JP2005066707A - スローアウェイチップのクランプ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップやホルダにそれほど高い精度を要さずともチップを安定して支持することができ、しかも勝手違いのホルダに対してもそのままチップを装着することが可能なチップのクランプ機構を提供する。
【解決手段】チップ取付座4に、取付座底面4Aと、この取付座底面4A側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びてクランプ手段17により離接可能とされた一対の取付座壁面4B,4Cとを備えて、チップ5の後端部6には、取付座底面4Aに当接可能な着座面8A,8Bとこの着座面8A,8B側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びて取付座壁面4B,4Cに当接可能とされる一対の当接面9A,10A,9B,10Bとを、着座面8A,8Bに平行な仮想平面Pに対して互いに面対称に2組備える。
【選択図】 図3
【解決手段】チップ取付座4に、取付座底面4Aと、この取付座底面4A側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びてクランプ手段17により離接可能とされた一対の取付座壁面4B,4Cとを備えて、チップ5の後端部6には、取付座底面4Aに当接可能な着座面8A,8Bとこの着座面8A,8B側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びて取付座壁面4B,4Cに当接可能とされる一対の当接面9A,10A,9B,10Bとを、着座面8A,8Bに平行な仮想平面Pに対して互いに面対称に2組備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スローアウェイ式の中ぐりバイト等においてスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)をホルダに着脱可能に装着するためのチップのクランプ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のチップクランプ機構としては、例えば特許文献1や特許文献2に、ホルダの先端に支持座を設けて、チップの一側面を支持座の底面で、チップの下面と後端面を支持座の壁面で支持するとともに、チップの上面には凹部や斜面を形成して、この凹部や斜面と上記下面および上記一側面とによりチップの断面を台形状とし、クランプねじをねじ込むことによって該クランプネジのテーパ頭部でこの凹部や斜面を加圧してチップをクランプするようにしたものが提案されている。
【0003】
また、特許文献3には、シャンク(ホルダ)の先端部に互いに対向する一対のチップ拘束面を凸V字状あるいは凹V字状に形成するとともに、これらのチップ拘束面に当接するチップの上下面を凹V字状あるいは凸V字状に形成して、クランプ手段によって上記一対のチップ拘束面を互いに近づく方向に接近させることにより、これらチップ拘束面とチップ上下面との面接触や線接触によってチップをクランプするようにしたものも提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−61713号公報
【特許文献2】
特開2000−246515号公報
【特許文献3】
特開2002−273608号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら特許文献1〜3に記載されたクランプ機構におけるホルダは、いずれもホルダの先端部に設けられたチップ取付座に、チップがその切刃部を該長手方向に平行に先端側に突出させて装着される、いわゆるストレートシャンクタイプの構成とされている。ところが、このようなチップが取りつけられるホルダとしては、例えば串刃刃物台に装着するためのものとして、チップがその切刃部をホルダの長手方向に対して垂直な左右方向に突出させるようにして装着されるものも知られている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のクランプ機構では、チップの上記凹部や斜面が形成された部分における断面が上記一側面を底辺とする台形状となるため、このように切刃部をホルダの長手方向に対して垂直に突出させてチップを装着するにしても、上記一側面がホルダ後端側を向くようにしかチップを取り付けることができず、これに伴い切刃部もホルダ先端部の左右いずれか一方の側にしか突出させることができない。従って、上記串刃刃物台用のホルダにおいて、これとは逆にホルダ先端部の左右の他方の側に切刃部を突出させるようにしてチップが装着される、いわゆる勝手違いのホルダに対しては、チップもその断面がなす台形が上記断面とは反対向きの対称形とされた勝手違いのチップを用意しなければならなくなって、工具品種の集約の妨げとなったり、チップの管理が煩雑となったりしてしまうという問題があった。
【0007】
一方、特許文献3に記載のクランプ機構においては、チップの拘束面に当接する部分はその上下面が凹または凸の断面V字状とされているため、これら上下面がなすV字の2等分線を一致させてこの2等分線に沿った仮想平面に対し上下面を対称に形成すれば、上述のように切刃部をホルダの長手方向に対して垂直に突出させる場合でも、切刃部をホルダ先端部の左右いずれの側にも突出するようにチップを装着することが可能である。しかしながら、この特許文献3記載のクランプ機構では、これらチップ上下面の凹あるいは凸のV字とホルダ側のチップ拘束面がなす凸あるいは凹のV字とがそれぞれ面接触または線接触して、チップが4面支持あるいは4線支持されることによりクランプされる構成であるため、これらチップ上下面とチップ拘束面との凹凸V字が高精度に成形されていなければチップの取り付けが不安定となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされたもので、チップやホルダにそれほど高い精度を要さずともチップを安定して支持することができ、しかも勝手違いのホルダに対してもそのままチップを装着することが可能なチップのクランプ機構を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、ホルダの先端部に形成されたチップ取付座に、先端に切刃部が突設されたチップの後端部を挿入してクランプ手段により着脱可能に装着するチップのクランプ機構であって、上記チップ取付座に、取付座底面と、この取付座底面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる一対の取付座壁面とを備えて、これらの取付座壁面を上記クランプ手段によって離接可能とするとともに、上記チップの後端部には、上記取付座底面に当接可能な着座面とこの着座面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びて上記一対の取付座壁面に当接可能とされる一対の当接面とを、上記着座面に平行な仮想平面に対して互いに面対称に2組備えたことを特徴とする。
【0010】
従って、このようなチップのクランプ機構によれば、チップ取付座の取付座底面から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる上記一対の取付座壁面をクランプ手段によって接近させることにより、このチップ取付座に挿入されたチップの後端部が上記取付座底面側に押し付けられて、これら取付座底面および一対の取付座壁面とチップ後端部の上記着座面および一対の当接面との当接による3面支持あるいは3線支持によってチップが支持されて装着されるので、チップやチップ取付座の精度に拘わらず確実に安定してチップを取りつけることが可能となる。また、こうして取付座底面から離間する方向に一対の取付座壁面が互いに接近するように形成されることにより、該取付座底面および一対の取付座壁面は互いに鋭角に交差する方向に配設されることとなり、従って上述のようにチップ後端部が押し付けられて支持される際にはクサビ効果が生じるので、より強固なクランプ力を得ることもできる。
【0011】
そして、このチップ後端部には、これら着座面および一対の当接面が着座面に平行な仮想平面に対して互いに面対称に2組備えられているので、上述の勝手違いのホルダに装着する場合には、他の組の着座面および一対の当接面を該ホルダに形成されたチップ取付座の取付座底面および一対の取付座壁面に当接させるようにすればよく、1種のチップを異なる勝手のホルダに装着することが可能となって工具品種の集約やチップ管理の簡略化を図ることができる。
【0012】
ここで、チップやチップ取付座の精度に拘わらず一層確実にチップを安定して支持するには、上記取付座底面に、該取付座底面に沿って上記クランプ手段により上記一対の取付座壁面が離接する方向に垂直な方向に延びる凹溝部を形成するのが望ましく、このような凹溝部を形成することにより、チップの着座面が全面的に密着して取付座底面に当接可能な精度に仕上がっていなくても、安定した取り付けを図ることができる。
【0013】
一方、上述のようにチップ取付座に取りつけられたチップは、クランプ手段によってチップ取付座の一対の取付座壁面を僅かに離間させることにより、その後端部をチップ取付座から抜き外して速やかに着脱することが可能であるが、このとき、上記一対の当接面の一方が形成される上記チップの後端部上面の後端側に、この上面に20〜70°の角度で交差して後端側に向かうに従い下面側に向かう面取り部を、この後端部の後端面から先端側に向けて2〜10mmの範囲で形成することにより、チップの後端部がチップ取付座から完全に抜け出る前に、この面取り部に沿ってチップを上方に引き上げて抜き出すことができ、チップの一層迅速な着脱を促すことが可能となる。
