JP2005063949A - 調理器用トッププレート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 明るい光沢を有しながら、目立ちすぎることがなく、また調理器の内部構造を隠蔽しながら、各種のインジケータの光を容易に確認することができ、しかも防眩効果を有する調理器用トッププレートと、その製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明における結晶化ガラスは、オパール調の外観を呈するため、図1に示すように、調理器用トッププレート10の裏面10aに光沢の強い装飾膜11(例えばTiN膜)を形成しても、その内部で反射光が程良く散乱し、その結果、柔らかい光沢を有する高級感のある外観を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶化ガラスからなる調理器用トッププレートと、その製造方法に関するものである。
家庭用や業務用の調理器として、従来からガスコンロを採用したガス調理器だけでなく、ラジエントヒーターやハロゲンヒーターを採用した赤外線加熱調理器、電磁加熱(IH)調理器が使用されるようになってきた。
特に電磁加熱調理器に用いられるトッププレートには、熱効率、安全性、熱衝撃性の高いことが要求され、そのため電磁誘導加熱量が小さく、熱膨張係数の低い結晶化ガラス基板が使用されてきた。
ところで調理器用トッププレートの本来の役割は、加熱装置に対して、水、調味料、食品等が飛散するのを防止することであるが、最近では、この役割に加え、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽して美観を向上させることも求められるようになってきている。
調理器用トッププレートの材料として結晶化ガラス基板を用いる場合、調理器の内部構造を隠蔽するには、主に2つの方法がある。
第1の方法は、低膨張結晶化ガラス基板自体を、不透明又は半透明にすることである。例えば、下記の特許文献1には、着色剤によって濃色に着色された低膨張結晶化ガラスが記載され、また下記の特許文献2には、透明から不透明までの範囲の可視光線透過特性を有する低膨張結晶化ガラスが記載されている。
第2の方法は、透明な低膨張結晶化ガラス基板の表面に印刷法を用いて装飾膜を形成し、この装飾膜によって調理器の内部構造を隠蔽することである。例えば、下記の特許文献3には、裏面(調理面の反対側の面)に、貴金属と卑金属からなるラスター彩の装飾膜を設けた調理器用トッププレートが記載されている。
しかしながら特許文献1に記載の低膨張結晶化ガラスは、色調が濃色であるため、印加される電力量等を表示するインジケータの光を確認しずらいという問題がある。すなわち電磁加熱調理器のトッププレートの場合、インジケータをトッププレートの裏面側に設ける場合が多いが、調理面側からは赤色のインジケータの光がかろうじて見えるだけであり、インジケータが赤色以外の色を発光する場合であっても、トッププレートが赤色以外の光(例えば青色や黄色)を全く透過しないために、そのような色の光を調理面側に表示することができない。従って、インジケータが赤色以外の色を発光する場合、その色の光を調理面側に表示させるためには、トッププレートの所定箇所に孔を開ける必要があり、そのために、トッププレートに欠けや割れが生じやすくなるという問題があった。
また調理器用トッププレートの商品価値を高める要素の一つとして、外観意匠性が重視されつつあり、以前は濃色が主流であったが、最近は明るい光沢を有する色合いのものが好まれつつある。しかしながら、特許文献1の結晶化ガラスは、色調が濃色であり、消費者の最近の趣向に十分に応えることができない。
また特許文献2に記載の低膨張結晶化ガラスは、ガラス中に亜鉛尖晶石を析出させるため、ZnOを2〜5重量%含有しているが、このようにZnOを多量に含有すると、熱処理時にガラスが失透しやすい。そのため特に半透明の色調を得ようとする場合には、色調が微妙に変化しやすく、安定して生産することができないという製造上の問題がある。
さらに特許文献3の調理器用トッププレートは、装飾膜の色調や光沢がそのまま調理器用トッププレートの外観に反映されるため、トッププレートが目立ちすぎてしまい、キッチン全体と調和せず、美観上好ましくないことがある。また光沢が強すぎて、調理する人が眩しく調理しづらいといった安全上の問題や、ちらつきによる不快感に加え、眼精疲労の心配もある。
このような事情から、特許文献4では、新しい外見と光学特性をもつ調理器用トッププレートが提案されている。
特公平3−9056号公報 特開平5−213629号公報 特公平7−17409号公報 特表2001−501168号
