JP2005067243A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントロールユニットと複数のアクチュエータドライバとの通信を行う際、アクチュエータドライバとの通信が失陥したとしても、アクチュエータドライバとの通信を確保可能なCAN通信回路を提供すること。
【解決手段】第1CAN通信ポートと第2CAN通信ポートを有するコントロールユニットと、前記第1及び第2CAN通信ポート間を連通するバスバーと、前記バスバーに連通し、前記コントロールユニットから出力された信号に基づいてアクチュエータを駆動する複数のドライバとを備え、前記コントロールユニットに、前記第1CAN通信ポートから前記バスバーを通って前記複数のドライバに信号を送信すると共に、前記第2CAN通信ポートに送信する第1通信手段と、前記第2CAN通信ポートに送信された信号により通信確認する第2通信手段と、を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】第1CAN通信ポートと第2CAN通信ポートを有するコントロールユニットと、前記第1及び第2CAN通信ポート間を連通するバスバーと、前記バスバーに連通し、前記コントロールユニットから出力された信号に基づいてアクチュエータを駆動する複数のドライバとを備え、前記コントロールユニットに、前記第1CAN通信ポートから前記バスバーを通って前記複数のドライバに信号を送信すると共に、前記第2CAN通信ポートに送信する第1通信手段と、前記第2CAN通信ポートに送信された信号により通信確認する第2通信手段と、を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コントロールユニットの信号を複数のアクチュエータドライバに通信するCAN通信技術に関し、特にアクチュエータとして車両用電気式ブレーキを備えたブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コントロールユニットの信号を複数のアクチュエータドライバに通信する手段としてCAN通信がある。このCAN通信を用いたブレーキ装置として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、4輪全ての制動装置を電気式に制御するシステムを構成する際、2輪を1系統として全部で2系統設けている。1系統のCAN通信が失陥したときには、もう一方の系統によって2輪の制動力を確保している。これにより最低でも2輪の制動力が得られるよう構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−25591号公報(図1参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、CAN通信の失陥時に少なくとも2輪で最低限の制動力を発生する必要があり、各輪に設けられたブレーキアクチュエータが大型化するという問題があった。特に、モータをアクチュエータとする電気式ブレーキでは、各輪に大きなモータを設ける必要があり、コストアップを招くという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、第1の目的として、コントロールユニットと複数のアクチュエータドライバとの通信を行う際、アクチュエータドライバとの通信が失陥したとしても、アクチュエータドライバとの通信を確保可能なCAN通信回路を提供することを目的とする。第2の目的として、電気式ブレーキ装置を備え、CAN通信により制御する車両において、CAN通信失陥時に制動力を確保可能なブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本願発明では、第1CAN通信ポートと第2CAN通信ポートを有するコントロールユニットと、前記第1及び第2CAN通信ポート間を連通するバスバーと、前記バスバーに連通し、前記コントロールユニットから出力された信号に基づいてアクチュエータを駆動する複数のドライバとを備え、前記コントロールユニットに、前記第1CAN通信ポートから前記バスバーを通って前記複数のドライバに信号を送信すると共に、前記第2CAN通信ポートに送信する第1通信手段と、前記第2CAN通信ポートに送信された信号により通信確認する第2通信手段とを設けたこととした。
【0007】
すなわち、第1及び第2CAN通信ポート間がバスバーにより連通されているため、複数のドライバの一つが失陥したとしても、残りのドライバの駆動を確保することができる。特に、アクチュエータとして、車両用電気式ブレーキのモータを備えた場合、少なくとも3輪で制動力を確保することが可能となり、モータの大型化を回避しつつ、確実に制動力を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるブレーキ装置の全体構成を表す図である。運転者の操作するブレーキペダル1には、運転者の操作情報を検出するセンサとして、第1ストロークセンサ2,第2ストロークセンサ3及び踏力センサ4が設けられている。検出された各種センサ信号は、コントロールユニット10に出力される。 車両の各輪FR,FL,RR,FLには、電気式ブレーキとしてモータM1,M2,M3,M4と、各モータに駆動信号を出力するモータドライバMd1,Md2,Md3,Md4が設けられている。
【0009】
