JP2005065038A - 振幅補償回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの伝送レートを高めながら、フェージングなどによる振幅の変動を効果的に補償できるようにする。
【解決手段】直交検波部3で検波された多値変調のI相(同相)成分とQ相(直交)成分とからなるI,Q信号は、乗算部7でゲインGが乗算され、次に、等化器5に供給されて波形等化される。等化器5では、シンボル毎にタップ係数Wfが生成され、これで波形等化が行なわれるが、このタップ係数Wfは、また、ベクトル長出力部8に供給されてタップ係数Wfのベクトル長Rが算出され、平均化部9でシンボル毎に順次得られたベクトル長Rを平均化することにより、上記のゲインGが得られる。このようにして得られるゲインGは、ベクトル長Rが一定の値となるような、即ち、I,Q信号が所定の振幅となって振幅変動がなくなるような値に収束する。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル無線通信システムの無線基地局装置や受信装置,送受信装置などに用いられる振幅補償回路に関する。
従来、16QAM変調方式などの多値変調方式を利用して無線通信を行なう無線基地局などでは、フェージングによる受信信号の振幅変動を補償するために、振幅補償回路が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
図14は従来の振幅補償回路の一例を示すブロック図であって、1はAGCアンプ(利得可変増幅器)、2はA/D(アナログ/デジタル変換器)、3は直交検波器、4はAGC(自動利得)制御部、5は等化器、6は復号部である。
同図において、同相成分(I相成分)と直交成分(Q相成分)とが直交変調されてなるIF(中間周波)の受信信号は、AGCアンプ1に供給されて振幅変動が補償され、A/D変換器2でデジタル信号に変換された後、直交検波器3に供給されて多値のI相成分とQ相成分とに検波される。これらI相成分とQ相成分との信号(以下、これら成分からなる信号をI,Q信号という)の一部はAGC制御部4に供給されてその電力が検出され、この検出電力を希望電力となるように、AGC制御部4がAGCアンプ1の利得が制御される。
直交検波器3で検波されたI,Q信号は、次に、等化器5に供給される。この等化器5は、受信信号の伝送路や外来雑音による波形劣化を補償し、元の信号波形に戻す波形等化処理を行なう。等化器5で処理された多値のI,Q信号は復号器6に供給され、元の情報信号に復号される。
ここで、フェージングなどの影響によって受信信号に振幅の変動が生ずると、これに応じてAGCアンプ1の利得が変化され、かかる振幅変動が補正されるものであるが、AGCアンプ1の応答速度やAGCアンプ1への帰還ループのループフィルタの時定数に限界があることから、周波数が高くて変化速度が早いフェージングに応答した補正ができなくなる。また、等化器5でも、かかるフェージングに応答した波形等化処理ができなくなる。
ここで、上記の受信信号のフレーム構成の一例を図15により説明する。
同図において、1フレームは、ユニークワードやトレーニング信号と呼ばれる128シンボルの参照信号UWと256シンボルのデータDATAとを含み、参照信号UWの先頭とデータDATAの128シンボル毎の先頭とに1シンボルのパイロット信号Pが付加された構成をなしている。
ここで、パイロット信号Pや参照信号UWは既知のパターン,振幅の信号であって、AGC制御部4は、このパイロット信号の振幅を検出し、この振幅が所定の値となるように、帰還型のAGCループを用いてAGCアンプ1の利得を制御する。また、参照信号UWは等化器5で用いられるものであって、この受信信号に含まれる参照信号UWが基準となるトレーニング信号と一致するように、タップ係数が制御される。等化器5は、(n−1)個の遅延素子とn個の乗算要素とからなるn個のタップと、これらのタップの出力を加算する加算要素とでnタップのフィルタが構成され、かかるフィルタに、加算要素から出力される参照信号と基準となるトレーニング信号とを比較し、その比較結果に応じて各タップの乗算要素の乗算係数(即ち、タップ係数)を調整して両信号が一致するようにする制御要素が設けられた構成をなしている。図14に示す振幅補償回路では、等化器5のタップ数を、例えば、1としている。
特開平10ー98500号公報
