JP2005065576A - Dna複合体及びdna複合体の複製方法並びに遺伝子診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検体のDNAがターゲットのDNAであるかどうかを、DNA複合体を用いて簡単に検出する方法を提供すること。
【解決手段】(1)2本鎖DNAを1本鎖鋳型DNA2本に乖離する熱変成工程、2本に乖離された1本鎖鋳型DNAと特異的な相補鎖を形成するオリゴDNAとで2本鎖を形成するアニール工程、2本鎖を形成したプライマーの3′末端から鋳型の1本鎖DNAに沿ってDNA相補鎖を合成するDNAの伸長の工程、これらを繰り返すDNAの複製方法において、一方のプライマーが5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているプライマーであるDNA複合体の複製方法。(2)上記(1)で得られた複合体を複数個凝集した凝集体。(3)上記(2)の凝集体を用いた遺伝子診断方法。(4)5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているオリゴDNAの3′末端を鋳型のDNAを用いて伸長させたDNA複合体。
【選択図】 なし
【解決手段】(1)2本鎖DNAを1本鎖鋳型DNA2本に乖離する熱変成工程、2本に乖離された1本鎖鋳型DNAと特異的な相補鎖を形成するオリゴDNAとで2本鎖を形成するアニール工程、2本鎖を形成したプライマーの3′末端から鋳型の1本鎖DNAに沿ってDNA相補鎖を合成するDNAの伸長の工程、これらを繰り返すDNAの複製方法において、一方のプライマーが5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているプライマーであるDNA複合体の複製方法。(2)上記(1)で得られた複合体を複数個凝集した凝集体。(3)上記(2)の凝集体を用いた遺伝子診断方法。(4)5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているオリゴDNAの3′末端を鋳型のDNAを用いて伸長させたDNA複合体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、DNAのポリマラーゼ連鎖反応を利用して増幅することにより、目的のDNA配列が存在するかどうかを、簡易な方法で検出する技術に関する。
遺伝子を増幅する技術としてポリメラーゼ連鎖反応法(Polymerase Chain Reaction;以下、PCR法と略す。)が一般的に行われている。PCR法は、Saikiらが開発した方法(Science 230,1350−1354(1985))で、ある特定のヌクレオチド配列領域(試料中のDNAなど)を検出する場合、その領域の両端の一方は+鎖を、他方は−鎖をそれぞれ認識してハイブリダイゼーションするようなオリゴDNAを用意し、それを熱変性により1本鎖状態にした試料DNAに対し鋳型依存性ヌクレオチド重合反応のプライマーとして機能させ、生成した2本鎖DNAを再び1本鎖に分離し、再び同様な反応を起こさせる一連の操作を繰り返すことで2つのプライマーに挟まれた領域を検出できるまでに増幅させる方法である。
プライマーを適切に設計した反応系では、DNAが増幅できたかできなかったかを評価することにより、検体中にごく少量の、例えば、1個のウィルス、細菌、細胞が存在するかどうかでも検出できるようになってきた。しかしながら、DNAは水溶性が高く、増幅しても水溶液が透明であり目視で確認することができないという問題があった。
増幅産物を確認する方法としては、増幅産物をそのまま、直接、ポリアクリルアミドで電気泳動し、その泳動度の差から変異を検出するPCR−SSCP(PCR−Single Strand Conformation Polymorphism)法がある。
この方法では変異による増幅産物の立体構造の変化を電気泳動度の差として検出するものである。又、ショットガン法、プライマーウォーキング法、クローニング法などシークエンス技術や、DNAを制限酵素で適当に切断し、変異のある部分に意図的にPCRプライマーの3′末端を配置し、PCRが行われるか否かで判別するPCR−ASP(PCR−Allele Specific Primer)法や、変異部分をPCRで増幅し、これが制限酵素で切断可能か否かで判別するPCR−RFLP(PCR−Restriction Fragment Length Polymorphism)法、変異部分をさらに蛍光標識プローブで検出するタックマンプローブ法などがある。しかしながらいずれも、高度な技術を習熟した者が高価な機器を用い、相当の時間的、金銭的な負担をかけてしかなし得ないものであり、このような開発しかなされていないのが現状である。
プライマーを適切に設計した反応系では、DNAが増幅できたかできなかったかを評価することにより、検体中にごく少量の、例えば、1個のウィルス、細菌、細胞が存在するかどうかでも検出できるようになってきた。しかしながら、DNAは水溶性が高く、増幅しても水溶液が透明であり目視で確認することができないという問題があった。
増幅産物を確認する方法としては、増幅産物をそのまま、直接、ポリアクリルアミドで電気泳動し、その泳動度の差から変異を検出するPCR−SSCP(PCR−Single Strand Conformation Polymorphism)法がある。
この方法では変異による増幅産物の立体構造の変化を電気泳動度の差として検出するものである。又、ショットガン法、プライマーウォーキング法、クローニング法などシークエンス技術や、DNAを制限酵素で適当に切断し、変異のある部分に意図的にPCRプライマーの3′末端を配置し、PCRが行われるか否かで判別するPCR−ASP(PCR−Allele Specific Primer)法や、変異部分をPCRで増幅し、これが制限酵素で切断可能か否かで判別するPCR−RFLP(PCR−Restriction Fragment Length Polymorphism)法、変異部分をさらに蛍光標識プローブで検出するタックマンプローブ法などがある。しかしながらいずれも、高度な技術を習熟した者が高価な機器を用い、相当の時間的、金銭的な負担をかけてしかなし得ないものであり、このような開発しかなされていないのが現状である。
一方、前田等の特許出願(特開2001−252098号公報)には、1本鎖DNAと疎水性物質の複合体(DNA複合体)と金属陽イオンを含有する水溶液に、遺伝子DNAを添加し、該水溶液の光散乱強度、または光透過率のいずれかの変化を測定することを特徴とする遺伝子診断方法が提案されている。このDNA複合体物質は、側鎖のDNAと同じ長さで完全に相補鎖を形成するDNAが存在したときにはじめて凝集を生じ、系が濁ることでSNPSのようにたった1つのDNAの変異でもそれを検出できる優れた方法である。
しかしながら、この検出法を各種の遺伝子検査に用いるためには、検体のDNAもしくはその増幅物を、DNA複合体に合わせ、高価な制限酵素を用い、時間をかけて長さを調整し、さらにその一方のみを取り出し凝集を形成させなければならず、簡単に利用することは困難であった。
特開2001−252098号公報
特許庁標準技術集「核酸の増幅及び検出」(URL http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm)
しかしながら、この検出法を各種の遺伝子検査に用いるためには、検体のDNAもしくはその増幅物を、DNA複合体に合わせ、高価な制限酵素を用い、時間をかけて長さを調整し、さらにその一方のみを取り出し凝集を形成させなければならず、簡単に利用することは困難であった。
本発明は以上の事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、DNAの簡単な検査方法を提供することにあり、さらに詳しくは、検体のDNAがターゲットのDNAであるかどうかを、DNA複合体を用いて簡単に検出する方法を提供することである。
本発明の上記目的は
(1)2本鎖のDNAを1本鎖の鋳型DNA2本に乖離する熱変成工程、該2本に乖離された1本鎖の鋳型DNAと、それぞれ特異的な相補鎖を形成する配列を有するオリゴDNA(以下、プライマーと称する。)とで2本鎖を形成するアニール工程、2本鎖を形成した各々のプライマーの3′末端から鋳型の1本鎖DNAに沿ってDNA相補鎖を合成するDNAの伸長の工程、これらを繰り返すことによりDNAを複製するDNAの複製方法において、前記の一方のプライマーが5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているプライマーであることを特徴とするDNA複合体の複製方法。
(2)上記(1)に記載の複製方法により得られた組成物中に、金属陽イオンを含有する水溶液を添加し、ポリマーの下限臨界共溶温度以上に加熱することにより該複合体を複数個凝集して形成されたことを特徴とする凝集体。
(3)上記(2)に記載の凝集体の水溶液の光散乱強度、または光透過率のいずれかの変化を測定することにより検出するこを特徴とする遺伝子診断方法。
(4)5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているオリゴDNAの3′末端を、鋳型のDNAを用いて伸長させることにより得られるDNA複合体。
により達成された。
(1)2本鎖のDNAを1本鎖の鋳型DNA2本に乖離する熱変成工程、該2本に乖離された1本鎖の鋳型DNAと、それぞれ特異的な相補鎖を形成する配列を有するオリゴDNA(以下、プライマーと称する。)とで2本鎖を形成するアニール工程、2本鎖を形成した各々のプライマーの3′末端から鋳型の1本鎖DNAに沿ってDNA相補鎖を合成するDNAの伸長の工程、これらを繰り返すことによりDNAを複製するDNAの複製方法において、前記の一方のプライマーが5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているプライマーであることを特徴とするDNA複合体の複製方法。
(2)上記(1)に記載の複製方法により得られた組成物中に、金属陽イオンを含有する水溶液を添加し、ポリマーの下限臨界共溶温度以上に加熱することにより該複合体を複数個凝集して形成されたことを特徴とする凝集体。
(3)上記(2)に記載の凝集体の水溶液の光散乱強度、または光透過率のいずれかの変化を測定することにより検出するこを特徴とする遺伝子診断方法。
(4)5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているオリゴDNAの3′末端を、鋳型のDNAを用いて伸長させることにより得られるDNA複合体。