コントロールユニット10には、第1通信ポート11と第2通信ポート12が設けられている。この第1通信ポート11と第2通信ポート12の間はバスバー13によって連通されている。また、バスバー13には、各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4と接続する通信線14,15,16,17が設けられている。以上の構成においてCAN通信により信号の送受信が成される。このようにバスバー13をループ状に構成し、このループに各ドライバを接続することで、バスバー13と各ドライバとの間で断線が発生したとしても、それ以外のドライバに対し電気信号を送信することができる(請求項1に対応)。
【0010】
コントロールユニット10は、検出された運転者のブレーキペダル操作情報に基づいて各輪に要求される制動力を演算する制動力演算部10cと、第1通信ポート11と接続された第1通信手段10aと、第2通信ポート12と接続された第2通信手段10bを備えている。第1通信手段10aと第2通信手段10bは、制動力演算部10cからの信号を受信すると共に、情報を相互に監視している。制動力演算部10cにより演算された制動力に応じた電気信号は、第1通信ポート11及び第2通信ポート12のどちらからも送信可能に構成されている。
【0011】
本実施の形態1においては、基本的には第1通信ポート11から電気信号が出力され、各モータドライバに送信されると共に第2通信ポートにも電気信号が送信される。第2通信ポート12では、受信した電気信号により通信確認を行う。
【0012】
図2は実施の形態1におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【0013】
ステップ101では、第1通信手段10aにより第1通信ポート11から電気信号を送信する。
【0014】
ステップ102では、第2通信手段10bにより第2通信ポート12が第1通信ポート11から送信された電気信号を受信したかどうかを判断し、受信したときはCAN通信回路が正常であると判断してステップ103へ進み、それ以外はステップ107へ進む。
【0015】
ステップ103では、各輪のモータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0016】
ステップ104では、異常箇所の特定及び通信モードの選択を行う。
【0017】
ステップ105では、第1通信ポート11から通信可能なドライバに電気信号を送信する。
【0018】
ステップ106では、第2通信ポート12から通信可能なドライバに電気信号を送信する。
【0019】
次に、上記制御内容について各断線箇所に基づいて説明する。
〔a点断線時〕
a点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信可能である。このとき、車輪FRのモータドライバMd1のみが受信不能となり、それ以外の車輪におけるモータドライバMd2,Md3,Md4は受信可能である。よって、ステップ101→ステップ102→ステップ103へと進み、3輪での制動力を発生する(請求項1に対応)。尚、b点、c点、d点においても同じ作用であるため説明を省略する。ここで、a,b,c,d各点における断線検知は、例えば電気信号の電圧変化などから検知すればよいが特に限定しない。
【0020】
〔e点断線時〕
e点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。e点が断線すると、第1通信ポート11から送信された信号は、どの車輪のモータドライバにも送信不可能である。よって、第1通信ポート11からは電気信号を送信せず、第2通信ポート12から4輪へ電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0021】
〔i点断線時〕
i点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。i点が断線すると、第2通信ポート12から送信された信号は、どの車輪のモータドライバにも送信不可能である。よって、第2通信ポート12からは電気信号を通信せず、第1通信ポート11から4輪へ電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0022】
〔f点断線時〕
f点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。f点が断線すると、第1通信ポート11から送信された信号はFR輪のモータドライバMd1にのみ送信可能であり、第2通信ポート12からは残りの車輪のモータドライバに送信可能である。よって、第1通信ポート11からはモータドライバMd1にのみ電気信号を送信し、第2通信ポート12からはモータドライバMd2,Md3,Md4に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0023】
〔g点断線時〕
g点が断線したときは、f点断線時と同様に、第1通信ポート11からモータドライバMd1,Md3に電気信号を送信し、第2通信ポート12からモータドライバMd2,Md4に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0024】
〔h点断線時〕
h点が断線したときは、f点,g点断線時と同様に、第1通信ポート11からモータドライバMd1,Md3,Md4に電気信号を送信し、第2通信ポート12からモータドライバMd2に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0025】
