することもあるし、保護コーティングの酸化時に消費されることもあり、或いはコーティング/基材界面での酸化時に消費されることもある。
アルミニウムの損失は超合金の健全性に有害となりかねないので、かかる損失に対処する技術が検討されてきた。高温では、隣接MCrAlXコーティングから拡散するアルミニウムを基材に部分的に補給することができる。しかし、MCrAlXコーティングから基材へのアルミニウム拡散の量は不十分なことがある。
超合金基材(つまり、その表面領域)のアルミニウム含有量を増加させる一つの方法は、当技術分野では「アルミナイディング」又は「アルミナイジング」といわれることがある。かかる方法では、アルミニウムを様々な技術で基材内に導入する。「パックアルミナイジング」法では、コーティング元素源、充填材及びハライド活性化剤を含む混合物(パックともいう。)に基材を浸漬する。高温(通常約700〜約750℃)における混合物中での反応によってアルミニウム富有蒸気が生じ、基材表面に凝縮する。続く熱処理時に、凝縮アルミニウム系材料が基材内部に拡散する。
超合金の表面にアルミニウムを導入するための別の方法では、スラリー組成物が使用される。例えば、ある形態のアルミニウムを含む水性又は有機スラリーが吹付けその他の手段で基材に塗工される。次いで、揮発性成分を蒸発させ、アルミニウムが基材表面内部に拡散するようにアルミニウム含有成分を加熱すればよい。
基材のアルミナイジングにスラリーを使用すると、重大な利点が得られる。例えば、スラリーは簡単かつ経済的に調製でき、そのアルミニウム含有量を特定の基材に関する条件に合致するように容易に調整できる。さらに、スラリーは多種多様な技術で基材に適用することができ、その濡れ性は比較的均一なアルミナイジングを確保するのに役立つ。
アルミニウムを含むスラリー組成物は、例えば米国特許第3248251号(Allen)に記載されている。この特許では、金属のクロム酸塩と二クロム酸塩又はモリブデン酸塩とリン酸塩とを含む酸性結合剤水溶液中にアルミニウム粒子を分散させる。(リン酸塩は結合剤として役立つ。)。クロム酸イオンは耐食性を向上させることが知られている。米国特許第6074464号に記載された一つの有力な理論は、クロム酸イオンがアルミニウムに対して結合剤溶液を不動態化し、金属アルミニウムの酸化を防ぐというものである。こうすると、溶液とアルミニウムとの不都合な反応を起こずに、粒状アルミニウムを結合剤溶液と混合することができる。Allenの特許に記載されたコーティングは、ある種の金属基材を酸化及び腐食(特に高温での)から極めて効果的に保護することが知られている。
この「Allen」組成物はある種の用途には有用であるが、幾つかの短所も有している。一つの重大な欠点は、この組成物が有毒であると考えられるクロム酸塩の存在に依拠していることである。特に、六価クロムは発癌物質でもあると考えられている。この形態のクロムを含む組成物を(例えば、スプレーブース内で)使用する場合には、安全衛生に関する規制を満たすため、特別な取扱い手順を極めて厳密に遵守しなければならない。特別な取扱い手順は、コストの上昇及び生産性の低下をもたらすことが多い。
クロム酸塩の存在に依拠しないスラリー組成物を処方する試みがなされてきた。例えば、米国特許第6150033号にはステンレス鋼のような金属基材の保護に用いられる、クロム塩酸を含まないコーティング組成物が記載されている。この組成物の多くは、マグネシウム源、亜鉛源及びホウ酸イオンを含むリン酸結合剤水溶液に基づくものである。このコーティングは、耐酸化性及び耐食性の点で非常に満足すべきものといわれている。
しかし、クロム酸塩を含まないスラリー組成物は別の重大な欠点を伴うことがある。例えば、これらは数時間(さらには数分)で不安定となることがあり、水素のようなガスを不適当なレベルで発生することもある。さらに、かかる組成物は上述のような短時間のうちに増粘又は部分的に凝固し、そのため、例えばスプレー法などで基材に施工するのが極めて困難になることが知られている。
さらに、組成物にリン酸を使用すると不安定性の原因となることもある。これは、特にクロム酸塩化合物が存在しない場合に起こる。クロム酸塩化合物はアルミニウム粒子の表面を不動態化するからである。クロム酸塩の非存在下では、リン酸が存在するとスラリー組成物中の金属アルミニウムを攻撃し、熱的及び物理的に不安定になることがある。よくても、かかるスラリー組成物は貯蔵や基材への塗工が困難であろう。
米国特許第3248251号明細書 米国特許第6074464号明細書 米国特許第6150033号明細書
そこで、金属基材のアルミナイジングに有用な新規スラリー組成物があれば、当技術分野で歓迎されることは明らかである。組成物は、所要量のアルミニウムを基材に導入できるものであるべきである。また、クロム酸塩化合物、特に六価クロムを実質的に含まないべきである。(幾つかの好ましい実施形態では、リン酸も比較的低レベル(例えば、約10重量%未満)しか含まないべきである。)。
さらに、これらの改良スラリー組成物は従来技術に比べて長期間使用及び貯蔵できるように化学的及び物理的に安定であるべきである。また、スプレー、塗装などの様々な技術によるスラリー塗工に適用可能なものであるべきである。さらに、これらの組成物の使用は、特定の金属基材(例えば、超合金部品)の処理に使用される可能性のある他の技術に広く適合可能なものであるべきである。