【0014】
さらに、上記切刃部は、その切刃が、上記チップの後端部の上面から下面側に向けてこれら上下面間の距離の25〜45%内の位置となるように上記後端部から突設することにより、このようなチップをホルダに装着した状態での切刃からホルダ上面までの高さを低く抑えることができるので、こうしてチップを装着したホルダを交換する際にホルダ同士が干渉したりするのを避けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものであり、図4ないし図6はこの第1の実施形態のクランプ機構によって取り付けられるチップを示すものである。本実施形態においてホルダ1は、その後端側(図1および図2において右側)が略正四角柱状とされたシャンク部2とされるとともに、先端部3はその上面部3Aがシャンク部2の上面2Aよりも一段盛り上がるように形成され、この先端部3にチップ取付座4が形成されている。ここで、本実施形態におけるチップ取付座4は、図2に示すように上記先端部3の先端面3Bすなわちホルダ1の先端面に開口するとともに先端部3の一方の側面3Cにも開口し、該ホルダ1の長手方向(図1および図2における左右方向)に延びる凹溝状に形成されている。
【0016】
このチップ取付座4に装着されるチップ5は、超硬合金等の硬質材料によって形成され、図4ないし図6に示すように、チップ取付座4がなす上記凹溝に先端面3B側から挿入可能とされた断面略凸六角形状をなす後端部6と、こうしてこの後端部6を挿入して当該チップ5をチップ取付座4に着座させた状態でホルダ1の上記先端面3Bから上記長手方向に平行に先端側に突出させられる切刃部7とが一体に形成された構成とされている。そして、このうち後端部6は、図6に示すように、着座面8A,8Bとされる両側面が互いに平行とされるとともに、上下面9,10がそれぞれ上下に凸となるV字状をなして、上記長手方向に延びるように形成されることにより上述のような断面凸六角形状とされ、この六角形は上記着座面8A,8Bに平行かつ該着座面8A,8B間の中央に位置する仮想平面Pに対して面対称となるように形成されている。
【0017】
従って、この後端部6の上下面9,10がなす上記凸V字を形成する各一対の斜面は、それぞれその一方ずつが上記着座面8A,8Bの一方に対して該着座面8A,8Bから他方の着座面8B,8A側に離間する方向に向けて互いに接近するように延びることとなり、この着座面8A,8Bの一方に対する当接面9A,10Aまたは当接面9B,10Bとされる。すなわち、着座面8Aに対しては、この着座面8Aから反対の着座面8B側に離間する方向(図6において右側方向)に向けて互いに接近するように延びる上下面9,10の斜面が当接面9A,10Aとされ、着座面8Bに対しては、この着座面8Bから反対の着座面8A側に離間する方向(図6において左側方向)に向けて互いに接近する上下面9,10の斜面が当接面9B,10Bとされ、このように組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bとが上記仮想平面Pに対して対称に配設されることとなる。また、これにより、上記組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bは、それぞれにおいて互いに鋭角に交差する方向に配設されることにもなる。
【0018】
ここで、本実施形態では、このチップ5の後端部6は、上記着座面8A,8Bを上下に二等分するように該着座面8A,8Bと垂直に交差して上記長手方向に延びる仮想平面Qに対しても略面対称となるように形成されており、従ってこの後端部6の断面がなす上記凸六角形は、その相対する辺同士が互いに平行とされた形状とされ、すなわち着座面8A,8B同士以外の当接面9A,10B同士、および当接面9B,10A同士もそれぞれ互いに平行とされている。また、このチップ5の後端部6の断面がなす六角形は、上記着座面8A,8Bに対応する各辺が他の当接面9A,9B,10A,10Bに対応する各辺よりも長くされた縦長形状をなすようにもされている。
【0019】
なお、本実施形態では、この後端部6の上記上面9においては、その当接面9A,9Bの上記長手方向略中央部がこれよりも両端側に対し、上述のような凸V字形状を維持したまま僅かに一段突出する平面状に形成されるとともに、下面10においては逆にその当接面10A,10Bの上記長手方向略両端部がその間の部分に対し、やはり凸V字形状のまま僅かに一段突出する平面状に形成されている。従って、本実施形態では厳密にはこれら一段突出した部分がそれぞれ当接面9A,9B,10A,10Bとされる。
【0020】
ただし、上面9の略中央部の突出した部分は、上記長手方向において下面10の略両端部の凹んだ部分の間に位置するようにされている。また、これら上面9の上記当接面9A,9B同士および下面10の当接面10A,10B同士がそれぞれ交差する、上面9,10がなす凸V字の頂点部分には、突出した上面9の当接面9A,9B略中央部および下面10の当接面10A,10Bの略両端部よりもさらに僅かに突出する断面方形の突条部9C,10Cが、上記長手方向に沿って形成されている。
【0021】
さらにまた、本実施形態に係わるチップ5では、これらの当接面9A,9B,10A,10Bのうち一対の当接面9A,9Bが形成される後端部6の上面9の後端側に、この後端側に向かうに従い該後端部6の下面10側に向かう面取り部11が形成されている。ここで、本実施形態ではこの面取り部11は、後端側に向けて上面9に対する角度θA,θBが大きくなる複数(本実施形態では2つ)の面取り部11A,11Bによって構成されていて、この角度θA,θBは20〜70°の範囲とされるとともに、後端部6の後端面12から先端側に向けて2〜10mmの範囲Lで形成されている。なお、本実施形態ではこの後端面12は上記長手方向に垂直となるように形成されている。さらに、本実施形態では、この後端部6の下面10の後端側にも、この後端側に向かうに従い上面9側に向かう面取り部13が形成されている。
【0022】
また、このチップ5の先端側に形成される上記切刃部7は、後端部6の先端から上記長手方向に延びるように軸状の柄部7Aが形成され、この柄部7Aの先端側上半分部分が上記仮想平面Qに略平行に切り欠かれるようにして、この切欠面をすくい面7Bとしてその先端に切刃7Cが形成された構成とされている。ただし、この柄部7Aは、本実施形態では図4および図6に示されるように、後端部6の上記着座面8A,8Bのうち一の着座面8B側に偏った位置から延びるようにされていて、この着座面8B側の側面が該着座面8Bと面一とされている。なお、この柄部7Aの上記側面以外の根元部分は、他の着座面8Aおよび上下面9,10に向けては、それぞれ凹曲面部14A〜14Cを介して連なるように形成されている。
【0023】
さらに、この柄部7A先端の上記切刃7Cは、こうして柄部7Aが偏らされた後端部6の上記着座面8Bよりも僅かに突出するように形成されており、従ってこのチップ5はこの切刃7Cが左右いずれか(本実施形態では上面視において図1に示すように左側)に向けられた勝手付きのチップとされている。また、この切刃7Cは、上記仮想平面Pに沿った方向においては、上記仮想平面Qと上面9との間に位置するように配設されており、特に本実施形態では図5に示すように、チップ5の後端部6の上記上面9(ただし、突条部9Cの上端)から下面10側に向けての切刃7Cまでの距離Mが、これら上下面9,10間の距離(ただし、上記突条部9C,10C間の距離)Nの25〜45%内に位置するように配設されている。
【0024】
このようなチップ5が装着されるチップ取付座4は、該チップ取付座4が上述のようになす凹溝の上記長手方向に直交する断面が、図3に示すようにチップ5の後端部6が挿入可能な略凸六角形状をなすように形成されており、この六角形の1辺に当たる部分が上述のようにホルダ1の先端部3の上記側面3Cに開口するようにされている。そして、このチップ取付座4がなす凹溝の溝底部分、すなわち上記側面3Cに開口した凸六角形の1辺に対向する反対側の1辺に当たる部分が取付座底面4Aとされるとともに、この凹溝の壁面のうち上記取付座底面4A側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる部分、すなわち上記凸六角形の残りの4辺のうち上記側面3Cに開口した1辺に交差する2辺に当たる部分が、一対の取付座壁面4B,4Cとされている。従って、これら取付座底面4Aと取付座壁面4B,4Cも、それぞれ互いに鋭角に交差する方向に配設される。なお、チップ取付座4の上記長手方向後端側に位置して先端側を向く端面4Dは、この長手方向に垂直とされている。
【0025】
また、ホルダ1の先端部3には、上記チップ取付座4内の取付座底面4Aの上側において該取付座底面4Aに対して垂直となるように開口し、かつ上記側面3Cとは反対側の先端部3の側面3Dにまで貫通するスリット15が、先端部3の先端面3Bから後端側に向けて上記シャンク2の上面2Aの延長面に略沿うように形成されている。従って、チップ取付座4の上記一対の取付座壁面4B,4Cのうち一方の取付座壁面4Bは、このスリット15によって分けられた先端部3の上記上面部3A側に形成されることとなり、他方の取付座壁面4Cは先端部3の下面部3E側に形成される。
【0026】
ただし、このスリット15は、先端部3の一段盛り上がった上記上面部3Aの後壁面3Fにまでは達しておらず、図2に示すようにこの後壁面3Fとスリット15との間には、肉厚の小さくされた可撓部3Gが残されるようにされている。従って、上記上面部3Aは、この可撓部3Gが撓むことにより、スリット15の幅を拡大あるいは縮小して下面部3Eに対し離接するように弾性変形可能とされている。
