JP2005066200A - リラックス感誘導装置 - Google Patents

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博一 高柳
Kinichi Ozawa
欣一 小澤
Hideo Kadoi
英夫 門井
Hitoshi Wake
仁志 和気
Hiromichi Takahashi
弘道 高橋
Toshihiro Takimoto
利宏 瀧本
Naoto Yoshihara
直人 吉原
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Abstract

【目的】リラックス感を高める最適な振動パターンについて検討し、生体が間接的もしくは直接的に生体の一部に接触している状態で使用するリラックス感誘導装置において、容易にリラックス感を高める方法を具備した装置を得ること。
【構成】断続的信号の繰り返しの周波数及び/又は連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数が0.005Hzから50Hzであり、生体が把持及び/又は身につけている状態で使用することで、生体の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させることを見出し、リラックス感誘導装置を完成したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体にリラックス感を誘導する装置にかかり、使用者が把持又は身につけて使用するものであって、把持又は身につけることにより装置と接触している生体の部位に変化する振動信号を与えることにより、使用者の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させるリラックス感誘導装置に関する。
従来、小型の電流発生器を用いて直接電流により筋肉を収縮させ、マッサージ機能を発現させるものが知られている。
また、振動を用いて生体にリラックス感を誘導する装置としては、椅子型のマッサージ機などが知られている。それらは、椅子型装置の背もたれの内部などに人体をマッサージするためのローラーや駆動部を内蔵し、人体に押圧を加えるものであったり、振動装置を内蔵し、より細かい振動を人体に加えるものであったりする。
一方、リラックス度を測定する方法として心電図のRR間隔を利用するものとして、入浴者のリラックス度を測定する入浴装置が提案されている。この装置では、心電波形のRR間隔を測定し、約0.08Hzまでの呼吸性変動成分の変化量に着目して、それを入浴者のリラックス度とすることを特徴としている。更に、浴槽内に水流を発生させ、RR間隔を測定しつつ流速を上げてゆくことにより、入浴者をよりリラックス状態に導くことができるとしている。
更には、単に振動装置を組み込んだ筆記具などが知られている。
特開平07−163536号公報。
ところが、上記した椅子型のマッサージ器や入浴装置などは、大型の構成要素を組み合わせて装置が構成されており、携帯性に関しては考慮されていない。また入浴装置については、入浴者は心電波形を計測するためにセンサを装着する必要があり、使用感に問題があるものであった。
そこで、リラックス感を高める最適な振動パターンについて検討し、生体が間接的もしくは直接的に生体の一部に接触している状態で使用するリラックス感誘導装置において、容易にリラックス感を高める方法を具備した装置の開発が望まれていた。
本発明は、鋭意研究を重ねた結果、断続的信号の繰り返しの周波数及び/又は連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数が0.005Hzから50Hzであり、生体が把持及び/又は身につけている状態で使用することで、生体の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させることを見出し、リラックス感誘導装置を完成したものである。
生体にリラックス感を誘導する装置であって、少なくとも断続的及び/又は連続的に強度が変化する振動信号を発生する部位を有し、前記断続的信号の繰り返しの周波数及び/又は前記連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数が0.005Hzから50Hzであり、前記生体が把持及び/又は身につけている状態で使用可能であって、前記振動信号により前記生体の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させるリラックス感誘導装置を第1の要旨とし、前記生体が身につけている状態が、間接的もしくは直接的に前記生体の一部に接触している状態で使用するリラックス感誘導装置を第2の要旨とし、前記振動信号の最大強度を少なくとも二以上の段階に切り替える手段を有し及び/又は前記断続的振動信号の繰り返しの周波数及び前記連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数を、少なくとも二以上の状態に切り替える手段を有するリラックス感誘導装置を第3の要旨とし、少なくとも一部もしくは全部が筆記具の外観及び機能を持ち、前記生体が把持して筆記する状態で、前記振動信号により前記生体にリラックス感を誘導するリラックス感誘導装置を第4の要旨とするものである。