本明細書では、金属系基材の表面領域にアルミニウムを富化させるのに極めて有用なスラリーコーティング組成物について記載する。この組成物は、コロイダルシリカ及びアルミニウム系粉末の粒子を含む。アルミニウム系粉末は通常約0.5〜約200ミクロンの平均粒度を有する。(この粉末は、本明細書中では単に「アルミニウム粉末」ということもある。)。組成物は六価クロムを実質的に含まず、せいぜい限られた量のリン酸しか含まない。
一実施形態では、スラリー組成物はコロイダルシリカ及びアルミニウムとケイ素の合金を含む。別の実施形態では、スラリー組成物はコロイダルシリカと、アルミニウム又はアルミニウム−ケイ素と、グリセロールのような有機安定剤を含む。スラリー組成物は、好ましくは以下で定義する通り水性である。組成物は様々な技術で基材に塗工できるが、大抵はスプレー塗装される。以下に述べる通り、スラリー組成物は長期間良好な熱安定性及び化学安定性を示し、工業用途に極めて有用である。
別の実施形態は、金属基材の表面領域をアルミナイジングする方法に関する。この方法は、以下に示す種類のスラリーコーティングを用いた以下の段階を含む。
(I)コロイダルシリカと平均粒度約0.5〜約200ミクロンのアルミニウム系粉末粒子とを含む組成物であるスラリーコーティングの1層以上を基材表面に塗工し、次いで
(II)コーティングから揮発性化合物を除去しかつアルミニウムを基材表面に拡散させるのに十分な条件下でスラリーコーティングを熱処理する。
さらに別の実施形態は、例えば、タービン合金部品の超合金基材のような物品に関する。当該基材は、本明細書に記載のアルミニウム含有スラリーコーティングで被覆される。スラリーコーティングは六価クロムを含んでおらず、加熱によってアルミニウムを基材の表面領域に拡散させることができる。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の詳しい説明から明らかになろう。
上述の通り、スラリーコーティング組成物はコロイダルシリカを含む。「コロイダルシリカ」という用語は、水その他の溶剤の媒質(概して水が好ましい。)中にシリカの微粒子を分散させてなる分散液を包括的にいう。コロイダルシリカの分散液は、酸性又は塩基性のものとして、様々な化学品製造業者から市販されている。さらに、球状、中空、多孔質、棒状、板状、フレーク状又は繊維状など様々な形状のシリカ粒子並びに無定形シリカ粉末が使用できる。球状シリカ粒子が好ましいことが多い。粒子は、常にというわけではないが通常、約10〜約100ナノメートルの平均粒度を有する。コロイダルシリカについて説明した文献の非限定的な例として、米国特許第4027073号及び同第5318850号を挙げることができ、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。コロイダルシリカの市販品の具体例として、Ludox(登録商標)及びRemasol(登録商標)(Remet社(米国ニューヨーク州ユーティカ))という商品名のものが挙げられる。
組成物中におけるコロイダルシリカの存在量は、様々な因子によって左右される。かかる因子としては、例えば、アルミニウム粉末の使用量、並びに後述の有機安定剤の有無(及び量)が挙げられる。(コロイダルシリカは主に極めて有効な結合剤として機能するらしい。)。例えばスラリーをどのように調製しどのように基材に塗工するかというような処理条件も考慮すべき事項である。通常、コロイダルシリカは組成物の全量を基準としたシリカ固形分の百分率として約5〜約20重量%のレベルで存在する。特に好ましい実施形態では、その量は約10〜約15重量%である。
スラリーコーティング組成物は、さらにアルミニウム粉末を含む。この粉末は、基材へのアルミニウム源として働く。アルミニウム粉末は、Valimet社(米国カリフォルニア州ストックトン)のような多数の供給元から市販されている。粉末は通常は球状粒子の形態である。ただし、コロイダルシリカについて説明したような他の形態であってもよいし、或いはワイヤーメッシュなどの線材の形態であってもよい。
アルミニウム粉末は様々な標準粒度のものを使用できる。粉末粒子の粒度は、基材の種類、基材へのスラリーの塗工法、スラリーに存在する他の成分の種類、及びこれらの成分の相対量のような幾つかの因子によって左右される。通常、粉末粒子は約0.5〜約200ミクロンの平均粒度を有する。幾つかの好ましい実施形態では、粉末粒子は約1〜約50ミクロンの平均粒度を有する。特に好ましい実施形態では、平均粒度は約1〜約20ミクロンの範囲内にある。粉末粒子は大抵はガス噴霧法で製造されるが、回転電極法のような他の技術も使用できる。