【0027】
さらに、このホルダ1の先端部3には、チップ取付座4を避けるようにしてその上記側面3D側に、上面部3Aをスリット15に対して垂直に貫通する挿通穴16と、この挿通穴16と同軸にスリット15に開口するように下面部3Eに穿設される図示されないネジ孔とが形成されており、上記挿通穴16に頭付きのクランプネジ17を挿通してこのネジ孔にねじ込むことにより、該クランプネジ17の頭部17Aによって上面部3Aが押圧されて弾性的に下面部3E側に接近可能、かつこの状態からクランプネジ17を緩めることによって下面部3E側から離間可能とされ、これに伴いこれら上下面部3A,3Eに形成された上記取付座壁面4B,4Cも離接可能とされる。すなわち、本実施形態ではこのクランプネジ17が、取付座壁面4B,4Cを離接せしめるクランプ手段とされる。そして、このクランプネジ17を緩めた状態で、チップ取付座4の取付座底面4Aに対して上記取付座壁面4B,4Cがなす角度は、チップ5の後端部6において組をなす着座面8A,8Bに対して当接面9A,9Bおよび当接面10A,10Bがなす角度と等しくされている。
【0028】
なお、チップ取付座4がなす上記凹溝の壁面のうち取付座壁面4B,4Cを除いた部分、すなわち上記凸六角形の取付座底面4Aに交差する2辺に当たる部分の壁面4E,4Fは、図3に示すようにチップ5の後端部6をチップ取付座4に着座させた状態において、該チップ5の後端部6の上記仮想平面Pに関してこれら取付座壁面4B,4Cと面対称となる平面よりも僅かに後退するように形成されている。また、これらの壁面4E,4Fと上記取付座底面4Aおよび取付座壁面4B,4Cとの交差稜線部には、断面略半円状の逃げ部4G…が該稜線部に沿って形成されており、特に壁面4E,4Fと取付座壁面4B,4Cとの交差稜線部に形成される逃げ部4G,4Gは、チップ5の後端部6の上記突条部9C,10Cを収容可能な大きさとされている。
【0029】
さらに、上記スリット15は、取付座底面4A上側において、上記上面部3A側の壁面4Eとの交差稜線部に形成された逃げ部4Gに連通するように開口されており、従ってこの取付座底面4Aは下面部3E側のみに形成されて、上面部3A側には残されないこととなる。そして、さらにまた本実施形態では、この下面部3Eに形成された取付座底面4Aの上下方向略中央に、上記長手方向すなわちクランプ手段としての上記クランプネジ17により上記取付座壁面4B,4Cが離接する方向(上下方向)に垂直な方向に延びる凹溝部4Hが形成されている。ここで、この凹溝部4Hは、本実施形態ではその底面が上記逃げ部4Gよりも曲率半径が大きく、かつ溝深さの浅い円弧状とされている。
【0030】
このように構成された本実施形態のクランプ機構により、ホルダ1の上記チップ取付座4に上記チップ5を装着するには、まずクランプネジ17を緩めた状態で、チップ5の切刃部7におけるすくい面7Bを上向きにして切刃7Cが突出した側をホルダ1の先端部3の側面3C側にし、この切刃7Cが突出した側とは反対側の着座面8Aをチップ取付座4の取付座底面4Aに対向させるとともに、この着座面8Aと組をなす当接面9A,10Aを取付座壁面4B,4Cに対向させるようにして、このチップ5の後端部6を、ホルダ1の先端部3の先端面3B側から上記長手方向後端側に向けて、その上記後端面12がチップ取付座4の上記端面4Dに当接するまでチップ取付座4に挿入する。
【0031】
そして、こうして後端面12が端面4Dに当接してチップ5が位置決めされたなら、上記クランプネジ17をねじ込んで上面部3Aを弾性変形させることにより、取付座壁面4Aを取付座壁面4B側に接近させて当接面9Aに当接させ、該当接面9Aを押圧する。すると、チップ5の後端部6は、この取付座壁面4Aと当接面9Aとの当接および取付座壁面4Bと当接面9Bとの当接と、これに伴って後端部6が取付座底面4A側に押し付けられることによるこの取付座底面4Aと着座面8Aとの当接とにより、3つの面によってチップ取付座4に支持された状態となってホルダ1の先端部3に固定される。
【0032】
従って、このようなクランプ機構によれば、こうしてチップ5がその後端部6の組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aとチップ取付座4の取付座底面4Aおよび取付座壁面4B,4Cとの3つの面同士の拘束で支持され、他の組の着座面8Bおよび当接面9B,10Bは、上記側面3Cへのチップ取付座4の開口部に臨んでいたり、チップ取付座4の上記壁面4E,4Fと間隔を開けて対向していたりするだけとなり、装着に関与することがない。このため、上記特許文献3記載のクランプ機構のようにこれら2組の着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bとをそれほど厳密に上記仮想平面Pに対称となるように形成せずとも、確実に後端部6をチップ取付座4に支持してチップ5をホルダ1に装着することが可能となる。
【0033】
また、チップ取付座4においては、上述のように取付座底面4Aと取付座壁面4B,4Cとが互いに鋭角に交差する方向に配設されていて、上記クランプネジ17をねじ込んで取付座壁面4Bを取付座壁面4C側に向けて接近させ、当接面4Bと当接させて押圧することにより、チップ5の後端部6は取付座底面4Aと取付座壁面4Cとが交差する上記壁面4F側に向けて押し込まれるようにしてこれら取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cとも当接し、上述のような3面支持で固定されることとなる。従って、その際にはこれら取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cとチップ5の後端部6との間に、いわゆるクサビ効果が生じるので、3面支持でも強固なクランプ力を得ることができて、切削時のビビリ振動を抑制することが可能となる。
【0034】
なお、本実施形態では、チップ5の後端部6の着座面8Aに対して当接面9A,10Aがなす角度と、チップ取付座4の取付座底面4Aに対して取付座壁面4B,4Cがなす角度を、互いに当接する面同士で互いに等しくして、これら着座面8Aと取付座底面4A、および当接面9A,10Aと取付座壁面4B,4Cとが全面的に密着して当接するようにしているが、例えばこれら互いに当接する面同士の少なくとも一方においてその角度を僅かに異なるものとしたりして、この面同士が上記長手方向に延びるその縁部などで線当たりして当接するようにされていてもよく、仮に互いに当接する3つの面同士すべてがこのような線当たりで当接していたとしても、後端部6は3線支持、すなわち上記長手方向に垂直な断面においては安定的な3点支持されるとともに上記クサビ効果も維持されるので、確実にチップ5をクランプすることが可能となる。言い換えれば、上記構成のクランプ機構によれば、例えばチップ5の上記組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10A間においても厳密な成形精度が要求されることはなく、上記角度に多少の誤差が生じたりしていてもチップ5を確実にクランプ可能であるので、チップ5の成形、製造をきわめて容易とすることができる。
【0035】
しかも、本実施形態では、比較的広い面積でチップ5の上記着座面8Aと当接して面当たりすることとなる上記取付座底面4Aに、取付座壁面4B,4Cが離接する方向に垂直な方向すなわち上記長手方向に沿って延びる凹溝部4Hが形成されており、従ってこの凹溝部4Hに相対する部分では着座面8Aに凸凹があったりしても、クランプされたチップ5にがたつきが生じたりすることはない。また、こうして凹溝部4Hを形成することにより、例えばチップ5の着座面8Aやチップ取付座4の取付座底面4Aが上下方向に向けて凸状に湾曲していたりしても、この凹溝部4Hと取付座底面4Aとの交差稜線部による線当たりで着座面8Aを確実に支持することができるので、このようなチップ5やチップ取付座4の成形精度に拘わらず、より一層確実にチップ5を安定して支持することが可能となる。
【0036】
さらに、本実施形態では、このチップ5の後端部6における上下面9,10についても、上面9においてはその長手方向略中央部に、また下面10においてはその長手方向略両端部に、それぞれ一段突出する部分が形成された段面状とされており、従って実質的にはこれら突出した部分が当接面9A,10Aとして取付座壁面4B,4Cと当接させられることとなるので、これ以外の上下面9,10の一段凹んだ部分にはさらに厳密な精度を要することがなくなって、チップ5の成形を一層容易とすることが可能となる。加えて、このように上面9側の当接面9Aが後端部6の長手方向中央部に、下面10側の当接面10Aが長手方向両端部側に配設されることにより、この長手方向(もしくは仮想平面Pに沿った方向)においても後端部6は3点支持となるので、より安定して後端部6をチップ取付座4に支持してチップ5をホルダ1に固定することが可能となり、上下面9,10が段差面とされて当接面9A,10Aの面積が小さくなっても、十分な取付剛性をチップ5に確保することができる。
【0037】
そして、その一方で、このチップ5の後端部6には、こうして組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aに対して上記仮想平面Pに関し面対称となるように、他の一組の組をなす着座面8Bおよび当接面9B,10Bが形成されており、従ってこのようなチップ5を、例えば図7ないし図10に示す本発明の第2の実施形態のように、第1の実施形態のホルダ1とは勝手違いのホルダ21に装着する場合でも、当該チップ5をそのまま使用することが可能となる。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を簡略化する。
