JP2005065474A - 整流子発電装置 - Google Patents

整流子発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005065474A
JP2005065474A JP2003328536A JP2003328536A JP2005065474A JP 2005065474 A JP2005065474 A JP 2005065474A JP 2003328536 A JP2003328536 A JP 2003328536A JP 2003328536 A JP2003328536 A JP 2003328536A JP 2005065474 A JP2005065474 A JP 2005065474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
commutator
brush
power
rotor
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003328536A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Haneda
正二 羽田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Data Group Corp
Original Assignee
NTT Data Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Data Corp filed Critical NTT Data Corp
Priority to JP2003328536A priority Critical patent/JP2005065474A/ja
Priority to AU2003266679A priority patent/AU2003266679A1/en
Priority to PCT/JP2003/012425 priority patent/WO2004030202A1/ja
Publication of JP2005065474A publication Critical patent/JP2005065474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】一定の出力を得られ、系統連系も容易に行え、スリムな発電装置とし、コージェネレーションの補助機として系統の停電があってもその影響を波及させず、可逆回転の場合の極性切り換えも必要なく、高価な遮断機を要さず力率調整を簡単にしたこと。
【解決手段】整流子7に接触するブラシ8と固定子鉄心5とを回転子6の停止中および駆動中の区別なく相対的に整流子7の周方向に回動可能に構成し、また整流子7を形成する各整流子片71を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシ8を整流子7に接触させつつ回転子6に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、界磁巻線1に切り換え(第1)スイッチ10を介して別々の交流電源を接続し、ブラシ8を常時出力端子の接続先および切り替え(第1)スイッチ10に連動する第2スイッチ11を介して片方の交流電源に接続した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、界磁巻線が巻かれた固定子鉄心に対して回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて、整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置に関し、より詳細には、回転駆動力の大小にかかわらずに一定周波数・一定出力の交流電力を得ることができる整流子発電装置に関する。
水力発電または火力発電においては、水車またはタービンの回転駆動力を交流発電機の回転子に伝えて、回転子の回転により発電し、交流電力を出力している。この発電機出力としての交流電力は、一定の周波数に調整されていること、定格を超えない電圧に調整されていること、使用電力や送電線路の送電容量に応じた電流および位相に調整されていること等の条件を満たす必要がある。このため、ガスや水量の調整制御(所謂、ガバナによる調整制御)、原動機の羽根の角度調整等の種々の機械的調整や制御によって、発電機入力である水車やタービンの回転力を調整することにより、交流電力の周波数や、電圧、電流、位相を制御している。
一方、系統連系にあっては、負荷短絡時の防護対策として高速遮断器等の連系保護装置が設置されており、雷害や地絡等の防護対策として異常電圧防護措置が設置されている。
したがって、必要な条件を満たす交流電力および必要な防護対策のためには、発電機本体である交流発電機以外に、検出器、調整装置、制御装置、保護装置等の多くの装置や設備を含めた発電装置が必要となっている。また、発電装置が大電力になるほど大規模な発電プラントが構築されることとなり、同時に保守点検作業も頻繁に行う必要が生じてくる。
また、近年、自然環境下の水力、風力などのクリーンなエネルギを電力に変えて利用したいという動向から、小水力発電、風力発電などの小出力の発電装置も種々商品化されている。これら小出力の発電装置であっても、前述した条件を満たす交流電力および必要な防護対策のためには、ガバナ等の装置や設備が必要であり、保守点検作業も頻繁に行う必要が生じてくる。
さらに、発電機の一つとして、緊急発電装置または移動可能発電装置に利用されているエンジン発電機がある。このエンジン発電機は一般に小容量であるが、自家発電用の発電機としてのみならず、最近ではコージェネレーションシステム(熱電供給システム)の補助機としても用いられるようになっている。このため、エンジン発電機においても、地域のコージェネレーションシステムの規模が大きくなって発電出力が大容量となると、調整装置、制御装置、保護装置等多くの装置や設備が必要となり、系統連系を行った場合には、負荷短絡時の防護のための高速遮断器等の連系保護装置が必要となっている。
特開2000−270529号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、交流電力の周波数、電圧、電流、位相の制御や、装置の防護対策を、検出器、調整装置、制御装置、保護装置等の多くの装置を用いて行っているため、装置コストの増大、装置の複雑化、係員による保守点検作業の増大等を招来するという問題点があった。
また、上記従来の技術によれば、検出器、調整装置、制御装置、保護装置等の多くの装置を必要とするため、小出力の発電装置の場合であっても、簡便に設置や収納を行えないという問題点があった。
より詳細には、小出力の風力発電装置であっても、系統連系をしている場合、周波数や位相を完全に一致させ、商用電源に完全に同期させる必要があり、また、強風時の高速回転時の場合、過大電圧を抑制するために回転数を制御したり、機器の切り離しを行う必要があり、弱風時の低速回転時の場合、発電出力が得られず系統の負荷となるために機器の切り離しを行う必要があるため、多くの調整制御装置等や、係員による保守作業が必要であるという問題点や、設置場所も厳密に選択した固定場所となるという問題点があった。
さらに、従来の技術によれば、以下の問題点があり、これらを解決する発電装置が望まれていた。