特許文献4に記載の調理器用トッププレートは、Li2O−Al23−SiO2系の低膨張結晶化ガラスからなり、50%以上のくもりを呈するものであり、実施例として、結晶粒径が80nm以下のβ−スポジュメン固溶体を含む乳白色の結晶化ガラスが開示されている。
しかしながら、このような結晶粒径の小さい結晶化ガラスは、可視光が散乱し難いため、透明性が高くなりやすい。そのため、例え乳白色の外観が得られたとしても、色調が非常に薄く、調理器の内部構造を隠蔽する効果に乏しい。
本発明の目的は、明るい光沢を有しながら、目立ちすぎることがなく、また調理器の内部構造を隠蔽しながら、各種のインジケータの光を容易に確認することができ、しかも防眩効果を有する調理器用トッププレートと、その製造方法を提供することである。
本発明の調理器用トッププレートは、主結晶相としてβ−スポジュメン固溶体を含むLi2O−Al23−SiO2系の低膨張結晶化ガラスから形成されてなる調理器用トッププレートであって、前記β−スポジュメン固溶体の平均粒径が100〜1000nmであることを特徴とする。
また本発明の調理器用トッププレートの製造方法は、質量百分率で、SiO2 55〜70%、Al23 15〜30%、Li2O 2.5〜6%、ZnO 2%未満、BaO 0〜5%、TiO2 1〜6%、ZrO2 0〜4%、P25 0〜5%、MgO 0〜3%、Na2O 0〜4%、K2O 0〜4%の組成を有するガラス基板を準備し、このガラス基板を700〜900℃の温度域で30〜180分間熱処理した後、900〜1100℃の温度域で10〜180分間熱処理することによって、内部にβ−スポジュメン固溶体を析出させることを特徴とする。
本発明の調理器用トッププレートは、主結晶相としてβ−スポジュメン固溶体を含むLi2O−Al23−SiO2系の低膨張結晶化ガラスから形成され、前記β−スポジュメン固溶体の平均粒径が100〜1000nmであるため、明るく柔らかな色合いの上品なオパール調の外観を得ることができる。
また、この結晶化ガラスに入射する光は、可視域において適度に散乱するため、優れた防眩効果を有している。つまり上記のようなβ−スポジュメン固溶体を含む結晶化ガラスは、オパール調の外観が発現されやすく、可視域において適度な散乱効果を得やすいという利点がある。尚、本発明において、オパール調とは、一般にオパールに特徴的に示される特異な可視光の散乱を有する外観や色調を意味している。このような外観や色調は、散乱体である粒子が可視光の短波長領域を散乱することで、物体の透過光が黄色みを帯び、散乱光が青みを帯びることで得られる。
本発明において、主結晶相であるβ−スポジュメン固溶体は、平均粒径が100〜1000nmである。つまりβ−スポジュメン固溶体の平均粒径が100nm未満では、可視光の散乱効果が低減し、透明性が高くなり、オパール調の外観が発現されにくい。一方、平均粒径が1000nm超では、白濁が強くなりすぎ、透明性が失われる。β−スポジュメン固溶体の平均粒径の好ましい範囲は、150〜900nm、より好ましい範囲は、200〜800nmである。
またβ−スポジュメン固溶体は、結晶粒径が均一であることが望まれ、次式で示される粒径の変動係数(CV値)が10%以下であることが好ましい。
CV=(σ/D)×100[%]
ただし、上式において、σは標準偏差、Dは平均粒径を意味している。
つまり結晶化ガラス中で散乱される光の波長は、結晶粒径によって決まるため、変動係数が10%を超えると、結晶粒径が不均一になり、オパール調の外観が得られがたくなる。また結晶粒径の不均一領域が破壊の起点となって、結晶化ガラスの強度が低下する虞れもある。
また本発明における結晶化ガラスは、肉厚4mmにおいて、JIS Z8729に基づくL***表示系の明度値L*が、30〜87、好ましくは30〜80、より好ましくは40〜60の範囲にあると、特に美観性に優れたオパール調の外観が得られるため好ましい。
さらに本発明における結晶化ガラスは、肉厚4mmでの平均透過率が、波長400〜800nmにおいて0.1〜60%であることが好ましい。すなわち肉厚4mmでの平均透過率が、0.1%未満では、トッププレートを透過する光量が減少しすぎ、透光性が悪く、オパール調の外観が得られがたくなる。またトッププレートの裏面側に設けられるインジケータの光が確認しずらくなる。一方、60%超では、光散乱性が弱くなり、色調が非常に薄くなるため、調理器の内部構造を隠蔽し難くなる。肉厚4mmでの平均透過率が波長400〜800nmの可視域において0.1〜60%であると、トッププレートの裏面に光沢の強い装飾膜を形成しても、この装飾膜からの反射光が、トッププレート内部で程良く散乱されるため、鋭い光沢色が緩和され、柔らかい光沢を有する高級感のある外観が得られるという利点もある。この平均透過率は、1〜60%がより好ましく、2〜50%であることがさらに好ましい。特に青色や黄色のインジケータの光を透過させたい場合には、この平均透過率を30%以上にすることが望ましい。