【0038】
ここで、この第2の実施形態におけるホルダ21は串刃刃物台用のものであって、該ホルダ21のシャンク2はその先端が折れ曲がったL字状に形成され、チップ取付座4が形成される先端部3は、この折れ曲がった部分の先端に、刃物台に装着されるシャンク2後端部に対して、上記先端が折れ曲がった側に偏って設けられている。そして、チップ取付座4は、上記シャンク2先端が折れ曲がった側とは反対側を向くこの先端部3の側面3C先端側に開口して、ホルダ1の長手方向(図7において右奥側から左手前側に向かう方向)に対して垂直に上記折れ曲がった側に向けて延びるように形成されており、このチップ取付座4の断面がなす凸六角形の上記取付座底面4Aに対向する辺に相当する部分は、本実施形態では先端部3の先端面3Bに開口させられている。さらに、クランプ手段としてのクランプネジ17は、やはりこのチップ取付座4を避けるようにして該チップ取付座と先端部3の可撓部3Gとの間にねじ込まれている。
【0039】
このように構成された第2の実施形態のクランプ機構において、チップ5をホルダ21に装着するには、チップ5の切刃部7におけるすくい面7Bをやはり上向きにして、その後端部6を上記側面3C側から上記長手方向に垂直な方向にチップ取付座4に挿入し、クランプネジ17をねじ込む。このとき、このチップ5の後端部6においては、図10に示すように上記他の組をなす着座面8Bが取付座底面4Aに対向させられるとともに、当接面9B,10Bが取付座壁面4B,4Cに対向させられて、クランプネジ17のねじ込みによって取付座壁面4Bが取付座壁面4C側に接近することにより当接面9Bに当接して該当接面9Bを押圧し、これによって第1の実施形態と同様に後端部6が取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cに押し付けられてチップ5がクランプされる。
【0040】
従って、このような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にチップ取付座4の取付座底面4Aや取付座壁面4B,4Cあるいはチップ5の後端部6の上記着座面6Bや当接面9B,10Bをそれほど高い精度で成形することなく、該チップ5を確実にクランプすることが可能となる。そして、これら第1、第2の実施形態のように勝手違いのホルダ1,21に対しても同一のチップ5をそのまま装着することが可能であるので、上記構成のクランプ機構によれば、特許文献1,2に記載のクランプ機構に比べて用意すべきチップの品種を半数に削減することができ、すなわち工具品種の大幅な集約を図ることができて、その管理の簡略化や効率化、コストダウン等を促すことが可能となる。
【0041】
さらに、上記クランプ機構において装着したチップ5を取り外す際には、上記クランプネジ17を緩めるだけで弾性変形していた上面部3Aが元に戻って当接面9Aと取付座壁面4Bとの間に隙間があくので、チップ5をホルダ1の先端側あるいは掘る第21の側面3C側に抜き出して簡単に取り外すことができる。そして、このチップ5における後端部6の上面9の後端側には、この上面9に20〜70°の角度θA,θBで交差して後端側に向かうに従い下面10側に向かう面取り部11(11A,11B)が形成されており、従ってこうしてチップ5を取り外す際にも、後端部6がチップ取付座4から完全に抜き出る前に、この面取り部11が抜き出たところでチップ5を上方に引き上げて取り出すことができるので、ホルダ1,21のチップ5抜き出し側に十分なスペースがなくても、チップ5の交換を容易に行うことが可能となる。
【0042】
しかも、本実施形態の面取り部11は、後端側に向けて上面9に対する角度θA,θBが大きくなる複数の面取り部11A,11Bによって構成されており、従ってチップ5を抜き出すほど上方に引き上げやすくなるので、一層容易なチップ5の交換を促すことができる。加えて、この面取り部11の後端側には、チップ5がチップ取付座4に挿入される方向に対して垂直とされた後端面12が残されていて、この後端面12がやはりチップ5の挿入方向に対して垂直とされたチップ取付座4の端面4Dと当接することによりチップ5が位置決めされるので、このチップ5の位置決めを正確かつ容易にすることができるとともに、切削の際に作用する負荷に対しても位置にずれを生じたりすることなく、切刃7Cを確実に所定の位置に保持して精度の良い加工を行うことができる。
【0043】
なお、この面取り部11が上面9に対してなす角度θA,θBが小さすぎて面取り部11が上面に対してなす傾斜が緩やかであったり、あるいは面取り部11が形成される後端面12からの範囲Lが短すぎたりすると、上述のような効果が奏功されなくなるおそれがある。また、逆に角度θA,θBが大きすぎて面取り部11の傾斜が急であったり、面取り部11が形成される範囲Lが長すぎたりすると、上面9と後端面12との交差稜線部がこの面取り部11によって切り欠かれる大きさが大きくなりすぎて、チップ5の挿入方向に対して垂直な後端面12を十分な大きさで確保できなくなるおそれがあるので、角度θA,θBは20〜70°の範囲とされるのが望ましく、また面取り部11は後端面12から2〜10mmの範囲Lで形成されるのが望ましい。
【0044】
さらにまた、本実施形態においては、そのチップ5先端側の切刃部7が、上記チップ取付座4に取り付けられる後端部6の上面9から下面10側に向けての切刃7Cまでの距離Mが、この後端部6の上下面9,10間の距離Nに対して25〜45%内の位置となるように該後端部6から突設させられており、すなわち切刃部7が後端部6の上下面9,10間の中央よりも上側から突出するようにされている。従って、本実施形態のクランプ機構を備えたホルダ1,21にあっては、こうしてチップ5の後端部6の上面9と切刃7Cとの距離Mが小さくされるために、この切刃7Cからホルダ1,21の先端部3の上面までの距離も低く抑えることができ、例えば工作機械に複数のホルダ1,21が取り付けられている場合において工具をホルダ1,21ごと交換するようなときでも、取り外したホルダ1,21が他のホルダ1,21の先端部3上部に引っ掛かって干渉して交換作業に支障を来したりするのを防ぐことができる。
【0045】
また、本実施形態では、チップ取付座4自体もホルダ1,21の先端部3の上側に形成されていて、この先端部3の上面部3Aがスリット15を介して分けられた下面部3Eよりも薄肉とされているので、この先端部3の高さを一層低く抑えて上述のようなホルダ1,21同士の干渉をさらに確実に防止することができる。その一方で、本実施形態では、こうして上面部3Aが薄肉とされることにより、可撓部3Gも比較的薄肉に形成することができ、従って確実に上面部3Aを弾性変形させてチップ5をクランクすることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チップ取付座には、取付座底面と、この取付座底面から離間する方向に向けて互いに接近する方向に延び、クランプ手段によって離接可能とされた一対の取付座壁面とを形成し、またチップ後端部には、取付座底面に当接可能な着座面と、この着座面から離間する方向に向けて互いに接近する取付座壁面に当接可能な一対の当接面とを、上記着座面に平行な仮想平面に対して面対称に2組形成することにより、これら取付座底面と着座面、および各一対の取付座壁面と当接面との当接による3面支持または3線支持によって高い成形精度を要さずともチップを確実にクランプすることができる一方、勝手違いのホルダに対しても同一のチップを装着することが可能となって、工具品種の集約を図ることができ、工具管理の簡略化や効率化、あるいは品種集約によるコストダウンを促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すホルダ1の先端側部分の平面図である。
【図2】図1に示す実施形態の側面図である。
【図3】図1に示す実施形態の正面図である。
【図4】第1、第2の実施形態に装着されるスローアウェイチップ5の平面図である。
【図5】図4に示すスローアウェイチップ5の側面図である。
【図6】図4に示すスローアウェイチップ5の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示す実施形態におけるホルダ21の先端側部分の拡大斜視図である。
【図9】図7に示す実施形態におけるホルダ21の先端側部分を異なる方向から見た拡大斜視図である。
【図10】図7における矢線A方向視の側面図である。
【符号の説明】
1,21 ホルダ
3 ホルダ1,21の先端部
4 チップ取付座
4A 取付座底面
4B,4C 取付座壁面
5 スローアウェイチップ
6 スローアウェイチップ5の後端部
7 切刃部
7C 切刃
8A,8B 着座面
9 スローアウェイチップ5の後端部6の上面
9A,9B,10A,10B 当接面
10 スローアウェイチップ5の後端部の下面
11(11A,11B) 面取り部
17 クランプネジ(クランプ手段)
θA,θB 面取り部11A,11Bの上面9に対する角度
L 面取り部11が形成される範囲
M スローアウェイチップ5の上面9から切刃7Cまでの距離