ここで、図3に従来技術におけるCAN通信回路を示す。この回路は、第1通信ポート11からFR輪とRL輪のモータドライバMd1,Md4に電気信号を送信する第1系統と、第2通信ポート12からFL輪とRR輪のモータドライバMd2,Md3に電気信号を送信する第2系統が設けられている。このとき、図3中j点、もしくはk点が断線すると、第1系統もしくは第2系統に接続された2輪が制動不能となり、残りの2輪で制動力を確保する必要があるためモータの大型化を招く虞がある。これに対し、実施の形態1におけるCAN通信回路を備えたブレーキ装置にあっては、CAN通信回路のどの部分が断線したとしても、少なくとも3輪での制動が可能となり、モータ等の大型化を防止することができる。また、バスバー13上のどの部分が断線しても、確実に4輪で制動することが可能となり、安定したブレーキ制御を達成することができる。
【0026】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。全体構成は実施の形態1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
【0027】
図4は実施の形態2におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。ステップ101〜ステップ103は実施の形態1と同じであるためステップ201とステップ202について説明する。
【0028】
ステップ201では、第1通信ポート11から各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0029】
ステップ202では、第2通信ポート12から各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0030】
実施の形態1にあっては、異常箇所の特定をし、通信モードを選択していたが、実施の形態2では、このステップを排除した点が異なる。すなわち、CAN通信回路のどこかが断線した場合、第1通信ポート11及び第2通信ポート12の両方から全てのモータドライバに対して電気信号を送信することとした。これにより、異常箇所の特定等を行うことなく、バスバー13が断線したときに確実に4輪で制動力を発生することができる。
【0031】
(実施の形態3)
図5は実施の形態3の全体構成を表すシステム図である。本実施の形態3におけるブレーキシステムは、前輪側に油圧式のブレーキバイワイヤ制御手段が設けられ、後輪側に実施の形態1,2と同様の電気式のブレーキ制御手段が設けられている。
【0032】
前輪側の油圧式ブレーキバイワイヤ制御手段は、FR輪には実施の形態1におけるモータM1の代わりに、油圧により制動力を発生する油圧キャリパH1が設けられている。また、実施の形態1におけるモータドライバMd1の代わりに油圧キャリパH1に供給する油圧を制御するFR用油圧ドライバHd1が設けられている。同様にFL輪には油圧により制動力を発生する油圧キャリパH2と、油圧キャリパH2に供給する油圧を制御するFL用油圧ドライバHd2が設けられている。
【0033】
前輪側の油圧式ブレーキバイワイヤ制御手段は、ブレーキバイワイヤ系統と、運転者のブレーキペダル操作により発生するマスタシリンダ圧をそのまま油圧キャリパH1,H2に供給する通常ブレーキ系統とから構成されている。そして、この二つのブレーキ系統は、ピストン等を介して接続されており、例えブレーキバイワイヤ系統に失陥が生じた場合であっても、独立した通常ブレーキ系統を用いて制動することができるよう構成されている。
【0034】
基本的なCAN通信回路における制御内容については実施の形態1,2と同様であるため省略する。このように、電気式ブレーキと油圧式ブレーキが併存したブレーキ装置であっても、本願発明のCAN通信回路を適用することで、安定したブレーキ制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【図2】実施の形態1におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【図3】従来のブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【図4】実施の形態2におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【図5】実施の形態3におけるブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 第1ストロークセンサ
3 第2ストロークセンサ
4 踏力センサ
10 コントロールユニット
11 第1通信ポート
12 第2通信ポート