本発明にかかるリラックス感誘導装置は、断続的及び/又は連続的に強度が変化する振動信号を生成し、その断続的振動の繰り返しの周波数及び/又は連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数を0.005Hzから50Hzの間となしたことにより、本装置を把持及び/又は身につけて使用する使用者は、上記した条件を満たす振動によって、その心電波形のRR間隔が大きくなる方向へ変化し、その振動がない場合に比べてよりリラックス感を誘導される。
また、リラックス感覚をどのような振動によってより感じるかについては個人によって差があるが、振動信号の変化のパターンの繰り返し周波数を、二以上の段階に切り替えたり、最大振動強度を二以上の段階に切り替えたりする手段を有することにより、個別の使用者により適した振動信号を生成することが可能である。
本発明になるリラックス感誘導装置の構成は、所定の振動を発生する部位を持ち、使用者が把持及び/又は身につけている状態で使用可能な外観を持つものが好ましい。
断続的であるか連続的に強度が変化する振動信号を発生する部位は、振動を発生させる振動発生手段及び発生させる振動を制御する振動制御手段に分けることができる。振動発生手段としては、例えば振動モータを挙げることができる。一方振動制御手段は、抵抗とコンデンサを組み合わせて振動発生手段をオン/オフするようなものや、プロセッサを用いたD/A制御(デジタル/アナログ変換制御)やPWM制御(パルス幅変調制御)による振動発生手段の制御などを採用することが可能である。
発生させる振動信号は、基本的に、0.005Hzから50Hzの周波数を持つ振動強度変化パターンの繰り返しである。振動強度変化パターンは、一つには、単純に振動のオン/オフを切り替えるものでもよいし、無振動から最大振動強度までの間を連続的に変化させるものでもよい。振動発生手段として振動モータを使用する場合、一般的に偏心した重りによって発生する振動には、モータの回転に依存した、振動自体に特徴的な周波数が存在する。本発明における振動強度変化パターンについていう周波数とは、前記した振動自体の周波数のことではなく、振動の有無もしくは強度変化によって発生させる変化のパターンの周波数のことを指す。
振動信号の変化のさせ方は、上記した0.005Hzから50Hzの間の周波数において、一周期に一回の強弱のパターンを生じさせるものである。パターンは、一定時間継続する無振動の期間、一定時間継続する最大強度振動の期間、及び無振動と最大強度振動との間で振動強度が変化する二つの期間とから成る。無振動期間は必須ではないが、存在するほうがより好ましい。また、振動強度を変化させるそれぞれの期間の長さに対して、最大振動強度を保つ期間の長さは、短い方が好ましく、変化のパターンを波形として表現すると、所謂三角波のような形をしているものが好ましい。しかし、構成上そのようなパターンを発生させることが不可能な場合、振動発生手段を一周期の間に一回断続、つまりオンしオフするという、所謂矩形波のような変化のパターンを採用することも可能である。
発生させる振動信号のパターンは、時間的に一定である必要はない。つまり、変化の周波数が0.005Hzから50Hzの間で時間的に変化してもよい。特に、時間的な周波数の変化が1/fのゆらぎになっているような変化は好ましいと考えられる。1/fのゆらぎとは、変動する事象の時系列データ、もしくは変動に特徴的な変数の時間的な変化データのパワースペクトルが、周波数fに反比例するような形態になる場合に、それらの事象もしくは変数の変化に対して冠する表現である。自然現象の中に多数存在し、人間の感覚に対してより好ましい影響を与えることが多いといわれている。
また、最大振動強度は、常に一定である必要はなく、時間と共に変化するようにしてもよいし、予め定めた二つ以上のレベルのうちから、使用者が切り替えられるようにしてもよい。後者の場合、本発明になる装置に、切り替えスイッチを実装する。切り替えスイッチは使用者が操作するものであり、スライドスイッチ、ダイアルスイッチ、押しボタンスイッチなど、予め定めた値もしくはクリックのような指令を入力することができるものなら特に限定されない。最大振動強度の切り換えは、スイッチが直接抵抗などを切り替えることによって回路の変数が切り替わり、最大振動強度を変更するようにしてもよいし、プロセッサがスイッチの状態を読み込んで、D/AやPWM制御を行うことにより最大振動強度を変更するようにすることもできる。可変抵抗もしくはD/A、PWM制御を適当なスイッチと共に用いれば、離散的でなく連続的に最大振動強度を変更することも可能である。