N スローアウェイチップ5の上下面9,10間の距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、スローアウェイ式の中ぐりバイト等においてスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)をホルダに着脱可能に装着するためのチップのクランプ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のチップクランプ機構としては、例えば特許文献1や特許文献2に、ホルダの先端に支持座を設けて、チップの一側面を支持座の底面で、チップの下面と後端面を支持座の壁面で支持するとともに、チップの上面には凹部や斜面を形成して、この凹部や斜面と上記下面および上記一側面とによりチップの断面を台形状とし、クランプねじをねじ込むことによって該クランプネジのテーパ頭部でこの凹部や斜面を加圧してチップをクランプするようにしたものが提案されている。
【0003】
また、特許文献3には、シャンク(ホルダ)の先端部に互いに対向する一対のチップ拘束面を凸V字状あるいは凹V字状に形成するとともに、これらのチップ拘束面に当接するチップの上下面を凹V字状あるいは凸V字状に形成して、クランプ手段によって上記一対のチップ拘束面を互いに近づく方向に接近させることにより、これらチップ拘束面とチップ上下面との面接触や線接触によってチップをクランプするようにしたものも提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−61713号公報
【特許文献2】
特開2000−246515号公報
【特許文献3】
特開2002−273608号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら特許文献1〜3に記載されたクランプ機構におけるホルダは、いずれもホルダの先端部に設けられたチップ取付座に、チップがその切刃部を該長手方向に平行に先端側に突出させて装着される、いわゆるストレートシャンクタイプの構成とされている。ところが、このようなチップが取りつけられるホルダとしては、例えば串刃刃物台に装着するためのものとして、チップがその切刃部をホルダの長手方向に対して垂直な左右方向に突出させるようにして装着されるものも知られている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のクランプ機構では、チップの上記凹部や斜面が形成された部分における断面が上記一側面を底辺とする台形状となるため、このように切刃部をホルダの長手方向に対して垂直に突出させてチップを装着するにしても、上記一側面がホルダ後端側を向くようにしかチップを取り付けることができず、これに伴い切刃部もホルダ先端部の左右いずれか一方の側にしか突出させることができない。従って、上記串刃刃物台用のホルダにおいて、これとは逆にホルダ先端部の左右の他方の側に切刃部を突出させるようにしてチップが装着される、いわゆる勝手違いのホルダに対しては、チップもその断面がなす台形が上記断面とは反対向きの対称形とされた勝手違いのチップを用意しなければならなくなって、工具品種の集約の妨げとなったり、チップの管理が煩雑となったりしてしまうという問題があった。
【0007】
一方、特許文献3に記載のクランプ機構においては、チップの拘束面に当接する部分はその上下面が凹または凸の断面V字状とされているため、これら上下面がなすV字の2等分線を一致させてこの2等分線に沿った仮想平面に対し上下面を対称に形成すれば、上述のように切刃部をホルダの長手方向に対して垂直に突出させる場合でも、切刃部をホルダ先端部の左右いずれの側にも突出するようにチップを装着することが可能である。しかしながら、この特許文献3記載のクランプ機構では、これらチップ上下面の凹あるいは凸のV字とホルダ側のチップ拘束面がなす凸あるいは凹のV字とがそれぞれ面接触または線接触して、チップが4面支持あるいは4線支持されることによりクランプされる構成であるため、これらチップ上下面とチップ拘束面との凹凸V字が高精度に成形されていなければチップの取り付けが不安定となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされたもので、チップやホルダにそれほど高い精度を要さずともチップを安定して支持することができ、しかも勝手違いのホルダに対してもそのままチップを装着することが可能なチップのクランプ機構を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、ホルダの先端部に形成されたチップ取付座に、先端に切刃部が突設されたチップの後端部を挿入してクランプ手段により着脱可能に装着するチップのクランプ機構であって、上記チップ取付座に、取付座底面と、この取付座底面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる一対の取付座壁面とを備えて、これらの取付座壁面を上記クランプ手段によって離接可能とするとともに、上記チップの後端部には、上記取付座底面に当接可能な着座面とこの着座面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びて上記一対の取付座壁面に当接可能とされる一対の当接面とを、上記着座面に平行な仮想平面に対して互いに面対称に2組備えたことを特徴とする。
【0010】
従って、このようなチップのクランプ機構によれば、チップ取付座の取付座底面から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる上記一対の取付座壁面をクランプ手段によって接近させることにより、このチップ取付座に挿入されたチップの後端部が上記取付座底面側に押し付けられて、これら取付座底面および一対の取付座壁面とチップ後端部の上記着座面および一対の当接面との当接による3面支持あるいは3線支持によってチップが支持されて装着されるので、チップやチップ取付座の精度に拘わらず確実に安定してチップを取りつけることが可能となる。また、こうして取付座底面から離間する方向に一対の取付座壁面が互いに接近するように形成されることにより、該取付座底面および一対の取付座壁面は互いに鋭角に交差する方向に配設されることとなり、従って上述のようにチップ後端部が押し付けられて支持される際にはクサビ効果が生じるので、より強固なクランプ力を得ることもできる。
【0011】
そして、このチップ後端部には、これら着座面および一対の当接面が着座面に平行な仮想平面に対して互いに面対称に2組備えられているので、上述の勝手違いのホルダに装着する場合には、他の組の着座面および一対の当接面を該ホルダに形成されたチップ取付座の取付座底面および一対の取付座壁面に当接させるようにすればよく、1種のチップを異なる勝手のホルダに装着することが可能となって工具品種の集約やチップ管理の簡略化を図ることができる。
【0012】
ここで、チップやチップ取付座の精度に拘わらず一層確実にチップを安定して支持するには、上記取付座底面に、該取付座底面に沿って上記クランプ手段により上記一対の取付座壁面が離接する方向に垂直な方向に延びる凹溝部を形成するのが望ましく、このような凹溝部を形成することにより、チップの着座面が全面的に密着して取付座底面に当接可能な精度に仕上がっていなくても、安定した取り付けを図ることができる。
【0013】
一方、上述のようにチップ取付座に取りつけられたチップは、クランプ手段によってチップ取付座の一対の取付座壁面を僅かに離間させることにより、その後端部をチップ取付座から抜き外して速やかに着脱することが可能であるが、このとき、上記一対の当接面の一方が形成される上記チップの後端部上面の後端側に、この上面に20〜70°の角度で交差して後端側に向かうに従い下面側に向かう面取り部を、この後端部の後端面から先端側に向けて2〜10mmの範囲で形成することにより、チップの後端部がチップ取付座から完全に抜け出る前に、この面取り部に沿ってチップを上方に引き上げて抜き出すことができ、チップの一層迅速な着脱を促すことが可能となる。
【0014】
さらに、上記切刃部は、その切刃が、上記チップの後端部の上面から下面側に向けてこれら上下面間の距離の25〜45%内の位置となるように上記後端部から突設することにより、このようなチップをホルダに装着した状態での切刃からホルダ上面までの高さを低く抑えることができるので、こうしてチップを装着したホルダを交換する際にホルダ同士が干渉したりするのを避けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものであり、図4ないし図6はこの第1の実施形態のクランプ機構によって取り付けられるチップを示すものである。本実施形態においてホルダ1は、その後端側(図1および図2において右側)が略正四角柱状とされたシャンク部2とされるとともに、先端部3はその上面部3Aがシャンク部2の上面2Aよりも一段盛り上がるように形成され、この先端部3にチップ取付座4が形成されている。ここで、本実施形態におけるチップ取付座4は、図2に示すように上記先端部3の先端面3Bすなわちホルダ1の先端面に開口するとともに先端部3の一方の側面3Cにも開口し、該ホルダ1の長手方向(図1および図2における左右方向)に延びる凹溝状に形成されている。
【0016】
このチップ取付座4に装着されるチップ5は、超硬合金等の硬質材料によって形成され、図4ないし図6に示すように、チップ取付座4がなす上記凹溝に先端面3B側から挿入可能とされた断面略凸六角形状をなす後端部6と、こうしてこの後端部6を挿入して当該チップ5をチップ取付座4に着座させた状態でホルダ1の上記先端面3Bから上記長手方向に平行に先端側に突出させられる切刃部7とが一体に形成された構成とされている。そして、このうち後端部6は、図6に示すように、着座面8A,8Bとされる両側面が互いに平行とされるとともに、上下面9,10がそれぞれ上下に凸となるV字状をなして、上記長手方向に延びるように形成されることにより上述のような断面凸六角形状とされ、この六角形は上記着座面8A,8Bに平行かつ該着座面8A,8B間の中央に位置する仮想平面Pに対して面対称となるように形成されている。
