JP2005068394A - 遮熱塗料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の遮熱塗料は、シンナーの揮発に伴いピンホールを生じたり、電解腐食を起こし金属部分に穴が開く問題が生じている。ウレタン樹脂を基材とした場合の加水分解を起こす問題や、エポキシ樹脂を基材とした場合の老化防止剤混合不能により耐候性が劣化する問題もある。そこで、油性でゴム性の遮熱塗料を提供する。
【解決手段】 顔料より選択した高反射性特殊顔料とセラミックスが積層配列して安定するように構造保持剤にポリブタジエンゴムを使用し、帯電防止剤及び防黴剤を混合した遮熱塗料の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚れの付着防止作用と自浄作用を有し、遮熱、防黴、防錆及び腐食防止効果を有する遮熱塗料の製造方法に関するものである。
建造物の室内温度の上昇は、太陽エネルギーの赤外線を屋根面や壁面から吸収することによる。この日射を反射させて室内温度の上昇を防ぐため、遮熱塗料が提供されている。
太陽光線中の熱エネルギーとなる赤外線が物質に当たると吸収されたエネルギーは分子運動を起こし発熱することが知られている。そこで、物質に吸収しないように日射反射率を増やすことで熱エネルギーの吸収を削減することを遮熱塗料は目的としている。太陽光線中の赤外線を反射させるため、顔料中から遮熱顔料を選択して充填材とし、反射補助効果と膜厚保持のため中空セラミックビーズを混入した充填材を合成樹脂を溶剤で希釈した構造保持剤と混合した遮熱塗料が開発されている。中空セラミックスビーズと日射反射率の高い顔料を混合することで太陽熱の反射に優れた効果を得られるが、構造保持剤の合成樹脂をシンナー希釈した従来の遮熱塗料は、シンナーの揮発に伴いピンホールを生ずる。このピンホールに水分が浸透すると遮熱塗料を塗布した基材に黴、錆、腐食等が生じ、遮熱塗料の劣化や剥離の問題が生ずる。水性遮熱塗料も塗布する素材に水分を与え黴、錆、腐食等の問題が生じやすい。また、従来の合成樹脂や希釈剤を使用方法では電解腐食を起こし、金属部分に穴が開く問題が生じている。ウレタン樹脂を基材とした場合の加水分解を起こす問題があり、エポキシ樹脂を基材とした場合の老化防止剤混合不能により耐候性が劣化する問題もある。従来の遮熱塗料においてはプライマーを必要とする場合が多く、耐衝撃性、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性が不十分である。更に、大気汚染性埃が塗膜面に付着して、塗膜面を汚すことにより赤外線反射効果減少させる問題があり、本発明は、これらの問題点を解決しようとするものである。
顔料には分子構造が逆三角形形状で連鎖的に配列するものがあり、日射反射率が高いものがある。このような分子構造を有する遮熱性顔料を多種の顔料より選択して中空セラミックスビーズと混合して充填材を形成すると、70%〜80%の日射反射率を有する充填材となり、この充填材に混合する構造保持剤に本発明ではポリブタジエンゴ厶を使用している。従来のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を構造保持剤に使用した場合と異なり、ポリブタジエンゴムを使用すると油性でゴム性となるため、ピンホールを生ずることがなく、電解腐食を起こさないという大きな特徴が生まれる。
本発明においては、用意された高反射性特殊顔料と中空セラミックスビーズの充填材にポリブタジエンゴムを混合し、消泡剤と硬化促進剤を添加して遮熱塗料としているが、この製造工程に帯電防止剤や防黴剤を添加することもある。また、皮膜強度を出すために行う製造工程としては、
第一行程としては、ポリブタジエンゴムにベンゾルグライトと一段硬化剤を混合する。
第二行程としては、第一行程の液体に高反射性特殊顔料と中空セラミックスビーズの充填材を混合する。
第三行程としては、第二行程の液体に消泡剤と硬化促進剤を混合する。
第四行程としては、第三行程の液体に紫外線吸収剤と老化防止剤を混合する。
第五行程としては、第四行程の液体に二段硬化剤を混合して完成させる。
このように構成された遮熱塗料は引き裂き強度、耐震強度が格段に向上する。
以上のような構成になる本発明の遮熱塗料は下記のような効果を示す。
(イ)太陽からの赤外線を70%〜80%反射するので、建造物の屋根や壁面に使用した場合、室内温度の上昇を防ぐことができる。
(ロ)耐熱性は120℃〜150℃と高く、耐寒性は−70℃と低く、他の合成樹脂を混入したとしても耐寒性は−50℃を維持できる。
(ハ)導電性を有するため静電気を帯びないので埃や塵を吸着しない。また、電解融蝕を起こさないため金属に穴を開けることがない。
(ニ)従来の遮熱塗料と組成が異なるため、フッ素樹脂及びシリコーンを除く他の合成樹脂に接着して層間剥離を生じない。
(ホ)油性であるため防錆効果が高く、長期間継続する。
(ヘ)引き裂き強度、耐震強度、耐衝撃性、耐摩耗性が高く、ひび割れしない。
(ト)加水分解が安定しているので水の中でも使用でき、耐候性がある。
(チ)分子構造が末端水酸気であり、層間剥離が起きないのでプライマーを必要としない。
(リ)他の遮熱塗料と異なり、本発明の遮熱塗料はシリカと混合できるので樹脂モルタルとして使用できる。
(ヌ)用途は幅広く、鉄骨構造物、鉄筋配筋構造物、スチール板屋根、壁面、石油タンク、貯水槽、化学薬品貯蔵タンク、ガスタンク、各種乗り物、各種建造物の塗装に使用でき、遮熱、防黴、防錆、腐食防止、汚れ付着防止効果がある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
下記の表は充填材、構造保持剤、添加剤の配合割合の限度を示したものである。
Figure 2005068394

