JP2005063574A - 光ピックアップおよび光ディスク再生装置 - Google Patents
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Abstract
複数の光源についてのコマ収差の補正を容易に行える光ピックアップおよび光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】
光ピックアップが、光ディスク上での第1、第2のレーザ光の集光箇所を結ぶ線上に沿って、レンズの傾きを変化させるレンズ駆動部を具備する。レンズの光ディスクに対する傾きを変化させることで、レンズから光ディスクに出射される光のコマ収差を補正することができる。この結果、第1、第2のレーザ光源いずれからの光についてもコマ収差を適正な範囲とすることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
このように複数の箇所(複数の光源)から異なる波長の光束が出射される場合には、これらの光束の光学的条件(正弦条件等)にズレが生じる。例えば、2波長用の対物レンズでは、DVD用の光源で正弦条件がほぼ満たされ、CD用の光源で正弦条件からのズレが大きいのが通例である。このときには、光束の入射方向が対物レンズに対して傾いた場合に、DVD用の光源では最適傾角からの変化が比較的小さく、CD用の光源では最適傾角からの変化が大きくなる。このため、CD用の光源をDVD用の光源よりも光軸の近傍に配置する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、DVDに記録を行う場合には、光利用効率を上げるために、対物レンズの焦点距離foとコリメーターの焦点距離fcの比fc/foを再生用の光学系よりも大きくする場合がある。この場合、記録時には再生時よりも光軸に対する光束の傾きが大きくなり、非点収差が大きくなり、記録品質が低下する可能性がある。
この問題を解決するために、2つの波長で光軸を互いに一致させる技術が知られているが、光軸を一致させるための部品の追加が必要となり、光ディスク装置の高価格化、大型化を招く。
他の手段として、液晶素子を用いてコマ収差を補正する技術も知られているが、この場合も光ディスク装置の高価格化、大型化を招くことになる。
以上に鑑み、本発明は複数の光源についてのコマ収差の補正を容易に行える光ピックアップおよび光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
なお、レンズの傾きを変化する方向は、第1、第2のレーザ光の集光箇所を結ぶ線上と完全に一致する必要はなく、40°程度の相違が許容される。
第1のレーザ光源は光軸に近接して配置されているので、レンズが光ディスクと平行(傾きがない)のときにコマ収差を最小の状態とすることが容易に行える。この場合、第1のレーザ光源については、レンズ駆動部によってレンズの傾きを変化させる必要がなくなる。
この場合には、レンズ駆動部を光ディスクの径方向に光軸のチルト方向を調節するチルト調節機構と兼用できる。
例えば、CDとDVDのように異なる波長の光束で再生される光ディスクからの情報の読み取りが可能となる。
レンズの傾きを変化させることで、レンズから出射される光のコマ収差を補正することができる。この結果、第1、第2のレーザ光源いずれからの光についてもコマ収差の補正が可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ディスク再生装置10を示す模式図である。
光ディスク再生装置10は、光ピックアップ20,光ピックアップ駆動部30を備え、規格の異なる複数の光ディスクD(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)からの情報の読み出しを行う。
光ピックアップ駆動部30は,光ピックアップ20全体を移動(シーク等)するためのアクチュエータである。
コリメータレンズL1は、ビームスプリッタBSから出射された第1、第2のレーザ光を平行光に変換し、光ディスクDから反射された第1、第2のレーザ光を収束光に変換する光学素子である。
ミラーMは、第1、第2のレーザ光の方向を変える光学素子である。
図2は、対物レンズL2で集光された第1、第2のレーザ光が光ディスクD上に形成したスポットSP1、SP2の配置を表す模式図である。スポットSP1、SP2は光ディスクD上でその径方向(ラジアル方向)RDに並ぶように配置され、この配置はレーザダイオードLD上での第1、第2のレーザ光の発光点の配置を反映している。
図3(A)、(B)は、対物レンズ駆動機構22の詳細を表す上面図および側面図である。