第1に、エンジン発電機の場合、小容量のエンジン発電機になる程、傾向として負荷変動による出力電圧変動が大きくなり、この電圧変動を少なくするために励磁電流により出力電圧調整をすることになるが、機械的な回転数制御に至ると応答が遅いため周波数が変動してしまうという問題があった。なお、電圧や周波数の変動を少なくするために、磁気回路の大型化や、巻線を太くして大型化することで、変動分を吸収する装置を得るという方策もあるが、エンジン発電機としては必然的にコストや重量が大きくなりスリム化の要望に応えることができなかった。
第2に、エンジン発電機を補助機として用いたコージェネレーションシステムに対して系統連系が行われている場合、系統が停電してエンジン発電機出力が短絡状態となると、大電流による巻線の焼損が生じ、またエンジン発電機出力が短絡状態になっても原動機入力は変化しないので原動機連結軸に極めて大きな応力が発生してこの原動機連結軸の破損が生ずる場合がある。これを防止するために高速な遮断機を備える必要が発生するが、大容量の場合には応答速度が遅く、また一般に高価な設備となるという問題点があった。
第3に、波力発電の場合、吸排気による順方向および逆方向からなる双回転方向の回転駆動力から電力を取り出して発電効率を向上させる方式の発電装置があるが、この装置から発電電力を得るためには順方向または逆方向の回転駆動のたびにスイッチ等を入り切りして電気的極性の切り換えが必要になるため、切換制御が複雑になるという問題点があった。
第4に、上記種々の発電にあっては、発電をする以上、力率調整を行う必要があるが、機械的に同期回転数を制御して電流位相を変え、または機械的に励磁電流を制御して電流位相を変えることで力率調整を行っているため、必ずしも容易に力率調整を行えないという問題点があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、装置コストの増大、装置の複雑化、係員による保守点検作業の増大等を招来することなく、原動機の回転駆動力の大小にかかわらず一定の出力を得られ、系統連系も容易に行え、また必要に応じて設置や収納が簡便にできる整流子発電装置を得ることを目的とする。
また、本発明は、エンジン発電装置を利用した場合にあっても機械的回転数制御のような応答遅れをなくし、またコストや重量が大きな発電装置とすることもなく、コージェネレーションシステムの補助機として系統の停電があってもその影響を波及させない整流子発電装置を得ることを目的とする。
また、本発明は、波力発電のような電気的極性切り換えをスイッチ等の入り切りにて行う必要もなく、力率調整を容易にした整流子発電装置を得ることを目的とする。
上述の目的を達成するため、この発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は予め設定した電気角基準位置に対して所望の電気角の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの所望角の相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの0度〜90度間の相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成したことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、スキューを持たせた整流子とブラシとの軸方向移動に伴うブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明にかかる整流子発電装置は、各整流子片のスキューの角度は、ブラシと整流子の相対的な軸方向移動範囲内にてブラシまたは整流子のいずれかを移動させたとき、このブラシと接触し得る整流子片の本数が、その整流子片につながる回転子巻線の電気角にて90度以上の差に当たる本数になるような角度であることを特徴とする。
この発明によれば、ブラシや整流子の軸方向移動範囲内にて回転子巻線の90度以上の電気角の差を設けることにより、例えば直線状整流子片として考えた場合に整流子の周りに0度から90度以上までブラシが回動することと等価の特性が得られ、所望の出力電圧調整や位相調整が可能となる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、各整流子片によって形成される整流子のスキューは、整流子の軸方向一端より他端に向って整流子の周方向時計回りに捻り、ついで周方向反時計回りに捻る形状にしたことを特徴とする。
この発明によれば、整流子のスキューの形状にてブラシや整流子の一方向移動のみにより例えば基準位置から90度ブラシ回動位置に達しその後基準位置への移動が可能となり、例えば風力発電では無風から強風までの風圧に応じてブラシ移動位置を決定することができ、ブラシ制御が簡単となる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、ブラシと整流子とは、各整流子片を筒状に配列した整流子の軸方向移動範囲内を軸方向に沿い相対的に移動可能に構成したことを特徴とする。
この発明によれば、ブラシあるいは整流子を軸方向移動範囲内にて軸方向移動可能にさせて出力電圧や位相を調整させたものである。
次の発明にかかる整流子発電装置は、軸方向の移動可能範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、ブラシあるいは整流子の軸方向移動に伴う電気角90度の回動にて、最小から最大までの出力変動を容易に得ることができる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。したがって第1スイッチを瞬時に切り換える必要もなく、更に、第2の交流電源を界磁電源として直ちに発電が可能となる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、第2の交流電源または常時出力端子の接続先の少なくとも一方はUPSであることを特徴とする。
この発明によれば、界磁電源を第2の交流電源としてUPSを用いることにより安定した発電が行われ、また安定した界磁電源を用いることにより発電装置をUPS供給電源として有用なものとすることができる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、周方向の回動可能な範囲は、電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、ブラシあるいは整流子の周方向移動に伴う電気角90度の回動にて、最小から最大までの出力変動を容易に得ることができる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な軸方向移動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。したがって第1スイッチを瞬時に切り換える必要もなく、更に、第2の交流電源を界磁電源として直ちに発電が可能となる。
請求項11に該当する独立の発明に従属する発明についても、請求項3あるいは請求項8に該当する独立の発明に従属する発明と同様の発明を伴い、作用効果も同じ作用効果を得ることができる。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また回転駆動力が逆転してもブラシの回動にて容易に対応することができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明にかかる整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、軸方向の移動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、スキューを持たせた整流子とブラシとの軸方向移動に伴うブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また回転駆動力が逆転してもブラシの回動にて容易に対応することができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