本明細書中で用いる「アルミニウム系粉末」という用語は、存在する全元素を基準として約75重量%以上のアルミニウムを含むものとして定義される。そこで、粉末は基材に様々な特性(例えば、向上した耐酸化性、相安定性、耐環境性及び耐硫化性)を付与する他の元素を含んでいてもよい。例えば、粉末は白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム及びイリジウムのような1種以上の白金族金属を含んでいてもよい。ランタン、セリウム及びエルビウムのようなランタニドなど、希土類金属も使用できる。スカンジウムやイットリウムのように、ランタニドと化学的に類似した元素を含んでいてもよい。場合によっては、鉄、クロム及びコバルトの1種以上を含むのが望ましいこともある。さらに、アルミニウム粉末がその他様々な元素その他の物質を不純物レベル(例えば約1重量%未満)で含んでいてもよいことは当業者には明らかであろう。上述のような元素を適宜組合せて粉末を製造する技術も当技術分野で周知である。
アルミニウム系粉末の組成及びスラリーの組成は、基材に必要とされるアルミニウムの量によって大きく左右される。一般に、スラリーコーティング組成物中のアルミニウムは、予測作動条件下での基材からのアルミニウムの予測損失量を補うのに十分な量で存在する。作動条件パラメーターとしては、温度レベル、温度/時間スケジュール及びサイクル、並びに環境条件がある。作動条件に暴露された典型的金属基材からのアルミニウム損失に関するデータは、例えば米国特許第6372299号(A.M.Thompson他)に記載されている。この特許の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
多くの場合、スラリー組成物中のアルミニウムの量は、基材自体(即ち、製造したままの基材)に存在するアルミニウム量を最大約65原子%上回るように算出される。重量パーセントで表すと、スラリー中のアルミニウムの量は大抵は約0.5〜約45重量%の範囲内にある。好ましい実施形態では、アルミニウムの量は約30〜約40重量%の範囲内にある。(基材(つまり、その表面領域)に関する具体的要件に応じて、アルミニウムレベルは、本明細書に記載のように、拡散用の他の金属が存在し得るように加減できる。)。
本発明の一実施形態では、アルミニウムはアルミニウム−ケイ素合金の形態で存在する。多くの場合、合金は粉末状であり、Valimet社のような会社から入手できる。この種の合金粉末は、通常、アルミニウム粉末に関して上述した範囲内の粒度を有する。これらは、前述のようなガス噴霧法で製造されることが多い。
アルミニウム−ケイ素合金中のケイ素は合金の融点をある程度低下させる作用をもち、後述のアルミナイジング工程を容易にする。(また、ケイ素は不動態化剤としても機能し、そのため合金はコロイダルシリカの存在下で比較的安定であるように思われる。ただし、本発明者らはこの理論に束縛されるものではない。)。幾つかの実施形態では、ケイ素は合金の融点を約610℃未満に低下させるのに十分な量で存在する。通常、ケイ素はケイ素及びアルミニウムの合計重量を基準にして約1〜約20重量%のレベルで合金に存在する。幾つかの好ましい実施形態では、ケイ素は約10〜約15重量%の範囲内のレベルで存在する。
表1に、Valimet社から入手できる幾つかの商用グレードの球状アルミニウム−ケイ素粒子に関する化学的及び物理的特性の一部を示す。その他多種多様なアルミニウム−ケイ素合金が使用できるので、これらのグレードのアルミニウム−ケイ素合金は単に例示にすぎない。
Figure 2005068556
上述の粉末の場合と同様、アルミニウム−ケイ素合金も所望の様々な特性を付与する1種以上の他の元素を含んでいてもよい。具体例として、白金族金属、希土類金属(及びScとY)、鉄、クロム、コバルトなどがある。前述の通り、微量の不純物が存在していてもよい。
別の実施形態では、スラリー組成物はコロイダルシリカ及びアルミニウム(又はアルミニウム−ケイ素)成分に加えて有機安定剤を含む。安定剤は、2以上のヒドロキシル基を含む有機化合物である。幾つかの好ましい実施形態では、安定剤は3以上のヒドロキシル基を含む。水混和性の安定剤が好ましいこともあるが、これは多くの場合さほど重要な要件ではない。さらに、2種以上の有機化合物の組合せも安定剤として使用できる。
多くの有機化合物を使用できる。非限定的な具体例には、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール及びシクロペンタンジオールのようなアルカンジオール(「ジヒドロキシアルコール」ともいう。)がある。(これらのジヒドロキシアルコールの一部は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコールのように「グリコール」ともいわれる。)。ジオールは、アルキル基又は芳香族基のような様々な有機基で置換されていてもよい。置換形の非限定的な具体例には、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール及び1−フェニル−1,2−プロパンジオールがある。
有機安定剤の別の例はグリセロールC35(OH)3である。この化合物は「グリセリン」とも呼ばれる。グリセロールは脂肪つまりグリセリドから容易に得ることができる。
3以上のヒドロキシル基を含む化合物(その一部は「糖アルコール」ともいわれる。)も使用できる。一例として、ペンタエリトリトールC(CH2OH)4が適当な安定剤となり得る。ソルビトール及び同様のポリヒドロキシアルコールが他の例として挙げられる。適当な化合物は、多くの標準的な参考書にも記載されている。例として、「Organic Chemistry」、Morrison及びBoyd著、第3版(1975年)、及び「The Condensed Chemical Dictionary」、第10版、Van Nostrand Reinhold Company(1980年)が挙げられる。