13 バスバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、コントロールユニットの信号を複数のアクチュエータドライバに通信するCAN通信技術に関し、特にアクチュエータとして車両用電気式ブレーキを備えたブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コントロールユニットの信号を複数のアクチュエータドライバに通信する手段としてCAN通信がある。このCAN通信を用いたブレーキ装置として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、4輪全ての制動装置を電気式に制御するシステムを構成する際、2輪を1系統として全部で2系統設けている。1系統のCAN通信が失陥したときには、もう一方の系統によって2輪の制動力を確保している。これにより最低でも2輪の制動力が得られるよう構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−25591号公報(図1参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、CAN通信の失陥時に少なくとも2輪で最低限の制動力を発生する必要があり、各輪に設けられたブレーキアクチュエータが大型化するという問題があった。特に、モータをアクチュエータとする電気式ブレーキでは、各輪に大きなモータを設ける必要があり、コストアップを招くという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、第1の目的として、コントロールユニットと複数のアクチュエータドライバとの通信を行う際、アクチュエータドライバとの通信が失陥したとしても、アクチュエータドライバとの通信を確保可能なCAN通信回路を提供することを目的とする。第2の目的として、電気式ブレーキ装置を備え、CAN通信により制御する車両において、CAN通信失陥時に制動力を確保可能なブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本願発明では、第1CAN通信ポートと第2CAN通信ポートを有するコントロールユニットと、前記第1及び第2CAN通信ポート間を連通するバスバーと、前記バスバーに連通し、前記コントロールユニットから出力された信号に基づいてアクチュエータを駆動する複数のドライバとを備え、前記コントロールユニットに、前記第1CAN通信ポートから前記バスバーを通って前記複数のドライバに信号を送信すると共に、前記第2CAN通信ポートに送信する第1通信手段と、前記第2CAN通信ポートに送信された信号により通信確認する第2通信手段とを設けたこととした。
【0007】
すなわち、第1及び第2CAN通信ポート間がバスバーにより連通されているため、複数のドライバの一つが失陥したとしても、残りのドライバの駆動を確保することができる。特に、アクチュエータとして、車両用電気式ブレーキのモータを備えた場合、少なくとも3輪で制動力を確保することが可能となり、モータの大型化を回避しつつ、確実に制動力を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるブレーキ装置の全体構成を表す図である。運転者の操作するブレーキペダル1には、運転者の操作情報を検出するセンサとして、第1ストロークセンサ2,第2ストロークセンサ3及び踏力センサ4が設けられている。検出された各種センサ信号は、コントロールユニット10に出力される。 車両の各輪FR,FL,RR,FLには、電気式ブレーキとしてモータM1,M2,M3,M4と、各モータに駆動信号を出力するモータドライバMd1,Md2,Md3,Md4が設けられている。
【0009】
コントロールユニット10には、第1通信ポート11と第2通信ポート12が設けられている。この第1通信ポート11と第2通信ポート12の間はバスバー13によって連通されている。また、バスバー13には、各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4と接続する通信線14,15,16,17が設けられている。以上の構成においてCAN通信により信号の送受信が成される。このようにバスバー13をループ状に構成し、このループに各ドライバを接続することで、バスバー13と各ドライバとの間で断線が発生したとしても、それ以外のドライバに対し電気信号を送信することができる(請求項1に対応)。
【0010】
コントロールユニット10は、検出された運転者のブレーキペダル操作情報に基づいて各輪に要求される制動力を演算する制動力演算部10cと、第1通信ポート11と接続された第1通信手段10aと、第2通信ポート12と接続された第2通信手段10bを備えている。第1通信手段10aと第2通信手段10bは、制動力演算部10cからの信号を受信すると共に、情報を相互に監視している。制動力演算部10cにより演算された制動力に応じた電気信号は、第1通信ポート11及び第2通信ポート12のどちらからも送信可能に構成されている。
【0011】
本実施の形態1においては、基本的には第1通信ポート11から電気信号が出力され、各モータドライバに送信されると共に第2通信ポートにも電気信号が送信される。第2通信ポート12では、受信した電気信号により通信確認を行う。
【0012】
図2は実施の形態1におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【0013】
ステップ101では、第1通信手段10aにより第1通信ポート11から電気信号を送信する。
【0014】
ステップ102では、第2通信手段10bにより第2通信ポート12が第1通信ポート11から送信された電気信号を受信したかどうかを判断し、受信したときはCAN通信回路が正常であると判断してステップ103へ進み、それ以外はステップ107へ進む。
【0015】
ステップ103では、各輪のモータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0016】
ステップ104では、異常箇所の特定及び通信モードの選択を行う。
【0017】
ステップ105では、第1通信ポート11から通信可能なドライバに電気信号を送信する。
【0018】