また本発明における結晶化ガラスは、熱線が透過しやすく、被調理物を効率良く加熱することができるように、肉厚4mmでの平均透過率が、波長1〜2μmの赤外域において50%以上であることが好ましい。より好ましい範囲は、60%以上、さらに好ましい範囲は70%以上、最も好ましい範囲は80%以上である。
また調理器用トッププレートに使用される結晶化ガラスは、加熱、冷却が繰り返されるため、熱膨張係数が低く、耐熱衝撃性に優れていることが要求される。30〜750℃における平均線熱膨張係数が、−10〜+30×10-7/℃の範囲であれば、加熱時にトッププレート内部の温度分布に差が発生しても、膨張差で割れることがないため好ましい。さらに30〜750℃における平均線熱膨張係数が、−10〜+20×10-7/℃であれば、非常に優れた耐熱衝撃性が得られるためより好ましい。
また本発明における結晶化ガラスは、質量百分率で、SiO2 55〜70%、Al23 15〜30%、Li2O 2.5〜6%、ZnO 2%未満、BaO 0〜5%、TiO2 1〜6%、ZrO2 0〜4%、P25 0〜5%、MgO 0〜3%、Na2O 0〜4%、K2O 0〜4%を含有することが好ましい。
結晶化ガラスの組成範囲を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマーであると共に、結晶を構成する成分であるが、その含有量が55%より少ないと、ガラスが失透しやすくなり、化学耐久性も低下する。一方、70%より多いと、ガラスの溶解性が悪くなる。SiO2の好ましい含有量は、60〜69%である。
Al23も、結晶を構成する成分であるが、15%より少ないと、ガラスの溶融性が悪くなる。一方、30%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、化学的耐久性が低下する。Al23の好ましい含有量は、15〜25%である。
Li2Oも、結晶を構成する成分であるが、2.5%より少ないと、所望の結晶が析出し難くなる。一方、6%より多いと、ガラスの化学的耐久性が悪くなる。Li2Oの好ましい含有量は、3〜5%である。
ZnOは、結晶を析出させやすくする成分であるが、その含有量は厳密に規制しなければならない。つまりZnOが多くなると、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの徐冷時や結晶化時に、異種結晶が析出しやすくなる。よってZnOの含有量は、2%未満、好ましくは1.5%未満、さらに好ましくは1%未満に規制すべきである。
BaOは、ガラスの溶融性を向上し、失透物の発生を防止する成分であるが、5%より多いと、所望の結晶量が得られがたく、また熱膨張係数が高くなって熱的特性が低下する。BaOの好ましい含有量は、0〜4%である。
TiO2は、核形成剤として作用する成分である。1%より少ないと、結晶化が安定して起こらず、結晶が粗大になる結果、化学的耐久性が低下する。一方、6%より多いと、色調が褐色になり透明性が損なわれる。TiO2の好ましい含有量は、1〜5%である。
ZrO2も核形成剤として作用する成分であるが、4%より多いと、ガラス中に失透物が発生しやすくなる。ZrO2の好ましい含有量は、0〜3%である。
尚、TiO2とZrO2は、合量で2〜6.9%の範囲にあることが好ましい。すなわちTiO2とZrO2の合量値が、2%より少ないと、十分に核形成が起こらず、結晶が粗大となり、化学的耐久性が低下する。また6.9%より多いと、ガラスの溶解性が悪くなると共に、色調が褐色になって透明性が損なわれる。
25は、ZrO2の難溶解性を著しく改善する効果を有する成分であるが、5%より多いと、ガラスが分相しやすくなって均一なガラスが得られ難くなる。P25の好ましい含有量は、0〜3%である。
MgOは、結晶を析出しやすくする成分であるが、3%より多いと、熱膨張係数が大きくなりすぎる。MgOの好ましい含有量は、0〜2%である。
Na2OとK2Oは、ガラスの溶解性を向上させる成分であるが、各々4%より多いと、化学的耐久性が著しく悪くなる。またこれらの成分の合量が7%より多いと、結晶性が悪くなると共に、熱膨張係数が高くなりすぎるため好ましくない。
また本発明においては、上記成分以外にも、As23、Sb23、CaO、PbO等の成分を各々2%まで含有させることによって、ガラスの溶解性、作業性、均一性等を向上させることができる。ただしAs23は、環境負荷物質であるため、極力使用を避けるべきである。さらにガラスの安定化を改善するため、F2、Cl2、SO3、Fe23の1種又は2種以上を合量で0.5%まで含有させることができる。