本発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は予め設定した電気角基準位置に対して所望の電気角の範囲としたことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの所望角の相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの0度〜90度間の相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成したことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、スキューを持たせた整流子とブラシとの軸方向移動に伴うブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明によれば、各整流子片のスキューの角度は、ブラシと整流子の相対的な軸方向移動範囲内にてブラシまたは整流子のいずれかを移動させたとき、このブラシと接触し得る整流子片の本数が、その整流子片につながる回転子巻線の電気角にて90度以上の差に当たる本数になるような角度であることにより、ブラシや整流子の軸方向移動範囲内にて回転子巻線の90度以上の電気角の差を設けることにより、例えば直線状整流子片として考えた場合に整流子の周りに0度から90度以上までブラシが回動することと等価の特性が得られ、所望の出力電圧調整や位相調整が可能となる。
次の発明によれば、各整流子片によって形成される整流子のスキューは、整流子の軸方向一端より他端に向って整流子の周方向時計回りに捻り、ついで周方向反時計回りに捻る形状にしたことにより、整流子のスキューの形状にてブラシや整流子の一方向移動のみにより例えば基準位置から90度ブラシ回動位置に達しその後基準位置への移動が可能となり、例えば風力発電では無風から強風までの風圧に応じてブラシ移動位置を決定することができ、ブラシ制御が簡単となる。
次の発明によれば、ブラシと整流子とは、各整流子片を筒状に配列した整流子の軸方向移動範囲内を軸方向に沿い相対的に移動可能に構成したことにより、ブラシあるいは整流子を軸方向移動範囲内にて軸方向移動可能にさせて出力電圧や位相を調整させたものである。
次の発明によれば、軸方向の移動可能範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことにより、ブラシあるいは整流子の軸方向移動に伴う電気角90度の回動にて、最小から最大までの出力変動を容易に得ることができる。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。したがって第1スイッチを瞬時に切り換える必要もなく、更に、第2の交流電源を界磁電源として直ちに発電が可能となる。
次の発明によれば、第2の交流電源または常時出力端子の接続先の少なくとも一方はUPSであることにより、界磁電源を第2の交流電源としてUPSを用いることにより安定した発電が行われ、また安定した界磁電源を用いることにより発電装置をUPS供給電源として有用なものとすることができる。
次の発明によれば、周方向の回動可能な範囲は、電気角にて略0度から略90度の範囲としたことにより、ブラシあるいは整流子の軸方向移動が出力が最も変動する電気角の回動にて容易に対応させることができる。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な軸方向移動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。したがって第1スイッチを瞬時に切り換える必要もなく、更に、第2の交流電源を界磁電源として直ちに発電が可能となる。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、ブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また回転駆動力が逆転してもブラシの回動にて容易に対応することができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
次の発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、軸方向の移動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことにより、交流電源周波数にて得られる周波数を出力することができ、スキューを持たせた整流子とブラシとの軸方向移動に伴うブラシの相対的な回動により出力及び力率を調整することができるので、系統連系が可能であることはもちろん、回転駆動力の変動や出力電圧あるいは出力特性の変動に応じて電圧調整が可能となり、発電機の装置や設備の低減及び使用環境の拡大を図ることができる。また回転駆動力が逆転してもブラシの回動にて容易に対応することができる。また、系統が停電して発電機出力端が短絡状態になった時は、系統からの界磁電流が流れないで発電機励磁入力がない状態となるため、発電機出力が発生しない。この結果、発電機から短絡電流が発生する恐れがなくなり、発電機へのストレスも少ない。
以下、本発明の整流子発電装置にかかる好適な実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1
実施の形態1の整流子発電装置は、整流子の軸方向に整流子片を並べて筒状に配置し、かつ、該整流子の周方向に2つのブラシを対向させて回動可能に配置した構成であり、この整流子の周方向にブラシを回動させて回転による誘導起電力および変圧器作用による誘導起電力を得るものである。以下、実施の形態1の整流子発電装置について、(1)実施の形態1の整流子発電装置の構成、(2)ブラシの回動動作と誘導起電力との関係、(3)特定の回転子鉄心および整流子を用いた具体例、(4)実施の形態1の効果、の順に、添付の図面を参照して詳細に説明する。
(1)実施の形態1の整流子発電装置の構成
図1は、実施の形態1にかかる整流子発電装置の簡略構成図を示している。実施の形態1の整流子発電装置は、界磁巻線1が巻かれた固定子鉄心2を有する固定子3と、回転子巻線4が巻かれた回転子鉄心5を有する回転子6と、回転子6の回転子巻線4と結線された整流子片71を有し、回転子6と一体に配設された整流子7と、整流子7の周方向に回動可能に配設された1対のブラシ8と、界磁巻線1に励磁電流を供給するための商用交流電源(図示省略:本発明の第1の交流電源)やUPS等交流電源(本発明の第2の交流電源)12と、商用交流電源(図示省略)またはUPS等の交流電源12からの励磁電流を選択的に界磁巻線1に供給するための切換スイッチ(本発明の第1スイッチ)10と、切換スイッチ10と連動して切り換わる連動スイッチ(本発明の第2スイッチ)11と、界磁巻線1と切換スイッチ10の間に配置された移相素子としてのコンデンサ13と、連動スイッチ11とブラシ8との間に配置され、ブラシ8の回転位置が後述する0度となった場合に開くスイッチ14と、から構成されている。