ところで、上記従来の振幅補償回路では、AGCループにおいて、所定の周期で受信信号に付加されているパイロット信号Pの振幅を監視することにより、フェージングなどによる振幅変動を補償するものであり、パイロット信号Pの間の期間では、AGCアンプ1でその直前のパイロット信号Pに応じて設定された利得が保持される。
一方、高速のフェージングによると、フレーム内に大きな振幅変動が生ずる場合がある。図16はその一例を示すものであって、10フレーム期間での受信信号の振幅変動を示すものである。このようなフェージングによると、フレーム内で1〜2度の大きな振幅変動(谷間)が発生し、このようなフェージングによる影響を補償するためには、1フレームに付加するパイロット信号Pの個数を多くし、パイロット信号Pの周期を短くすることが必要となる。
しかし、このようにパイロット信号Pを多く付加するようになると、パイロット信号Pによる利得設定のための処理時間が増加して信号の遅延が増加するし、また、肝心のデータDATAの伝送レートが低下する、いった問題が生ずる。
これを防止するために、1フレーム当りのパイロット信号Pの付加数を制限すると、パイロッシ信号P間で受信信号の振幅の落ち込みを補償することができず、この部分で復号データに誤りが発生する可能性が高くなるという問題もある。
本発明目的は、かかる問題を解消し、フェージングによる振幅変動を効率良く補償しながら、データの伝送レートを高めることができるようにした振幅補償装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、デジタル多値変調されたI相成分とQ相成分が直交変調されてなる受信信号の利得を制御するAGC制御系と、AGC制御系で利得制御された受信信号をI相成分とQ相成分とからなるI,Q信号に検波する直交検波部と、このI,Q信号にゲインGを乗算する乗算部と、乗算部から出力されるI,Q信号の波形等化処理を行ない、復号部に供給する等化器と、この等化器で生成されるタップ係数のベクトル長を生成するベクトル出力部と、このベクトル長を平均化し、乗算部でI,Q信号に乗算する該ゲインを生成する平均化部とを備えた構成とするものである。
また、I,Q信号は、パターンが既知の参照信号とこれに続くデータとからなるフレーム構成をなしており、上記の等化器は、I,Q信号のフレーム毎に、まず、参照信号に対するタップ係数を生成する期間をトレーニング期間として、平均化部で生成されるゲインGをI,Q信号の振幅に応じた値に収束させ、次いで、データに対するタップ係数を生成する期間をトラッキング期間として、平均化部で生成されるゲインGをデータの振幅変動に追従させ、トレーニング期間では、参照信号の復号部への供給を遮断するものである。
本発明によれば、振幅変動を効果的に低減しながら、データの伝送レートを高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明による振幅補償回路の第1の実施形態を示すブロック図であって、7は乗算部、8はベクトル出力部、9は平均化部であり、図14に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
この第1の実施形態は、図1に示すように、図14に示す従来の振幅補償回路に対し、直交検波部3と等化器5との間に乗算部7を設け、等化器5で得られるタップ係数Wfのベクトル長Rをベクトル長出力部8で得、得られたベクトル長Rを平均化部9で平均化してゲインGを得、このゲインGを乗算部7で直交検波器3から出力されるI,Q信号に乗算するものである。I,Q信号の振幅の変動とともに、タップ係数Wfのベクトル長Rも変動し、これを平均化して得られたゲインGもI,Q信号の振幅の時々刻々の変動とともに変動する。ここで、ゲインGは、I,Q信号の振幅の減少とともに増加し、また、I,Q信号の振幅の増加とともに減少する。これにより、乗算部7では、かかるゲインGが乗算されることにより、I,Q信号の時々刻々の振幅変動が補償されることになり、パイロット信号P間の大きな振幅変動も補償されることになる。
図2はこの第1の実施形態での受信信号のフレーム構成を示すものであって、データDATAにパイロット信号Pが付加されていない点が図15に示す従来の受信信号と異なる。
図3は図1における等化器5の一具体例を示すブロック図であって、51は乗算器、52は領域判定器、53はROM(リード・オンリ・メモリ)、54は減算器、55はタップ係数更新器、56は切替スイッチである。