により達成された。
本発明によれば、検体のDNAがターゲットのDNAであるかどうかを簡単に検出することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の原理について説明する。5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されたオリゴDNAは、下限臨界共溶温度を有するポリマーの転移温度以下では、すべての成分が鎖状に伸びた状態となり、鋳型のDNAにハイブリダイゼーションしやすい構造となる。下限臨界共溶温度を有するポリマーがポリNイソプロピルアミドの場合、この温度は32℃であるので、例えば、25℃あたりで、鋳型にアニールさせる。アニールが終わったときには、ポリメラーゼ酵素を用いて、オリゴDNAを鋳型に沿って増幅する。一般的に用いられるポリマラーゼ酵素は、55℃以上の温度でDNAを増幅するため、5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーの転移温度以上となり、この部分は疎水化し、オリゴDNAを親水性部位としたミセル構造となる。これがミセル構造をとるかどうかは、合成したDNA複合体の構造で決まる。つまり、重要なのは、DNAの長さと、複合体中のDNAの含有量である。
PCR法では、低温でアニールした場合にミスマッチが起きるためか異常な増幅が起きる場合があるが、このようなミセル構造をとるとミスマッチ部分は外れ、正常な増幅のみが進行しもう一方のプライマーがアニールした部分まで伸長する。これを熱変性すると、5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されたDNAと、これとまったく完全に相補鎖を形成するDNAが合成される。
従って、このPCRが成功しているかどうかは、下限臨界共溶温度以上の温度とし、塩濃度を高めることによりDNA複合体が凝集するかどうかで検出することができるようになる。
まず、本発明の原理について説明する。5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されたオリゴDNAは、下限臨界共溶温度を有するポリマーの転移温度以下では、すべての成分が鎖状に伸びた状態となり、鋳型のDNAにハイブリダイゼーションしやすい構造となる。下限臨界共溶温度を有するポリマーがポリNイソプロピルアミドの場合、この温度は32℃であるので、例えば、25℃あたりで、鋳型にアニールさせる。アニールが終わったときには、ポリメラーゼ酵素を用いて、オリゴDNAを鋳型に沿って増幅する。一般的に用いられるポリマラーゼ酵素は、55℃以上の温度でDNAを増幅するため、5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーの転移温度以上となり、この部分は疎水化し、オリゴDNAを親水性部位としたミセル構造となる。これがミセル構造をとるかどうかは、合成したDNA複合体の構造で決まる。つまり、重要なのは、DNAの長さと、複合体中のDNAの含有量である。
PCR法では、低温でアニールした場合にミスマッチが起きるためか異常な増幅が起きる場合があるが、このようなミセル構造をとるとミスマッチ部分は外れ、正常な増幅のみが進行しもう一方のプライマーがアニールした部分まで伸長する。これを熱変性すると、5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されたDNAと、これとまったく完全に相補鎖を形成するDNAが合成される。
従って、このPCRが成功しているかどうかは、下限臨界共溶温度以上の温度とし、塩濃度を高めることによりDNA複合体が凝集するかどうかで検出することができるようになる。
次に、本発明の構成要素について順次説明する。
本発明において、一方のプライマーの5′末端には、下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結される。
ここで下限臨界共溶温度とは、水に対する溶解度が低温では高く、高温になるに従って低下する物質において、溶解度が1g/Lとなる温度をいい、下限臨界共溶温度を有するポリマーとは、このような下限臨界共溶温度を示すポリマーをいう。
下限臨界共溶温度を有するポリマーとしては、ポリアクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体が挙げられる。
ポリアクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体の下限臨界共溶温度は、例えば、
ポリ(N−エチルアクリルアミド):72℃
ポリ(N−エチル、N−メチルアクリルアミド):56℃
ポリ(N−ピロリジニルアクリルアミド):56℃
ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド):46℃
ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド):32℃
ポリ(N−ジエチルアクリルアミド):29℃
ポリ(N−メチル、N−イソロプロピルアクリルアミド):22℃
ポリ(N−プロピルアクリルアミド):21℃
ポリ(N−メチル、N−イソロプロピルアクリルアミド):20℃
ポリ(N−ピペリジニルアクリルアミド):5℃
ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド):59℃
ポリ(N−エチルメタリルアミド):50℃
ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド):44℃
ポリ(N−プロピルアクリルアミド):13℃
であるが、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(以下、PNIPAAmと称することがある。)が、その温度応答挙動もよく知られており(Schild,H.G.,Prog.Polym.Sci.17,163−249,(1992)、一本鎖DNAと複合体を形成した際には、応答温度範囲が比較的低く、扱いやすい上、入手しやすい((株)興人より入手)ため、本発明においては、PNIPAAmを下限臨界共溶温度を有するポリマーとして用いるのが好ましい。
本発明において、一方のプライマーの5′末端には、下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結される。
ここで下限臨界共溶温度とは、水に対する溶解度が低温では高く、高温になるに従って低下する物質において、溶解度が1g/Lとなる温度をいい、下限臨界共溶温度を有するポリマーとは、このような下限臨界共溶温度を示すポリマーをいう。
下限臨界共溶温度を有するポリマーとしては、ポリアクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体が挙げられる。
ポリアクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体の下限臨界共溶温度は、例えば、
ポリ(N−エチルアクリルアミド):72℃
ポリ(N−エチル、N−メチルアクリルアミド):56℃
ポリ(N−ピロリジニルアクリルアミド):56℃
ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド):46℃
ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド):32℃
ポリ(N−ジエチルアクリルアミド):29℃
ポリ(N−メチル、N−イソロプロピルアクリルアミド):22℃
ポリ(N−プロピルアクリルアミド):21℃
ポリ(N−メチル、N−イソロプロピルアクリルアミド):20℃
ポリ(N−ピペリジニルアクリルアミド):5℃
ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド):59℃
ポリ(N−エチルメタリルアミド):50℃
ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド):44℃
ポリ(N−プロピルアクリルアミド):13℃
であるが、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(以下、PNIPAAmと称することがある。)が、その温度応答挙動もよく知られており(Schild,H.G.,Prog.Polym.Sci.17,163−249,(1992)、一本鎖DNAと複合体を形成した際には、応答温度範囲が比較的低く、扱いやすい上、入手しやすい((株)興人より入手)ため、本発明においては、PNIPAAmを下限臨界共溶温度を有するポリマーとして用いるのが好ましい。
上記のポリマーにおいて、下限臨界共溶温度が失われない限りにおいて、他のモノマーを共重合してもかまわない。
プライマーの5′末端に連結する下限臨界共溶温度を有するポリマーとしてPNIPAAmを用いた場合、DNA複合体は、一本鎖DNA−PNIPAAmとなる。このような一本鎖DNA−PNIPAAmの製造方法としては、種々の方法が適用されるが、好ましくは、末端アミノ化一本鎖DNAとメタクリロイルオキシスクシンイミド(MOSu)をカップリングさせ、末端ビニル化一本鎖DNAとした後、これをN−イソプロピルアクリルアミド(以下NIPAAm)モノマーとラジカル共重合させて得る方法が挙げられる。このとき、カップリング反応や共重合の触媒はどのようなものであってもよく、反応条件もとくに限定されない。例えば、末端アミノ化一本鎖DNAとMOSuを、Na2CO3−Na2HCO3下で、pHを調整した反応系でカップリングし、生成物とNIPAAmを緩衝剤であるTris−HCl下でpHを調整し、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミンを開始剤としてラジカル重合させてもよい。もちろん、これら以外の触媒や、助触媒、添加剤を用いてもよい。
なお、末端アミノ化1本鎖DNAは、特開昭59−27900号公報、特開昭59−93098号公報、特開昭59−93099号公報、特開昭59−93100号公報にその具体的な合成方法が記載されている。また、末端ビニル化ODNとする方法及びそれとNIPAAmとの共重合方法は、前田等の論文(biotechnology and bioengineering,vol.72,No.2,261−268及びpolymer journal,vol.33,No.10,830−833)に詳しく記載されている。