2以上のヒドロキシル基を含む各種の高分子物質も、有機安定剤として使用できる。非限定的な具体例には、ホスファチジン酸(ホスホグリセリド)のような各種の脂肪(グリセリド)がある。炭水化物は、使用し得る別の広範な部類の物質である。これらは当技術分野で公知であり、例えば、上述の参考書「Organic Chemistry」、1070〜1132頁に記載されている。「炭水化物」という用語は、ポリヒドロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトン又は加水分解によってこれらを生成し得る化合物を包括的に意味する。この用語には、グルコース、スクロース及びフルクトースのような糖類と併せて、ラクトースのような物質も包含される。例えば、セルロースやデンプンのような多糖類、又はアミロースのような多糖類構成成分を始めとする、多くの関連化合物も使用できる。(これらの化合物の水溶性誘導体も当技術分野で公知であり、本発明で使用できる。)。
コスト、入手可能性及び有効性のような観点からは、グリセロール及びグリコール類のようなジヒドロキシアルコールが有機安定剤として好ましいことが多い。特定の理論に束縛されるものではないが、グリセロールのような化合物のトリヒドロキシ官能基はスラリー中のアルミニウム成分を不動態化するのに特に有効である。(3以上のヒドロキシル基を含むグリセロールのような化合物は、「ポリオール」といわれる。)。
有機安定剤の使用量は、様々な因子によって左右される。かかる因子には、存在する安定剤の種類、安定剤のヒドロキシル含有量、その水混和性、スラリー組成物の粘度に対する安定剤の効果、スラリー組成物中に存在するアルミニウムの量、アルミニウムの粒度、アルミニウム粒子の表面積/体積比、スラリーの調製に用いられる技術、及びスラリー組成物中に存在し得る他の成分の種類がある。(例えば、十分な量で使用すれば、有機安定剤は金属アルミニウムとリン酸(存在する場合)との不都合な反応を防止又は抑制することができる。)。
好ましい実施形態では、有機安定剤は、水その他の水性成分との接触時にアルミニウム又はアルミニウム−ケイ素成分を化学的に安定化するのに十分な量で存在する。「化学的に安定化する」という用語は、本明細書中ではスラリーが不都合な化学反応を実質的に起こさずにとどまることをいう。ここでいう反応は、組成物の粘度及び/又は温度を許容し得ないレベルまで上昇させる反応である。例えば、許容し得ない温度又は粘度の上昇とは、スプレー法などで基材にスラリー組成物が容易に塗工できなくなるようなものである。
大雑把な指針として、不適当とみなされる組成物は、約1分以内に約10℃を超える温度上昇、又は約10分以内に約30℃を超える温度上昇を示すものである。温度上昇の代わりに(又は温度上昇と共に)、これらの組成物は同じ時間で許容し得ない粘度上昇を示すこともある。(化学分野の当業者には明らかであろうが、温度及び粘度の上昇は短い誘導期間後に始まることがある。)。
通常、スラリー組成物中に存在する有機安定剤の量は、組成物の全重量を基準にして約0.1〜約20重量%の範囲内にある。好ましい実施形態では、その範囲は約0.5〜約15重量%である。
上述の成分を含むスラリーコーティングは、その他様々な成分を含んでいてもよい。その多くは、スラリー製造の当業者には公知である。スラリーは、「Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、第15巻、257頁(1981年)及び第4版、第5巻、615〜617頁(1993年)、並びに米国特許第5759932号及び同第5043378号に概説されている。これらの文献の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。良質のスラリーは、通常、分散状態が良くて気泡や泡を含まないものである。通例、基材へのスラリーの塗工に用いられる特定の技術に関する要件に従って調整された高い比重及び良好な流動学的性質を有する。さらに、スラリー中での固体粒子の沈降速度はできるだけ低くすべきであり、或いは撹拌などで制御できるようにすべきである。また、スラリーは化学的に安定であるべきである。
上述の通り、スラリー組成物は好ましくは水性である。換言すれば、水を主成分とする液体キャリア(即ち、コロイダルシリカに多用される媒質)を含む。本明細書中で用いる「水性」という用語は、揮発性成分の約65%以上が水である組成物をいう。好ましくは、揮発性成分の約80%以上が水である。
したがって、限られた量の他の液体を水と混合して使用できる。他の液体又は「キャリア」の非限定的な具体例には、アルコール、例えばエタノールのように主鎖の炭素原子数が1〜4の低級アルコールがある。ハロゲン化炭化水素溶剤が別の例である。キャリア組成物の選択は、様々な因子によって左右される。かかる因子には、スラリーでの基材の処理時に必要とされる蒸発速度、基材へのスラリーの付着力に対するキャリアの効果、キャリア中での添加剤その他の成分の溶解性、キャリア中での粉末の「分散性」、キャリアが基材を濡らしスラリー組成物の流動学的性質を変化させる能力、並びに取扱い上の要件、コスト要件及び環境/安全性の問題がある。これらの因子を考慮して最適なキャリア組成物を選択することは当業者が容易になし得る事項である。