同図において、乗算部7(図1)からのI,Q信号は、乗算器51でタップ係数更新器55からのタップ係数Wfと乗算されて波形劣化が補償され、復号器6(図1)に供給される。また、乗算器51の出力信号(I,Q信号)は、その一部が領域判定器52に供給される。この領域判定器52は、従来の等化器での上記の基準となるトレーニング信号の発生手段に相当するものであるが、I,Q信号の各フレームでのデータDATA(図2)に対して基準信号を発生するものであり、参照信号UW(図2)に対して基準となるトレーニング信号はROM53に格納されている。I,Q信号の参照信号UWの期間では、切替スイッチ56がROM53側に閉じてROM53から読み出された基準のトレーニング信号が減算器54に供給され、また、領域判定器52側に閉じているときには、I,Q信号のデータDATAの期間では、切替スイッチ56が領域判定器52側に閉じて領域判定器52から減算器54にデータDATAに対する基準信号が供給される。減算器54では、参照信号UWもしくはデータDATAとそれらの基準信号とのベクトル差(振幅差及び位相差)が検出され、タップ係数更新器55はかかるベクトル差から、これを補償するためのタップ係数(乗算係数)Tを生成する。このタップ係数Wfが乗算器51に供給されてI,Q信号に乗算され、これにより、I,Q信号の波形劣化が補償される。
ここで、図4により、領域判定器52の動作について説明する。
図4は16QAM変調での信号空間ダイヤグラムを示すものであって、横軸をI信号軸、縦軸をQ信号軸とすると、黒点で示すように、16個の変調波の信号点S11〜S44が配置されることになる。そして、原点0から信号点S11〜S44までの距離がこの信号点に対する変調波の振幅を、原点0から見た信号点S11〜S44の方向がその変調波の位相を夫々表わしている。変調波に振幅変動や位相変動があると、この変調波のこのダイヤグラムでの信号点が図示する位置からずれることになる。
ここで、このダイヤグラムでは、各信号点S11〜S44毎に、信号点を中心とする領域A11〜A44に区分される。いま、任意の領域をAij(但し、i,j=1,2,3,4)とし、そこでの信号点をSijとすると、領域判定器52は乗算器51から供給されるI,Q信号からそのときの変調波の領域Aijを判定し、この領域Aijにおける信号点Sijの搬送波を基準信号として出力するものである。
なお、フレームの参照信号UWは搬送波が決められたものであって既知であり、これに対応する基準信号がROM53に格納されている。I,Q信号の参照信号UWの期間では、ROM53からこれら基準信号が順次読み出され、減算器54に供給されることになる。
また、図示しないが、等化器5には、I,Q信号の各フレーム毎にその開始からシンボル単位をカウントするカウンタ(シンボルカウンタ)が設けられており、そのカウント値によってフレームでの参照信号UWの期間やデータDATAの期間を判定する。そして、この判定結果に応じて切替信号Bが生成され、この切替信号Bによって切替スイッチ56が制御される。
図5は図3における減算器54の動作を示す図である。
同図において、いま、領域判定52で図4に示す信号空間ダイヤグラムで現時点のI,Q信号の領域を領域Aijと判定し、その基準信号Sijを減算器54に強襲したとする。また、この時点でのI,Q信号の信号点を領域Aij内のSij’とする。減算器54は、これら基準信号SijとI,Q信号Sij’とのベクトル差ΔSijを求めるものである。
なお、タップ係数更新器55は、減算器54で得られるベクトル差ΔSijが0となるタップ係数Wfを生成する。
図1に戻って、ベクトル長出力部8は、タップ係数更新器55(図3)から供給されるタップ係数Wfのベクトル長Rを求める。ここで、タップ係数Wfは、また、実数部Wf(real)+j{虚数部Wf(image)}からなり、従って、ベクトル長Rは、
Figure 2005065038
の演算によって求めることができる。
また、平均化部9は、ベクトル長出力部8からのベクトル長Rを平均化するものであるが、この平均化の方法としては、ベクトル長出力部8からのベクトル長Rを演算処理して(ベクトル長R−1)を求め、この演算結果(ベクトル長R−1)を順次累積加算してゲインGを得るものである。この平均化演算は、ベクトル長Rが1に収束するようにするためである。
図6はI,Q信号の振幅(レベル)変化に対するゲインGの変化を示すものであり、横軸をシンボル数、縦軸を振幅変化とゲインGとを示すものである。