【0017】
従って、この後端部6の上下面9,10がなす上記凸V字を形成する各一対の斜面は、それぞれその一方ずつが上記着座面8A,8Bの一方に対して該着座面8A,8Bから他方の着座面8B,8A側に離間する方向に向けて互いに接近するように延びることとなり、この着座面8A,8Bの一方に対する当接面9A,10Aまたは当接面9B,10Bとされる。すなわち、着座面8Aに対しては、この着座面8Aから反対の着座面8B側に離間する方向(図6において右側方向)に向けて互いに接近するように延びる上下面9,10の斜面が当接面9A,10Aとされ、着座面8Bに対しては、この着座面8Bから反対の着座面8A側に離間する方向(図6において左側方向)に向けて互いに接近する上下面9,10の斜面が当接面9B,10Bとされ、このように組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bとが上記仮想平面Pに対して対称に配設されることとなる。また、これにより、上記組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bは、それぞれにおいて互いに鋭角に交差する方向に配設されることにもなる。
【0018】
ここで、本実施形態では、このチップ5の後端部6は、上記着座面8A,8Bを上下に二等分するように該着座面8A,8Bと垂直に交差して上記長手方向に延びる仮想平面Qに対しても略面対称となるように形成されており、従ってこの後端部6の断面がなす上記凸六角形は、その相対する辺同士が互いに平行とされた形状とされ、すなわち着座面8A,8B同士以外の当接面9A,10B同士、および当接面9B,10A同士もそれぞれ互いに平行とされている。また、このチップ5の後端部6の断面がなす六角形は、上記着座面8A,8Bに対応する各辺が他の当接面9A,9B,10A,10Bに対応する各辺よりも長くされた縦長形状をなすようにもされている。
【0019】
なお、本実施形態では、この後端部6の上記上面9においては、その当接面9A,9Bの上記長手方向略中央部がこれよりも両端側に対し、上述のような凸V字形状を維持したまま僅かに一段突出する平面状に形成されるとともに、下面10においては逆にその当接面10A,10Bの上記長手方向略両端部がその間の部分に対し、やはり凸V字形状のまま僅かに一段突出する平面状に形成されている。従って、本実施形態では厳密にはこれら一段突出した部分がそれぞれ当接面9A,9B,10A,10Bとされる。
【0020】
ただし、上面9の略中央部の突出した部分は、上記長手方向において下面10の略両端部の凹んだ部分の間に位置するようにされている。また、これら上面9の上記当接面9A,9B同士および下面10の当接面10A,10B同士がそれぞれ交差する、上面9,10がなす凸V字の頂点部分には、突出した上面9の当接面9A,9B略中央部および下面10の当接面10A,10Bの略両端部よりもさらに僅かに突出する断面方形の突条部9C,10Cが、上記長手方向に沿って形成されている。
【0021】
さらにまた、本実施形態に係わるチップ5では、これらの当接面9A,9B,10A,10Bのうち一対の当接面9A,9Bが形成される後端部6の上面9の後端側に、この後端側に向かうに従い該後端部6の下面10側に向かう面取り部11が形成されている。ここで、本実施形態ではこの面取り部11は、後端側に向けて上面9に対する角度θA,θBが大きくなる複数(本実施形態では2つ)の面取り部11A,11Bによって構成されていて、この角度θA,θBは20〜70°の範囲とされるとともに、後端部6の後端面12から先端側に向けて2〜10mmの範囲Lで形成されている。なお、本実施形態ではこの後端面12は上記長手方向に垂直となるように形成されている。さらに、本実施形態では、この後端部6の下面10の後端側にも、この後端側に向かうに従い上面9側に向かう面取り部13が形成されている。
【0022】
また、このチップ5の先端側に形成される上記切刃部7は、後端部6の先端から上記長手方向に延びるように軸状の柄部7Aが形成され、この柄部7Aの先端側上半分部分が上記仮想平面Qに略平行に切り欠かれるようにして、この切欠面をすくい面7Bとしてその先端に切刃7Cが形成された構成とされている。ただし、この柄部7Aは、本実施形態では図4および図6に示されるように、後端部6の上記着座面8A,8Bのうち一の着座面8B側に偏った位置から延びるようにされていて、この着座面8B側の側面が該着座面8Bと面一とされている。なお、この柄部7Aの上記側面以外の根元部分は、他の着座面8Aおよび上下面9,10に向けては、それぞれ凹曲面部14A〜14Cを介して連なるように形成されている。
【0023】
さらに、この柄部7A先端の上記切刃7Cは、こうして柄部7Aが偏らされた後端部6の上記着座面8Bよりも僅かに突出するように形成されており、従ってこのチップ5はこの切刃7Cが左右いずれか(本実施形態では上面視において図1に示すように左側)に向けられた勝手付きのチップとされている。また、この切刃7Cは、上記仮想平面Pに沿った方向においては、上記仮想平面Qと上面9との間に位置するように配設されており、特に本実施形態では図5に示すように、チップ5の後端部6の上記上面9(ただし、突条部9Cの上端)から下面10側に向けての切刃7Cまでの距離Mが、これら上下面9,10間の距離(ただし、上記突条部9C,10C間の距離)Nの25〜45%内に位置するように配設されている。
【0024】
このようなチップ5が装着されるチップ取付座4は、該チップ取付座4が上述のようになす凹溝の上記長手方向に直交する断面が、図3に示すようにチップ5の後端部6が挿入可能な略凸六角形状をなすように形成されており、この六角形の1辺に当たる部分が上述のようにホルダ1の先端部3の上記側面3Cに開口するようにされている。そして、このチップ取付座4がなす凹溝の溝底部分、すなわち上記側面3Cに開口した凸六角形の1辺に対向する反対側の1辺に当たる部分が取付座底面4Aとされるとともに、この凹溝の壁面のうち上記取付座底面4A側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる部分、すなわち上記凸六角形の残りの4辺のうち上記側面3Cに開口した1辺に交差する2辺に当たる部分が、一対の取付座壁面4B,4Cとされている。従って、これら取付座底面4Aと取付座壁面4B,4Cも、それぞれ互いに鋭角に交差する方向に配設される。なお、チップ取付座4の上記長手方向後端側に位置して先端側を向く端面4Dは、この長手方向に垂直とされている。
【0025】
また、ホルダ1の先端部3には、上記チップ取付座4内の取付座底面4Aの上側において該取付座底面4Aに対して垂直となるように開口し、かつ上記側面3Cとは反対側の先端部3の側面3Dにまで貫通するスリット15が、先端部3の先端面3Bから後端側に向けて上記シャンク2の上面2Aの延長面に略沿うように形成されている。従って、チップ取付座4の上記一対の取付座壁面4B,4Cのうち一方の取付座壁面4Bは、このスリット15によって分けられた先端部3の上記上面部3A側に形成されることとなり、他方の取付座壁面4Cは先端部3の下面部3E側に形成される。
【0026】
ただし、このスリット15は、先端部3の一段盛り上がった上記上面部3Aの後壁面3Fにまでは達しておらず、図2に示すようにこの後壁面3Fとスリット15との間には、肉厚の小さくされた可撓部3Gが残されるようにされている。従って、上記上面部3Aは、この可撓部3Gが撓むことにより、スリット15の幅を拡大あるいは縮小して下面部3Eに対し離接するように弾性変形可能とされている。
【0027】
さらに、このホルダ1の先端部3には、チップ取付座4を避けるようにしてその上記側面3D側に、上面部3Aをスリット15に対して垂直に貫通する挿通穴16と、この挿通穴16と同軸にスリット15に開口するように下面部3Eに穿設される図示されないネジ孔とが形成されており、上記挿通穴16に頭付きのクランプネジ17を挿通してこのネジ孔にねじ込むことにより、該クランプネジ17の頭部17Aによって上面部3Aが押圧されて弾性的に下面部3E側に接近可能、かつこの状態からクランプネジ17を緩めることによって下面部3E側から離間可能とされ、これに伴いこれら上下面部3A,3Eに形成された上記取付座壁面4B,4Cも離接可能とされる。すなわち、本実施形態ではこのクランプネジ17が、取付座壁面4B,4Cを離接せしめるクランプ手段とされる。そして、このクランプネジ17を緩めた状態で、チップ取付座4の取付座底面4Aに対して上記取付座壁面4B,4Cがなす角度は、チップ5の後端部6において組をなす着座面8A,8Bに対して当接面9A,9Bおよび当接面10A,10Bがなす角度と等しくされている。
【0028】
なお、チップ取付座4がなす上記凹溝の壁面のうち取付座壁面4B,4Cを除いた部分、すなわち上記凸六角形の取付座底面4Aに交差する2辺に当たる部分の壁面4E,4Fは、図3に示すようにチップ5の後端部6をチップ取付座4に着座させた状態において、該チップ5の後端部6の上記仮想平面Pに関してこれら取付座壁面4B,4Cと面対称となる平面よりも僅かに後退するように形成されている。また、これらの壁面4E,4Fと上記取付座底面4Aおよび取付座壁面4B,4Cとの交差稜線部には、断面略半円状の逃げ部4G…が該稜線部に沿って形成されており、特に壁面4E,4Fと取付座壁面4B,4Cとの交差稜線部に形成される逃げ部4G,4Gは、チップ5の後端部6の上記突条部9C,10Cを収容可能な大きさとされている。
【0029】