ステップ106では、第2通信ポート12から通信可能なドライバに電気信号を送信する。
【0019】
次に、上記制御内容について各断線箇所に基づいて説明する。
〔a点断線時〕
a点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信可能である。このとき、車輪FRのモータドライバMd1のみが受信不能となり、それ以外の車輪におけるモータドライバMd2,Md3,Md4は受信可能である。よって、ステップ101→ステップ102→ステップ103へと進み、3輪での制動力を発生する(請求項1に対応)。尚、b点、c点、d点においても同じ作用であるため説明を省略する。ここで、a,b,c,d各点における断線検知は、例えば電気信号の電圧変化などから検知すればよいが特に限定しない。
【0020】
〔e点断線時〕
e点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。e点が断線すると、第1通信ポート11から送信された信号は、どの車輪のモータドライバにも送信不可能である。よって、第1通信ポート11からは電気信号を送信せず、第2通信ポート12から4輪へ電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0021】
〔i点断線時〕
i点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。i点が断線すると、第2通信ポート12から送信された信号は、どの車輪のモータドライバにも送信不可能である。よって、第2通信ポート12からは電気信号を通信せず、第1通信ポート11から4輪へ電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0022】
〔f点断線時〕
f点が断線したときは、第1通信ポート11から送信された信号は第2通信ポート12で受信不能である。このとき、ステップ104において異常箇所の特定及び通信モードの選択が行われる。f点が断線すると、第1通信ポート11から送信された信号はFR輪のモータドライバMd1にのみ送信可能であり、第2通信ポート12からは残りの車輪のモータドライバに送信可能である。よって、第1通信ポート11からはモータドライバMd1にのみ電気信号を送信し、第2通信ポート12からはモータドライバMd2,Md3,Md4に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0023】
〔g点断線時〕
g点が断線したときは、f点断線時と同様に、第1通信ポート11からモータドライバMd1,Md3に電気信号を送信し、第2通信ポート12からモータドライバMd2,Md4に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0024】
〔h点断線時〕
h点が断線したときは、f点,g点断線時と同様に、第1通信ポート11からモータドライバMd1,Md3,Md4に電気信号を送信し、第2通信ポート12からモータドライバMd2に電気信号を送信し、4輪制動を可能とする(請求項2,3に対応)。
【0025】
ここで、図3に従来技術におけるCAN通信回路を示す。この回路は、第1通信ポート11からFR輪とRL輪のモータドライバMd1,Md4に電気信号を送信する第1系統と、第2通信ポート12からFL輪とRR輪のモータドライバMd2,Md3に電気信号を送信する第2系統が設けられている。このとき、図3中j点、もしくはk点が断線すると、第1系統もしくは第2系統に接続された2輪が制動不能となり、残りの2輪で制動力を確保する必要があるためモータの大型化を招く虞がある。これに対し、実施の形態1におけるCAN通信回路を備えたブレーキ装置にあっては、CAN通信回路のどの部分が断線したとしても、少なくとも3輪での制動が可能となり、モータ等の大型化を防止することができる。また、バスバー13上のどの部分が断線しても、確実に4輪で制動することが可能となり、安定したブレーキ制御を達成することができる。
【0026】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。全体構成は実施の形態1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
【0027】
図4は実施の形態2におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。ステップ101〜ステップ103は実施の形態1と同じであるためステップ201とステップ202について説明する。
【0028】
ステップ201では、第1通信ポート11から各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0029】
ステップ202では、第2通信ポート12から各モータドライバMd1,Md2,Md3,Md4に電気信号を送信する。
【0030】
実施の形態1にあっては、異常箇所の特定をし、通信モードを選択していたが、実施の形態2では、このステップを排除した点が異なる。すなわち、CAN通信回路のどこかが断線した場合、第1通信ポート11及び第2通信ポート12の両方から全てのモータドライバに対して電気信号を送信することとした。これにより、異常箇所の特定等を行うことなく、バスバー13が断線したときに確実に4輪で制動力を発生することができる。
【0031】
(実施の形態3)