更に、同様の切り替え機構を用いて、振動信号パターンの変化の周波数を、0.005Hzから50Hzの間の任意の領域で、離散的もしくは連続的に切り替えるようにすることが可能である。
一方、心電図の波形R波の間隔であるRR間隔は、ストレスの評価に用いられる。心拍は交感神経と副交感神経によって影響される。交感神経は緊張や興奮など、何らかのストレス下において亢進し、心拍数を多く、つまりRR間隔を小さくする働きがある。一方副交感神経は安静にしているときやくつろいでいるときに亢進し、心拍数を少なく、つまりRR間隔を大きくする働きがある。交感神経と副交感神経の働きは拮抗的であり従って、RR間隔を計測することによって、人体のリラックス度合いを測ることが可能となる。つまり、時間的に連続した一連の計測において、RR間隔が以前の値よりも大きくなったとすると、よりリラックス度合いが高まったと評価することが可能である。
本発明になる装置は心電波形を計測する手段を持たないが、装置の使用下における使用者の心電波形を、別途準備したポリグラフなどを用いて計測して評価することにより、本装置の使用が使用者の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させることを確認することができる。
以下、実施例によって具体的に本発明を説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
以下、第1実施例を、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例によるリラックス感誘導装置の模式的回路図、図2は本装置が生成する振動パターンの一例、図3は心電波形のRR間隔の計測結果の一例、また図4は本装置が生成する振動パターンの別の例である。
本実施例によるリラックス感誘導装置は、筆記具の形態をなしており、ワンチップ・マイクロコントローラ1(以下マイコンと表記する)は、所定の振動パターンを生成して振動モータ4を駆動する。電源スイッチ2は、使用者の操作により、電池3から各部品への電源供給を制御する。入力スイッチ5は、振動信号の変化のパターンを切り替えるのに使用する。
マイコン1は、以下挙げるものに限るわけではないが、例えばMICROCHIP社製のPIC12F629を使用することができる。PIC12F629は、CPUの他、プログラムを内蔵するためのROM、変数など演算結果を一時的に保存するためのRAM、時間を計測できるタイマなどを内蔵したワンチップ・マイクロコントローラである。またクロックも内蔵しているため、電源のみ供給すれば動作させることが可能である。また表面実装タイプであれば6mm四方に収まるサイズであるため、筆記具形態の本装置に内蔵することが可能である。
電源スイッチ2は、例えばスライドスイッチを本装置表面に露出させ、使用者が操作するようにしてもよいし、また筆記部の動作に連動させてもよい。
振動モータ7は、例えば、DCモータの軸に偏心した重りを装着し、モータの回転によって振動が生じるようにしてあるものである。D/A変換器を持つマイコンであれば、直接回転速度を調整することによって振動の強さを替えることが可能であるし、先の実施例に挙げた、D/A変換器を持たないPIC12F629であっても、例えば十分に高速な周期で振動モータ7をオン/オフし、そのデューティを制御するPWM制御を行うことにより、振動の強さを変化させることが可能である。
振動モータ7は、以下に挙げるものに限るわけではないが、例えばシコー技研社製のSE−4Sを使用することができる。SE−4Sのサイズは直径4mmであって、筆記具形態の本装置に内蔵することが可能である。
入力スイッチ5はモーメンタリスイッチであり、マイコン1は入力スイッチ5の押下を読みとって、振動信号の変化のパターンにおいて、最大振動強度の繰り返しの周波数を変更する。例えば、電源投入直後の周波数を0.001Hzとし、入力スイッチ5が押下されるたびに、最大振動強度を0.01Hz、0.1Hzと10倍ずつに大きくして、100Hzとした後の入力スイッチ5の押下で周波数を再び0.001Hzに設定する。
本実施例による装置において生成した振動信号の変化のパターンは、図2に示すようなものである。離散的な三角波であり、無振動から最大振動強度までの期間、最大振動強度から無振動までの期間、及び無振動の期間をそれぞれほぼ等しくした。その上で、最大振動強度の繰り返しの周波数を0.001Hzから100Hzまで、変化させて効果を測定した。ただし、10Hz以上の周波数領域においては、無振動の時間をなくし、連続した三角波とした。
効果の測定は、被験者4人(A、B、C、D)に関して、本装置を用い筆記中に、本装置が生成する振動の有無のそれぞれの場合に対して、心電波形を計測した。心電波形の計測には、日本光電(株)製ポリグラフPEG−1000を使用した。各計測は10分間連続して行い、計測間は1時間以上の間隔を空けた。また筆記は、複写筆記を行った。心電波形のRR間隔の計測結果の一例を図3に示す。