本発明における結晶化ガラスは、上記組成からなるガラス成形体を所望の条件で熱処理することによって作製することができる。例えばβ−スポジュメン固溶体は、結晶化のための熱処理温度を高くするほど、その平均粒径が大きくなる傾向にあり、より具体的には、ガラスを900〜1100℃の温度域で10分間以上熱処理することによって所望の結晶を析出させることができる。より安定して結晶化を行うためには、まず700〜900℃の温度域で30〜180分間熱処理し核形成を行った後、900〜1100℃の温度域で10〜180分間熱処理し結晶を均一に析出させることが好ましい。
また上記したように、透明結晶化ガラス基板からなるトッププレートの裏面に光沢の強い装飾膜を形成すると、眩しくなりやすいが、本発明における結晶化ガラスは、オパール調の外観を呈するため、図1に示すように、調理器用トッププレート10の裏面10aに光沢の強い装飾膜11(例えばTiN膜)を形成しても、その内部で反射光が程良く散乱し、その結果、柔らかい光沢を有する高級感のある外観を得ることができる。つまり本発明のトッププレートは、正反射光を適度に抑制する防眩効果を有するため、裏面に形成される装飾膜の光沢の強弱を問わない。そのためデザインバリエーションが大幅に拡大され、従来よりも外観意匠性の高いものが容易に得られる。
本発明で使用する装飾膜としては、Ti、Nb、W及びMoからなる群より選ばれた1種の金属の窒化物、Si、Ti、Al、Nb、W、Mo、Sn、Cr、Pt及びAuからなる群より選ばれた1種の金属、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた1種の合金、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた1種の合金の窒化物を含む膜が適している。特にTiNからなる遮光膜は、膜中の窒素含有量を変化させることによって、窒素の少ない順に、銀色、金色、赤黒色、黒色と無段階的に外観が変化し、所望の色調を得やすいため好ましい。
また遮光膜に加え、酸化防止膜を形成することも可能である。酸化防止膜は、Si、Ti、Al、Nb、W、Mo、Ta及びSnからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属の窒化物、又はSi、Al及びTiからなる群より選ばれた1種の金属の酸化物を含む膜が適しており、遮光膜の上層に形成したり、ガラス基板と遮光膜との間に形成することができる。酸化防止膜を形成することにより、遮光膜が酸化されにくくなり、熱による遮光膜の変質を抑制することができる。
以下、本発明の調理器用トッププレートを実施例に基づいて説明する。
まず重量百分率で、SiO2 65.9%、Al23 22.0%、MgO 0.1%、Li2O 4.0%、Na2O 0.5%、K2O 0.5%、P25 1.5%、ZrO2 2.5%、TiO2 2.0%、As23 1.0%の組成となるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1580℃で16時間溶融した後、カーボン台上に流し出し、ローラー成形することによって5mm厚の板状ガラスを作製した。次いで、この板状ガラスを700℃で炉冷した。
こうして得られた板状ガラスを300℃/時の速度で780℃まで昇温し、その温度で120分間保持して核形成を行い、次いで80℃/時の速度で、表1に示す温度(2次処理温度)まで昇温し、各温度で120分間保持して結晶成長を行い、結晶化ガラスを作製した。また各結晶化ガラスの主結晶相、平均結晶粒径、粒径変動係数、明度値L*、可視光平均透過率、赤外光平均透過率、熱膨張係数、外観および防眩性を調べ、その結果を表1、2に示した。尚、表中の主結晶相に記載されたβ−Sは、β−スポジュメン固溶体を示し、β−Qは、β−石英固溶体を示す。
表から明らかなように、実施例1〜4の結晶化ガラスは、主結晶相がβ−スポジュメン固溶体であり、平均結晶粒径が300〜800nm、粒径変動係数が8%以下、明度値L*が40〜70、可視光平均透過率が8〜50%、赤外光平均透過率が55〜85%、熱膨張係数が+5〜+11×10-7/℃であり、いずれも外観がオパール調で、防眩性が良好であった。
これに対し、比較例1は、主結晶相がβ−石英固溶体であり、平均結晶粒径が70nm、粒径変動係数が12%、明度値L*が5、可視光平均透過率が86%であり、外観が透明で、防眩性に劣っていた。
また比較例2は、主結晶相がβ−スポジュメン固溶体であったが、平均結晶粒径が1500nm、粒径変動係数が11%、明度値L*が90、可視光平均透過率が0%、赤外光透過率が30%であり、外観が白色で不透明であるため、防眩性の評価はできなかった。
尚、表1、2における主結晶相は、粉末法によるX線回折によって確認した。平均結晶粒径は、結晶化ガラスの一部を電子顕微鏡で観察して求めた。粒径変動係数(CV)は、電子顕微鏡で平均結晶粒径(D)と標準偏差(σ)を求め、次式から計算した。