プライマーの5′末端に連結する下限臨界共溶温度を有するポリマーとしてPNIPAAmを用いた場合、DNA複合体は、一本鎖DNA−PNIPAAmとなる。このような一本鎖DNA−PNIPAAmの製造方法としては、種々の方法が適用されるが、好ましくは、末端アミノ化一本鎖DNAとメタクリロイルオキシスクシンイミド(MOSu)をカップリングさせ、末端ビニル化一本鎖DNAとした後、これをN−イソプロピルアクリルアミド(以下NIPAAm)モノマーとラジカル共重合させて得る方法が挙げられる。このとき、カップリング反応や共重合の触媒はどのようなものであってもよく、反応条件もとくに限定されない。例えば、末端アミノ化一本鎖DNAとMOSuを、Na2CO3−Na2HCO3下で、pHを調整した反応系でカップリングし、生成物とNIPAAmを緩衝剤であるTris−HCl下でpHを調整し、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミンを開始剤としてラジカル重合させてもよい。もちろん、これら以外の触媒や、助触媒、添加剤を用いてもよい。
なお、末端アミノ化1本鎖DNAは、特開昭59−27900号公報、特開昭59−93098号公報、特開昭59−93099号公報、特開昭59−93100号公報にその具体的な合成方法が記載されている。また、末端ビニル化ODNとする方法及びそれとNIPAAmとの共重合方法は、前田等の論文(biotechnology and bioengineering,vol.72,No.2,261−268及びpolymer journal,vol.33,No.10,830−833)に詳しく記載されている。
次に、本発明で用いられるプライマーについて説明する。
本発明では、熱変性後の(+)側のDNAと(−)側のDNAに用いるプライマーのいずれか一方がDNA複合体であればよく、その他のプライマーは、ODN(末端にポリマーがついたオリゴDNA)でもかまわない。
本明細書においてデオキシリボヌクレオチドとは、糖部分がD−2−デオキシリボースで構成されたヌクレオチドのことをいい、例えば、塩基部分にアデニン、シトシン、グアニン、チミンを有するものが挙げられる。さらに、7−デアザグアノシン等の修飾塩基を有するデオキシリボヌクレオチドやデオキシイノシンヌクレオチドのようなデオキシリボヌクレオチドアナログも上記のデオキシリボヌクレオチドに包含される。
本明細書においてDNAポリメラーゼとは、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵素のことをいい、天然型のDNAポリメラーゼの他、前記活性を有する変異体酵素も包含される。当該酵素としては、例えば、鎖置換(Strand displacement)活性を有するDNAポリメラーゼ、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有していないDNAポリメラーゼ、逆転写酵素活性やエンドヌクレアーゼ活性を併せ持つDNAポリメラーゼが挙げられる。
本発明において使用されるプライマーは、少なくともデオキシリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドアナログから選択されるものである。該プライマーには未修飾リボヌクレオチドおよび/または修飾リボヌクレオチドを含有するオリゴリボヌクレオチドプライマーも含まれる。
本発明において使用されるプライマーは、鋳型核酸の塩基配列の一部に実質的に相補的な塩基配列を有し、使用される条件において、DNA鎖の伸長に寄与することができる。なお、ここで「実質的に相補的な塩基配列」とは、使用される反応条件において鋳型となるDNAにアニーリング可能な塩基配列を意味する。
本発明において使用されるプライマーは当該プライマーの機能を失わない範囲で未修飾リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチドを使用することができ、さらにこれらを組合せて使用することができる。このような修飾リボヌクレオチドは、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸基に結合する酸素原子が硫黄原子に置換された(α−S)リボヌクレオチドや、リボースの2位の水酸基がメトキシ基に置換されたリボヌクレオチドが挙げられる。
本発明では、熱変性後の(+)側のDNAと(−)側のDNAに用いるプライマーのいずれか一方がDNA複合体であればよく、その他のプライマーは、ODN(末端にポリマーがついたオリゴDNA)でもかまわない。
本明細書においてデオキシリボヌクレオチドとは、糖部分がD−2−デオキシリボースで構成されたヌクレオチドのことをいい、例えば、塩基部分にアデニン、シトシン、グアニン、チミンを有するものが挙げられる。さらに、7−デアザグアノシン等の修飾塩基を有するデオキシリボヌクレオチドやデオキシイノシンヌクレオチドのようなデオキシリボヌクレオチドアナログも上記のデオキシリボヌクレオチドに包含される。
本明細書においてDNAポリメラーゼとは、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵素のことをいい、天然型のDNAポリメラーゼの他、前記活性を有する変異体酵素も包含される。当該酵素としては、例えば、鎖置換(Strand displacement)活性を有するDNAポリメラーゼ、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有していないDNAポリメラーゼ、逆転写酵素活性やエンドヌクレアーゼ活性を併せ持つDNAポリメラーゼが挙げられる。
本発明において使用されるプライマーは、少なくともデオキシリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドアナログから選択されるものである。該プライマーには未修飾リボヌクレオチドおよび/または修飾リボヌクレオチドを含有するオリゴリボヌクレオチドプライマーも含まれる。
本発明において使用されるプライマーは、鋳型核酸の塩基配列の一部に実質的に相補的な塩基配列を有し、使用される条件において、DNA鎖の伸長に寄与することができる。なお、ここで「実質的に相補的な塩基配列」とは、使用される反応条件において鋳型となるDNAにアニーリング可能な塩基配列を意味する。
本発明において使用されるプライマーは当該プライマーの機能を失わない範囲で未修飾リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチドを使用することができ、さらにこれらを組合せて使用することができる。このような修飾リボヌクレオチドは、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸基に結合する酸素原子が硫黄原子に置換された(α−S)リボヌクレオチドや、リボースの2位の水酸基がメトキシ基に置換されたリボヌクレオチドが挙げられる。
本発明において使用されるプライマーは、鋳型核酸にアニーリングするように、実質的に鋳型核酸に相補的な配列であることが好ましい。ヌクレオチドアナログのプライマーへの導入は、プライマー自身の高次構造形成の抑制、鋳型とのアニーリング形成の安定化の観点からも有効である。これらの任意の核酸配列を持つプライマーは、例えば、アプライド バイオシステムズ社(ABI社、Applied Biosystems Inc.)のDNAシンセサイザー394型を用いて、ホスホアミダイト法により合成できる。また、別法としてリン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスホネート法等があるが、いかなる方法で合成されたものであってもよい。
次に、本発明に使用されるDNAポリメラーゼについて説明する。
本発明に使用されるDNAポリメラーゼは、特に限定はなく、例えば、バチルス カルドテナックス(Bacillus caldotenax、以下、B.caと称す)やバチルス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermorphilus、以下B.stと称す)等の好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠失した変異体や、大腸菌(以下、E.coliと称す)由来のDNAポリメラーゼIのラージ フラグメント(クレノウ断片)等が挙げられる。また、本発明に使用できるDNAポリメラーゼは、常温性から耐熱性のいずれのものも好適に使用できる。B.caは生育至適温度が約70℃である好熱性細菌であり、この細菌由来のBcaDNAポリメラーゼは、DNA依存DNAポリメラーゼ活性、RNA依存DNAポリメラーゼ活性(逆転写活性)、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性、3′→5′エキソヌクレアーゼ活性を持つことが知られている。上記の酵素は、その本来の起源より精製して取得されたもの、あるいは遺伝子工学的に生産された組み換えタンパク質の何れであってもよい。また、該酵素は、遺伝子工学的あるいはその他の手法によって置換、欠失、付加、挿入等の改変を加えたものであってもよく、このような酵素の例として、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたBcaDNAポリメラーゼであるBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)等が挙げられる。
また、DNAポリメラーゼの中には、特定の条件でエンドヌクレアーゼ活性、例えば、RNaseH活性を有するものが知られている。このようなDNAポリメラーゼを本発明に用いることができる。すなわち、該DNAポリメラーゼをRNaseH活性が発現されるような条件下、例えば、Mn2+の存在下で使用する態様が挙げられる。該態様においては、上記RNaseHを添加することなく本発明を実施することができる。すなわち、Mn2+を含有する緩衝液中で上記のBca DNAポリメラーゼがRNaseH活性を示すことができる。なお、上記の態様はBca DNAポリメラーゼに限定されるものではなく、RNaseH活性を併せ持つことが知られている公知のDNAポリメラーゼ、例えば、サーマス サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来のTth DNAポリメラーゼも本発明に使用することができる。