ここでは、受信信号のフレーム構成は図2に示すものであり、変調方式は16QAM、シンボルレートを6.75MHz、フレーム内での参照信号UWを128シンボル、データDATAを256シンボル(従って、フレーム長=約57μ秒)としており、かかる条件のもとに、シミュレーションによってI,Q信号の振幅変化に対するゲインGの変化を求め、図6に示す結果を得たものである。なお、ここでは、TDD(Time Division Duplex)方式を想定しているため、処理の開始のリセットは各フレームの先頭で行なっている。
図6から明らかなように、I,Q信号の振幅が順次低下とともにゲインGが順次増加し、また、I,Q信号の振幅が順次上昇とともにゲインGは順次減少し、縦軸の値0の線を中心として、ゲインGが振幅変化に対して対象な形で変化していることがわかる。このことから、受信信号の順次の振幅変動が補償されることになる。
なお、先に説明したように、平均化部9では、ベクトル長R=1となるように、ゲインGが生成され、このゲインGにより、乗算部7でI,Q信号の振幅補償が行なわれるが、かかる振幅補償されたI,Q信号は、図3に示す乗算器51により、タップ係数更新器55からのタップ係数Wfを用いてベクトル長R=0となるように、波形が等化されることになる。
次に、図7により、この第1の実施形態のフレーム期間での動作の一具体例を説明する。
まず、フレームの先頭で回路の初期設定が行なわれる(ステップ100)。この初期設定は、等化器5のタップ係数更新器55(図3)で生成するタップ係数Wfを1に設定し、平均化部9でゲインGを1に設定し、さらに、等化器5での上記のシンボルカウンタのカウント値Nを0に設定するものである。これにより、フレームのI,Q信号の最初のシンボルが乗算器7に供給されたときには、ゲインG=1であり、このシンボルは乗算器7を素通りして(ゲインG=1が乗算されて)等化器5に供給される(ステップ101)。
等化器5では、図3において、シンボルカウンタを1だけインクリメントする。ここで、フレーム中の最初の129シンボル期間(1シンボルのパイロット信号も含む)は参照信号UWの期間であって、この期間をトレーニング期間という。また、次の256シンボルのデータDATAの期間をトラッキング期間という。このトレーニング期間のシンボルカウンタのカウント数をL(=128)とする。
このトレーニング期間では、切替スイッチ56はROM53側に閉じており、参照信号UWに対するROM53の基準信号が減算器54に供給され、この減算器54の出力(ベクトル差)がタップ係数更新器55に供給されてタップ係数Wfが生成される(ステップ102)。
次に、シンボルカウンタのカウント値Nが1フレームのシンボル数(ここでは、図2により、384シンボル)を越えたか否かを判定し(ステップ103)、このときには、越えていないので、タップ係数更新器55からのタップ係数Wfからベクトル長出力部8でベクトル長Rを求め(ステップ104)、平均化部9でベクトル長Rの平均化を行なってゲインGを求める(ステップ105)。乗算器7でI,Q信号の次のシンボルにこのゲインGを乗算し(ステップ101)、次のステップ102へと進む。
このようにして、シンボル毎にゲインGを求めて次のシンボルに乗算するようにし、これにより、I,Q信号の参照信号の振幅補償を行なう。シンボルカウンタのカウンタ値NがN<Lのときには、トレーニング期間であって、等化器5から復号器6への経路は遮断され、参照信号UWは復号器6に供給されない。このための遮断手段としては、等化器5と復号部6との間に、切替スイッチ56と同期したオン,オフする開閉スイッチを設ければよい。
上記の動作(ステップ101〜105)を繰り返し、シンボルカウンタのカウンタ値NがN=Lとなると(図2での参照信号UWとデータDATAとの間のパイロット信号Pの期間)、取替え信号Bによって切替スイッチ56が領域判定器52側に切り替わり、また、上記の開閉スイッチがオンして、データDATAについて処理するトラッキング期間となる。このトラッキング期間も、トレーニング期間と同様の処理が行なわれるが、このときには、等化器5から復号部6に波形等化されたI,Q信号が供給される。
このように、各フレームでデータDATAの前にパターンが既知の参照信号UWを設け、データDATAの期間(トラッキング期間)の前のトレーニング期間でこの参照信号を用い、これによって得られるベクトル長Rを平均化してゲインGを求めているが、これは、トラッキング期間となる前にベクトル長Rが1に収束するようにするものであり、これにより、トラッキング期間では、その開始時点からデータDATAが所望とする(即ち、目標とする)振幅となるゲインGが得られることになる。