なお、実施の形態1の整流子発電装置は、全体としては、所謂、交流整流子機の構造と略同様であるが、回転子6(ひいては整流子7)が停止中であろうと回転中であろうと、1対のブラシ8が相互の位置関係を保ったままで整流子7の周方向(以下、単に周方向と記載することがある)に回動できるように構成されている点に特長がある。
また、コンデンサ13は、商用交流電源または交流電源12の電源電圧に対して90度遅れる場合の界磁磁束をこの電源電圧と同相にする役割を果たし、換言すれば、整流子発電装置の出力電圧位相を商用交流電源または交流電源12の電圧位相と同じにする役割を果たしている。
また、回転子6は風車やエンジン等の原動機に連結されており、原動機に連結された回転子6の回転子巻線4は整流子7を介してブラシ8に接続されており、この一対のブラシ8間は交流出力端となっている。したがって、界磁磁束および原動機の回転駆動力によって回転子巻線4に生じた起電力が出力電圧となって現れる。
また、ブラシ8は、UPSである常時出力端子(図示省略)に接続されると共に、スイッチ14および連動スイッチ11の切り換えによって商用交流電源にも接続される。この場合、切換スイッチ10と連動スイッチ11とは連動して切り替わり、切換スイッチ10が商用交流電源に接続された状態では、連動スイッチ11がオンしてブラシ8が商用交流電源に接続される。これにより界磁巻線1と回転子巻線4とは分巻を形成する。なお、切換スイッチ10がUPS等の交流電源12に接続された場合には、連動スイッチ11はオフとなる。
スイッチ14が閉じた状態で、切換スイッチ10が商用交流電源側に接続され、連動スイッチ11がオンしているとき、交流整流子機の特性上、回転子巻線4には界磁巻線1に生じる商用交流電源による磁束変化によって変圧器作用による起電力が発生すると共に、原動機の回転駆動力に基づく回転子6の回転に応じた回転による起電力が発生する。したがって、交流出力端であるブラシ8間には、これらの起電力が現れる。この場合、ブラシ8間の交流出力周波数は、界磁巻線1の界磁磁束の変化に起因しており、商用交流電源と同一の周波数が現れる。このとき、コンデンサ13によって界磁電流を進めて商用交流電源電圧と同相にしているので、ブラシ8間に現れる出力電圧位相は商用交流電源電圧の位相と同相となる。換言すれば、商用交流電源および常時出力端子には、ブラシ8間に生ずる商用交流電源に同期した出力電圧が加わることになる。
一方、切換スイッチ10が、UPS等交流電源12側に接続されている場合、連動スイッチ11はオフしてブラシ8と商用交流電源とを切り離す。この状態では、UPS等交流電源12にて界磁巻線1に界磁磁束が作られ、この界磁磁束の変化および回転駆動力による回転子6の回転によってブラシ8間に誘導起電力が現れる。この場合も、ブラシ間8にはUPS等交流電源12と同じ出力周波数が現れ、コンデンサ13によってブラシ8間に現れる出力電圧位相はUPS等交流電源12の電圧位相と同相になる。ここでは、連動スイッチ11がオフしているので、常時出力端子のみに対してブラシ8間に生ずるUPS等交流電源12に同期した出力電圧が加わることになる。
(2)ブラシの回動動作と誘導起電力との関係
次に、ブラシ8を整流子7に接触させた状態で整流子7の周方向に回動させる回動動作とブラシの位置によって取り出せる誘導起電力との関係について説明する。
図2は、軸方向に沿って並べられた整流子片71を筒状に配置した整流子7と、該整流子7に接触しつつ整流子7の周方向に沿い回動しているブラシ8の状態を示している。なお、図2(a)はブラシ軸90度位置の状態を示し、図2(b)はブラシ軸0度位置の状態を示している。
図3は、図2に示したブラシ軸の位置の違いに対応してブラシ8から取り出される誘導起電力の違いを示している。ここでは、界磁巻線1が巻かれた固定子鉄心2には界磁磁束Φが通り、回転子6がn方向に回転している場合を示している。また、図3(a)では界磁電流と同相の回転による誘導起電力の発生状態を例示し、図3(b)では界磁電圧と同相の変圧器作用による誘導起電力の発生状態を例示している。
まず、図2(a)および図3(a)を参照して、ブラシ軸90度位置の状態で、ブラシ8から取り出される誘導起電力について説明する。図示の如く、右方向への界磁磁束Φに対してn方向(図中の時計方向)の回転によって、回転子6の右半分の回転子巻線4には図面手前側に向かう誘導起電力が生じ、回転子6の左半分の回転子巻線4には図面裏側に向かう誘導起電力が生ずる。したがって、図3(a)ではブラシ8をaa’位置に置くとき、ブラシ8間には各コイル辺41の回転による誘導起電力が重畳して電圧が発生し、bb’位置に置くとき各コイル辺41の回転による誘導起電力は相殺してブラシ8間には電圧が発生しないことになる。
次に、図2(b)および図3(b)を参照して、ブラシ軸0度位置の状態で、ブラシ8から取り出される誘導起電力について説明する。図示の如く、界磁巻線1に流れる界磁電流によって生ずる回転子巻線4への変圧器作用による誘導起電力としては、界磁電圧と同相で、回転子6の下半分の回転子巻線4には図面手前側に向かう誘導起電力が生じ、回転子6の上半分の回転子巻線4には図面裏側に向かう誘導起電力が生ずる。したがって、図3(b)ではブラシ8をbb’位置に置くとき、ブラシ8間には各コイル辺41の変圧器作用による誘導起電力が重畳して電圧が発生し、aa’位置に置くとき各コイル辺41の起電力は相殺してブラシ8間には電圧が発生しないことになる。
前述したようにブラシ8の位置によって回転による誘導起電力および変圧器作用による誘導起電力それぞれがブラシ8間に生じ、ブラシ軸が主磁束軸と直角の状態(図3(a)のaa’位置;90度位置と称する)では回転による誘導起電力のみがブラシ8間に現れ、ブラシ軸が主磁束軸と並行の状態(図3(b)のbb’位置;0度位置と称する)では変圧器作用による誘導起電力のみがブラシ8間に現れる。
さらに、ブラシ8の90度位置と0度位置との間のブラシ位置では、90度に近づくに従って回転による誘導起電力が大きくなると共に誘導起電力が界磁電流と同位相になり、逆に0度に近づくに従い変圧器作用による誘導起電力が大きくなると共にこの誘導起電力が界磁電圧に対して同位相になる。
この90度と0度との間のブラシ位置にあっては、磁束軸を基準にしてブラシ軸のなす角度をαとしたとき、回転による誘導起電力の大きさは等価的にΦsinαの関数となり、変圧器作用による誘導起電力の大きさは等価的にΦcosαの関数となると考えられる。したがって、例えば、ブラシ位置が90度から0度(αがπ/2から0)に移行するときには、回転による誘導起電力はsin波形カーブに沿って最大値から最小値(0)に移行し、変圧器作用による誘導起電力はcos波形カーブに沿って最小値(0)から最大値に移行するような特性となる。
(3)特定の回転子鉄心および整流子を用いた具体例
次に、図4を参照して、2層巻きで4本の回転子巻線4のコイル辺41を備えた回転子鉄心5と、回転子巻線4に対応して4本の整流子片71が配置されている整流子7とを用いた場合を具体例として、ブラシ8の0度位置と90度位置について説明する。
図4では、固定子鉄心2の左側と右側の界磁極をN,Sとする。また、回転子鉄心5のスロット内には2層巻きで4本の回転子巻線4のコイル辺41が備えられ、このコイル辺41から整流子側にはこの整流子片71とつながる巻線端42が引き出され、コイル辺41の整流子7と反対側は別のコイル辺(図4では隣り合うコイル辺)41のコイル接続部Bとなっている。また、回転子巻線4に対応して4本の整流子片71が配置されている。なお、簡略図示のため整流子7と反対側のコイル接続Bのみ表示し、整流子側のコイル接続は省略する。
また、ここでは、時計方向(n方向)に回転駆動力が生じて回転子6を回転させている状態を示し、図4(a)においては、界磁の磁束(NからS)方向に当たる磁束軸に対して対応するブラシ8のブラシ軸が90度位置すなわち直角位置にある状態を示している。