本発明に使用されるDNAポリメラーゼは、特に限定はなく、例えば、バチルス カルドテナックス(Bacillus caldotenax、以下、B.caと称す)やバチルス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermorphilus、以下B.stと称す)等の好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼの5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠失した変異体や、大腸菌(以下、E.coliと称す)由来のDNAポリメラーゼIのラージ フラグメント(クレノウ断片)等が挙げられる。また、本発明に使用できるDNAポリメラーゼは、常温性から耐熱性のいずれのものも好適に使用できる。B.caは生育至適温度が約70℃である好熱性細菌であり、この細菌由来のBcaDNAポリメラーゼは、DNA依存DNAポリメラーゼ活性、RNA依存DNAポリメラーゼ活性(逆転写活性)、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性、3′→5′エキソヌクレアーゼ活性を持つことが知られている。上記の酵素は、その本来の起源より精製して取得されたもの、あるいは遺伝子工学的に生産された組み換えタンパク質の何れであってもよい。また、該酵素は、遺伝子工学的あるいはその他の手法によって置換、欠失、付加、挿入等の改変を加えたものであってもよく、このような酵素の例として、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたBcaDNAポリメラーゼであるBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)等が挙げられる。
また、DNAポリメラーゼの中には、特定の条件でエンドヌクレアーゼ活性、例えば、RNaseH活性を有するものが知られている。このようなDNAポリメラーゼを本発明に用いることができる。すなわち、該DNAポリメラーゼをRNaseH活性が発現されるような条件下、例えば、Mn2+の存在下で使用する態様が挙げられる。該態様においては、上記RNaseHを添加することなく本発明を実施することができる。すなわち、Mn2+を含有する緩衝液中で上記のBca DNAポリメラーゼがRNaseH活性を示すことができる。なお、上記の態様はBca DNAポリメラーゼに限定されるものではなく、RNaseH活性を併せ持つことが知られている公知のDNAポリメラーゼ、例えば、サーマス サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来のTth DNAポリメラーゼも本発明に使用することができる。
次に、本発明の標的核酸の増幅方法について説明する。
本発明のDNA複合体の複製方法は、プライマー及びDNA複合体、DNAポリメラーゼを組合わせて実施することができる。当該方法では、伸長反応の基質となるヌクレオチド3リン酸としてPCR法等に使われるdNTP、すなわちdATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物が好適に使用できる。また、dUTPを基質として用いてもよい。さらに、当該dNTPは、使用されるDNAポリメラーゼの基質となる限りにおいては、dNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸)のアナログ、例えば、7−デアザ−dGTP、dITP等のヌクレオチド3リン酸を含んでいてもよい。また、dNTPあるいはdNTPアナログの誘導体を使用してもよく、官能基を有する誘導体、例えば、アミノ基を有するdUTPを含んでいてもよい。当該プライマーは、例えば、DNA合成機等を用いて通常の合成方法と同様に調製することができる。
本発明のDNA複合体の複製方法に用いるプライマーとDNA複合体の使用量は、標的核酸の塩基配列、目的の増幅断片長及び使用する反応系組成により調整すればよく、例えば、増幅産物量を目安に調整することができるが特に限定はされない。本発明のDNA複合体の複製方法においては、使用される酵素の活性が反応中に低下するおそれのある場合には、反応の途中で当該酵素をさらに添加することができる。添加する酵素は、反応開始時に反応液中に含まれる酵素と同じものでもよいし、同じ作用を示す異なる種類の酵素であってもよい。すなわち、反応途中で添加することにより、検出感度の向上あるいは増幅産物量の増大等の効果が得られるならば、添加する酵素の種類及び該酵素の性質には何らの限定はない。
本発明のDNA複合体の複製方法は、プライマー及びDNA複合体、DNAポリメラーゼを組合わせて実施することができる。当該方法では、伸長反応の基質となるヌクレオチド3リン酸としてPCR法等に使われるdNTP、すなわちdATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物が好適に使用できる。また、dUTPを基質として用いてもよい。さらに、当該dNTPは、使用されるDNAポリメラーゼの基質となる限りにおいては、dNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸)のアナログ、例えば、7−デアザ−dGTP、dITP等のヌクレオチド3リン酸を含んでいてもよい。また、dNTPあるいはdNTPアナログの誘導体を使用してもよく、官能基を有する誘導体、例えば、アミノ基を有するdUTPを含んでいてもよい。当該プライマーは、例えば、DNA合成機等を用いて通常の合成方法と同様に調製することができる。
本発明のDNA複合体の複製方法に用いるプライマーとDNA複合体の使用量は、標的核酸の塩基配列、目的の増幅断片長及び使用する反応系組成により調整すればよく、例えば、増幅産物量を目安に調整することができるが特に限定はされない。本発明のDNA複合体の複製方法においては、使用される酵素の活性が反応中に低下するおそれのある場合には、反応の途中で当該酵素をさらに添加することができる。添加する酵素は、反応開始時に反応液中に含まれる酵素と同じものでもよいし、同じ作用を示す異なる種類の酵素であってもよい。すなわち、反応途中で添加することにより、検出感度の向上あるいは増幅産物量の増大等の効果が得られるならば、添加する酵素の種類及び該酵素の性質には何らの限定はない。
本発明のDNA複合体の複製方法において、鋳型となる核酸、すなわちDNAまたはRNAは、当該核酸を含む可能性のあるあらゆる試料から調製、あるいは単離したものでもよい。さらに、上記試料を直接、本発明の核酸増幅反応に使用してもよい。このような核酸を含む試料には特に限定はないが、例えば、全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、脳脊髄液、精液、唾液、組織(例えば、癌組織、リンパ節等)、細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物及び細菌培養物等)のような生体由来試料、ウイロイド、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、ウイルス又は細菌のような微生物が混入もしくは感染している可能性のある試料(食品、生物学的製剤等)、あるいは土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料が挙げられる。また、前記試料等を公知の方法で処理することによって得られる核酸含有調製物であってもよい。該調製物としては、例えば、細胞破砕物やそれを分画して得られる試料、該試料中の核酸、あるいは特定の核酸分子群、例えば、mRNAを富化した試料等が本発明に使用できる。さらに上記試料中に含まれる核酸が公知方法で増幅されたDNAあるいはRNA等の核酸等も好適に使用できる。
これら材料からの核酸含有調製物の調製には特に限定はなく、例えば、界面活性剤による溶解処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた振盪撹拌、フレンチプレスの使用等により行うことができる。幾つかの例においては、さらに操作を加えて核酸を精製することが有利である(例えば、内在性ヌクレアーゼが存在するとき)。これらの例において、核酸の精製はフェノール抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離等の公知方法により実施される。
これら材料からの核酸含有調製物の調製には特に限定はなく、例えば、界面活性剤による溶解処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた振盪撹拌、フレンチプレスの使用等により行うことができる。幾つかの例においては、さらに操作を加えて核酸を精製することが有利である(例えば、内在性ヌクレアーゼが存在するとき)。これらの例において、核酸の精製はフェノール抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離等の公知方法により実施される。
RNA由来の配列を有する核酸を増幅したい場合には、当該RNAを鋳型とした逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型として本発明の方法を実施すればよい。本発明の方法に適用することができるRNAには、逆転写反応に使用されるプライマーが作製可能なものであれば特に制限はなく、試料中の全RNAの他、mRNA、tRNA、rRNA等のRNA分子群、あるいは特定のRNA分子種が挙げられる。
上記の逆転写反応に使用されるプライマーは、使用される反応条件において鋳型RNAにアニールするものであれば特に限定されるものではない。該プライマーは、特定の鋳型RNAに相補的な塩基配列を有するプライマー(特異的プライマー)の他、オリゴdT(デオキシチミン)プライマーやランダムな配列を有するプライマー(ランダムプライマー)であってもよい。逆転写用プライマーの長さは、特異的なアニーリングを行う観点からは、好ましくは6ヌクレオチド以上であり、更に好ましくは9ヌクレオチド以上であり、オリゴDNAの合成の観点からは、好ましくは100ヌクレオチド以下であり、更に好ましくは30ヌクレオチド以下である。