さらに、上記スリット15は、取付座底面4A上側において、上記上面部3A側の壁面4Eとの交差稜線部に形成された逃げ部4Gに連通するように開口されており、従ってこの取付座底面4Aは下面部3E側のみに形成されて、上面部3A側には残されないこととなる。そして、さらにまた本実施形態では、この下面部3Eに形成された取付座底面4Aの上下方向略中央に、上記長手方向すなわちクランプ手段としての上記クランプネジ17により上記取付座壁面4B,4Cが離接する方向(上下方向)に垂直な方向に延びる凹溝部4Hが形成されている。ここで、この凹溝部4Hは、本実施形態ではその底面が上記逃げ部4Gよりも曲率半径が大きく、かつ溝深さの浅い円弧状とされている。
【0030】
このように構成された本実施形態のクランプ機構により、ホルダ1の上記チップ取付座4に上記チップ5を装着するには、まずクランプネジ17を緩めた状態で、チップ5の切刃部7におけるすくい面7Bを上向きにして切刃7Cが突出した側をホルダ1の先端部3の側面3C側にし、この切刃7Cが突出した側とは反対側の着座面8Aをチップ取付座4の取付座底面4Aに対向させるとともに、この着座面8Aと組をなす当接面9A,10Aを取付座壁面4B,4Cに対向させるようにして、このチップ5の後端部6を、ホルダ1の先端部3の先端面3B側から上記長手方向後端側に向けて、その上記後端面12がチップ取付座4の上記端面4Dに当接するまでチップ取付座4に挿入する。
【0031】
そして、こうして後端面12が端面4Dに当接してチップ5が位置決めされたなら、上記クランプネジ17をねじ込んで上面部3Aを弾性変形させることにより、取付座壁面4Aを取付座壁面4B側に接近させて当接面9Aに当接させ、該当接面9Aを押圧する。すると、チップ5の後端部6は、この取付座壁面4Aと当接面9Aとの当接および取付座壁面4Bと当接面9Bとの当接と、これに伴って後端部6が取付座底面4A側に押し付けられることによるこの取付座底面4Aと着座面8Aとの当接とにより、3つの面によってチップ取付座4に支持された状態となってホルダ1の先端部3に固定される。
【0032】
従って、このようなクランプ機構によれば、こうしてチップ5がその後端部6の組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aとチップ取付座4の取付座底面4Aおよび取付座壁面4B,4Cとの3つの面同士の拘束で支持され、他の組の着座面8Bおよび当接面9B,10Bは、上記側面3Cへのチップ取付座4の開口部に臨んでいたり、チップ取付座4の上記壁面4E,4Fと間隔を開けて対向していたりするだけとなり、装着に関与することがない。このため、上記特許文献3記載のクランプ機構のようにこれら2組の着座面8Aおよび当接面9A,10Aと着座面8Bおよび当接面9B,10Bとをそれほど厳密に上記仮想平面Pに対称となるように形成せずとも、確実に後端部6をチップ取付座4に支持してチップ5をホルダ1に装着することが可能となる。
【0033】
また、チップ取付座4においては、上述のように取付座底面4Aと取付座壁面4B,4Cとが互いに鋭角に交差する方向に配設されていて、上記クランプネジ17をねじ込んで取付座壁面4Bを取付座壁面4C側に向けて接近させ、当接面4Bと当接させて押圧することにより、チップ5の後端部6は取付座底面4Aと取付座壁面4Cとが交差する上記壁面4F側に向けて押し込まれるようにしてこれら取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cとも当接し、上述のような3面支持で固定されることとなる。従って、その際にはこれら取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cとチップ5の後端部6との間に、いわゆるクサビ効果が生じるので、3面支持でも強固なクランプ力を得ることができて、切削時のビビリ振動を抑制することが可能となる。
【0034】
なお、本実施形態では、チップ5の後端部6の着座面8Aに対して当接面9A,10Aがなす角度と、チップ取付座4の取付座底面4Aに対して取付座壁面4B,4Cがなす角度を、互いに当接する面同士で互いに等しくして、これら着座面8Aと取付座底面4A、および当接面9A,10Aと取付座壁面4B,4Cとが全面的に密着して当接するようにしているが、例えばこれら互いに当接する面同士の少なくとも一方においてその角度を僅かに異なるものとしたりして、この面同士が上記長手方向に延びるその縁部などで線当たりして当接するようにされていてもよく、仮に互いに当接する3つの面同士すべてがこのような線当たりで当接していたとしても、後端部6は3線支持、すなわち上記長手方向に垂直な断面においては安定的な3点支持されるとともに上記クサビ効果も維持されるので、確実にチップ5をクランプすることが可能となる。言い換えれば、上記構成のクランプ機構によれば、例えばチップ5の上記組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10A間においても厳密な成形精度が要求されることはなく、上記角度に多少の誤差が生じたりしていてもチップ5を確実にクランプ可能であるので、チップ5の成形、製造をきわめて容易とすることができる。
【0035】
しかも、本実施形態では、比較的広い面積でチップ5の上記着座面8Aと当接して面当たりすることとなる上記取付座底面4Aに、取付座壁面4B,4Cが離接する方向に垂直な方向すなわち上記長手方向に沿って延びる凹溝部4Hが形成されており、従ってこの凹溝部4Hに相対する部分では着座面8Aに凸凹があったりしても、クランプされたチップ5にがたつきが生じたりすることはない。また、こうして凹溝部4Hを形成することにより、例えばチップ5の着座面8Aやチップ取付座4の取付座底面4Aが上下方向に向けて凸状に湾曲していたりしても、この凹溝部4Hと取付座底面4Aとの交差稜線部による線当たりで着座面8Aを確実に支持することができるので、このようなチップ5やチップ取付座4の成形精度に拘わらず、より一層確実にチップ5を安定して支持することが可能となる。
【0036】
さらに、本実施形態では、このチップ5の後端部6における上下面9,10についても、上面9においてはその長手方向略中央部に、また下面10においてはその長手方向略両端部に、それぞれ一段突出する部分が形成された段面状とされており、従って実質的にはこれら突出した部分が当接面9A,10Aとして取付座壁面4B,4Cと当接させられることとなるので、これ以外の上下面9,10の一段凹んだ部分にはさらに厳密な精度を要することがなくなって、チップ5の成形を一層容易とすることが可能となる。加えて、このように上面9側の当接面9Aが後端部6の長手方向中央部に、下面10側の当接面10Aが長手方向両端部側に配設されることにより、この長手方向(もしくは仮想平面Pに沿った方向)においても後端部6は3点支持となるので、より安定して後端部6をチップ取付座4に支持してチップ5をホルダ1に固定することが可能となり、上下面9,10が段差面とされて当接面9A,10Aの面積が小さくなっても、十分な取付剛性をチップ5に確保することができる。
【0037】
そして、その一方で、このチップ5の後端部6には、こうして組をなす着座面8Aおよび当接面9A,10Aに対して上記仮想平面Pに関し面対称となるように、他の一組の組をなす着座面8Bおよび当接面9B,10Bが形成されており、従ってこのようなチップ5を、例えば図7ないし図10に示す本発明の第2の実施形態のように、第1の実施形態のホルダ1とは勝手違いのホルダ21に装着する場合でも、当該チップ5をそのまま使用することが可能となる。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を簡略化する。
【0038】
ここで、この第2の実施形態におけるホルダ21は串刃刃物台用のものであって、該ホルダ21のシャンク2はその先端が折れ曲がったL字状に形成され、チップ取付座4が形成される先端部3は、この折れ曲がった部分の先端に、刃物台に装着されるシャンク2後端部に対して、上記先端が折れ曲がった側に偏って設けられている。そして、チップ取付座4は、上記シャンク2先端が折れ曲がった側とは反対側を向くこの先端部3の側面3C先端側に開口して、ホルダ1の長手方向(図7において右奥側から左手前側に向かう方向)に対して垂直に上記折れ曲がった側に向けて延びるように形成されており、このチップ取付座4の断面がなす凸六角形の上記取付座底面4Aに対向する辺に相当する部分は、本実施形態では先端部3の先端面3Bに開口させられている。さらに、クランプ手段としてのクランプネジ17は、やはりこのチップ取付座4を避けるようにして該チップ取付座と先端部3の可撓部3Gとの間にねじ込まれている。
【0039】
このように構成された第2の実施形態のクランプ機構において、チップ5をホルダ21に装着するには、チップ5の切刃部7におけるすくい面7Bをやはり上向きにして、その後端部6を上記側面3C側から上記長手方向に垂直な方向にチップ取付座4に挿入し、クランプネジ17をねじ込む。このとき、このチップ5の後端部6においては、図10に示すように上記他の組をなす着座面8Bが取付座底面4Aに対向させられるとともに、当接面9B,10Bが取付座壁面4B,4Cに対向させられて、クランプネジ17のねじ込みによって取付座壁面4Bが取付座壁面4C側に接近することにより当接面9Bに当接して該当接面9Bを押圧し、これによって第1の実施形態と同様に後端部6が取付座底面4Aおよび取付座壁面4Cに押し付けられてチップ5がクランプされる。
【0040】
従って、このような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にチップ取付座4の取付座底面4Aや取付座壁面4B,4Cあるいはチップ5の後端部6の上記着座面6Bや当接面9B,10Bをそれほど高い精度で成形することなく、該チップ5を確実にクランプすることが可能となる。そして、これら第1、第2の実施形態のように勝手違いのホルダ1,21に対しても同一のチップ5をそのまま装着することが可能であるので、上記構成のクランプ機構によれば、特許文献1,2に記載のクランプ機構に比べて用意すべきチップの品種を半数に削減することができ、すなわち工具品種の大幅な集約を図ることができて、その管理の簡略化や効率化、コストダウン等を促すことが可能となる。