なお、図3(a)ではaa’にて磁束軸とブラシ軸が90度位置にあるのに対し、図4(a)では磁束軸とブラシ軸aa’とが図面上0度位置(同一方向)となっている。ただし、実際の構造上においては、図4(a)に示すブラシ軸aa’の状態は、図3(a)の90度位置と等価である。多数の型巻コイルを有し、型巻コイルを構成する二個のコイル辺が他の型巻コイルのコイル辺を複数飛び越して配置され、しかも型巻コイルの中央に巻線端が位置する巻線構造(通常知られている巻線構造)では、図3(a)の構造となるが、図4では周方向に90度ずつ離して4本の回転子巻線4のコイル辺41を設け、かつ、燐接するコイル辺41同士を接続し、しかもこの各コイル辺41と整流子片71とを同一位置に対応付けて説明したためである。
このことは、図3(b)でのbb’の0度位置と図4(b)でのブラシ軸bb’が図面上90度位置になっている関係についても同様であり、実際上、図4(b)のブラシ軸bb’は0度位置と等価となっている。このため以下、図4の説明については、図4(a)の状態を90度位置、図4(b)の状態を0度位置とする。
さらに、図4には、磁束の向き、ブラシ位置、回転子の回転方向および各コイル辺41に発生する回転による誘導起電力の向きが示されている。
図4(a)でのブラシ位置aa’が90度位置では、N,Sの磁極の直近の左右に図示の回転子巻線4が磁束を切り、その回転による誘導起電力がブラシ8間に現れる。一方、図4(b)のブラシ位置bb’が0度位置では、N,Sの磁極の直近の左右に図示の回転子巻線4が磁束を切るのであるが、ブラシ8と接触する整流子片71につながる図示上下の回転子巻線4ではこの回転による誘導起電力が相殺する方向に加わる。このため、ブラシ8間には回転による誘導起電力は生じない。
また、図4は回転による誘導起電力に着目した場合を示しているが、界磁電圧に対して同位相の変圧器作用による誘導起電力に着目した場合、図4(a)での90度位置では磁束変化を妨げる誘導起電力が図示上下の回転子巻線4に発生してもブラシ8と接触する図示左右の回転子巻線4にて相殺されてブラシ8には変圧器作用による誘導起電力は現れず、図4(b)での0度位置では逆に図示上下の回転子巻線4につながるブラシ8にて変圧器作用による誘導起電力が現れることとなる。
さらに、界磁巻線1による主磁束に対して、回転子巻線4の回転または変圧器作用による誘導起電力で生ずる電流に基因する磁束の向き、すなわち0度位置のブラシ位置と90度位置のブラシ位置を、簡略図示すれば、図5(a)、(b)の左図のようになる。
図5(a)に示すように、0度位置では、変圧器の1次と2次との関係と等価となり、回転子6の静止または回転にかかわらず回転子巻線数にて決まる変圧器作用による誘導起電力のみが発生する。一方、図5(b)の左図では、90度位置にて界磁磁束を切ることによる回転子6の回転数に比例した大きさの回転による誘導起電力が発生する。また、ブラシ8の回動位置によって発生する起電力の位相は、界磁電圧と同相の値から界磁電流と同相の回転スピードに関係する値まで変化することになる。
したがって、界磁巻線1に界磁電流を通電すると界磁電流と同一周波数の誘導電圧が交流出力端であるブラシ8間に現れる。さらに、図2(a)、(b)でのブラシ位置の移動位置状態が、回転子巻線4の電気角にして0度〜90度である場合、図2(a)に示すブラシ位置では、図3(a)、図4(a)、図5(b)と等価のブラシ軸と磁束軸とが90度位置となって、界磁電流と同一位相で回転駆動力の回転数に応じた大きさの回転による誘導起電力のみを発生する。また、図2(b)に示すブラシ位置では、図3(b)、図4(b)、図5(a)と等価のブラシ軸と磁束軸とが0度位置となって、界磁電圧に対して同位相で回転駆動力の回転数にかかわらず回転子巻線数に応じた大きさの変圧器作用による誘導起電力のみを発生する。換言すれば、例えば、90度から0度のブラシ位置になるに従いブラシ8間の起電力は回転数に依存する大きさから回転子巻線数に応じた値に落ち着くことになる。
見方を変えれば、回転駆動力が変動する際に、回転駆動力による回転子の回転が低速の場合にはブラシ位置を90度に近付け、高速回転の場合にはブラシ位置を0度に近付けることにより、一定の出力電圧を得ることができることを示している。図5(b)にて、左図はブラシ位置90度を示し、右図はブラシ位置30度を示すとすると、仮にブラシ位置60度にて定格電圧を得る場合、低速回転になったときは90度に向かってブラシ8を回動し、高速回転になったときは30度に向かってブラシ8を回動するようにすれば、一定の出力電圧を得ることができる。なお、ブラシ位置0度の場合、変圧器としての運転になり発電機としては効率が悪いので0度のときのみ回路を切り離すようスイッチ14を開くようにすればよい。
図5(c)は、位相調整用に設けたコンデンサ13を追加して図示したものであり、界磁磁束を商用交流電源の電圧位相に合致させ、発電機出力電圧と商用交流電源との位相を合致させるための構造を示している。
(実回路に基づく系統電圧(界磁電圧)、系統電流、界磁電流、発電電流(回転子電流)の波形)
図6においては、界磁巻線1と回転子巻線4とが商用交流電源に対して並列接続された分巻発電機の等価回路を示している。この場合、この等価回路では系統電圧に対する界磁巻線1の界磁電流の遅れを補償するためにコンデンサ13を挿入している。なおコンデンサ13の容量は界磁巻線1のインダクタンスに対して直列共振する値をとることによって、コンデンサの容量を小さくし巻線数を少なくしてもコンデンサ13に高電圧が現れかつコンデンサ13により90度の進み電流が現われ、低い電源電圧に対しても大きな界磁電流が得られるようにするのが好ましい。
この分巻発電機にあっても、発電によってブラシ8間には、界磁電流と同一周波数の誘起起電力が生じ、ブラシ軸と磁束軸とが90度位置では界磁電流と同一位相の回転による誘導起電力を生じ、ブラシ軸と磁束軸とが0度位置では界磁電圧に対して同位相の変圧器作用による誘導起電力を生ずる。
そして、この分巻回路では、発電機端子電圧と界磁回路端子電圧とが同電位でありかつ発電電流が系統以外にも界磁回路に流れ込むことになる。この分巻回路の特性を得るため、図6中測定点C1、C2、C3にて回転子電流、系統出力電流および界磁電流を測定し、測定点V1にて系統電圧を測定した。このC1、C2、C3およびV1の符号は図6にあって測定点を示すものであるが、場合によっては電流プローブおよび電圧計をも示し更には電流波形および電圧波形を図示する場合にも兼用する。
図7は、ブラシ位置を0度位置とし発電機の回転子6を回転させないで系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と系統電流C2とを示している。この図7では、界磁巻線1に流れる界磁電流によって回転子巻線4には前述の変圧器作用による誘導起電力が発生している。この図7から判明するように、回転子電流C1は系統電圧V1に対して90度ほど遅れ(実際上界磁電流に対して90度遅れるが界磁回路はコンデンサ19を有するので界磁電流は系統電圧とほぼ同相かあるいはこのコンデンサ19の影響にてわずかに進むようにした)しかも系統電圧V1とほぼ同相の系統電流C2が極めてわずかに流れる。この波形から判明するように発電機の回転子電流C1と系統電流は90度の位相差があって回転子6には無効電力を供給するので電力消費はなくまた系統電流C2もきわめて少なく、系統の電力損失はほとんどない。