このようにして、パイロット信号P間に大きな振幅の変動があっても、これが効果的に補償されることになり、等化器5で波形等化処理も良好に行なわれて復号部6で復号されたデータでは、符号誤りによるエラーが大幅に低減できる。また、このために、パイロット信号Pの付加数も大幅に低減でき、データの伝送レートの大幅に向上することになる。
次に、図2に示すフレーム構成で上記の条件(変調方式:16QAM、シンボルレート:6.75MHz、フレーム内での参照信号UW:128シンボル、データDATA:256シンボル、フレーム長:約57μ秒)の受信信号に対し、シミュレーションによって得られる各部の信号特性について説明する。
図8は直交検波器3から得られるI,Q信号の特性を示す信号空間ダイヤグラムである。ここでは、図1に示す振幅補償回路に入力される受信信号に位相回転が2kHzの図6で太線で示す振幅変動が加えられているものとしている。
図9は乗算器7から出力されるI,Q信号の特性を示す信号空間ダイヤグラムである。図8に示す特性に比べ、位相回転が残っているが、振幅変動が大幅に補償されていることが確認できる。
図10は等化器5から出力されるI,Q信号の特性を示す信号空間ダイヤグラムである。図9で残っていた位相回転が補償され、シンボル点が16QAMの信号点に収束していることが確認できた。若干の振幅変動が残っているが、領域判定器52(図3)での領域判定を誤らせるほどのものではない。
図11はSNR(SN比)に対するBER(ビットエラーレート)の変化を、図14で示す従来の振幅補償回路と対比して、示す図である。ここでは、位相は変化させず、振幅だけをランダムに変化させながら、1000フレーム毎にSN比を変化させたときのBERを求めたものである。図1においても、図14においても、等化器5のタップ数を1とした。
図15に示すフレーム構成とした図14に示す従来の振幅補償回路では、特性10が得られた。この場合、パイロット信号Pの電力としては、参照信号UWやデータDATAに加えた振幅変動を連なる振幅変動となる電力とし、線形補間を用いてパイロット信号P間のデータの振幅補償を行なった。この結果、パイロット信号P間に振幅の大きな変動の山がある場合、振幅補正を誤るため、特性10で示すように、SNRの上昇とともにBERは下降するが、ほぼSNR=27dB以上では、1×10-2程度に飽和してしまうことになる。
これに対し、図1及び図3に示す構成の上記第1の実施形態では、図2に示すフレーム構成であっても、同じ振幅変動を加えても、図11の特性11で示すように、特性10に比べ、SNRの上昇とともにBERが急激に下降し、SNRが27dBを越えても、飽和しない。
このようにして、この第1の実施形態では、パイロット信号Pの付加量を低減しても、振幅変動を効果的に低減することができ、データの伝送レートを高めながら、ビットエラーレートを大幅に改善することができる。
図12は本発明による振幅補償回路の第2の実施形態を示すブロック図であって、12は振幅補正部であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
この第2の実施形態は、図12に示すように、図1に示す第1の実施形態での乗算器7の代わりに、振幅補正部12を設けたものである。この第2の実施形態では、I,Q信号のフレーム構成は、図15に示す従来のフレーム構成のように、データDATAにおいても、パイロット信号Pを付加し、例えば、パイロット信号Pの周期を128シンボルとするものであるが、振幅補正部12において、このパイロット信号Pを用いて、図14に示した従来の振幅補償回路よりも効果的に振幅変動を補償することができるようにしたものである。
図13は図1における振幅補正部12の一具体例を示すブロック図であって、121は遅延手段としてのシフトレジスタ、122は乗算器、123はラッチ回路、124は線形補間関数発生器、125はフレーム同期系である。
同図において、直交検波器3(図12)から振幅補正部12に、図15に示すフレーム構成のように、例えば、128シンボル周期などの一定周期でパイロット信号Pが付加されたI,Q信号が供給される。
振幅補正部12では、この入力されたI,Q信号が、シフトレジスタ121で遅延された後、乗算器122に供給されるとともに、線形補間係数発生器124,ラッチ回路123及びフレーム同期系125に供給される。フレーム同期系125では、各フレームの先頭に付加されているフレーム同期信号(図15では、図示せず)を基に、例えば、シンボルカウンタなどを用いることにより、I,Q信号のパイロット信号に位相同期したタイミングパルスPTが生成される。このタイミング信号PTはラッチ回路123にラッチパルスとして供給され、I,Q信号のパイロット信号Pをこのラッチ回路123にラッチする。