CV(粒径変動係数)=(σ/D)×100[%]
また明度値L*は、側色色差計(JUKI株式会社製JP7200F/C)を用いて測定した。可視光平均透過率及び赤外光平均透過率は、各試料ガラスを厚み4mmに研磨した後、積分球を設置した分光光度計を用いて波長400〜800nmにおける平均透過率と、波長1〜2μmにおける平均透過率を測定したものである。熱膨張係数は、差動検出式相対膨張計を用いて30〜750℃における平均線熱膨張係数を測定した。外観は、目視で観察することによって判断し、試料ガラスを黒い背景上に置いた時、青白い散乱光が観察され、且つ透過光が黄色に観察される場合をオパール調として判断した。防眩性は、各試料ガラスの片面に膜厚0.5μmのTiN膜をスパッタ法によって成膜し、40Wランプで膜を形成していない側の面を照らした時の反射光を直視した際、眩しさを感じない場合は「良好」とし、眩しさを感じる場合は、「不良」とした。
以上のように、本発明の調理器用トッププレートは、明るい光沢を有しながら、目立ちすぎることがなく、また赤色以外のインジケータの光を容易に確認することができ、しかも優れた防眩効果を有している。よって赤外線加熱調理器や電磁加熱(IH)調理器として好適であり、さらにはガス調理器に使用することも可能である。
また本発明の製造方法によると、上記の調理器用トッププレートを容易に製造することが可能である。
本発明の調理器用トッププレートを示す部分断面図である。
符号の説明
10 調理器用トッププレート
10a 裏面
11 装飾膜

Claims (12)

  1. 主結晶相としてβ−スポジュメン固溶体を含むLi2O−Al23−SiO2系の低膨張結晶化ガラスから形成されてなる調理器用トッププレートであって、前記β−スポジュメン固溶体の平均粒径が100〜1000nmであることを特徴とする調理器用トッププレート。
  2. 外観が、オパール調であることを特徴とする請求項1記載の調理器用トッププレート。
  3. β−スポジュメン固溶体は、平均粒径が150〜900nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の調理器用トッププレート。
  4. β−スポジュメン固溶体は、粒径の変動係数が10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  5. 結晶化ガラスは、肉厚4mmにおいて、JIS Z8729に基づくL***表示系の明度値L*が30〜87の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  6. 結晶化ガラスは、肉厚4mmでの平均透過率が、波長400〜800nmにおいて0.1〜60%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  7. 結晶化ガラスは、肉厚4mmでの平均透過率が、波長1〜2μmにおいて50%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  8. 結晶化ガラスは、ZnO含有量が2質量%未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  9. 結晶化ガラスは、質量百分率で、SiO2 55〜70%、Al23 15〜30%、Li2O 2.5〜6%、ZnO 2%未満、BaO 0〜5%、TiO2 1〜6%、ZrO2 0〜4%、P25 0〜5%、MgO 0〜3%、Na2O 0〜4%、K2O 0〜4%を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  10. 結晶化ガラスは、30〜750℃における平均線熱膨張係数が、−10〜+30×10-7/℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  11. 調理面の反対側の面に、装飾膜が形成されてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  12. 質量百分率で、SiO2 55〜70%、Al23 15〜30%、Li2O 2.5〜6%、ZnO 2%未満、BaO 0〜5%、TiO2 1〜6%、ZrO2 0〜4%、P25 0〜5%、MgO 0〜3%、Na2O 0〜4%、K2O 0〜4%を含有するガラス基板を準備し、このガラス基板を700〜900℃の温度域で30〜180分間熱処理した後、900〜1100℃の温度域で10〜180分間熱処理することによって、内部にβ−スポジュメン固溶体を析出させることを特徴とする調理器用トッププレートの製造方法。
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