液体キャリアの使用量は、通常はスラリーの固体成分を懸濁状態に保つのに十分な最小量である。基材への組成物の塗工に用いられる技術に応じ、スラリー組成物の粘度を調整するため上記レベルを超える量も使用できる。一般に、液体キャリアはスラリー組成物全体の約30〜約70重量%を占める。(スラリーは「液−液乳濁液」の形態を有し得ることに注意すべきである。)。
スラリーコーティング組成物にはその他様々な成分を使用できる。その多くは、化学加工及びセラミック加工の分野で周知である。こうした添加剤の非限定的な例は、増粘剤、分散剤、解膠剤、沈降防止剤、消泡剤、結合剤、可塑剤、緩和剤、界面活性剤及び潤滑剤である。一般に、これらの添加剤は組成物全体の重量を基準として約0.01〜約10重量%のレベルで使用される。
スラリー組成物がコロイダルシリカとアルミニウム−ケイ素合金とを基礎成分とする実施形態では、組成物の調製に決定的な重要性をもつ段階は存在しない。通常のブレンド装置が使用でき、剪断粘度は液体キャリアの添加によって調整できる。成分の混合は室温で行っても、或いは温水浴その他の技術を用いて約60℃以下の温度で行ってもよい。混合は、得られるブレンドが均一になるまで行われる。(均質混合を確実にするため、配合作業中に主成分の一部を一時的に控えてもよい。)。上述の添加剤を使用する場合には、通常は主成分を混合した後で添加されるが、これは添加剤の種類にもよる。
有機安定剤をアルミニウム系粉末及びコロイダルシリカと併用する実施形態では、特定の配合順序が極めて好ましい場合がある。例えば、有機安定剤は通常、アルミニウム系粉末と水性キャリアとを実質的に接触させる前に、まずアルミニウム系粉末と混合される。この時点で、混合物の剪断特性を向上させるためコロイダルシリカの一部(例えば、規定量の1/2以下)を含め(て徐々に添加し)てもよい。本発明者らは、実質的な量の水性成分の非存在下で安定剤とアルミニウムとを最初に接触させれば、この種のスラリー組成物の安定性が大幅に向上することを見出した。
次に、コロイダルシリカの残部をブレンドに添加して十分に混合する。他の任意添加剤もこの時点で添加できる。場合によっては、一定の時間(例えば、約24時間以下又はそれ以上)待ってから残りのコロイダルシリカを添加するのが望ましいこともある。この待ち時間は安定剤でのアルミナの「濡れ」を向上させ得るが、必ずしも必要とは思われない。スラリーの安定性に対する待ち時間の効果は、過度の実験を行わずに当業者が判定できる。配合温度は上述の通りである。
上述の順序は、安定剤を用いる組成物には非常に好ましい。しかし、その他の成分混合技術も利用できる。例えば、すべての主成分を一緒に素早く混合すれば、アルミニウム成分とコロイダルシリカとの有害な反応を防止又は抑制できる。ただし、温度及び/又は粘度の急激な上昇の発生について、プロセスをじっくりとモニターすべきである。適切な安全対策を講じおく必要がある。
スラリーコーティング組成物は様々な金属基材に塗工できる。この組成物の使用は、超合金基材のアルミニウム含有量を高めるの特に有利である。「超合金」という用語は、通常、クロム、レニウム、アルミニウム、タングステン、モリブデン及びチタンのような1種以上の他の元素を含む複雑なコバルト基、ニッケル基又は鉄基合金を包括するものである。超合金は、例えば米国特許第5399313号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)のような数多くの文献に記載されている。高温合金も、「Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、第12巻、417〜479頁(1980年)及び第15巻、787〜800頁(1981年)に概説されている。基材の実際の形態は広範囲に変化し得る。例えば、基材は燃焼器ライナー、燃焼器ドーム、シュラウド、バケット、動翼、ノズル又は静翼のような各種タービンエンジン部品の形態を取り得る。
スラリーコーティングは、当技術分野で公知の様々な技術によって基材に塗工できる。塗工技術の具体例の幾つかは、「Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology」、第4版、第5巻、606〜619頁(1993年)に記載されている。スラリーは、例えば、スリップキャスティング、刷毛塗り、浸漬塗装、スプレー塗装、注型、ロール塗装又はスピンコーティングで基材表面に塗工できる。
スプレー塗装が翼形部のような基材にスラリーコーティングを塗工するための最も簡単な方法であることが多い。コーティングの粘度は、液体キャリアの使用量を変えることによって、スプレー用に容易に調整できる。吹付装置は当技術分野で周知である。手動又は自動スプレーガンモデル、エアスプレー及び重力供給モデルなどを始めとする塗装用スプレーガンが適当である。非限定的な例は、米国特許第6086997号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。市販吹付装置の例には、Binks、Grayco、DeVilbiss、Paascheなどの商品名のものがある。様々なスプレーガン設定値(圧力及びスラリー量など)は、特定のスラリー吹付作業の条件を満足するように容易に調整できる。