【0041】
さらに、上記クランプ機構において装着したチップ5を取り外す際には、上記クランプネジ17を緩めるだけで弾性変形していた上面部3Aが元に戻って当接面9Aと取付座壁面4Bとの間に隙間があくので、チップ5をホルダ1の先端側あるいは掘る第21の側面3C側に抜き出して簡単に取り外すことができる。そして、このチップ5における後端部6の上面9の後端側には、この上面9に20〜70°の角度θA,θBで交差して後端側に向かうに従い下面10側に向かう面取り部11(11A,11B)が形成されており、従ってこうしてチップ5を取り外す際にも、後端部6がチップ取付座4から完全に抜き出る前に、この面取り部11が抜き出たところでチップ5を上方に引き上げて取り出すことができるので、ホルダ1,21のチップ5抜き出し側に十分なスペースがなくても、チップ5の交換を容易に行うことが可能となる。
【0042】
しかも、本実施形態の面取り部11は、後端側に向けて上面9に対する角度θA,θBが大きくなる複数の面取り部11A,11Bによって構成されており、従ってチップ5を抜き出すほど上方に引き上げやすくなるので、一層容易なチップ5の交換を促すことができる。加えて、この面取り部11の後端側には、チップ5がチップ取付座4に挿入される方向に対して垂直とされた後端面12が残されていて、この後端面12がやはりチップ5の挿入方向に対して垂直とされたチップ取付座4の端面4Dと当接することによりチップ5が位置決めされるので、このチップ5の位置決めを正確かつ容易にすることができるとともに、切削の際に作用する負荷に対しても位置にずれを生じたりすることなく、切刃7Cを確実に所定の位置に保持して精度の良い加工を行うことができる。
【0043】
なお、この面取り部11が上面9に対してなす角度θA,θBが小さすぎて面取り部11が上面に対してなす傾斜が緩やかであったり、あるいは面取り部11が形成される後端面12からの範囲Lが短すぎたりすると、上述のような効果が奏功されなくなるおそれがある。また、逆に角度θA,θBが大きすぎて面取り部11の傾斜が急であったり、面取り部11が形成される範囲Lが長すぎたりすると、上面9と後端面12との交差稜線部がこの面取り部11によって切り欠かれる大きさが大きくなりすぎて、チップ5の挿入方向に対して垂直な後端面12を十分な大きさで確保できなくなるおそれがあるので、角度θA,θBは20〜70°の範囲とされるのが望ましく、また面取り部11は後端面12から2〜10mmの範囲Lで形成されるのが望ましい。
【0044】
さらにまた、本実施形態においては、そのチップ5先端側の切刃部7が、上記チップ取付座4に取り付けられる後端部6の上面9から下面10側に向けての切刃7Cまでの距離Mが、この後端部6の上下面9,10間の距離Nに対して25〜45%内の位置となるように該後端部6から突設させられており、すなわち切刃部7が後端部6の上下面9,10間の中央よりも上側から突出するようにされている。従って、本実施形態のクランプ機構を備えたホルダ1,21にあっては、こうしてチップ5の後端部6の上面9と切刃7Cとの距離Mが小さくされるために、この切刃7Cからホルダ1,21の先端部3の上面までの距離も低く抑えることができ、例えば工作機械に複数のホルダ1,21が取り付けられている場合において工具をホルダ1,21ごと交換するようなときでも、取り外したホルダ1,21が他のホルダ1,21の先端部3上部に引っ掛かって干渉して交換作業に支障を来したりするのを防ぐことができる。
【0045】
また、本実施形態では、チップ取付座4自体もホルダ1,21の先端部3の上側に形成されていて、この先端部3の上面部3Aがスリット15を介して分けられた下面部3Eよりも薄肉とされているので、この先端部3の高さを一層低く抑えて上述のようなホルダ1,21同士の干渉をさらに確実に防止することができる。その一方で、本実施形態では、こうして上面部3Aが薄肉とされることにより、可撓部3Gも比較的薄肉に形成することができ、従って確実に上面部3Aを弾性変形させてチップ5をクランクすることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チップ取付座には、取付座底面と、この取付座底面から離間する方向に向けて互いに接近する方向に延び、クランプ手段によって離接可能とされた一対の取付座壁面とを形成し、またチップ後端部には、取付座底面に当接可能な着座面と、この着座面から離間する方向に向けて互いに接近する取付座壁面に当接可能な一対の当接面とを、上記着座面に平行な仮想平面に対して面対称に2組形成することにより、これら取付座底面と着座面、および各一対の取付座壁面と当接面との当接による3面支持または3線支持によって高い成形精度を要さずともチップを確実にクランプすることができる一方、勝手違いのホルダに対しても同一のチップを装着することが可能となって、工具品種の集約を図ることができ、工具管理の簡略化や効率化、あるいは品種集約によるコストダウンを促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すホルダ1の先端側部分の平面図である。
【図2】図1に示す実施形態の側面図である。
【図3】図1に示す実施形態の正面図である。
【図4】第1、第2の実施形態に装着されるスローアウェイチップ5の平面図である。
【図5】図4に示すスローアウェイチップ5の側面図である。
【図6】図4に示すスローアウェイチップ5の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示す実施形態におけるホルダ21の先端側部分の拡大斜視図である。
【図9】図7に示す実施形態におけるホルダ21の先端側部分を異なる方向から見た拡大斜視図である。
【図10】図7における矢線A方向視の側面図である。
【符号の説明】
1,21 ホルダ
3 ホルダ1,21の先端部
4 チップ取付座
4A 取付座底面
4B,4C 取付座壁面
5 スローアウェイチップ
6 スローアウェイチップ5の後端部
7 切刃部
7C 切刃
8A,8B 着座面
9 スローアウェイチップ5の後端部6の上面
9A,9B,10A,10B 当接面
10 スローアウェイチップ5の後端部の下面
11(11A,11B) 面取り部
17 クランプネジ(クランプ手段)
θA,θB 面取り部11A,11Bの上面9に対する角度
L 面取り部11が形成される範囲
M スローアウェイチップ5の上面9から切刃7Cまでの距離
N スローアウェイチップ5の上下面9,10間の距離
Claims (4)
- ホルダの先端部に形成されたチップ取付座に、先端に切刃部が突設されたスローアウェイチップの後端部を挿入してクランプ手段により着脱可能に装着するスローアウェイチップのクランプ機構であって、上記チップ取付座は、取付座底面と、この取付座底面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びる一対の取付座壁面とを備えていて、これらの取付座壁面は上記クランプ手段によって離接可能とされるとともに、上記スローアウェイチップの後端部には、上記取付座底面に当接可能な着座面と、この着座面側から離間する方向に向けて互いに接近するように延びて上記一対の取付座壁面に当接可能とされる一対の当接面とが、上記着座面に平行な仮想平面に対して互いに面対称に2組備えられていることを特徴とするスローアウェイチップのクランプ機構。
- 上記取付座底面には、上記クランプ手段により上記一対の取付座壁面が離接する方向に垂直な方向に延びる凹溝部が該取付座底面に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
- 上記一対の当接面の一方が形成される上記スローアウェイチップの後端部の上面には、その後端側に、この上面に20〜70°の角度で交差して後端側に向かうに従い下面側に向かう面取り部が、この後端部の後端面から2〜10mmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
- 上記切刃部は、その切刃が、上記スローアウェイチップの後端部の上面から下面側に向けてこれら上下面間の距離の25〜45%内の位置となるように上記後端部から突設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスローアウェイチップのクランプ機構。
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-
2003
- 2003-08-25 JP JP2003208621A patent/JP2005066707A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2008131816A1 (de) | 2007-04-25 | 2008-11-06 | Hartmetall-Werkzeugfabrik Paul Horn Gmbh | Wendeschneidplatte |
US8613575B2 (en) | 2007-04-25 | 2013-12-24 | Hartmetall-Werkzeugfabrik Paul Horn Gmbh | Indexable cutting insert |
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