他方、従来の交流整流子発電機を想定してブラシ位置を90度位置とし発電機の回転子6を回転させないで系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と界磁電流C3との関係を図8に示す。この図8では、ブラシ位置は90度位置であるため図5(b)のような磁気回路としては高磁気抵抗状態にあり磁気エネルギ蓄積のため界磁電流C3が増えて回転子電流C1の位相が進み波高値が大きくなる。そして、この図8に示すように、系統電圧V1と回転子電流C1による電力消費が大きくなり、図9に示す系統電流C2と系統電圧V1との波形からも明らかなように電力を消費するだけの回路となり電力損失が極めて大きい。この点から従来例として考えられる図8と等価の交流整流子機における90度位置固定の発電機に比べ、図7では、回転子6を回転させない状態にてブラシ位置を0度位置にすることによって電力損失が極めて少ないことが判明する。
図7に戻り、ブラシ位置が0度位置の状態で、今度は回転子6を最大回転数まで回転させた場合、図7の波形状態には変化がない。このことは、ブラシ位置が0度位置では回転による誘導起電力が作用せず、回転数にかかわりなく変圧器作用による誘導起電力に基づく特性のままであることを示している。すなわち、回転駆動力が過大となり従来における交流整流子発電機では過大電圧が加わり過大電流が流れるような状態でも、本実施の形態における発電機にてブラシ位置を0度位置状態とすれば過大電圧や過大電流が生ずる恐れがないことを意味する。またこのことは、ある回転駆動力が入力された状態にてこの駆動力に応じたブラシ位置の角度調節によっては発電電圧や電流を定格値に抑えることも可能となる。
図10は、ブラシ位置を90度位置とし発電機の回転子6を所定回転させて系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と界磁電流C3とを示している。この図10に示す状態では、系統電圧V1に対して回転子電流C1が逆相の大電流となり発電電流として外部に給電されることを示している。そして、ブラシ位置が0度位置にあたる図7と90度位置にあたる図10との比較にて判明するように系統電圧V1は同一であっても図7にて回転子電流C1としては系統電圧V1より90度遅れの小さな電流値であったものが図10では逆相の大電流となる。このとき界磁電流C3もある程度大きな波高値となるが、これは図7に示したブラシ位置0度位置での回転がない場合の界磁電流C3からも判明するように磁気抵抗が大きくなって界磁電流が大きくなり、回転子電流C1である発電電流が界磁回路に流れ込むためである。結果として、図11に示すように系統電圧V1に対して逆相の系統電流C2が系統に流れ込み、発電が行われる。
そして、ブラシ位置の回動と回転駆動力による回転子の回転とによって図7の回転子電流C1の状態から図10の回転子電流C1の状態に変化し、ブラシ位置の回動に伴って変化する変圧器作用による誘導起電力に基づく位相の変更が生じると共に回転による波高値の変更が生じる。
なお、負荷電流に大きな進相電流が流れる場合には、コンデンサ13の変わりにコイルを介在させてもよい。
図1および図5(c)に示したように、商用交流電源やUPS等交流電源からの電源に対してブラシ8から供給される出力電圧や出力電流の位相差を少なくするためのコンデンサ13を介在させた上で、回転による起電力あるいは変圧器作用による起電力の位相差を利用してブラシ8の回動を調整することによって、好適な位相調整あるいは力率調整を行うことが可能である。
(4)実施の形態1の効果
前述したように実施の形態1では、ブラシ8の回動に伴い、回転による誘導起電力と変圧器作用による誘導起電力の双方を調整することで、原動機の回転駆動力に変動があっても一定の出力を得ることができる。
また、原動機の回転駆動力が一定であっても出力調整をすることができ、さらに原動機の回転駆動力が過大であっても発電機の故障にはならない。
また、界磁巻線1につながる交流電源と同一周波数の出力を得ることができ、ブラシ8の回動に伴う位相調整・力率調整によって系統連系も容易に行える。このために調整装置等を省いたスリムな発電装置を得ることができる。
また、実施の形態1の整流子発電装置をエンジン発電機に適応した場合でも、周波数は一定であり、出力変動や電圧変動は全てブラシ8の回動にて賄うことができる。
また、実施の形態1によれば、ブラシ8を回動することによって、一定周波数で可変出力・可変位相の発電機を得ることができる。この発電機を、コージェネレーションシステムの補助電源とした場合、切換スイッチ10を交流商用電源に接続し、かつ連動スイッチ11をオンさせ、交流商用電源と同じ周波数および位相でブラシ8の回動位置に応じた出力電圧を得て、この出力電圧を商用交流電圧およびUPS等の常時出力端子に加えることは、一般の系統連系と同様となる。
ところが、コージェネレーションシステムの対象となる地域において系統である商用交流電源側が停電になった場合、発電機出力が短絡状態となるが、系統に接続される界磁巻線1に界磁電流が流れないので、発電機としては励磁入力がないこととなって、結果的に発電機出力は発生しない。このため、停電の場合でも発電機にストレスを与えず、短絡電流による回転子巻線4の焼損や原動機連結軸の破損の虞もなくなり、高速遮断機も必要なくなるという効果を奏する。
したがって、切換スイッチ10の切り換え操作も従来に比べてゆっくり(瞬時ではない)でよく、出力電流もないので連動スイッチ11も小容量のスイッチですむ。なお、停電時あるいは単独にて運転するとき連動スイッチ11と連動する切換スイッチ10をUPS等の交流電源に接続して界磁電流を流すことで、連動スイッチ11がオフしても常時出力端子には交流出力が得られ、引き続き発電が可能になる。
実施の形態1では、整流子7の周方向にブラシ8を回動させた構造を説明したが、整流子7とブラシ8との位置は相対的な関係であるので、ブラシ8を固定状態に置き整流子7や回転子6を回動させてもよいのは勿論である。
実施の形態2
実施の形態2の整流子発電装置は、図12に示すように、整流子片71を軸方向に斜めに配列した整流子7を用いて、さらにブラシ8を軸方向に往復動させる構成としたものである。この構成によっても上述の回転による誘導起電力および変圧器作用による誘導起電力を得ることができる。なお、その他の構成は、図1で示した実施の形態1と同様であるため、ここでは異なる部分のみを詳細に説明する。
図12(a)、(b)に示すように、実施の形態2の整流子片71は、整流子片71を筒状に配列した状態で軸方向にスキューを持たせた形状に形成されている。この整流子片71に対して、所望の接触抵抗値を有して接触する一対のブラシ8が配置されている。さらに、ブラシ8は整流子7に接触しつつ整流子7の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
整流子片71にスキューを持たせた整流子7を形成した場合、スキューの程度(スキュー角度)としては、ブラシ8を軸方向に沿って整流子7上を移動させたとき、数本の隣接する整流子片71にブラシ8が乗り移るようにスキュー角度を持たせている。
図13は、このスキュー角度の状態を例示するものであり、整流子7の筒状に配列された4本の整流子片71の表面図、裏面図および展開図である。図13(a)においては、表面から見て斜め右上がりのスキューが付されており、A,B,C,Dの4本の整流子片71が図示され、図13(b)の矢印にて示すように、整流子7の左端から右端までのブラシの軸方向移動によってD、A、B3本の整流子片71にブラシ8が順に乗り移ることができるように構成されている。