図5は実施の形態3の全体構成を表すシステム図である。本実施の形態3におけるブレーキシステムは、前輪側に油圧式のブレーキバイワイヤ制御手段が設けられ、後輪側に実施の形態1,2と同様の電気式のブレーキ制御手段が設けられている。
【0032】
前輪側の油圧式ブレーキバイワイヤ制御手段は、FR輪には実施の形態1におけるモータM1の代わりに、油圧により制動力を発生する油圧キャリパH1が設けられている。また、実施の形態1におけるモータドライバMd1の代わりに油圧キャリパH1に供給する油圧を制御するFR用油圧ドライバHd1が設けられている。同様にFL輪には油圧により制動力を発生する油圧キャリパH2と、油圧キャリパH2に供給する油圧を制御するFL用油圧ドライバHd2が設けられている。
【0033】
前輪側の油圧式ブレーキバイワイヤ制御手段は、ブレーキバイワイヤ系統と、運転者のブレーキペダル操作により発生するマスタシリンダ圧をそのまま油圧キャリパH1,H2に供給する通常ブレーキ系統とから構成されている。そして、この二つのブレーキ系統は、ピストン等を介して接続されており、例えブレーキバイワイヤ系統に失陥が生じた場合であっても、独立した通常ブレーキ系統を用いて制動することができるよう構成されている。
【0034】
基本的なCAN通信回路における制御内容については実施の形態1,2と同様であるため省略する。このように、電気式ブレーキと油圧式ブレーキが併存したブレーキ装置であっても、本願発明のCAN通信回路を適用することで、安定したブレーキ制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【図2】実施の形態1におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【図3】従来のブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【図4】実施の形態2におけるCAN通信を用いた信号送信制御内容を表すフローチャートである。
【図5】実施の形態3におけるブレーキ制御装置のシステム構成を表す全体システム図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 第1ストロークセンサ
3 第2ストロークセンサ
4 踏力センサ
10 コントロールユニット
11 第1通信ポート
12 第2通信ポート
13 バスバー
Claims (3)
- 第1CAN通信ポートと第2CAN通信ポートを有するコントロールユニットと、
前記第1及び第2CAN通信ポート間を連通するバスバーと、
前記バスバーに連通し、前記コントロールユニットから出力された信号に基づいてアクチュエータを駆動する複数のドライバとを備え、
前記コントロールユニットに、前記第1CAN通信ポートから前記バスバーを通って前記複数のドライバに信号を送信すると共に、前記第2CAN通信ポートに送信する第1通信手段と、前記第2CAN通信ポートに送信された信号により通信確認する第2通信手段と、
を設けたことを特徴とするCAN通信回路。 - 請求項1に記載のCAN通信回路において、
前記第2通信手段により通信確認できなかったときは、少なくとも前記第2通信手段により前記第2CAN通信ポートから前記複数のドライバに信号を送信することを特徴とするCAN通信回路。 - 請求項1または請求項2に記載のCAN通信回路を備え、
前記アクチュエータを、車両の複数の車輪に設けられた電気式ブレーキのモータとしたことを特徴とする車両用電気式ブレーキを備えたブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003208876A JP2005067243A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | ブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003208876A JP2005067243A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | ブレーキ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005067243A true JP2005067243A (ja) | 2005-03-17 |
Family
ID=34401991
Family Applications (1)
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JP2003208876A Pending JP2005067243A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | ブレーキ制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114274935A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-05 | 瀚德万安(上海)电控制动系统有限公司 | 基于can总线的电动制动系统 |
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2003
- 2003-08-26 JP JP2003208876A patent/JP2005067243A/ja active Pending
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