各材料の割合は、重量計算である。
ポリブタジエンゴム1重量kgにベンゾルグライト10重量%(100重量g)と一段硬化剤10重量%(100重量g)を混合した液体1.2重量kgへ高反射性特殊顔料と中空セラミックスビーズより構成される充填材100重量gを混合して1.3重量kgの液体を製造し、この1.3重量kgに消泡剤5重量%(65重量g)と硬化促進剤1重量%(13g)を添加してできた液体1.378重量kgへ適量の紫外線吸収剤と老化防止剤及び2段硬化剤10重量%(137重量g)を混合して完成している。本例は1実施例であって、本例以外の実施方法を規制するものではない。
図1は高反射性特殊顔料(1)に中空セラミックスビーズ(2)を混合して充填材とし、ポリブタジエンゴムを基材とする構造保持剤(3)と混合して固化させた際に高反射性特殊顔料(1)と中空セラミックスビーズ(2)の分子が構造保持剤(3)内で太陽光(4)を反射する構造に配列している状態を示している。
高反射性特殊顔料(1)の分子構造は逆三角形形状で連鎖的に配列しているので、太陽光(4)を反射するのに適していて、中空セラミックスビーズ(2)を補助材として混合形成すると、70%〜80%の日射反射率を得ることができる。
本発明の説明図 1 高反射性特殊顔料 2 中空セラミックスビーズ 3 構造保持剤 4 太陽光

Claims (3)

  1. 顔料より選択した高反射性特殊顔料とセラミックスが積層配列して安定するように構造保持剤にポリブタジエンゴムを使用したことを特徴とする遮熱塗料の製造方法。
  2. 構造保持剤に帯電防止剤を混合し、汚れの付着防止を強化したことを特徴とする請求項1に記載の遮熱塗料の製造方法。
  3. 構造保持剤に防黴剤を混合し、黴の付着防止を強化したことを特徴とする請求項1及び2に記載の遮熱塗料の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006298967A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Ohbayashi Corp 塗料および塗装物
KR100737376B1 (ko) * 2005-12-07 2007-07-09 한국전자통신연구원 문턱전압 보상 회로를 포함하는 픽셀 구동 회로
CN104629556A (zh) * 2015-02-05 2015-05-20 成都双赢产业生态园有限公司 一种节能稀土纳米陶化涂料及其制备方法
CN112221901A (zh) * 2020-09-30 2021-01-15 海南博展实业有限公司 一种钢材表面的喷涂工艺

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