スラリーは一層又は複数の層として塗工できる。(時には、所望量のアルミニウムを基材に供給するために複数の層が必要な場合もある。)。複数の層を使用する場合、揮発性成分の除去を促進するため、各層を堆積した後に熱処理を実施してもよい。十分な厚さのスラリーを塗工した後、有機溶剤及び水のような揮発性物質をさらに除去するため、適宜追加の熱処理を行ってもよい。熱処理条件は、スラリー中の揮発性成分の種類によってある程度左右される。例示的な熱処理手順は、約80〜約200℃の温度で約5〜約120分加熱することである。(加熱時間を長くすると低い加熱温度を補うことができ、その逆もいえる。)。
乾燥スラリーを、次いで、アルミニウムを基材の表面領域(即ち、表面領域全体又はその一部)に拡散させるのに十分な温度に加熱する。本明細書で用いる「表面領域」は、通常は表面から深さ約200ミクロンまで延在し、さらに大抵は表面から深さ約75ミクロンまで延在する。当業者には自明であろうが、超合金のような基材に関する「アルミニウム拡散表面領域」には、表面に近いアルミニウム富化領域と、富化領域のすぐ下のアルミニウム−超合金相互拡散領域とが共に含まれる。
このアルミナイジング段階に必要とされる温度(即ち、拡散温度)は、様々な因子によって左右される。かかる因子には、基材の組成、スラリーの特定組成及び厚さ、並びにアルミニウム濃度を高める所望の深さがある。通常、拡散温度は約650〜約1100℃の範囲内にあり、好ましくは約800〜約950℃の範囲内にある。これらの温度は、存在する有機化合物(例えば、グリセロールのような安定剤)を(蒸発又は熱分解で)完全に除去するのにも十分な高さである。拡散熱処理は、適当な技術(例えば、真空中又はアルゴンガス下でのオーブン加熱)で実施できる。
拡散熱処理に要する時間は、上述の因子の多くによって左右される。一般に、時間は約30分乃至約8時間である。場合によっては、段階的熱処理が望ましい。一般例としては、温度を約650℃に上昇させ、この温度に一定時間保ち、次いで段階的に約850℃まで上昇させればよい。別法として、温度をまず650℃のような限界温度まで上昇させ、次に(例えば、1℃/分の速度で)連続的に上昇させ、200分で約800℃の温度に到達させてもよい。当業者(例えば、パックアルミナイジングの分野の当業者)であれば、所定の基材及びスラリーに最適の時間−温度スケジュールを選定することができよう。
以下の実施例は例示的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的範囲を限定するものではない。
例1
試料Aは、本発明の技術的範囲外の市販スラリーであった。このスラリーは3種の主成分を含んでいた。第一の成分はケイ素を含むアルミニウム合金粉末であり、約4ミクロンの平均粒度を有していた。第二の成分はクロム酸であり、第三の成分はリン酸であった。酸性混合物は、スラリー全体の約58重量%をなしていた。クロム酸は三酸化クロム(CrO3)と水からなる溶液の形態であった。スラリーに導入すると、クロムは六価の状態で存在し、溶液の色は金属の濃度に応じて橙色から濃赤色となる。この酸性溶液にアルミニウムを添加すると、クロムは徐々に三価状態(Cr23)に還元され、特徴的な緑色となる。
試料Bは、同じく本発明の技術的範囲外の試験用スラリー材料であった。これは、アルミニウム粉末(平均粒度4ミクロン)を4mLのオルトリン酸と混合して調製した。この材料はクロム成分を含んでいなかった。
試料Aは比較的高度の安定性を示した。即ち、粘度、固有温度又は外観の変化を実質的に示さなかった。(この試料は以前1年以上安定であった。)。全く対照的に、試料Bは調製直後に不安定となった。成分混合後に反応が起こり、1分もしないうちに温度が室温から100℃以上に上昇した。反応の進行に伴い、容器の上から灰色の反応体のきのこ雲が立ち上がって、あふれ出た。冷却後、残存生成物は非常に粘着性であり、アルミニウムが存在する形跡はみられなかった。この例は、従来技術のアルミニウム系スラリーでは、何らかの形態のクロムを不動態化剤として含む必要があることを示している。
例2
試料C及びDは、いかなるクロム成分も含まないアルミニウム含有スラリーであった。これらの試料は本発明の技術的範囲外のものであり、米国特許第6368394号の教示に従って調製した。各試料の成分を表2に示す。
Figure 2005068556
各試料について、上記の成分を撹拌しながら混合して懸濁液を形成した。各懸濁液(スラリー)10mLを、平均粒度約4ミクロンのアルミニウム粉末8gと混合した。6.5分間経過後に、スラリーCは顕著な温度変化を示し、8分経過した時点で180℃に達した。試料Dは、アルミニウムの添加から約1分後に「シュー」という音を立てた。混合から9分後、スラリーDは急速な温度上昇を開始し、10分経過した時点で140℃に達した。試料Dは混合から20分経過後も依然としてシューという音を立てていた。