また、線形補間係数発生器124は、タイミングパルス125のタイミングで入力されるI,Q信号のパイロット信号Pを取り込むとともに、ラッチ回路123でラッチされたパイロット信号Pも取り込む。入力されたI,Q信号から取り込んだパイロット信号Pは現時点t0でのパイロット信号P(t0)であり、また、ラッチ回路123から取り込んだパイロット信号Pは、現時点tよりもパイロット信号の1周期Δtだけ前に入力されたI,Q信号のパイロット信号P(t0−Δt)である。
線形補間係数発生器124は、これらのパイロット信号P(t0),P(t0−Δt)をもとに、I,Q信号の振幅が時刻t0−Δtから時刻t0までの間にパイロット信号P(t0−Δt)の振幅V(t0−Δt)からパイロット信号P(t0)の振幅V(t0)までの間で線形に変化したものとして、設定する目標振幅をVsとすると、
Figure 2005065038
なる乗算係数G(t)を生成する。この乗算係数G(t)が乗算器122に供給され、シフトレジスタ121から供給されるI,Q信号に乗算される。これにより、乗算器122から出力されるI,Q信号は、パイロット信号Pの間の振幅もVsとなるように補正されたものとなる。さらに、精度の高い振幅の補正は、等化器5で行なわれる。
本発明による振幅補償回路の第1の実施形態を示すブロック図である。 図1に示す実施形態で処理される受信信号のフレーム構成の一具体例を示す図である。 図1における等化器の一具体例を示すブロック図である。 16QAM変調での信号空間ダイヤグラムを示す図である。 図3における減算器の動作を示す図である。 図1における平均化部の動作を示す図である。 図1に示した実施形態の動作の一具体例を示すフローチャートである。 図1における直交検波器の出力の特性を示す図である。 図1における乗算部の出力の特性を示す図である。 図1における等化器の出力の特性を示す図である。 図1に示す第1の実施形態と従来の振幅補償回路とでのSNRに対するBERを比較して示す図である。 本発明による振幅補償回路の第2の実施形態を示すブロック図である。 図12における振幅補正部の一具体例を示すブロック図である。 従来の振幅補償回路の一例を示すブロック図である。 図14に示した振幅補償回路で処理される受信信号のフレーム構成を示す図である。 フェージングによっては軽変動する受信信号を示す図である。
符号の説明
1 AGCアンプ
2 A/D変換器
3 直交検波器
4 AGC制御部
5 等化器
51 乗算器
52 領域判定器
53 ROM
54 減算器
55 タップ係数更新器
56 切替スイッチ
6 復号部
7 乗算部
8 ベクトル長出力部
9 平均化部
12 振幅補正部
121 シフトレジスタ
122 乗算器
123 ラッチ回路
124 線形補間係数発生器
125 フレーム同期系

Claims (2)

  1. デジタル多値変調されたI相成分とQ相成分が直交変調されてなる受信信号の利得を制御するAGC制御系と、
    該AGC制御系で利得制御された該受信信号をI相成分とQ相成分とからなるI,Q信号に検波する直交検波部と、
    該I,Q信号にゲインGを乗算する乗算部と、
    該乗算部から出力される該I,Q信号の波形等化処理を行ない、復号部に供給する等化器と、
    該等化器で生成されるタップ係数のベクトル長を生成するベクトル出力部と、
    該ベクトル長を平均化し、該乗算部でI,Q信号に乗算する該ゲインを生成する平均化部と
    を備えたことを特徴とする振幅補償回路。
  2. 請求項1において、
    前記I,Q信号は、パターンが既知の参照信号とこれに続くデータとからなるフレーム構成をなしており、
    前記等化器は、前記I,Q信号のフレーム毎に、まず、該参照信号に対する前記タップ係数を生成する期間をトレーニング期間として、前記平均化部で生成されるゲインGを前記I,Q信号の振幅に応じた値に収束させ、次いで、該データに対する前記タップ係数を生成する期間をトラッキング期間として、前記平均化部で生成されるゲインGを前記データの振幅変動に追従させ、該トレーニング期間では、該参照信号の前記復号部への供給を遮断することを特徴とする振幅補償回路。
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