上記の逆転写反応に使用される酵素としては、RNAを鋳型としたcDNA合成活性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、トリ骨髄芽球症ウイルス由来逆転写酵素(AMV RTase)、モロニーネズミ白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV RTase)、ラウス関連ウイルス2逆転写酵素(RAV−2 RTase)等、種々の起源の逆転写酵素が挙げられる。このほか、逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを使用することもできる。また、本発明の目的のためには、高温で逆転写活性を有する酵素が好適であり、例えば、サーマス属細菌由来DNAポリメラーゼ(Tth DNAポリメラーゼ等)、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼ等を使用できる。これらは特に限定されるものではないが、例えば、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼが好ましく、B.st由来DNAポリメラーゼ(Bst DNAポリメラーゼ)、さらにBca DNAポリメラーゼが好ましい。例えば、Bca DNAポリメラーゼは、逆転写反応にマンガンイオンを必要とせず、また、高温条件下で鋳型RNAの二次構造形成を抑制しながらcDNAを合成することができる。
上記の逆転写反応に使用されるプライマーは、使用される反応条件において鋳型RNAにアニールするものであれば特に限定されるものではない。該プライマーは、特定の鋳型RNAに相補的な塩基配列を有するプライマー(特異的プライマー)の他、オリゴdT(デオキシチミン)プライマーやランダムな配列を有するプライマー(ランダムプライマー)であってもよい。逆転写用プライマーの長さは、特異的なアニーリングを行う観点からは、好ましくは6ヌクレオチド以上であり、更に好ましくは9ヌクレオチド以上であり、オリゴDNAの合成の観点からは、好ましくは100ヌクレオチド以下であり、更に好ましくは30ヌクレオチド以下である。
上記の逆転写反応に使用される酵素としては、RNAを鋳型としたcDNA合成活性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、トリ骨髄芽球症ウイルス由来逆転写酵素(AMV RTase)、モロニーネズミ白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV RTase)、ラウス関連ウイルス2逆転写酵素(RAV−2 RTase)等、種々の起源の逆転写酵素が挙げられる。このほか、逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを使用することもできる。また、本発明の目的のためには、高温で逆転写活性を有する酵素が好適であり、例えば、サーマス属細菌由来DNAポリメラーゼ(Tth DNAポリメラーゼ等)、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼ等を使用できる。これらは特に限定されるものではないが、例えば、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼが好ましく、B.st由来DNAポリメラーゼ(Bst DNAポリメラーゼ)、さらにBca DNAポリメラーゼが好ましい。例えば、Bca DNAポリメラーゼは、逆転写反応にマンガンイオンを必要とせず、また、高温条件下で鋳型RNAの二次構造形成を抑制しながらcDNAを合成することができる。
上記の逆転写酵素活性を有する酵素も、当該活性を有している範囲において天然体、変異体のいずれもが使用できる。また、別の態様としては、増幅しようとする塩基配列を含むDNAあるいはRNAをあらかじめ複製した後、本発明の方法の鋳型となる核酸として用いてもよい。該複製の方法としては、特に限定はされないが、増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片を挿入したベクターで適当な宿主を形質転換させた後、得られた形質転換体を培養して、上記増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片を挿入したベクターを抽出して使用する方法が例示される。該ベクターは、宿主内で安定して複製されるものであれば特に限定はなく、例えば、pUC系、pBluescript系、pGEM系、コスミド系、ファージ系のいずれもが好適に使用できる。また、宿主は、使用されるベクターを保持することができるものであれば特に限定はなく、例えば、培養が容易な大腸菌等が例示される。さらに、上記複製の方法の別の態様としては、増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片を鋳型としてRNAポリメラーゼで該塩基配列を有するRNAを転写した後、該RNAをそのまま、あるいは逆転写反応によりcDNAとして本発明の方法の鋳型に用いてもよい。
上記の増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片はRNAポリメラーゼのプロモーター配列を有していれば特に限定はなく、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するベクターに挿入されたものでもよいし、末端にRNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するアダプターあるいはカセットをライゲーションさせたものでもよいし、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するプライマーと適切な鋳型を用いて酵素的に合成したものであってもよい。すなわち、上記の増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片を、上記のように配置されたRNAポリメラーゼのプロモーター配列を用いて、RNAの形で複製、増幅することができる。上記ベクターは、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するものであれば特に限定はなく、例えば、pUC系、pBluescript系、pGEM系、コスミド系、ファージ系のいずれもが好適に使用できる。また、該ベクターは、環状のままあるいは直鎖状に処理したもののいずれもが好適に使用できる。さらに、上記の複製、増幅方法に用いられるRNAポリメラーゼは特に限定はなく、例えば、SP6 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼあるいはT3 RNAポリメラーゼ等が好適に使用できる。
上記の増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片はRNAポリメラーゼのプロモーター配列を有していれば特に限定はなく、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するベクターに挿入されたものでもよいし、末端にRNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するアダプターあるいはカセットをライゲーションさせたものでもよいし、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するプライマーと適切な鋳型を用いて酵素的に合成したものであってもよい。すなわち、上記の増幅しようとする塩基配列を含む核酸断片を、上記のように配置されたRNAポリメラーゼのプロモーター配列を用いて、RNAの形で複製、増幅することができる。上記ベクターは、RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有するものであれば特に限定はなく、例えば、pUC系、pBluescript系、pGEM系、コスミド系、ファージ系のいずれもが好適に使用できる。また、該ベクターは、環状のままあるいは直鎖状に処理したもののいずれもが好適に使用できる。さらに、上記の複製、増幅方法に用いられるRNAポリメラーゼは特に限定はなく、例えば、SP6 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼあるいはT3 RNAポリメラーゼ等が好適に使用できる。
上記方法により単離したゲノムDNAやPCRフラグメントのような二本鎖DNA、および全RNA若しくはmRNAから逆転写反応で調製されたcDNAのような一本鎖DNAのいずれもが本発明において鋳型DNAとして好適に使用できる。上記二本鎖DNAの場合は、一本鎖DNAに変性する工程(デネーチャー)を施したものが好適に使用できる。
また、鋳型がPCR増幅産物のような直鎖状2本鎖DNAにおいては、本発明に用いるプライマーがアニーリングする位置を、該DNAの末端から約50塩基程度内側に設定することにより、前述のデネーチャーの工程を行わなくても本発明の核酸の増幅方法を行うことができる場合がある。
RNA由来の配列を有する核酸の増幅を目的とする場合には、RNAを鋳型とした逆転写反応によって得られたRNA−cDNA二本鎖核酸を、RNaseHを含有する本発明の増幅用反応液に加えることにより、RNA鎖を分解して一本鎖cDNAとし増幅反応を開始することができる。さらに、本発明のDNA複合体の複製方法に逆転写酵素活性と鎖置換活性とを有するDNAポリメラーゼを使用することにより、RNAを鋳型とした逆転写反応と、当該反応によって生成したcDNAを鋳型にしたDNA増幅反応とを1種類のDNAポリメラーゼで行なうことができる。
上記鋳型の長さは、標的配列がその断片中に完全に含まれるか、または標的配列の十分な部分が少なくとも断片中に存在することにより、プライマー配列の十分な結合を提供するようなものがよい。本発明の方法では、特に限定するものではないが、鋳型DNAが二本鎖DNAの場合にはそれらを変性して一本鎖にすることにより鋳型DNA鎖へのプライマーの結合を可能にさせることができる。二本鎖DNAが変性する温度、例えば、約95℃で保持することは好ましい変性法である。他の方法はpHの上昇を含むが、オリゴDNAプライマーを標的物に結合させるためには、増幅反応時にpHを低下させる必要がある。上記のような二本鎖を一本鎖DNAに変性する工程、もしくは、鋳型がRNAの場合、逆転写反応によりcDNA(一本鎖DNA)を調製する工程の後、温度を変化させて核酸を増幅させる。この温度変化は、例えば、25℃でアニールを行い、55℃でDNAを増幅し、95℃で熱変性を行うこれを繰り返すことにより、連続的に核酸が増幅される。
また、鋳型がPCR増幅産物のような直鎖状2本鎖DNAにおいては、本発明に用いるプライマーがアニーリングする位置を、該DNAの末端から約50塩基程度内側に設定することにより、前述のデネーチャーの工程を行わなくても本発明の核酸の増幅方法を行うことができる場合がある。
RNA由来の配列を有する核酸の増幅を目的とする場合には、RNAを鋳型とした逆転写反応によって得られたRNA−cDNA二本鎖核酸を、RNaseHを含有する本発明の増幅用反応液に加えることにより、RNA鎖を分解して一本鎖cDNAとし増幅反応を開始することができる。さらに、本発明のDNA複合体の複製方法に逆転写酵素活性と鎖置換活性とを有するDNAポリメラーゼを使用することにより、RNAを鋳型とした逆転写反応と、当該反応によって生成したcDNAを鋳型にしたDNA増幅反応とを1種類のDNAポリメラーゼで行なうことができる。