このように、いずれの試料についても、結合剤溶液(リン酸)をアルミニウムと混合したときに多大な反応を起こしたことが明らかであった。いずれの試料も少量しか調製しなかったことを考えれば、さらに大量のバッチではおそらく一段と激しい反応を生じ、さらい多量のガスや熱を発生すると予測される。いずれのスラリーも、試料B(実施例1)で生じたきのこ雲や粘着性の反応生成物は生じなかった。しかし、1晩静置した後は、各試料は容器内で完全に凝固した。
混合から4時間後、試料Dの粘度は顕著に上昇した。試料に10mLの水を添加したところ、さらに多くの気泡及びシューという音が発生した。次に、両試料を約1時間静置した。静置後、各試料を再び撹拌し、次いでニッケル基超合金から形成したクーポンに塗料刷毛で塗工した。(クーポンは予めグリットブラスト処理し、アルコールで洗浄しておいた。)。両試料は塗工用として非常に満足すべき粘度を示し、最初からクーポンに良く付着した。次いで、試料を1晩風乾した。
次に、80℃で60分、次いで120℃で30分、次いで230℃で60分加熱するこという3段階加熱手順で試料を硬化させた。この硬化サイクルで、各試料中の液状物質は実質的にすべて除去されたと思われる。
次に、以下の熱処理サイクルを用いて真空中で熱処理した。
1)スラリー側を上にして、各クーポンをオーブン内に装入する。
2)オーブンの温度を650℃(±5℃)に上げ、15分間(±1分間)保つ。
3)温度を8℃/分(最大速度)で870℃(±5℃)に上昇させる。
4)870℃(±5℃)に2時間(±1分間)保つ。
5)各クーポンをオーブン内冷却する。
オーブンから取り出した後、試料Cの大部分はクーポンに付着していた。しかし、試料Dの大部分はクーポンから剥落した。このように、試料Cの外観は試料Dに比べてかなりの違いがあった。試料Dへの酸化亜鉛の添加はその高温結合性に悪影響を及ぼすように思われた。
熱処理後、光学的検査用の追加の試料を得るため、各試料(即ち、被覆クーポン)をカットして横断面を得た。試料Cの横断面部分は、試料からクーポン(即ち、基材)内部へのアルミニウムの拡散がほとんどないことを示していた。しかし、試料Dは大部分が剥落によってスラリーコーティングを失っていたが、顕著な拡散領域(クーポン中に約75ミクロン)を示した。いずれの事例でも、薄いスラリーコーティングを用いて剥落をある程度防止できるかも知れない。コーティングを薄くすれば、熱処理プロセスの作用にもっと耐えることができ、おそらくは良好な拡散特性をもたらすことができるかも知れない。
これらの従来技術のクロム酸塩を含まない組成物の安定性を評価するため、追加の簡単な短期試験を行った。第一の試験では、アルミニウム粉末を容器内で水と単に混合した。数時間以内に発熱がみられた。この材料は3日で完全に凝固した。
第二の試験では別の洗浄手順を用いた。この事例では、アルミニウム粉末をクロム酸で洗浄し、デカントし、リン酸に入れた。混合物は5分以内に激しく反応した。第三の略式実験では、アルミニウム粉末をリン酸と混合し、この混合物にクロム酸を極めて手早く添加した。この混合物は約1週間は安定であったが、その後に試験を中止した。
現在知られている、クロム酸塩を含まないスラリー組成物は、通常は重大な安定性の問題があることが明らかである。また、基材に組成物を塗工し、熱処理時に基材に組成物の密着層を維持するのが困難なこともある。さらに、かかる組成物は拡散熱処理によって必ずしも基材の拡散領域にアルミニウムを供給することができるわけではない。
例3
試料Eは、本発明の技術的範囲に属するスラリー組成物であった。コロイダルシリカは、水中で30%のSiO2濃度及び12〜13ミリミクロンの粒度を有するRemasol(登録商標)グレードLP−30であった。Read Chemical社から入手したアルミニウム−ケイ素合金(グレードS−10)を使用した。表1に記載した通り、この材料は11〜13%のケイ素を含んでいた。平均粒度は約10ミクロンであった。
30重量%のLP−30シリカと70重量%のアルミニウム−ケイ素合金を混合容器に加え、高速で約15分間混合した。得られたスラリーは非常に安定であり、成分混合後も温度又は粘度の有意な上昇は示さなかった。(急速に沈降が起こることがあるので、材料は使用直前に混合した。)。
塗料刷毛を用いて、スラリーをニッケル基超合金クーポンの表面に刷毛塗りした。(クーポンは予めグリッドブラスト処理し、アルコールで洗浄しておいた。)。全厚(未乾燥)が約125ミクロンとなるように2層にコーティングした。
スラリーをクーポン上で風乾した。風乾後、被覆クーポンをオーブン内で、80℃で30分、次いで260℃で30分という加熱手順で硬化させた。次に、真空オーブン内において、約870℃の温度で被覆クーポンを拡散熱処理した。クーポンをこの温度に2時間保った。コーティングの剥落の形跡はみられなかった。
オーブン内冷却後、検査のためクーポンをカットして横断面を得た。光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡で横断面を検査した。横断面は、クーポンの表面のアルミニウム富化領域の存在を示していた。熱処理後に残った脆い残留物の機械的除去の前に測定して、アルミニウム富化領域の深さは約75ミクロンであった。この深さは、外側の「高アルミニウム」領域と内側のアルミニウム−超合金相互拡散領域とを含めたものである。