対物レンズ駆動機構22は、レンズ保持部51,フォーカス・トラッキング駆動部52、接続部53、チルト駆動部54から構成される。
フォーカス・トラッキング駆動部52は、対物レンズL2を光ディスクDに対する前後方向、および光ディスクDの径方向に移動させるための移動機構であり、光ディスクDに対する第1、第2のレーザ光の焦点合わせ(フォーカシング)および光ディスクDのトラックに対する第1、第2のレーザ光のスポット位置の調節(トラッキング)を行う。フォーカス・トラッキング駆動部52は、例えば、フォーカス用コイル、トラッキング用コイルから構成され、これらのコイルに流す電流量を調節することで、フォーカシングおよびトラッキングを行える。
接続部53は、フォーカス・トラッキング駆動部52と回転部61を力学的に接続するための機構である。
チルト駆動部54は、回転部61,電磁石62,シャフト63,固定部64,磁石部65から構成される。
回転部61は、固定部64とシャフト63で接続され、シャフト63を回転軸として光ディスクDのチルト方向に回転する。
電磁石62は、回転部61に接続され、回転部61を固定部64に対して回転させるための駆動機構である。電磁石62に電流を流すことで磁石部65との間に吸引力、または反発力が生じ、回転部61を回転して傾斜角θを調節することができる。電流を流す方向で回転方向が、電流量で回転角の絶対値を制御できる。
シャフト63は、回転部61と固定部64とを回転可能に接続する接続機構である。
固定部64は、光ピックアップ20の本体に接続され、光ピックアップ駆動部30により光ピックアップ20本体と共に移動される(シーク動作)。
磁石部65は、固定部64に接続された固定磁石であり、これと電磁石62との間の吸引・反発力によって回転部61が回転する。
第1のレーザ光の発光点は光ピックアップ20の光学系の光軸近傍に配置されており、対物レンズL2が光ディスクDに対して略垂直に入射するときに(θ=0)、コマ収差が最小になるように設定されている。このため、第1のレーザ光はチルト駆動部54によるコマ収差の補正が必ずしも必要としない。
一方、第2のレーザ光の発光点は光ディスクDの径方向RDにずれて配置されているため、径方向RDにコマ収差が発生する。チルト駆動部54によって対物レンズL2を径方向RDに傾けることで、第2のレーザ光のコマ収差を補正することができ、第1、第2のレーザ光を共に、コマ収差が小さな最良傾角で使用することが可能になる。
例えば、第1のレーザ光がDVD用で第2のレーザ光がCD用の場合、CDで要求される開口数は記録時、再生時のいずれでもDVDの再生時に要求される開口数よりも小さい。このため、対物レンズL2を光ディスクDに対して傾けて、CD用の第2のレーザ光のコマ収差を補正したときの非点収差は第1のレーザ光のそれよりも小さくなる。
ホログラム70は、基板71(屈折率:n)および基板71上に形成された複数の回折部72を有する。回折部72は、段差tの6段の階段形状をなしている。
回折部72の段差tを適宜に設定することで、ホログラム70を通過する第1、第2の波長の光をそれぞれ、0次回折光、1次回折光とすることができる。例えば、基板71の屈折率nを1.5,段差tを1.3μmとする。このとき、第1、第2の波長λ1,λ2の光それぞれの段で生じる位相差φ1,φ2(φ1=2π(n−1)t/λ1、φ2=2π(n−1)t/λ2)はそれぞれ2π、10π/6となり、ホログラム70を通過する第1、第2の波長の光それぞれを、ほぼ0次回折光、1次回折光となる。
受光素子たるフォトダイオードPDは、光ディスクDで反射された第1、第2のレーザ光を検出し、光ディスクDからの情報の読み出しを行うための素子である。
フォトダイオードPDは、レーザ光がグレーティング21によってメインビームと2つのサブビームに分割されていることに対応して、これら3つのビームそれぞれを独立に検出できるように検出領域が区分されている。3つのビームそれぞれを検出し、演算することで、差動プッシュプル法(DPP法)によるトラッキングエラー信号(差動プッシュプル信号:DPP信号)の生成がなされる。
光ピックアップ20の動作を説明する。ここで、第1、第2のレーザ光は、光ディスクDの種別等に応じてそのどちらか一方のみが出射されるのが通例であるが、判り易さのために第1、第2のレーザ光を対比して説明する。
(2)その後、第1、第2のレーザ光は、ミラーMで反射され、対物レンズL2に入射し、光ディスクD上に集光される。例えば、第1のレーザ光はDVDに第2のレーザ光はCDに集光される。
光ディスクD上での第1、第2のレーザ光のビームスポットSP1、SP2は光ディスクDの径方向RDに並ぶように配置される(図2参照)。この内、第2のレーザ光はチルト駆動部54によって傾きが調節される(ビームスポットSP2からビームスポットSP21に移動)ことで、コマ収差が補正される。