上記鋳型の長さは、標的配列がその断片中に完全に含まれるか、または標的配列の十分な部分が少なくとも断片中に存在することにより、プライマー配列の十分な結合を提供するようなものがよい。本発明の方法では、特に限定するものではないが、鋳型DNAが二本鎖DNAの場合にはそれらを変性して一本鎖にすることにより鋳型DNA鎖へのプライマーの結合を可能にさせることができる。二本鎖DNAが変性する温度、例えば、約95℃で保持することは好ましい変性法である。他の方法はpHの上昇を含むが、オリゴDNAプライマーを標的物に結合させるためには、増幅反応時にpHを低下させる必要がある。上記のような二本鎖を一本鎖DNAに変性する工程、もしくは、鋳型がRNAの場合、逆転写反応によりcDNA(一本鎖DNA)を調製する工程の後、温度を変化させて核酸を増幅させる。この温度変化は、例えば、25℃でアニールを行い、55℃でDNAを増幅し、95℃で熱変性を行うこれを繰り返すことにより、連続的に核酸が増幅される。
本発明の核酸増幅反応は、例えば、クレノウ断片のような常温性DNAポリメラーゼを使用することにより常温(例えば、37℃)でも実施できるが、耐熱性を有する酵素(エンドヌクレアーゼ、DNAポリメラーゼ)を使用して高温、例えば、50℃以上で、さらに、例えば、60℃以上で実施することができる。
さらに該方法においては、逆転写反応および核酸の増幅を連続して行なう態様も可能であり、上記反応に逆転写酵素を組み合わせて、あるいは逆転写活性を有するDNAポリメラーゼを使用して、RNA由来の配列を有するDNAを増幅することができる。
本発明では、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを使用し、鋳型交換反応を行う工程を包含する核酸の増幅方法が提供される。当該鋳型交換反応においては、鋳型となる二本鎖核酸と、それぞれの鎖の塩基配列に実質的に相補的なプライマー及びDNA複合体のODN部分がプライマー伸長鎖の合成の途中において、プライマー伸長鎖のそれぞれの鋳型から他方のプライマー伸長鎖への鋳型の交換が起こる。
ここで、鋳型交換反応とは、2本鎖核酸の両側からの鎖置換反応による相補鎖の合成が行われる際に、DNAポリメラーゼがその鋳型を交換し、他方のDNAポリメラーゼが新規に合成してきた相補鎖をそれぞれ鋳型として、以降の相補鎖合成を行うことをいう。いい換えれば、鋳型となる2本鎖核酸をそれぞれのプライマー及び鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼで処理し、該鋳型に相補的な伸長鎖を生成せしめる反応において、該伸長鎖を合成中に、DNAポリメラーゼによってプライマー伸長鎖が当初の鋳型から、他方のプライマー伸長鎖へと能動的にスイッチングせしめる反応をいう。
本発明には、鎖置換反応中に上記の鋳型交換反応を行う能力を有するDNAポリメラーゼが好適に使用でき、例えば、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠失したBca DNAポリメラーゼの変異体酵素が特に好適に使用される。当該酵素はBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)として市販されており、また、該酵素の遺伝子を含有する大腸菌、Escherichia coli HB101/pUI205(FERM BP−3720)より日本特許第2978001号に記載の方法によって調製することもできる。
さらに該方法においては、逆転写反応および核酸の増幅を連続して行なう態様も可能であり、上記反応に逆転写酵素を組み合わせて、あるいは逆転写活性を有するDNAポリメラーゼを使用して、RNA由来の配列を有するDNAを増幅することができる。
本発明では、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを使用し、鋳型交換反応を行う工程を包含する核酸の増幅方法が提供される。当該鋳型交換反応においては、鋳型となる二本鎖核酸と、それぞれの鎖の塩基配列に実質的に相補的なプライマー及びDNA複合体のODN部分がプライマー伸長鎖の合成の途中において、プライマー伸長鎖のそれぞれの鋳型から他方のプライマー伸長鎖への鋳型の交換が起こる。
ここで、鋳型交換反応とは、2本鎖核酸の両側からの鎖置換反応による相補鎖の合成が行われる際に、DNAポリメラーゼがその鋳型を交換し、他方のDNAポリメラーゼが新規に合成してきた相補鎖をそれぞれ鋳型として、以降の相補鎖合成を行うことをいう。いい換えれば、鋳型となる2本鎖核酸をそれぞれのプライマー及び鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼで処理し、該鋳型に相補的な伸長鎖を生成せしめる反応において、該伸長鎖を合成中に、DNAポリメラーゼによってプライマー伸長鎖が当初の鋳型から、他方のプライマー伸長鎖へと能動的にスイッチングせしめる反応をいう。
本発明には、鎖置換反応中に上記の鋳型交換反応を行う能力を有するDNAポリメラーゼが好適に使用でき、例えば、5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を欠失したBca DNAポリメラーゼの変異体酵素が特に好適に使用される。当該酵素はBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)として市販されており、また、該酵素の遺伝子を含有する大腸菌、Escherichia coli HB101/pUI205(FERM BP−3720)より日本特許第2978001号に記載の方法によって調製することもできる。
本発明に使用されるDNAポリメラーゼは、プライマー部分の3′末端から下流への伸長鎖合成に伴い、先に伸長されたDNA鎖の置換を行う必要がある。そして重要なことは置換鎖を分解する可能性のある5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を示さないことである。このようなDNAポリメラーゼ、例えば、大腸菌由来のDNAポリメラーゼIのエキソヌクレアーゼ欠損変異体であるクレノウ断片、BstDNAポリメラーゼ由来の同様の断片(ニューイングランドバイオラブス社製)、B.ca由来のBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)が有用である。シークエネース1.0およびシークエネース2.0(米国バイオケミカル社)、ジーン(Gene)第97巻、13〜19頁(1991)記載のT5DNAポリメラーゼおよびφ29 DNAポリメラーゼも使用することができる。通常は5′→3′エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼであっても、その活性が適当な阻害剤の添加により阻害することが可能な場合は、本発明のDNA複合体の複製方法に使用できる。
本発明では自動でサーマルサイクラーのような反応装置を使って増幅してもよいし、アニール工程、増幅工程、変性工程それぞれの温度に調整したヒートブロック中に順番に入れることで増幅を行ってもかまわない。本発明において、増幅は使用する酵素の活性が十分に保持される適当な温度で行うことが好ましい。従って、使用する酵素にもよるが、好ましい反応温度は、約20℃〜約80℃であり、さらに好ましくは約30℃〜約75℃であり、特に好ましくは、約50℃〜約70℃である。鋳型となる核酸のGC含量に応じて反応温度を調節し、増幅効率を向上させることができる。例えば、鋳型となる核酸としてGC含量の低いものを使用する場合には、伸長する鎖長やプライマーのTm値にもよるが、50〜55℃で本発明の増幅反応を行うことができる。また、本発明において、逆転写酵素活性を持つDNAポリメラーゼ、例えば、BcaBEST DNAポリメラーゼを使用した場合、RNAからcDNAを調製する工程(逆転写反応)を含むRNA由来の核酸の増幅を1種類の酵素のみで簡便に実施することができる。また、RNAからcDNAを調製する工程を独立させて行い、その生成物(cDNA)を本発明の方法に鋳型DNAとして使用することもできる。
本発明では自動でサーマルサイクラーのような反応装置を使って増幅してもよいし、アニール工程、増幅工程、変性工程それぞれの温度に調整したヒートブロック中に順番に入れることで増幅を行ってもかまわない。本発明において、増幅は使用する酵素の活性が十分に保持される適当な温度で行うことが好ましい。従って、使用する酵素にもよるが、好ましい反応温度は、約20℃〜約80℃であり、さらに好ましくは約30℃〜約75℃であり、特に好ましくは、約50℃〜約70℃である。鋳型となる核酸のGC含量に応じて反応温度を調節し、増幅効率を向上させることができる。例えば、鋳型となる核酸としてGC含量の低いものを使用する場合には、伸長する鎖長やプライマーのTm値にもよるが、50〜55℃で本発明の増幅反応を行うことができる。また、本発明において、逆転写酵素活性を持つDNAポリメラーゼ、例えば、BcaBEST DNAポリメラーゼを使用した場合、RNAからcDNAを調製する工程(逆転写反応)を含むRNA由来の核酸の増幅を1種類の酵素のみで簡便に実施することができる。また、RNAからcDNAを調製する工程を独立させて行い、その生成物(cDNA)を本発明の方法に鋳型DNAとして使用することもできる。
本発明のDNA複合体の複製方法は、核酸の増幅を利用した種々の実験操作、例えば、核酸の検出、標識、塩基配列の決定に使用することができる。
また、本発明のDNA複合体の複製方法は、in situ核酸増幅方法、DNAチップのような固相担体上での核酸増幅方法あるいは多種類の領域を同時に増幅するマルチプレックス核酸増幅方法として使用することができる。