図14は、N,S2極の界磁極と16個の型巻コイルからなる回転子巻線4とスキューを持たせた整流子片71との接続状態を示す展開図である。ここでは、界磁極数、コイル数およびスキュー角度は一例であり、これに限定されるものではない。図14において、1極の界磁極に対して約8本のコイル辺41(1スロット2層巻を含めると16本)が対応して配置され、この8本(2層巻で16本)のコイル辺41を有する回転子巻線4は8本の整流子片71と接続している。スキュー角度としてはブラシ8の軸方向移動によって4本の整流子片71に乗り移り接触するようになっている。
そして、このブラシ8による4本の整流子片71上での乗り移りは、2極の界磁極間を型巻コイルが1回転したとき1サイクルの周期の電圧が励起される現象を勘案し、更にそして1回転分の位置変異が16本のコイル辺41(ひいては16本分の整流子片71)に対応することを勘案すれば、4本の整流子片71の移動は電気角にして90度の変異をもたらすことになる。
ブラシ8の軸方向移動によって、整流子片71とこれにつながる回転子巻線4を形成する型巻コイルとの接続が順に移り変わることになり、この移り変わりに対応して相応する電気角が変わることになる。
換言すれば、整流子片71にスキューを設けた整流子7を用いて、この整流子7上でブラシ8を往復移動させても、実施の形態1のブラシ8の回転と同じ作用効果をもたらすことができる。
なお、実施の形態1および実施の形態2とも、ブラシ8の回動または移動を電気角にて0度から90度までとして説明したが、0度からマイナス90度(反対方向の90度)とした場合でも、同様に回転による誘導起電力および変圧器作用による誘導起電力が得られることは明らかである。
したがって、他の実施の形態として本発明の整流子発電装置を波力発電に適用すると、波力発電にて回転駆動軸が逆転する場合には、ブラシ8をマイナス方向に回動あるいは移動させることによって従来の正転および逆転切り換え時のスイッチの入り切りを不要とすることができる。
また、実施の形態2の変形例として、例えば、整流子7のスキューの形状を図15のようにすれば往または復の片方向移動のみにて例えば0度−90度−0度のブラシ軸の移動が可能になる。
上記実施の形態2では、整流子7の軸方向にブラシ8を移動させた構造を説明したが、整流子7とブラシ8との位置は相対的な関係であるので、ブラシ8を固定状態に置き、ブラシ8に対して整流子7あるいは回転子6を軸方向に移動させてもよいのは勿論である。
実施の形態1にかかる整流子発電装置の簡略構成図である。 この発明の実施の形態1の整流子とブラシの位置関係を示す説明図である。 この発明の誘導起電力の説明図である。 この発明の実施の形態1の具体的説明図である。 この発明の状態説明図である。 この発明の実施の形態1の等価回路図である。 この発明の実施の形態1のブラシ位置0度の波形図である。 図7に対応する従来例での運転状態を示す波形図である。 図8での運転状態での系統波形図である。 この発明の実施の形態1のブラシ位置90度の波形図である。 図10での運転状態での系統波形図である。 この発明の実施の形態2の整流子とブラシの位置関係図である。 この発明の実施の形態2のスキューを示す表面図、裏面図および展開図である。 この発明の実施の形態2の整流子と回転子巻線と界磁極との接続関係を示す展開図である。 この発明の機械的軸方向移動機構の簡略正面図である。
符号の説明
1 界磁巻線
2 固定子鉄心
3 固定子
4 回転子巻線
5 回転子鉄心
6 回転子
7 整流子
8 ブラシ
10 切換スイッチ
11 連動スイッチ
12 交流電源
14 スイッチ
13 コンデンサ

Claims (18)

  1. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対して回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて、整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、
    周方向の回動可能な範囲は予め設定した電気角基準位置に対して所望の電気角の範囲としたことを特徴とする整流子発電装置。
  2. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、
    周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする整流子発電装置。
  3. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、
    整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、
    ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成したことを特徴とする整流子発電装置。
  4. 各整流子片のスキューの角度は、ブラシと整流子の相対的な軸方向移動範囲内にてブラシまたは整流子のいずれかを移動させたとき、このブラシと接触し得る整流子片の本数が、その整流子片につながる回転子巻線の電気角にて90度以上の差に当たる本数になるような角度であることを特徴とする請求項3に記載の整流子発電装置。
  5. 各整流子片によって形成される整流子のスキューは、整流子の軸方向一端より他端に向って整流子の周方向時計回りに捻り、ついで周方向反時計回りに捻る形状にしたことを特徴とする請求項3または4に記載の整流子発電装置。
  6. ブラシと整流子とは、各整流子片を筒状に配列した整流子の軸方向移動範囲内を軸方向に沿い相対的に移動可能に構成したことを特徴とする請求項3,4または5に記載の整流子発電装置。
  7. 軸方向の移動可能範囲は電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一つに記載の整流子発電装置。
  8. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、
    ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことを特徴とする整流子発電装置。
  9. 第2の交流電源または常時出力端子の接続先の少なくとも一方はUPSであることを特徴とする請求項8に記載の整流子発電装置。
  10. 周方向の回動可能な範囲は、電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする請求項8に記載の整流子発電装置。
  11. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子および第1スイッチを介して第1および第2の交流電源を選択的に切り替え可能に接続し、
    整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、
    ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、
    ブラシを常時出力端子の接続先および第1スイッチに連動する第2スイッチを介して第1の交流電源に接続したことを特徴とする整流子発電装置。
  12. 第2の交流電源または常時出力端子の接続先の少なくとも一方はUPSであることを特徴とする請求項11に記載の整流子発電装置。
  13. 各整流子片のスキューの角度は、ブラシと整流子の相対的な軸方向移動範囲内にてブラシまたは整流子のいずれかを移動させたとき、このブラシと接触し得る整流子片の本数が、その整流子片につながる回転子巻線の電気角にて90度以上の差に当たる本数となるような角度であることを特徴とする請求項11に記載の整流子発電装置。