これらのデータより、計測した10分間のRR間隔を平均したものを、本装置が生成する振動がそれぞれある場合とない場合とを代表する平均RR間隔とした。それらのデータを被験者A〜Dに関してまとめたものを表1に示す。なお、最大振動強度の繰り返しの周波数の有効範囲を求めるために、本装置のプログラムを変更し、0.005Hzおよび50Hzについても計測した。振動がない場合を基準とし、それに比べてRR間隔が大きくなった場合を○、著しく大きくなった場合を◎、また変わらない場合を△、RR間隔が小さくなった場合を×でそれぞれ表した。
表1の結果に基づき、0.005Hzから50Hzの間の振動信号の変化パターンを持つ振動が、心電波形のRR間隔を大きくする効果を有することを確認できた。
Figure 2005066200
次に、別の振動信号のパターンを生成し、同様の計測を行った。振動信号の変化のパターンは、図4に示すように断続的なものである。同様に計測、評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2005066200
以下、第2実施例を、添付図面を参照して説明する。本実施例によるリラックス感誘導装置の模式的回路図としては、第1実施例と同じ図1を使用する。また、図5は本装置が生成する振動パターンの例である。
本実施例によるリラックス感誘導装置の構成は、第1実施例と基本的には同じであるが
マイコン1が、内蔵するプログラムが異なる。マイコン1は入力スイッチ5の押下を読みとって、振動信号の変化のパターンにおいて、最大振動強度を変更する。例えば、電源投入直後の最大振動強度を2とし、入力スイッチ5が押下されるたびに最大振動強度を3、4、5と大きくして、その後の入力スイッチ5の押下で、最大振動強度を再び2に設定する。ここで最大振動強度2〜5とは、PWM制御を用いた振動モータ4の制御における、PWM制御変数が20%〜50%に対応するものとする。PWM制御変数が0%とは振動モータ4が停止している状態に対応し、100%とは振動モータ4が全開で回転している状態に対応するが、加速度など、振動の強度を直接特性づける数値と一対一に相関するものではなく、振動強度の範囲を限定するものではない。本実施例による装置において生成する振動信号の変化のパターンを、図5に示す。
第1実施例におけると同様、被験者4人(A、B、C、D)に関して、本装置を用いた筆記中に振動がない場合、及び、最大振動強度を4段階に変えて、心電波形を計測した。心電波形の計測には、やはり実施例1におけると同様、日本光電(株)製ポリグラフPEG−1000を使用した。計測は、各最大振動強度に関して10分間連続して行い、計測間は1時間以上の間隔を空けた。筆記は、複写筆記を行った。
これらのデータより、計測した10分間のRR間隔を平均したものを、振動がない場合と、最大振動強度を変えた場合とを代表する平均RR間隔とした。それらのデータを被験者A〜Dに関してまとめたものを表3に示す。振動がない場合を基準とし、それに比べてRR間隔が大きくなった場合を○、著しく大きくなった場合を◎、また変わらない場合を△、RR間隔が小さくなった場合を×でそれぞれ表した。
Figure 2005066200
模式的回路図 第1実施例の装置が生成する振動パターンの一例 心電波形のRR間隔の計測結果の一例 第1実施例の装置が生成する振動パターンの別の例 第2実施例の装置が生成する振動パターンの例
符号の説明
1 マイコン
2 電源スイッチ
3 電池
4 振動モータ
5 入力スイッチ

Claims (4)

  1. 生体にリラックス感を誘導する装置であって、少なくとも断続的及び/又は連続的に強度が変化する振動信号を発生する部位を有し、前記断続的信号の繰り返しの周波数及び/又は前記連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数が0.005Hzから50Hzであり、前記生体が把持及び/又は身につけている状態で使用可能であって、前記振動信号により前記生体の心電波形のRR間隔を大きい方向へ変化させることを特徴とするリラックス感誘導装置。
  2. 前記生体が身につけている状態が、間接的もしくは直接的に前記生体の一部に接触している状態で使用することを特徴とする、請求項1記載のリラックス感誘導装置。
  3. 前記振動信号の最大強度を少なくとも二以上の段階に切り替える手段を有し及び/又は前記断続的振動信号の繰り返しの周波数及び前記連続的に変化する振動信号の一部又は全部の最大強度の繰り返しの周波数を、少なくとも二以上の状態に切り替える手段を有することを特徴とする、請求項1乃至2に記載のリラックス感誘導装置。
  4. 少なくとも一部もしくは全部が筆記具の外観及び機能を持ち、前記生体が把持して筆記する状態で、前記振動信号により前記生体にリラックス感を誘導することを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載のリラックス感誘導装置。
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