上記方法は,試料中に存在する特定の遺伝子の検出に利用することができる。すなわちDNAまたはRNA等の核酸を含む可能性のあるあらゆる試料から特定の遺伝子を検出、定量することができる。前述の試料としては、特に限定はないが、例えば、全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、脳脊髄液、精液、唾液、組織(例えば、癌組織、リンパ節等)、細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物及び細菌培養物等)のような生体由来試料、ウイロイド、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、ウイルス又は細菌のような微生物が混入もしくは感染している可能性のある試料(食品、生物学的製剤等)、あるいは土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料から特定の遺伝子を検出、定量することができる。さらに、例えば、ウイロイド、ウイルス、カビ、細菌あるいはその他の微生物等由来の特定の遺伝子をターゲットとすることにより、該遺伝子の存在の有無によって上記の微生物の存在を検出、定量等に利用することができる。特に、病原性の微生物の検出方法は衛生、環境分野で有用である。さらに、生物の遺伝子型の判別や遺伝子の発現状態を調べるために本発明の方法を使用することもできる。特に疾病関連遺伝子、例えば、細胞の癌化に関連する遺伝子等の検出、発現状態の確認は医療分野において有用である。上記検出法のための鋳型として使用される核酸は、RNAあるいはDNAのいずれもが好適に使用できる。
また、本発明のDNA複合体の複製方法は、in situ核酸増幅方法、DNAチップのような固相担体上での核酸増幅方法あるいは多種類の領域を同時に増幅するマルチプレックス核酸増幅方法として使用することができる。
上記方法は,試料中に存在する特定の遺伝子の検出に利用することができる。すなわちDNAまたはRNA等の核酸を含む可能性のあるあらゆる試料から特定の遺伝子を検出、定量することができる。前述の試料としては、特に限定はないが、例えば、全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、脳脊髄液、精液、唾液、組織(例えば、癌組織、リンパ節等)、細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物及び細菌培養物等)のような生体由来試料、ウイロイド、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、ウイルス又は細菌のような微生物が混入もしくは感染している可能性のある試料(食品、生物学的製剤等)、あるいは土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料から特定の遺伝子を検出、定量することができる。さらに、例えば、ウイロイド、ウイルス、カビ、細菌あるいはその他の微生物等由来の特定の遺伝子をターゲットとすることにより、該遺伝子の存在の有無によって上記の微生物の存在を検出、定量等に利用することができる。特に、病原性の微生物の検出方法は衛生、環境分野で有用である。さらに、生物の遺伝子型の判別や遺伝子の発現状態を調べるために本発明の方法を使用することもできる。特に疾病関連遺伝子、例えば、細胞の癌化に関連する遺伝子等の検出、発現状態の確認は医療分野において有用である。上記検出法のための鋳型として使用される核酸は、RNAあるいはDNAのいずれもが好適に使用できる。
さらに、本発明のDNA複合体の複製方法によれば、標的核酸の検出方法により、標的核酸上の塩基配列の違いを判別することができる。この態様においては、プライマーの中間部分が、標的とされる塩基配列の判別しようとする特定の塩基付近に位置するように、例えば、該塩基とプライマーの中間部分の塩基とが水素結合を形成するようにプライマーが設計される。このようなプライマーを使用して増幅反応を実施した場合、プライマーの中間部分の塩基配列と鋳型の塩基配列との間にミスマッチが存在する場合には標的核酸からの増幅が起こらず、増幅産物の生成が見られない。当該方法により、点突然変異、一塩基置換(Single nucleotide polymorphysm、SNP)のような遺伝子上の特定の塩基についての情報を得ることが可能である。
本発明を用いた標的核酸を検出方法は、核酸を含有する試料より直接、標的核酸を増幅することにより実施することができる。この場合、増幅される標的核酸の鎖長には、特に限定はないが、感度よく標的核酸を検出する観点からは、例えば,200bp以下、さらに好ましくは150bp以下の領域が有効である。該増幅鎖長となるように本発明のキメラオリゴDNAプライマーを設定することにより、高感度に試料中の標的核酸を検出することができる。
さらに、この検出方法では、ビシン、トリシン、ヘペス、リン酸塩あるいはトリス緩衝成分を含有する反応バッファー、及びスペルミジンやプロピレンジアミンを含有するアニーリング溶液の使用により、微量の核酸試料からもさらに高感度に標的核酸を検出することができる。この場合、使用するDNAポリメラーゼは特に限定はされない。
本発明を用いた標的核酸を検出方法は、核酸を含有する試料より直接、標的核酸を増幅することにより実施することができる。この場合、増幅される標的核酸の鎖長には、特に限定はないが、感度よく標的核酸を検出する観点からは、例えば,200bp以下、さらに好ましくは150bp以下の領域が有効である。該増幅鎖長となるように本発明のキメラオリゴDNAプライマーを設定することにより、高感度に試料中の標的核酸を検出することができる。
さらに、この検出方法では、ビシン、トリシン、ヘペス、リン酸塩あるいはトリス緩衝成分を含有する反応バッファー、及びスペルミジンやプロピレンジアミンを含有するアニーリング溶液の使用により、微量の核酸試料からもさらに高感度に標的核酸を検出することができる。この場合、使用するDNAポリメラーゼは特に限定はされない。
本発明の遺伝子診断方法に用いるDNA複合体物質においては、安定なミセル構造を形成できれば、1本鎖DNAの含有率は限定されない。あまり低い含有率では、相補的遺伝子の添加による光分散強度の変化が確認されにくいばかりでなく、ミセルが形成されないことも考えられるので好ましくない。また、1本鎖DNA含有率が高すぎる場合には、DNA複合体がミセルとなりにくく、ミセルが形成されても不安定となる場合が多いため好ましくない。したがって、0.1mol%以上0.5mol%以下程度が好ましい。この範囲では添加された遺伝子と容易に二重らせんを形成できる安定なミセルが得られる。しかし、1本鎖DNAの含有率は、1本鎖DNAの鎖長や疎水性物質の構造に応じて変更することが望ましいため、上記の範囲に限定されない。
本発明の遺伝子診断方法では、増幅が終わった1本鎖DNA複合体物質の水溶液中には、マグネシウムやナトリウムなどの金属陽イオンを共存させる。
イオン性界面活性剤のミセル形成や高分子ミセルでは、溶液中の対イオン濃度の増大に伴って、臨界ミセル濃度(CMC)の低下と会合数の増大が起こることが知られている。つまり、対イオンが増大すると、少量の界面活性剤でもミセルを形成できるようになったり、ミセルの粒子径が増大したりするのである。本発明の遺伝子診断方法において用いられる1本鎖DNA複合体物質でも、1本鎖DNA複合体物質の濃度が小さくてもミセルが形成されるようになる、ミセルの粒子径が大きくなり、光散乱の測定が容易になる等という理由からも金属陽イオンの共存が好ましい。しかし、そればかりでなく、発明者らの研究によれば、本発明の遺伝子診断方法では、金属陽イオンが共存しない場合、相補的遺伝子が添加されても、溶液の透明度に変化(つまり白濁)が見られないため、金属陽イオンの添加は必要となる。使用する金属陽イオンはとくに限定されないが、好ましくはマグネシウムイオン、またはナトリウムイオンである。マグネシウムイオンとしては、MgCl2等が考慮され、その濃度は、20〜100mMとすることが好ましく、より好ましくは、30〜50mMである。また、ナトリウムイオンとしては、NaCl等が適用でき、その濃度は0.1〜2M、より好ましくは、0.5〜1.5Mとする。これらの金属陽イオンが1本鎖DNAの水溶液中に共存することにより、相補的遺伝子を添加した際に、ミセル表面のDNA鎖と二重らせんが形成され、ミセルどうしの凝集が円滑に生じるのである。
本発明の遺伝子診断方法では、増幅が終わった1本鎖DNA複合体物質の水溶液中には、マグネシウムやナトリウムなどの金属陽イオンを共存させる。
イオン性界面活性剤のミセル形成や高分子ミセルでは、溶液中の対イオン濃度の増大に伴って、臨界ミセル濃度(CMC)の低下と会合数の増大が起こることが知られている。つまり、対イオンが増大すると、少量の界面活性剤でもミセルを形成できるようになったり、ミセルの粒子径が増大したりするのである。本発明の遺伝子診断方法において用いられる1本鎖DNA複合体物質でも、1本鎖DNA複合体物質の濃度が小さくてもミセルが形成されるようになる、ミセルの粒子径が大きくなり、光散乱の測定が容易になる等という理由からも金属陽イオンの共存が好ましい。しかし、そればかりでなく、発明者らの研究によれば、本発明の遺伝子診断方法では、金属陽イオンが共存しない場合、相補的遺伝子が添加されても、溶液の透明度に変化(つまり白濁)が見られないため、金属陽イオンの添加は必要となる。使用する金属陽イオンはとくに限定されないが、好ましくはマグネシウムイオン、またはナトリウムイオンである。マグネシウムイオンとしては、MgCl2等が考慮され、その濃度は、20〜100mMとすることが好ましく、より好ましくは、30〜50mMである。また、ナトリウムイオンとしては、NaCl等が適用でき、その濃度は0.1〜2M、より好ましくは、0.5〜1.5Mとする。これらの金属陽イオンが1本鎖DNAの水溶液中に共存することにより、相補的遺伝子を添加した際に、ミセル表面のDNA鎖と二重らせんが形成され、ミセルどうしの凝集が円滑に生じるのである。
また、一般に、同じ物質濃度の溶液におけるミセル形成は、温度に左右されることが知られている。つまり、相転移温度より低い温度と、それ以上では、ミセルの挙動が異なるのである。本発明の遺伝子診断方法で使用されるDNA複合体物質でも同様のことが考慮されるが、この温度は、水溶液中の1本鎖DNAの濃度、対イオンの濃度等と関連するため、各系の相転移温度に応じて選択されるものである。例えば、前述のDNA含有率(0.1〜0.5mol%)の範囲において、Mg2+イオンを30mM添加した、DNA−ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(NIPAAm)の系では、水溶液の温度を相転移温度以上の30℃以上とすることが好ましい。より好ましくは、30〜40℃である。 1本鎖DNAと相補鎖の二重らせん形成や光散乱強度の測定を妨げない範囲で、水溶液中に、1本鎖DNA複合体と金属陽イオン以外の物質を添加してもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
DNA(φX174 RF I DNA:プラスイミド遺伝子(和光純薬))の配列を、genebankにより調べ、foward primerとして、“ATTGCTGGCA”、reverse primerとして“ATTCTGGCGT”を用い、3456〜3491間の36bpをPCRすることとした。