  14. 各整流子片によって形成される整流子のスキューは、整流子の軸方向一端より他端に向って整流子の周方向時計回りに捻り、ついで周方向反時計回りに捻る形状にしたことを特徴とする請求項11または13に記載の整流子発電装置。
  15. ブラシと整流子とは、各整流子片を筒状に配列した整流子の軸方向移動範囲内を軸方向に沿い相対的に移動可能に構成したことを特徴とする請求項11、13または14に記載の整流子発電装置。
  16. 軸方向の移動可能範囲は、電気角にて略0度から略90度の範囲としたことを特徴とする請求項11,13,14または15に記載の整流子発電装置。
  17. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを相互に相対的に、整流子の周方向に回動可能に構成し、
    周方向の回動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことを特徴とする整流子発電装置。
  18. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を正転および逆転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す整流子発電装置において、
    界磁巻線に移相素子を介して交流電源を接続し、
    整流子を形成する各整流子片を軸方向にスキューを持たせて筒状に配列し、
    ブラシを整流子に接触させつつ回転子に対して相対的に軸方向に沿い移動可能に構成し、
    軸方向の移動可能な範囲は電気角にて略0度を中心として略±90度の範囲としたことを特徴とする整流子発電装置。

JP2003328536A 2002-09-27 2003-09-19 整流子発電装置 Pending JP2005065474A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003328536A JP2005065474A (ja) 2002-09-27 2003-09-19 整流子発電装置
AU2003266679A AU2003266679A1 (en) 2002-09-27 2003-09-29 Commutator generation device
PCT/JP2003/012425 WO2004030202A1 (ja) 2002-09-27 2003-09-29 整流子発電装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002284402 2002-09-27
JP2003202608 2003-07-28
JP2003328536A JP2005065474A (ja) 2002-09-27 2003-09-19 整流子発電装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005065474A true JP2005065474A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34381705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003328536A Pending JP2005065474A (ja) 2002-09-27 2003-09-19 整流子発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005065474A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Merkhouf et al. Variable frequency transformer—Concept and electromagnetic design evaluation
EP2698894B1 (en) Alternative Power Converter System
DK2570661T3 (en) Indkoblingsstrømbeskyttelse for wind turbines and wind farms
US20100026122A1 (en) Variable speed constant frequency motor
Zhong et al. Design and analysis of a three-phase rotary transformer for doubly fed induction generators
CN103812294A (zh) 一种五相双凸极电机
WO2021169520A1 (zh) 单相同步发电机、单相电源、消弧系统及消弧方法
Miller Theory of the doubly-fed induction machine in the steady state
Rahul et al. Analysis of variable frequency transformer used in power transfer between asynchronous grids
US9494139B2 (en) System and method for controlling a power output of a wind turbine generator
JP2005065474A (ja) 整流子発電装置
JP3847740B2 (ja) 発電装置
Kopylov et al. Use of superconducting devices operating together to ensure the dynamic stability of electric power system
JP5008417B2 (ja) エンジン発電機
JP2004248486A (ja) 交流整流子発電装置
KR20140084410A (ko) 이중 회전자를 갖는 동기 발전기 시스템
Abdolkhani et al. A contactless slipring system by means of axially travelling magnetic field
Shao et al. A comparative study on nine-and twelve-phase flux-switching permanent-magnet wind generators
ES2261798T3 (es) Procedimiento de mando de un aerogenerador.
US20040212353A1 (en) Use of a closing impedance to minimize the adverse impact of out-of-phase generator synchronization
Rezazadeh et al. Design of a six-phase squirrel cage induction motor with pseudo-concentrated windings
WO2004030202A1 (ja) 整流子発電装置
Murthy Renewable energy generators and control
JP3830753B2 (ja) 電力潮流制御装置及び電力潮流調整方法
JP2004274988A (ja) 交流整流子発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20050201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060530