試料Eと同じ成分を有する他のスラリー組成物を貯蔵し、その安定性をモニターした。組成物は5ヵ月以上、つまりモニターを行った期間については、安定であった。
例4
試料Fは、本発明の技術的範囲に属するスラリー組成物であった。例3で使用したコロイダルシリカを本例でも使用した。本例では、アルミニウム−ケイ素合金粉末ではなく、(Alfa Aesar社から入手した)アルミニウム粉末を使用した。アルミニウム粉末は約10ミクロンの平均粒度を有していた。さらに、本例では、グリセロール(グリセリン)を有機安定剤として使用した。
スラリーの総合組成は次の通りであった:LP−30コロイダルシリカ32重量%、アルミニウム粉末60重量%、グリセロール8重量%。(一つの例では、実際の成分は32gのLP−30、60gのアルミニウム粉末、及び8gのグリセリンであった。)。
グリセロールを、LP−30の規定量の1/2(即ち、16重量%)と混ぜ合わせ、5分間混合した。この混合物にアルミニウム粉末を添加してさらに混合を行った。遊星ミキサーを使用し、均一なペーストが得られるまで混合を続けた。次に、LP−30の残部を添加し、空気駆動式ドリルプレスミキサーを用いて高速で混合した。試料Eの場合と同様、スラリーは非常に安定であり、成分混合後も温度又は粘度の有意な上昇は示さなかった。(沈降を防止するため、この材料は使用直前に混合した。)。
この例では、上記スラリーを、通常のDeVilbissスプレーガンを用いて、前処理ニッケル基超合金クーポンの表面に空気吹付けした。平均厚さ(未乾燥)は約125ミクロンであった。次に、スラリーをクーポン上で風乾した。
風乾後、例3に記載した通りの加熱手順に従って、スラリーをオーブン内で硬化させた。次に、真空オーブン内において、約870℃の温度で被覆クーポンを拡散熱処理した。クーポンをこの温度に2時間保った。コーティングの剥落の形跡はみられなかった。
オーブン内冷却後、例3と同様、検査のためクーポンをカットして横断面を得た。横断面は、クーポンの表面のアルミニウム富化領域の存在を示していた。富化領域は、脆い残留物の除去前に、約100ミクロンの深さを有していた。例3と同様、富化領域は外側のの「高アルミニウム」領域と内側のアルミニウム−超合金相互拡散領域を含んでいた。
使用後に試料Fを貯蔵し、その安定性をモニターした。これは5ヵ月以上(モニター期間の上限)安定であった。
本発明の組成物が極めて望ましい安定特性を示すことは明らかであろう。また、これらは金属基材のアルミナイジングに非常に有効である。さらに、本組成物はクロム酸塩化合物(特に六価クロム)を実質的に含まない。さらに、幾つかの好ましい実施形態はリン酸もその誘導体も実質的に含まない組成物に関する。これは、上記で言及したような明らかな利点を与える。(他の実施形態では、限られた量(例えば、組成物全体の重量を基準にして約10重量%未満)のリン酸を含んでいてもよい。)。
以上、特定の実施形態及び実施例によって本発明を説明してきた。しかし、当業者には、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱しない範囲で様々な修正、改変及び代替物が想起されるであろう。上述の特許、論文及び参考書はすべて、援用によって本明細書の内容の一部をなす。

Claims (10)

  1. 金属系基材の表面領域にアルミニウム含有分を供給するためのスラリーコーティング組成物であって、当該組成物が六価クロムを実質的に含まず、コロイダルシリカ及びアルミニウム系粉末の粒子を含んでなる組成物。
  2. 前記アルミニウム系粉末がアルミニウムとケイ素の合金からなる、請求項1記載の組成物。
  3. さらに、水、アルコール、ハロゲン化炭化水素溶剤、及びこれらの相溶性混合物からなる群から選択される液体キャリアを含む、請求項1記載の組成物。
  4. さらに、2以上のヒドロキシル基を含む1種以上の有機化合物を含む、請求項1記載の組成物。
  5. ニッケル基超合金からなる材料で形成されたタービン部品の表面領域にアルミニウムを供給するためのスラリーコーティング組成物であって、当該組成物が六価クロムを実質的に含まず、コロイダルシリカ及び平均粒度約1〜約50ミクロンのアルミニウム−ケイ素合金粒子を含んでなる組成物。
  6. ニッケル基超合金からなる材料で形成されたタービン部品の表面領域にアルミニウムを供給するためのスラリーコーティング組成物であって、当該組成物が六価クロムを実質的に含まず、コロイダルシリカ、2以上のヒドロキシル基を含む有機安定剤、及び平均粒度約1〜約50ミクロンのアルミニウム系粉末の粒子を含んでなる組成物。
  7. 前記有機安定剤が当該組成物の全重量を基準にして約0.1〜約20重量%のレベルで存在し、
    前記コロイダルシリカが当該組成物の全量を基準としたシリカ固形分の百分率として約5〜約20重量%のレベルで存在し、
    当該組成物中のアルミニウムの量が部品の表面領域に存在するアルミニウム量を最大約65原子%上回る、請求項6記載の組成物。
  8. 金属基材の表面領域をアルミナイジングする方法。
  9. ニッケル基超合金基材の表面領域をアルミナイジングする方法。
  10. アルミニウム系スラリーコーティング組成物を調製する方法。
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