(5′末端をビニル化したfoward primerの合成方法)
5′末端をアミノ化したfoward primer 1μmol(約3.2mg)に、炭酸ソーダと重炭酸ソーダをそれぞれ100mmol/Lが溶解した純水を加え、500μLに仕上げた。
この中に、アクリロイロキシサクシンイミド8.46mgを、150μLのジメチルスルホキシドに溶解し、先ほどの5′末端をアミノ化したfoward primer水溶液中に加えよく攪拌した後、室温で24時間反応をつづけた。反応終了後、反応溶液をエタノール10mL中にあけ、よく攪拌した後、遠心分離により、沈殿を回収した。これをエタノールで3回洗浄した後、30℃の乾燥ボックスで48時間乾燥した。得られた粉体を、逆相HPLCで確認したところ、5′末端をアミノ化したfoward primer、アクリロイロキシサクシンイミドおよびその分解物のピークが見当たらず、5′末端をビニル化したfoward primerが得られたことがわかった。
(5′末端をビニル化したfoward primerの合成方法)
5′末端をアミノ化したfoward primer 1μmol(約3.2mg)に、炭酸ソーダと重炭酸ソーダをそれぞれ100mmol/Lが溶解した純水を加え、500μLに仕上げた。
この中に、アクリロイロキシサクシンイミド8.46mgを、150μLのジメチルスルホキシドに溶解し、先ほどの5′末端をアミノ化したfoward primer水溶液中に加えよく攪拌した後、室温で24時間反応をつづけた。反応終了後、反応溶液をエタノール10mL中にあけ、よく攪拌した後、遠心分離により、沈殿を回収した。これをエタノールで3回洗浄した後、30℃の乾燥ボックスで48時間乾燥した。得られた粉体を、逆相HPLCで確認したところ、5′末端をアミノ化したfoward primer、アクリロイロキシサクシンイミドおよびその分解物のピークが見当たらず、5′末端をビニル化したfoward primerが得られたことがわかった。
(foward primerの5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーの連結)
100mmol/LのTris−HCl水溶液(和光純薬製)1mLを純水で10倍に希釈し10mmol/LのTris−HCl水溶液(以下緩衝液)を調整した。
過硫酸アンモニウム74.1mgを秤量し、25mLのメスフラスコに入れ先ほどの緩衝液で25mLに仕上げた。(以下、開始剤溶液と称す。)
N,N,N.Nテトラメチルエチレンジアミンを6.235gを秤量し、25mLのメスフラスコに入れ先ほどの緩衝液で25mLに仕上げた。(以下、添加剤溶液と称す。)
緩衝液860μL中に先ほど作製した5′末端をビニル化したfoward primerを1.75mg(0.5μmol)、NIPAN(イソプロピルアクリルアミド:興人社製をヘキサンで再結晶したもの)を15.82mg(140μmol)を溶解した。この中に100μLの開始剤溶液と40mLの添化剤溶液を加え内部に窒素をバブリングしたのち、25℃で2時間反応した。
得られた反応液を透析膜(Spectra/Por6、MWCO=1000)で透析した後、ゲルろ過をSephadexG−100のカラムを用いて行い未反応物を除去し、foward primerの5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーを連結した。
得られたポリマーの収量は12.3mgであった。このポリマーの260nmの吸収から、全ポリマーユニット中のfoward primerのユニットは、0.35mol%であることが解かった。
100mmol/LのTris−HCl水溶液(和光純薬製)1mLを純水で10倍に希釈し10mmol/LのTris−HCl水溶液(以下緩衝液)を調整した。
過硫酸アンモニウム74.1mgを秤量し、25mLのメスフラスコに入れ先ほどの緩衝液で25mLに仕上げた。(以下、開始剤溶液と称す。)
N,N,N.Nテトラメチルエチレンジアミンを6.235gを秤量し、25mLのメスフラスコに入れ先ほどの緩衝液で25mLに仕上げた。(以下、添加剤溶液と称す。)
緩衝液860μL中に先ほど作製した5′末端をビニル化したfoward primerを1.75mg(0.5μmol)、NIPAN(イソプロピルアクリルアミド:興人社製をヘキサンで再結晶したもの)を15.82mg(140μmol)を溶解した。この中に100μLの開始剤溶液と40mLの添化剤溶液を加え内部に窒素をバブリングしたのち、25℃で2時間反応した。
得られた反応液を透析膜(Spectra/Por6、MWCO=1000)で透析した後、ゲルろ過をSephadexG−100のカラムを用いて行い未反応物を除去し、foward primerの5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーを連結した。
得られたポリマーの収量は12.3mgであった。このポリマーの260nmの吸収から、全ポリマーユニット中のfoward primerのユニットは、0.35mol%であることが解かった。
次いで、以下の溶液を調整した。調整は、氷水で容器を冷やしながら低温で行った。
得られたポリマー12.3mgを滅菌蒸留水3.5mLに溶解した。(溶液A)
一方、reverse primerとして、ATTCTGGCGTなるオリゴDNAを、0.1mmol/Lとなるように滅菌蒸留水に溶解した。(溶液B)
φX174 RF I DNA 15μgを、滅菌蒸留水750μLに溶解した。(溶液C)
また,タカラ Pyrobest DNA Polymeraseのセットを準備した。
PCRチューブ内に、以下の順番で試薬を混合した。試薬は必要量混合後軽きピペッティングにより混合した。
滅菌蒸留水 : 29.5μL
溶液C : 50.0μL
10XPyrobest DNA POLYMERASE : 0.5μL
10XPyrobest Buffer2 : 10.0μL
dNTP Mixture : 8.0μL
溶液A : 1.0μL
溶液B : 1.0μL
得られたポリマー12.3mgを滅菌蒸留水3.5mLに溶解した。(溶液A)
一方、reverse primerとして、ATTCTGGCGTなるオリゴDNAを、0.1mmol/Lとなるように滅菌蒸留水に溶解した。(溶液B)
φX174 RF I DNA 15μgを、滅菌蒸留水750μLに溶解した。(溶液C)
また,タカラ Pyrobest DNA Polymeraseのセットを準備した。
PCRチューブ内に、以下の順番で試薬を混合した。試薬は必要量混合後軽きピペッティングにより混合した。
滅菌蒸留水 : 29.5μL
溶液C : 50.0μL
10XPyrobest DNA POLYMERASE : 0.5μL
10XPyrobest Buffer2 : 10.0μL
dNTP Mixture : 8.0μL
溶液A : 1.0μL
溶液B : 1.0μL
試薬を混合している間に、25℃の温水バス、68℃の温水バス、98℃のオイルバスを用意し試薬が混合された容器を
ア.98℃のオイルバスに1分間浸漬
イ.25℃の温水バスに1分間浸漬
ウ.68℃の温水バスに30秒間浸漬
エ.98℃のオイルバスに2秒間浸漬
を行い、更に、イ、ウ、エの浸漬を30回繰り返した。
得られた反応液に、Mg2+が60mmol/Lの純水を100μL混合し、容器を40℃に加熱したところ、白濁し凝集が発生した。
一方、溶液Aの代わりにATTGCTGGCAなるオリゴDNAを、0.1mmol/Lとなるように滅菌蒸留水に溶解したものを添加して、同じ操作を行ったが、凝集が発生しなかった。
凝集が発生したものとしなかったものを、30merと40merのマーカーとともに電気泳動したところ、いずれもマーカーの間に帯が出たことから、両方ともにPCRは成功していることが解かった。
ア.98℃のオイルバスに1分間浸漬
イ.25℃の温水バスに1分間浸漬
ウ.68℃の温水バスに30秒間浸漬
エ.98℃のオイルバスに2秒間浸漬
を行い、更に、イ、ウ、エの浸漬を30回繰り返した。
得られた反応液に、Mg2+が60mmol/Lの純水を100μL混合し、容器を40℃に加熱したところ、白濁し凝集が発生した。
一方、溶液Aの代わりにATTGCTGGCAなるオリゴDNAを、0.1mmol/Lとなるように滅菌蒸留水に溶解したものを添加して、同じ操作を行ったが、凝集が発生しなかった。
凝集が発生したものとしなかったものを、30merと40merのマーカーとともに電気泳動したところ、いずれもマーカーの間に帯が出たことから、両方ともにPCRは成功していることが解かった。
Claims (4)
- 2本鎖のDNAを1本鎖の鋳型DNA2本に乖離する熱変成工程、該2本に乖離された1本鎖の鋳型DNAと、それぞれ特異的な相補鎖を形成する配列を有するオリゴDNA(以下、プライマーと称する。)とで2本鎖を形成するアニール工程、2本鎖を形成した各々のプライマーの3′末端から鋳型の1本鎖DNAに沿ってDNA相補鎖を合成するDNAの伸長の工程、これらを繰り返すことによりDNAを複製するDNAの複製方法において、前記の一方のプライマーが5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているプライマーであることを特徴とするDNA複合体の複製方法。
- 請求項1に記載の複製方法により得られた組成物中に、金属陽イオンを含有する水溶液を添加し、ポリマーの下限臨界共溶温度以上に加熱することにより該複合体を複数個凝集して形成されたことを特徴とする凝集体。
- 請求項2に記載の凝集体の水溶液の光散乱強度、または光透過率のいずれかの変化を測定することにより検出するこを特徴とする遺伝子診断方法。
- 5′末端に下限臨界共溶温度を有するポリマーが連結されているオリゴDNAの3′末端を、鋳型のDNAを用いて伸長させることにより得られるDNA複合体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003299369A JP2005065576A (ja) | 2003-08-22 | 2003-08-22 | Dna複合体及びdna複合体の複製方法並びに遺伝子診断方法 |
US10/920,271 US20050112625A1 (en) | 2003-08-22 | 2004-08-18 | DNA amplification method |
Applications Claiming Priority (1)
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