(4)光軸補正素子23を通過した第1、第2のレーザ光は検出レンズL3を経て、フォトダイオードPDに入射する。第1、第2のレーザ光は、光軸補正素子23によって、フォトダイオードPD上の同じ位置に集光される。フォトダイオードPDから3つのビームに対応する信号が出力され、この3つの出力を演算することでDPP信号が生成され、光ピックアップ20のトラッキング制御を行える。
また、チルト駆動部54は光ディスクDに対するレーザ光の入射方向がチルト方向にずれた場合の補正に本来必要な部品である。このため、光学部品を追加して光軸を揃えたり、液晶素子等によって収差を補正する場合に比べて、光ピックアップ20を小型、安価とすることができる。
20 光ピックアップ
21 グレーティング
22 対物レンズ駆動機構
23 光軸補正素子
30 光ピックアップ駆動部
51 レンズ保持部
52 フォーカス・トラッキング駆動部
53 接続部
54 チルト駆動部
61 回転部
62 電磁石
63 シャフト
64 固定部
65 磁石部
D 光ディスク
L1 コリメータレンズ
L2 対物レンズ
L3 検出レンズ
L3 対物レンズ
LD レーザダイオード
M ミラー
PD フォトダイオード
Claims (5)
- 第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、
第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、
前記第1、第2のレーザ光源から出射される第1、第2のレーザ光を入射し、光ディスクに集光するレンズと、
前記光ディスク上での前記第1、第2のレーザ光の集光箇所を結ぶ線上に沿って、前記レンズの傾きを変化させるレンズ駆動部と、
を具備することを特徴とする光ピックアップ。 - 前記第1のレーザ光源が前記第2のレーザ光源よりも前記レンズの光軸に近接して配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。 - 前記レンズ駆動部が前記光ディスクの径方向に前記レンズの傾きを変化させる
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。 - 前記第1、第2のレーザ光の波長が互いに異なる
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。 - 第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、
第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、
前記第1、第2のレーザ光源から出射される第1、第2のレーザ光を入射し、光ディスクに集光するレンズと、
前記光ディスク上での前記第1、第2のレーザ光の集光箇所を結ぶ線上に沿って、前記レンズの傾きを変化させるレンズ駆動部とを備える光ピックアップ
を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003293396A JP2005063574A (ja) | 2003-08-14 | 2003-08-14 | 光ピックアップおよび光ディスク再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003293396A JP2005063574A (ja) | 2003-08-14 | 2003-08-14 | 光ピックアップおよび光ディスク再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005063574A true JP2005063574A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=34370364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003293396A Pending JP2005063574A (ja) | 2003-08-14 | 2003-08-14 | 光ピックアップおよび光ディスク再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005063574A (ja) |
-
2003
- 2003-08-14 JP JP2003293396A patent/JP2005063574A/ja active Pending
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